JPH0721027B2 - 広い分子量分布を有するポリマーを得るためのエチレンの重合方法と、触媒成分の処理方法 - Google Patents

広い分子量分布を有するポリマーを得るためのエチレンの重合方法と、触媒成分の処理方法

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JPH0721027B2
JPH0721027B2 JP5031448A JP3144893A JPH0721027B2 JP H0721027 B2 JPH0721027 B2 JP H0721027B2 JP 5031448 A JP5031448 A JP 5031448A JP 3144893 A JP3144893 A JP 3144893A JP H0721027 B2 JPH0721027 B2 JP H0721027B2
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    • C01F5/26Magnesium halides
    • C01F5/30Chlorides
    • C01F5/34Dehydrating magnesium chloride containing water of crystallisation
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低分子量の分子の比率
が高い分子量分布が広いポリマーを得るためのエチレン
の重合方法に関するものである。本発明方法は高密度お
よび低密度の直鎖ポリエチレンを得るのに適用される。
上記本発明方法は、エチレン重合で予め触媒成分を共触
媒で処理し且つ触媒成分の担体を特殊なものにすること
によって達成される。本発明はこの触媒成分の処理方法
に関するものである。なお、エチレン重合とはエチレン
のホモ重合のみでなく、エチレンの比率が66重量%以下
とならない範囲でのα−オレフィン、例えばプロピレ
ン、ブテン−1またはヘキサン−1との共重合を含むも
のである。
【0002】
【従来の技術】フランス国特許第FR−A−2,639,351
号には式 Mg(OR2)n Cl2-n (ここで、R2 は水素原子
または直鎖または環状の炭化水素基を表し、nは2以下
の数である)で表される化合物の中から選択される少な
くとも1つのマグネシウム誘導体と、少なくとも1つの
III型および/またはIV型のチタンの塩素誘導体とで構
成される触媒成分を、使用に先立って、少なくとも1つ
の金属−炭素結合または金属−水素結合を有する金属化
合物で還元し、次いで、遷移金属のハロゲン化物で処理
している。こうして処理した触媒成分をエチレン重合の
触媒系で用いることによって分子量分布の大きなポリマ
ーを得ることができるが、得られたポリマーでの分子量
が10,000以下の分子の含有率は10%以下に過ぎない。こ
れに対して、本発明で上記処理をマグネシウム誘導体と
して MgCl2・MgO錯体を用いた触媒成分で行うことによ
って、得られるポリマーは広い分子量分布を有し、しか
も、分子量10,000以下のポリマー鎖の含有率を10重量%
以上にすることができるということが分かっている。
【0003】分子量分布の広いポリマーは工業的にはブ
ロー押出成形法で特に使用される。このポリマーは射出
成形で工業的に用いられている分子量分布の狭いポリマ
ーとは多分散度(polydispersite)および流動指数の点で
全く異なっている。分子量分布の狭いポリマーの平均多
分散度は4〜6付近である。なお、多分散度(polydispe
rsite)は数平均分子量に対する重量平均分子量の割合を
表す。このようなポリマーは流動性が高く、流動指数の
比MFR21-2は35以下である (ここで、MFR21-2とは
ASTM規準D1238に従って2.16kgで測定した流動指数
に対する21.6kgで測定した流動指数の比MI21/MI2
を表す) 。また、5kgで測定した流動指数に対する21.5
kgで測定した流動指数の比MFR21-5 (ASTM規準D
1238によるMI21/MI5)は10以下である。このポリマ
ーは単一反応槽内で特殊なチーグラー型触媒、一般には
アルキルアルミニウムのような共触媒と、チタン、マグ
ネシウム、塩素、場合によってはさらに電子供与体を含
む触媒成分とで構成される触媒の存在下でエチレンを懸
濁重合、溶液重合または気相重合して得られる。こうし
て得られる分子量分布の狭いポリマーは弾性が低いの
で、射出成形で有害な成形品の収縮現象を避けることが
できる。
【0004】しかし、このポリマーは弾性が不足するた
め、溶融状態で高い機械的強度が要求される方法、例え
ばブロー押出成形等には適さない。溶融状態で高い機械
的強度が要求される場合には分子量分布が広いポリマ
ー、好ましくは流動指数MI5が1〜1.5 程度で流動指
数の比MFR21-5 は16以上であるか、MI21/MI2
が55以上のものが用いられる。このようなポリマーをチ
ーグラー型の触媒を用いて単一反応器内で工業的に製造
することは非常に困難である。
【0005】U. Zucchini とG. Cecchinは "Adv. in Po
lymer Science 51(1983)"の第 101〜153 頁の"Control
of Molecular-Weight Distribution in Polyolefins S
