JPH06290925A - 電源用高周波低損失フェライト - Google Patents
電源用高周波低損失フェライトInfo
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- JPH06290925A JPH06290925A JP4232776A JP23277692A JPH06290925A JP H06290925 A JPH06290925 A JP H06290925A JP 4232776 A JP4232776 A JP 4232776A JP 23277692 A JP23277692 A JP 23277692A JP H06290925 A JPH06290925 A JP H06290925A
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Abstract
広範な温度領域において充分電力損失の小さいMn―Z
n系電源用高周波低損失フェライトを得る。 【構成】 Fe2O3、MnO、ZnOを主成分とし、副
成分としてCaO 300〜1500ppm、Ta2O5
200〜1500ppm、SiO2 280〜500
ppm、CoO 1000〜4000ppmを複合添加
含有する。
Description
心等に用いるのに適したMn―Zn系の低損失フェライ
トに関するものである。
器、民生用機器などのトランス用材料に用いられている
が、従来のスイッチング電源用トランスにおいては、ス
イッチング周波数として専ら25〜200kHz程度の
ものが使用されている。また、近年、スイッチング電源
をさらに小型・軽量化するためスイッチング周波数は、
500kHz以上の益々高い周波数領域に設定される傾
向にあり、この目的に合うフェライト材料としても、5
00kHz以上の高周波領域において、より損失の少な
い材料が必要不可欠となっている。例えば、特開平3―
145704号公報には、200kHz以上の周波数領
域で電力損失を低減することを目的として、酸化物粉末
を混合・成形・焼成してなる酸化物磁性材料の主成分と
して、30〜37モル%の一酸化マンガン(MnO)、
10〜15モル%の酸化亜鉛(ZnO)及び残分として
酸化第二鉄(Fe2O3)を含有し、副成分として0.0
4〜0.10重量%の酸化カルシウム(CaO)と0.
015〜0.100重量%の二酸化ケイ素(SiO2)
を含有する低損失酸化物磁性材料において、前記低損失
酸化物磁性材料に0〜0.050重量%(但し0%を含
まず)の酸化ニオブ(Nb2O5)を含有せしめたことを
特徴とする低損失酸化物磁性材料が開示されている。ま
た、特開昭63〜62206号公報には、数百kHz以
上の周波数領域においても電力損失を充分低減可能なフ
ェライトを提供することを目的として、MnO、ZnO
及びFe2O3を主成分とし、TiO2を500〜600
0ppm、Ta2O5を100〜2000ppm、SiO
2を150〜270ppm及びCaOを500〜200
0ppm副成分として複合添加含有したことを特徴とす
る電源用超低損失フェライトが開示されている。さら
に、出願人は、特開平3―184307号公報におい
て、200kHz〜1MHzにおける電力損失を低減す
ることを目的として、Fe2O3、MnO、ZnOを主成
分とし、副成分として、CaO 300〜1500pp
m、Ta2O5200〜1500ppm、SiO2 28
0〜500ppmを複合添加、含有したことを特徴とす
る電源用高周波低損失フェライトを提案したが、さらに
磁気特性の優れたMn―Zn系フェライトが望まれてい
る。
ェライトの場合、磁気異方性定数K1が温度変化に対し
て傾きを持つため、K1が0近傍となる温度領域が狭い
という欠点があった。このため、非常に狭い温度範囲の
みでしか材料の磁気特性を充分に発揮できないという問
題があった。本発明は、上記の問題に臨み、数百kHz
以上の高周波領域で、従来よりも広範な温度領域におい
て充分電力損失の小さいMn―Zn系の電源用高周波低
損失フェライトを提供しようとするものである。
nO、ZnOを主成分とし、副成分としてCaO 30
0〜1500ppm、Ta2O5 200〜1500pp
m、SiO2 280〜500ppm、CoO 100
0〜4000ppmを複合添加、含有することにより、
数百kHz以上の高周波領域で、従来よりも広範な温度
領域において充分電力損失の小さいMn―Zn系フェラ
イトを提供しようとするものである。
記の通りである。副成分としてCaO、Ta2O5、Si
O2を添加した場合は、K1が0近傍となる温度領域が狭
いため、電力損失が小さくなる温度領域が狭くなるとい
