JP3421202B2 - プロピレンの重合方法及びそれを用いて得られるプロピレン系重合体 - Google Patents

プロピレンの重合方法及びそれを用いて得られるプロピレン系重合体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレンの重合
方法に関するものである。さらに詳しくは、極めて高活
性で高立体規則性を有するプロピレンの重合方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来プロピレンを重合する方法として
は、ヘキサン、ヘプタン等を溶媒として使用するスラリ
ー法、プロピレン自身を溶媒とするバルク法、不活性ガ
スを媒体とする気相法等が知られている。これらの方法
では、使用する触媒の性能改良や重合技術の向上によ
り、高活性で立体規則性の高い重合体が得られるように
なってきている。しかし、スラリー法においては溶媒中
の反応系における単量体の濃度が低く、また、重合温度
が低いため重合活性が低く、これを大きくするためには
限界がある。また、溶媒が重合体中に残存して重合体の
においのレベルを悪化させる問題があった。
【0003】一方、液状単量体中で重合を行なうバルク
重合法も行なわれているが、バルク重合は重合温度が低
いため重合活性が充分でなく、また、重合後の単量体の
分離、再利用に大きなエネルギーを必要とし、コストが
高くなる問題があった。また、気相法においては上記の
溶媒の問題等はないものの、塊状ポリマーが生成しやす
い等の運転上の問題点を抱えている。これらの問題点を
解決するとともにさらに高活性で高生産性を実現する重
合方法が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶媒による
におい、気相法における塊状ポリマーの生成等の問題が
なく、重合活性が極めて高く、生産性に優れ、立体規則
性の高い重合体を製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述の問
題点を解決するために、種々重合方法を検討した結果、
特定の条件でプロピレンを重合することにより、重合安
定性が高く、またこれまで知られていない高活性で高立
体規則を有する重合体を提供できる方法を見出し、本発
明に到達した。即ち、本発明は、プロピレン系単量体の
重合方法であって、重合温度が重合系内に存在する単量
体成分の臨界温度より高くかつ重合される重合体の融点
以上であって、、重合圧力が前記重合系内に存在する単
量体成分の臨界圧力より高い条件下にプロピレンを無溶
媒重合に付すことを特徴とする、前記プロピレンの重合
方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、重合系内に存在する単
量体成分の臨界温度より高い温度でかつ重合される重合
体の融点以上の温度で重合される。即ち、重合温度は、
重合に供されるプロピレンの臨界温度より、また共重合
体を製造する際は、使用するプロピレン及び他のコモノ
マー成分(下記に詳述するが、エチレンや、炭素数4以
上のα−オレフィン等)の全ての臨界温度よりも高く、
かつ生成する重合体の融点以上の温度範囲とされる。
【0007】また、重合圧力は、重合系内に存在する単
量体成分の臨界圧力よりも高い圧力とされる。尚、本発
明における、「重合体の融点」とは、予め実際に行う条
件と同じ条件下で重合させ、その結果得られた生成重合
体の融点を示差熱分析(DSC)により測定したものを
いう。
【0008】重合温度が、重合系内に存在する単量体成
分の臨界温度より低い場合、重合用単量体が液化して単
量体の密度が高くなるため本発明の利点を享受すること
ができなくなると共に単量体の分離再使用のコストが高
くなる。なお、重合体の融点より低いときは、本発明の
目的とする分子量分布の広い、好ましくはQ値が6以上
のプロピレン系重合体が得られなくなり好ましくない。
【0009】また、重合圧力が、重合系内に存在する単
量体成分の臨界圧力より低いときは超臨界現象が発現せ
ず高活性を得ることができない。重合温度及び重合圧力
は単独重合か又は共重合か、あるいは分子量調節剤例え
ば水素等の有無等の条件によって変化するが、例えばプ
ロピレンのホモ重合体を製造する場合、プロピレンの臨
界温度は91.4℃であり、得られる重合体の融点は、
得られる重合体の立体規則性のレベルにより異なるが、
一般的には160〜165℃であるので、165℃以上
で重合させる必要があるまた、重合圧力は、プロピレ
ンの臨界圧力は45.4kg/cm2 であるので、4
5.4kg/cm2 より高い圧力で重合する必要があ
【0010】また、本発明においては、重合温度が17
0℃〜250℃、重合圧力が50〜300kg/cm 2
の範囲内において無溶媒重合が行われる。本発明におい
て無溶媒重合とは、溶媒を用いたスラリー重合、溶液重
合に対する方式を指称し、重合系に溶媒を加えて触媒及
び重合体を溶解あるいは分散した状態で重合を進行する
方式とは異なり、単量体を主成分とする組成物中で重合
を行うものである。典型的には、超臨界状態の単量体組
成物中で重合が進行する。しかしながら、少量の溶媒の
共存を排除するものではなく、むしろ触媒成分、添加
物、単量体等の供給の際に希釈剤、あるいはキャリアー
として使用されることは好ましい態様である。
【0011】本発明で使用できる重合装置としては、本
発明の方法に採用される温度、圧力等の条件に耐え得る
ものであれば特に制限はなく、公知重合装置を使用で
き、例えば、攪拌翼付動力機を有する攪拌槽、ブロアー
により反応系を循環するループ型反応槽等を使用するこ
とができる。
【0012】また、本発明において重合に供される単量
体としては、プロピレン以外に、コモノマーとして、
チレン又は炭素数4以上の、通常炭素数12までのα−
オレフィンが挙げられ、具体的にはエチレン、ブテン−
1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテ
ン−1、デセン−1、3−メチル−ブテン−1、等が挙
げられる。コモノマーの量は特に制限されるものではな
いが、0.01〜30重量%、好ましくは0.1から1
5重量%程度である。
【0013】また、本発明の方法に従って重合されたプ