ynthesized with ziegler-Natta Catalyst System"にお
いて上記問題点を指摘し、チーグラー型触媒の存在下で
分子量分布の広いポリマーを得るための方法として、少
なくとも2つの連続した反応槽を「カスケード」状にし
て複数段階で重合することを提案している。しかし、こ
のように改良された条件を用いてもMFR21-5が16以上
であるポリエチレンを製造するのは困難であり、単一反
応槽内で分子量分布の広いポリマーが得られるような触
媒が必要条件になる。しかも、この方法は2つ以上の反
応槽を必要とし、設備が大型化し、単一反応槽よりも複
数の反応槽の方が制御が複雑になり、生産性が低下する
という欠点がある。
【0006】フランス国特許第 2,596,398号の方法を用
いれば単一槽内のエチレン重合で分子量分布が広く、M
FRMI21/MI5 が16以上であるポリマーを得ること
ができるが、そのためには共粉砕(cobroyage) して得ら
れるMgCl2とTiCl4との混合物を触媒成分として使用する
必要がある。しかし、この方法は工業的に複雑過ぎる触
媒成分の共粉砕操作が必要である上に、触媒成分の構造
が一定しないため粒子分布が不均一なポリマーになると
いう欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は触媒成
分の構造を制御することによって、分子量分布が広く、
MI21/MI5 の比が16以上 (高分子量のポリマー、特
に流動指数MI2 が0.5以下のポリマーでは25以上) で
且つMI21/MI2 の比が55以上であるポリマーを製造
する方法を提供することにある。本発明の他の目的は分
子量が10,000以下のポリマー鎖を少なくとも10重量%、
好ましくは20重量%以下含むポリマーを製造するための
触媒成分を提供することにある。このポリマーは低分子
量の分子を多く含むので、非常に扱い易い。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般にアルキ
ルアルミニウムの中から選択される共触媒と少なくとも
Mg、Ri、Clをベースとする触媒成分とで構成される触媒
の存在下でエチレンを重合させる際に、予め触媒成分を
第1段階で還元処理し、第2段階で遷移金属の塩素化物
で処理する方法において、触媒成分のMgが最初は MgCl2
・MgOの形をしている点に特徴がある。
【0009】公知方法で得られる触媒成分は少なくとも
1種のチタン化合物とマグネシウを含む担体との組み合
わせて得られる。本発明の特徴は触媒成分に上記後処理
を施す他に、担体を MgCl2・MgOにした点にある。
【0010】チタン化合物は一般に下記式で表されるチ
タンの塩化物から選択される: (OR)x Cl4-x (ここで、Rは炭素数1〜14の脂肪族または芳香族炭化
水素基またはCOR1 基(ここでR1 は炭素数1〜14の
脂肪族または芳香族炭化水素基を表す)であり、xは0
〜4の数である)
【0011】MgCl2・MgOは、 MgCl290〜50重量%、好
ましくは85〜60重量%に対してMgOが10〜50重量%、好
ましくは15〜40重量%であるものを使用するのが好まし
い。
【0012】触媒成分の担体となる MgCl2・MgOは公知
の任意の方法で製造することができるが、本発明では水
和 MgCl2をアルコールと接触させ、アルコールを部分的
に除去した後に熱処理して得られる MgCl2・MgOを使用
するのが好ましい。上記の接触は水和 MgCl2をアルコー
ル中に懸濁して行う。この際、水和 MgCl2に対するアル
コールのモル比を懸濁液の温度での両物質の溶解度比以
下にする。この方法では MgCl2で過飽和状態となってい
るアルコール中で MgCl2を懸濁状態に維持することが必
須である。この条件下で媒体を2相に維持し、 MgCl2
懸濁状態に維持するのに十分な量のアルコールを加える
のが好ましい。
【0013】本発明で使用するアルコールは炭素数4〜
16の直鎖または分岐鎖を有するモノアルコールの中から
選択する。推薦される好ましい操作条件は、アルコール
(好ましくは攪拌する)と任意構造の MgCl2水和物とを
接触させる従来の懸濁方法である。 MgCl2は十分な時
間、一般には3時間以上懸濁状態にして粒子の中心部ま
でアルコールで膨張させる。より良い結果を得るために
は、既に述べたように、 MgCl2が飽和アルコール中で懸
濁状態を維持するという条件で、ほぼ0℃〜150 ℃、好
ましくは60℃〜120 ℃の温度で操作する。
【0014】粒子の再配置が終わった後に、懸濁状態の
水和 MgCl2を MgCl2で飽和したアルコールから分離し、
好ましくは例えば炭化水素で洗浄し、好ましくは乾燥し
た後に、通常は 300℃〜600 ℃で熱処理して、粒度の再
配置を崩さずに MgCl2・MgOを形成させる。乾燥処理は
一般に減圧下で行うか、予め乾燥させた不活性ガス媒体
を用いた流動ベッドで行う。
【0015】得られる MgCl2・MgOは一般に15〜40重量
%のMgOを含み、この MgCl2・MgO粒子の平均粒径は一
般に5〜200 μmで、粒度分布を狭くするためには10〜
120μmが好ましい。D90/D10で表される粒度分布の
巾は9以下、一般には7以下である(ここで、D90は全
粒子の90%がこの値以下の粒径を示す直径であり、D10
は全粒子の10%がこの値以下の粒径を示す直径であ
る)。最初の水和 MgCl2はMgCl2・xH2O(ここで、0.
