JP2510788B2 - 低電力損失酸化物磁性材料 - Google Patents
低電力損失酸化物磁性材料Info
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- JP2510788B2 JP2510788B2 JP3000729A JP72991A JP2510788B2 JP 2510788 B2 JP2510788 B2 JP 2510788B2 JP 3000729 A JP3000729 A JP 3000729A JP 72991 A JP72991 A JP 72991A JP 2510788 B2 JP2510788 B2 JP 2510788B2
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- Japan
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- ppm
- power loss
- loss
- low power
- mol
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスイッチングコンバータ
ーやディスプレイモニタ電源等に用いられるトランスコ
ア用材料に適した低電力損失Mn−Znフェライトに関
するものである。
ーやディスプレイモニタ電源等に用いられるトランスコ
ア用材料に適した低電力損失Mn−Znフェライトに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の用途を持つMn−Znフ
ェライトについては、従来結晶粒径を10μm程度に制
御し、主として100〜300wt.ppm(以下 p
pmと略す)のSiO2、100〜1000ppmのC
aOを添加して渦電流損失を抑え、その特性を改善する
ことが行われてきた。
ェライトについては、従来結晶粒径を10μm程度に制
御し、主として100〜300wt.ppm(以下 p
pmと略す)のSiO2、100〜1000ppmのC
aOを添加して渦電流損失を抑え、その特性を改善する
ことが行われてきた。
【0003】一方、近年、この種のフェライトコアが用
いられている機器の小型化、あるいは高周波化、大電力
化から、トランスの高周波、高負荷対応が要求されるよ
うになりつつあるが、従来のMn−Znフェライト材料
はこのような使用条件下では電力損失の増大による発熱
が多くなり、信頼性が低下するという問題が生ずる。
いられている機器の小型化、あるいは高周波化、大電力
化から、トランスの高周波、高負荷対応が要求されるよ
うになりつつあるが、従来のMn−Znフェライト材料
はこのような使用条件下では電力損失の増大による発熱
が多くなり、信頼性が低下するという問題が生ずる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決するために電力損失が改善され、高周波、高負荷下で
も信頼性の高いMn−Znフェライトからなる低電力損
失磁性材料を提供することを目的とする。
決するために電力損失が改善され、高周波、高負荷下で
も信頼性の高いMn−Znフェライトからなる低電力損
失磁性材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】トランスコアに用いられ
る多結晶磁性材料の性能向上については、結晶粒界特性
の改善、結晶粒内特性の改善の二つの方向があるが、本
発明はSiO2 ,CaO,V2 O5 ,TiO2 の同時添
加により結晶粒界、結晶粒内の比抵抗を同時に高め、M
nZnフェライトの電力損失を改善するものである。
る多結晶磁性材料の性能向上については、結晶粒界特性
の改善、結晶粒内特性の改善の二つの方向があるが、本
発明はSiO2 ,CaO,V2 O5 ,TiO2 の同時添
加により結晶粒界、結晶粒内の比抵抗を同時に高め、M
nZnフェライトの電力損失を改善するものである。
【0006】即ち、Fe2 O3 50〜56 mol%、Mn
O25〜40 mol%、ZnO5〜20 mol%の組成のM
n−Znフェライトにおいて、SiO2 50〜300pp
m 、CaO100〜1000ppm 、V2 O5 50〜10
00ppm 、TiO2 1000〜5000ppm の同時添加
によってMnZnフェライトの比抵抗を高め、電力損失