ロピレン系重合体は、MFRが5〜1000g/10分
であるのが好ましい 尚、このMFRはASTMD1238に準拠して測定さ
れるものである(230℃、2.16kg荷重)。
【0014】更には、本発明の方法に従って重合された
プロピレン系重合体は、Q値が6以上であるのが好まし
い。Q値がこの範囲にあると、機械的強度見合いの成形
性や成形体の外観が優れ、低すぎると、成形性や成形体
の外観が劣る傾向がある。尚、Q値はMw/Mn(M
w:ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)に
より測定された重量平均分子量、MnはGPCにより測
定された数平均分子量である。)で算出されるものであ
る。
【0015】本発明で使用する触媒は、本発明の効果が
認められるかぎり任意のものであり得るが、チーグラー
系触媒、特にはマグネシウム担持系の触媒であるのが、
高温での活性が優れるので好ましい。具体的には、下記
の成分(A)及び成分(B)、または成分(A)、成分
(B)及び成分(C)の組み合わせよりなるものであ
る。ここで、「組み合わせからなる」ということは、使
用する成分が挙示のもの(すなわち、成分(A)および
(B)、成分(A)、(B)および(C))のみである
ということを意味するものではなく、合目的な他の成分
の共存を排除しない。
【0016】<成分A>成分(A)は、チタン、マグネ
シウムおよびハロゲンを必須成分として含有するチーグ
ラー型触媒用固体成分である。ここで「必須成分として
含有する」ということは、挙示の三成分の外に合目的な
他元素を含んでいてもよいこと、これらの元素はそれぞ
れが合目的な任意の化合物として存在してもよいこと、
ならびにこれらの元素は相互に結合したものとして存在
してもよいこと、を示すものである。チタン、マグネシ
ウムおよびハロゲンを含む固体成分そのものは公知のも
のである。例えば、特開昭53−45688号、同54
−3894号、同54−31092号、同54−394
83号、同54−94591号、同54−118484
号、同54−131589号、同55−75411号、
同55−90510号、同55−90511号、同55
−127405号、同55−147507号、同55−
155003号、同56−18609号、同56−70
005号、同56−72001号、同56−86905
号、同56−90807号、同56−155206号、
同57−3803号、同57−34103号、同57−
92007号、同57−121003号、同58−53
09号、同58−5310号、同58−5311号、同
58−8706号、同58−27732号、同58−3
2604号、同58−32605号、同58−6770
3号、同58−117206号、同58−127708
号、同58−183708号、同58−183709
号、同59−149905号、同59−149906号
各公報等に記載のものが使用される。
【0017】本発明において使用されるマグネシウム源
となるマグネシウム化合物としては、マグネシウムハラ
イド、ジアルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシ
ウムハライド、マグネシウムオキシハライド、ジアルキ
ルマグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、マグネシウムのカルボン酸塩等があげられる。これ
らのうちで好ましいものはマグネシウムハライド、ジア
ルコキシマグネシウム、アルコキシマグネシウムハライ
ドである。
【0018】また、チタン源となるチタン化合物は、一
般式Ti(OR′)4-q q (ここでR′は炭化水素残
基であり、好ましくは炭素数1〜10程度のものであ
り、Xはハロゲンを示し、qは0≦q≦4の数を示
す。)で表わされる化合物があげられる。具体例として
は、TiCl4 、TiBr4 、Ti(OC25 )Cl
3 、Ti(OC252 Cl2 、Ti(OC25
3 Cl、Ti(O−iC3 7 )Cl3 、Ti(O−n
49 )Cl3 、Ti(O−nC492 Cl2
Ti(OC25 )Br3 、Ti(OC25 )(OC
492 Cl、Ti(O−nC493 Cl、Ti
(O−C65 )Cl3 、Ti(O−iC4 92
2 、Ti(OC511)Cl3 、Ti(OC613
l3 、Ti(OC2 54 、Ti(O−nC3
74 、Ti(O−nC494 、Ti(O−iC4
94 、Ti(O−nC6134 、Ti(O−nC
8174 、Ti〔OCH2 CH(C25 )C4
94 などが挙げられる。
【0019】また、TiX′4 (ここではX′はハロゲ
ンを示す)に後述する電子供与体を反応させた分子化合
物を用いることができる。具体例としては、TiCl4
・CH3 COC25 、TiCl4 ・CH3 CO22
5 、TiCl4 ・C65NO2 、TiCl4 ・CH3
COCl、TiCl4 ・C65 COCl、TiCl4
・C65 CO225 、TiCl4 ・ClCOC2
5 、TiCl4 ・C44 O等があげられる。これ
らのチタン化合物の中でも好ましいものは、TiCl
4 、Ti(OC2 54 、Ti(OC494 、T
i(OC49 )Cl3 等である。
【0020】ハロゲン源としては、上述のマグネシウム
および(または)チタンのハロゲン化合物から供給され
るのが普通であるが、アルミニウムのハロゲン化物やケ
イ素のハロゲン化物、リンのハロゲン化物といった公知
のハロゲン化剤から供給することもできる。触媒成分中
に含まれるハロゲンはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素また
はこれらの混合物であってもよく、特に塩素が好まし
い。
【0021】本発明に用いる固体成分は、上記必須成分
の他にSiCl4 、CH3 SiCl 3 等のケイ素化合
物、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のポリマー
ケイ素化合物、Al(OiC373 、AlCl3
AlBr3 、Al(OC253 、Al(OCH32
Cl等のアルミニウム化合物及びB(OCH33
B(OC253 、B(OC653 等のホウ素化
合物、WCl6 、MoCl5 等の他成分の使用も可能で