3 ≦X≦12)で表される。この水和 MgCl2は市販のMgCl
2・6H2Oを使用するか、それを水和または脱水して用
いる。
【0016】上記 MgCl2・MgOはMgCl2・xH2O(1≦
X≦12)を不活性媒体中で温度 300〜600 ℃で熱処理し
て直接得ることもできる。得られた生成物は、好ましく
はデュレンまたはアダマンタン等の潤滑剤の存在下で、
粉砕する等によって活性化する。
【0017】触媒成分の上記の必須要素は、この形式の
触媒成分で使用可能なその他の任意の成分、例えば塩素
化物、電子供与体または受容体等と組み合わせることが
できる。塩素はハロゲン化チタンまたはハロゲン化マグ
ネシウムに直接由来するものでよいが、独立した塩素化
剤、例えば塩酸または塩化ブチル等の有機ハロゲン化物
に由来するものでもよい。電子受容体または供与体は触
媒成分に添加される液体または固体の公知の有機化合物
である。電子供与体は単官能性または多官能性の化合物
で、好ましくは脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、
これらのアルキルエステル、脂肪族エーテルまたは環状
エーテル、ケトン、ビニルエステル、アクリル誘導体、
特にアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレー
トおよびシランの中から選択することができる。特に電
子供与体として適したものはメチルパラトルエート、エ
チルベンゾエート、エチルアセテート、ブチルアセテー
ト、エチルエーテル、エチルパラアンセート、ジブチル
フタレート、ジオクチルフタレート、ジイソブチルフタ
レート、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、
メチルイソブチルケトン、ビニルアセテート、メチルメ
タクリレートおよびフェニルトリエトキシシラン、芳香
族または脂肪族のアルコキシシラン等のシランである。
電子受容体はルイス酸で、塩化アルミニウム、三フッ素
化ホウ素、クロラニール、アルキルアルミニウム、アル
キルマグネシウムの中から選択するのが好ましい。触媒
成分は少なくともMg、Ti、Cl(チタンはTIIV、TIIII
塩化物またはこれらの混合物の形をしている)の錯体(c
omplexe)、場合によってはこれらと電子供与体または受
容体との錯体になっている。触媒成分は錯体の形でもよ
いが、第2の担体、例えばSiO2 や Al23 等の無機担
体またはポリマー等の有機担体上に2重に担持された形
でもよい。
【0018】上記定義の触媒成分は、第1段階で還元剤
で処理される。この還元剤はTIIVおよび/またはTIIII
の酸化数を下げることができる化学分野で一般的に知ら
れた気体、液体または固体の炭化水素に可溶な化合物で
ある。使用する還元剤は少なくとも1つの金属−炭素結
合または金属−水素結合を有する金属化合物であるのが
好ましい。一般に、上記の少なくとも1つ以上の金属−
炭素結合を有する金属化合物は、MQy Clz-y (ここ
で、Mは周期表のI、IIおよび III族の金属、特にAlお
よびMgであり、Qは直鎖または環状の炭化水素基であ
り、zは金属の原子価の最大値に対応する数であり、y
はzと同じかそれ以下の値である)の化合物の中から選
択される。この化合物の定義にはこの化合物の付加物、
例えばNaAl(C25)4 や上記定義の金属化合物2つをO
で橋掛けして得られる化合物、例えばアルモキサンやア
ルミノシロキサンも含まれる。これらの金属化合物の中
ては、アルモキサン、アルミノシロキサン、ジアルキル
マグネシウムおよび下記の式のアルキルアルミニウムが
好ましい: Al(R3 c d (ここで、XはClであり、R3 は炭素数1から14の飽和
炭化水素基か(OR4 )を表し、ここで、R4は炭素数
1〜14の炭化水素基であり、0≦d≦1.5 かつc+d=
3である) 例としては、 Al(C25)3, Al(C25)2Cl, Al(C
49)3, Al(C25)3Cl3,Al(C613)3, Al(C817)3
およびAl(C25)2(OC25)を挙げることができる。
【0019】少なくとも1つの金属−水素結合を有する
金属化合物はMQ'cde(ここで、Mは上記定義の金