う欠点があった。また、副成分としてCaO、Si
O2、CoOを添加した場合は、電気抵抗が低く数百k
Hzの高周波領域では電力損失が増大してしまうという
欠点があった。しかし、本発明の如く、Fe2O3、Mn
O、ZnOを主成分とし、副成分として、CaO、Ta
2O5、SiO2、CoOを複合添加、含有することによ
り、数百kHz以上の高周波領域で、従来よりも広範な
温度領域において電力損失の小さいMn―Zn系フェラ
イトを得ることができる。
ェライトの実施例を説明する。Fe2O3(53.5mo
l%)、MnO(37.5mol%)、ZnO(9.0
mol%)を主成分とする原料を900℃にて仮焼成し
た後、副成分として、CaCO3を1250ppm(C
aOに換算すると700ppm)、Ta2O5を500p
pm、SiO2を350ppm、CoOを2000pp
m複合添加し、ボールミルにて12時間粉砕した。但
し、CaO、SiO2の様に、予め原料に含有されてい
る副成分については、仮焼成後に添加する量をその分だ
け減じ、全体として上記成分の割合に一致する様にし
た。この粉砕原料を乾燥後、バインダーを1wt%添加
し、造粒、成形した。この成形体を保持温度1150℃
にて5時間焼成した。尚、焼成体の形状は、外径25m
m、内径15mm、高さ8mmのリング状とした。この
実施例1と同様の試料作製工程において、添加物条件を
変えて各試料を作成した。この結果を表1に示す。
あり、試料2は、Ta2O5が特許請求範囲外の比較例で
あり、試料3、4は、CoOが特許請求範囲外の比較例
である。
す。尚、比較としてCoOが特許請求範囲外の比較例2
の電力損失の温度特性を図1に示した。また、副成分と
して、CaO 700ppm、Ta2O5 500pp
m、SiO2 300ppmを複合添加、含有した時の
CoOの添加量と電力損失の関係を図2に示す。図1よ
り、実施例1の電源用高周波低損失フェライトは、周波
数500kHz、磁束密度50mTにおいて、20〜1
20℃の高温度範囲で電力損失が極めて低く、温度変化
に対し非常に安定であることが判る。また、図2より、
広温度範囲で電力損失が極めて低く、温度変化に対し非
常に安定となるのは、CoOが1000〜4000pp
mの範囲であることが判る。尚、主成分であるFe
2O3、MnO、ZnOの割合は、Fe2O3 52.0〜
55.0mol%、MnO 31.0〜42.0mol
%、ZnO 6.0〜16.0mol%の範囲であれば
良い。また、前述の主成分を仮焼成後添加する副成分C
aO、Ta2O5、SiO2、CoOは、CaO 300
〜1500ppm、Ta2O5 200〜1500pp
m、SiO2 280〜500ppm、CoO 100
0〜4000ppmの範囲内であれば、表1に示した実
施例とほぼ類似の特性が得られることが判った。但し、
副成分のCaOが1500ppmよりも多いと、電力損
失が大きくなり、また透磁率が急激に低下する。CaO
が300ppmよりも少ないと、電気抵抗が低下するた
め、高周波領域における渦電流損失が増大し、電力損失
は大きくなる。副成分のTa2O5、SiO2が範囲以上
になると、異常焼結し、電力損失が大きくなると共に、
透磁率及びQも低下する。また、副成分のTa2O5、S
iO2が範囲未満になると、電気抵抗が低下し、電力損
失は増大する。副成分のCoOが範囲以上になると、電
力損失の温度特性曲線が低温側にシフトし過ぎ、実用温
度範囲での電力損失が大きくなると共に、透磁率及びQ
も低下する。また、CoOが範囲未満になると、広温度
範囲で電力損失が小さくならない。
失フェライトは、Fe2O3、MnO、ZnOを主成分と
し、副成分としてCaO 300〜1500ppm、T
a2O5200〜1500ppm、SiO2 280〜5
00ppm、CoO 1000〜4000ppmを複合
添加、含有することにより、数百kHz以上の高周波領
域で、従来よりも広範な温度領域において、電力損失を
著しく低減できる。
z、磁束密度50mTにおける電力損失の温度特性を比
較例2の場合と示したものである。
20℃におけるCoO添加量と電力損失の関係を示した
ものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 Fe2O3、MnO、ZnOを主成分と
し、副成分として、CaO 300〜1500ppm、
Ta2O5 200〜1500ppm、SiO2280〜
500ppm、CoO 1000〜4000ppmを複
合添加、含有したことを特徴とする電源用高周波低損失
フェライト。
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