あり、これらがケイ素、アルミニウム及びホウ素等の成
分として固体成分中に残存することは差支えない。更
に、この固体成分を製造する場合に、電子供与体を内部
ドナーとして使用して製造することもできる。
【0022】この固体成分の製造に利用できる電子供与
体(内部ドナー)としては、アルコール類、フェノール
類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸類、有機酸ま
たは無機酸類のエステル類、エーテル類、ジエーテル
類、酸アミド類、酸無水物類のような含酸素電子供与
体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアネートの
ような含窒素電子供与体などを例示することができる。
【0023】より具体的には、(イ)メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、
オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコー
ル、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、
クミルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールな
どの炭素数1ないし18のアルコール類、(ロ)フェノ
ール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、
プロピルフェノール、クミルフェノール、ノニルフェノ
ール、ナフトールなどのアルキル基を有してよい炭素数
6ないし25のフェノール類、(ハ)アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノ
ン、ベンゾフェノンなどの炭素数3ないし15のケトン
類、(ニ)アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、
オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒ
ド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2ないし15のアル
デヒド類、(ホ)ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シ
クロヘキシル、酢酸セルソルブ、プロピオン酸エチル、
酪酸メチル、吉草酸エチル、ステアリン酸エチル、クロ
ル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチ
ル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピ
ル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シク
ロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、安
息香酸セルソルブ、トルイル酸メチル、トルイル酸エチ
ル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス
酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、
フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプ
チル、γ−ブチロラクトン、α−バレロラクトン、クマ
リン、フタリド、炭酸エチレンなどの炭素数2ないし2
0の有機酸エステル類、(ヘ)ケイ酸エチル、ケイ酸ブ
チル、フェニルトリエトキシシランなどのケイ酸エステ
ルのような無機酸エステル類、(ト)アセチルクロリ
ド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス
酸クロリド、塩化フタロイル、イソ塩化フタロイルなど
の炭素数2ないし15の酸ハライド類、(チ)メチルエ
ーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチ
ルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、ア
ニソール、ジフェニルエーテルなどの炭素数2ないし2
0のエーテル類、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジ
メトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペンチ
ル−1,3−ジメトキシプロパン、2−フェニル−2−
sec−ブチル−1,3−ジメトキシプロパンなどのジ
エーテル類、(リ)酢酸アミド、安息香酸アミド、トル
イル酸アミドなどの酸アミド類、(ヌ)メチルアミン、
エチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン、ピ
ペリジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリジン、
ピコリン、テトラメチルエチレンジアミンなどのアミン
類、(ル)アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニト
リルなどのニトリル類、などを挙げることができる。こ
れら電子供与体は、二種以上用いることができる。これ
らの中で好ましいのは有機酸エステルおよび有機酸ハラ
イド、並びにジエーテル類であり、特に好ましいのはフ
タル酸エステル、酢酸セルソルブ、フタル酸ハライドお
よびジエーテル類である。
【0024】上記各成分の使用量は、本発明の効果が認
められるかぎり任意のものでありうるが、一般的には、
次の範囲内が好ましい。チタン化合物の使用量は、使用
するマグネシウム化合物の使用量に対してモル比で1×
10-4〜1000の範囲内がよく、好ましくは0.01
〜10の範囲内である。ハロゲン源としてそのための化
合物を使用する場合は、その使用量はチタン化合物およ
び(または)マグネシウム化合物がハロゲンを含む、含
まないにかかわらず、使用するマグネシウムの使用量に
対してモル比で1×10-2〜1000、好ましくは0.