属であり、Q' は直鎖または環状の炭化水素基を表し、
XはClまたは上記Q' の中から選択される基であり、0
<d<1.5 で、1<e<z、c+d+e=zであり、z
はMの原子価の最大値に相当する)の中から選択する。
これらの化合物の例としては Al(C49)2H, Al(C2
5)2H, (C25)422等の水素化物、アルミニウ
ム−リチウム:AlLiH4 等の混合水素化物を挙げること
ができる。当然、水素化物同士の組合せでも上記定義の
有機金属化合物との組合せでも良い。
【0020】この段階では、不活性雰囲気下で触媒成分
を還元剤でそのまま処理するか、触媒成分および還元剤
に対して不活性な希釈剤の存在下で還元剤を溶解して処
理する。希釈剤としては炭化水素が適当である。反応温
度は重要ではないが、反応時間を適当な長さにするため
には大気圧下または加圧下では温度 150℃付近、好まし
くは大気圧下で40℃〜100 ℃で約10分〜24時間、還元す
るのが好ましい。最初のチタンの少なくとも50%の酸化
数が少なくとも1単位下がった時点で還元反応を停止す
る。例えば、TIIVの約50%がTIIII まで還元されるか、
TIIII の約50%がTIIIまで還元された時点で還元反応を
停止する。しかし、チタンはできるだけ還元するのが好
ましく、チタンの平均還元度が最大II付近になるまで反
応を進めるのが好ましい。この還元段階では金属還元剤
/チタンのモル比は2以上にするのが好ましく、さらに
は10〜50にするのが好ましい。還元反応は冷却して止
め、生成物を好ましくは炭化水素で洗浄して過剰の還元
剤を除去する。必要に応じて生成物を乾燥する。
【0021】第2段階では、還元された生成物を遷移金
属の塩素化物で処理する。この塩素化物は一般にチタ
ン、バナジウム、クロム、ジルコニアより選択される遷
移金属の塩化物、アルコキシ塩化物または酸塩化物、例
えば TiCl4、VCl4 の中から選択する。塩素化反応を容
易にするためには液体の塩素化物か、塩素化物に対して
不活性な溶媒に可溶なものを使用する。処理は第1段階
で得られた還元生成物と塩素化物とを不活性雰囲気下で
接触させて行う。接触温度はこの場合もそれほど重要で
はない。実際上の問題として室温〜 150℃の範囲、好ま
しくは60℃〜 100℃で数分間〜4時間の処理時間で処理
するのが好ましい。使用する遷移金属の塩素化物の量は
化学量論量の少なくとも半分、好ましくはほぼ化学量論
量にするのが好ましく、第1段階で得られる生成物のチ
タン含有量に対して過剰量とするのが好ましい。処理
後、不活性雰囲気下で生成物を洗浄し、必要に応じて乾
燥してから最終的に回収する。
【0022】第2段階の操作で得られた触媒成分は、一
般にアルキルアルミニウムの中から選択される公知の共
触媒と従来方法で組み合わされてオレフィンの懸濁重合
または気相重合で利用される。エチレンの懸濁重合は一
般に、液体炭化水素中で 120℃以下の温度で、 250バー
ル以下の圧力で操作される。エチレンの気相重合は水素
および不活性ガスの存在下で、気相重合用の任意の反応
槽、好ましくは攪拌ベッドまたは流動ベッドを有する反
応槽内で行う。操作条件は当業者に公知である。一般に
は、重合するポリマーの溶融点Tf以下の温度、特に20
℃〜(Tf−5℃)で、エチレン (その他の炭化水素モ
ノマーが反応槽中に存在する場合にはそれらも) を気体
状態に維持できるような圧力下で操作する。
【0023】重合は2段階で行うことができる。第1段
階では触媒系の諸成分と共触媒成分との存在下でエチレ
ンをベースとした予備重合(prepolymerization) を行っ
て触媒系を強固(consolider)にし、次いで、第2段階
で、エチレンまたはエチレンとα−オレフィンとの混合
物を追加して重合を続行することができる。予備重合段
階では生成すべきポリマー全体の10重量%以下が形成さ
れるようにしなければならない。この予備重合操作は炭
化水素希釈液の存在下の懸濁状態か、気相か、懸濁液と
気相とを組み合わせた状態で行うことができる。以下、
本発明の実施例を説明するが、本発明が以下の実施例に
限定されるものではない。以下の実施例において、分子
量の測定はGPC(ゲル濾過クロマトグラフィーまたは