を大きく改善することを特徴とするものである。ここで
V2 O5 はCaOの効果を高めて粒界特性を改善し、T
iO2 は粒内に固溶し、粒内の特性を改善する。これら
の相乗効果によって、全体の損失を大きく改善すること
が可能になった。
O25〜40 mol%、ZnO5〜20 mol%の組成のM
n−Znフェライトにおいて、SiO2 50〜300pp
m 、CaO100〜1000ppm 、V2 O5 50〜10
00ppm 、TiO2 1000〜5000ppm の同時添加
によってMnZnフェライトの比抵抗を高め、電力損失
を大きく改善することを特徴とするものである。ここで
V2 O5 はCaOの効果を高めて粒界特性を改善し、T
iO2 は粒内に固溶し、粒内の特性を改善する。これら
の相乗効果によって、全体の損失を大きく改善すること
が可能になった。
【0007】
【作用】本発明における成分限定理由を以下に述べる。
即ち、主成分をFe2 O3 50〜56 mol%、MnO2
5〜40 mol%、ZnO5〜20 mol%と限ったのは、
この範囲内で損失が最低となる温度を80〜100℃、
飽和磁束密度を500mT程度とすることができるからで
ある。
即ち、主成分をFe2 O3 50〜56 mol%、MnO2
5〜40 mol%、ZnO5〜20 mol%と限ったのは、
この範囲内で損失が最低となる温度を80〜100℃、
飽和磁束密度を500mT程度とすることができるからで
ある。
【0008】副成分については、図1に示すように、T
iO2 の添加量が1000ppm 未満では損失改善の効果
が顕著ではなく、5000ppm を超えると無添加時より
も損失が悪化する。また、V2 O5 の添加量が50ppm
未満では損失改善の効果が顕著ではなく、1000ppm
を超えるとフェライト組織の制御が難しくなり、損失が
悪化する。SiO2 については、その添加量が本発明範
囲に満たないと添加効果がなく、これを超えると結晶粒
径を制御することが困難になるからであり、CaOにつ
いては、その添加量が本発明範囲を外れると添加効果が
みられず、損失が改善されない。上記範囲内の成分をも
つ従来の製造法で得られるMnZnフェライト材料は、
これをトランスコア材料として用いた場合に低電力損失
化の要求を満たすものである。
iO2 の添加量が1000ppm 未満では損失改善の効果
が顕著ではなく、5000ppm を超えると無添加時より
も損失が悪化する。また、V2 O5 の添加量が50ppm
未満では損失改善の効果が顕著ではなく、1000ppm
を超えるとフェライト組織の制御が難しくなり、損失が
悪化する。SiO2 については、その添加量が本発明範
囲に満たないと添加効果がなく、これを超えると結晶粒
径を制御することが困難になるからであり、CaOにつ
いては、その添加量が本発明範囲を外れると添加効果が
みられず、損失が改善されない。上記範囲内の成分をも
つ従来の製造法で得られるMnZnフェライト材料は、
これをトランスコア材料として用いた場合に低電力損失
化の要求を満たすものである。
【0009】
【実施例】コア成形時の組成がFe2 O3 53 mol%、
MnO36 mol%、ZnO11 mol%、および副成分S
iO2 150ppm 、CaO440ppm 、V2 O5 540
ppm 、TiO2 1900ppm となるように秤量し、これ
らをボールミルにて10時間混合攪拌し、乾燥させたの
ち、950℃、2時間の仮焼を行い、これをボールミル
にて5時間粉砕した。このようにして得られた粉末原料
に結合材としてポリビニルアルコール溶液を加え、造粒
した後、2 ton/cm2 の圧力で外径30mm、内径17.
5mm、高さ6.5mmのトロイダルリングコアに成形し
た。この試料を1250℃で4時間酸素濃度を調整した
雰囲気にて本焼成を行った。
MnO36 mol%、ZnO11 mol%、および副成分S
iO2 150ppm 、CaO440ppm 、V2 O5 540
ppm 、TiO2 1900ppm となるように秤量し、これ
らをボールミルにて10時間混合攪拌し、乾燥させたの
ち、950℃、2時間の仮焼を行い、これをボールミル
にて5時間粉砕した。このようにして得られた粉末原料
に結合材としてポリビニルアルコール溶液を加え、造粒
した後、2 ton/cm2 の圧力で外径30mm、内径17.