1〜100、の範囲内である。
【0025】ケイ素、アルミニウムおよびホウ素化合物
の使用量は、上記のマグネシウム化合物の使用量に対し
てモル比で1×10-3〜100、好ましくは0.01〜
1、の範囲内である。電子供与性化合物の使用量は、上
記のマグネシウム化合物の使用量に対してモル比で1×
10-3〜10、好ましくは0.01〜5、の範囲内であ
る。
【0026】成分(A)を製造するための固体成分は、
上述のチタン源、マグネシウム源およびハロゲン源、更
には必要により電子供与体等の他成分を用いて、例えば
以下の様な製造法により製造される。 (イ)ハロゲン化マグネシウムと必要に応じて電子供与
体とチタン含有化合物とを接触させる方法。 (ロ)アルミナまたはマグネシアをハロゲン化リン化合
物で処理し、それにハロゲン化マグネシウム、電子供与
体、チタンハロゲン含有化合物を接触させる方法。 (ハ)ハロゲン化マグネシウムとチタンテトラアルコキ
シドおよび特定のポリマーケイ素化合物を接触させて得
られる固体成分に、チタンハロゲン化合物および(また
は)ケイ素のハロゲン化合物、並びに、必要に応じて電
子供与体を接触させる方法。このポリマーケイ素化合物
としては、下式で示されるものが適当である。
【0027】
【化1】
【0028】(ここで、R2 は炭素数1〜10程度の炭
化水素残基、rはこのポリマーケイ素化合物の粘度が1
〜100センチストークス程度となるような重合度を示
す) これらのうちでは、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタ
シロキサン、エチルハイドロジェンポリシロキサン、フ
ェニルハイドロジェンポリシロキサン、シクロヘキシル
ハイドロジェンポリシロキサンなどが好ましい。
【0029】(ニ)マグネシウム化合物をチタンテトラ
アルコキシドおよび電子供与体で溶解させて、ハロゲン
化剤またはチタンハロゲン化合物で析出させた固体成分
に、チタン化合物を接触させる方法。 (ホ)グリニャール試薬等の有機マグネシウム化合物を
ハロゲン化剤、還元剤等と作用させた後、これに必要に
応じて電子供与体とチタン化合物を接触させる方法。 (ヘ)アルコキシマグネシウム化合物にハロゲン化剤お
よび(または)チタン化合物を電子供与体の存在もしく
は不存在下に接触させる方法。
【0030】本発明の成分(A)の製造条件としては、
下記の範囲内が好ましい。接触温度は、−50〜200
℃程度、好ましくは0〜100℃程度、である。接触方
法としては、回転ボールミル、振動ミル、ジェットミ
ル、媒体攪拌粉砕機などによる機械的な方法、不活性稀
釈剤の存在下に、攪拌により接触させる方法などがあげ
られる。このとき使用する不活性稀釈剤としては、脂肪
族または芳香族の炭化水素およびハロ炭化水素、ポリシ
ロキサン等があげられる。
【0031】本発明で使用する成分(A)は、ビニル基
含有化合物、例えばオレフィン類、ジエン化合物、スチ
レン類等を接触させて重合させることからなる予備重合
工程を経たものとして使用することもできる。予備重合
を行う際に用いられるオレフィン類の具体例としては、
例えば炭素数2〜20程度のもの、具体的にはエチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、3−メチルブテン−1,
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−
1,1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−
エイコセン等があり、ジエン化合物の具体例としては、
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエ
ン、1,5−ヘキサジエン、1,3−ペンタジエン、
1,4−ペンタジエン、2,4−ペンタジエン、2,6
−オクタジエン、cis−2,trans−4−ヘキサ
ジエン、trans−2、trans−4−ヘキサジエ
ン、1,3−ヘプタジエン、1,4−ヘプタジエン、
1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、2,4
−ヘプタジエン、ジシクロペンタジエン、1,3−シク
ロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、シクロ
ペンタジエン、1,3−シクロヘプタジエン、4−メチ
ル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキ
サジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカ
ジエン、p−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼ
ン、o−ジビニルベンゼン、ジシクロペンタジエン等が
ある。また、スチレン類の具体例としては、スチレン、
α−メチルスチレン、アリルベンゼン、クロルスチレン
等があげられる。
【0032】チタン成分と上記のビニル基含有化合物の
反応条件は、本発明の効果が認められるかぎり任意のも
のでありうるが、一般的には次の範囲内が好ましい。ビ
ニル基含有化合物の予備重合量は、チタン固体成分1グ
ラムあたり0.001〜1000グラム、好ましくは1
〜100グラム、さらに好ましくは5〜50グラムの範
囲内である。予備重合時の反応温度は−150〜85
℃、好ましくは0〜50℃である。そして、「本重
合」、すなわちα−オレフィンの重合のときの重合温度
よりも低い重合温度が好ましい。反応は、一般的に攪拌
下に行うことが好ましく、そのときn−ヘキサン、n−