サイズ排除クロマトグラフィー)で行った。ポリマーを
温度 135℃のトリクロロベンゼンに溶解して濃度1%と
し、濾過後にTSKカラムに注入する。カラム温度は 1
45℃、流速は1ml/分、注入量は410 mlにした。
【0024】実施例1 49gのMgCl2・6H2Oを2パスカルの減圧下で10℃/分
で昇温し、500 ℃で2時間処理して、MgOを35重量%含
む固体Aを18.4g得る。固体Aの 9.8gを 0.4gのアダ
マンタン(adamantane)と一緒に8時間粉砕し、ヘプタン
を用いて粉砕機のボールから固体を回収し、100 mlのヘ
プタンで3回洗浄する。洗浄後、固体を温度80℃で2時
間30分、40mlのTiCl4 と接触させる。100 mlのヘプタン
で3回洗浄後、得られた固体Bを減圧乾燥する。乾燥さ
せた固体Bの 2.3gを濃度が 0.9 mol/リットルのトリ
エチルアルミニウムのヘプタン溶液5mlで、80℃で3時
間処理する。Al/Tiの比はほぼ33である。得られた固体
を空気を遮断した状態で100 mlのヘプタンを用いて3回
洗浄する。生成物を0.16mlのTiCl4 と70℃で3時間接触
させる。ヘプタンで3回洗浄後、得られた固体を減圧乾
燥する。 2.9重量%のチタンを含む固体触媒成分Cが得
られる。触媒成分Cをエチレンの懸濁重合で使用する。
750回転/分の攪拌羽根を備えた1リットル容のステン
レス製反応槽中に不活性雰囲気下で、室温で、下記のも
のを順次導入する: ヘプタン 500 ml トリイソブチルアルミニウム 3mM 触媒成分C 28mg 反応槽内の分圧が 3.6バールに達するまで水素を添加す
る。温度を80℃に上げてから、全圧を8バール(絶対気
圧)に調節しながらエチレンを入れる。エチレンを加え
ることによって上記全圧を1時間維持する。1時間後、
エチレンの注入を停止し、室温まで冷却した後、10%の
塩酸でわずかに酸性化したメタノール溶液を加えて触媒
を不活化する。ポリマー懸濁液を濾過し、乾燥する。結
果は以下の通り: MI5 = 0.9 MI21 = 16.6 MI21/MI5 = 18.4 MI21/MI2 = 87.3 分子量<10,000= 13.5 重量%
【0025】実施例2 2.1gの乾燥させた固体Bを濃度が 1.28mol/リットル
のトリエチルアルミニウム(Al/Ti=35.4)のヘプタン
溶液 4.4mlで、70℃で3時間処理する。得られた固体を
空気を遮断した状態で100 mlのヘプタンを用いて3回洗
浄する。生成物を10mlのTiCl4 と75℃で2時間接触させ
る。ヘプタンで3回洗浄後、得られた固体を減圧乾燥す
ると 4.9重量%のチタンを含む固体の触媒成分Dが得ら
れる。触媒成分Dを実施例1の条件でエチレンの懸濁重
合で使用する。試験1では水素を4バールにし、試験2
では2バールにした。比較のためにフランス国特許第
2,639,351号の実施例2で得られる触媒成分Eを用い
て、試験2を繰り返した(比較例2)。
【0026】
【表1】
【0027】実施例3 19.2gのMgCl2・6H2Oを2パスカルの減圧下で 500℃
で2時間処理する。昇温は5℃/分で20分間、その後は
10℃/分にする。MgOを35重量%含む固体Eが7.2g得
られる。固体Eの 6.5gを0.33gのアダマンタンと一緒
に8時間粉砕する。粉砕機のボールからヘプタンを用い
て固体を回収し、100 mlのヘプタンで3回洗浄し、減圧
乾燥させる。得られた固体を温度40mlのTiCl4 と70℃で
2時間接触させる。100 mlのヘプタンで3回洗浄後、得
られた固体Fを減圧乾燥する。1.5 gの固体Fを濃度が
1.3 mol/リットルのトリエチルアルミニウムのヘプタ
ン溶液(Al/Ti=24.6)5mlで65℃で2時間処理する。
得られた固体を空気を遮断した状態で100 mlのヘプタン
を用いて3回洗浄する。生成物を80℃で2時間、10mlの
TiCl4 と接触させる。得られた固体を減圧乾燥させると
7.4重量%のチタンを含む触媒成分Gが得られる。この
触媒成分Gを実施例1の条件でエチレンの懸濁重合で使
用した。しかし、この場合にはトリヘキシルアルミニウ
ムを用い、水素は 3.4バールにした。比較のためにフラ
ンス国特許第 2,639,351号の実施例2で得られた触媒成