5mm、高さ6.5mmのトロイダルリングコアに成形し
た。この試料を1250℃で4時間酸素濃度を調整した
雰囲気にて本焼成を行った。
【0010】得られた試料を周波数100kHz 、最大磁
束密度200mTにて損失を測定したところ、380kW/
m3 であった。また、10kHz 、2×10-3Oeでの比
初透磁率は2450であった。
束密度200mTにて損失を測定したところ、380kW/
m3 であった。また、10kHz 、2×10-3Oeでの比
初透磁率は2450であった。
【0011】本発明例1と同等の主成分でTiO2 及び
V2 O5 の添加量を第1表の本発明例2〜5のように変
えた結果を表2に併せて示す。比較例として、本発明例
1と同等の主成分で添加物をCaO,SiO2 に限った
場合、及びTiO2 あるいはV2 O5 をCaO,SiO
2 と共に添加した場合の結果も併せて示す。
V2 O5 の添加量を第1表の本発明例2〜5のように変
えた結果を表2に併せて示す。比較例として、本発明例
1と同等の主成分で添加物をCaO,SiO2 に限った
場合、及びTiO2 あるいはV2 O5 をCaO,SiO
2 と共に添加した場合の結果も併せて示す。
【0012】表2より明らかなように、CaO,SiO
2 ,TiO2 ,V2 O5 の複合添加が電力損失改善に大
きな効果があることが判る。TiO2 ,V2 O5 それぞ
れの添加量が1900ppm ,210ppm の本発明例3で
損失が最も低く、TiO2 ,V2 O5 を添加しない場合
の比較例1に対して損失が周波数100kHz 、最大磁束
密度200mTで40%改善されている。更に高周波の周
波数500kHz 、最大磁束密度100mTでの電力損失で
も、本発明例3では損失が比較例1に較べて35%改善
されている。なお、飽和磁束密度は本発明範囲のTiO
2 ,V2 O5 の添加量の範囲では大きな影響は受けな
い。
2 ,TiO2 ,V2 O5 の複合添加が電力損失改善に大
きな効果があることが判る。TiO2 ,V2 O5 それぞ
れの添加量が1900ppm ,210ppm の本発明例3で
損失が最も低く、TiO2 ,V2 O5 を添加しない場合
の比較例1に対して損失が周波数100kHz 、最大磁束
密度200mTで40%改善されている。更に高周波の周
波数500kHz 、最大磁束密度100mTでの電力損失で
も、本発明例3では損失が比較例1に較べて35%改善
されている。なお、飽和磁束密度は本発明範囲のTiO
2 ,V2 O5 の添加量の範囲では大きな影響は受けな
い。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【発明の効果】以上から明らかなように、Fe2 O3 ,
MnO,ZnOを主成分としたフェライトにSiO2 ,
CaO,TiO2 ,V2 O3 を複合添加すると、電源ト
ランスの100kHz 以上の高周波駆動における電力損失
を大幅に改善することができる。したがって本発明によ
る低電力損失Mn−Znフェライトを電源トランスコア
として用いれば、例えばスイッチングコンバータ等の小
型化及び軽量化が可能となる。
MnO,ZnOを主成分としたフェライトにSiO2 ,
CaO,TiO2 ,V2 O3 を複合添加すると、電源ト
ランスの100kHz 以上の高周波駆動における電力損失
を大幅に改善することができる。したがって本発明によ
る低電力損失Mn−Znフェライトを電源トランスコア
として用いれば、例えばスイッチングコンバータ等の小
型化及び軽量化が可能となる。
【図1】図1はTiO2 添加による電力損失の改善を示
す図表である。
す図表である。
Claims (1)
- 【請求項1】 Fe2O350〜56mol%、MnO
25〜40mol%、Zn05〜20mol%を主成分
とし、これにSiO250〜300wt.ppm、Ca
O100〜1000wt.ppm、V2O550〜10
00wt.ppm、及びTiO21000〜5000w
t.ppmを幅成分として同時に含むことを特徴とする
低電力損失酸化物磁性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3000729A JP2510788B2 (ja) | 1991-01-08 | 1991-01-08 | 低電力損失酸化物磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3000729A JP2510788B2 (ja) | 1991-01-08 | 1991-01-08 | 低電力損失酸化物磁性材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04242904A JPH04242904A (ja) | 1992-08-31 |
JP2510788B2 true JP2510788B2 (ja) | 1996-06-26 |
Family
ID=11481823
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3000729A Expired - Lifetime JP2510788B2 (ja) | 1991-01-08 | 1991-01-08 | 低電力損失酸化物磁性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2510788B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115286376B (zh) * | 2022-07-01 | 2023-06-20 | 信丰天科磁业有限公司 | 一种掺杂型锰锌软磁铁氧体磁芯及其制造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6049150B2 (ja) * | 1981-08-27 | 1985-10-31 | 住友特殊金属株式会社 | 低磁気損失Mn−Znフェライトの製造方法 |
JPS59232965A (ja) * | 1983-06-11 | 1984-12-27 | 株式会社トーキン | 低損失酸化物磁性材料 |
JPS61252606A (ja) * | 1985-05-01 | 1986-11-10 | Tohoku Metal Ind Ltd | 低損失酸化物磁性材料 |
JP2892095B2 (ja) * | 1989-12-26 | 1999-05-17 | 川崎製鉄株式会社 | 低損失Mn―Zn系フェライト |
-
1991
- 1991-01-08 JP JP3000729A patent/JP2510788B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04242904A (ja) | 1992-08-31 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19960213 |