ヘプタン等の不活性溶媒を存在させることもでき、上記
ビニル化合物それ自体を媒体として行うこともでき、ま
たビニル化合物の種類によっては気相状態で実施するこ
ともできる。またこのビニル基含有化合物を2種類以上
併用する事もできる。また、予備重合された重合体の融
点は200℃以上であるのが、成分(A)の活性向上の
理由から好ましい。
【0033】<成分(B)>本発明の成分(B)は、下
記の一般式〔I〕で表される有機アルミニウム化合物、
または下記一般式〔II〕で表される有機アルミニウム化
合物と下記一般式〔III 〕で表される有機アルミニウム
化合物との混合物、 AIR3 3-n1 n 〔I〕 (ここで、R3 は炭素数1〜20の炭化水素残基であ
り、X1 はハロゲンまたは水素であり、nは0≦n≦1
の数である) AIR4 3-m2 m 〔II〕 (ここで、R4 は炭素数1〜20の炭化水素残基であ
り、X2 はハロゲンまたは水素であり、mは0≦m≦3
の数である) AIR5 3-p (OR6p 〔III 〕 (ここで、R5 は炭素数1〜20の炭化水素残基であ
り、R6 はR3 と同一または異なる炭素数1〜20の炭
化水素残基であり、pは0<p<3の数である)
【0034】一般式〔I〕で表わされる有機アルミニウ
ム化合物の具体例としては、(イ)トリメチルアルミニ
ウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアル
ミニウム、トリデシルアルミニウム、などのトリアルキ
ルアルミニウム、(ロ)ジエチルアルミニウムモノクロ
ライド、ジイソブチルアルミニウムモノクロライドなど
のアルキルアルミニウムハライド、(ハ)ジエチルアル
ミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイ
ドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、等
がある。
【0035】一般式〔II〕で表わされる有機アルミニウ
ム化合物の具体例としては、Al(CH33 、Al
(C253 、Al(iC493 、Al(C4
93、Al(n−C6133 、Al(n−C8
173 、Al(C10213 、(CH32 AlC
l、(C252 AlCl、(C253 Al2
3 、(C25 )AlCl2 、(n−C372
lCl、(i−C372 AlCl、(n−C4
92 AlCl、(i−C49 )AlCl2 、(n−
6132 AlCl、(n−C8172 AlCl、
(n−C10212 AlClおよび(C252 Al
Br等がある。
【0036】一般式〔III 〕で表わされる有機アルミニ
ウム化合物の具体例としては、(CH32 Al(OC
25 )、(C252 Al(OCH3 )、(C2
5 2 Al(OC25 )、(i−C372 Al
(OC25 )、(n−C3 72 Al(OCH
3 )、(n−C492 Al(OC25 )、(n−
6132 Al(OC49 )、(n−C8172
Al(OCH3 )、(n−C 10212 Al(OC2
5 )、(CH3 )Al(OCH32 、(C25 )A
l(OC252 、(i−C37 )Al(OC4
92 、(n−C4 9 )Al(OC652 、(n
−C613)Al(OC6132 および(n−C10
21)Al(OCH32 等がある。
【0037】成分(B)として一般式〔II〕の有機アル
ミニウム化合物と一般式〔III 〕の有機アルミニウム化
合物との混合物を使用する場合、それらの混合比率は、
前者に対する後者のモル比で0.1〜100、好ましく
は0.1〜10、の範囲内である。成分(B)の使用量
は、成分(A)の中のチタン成分に対するモル比で(A
l/Ti)で0.1〜1000好ましくは1〜200の
範囲内である。
【0038】<成分(C)>本発明においては成分
(C)として電子供与体を使用することができ、好まし
くは具体的には有機酸または無機酸類のエステル類、ジ
エーテル類、エーテル類およびアミン類から選ばれたも
のを使用することができる。
【0039】有機酸エステル類としては、炭素数1〜2
0の1〜2塩基性カルボン酸または炭酸(本発明では、
炭酸を有機酸として扱う)の炭素数1〜20の1〜2価
アルコール(エーテルアルコールを含む)とのエステル
(分子内エステルを含む)が代表的である。具体的には
ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢
酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、酢酸
セルソルブ、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸
エチル、ステアリン酸エチル、クロル酢酸メチル、ジク
ロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチ
ル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチ
ル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチ
ル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息
香酸フェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸セルソル
ブ、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸
アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニ
ス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、γ−ブチ
ロラクトン、α−バレロラクトン、クマリン、フタリ
ド、炭酸エチレンなどがあげられる。
【0040】無機酸エステルとしては、ケイ素、ホウ
素、リンおよびアルミニウム、等の酸素酸と有機酸エス
テルについて前記したようなアルコールとのエステルが
あげられる。これらの元素の原子価の一部は炭化水素残
基(炭素数1〜8程度)またはハロゲン原子で充足され
ていてもよい。このような無機酸エステルの中では、ケ
イ素の酸素酸のエステルが好ましい。
【0041】具体例としては、(CH3 )Si(OCH
33 、(CH3 )Si(OC253 、(C2
52 Si(OCH32 、(n−C613)Si(O
CH3 3 、(C25 )Si(OC253 、(n
−C1021)Si(OC25 3 、(CH2 =CH)
Si(OCH33 、Cl(CH23 Si(OCH
3 3 、Si(OCH34 、Si(OC253
l、(C252 Si(OC252 、(C
1735)Si(OCH33 、Si(OC254
(C 65 )Si(OCH33 、Si(OCH32
Cl2 、(C652 Si(OCH32 、(C6
5 )(CH3 )Si(OCH32 、(C65 )Si
(OC253 、(i−C372 Si(OCH
32 、(i−C37)Si(OC253 、(i
−C492 Si(OCH32 、(C6112
i(OCH32 、(C611)(CH3 )Si(OC
32 、(C55 )Si(OCH32 、(C65
2 Si(OC252 、(C65)(CH3 )S
i(OC252 、(n−C37 )Si(OC2
53 、(CH3 )Si(OC373 、(C6
5)(CH2)Si(OC253
【0042】
【化2】
【0043】(CH33 CSi(CH3 )(OCH
32 、(CH33 CSi(HC(CH32 )(O
CH32 、(CH33 CSi(CH3)(OC25
2、(CH33 CSi(C25 )(OCH3
2 、(C253 CSi(CH3 )(OCH32
(CH33 CSi(n−C38 )(OCH32
(CH3 )(C25 )CH−Si(CH3 )(OCH
32 、(CH3 )、CSi(sec−C38 )(O
CH33 、((CH32 CHCH2 )Si(OCH
32 、(CH33 CSi(i−C38 )(OCH3
2 、C25C(CH32 Si(CH3 )(OCH
32 、(CH33 CSi(n−C49 )(OCH3
2 、C25C(CH32 Si(CH3 )(OC2
52、(CH33 CSi(OCH33 、(CH
33 CSi(OC253 、(C253 CSi
(OC253 、(CH33 CSi(i−C4
9 )(OCH32 、(CH3 )(C25)CHSi
(OCH33 、(CH33CSi(sec−C49
)(OCH32 、(i−C372 Si(OCH 3
2 、(C611)(CH3 )Si(OCH32
(CH33 CSi(n−C613)(OCH32
(C6112 Si(OCH32 、(CH3 3 CS
i(C611)(OCH32 、(i−C372
i(OC25 2 、((CH33 C)2 Si(OC
32 、(CH33 CSi(C55)(OCH
32 、(i−C492 Si(OCH32 、HC
(CH32C(CH32 Si(CH3 )(OCH
32 、(C611)(CH3 )Si(OC25
2 、HC(CH32 C(CH32 Si(OCH3
3 、(C552 Si(OCH32 、(i−C37
)Si(OCH33 等があげられる。これらの中で
好ましいのは、α位の炭素が2級または3級で炭素数3
〜20、特に好ましくはα位の炭素が3級で炭素数4〜
12、の分岐鎖状炭化水素残基を有するケイ素化合物で
ある。ここで、「分岐鎖状」とは、分岐脂肪族及び環状
脂肪族を包含する。
【0044】アミン類としては、所謂「ヒンダートアミ
ン」が適当である。特にN−置換(置換基は低級アルキ
ル基または低級アルキルアルミニウム基)または非置換
のピロリジンまたはピペリジンの2,2,5,5−(ピ
ロリジンの場合)または2,2,6,6−テトラ低級ア
ルキル置換体が代表的である。そのようなアミン類とし
ては下記のものを例示できる。
【0045】
【化3】
【0046】
【化4】
【0047】エーテル類としては、ヒンダードエーテル
と呼びうるものが適当である。特に低級アルコキシ基を
一つの炭素原子上に少なくとも2個有し、当該炭素原子
がさらに6員環置換基を少なくとも1個有するものが代
表的である。そのようなエーテル類としては下記のもの
を例示できる。
【0048】
【化5】
【0049】
【化6】
【0050】
【化7】
【0051】
【化8】
【0052】本発明では、成分(C)として、ジエーテ
ル化合物を使用することもできる。ジエーテル化合物で
あれば制限はないが、中でも好ましいものは、分岐脂肪
族炭化水素及び/又は環状脂肪族炭化水素基を有するジ
エーテルである。このうち、1,3−ジエーテル類が好
ましく用いられ、特に、2,2−ジイソブチル−1,3
−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソペ
ンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジシク
ロヘキシル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ビ
ス(シクロヘキシルメチル)−1,3−ジメトキシプロ