分Dを用いて試験を繰り返した (比較例) 。結果は以下
の通り。
【0028】
【表2】
【0029】実施例4 アルゴン雰囲気下で、70.2gのMgCl2・6H2Oを52mlの
2−エチルヘキサノールと接触させた。全体を攪拌しな
がら6時間95℃で加熱する。デカンテーションおよびサ
イホニングして溶媒を除去する。空気を遮断した状態で
100 mlのヘプタンを用いて固体を4回洗浄し、室温〜12
0 ℃で減圧乾燥する。2パスカルの減圧下で、得られた
固体を下記条件で熱処理する: 10℃/分で 120℃まで昇温 6℃/分で 350℃まで昇温し、 350℃に2時間維持 10℃/分で 450℃まで昇温し、 450℃に30分間維持。 25重量%のMgOを含む固体H(MgCl2・MgO)28.2gを得
る。この固体HをTiCl4 と温度85℃で1時間接触させ
る。100 mlのヘプタンで3回洗浄後に得られた固体Iを
減圧乾燥する。1.0gの固体Iをヘプタン中でトリエチ
ルアルミニウム16mlで80℃で6時間処理する。処理濃度
は 1.1 mol/リットル(Al/Ti=32.4)。得られた固体
を空気を遮断した状態で100 mlのヘプタンを用いて3回
洗浄する。生成物を5mlのTiCl4と80℃で2時間接触さ
せる。ヘプタンで3回洗浄後、得られた固体を減圧乾燥
させる。1.2 重量%のチタンを含む触媒成分Jが得られ
る。この触媒成分Jを実施例1の条件でエチレンの懸濁
重合で使用する。水素圧は3.0 バールにした。結果は以
下の通り。 MI5 = 0.66 MI21 = 10.2 MI21/MI5 = 15.4 MI21/MI2 = 70.1 分子量<10000 = 10.6 重量%
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のオレフィン重合用触媒成分の調
製工程を示す概念的なフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジャン マランジュ フランス国 64300 オルテ シュマン アルビウ(番地なし)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共触媒と、少なくともMg、TiおよびClを
    ベースとする触媒成分とで構成される触媒の存在下でエ
    チレンまたはエチレンとα−オレフィンとを懸濁(共)
    重合または気相(共)重合する方法で用いられる触媒成
    分の調製方法であって、少なくとも1つのマグネシウム
    誘導体とチタンの3価または4価の塩素化誘導体とから
    なる触媒成分を、使用前に、第1段階として金属還元剤
    /チタンの比率を2以上にして還元処理し、第2段階と
    して遷移金属の塩素化物で処理する工程を含む方法にお
    いて、マグネシウム誘導体が MgCl2・MgOの形をしてい
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 MgCl2・MgOが10〜50重量%のMgOを含
    んでいる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 アルコール中に MgCl2水和物を懸濁させ
    て MgCl2水和物とアルコールとを接触させ、その際、 M
    gCl2水和物に対するアルコールのモル比を懸濁液の温度
    での両物質の溶解度比以下とし、部分的にアルコールを
    除去した後に熱処理して MgCl2・MgOを形成させる請求
    項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 MgCl2・xH2O(ここで、1<x<12)
    を不活性溶媒中で 300℃〜600 ℃で熱処理することによ
    って MgCl2・MgOとし、得られた MgCl2・MgOを粉砕し
    て活性化する請求項1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載の方法で得られる触
    媒成分。
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