パン、2,2−ジイソプロピル−1,3−ジメトキシプ
ロパン、2,2−ジシクロペンチル−1,3−ジメトキ
シプロパン、2−シクロペンチル−2−イソプロピル−
1,3−ジメトキシプロパン、2−シクロペンチル−2
−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−シク
ロヘキシル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプ
ロパン、2−シクロヘキシル−2−s−ブチル−1,3
−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−s−ブ
チル−1,3−ジメトキシプロパン、2−フェニル−2
−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2−フ
ェニル−2−s−ブチル−1,3−ジメトキシプロパ
ン、2−フェニル−2−ベンジル−1,3−ジメトキシ
プロパン、2−ベンジル−2−イソプロピル−1,3−
ジメトキシプロパン、2−ベンジル−2−s−ブチル−
1,3−ジメトキシプロパン、2−(1−メチルブチ
ル)−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパ
ン、2−(1−メチルブチル)−2−s−ブチル−1,
3−ジメトキシプロパンが好ましく用いられる。成分
(C)を使用する場合の使用量は、成分(B)に対する
モル比で0.01〜100の範囲内、好ましくは0.1
〜10、の範囲内である。
【0053】<触媒の形成>本発明による触媒は成分
(A)および(B)あるいは成分(A)、(B)および
(C)からなるものであって、このような触媒は両成分
および必要に応じて第四成分を、重合槽内であるいは重
合させるべきオレフィンの共存下に、あるいは重合槽外
であるいは重合させるべきオレフィンの存在下に、一時
に、段階的にあるいは分割して数回わたって接触させる
ことによって形成させることができる。
【0054】成分(A)、(B)および(C)の接触場
所への供給法には特に制限はないが、それぞれヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒に分散させて、そ
れぞれ別々に重合槽に添加するのがふつうである。成分
(A)は、固体の状態で成分(B)または成分(C)と
は別々に重合槽に添加することもできる。
【0055】
【実施例】以下の実施例において、融点を測定する示差
熱分析(DSC測定)は、パーキンエルマー社製DSC
2型を使用して行った。 実施例1 〔成分(A)の製造〕充分に窒素置換したフラスコに、
脱水および脱酸素したトルエン100ミリリットルを導
入し、次いでMg(OEt)2 を10グラムを導入し懸
濁状態とした。次いで、TiCl4 20ミリリットルを
導入し、90℃に昇温して2−イソプロピル−2−イソ
ペンチル−1,3−ジメトキシプロパン1.9ミリリッ
トルを導入し、110℃に昇温して3時間反応させた。
反応終了後、トルエンで洗浄した。次いでTiCl4
0ミリリットルおよびトルエン100ミリリットルを導
入し、110℃で2時間反応させた。反応終了後、n−
ヘプタンで充分に洗浄して成分(A)を製造するための
固体成分(A−1)とした。このもののチタン含量は
2.5重量%であった。
【0056】次いで、充分に窒素置換したオートクレー
ブに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを200ミリ
リットル導入し、上記で合成した固体成分を5グラム導
入し、ついでトリエチルアルミニウム1.5グラムを導
入し、20℃で4−メチルペンテン−1の予備重合を実
施した。予備重合終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄し
て成分(A)とした。一部分を取り出して予備重合量を
調べたところ10.6グラムポリ4−メチルペンテン−
1/グラム固体成分(A−1)であった。尚、ポリ4−
メチルペンテン−1の融点は231℃であった。
【0057】〔プロピレンの重合〕攪拌および温度制御
装置を有する内容積1.0リットルのステンレス鋼製オ
ートクレーブに充分に脱水および脱酸素したプロピレン
を25℃で100ミリリットル、成分(B)としてトリ
エチルアルミニウム8.9ミリグラムを導入した。プロ
ピレンをオートクレーブに導入しつつ、昇温、昇圧し1
80℃、100kg/cm2 にして反応系を超臨界状態
にした。ついで上記で製造した成分(A)を成分(A−
1)基準で10ミリグラム導入し、重合を開始し45分
間重合した。重合終了後、エタノールを15ミリリット
ル添加し、反応を停止した。104グラムのポリマーが
得られ、MFR=51.8g/10minであり、沸騰
n−ヘプタン抽出によるI.I=95.3wt%であっ
た。また、Q値は6.2であった。
【0058】実施例2 〔成分(A)の製造〕充分に窒素置換したフラスコに、
脱水および脱酸素したn−ヘプタンを200ミリリット
ルを導入し、次いでMgCl2 を0.4モル、Ti(O
−nC494 を0.8モル導入し、95℃で2時間
反応させた。反応終了後、40℃に温度を下げ、次いで
メチルヒドロポリシロキサン(20センチストークスの
もの)を48ミリリットル導入し、3時間反応させた。
生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
【0059】次いで、充分に窒素置換したフラスコに、
上記と同様に精製したn−ヘプタンを50ミリリットル
導入し、上記で合成した固体成分をMg原子換算で0.
24モル導入した。次いでn−ヘプタン25ミリリット
ルにSiCl4 0.4モルを混合して30℃、30分間
でフラスコへ導入し、70℃で3時間反応させた。反応
終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いでn−ヘプタン
25ミリリットルにフタル酸クロライド0.024モル
を混合して、70℃、30分間でフラスコへ導入し、9
0℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで
洗浄した。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次い
で、TiCl4 25ミリリットルを導入して100℃で
3時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで充分に
洗浄して成分(A)を製造するための固体成分(A−
1)とした。このもののチタン含量は2.6重量%であ
った。
【0060】次いで、充分に窒素置換したオートクレー
ブに、上記と同様に精製したn−ヘプタンを200ミリ
リットル導入し、上記で合成した固体成分を5グラム導
入し、ついでトリエチルアルミニウム1.5グラムを導
入し、10℃で3−メチルブテン−1の予備重合を実施
した。予備重合終了後、n−ヘプタンで充分に洗浄して
成分(A)とした。一部分を取り出して予備重合量を調
べたところ12.7グラムポリ3−メチルブテン−1/
グラム固体成分(A−1)であった。尚、ポリ3−メチ
ルブテン−1の融点は302℃であった。
【0061】〔プロピレンの重合〕実施例−1と同様に
プロピレンをオートクレーブに導入した。ついで成分
(B)としてトリエチルアルミニウム4.7ミリグラ
ム、成分(C)として(CH33 CSi(n−C37
)(OCH32 1.0ミリグラム、ついで水素を5
ミリリットル導入した。プロピレンをオートクレーブに
導入しつつ昇温、昇圧を行い200℃、150kg/c
2 にして反応系を超臨界状態にした。ついで上記で製
造した成分(A)を成分(A−1)基準で3ミリグラム
導入し重合を開始し45分間重合して実施例−1と同様
に反応を停止した。127グラムのポリマーが得られ、
MFR=68.2g/10minであり、沸騰n−ヘプ
タン抽出によるI.I=97.1wt%であった。ま
た、Q値は7.1であった。
【0062】実施例3〜6 実施例−2で製造した成分(A)を使用して表−1に示
す成分(B)及び成分(C)を使用して、表1に示す重
合条件とした以外は、実施例2と全く同様の条件で重合
した。その結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャートで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−69610(JP,A) 特開 平7−316220(JP,A) 特開 平7−179514(JP,A) 特開 平8−231625(JP,A) 特開 平9−52911(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60,4/654

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン以外に、コモノマーとして、
    エチレン又は炭素数4以上12までのα−オレフィンを
    0.01〜30重量%含んでいてもよい、プロピレン系
    単量体の重合方法であって、重合温度が重合系内に存在
    する単量体成分の臨界温度より高くかつ重合される重合
    体の融点以上であって、重合圧力が前記重合系内に存在
    する単量体成分の臨界圧力より高い、重合温度が170
    ℃〜250℃、重合圧力が50〜300kg/cm 2
    範囲内である、条件下にプロピレンを無溶媒重合に付す
    ことを特徴とする、前記プロピレンの重合方法。
  2. 【請求項2】 重合体のQ値が6以上である、請求項1
    記載のプロピレンの重合方法。
  3. 【請求項3】 チーグラー系触媒を用いる、請求項1記
    載のプロピレンの重合方法。
  4. 【請求項4】 マグネシウム担持系触媒を用いる、請求
    項1記載のプロピレンの重合方法。
  5. 【請求項5】 ビニル基含有化合物で予備重合した触媒
    を用いる、請求項1記載のプロピレンの重合方法。
  6. 【請求項6】 予備重合された重合体の融点が200℃
    以上である、請求項5記載のプロピレンの重合方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の方法で重合された重合体
    であって、該重合体のMFRが5〜1000g/10分
    であることを特徴とする、プロピレン系重合体。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の方法で重合された重合体
    であって、該重合体のQ値が6以上であることを特徴と
    する、プロピレン系重合体。
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