JPH0720830B2 - エレベ−タのドア装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明はエレベータドア駆動装置の改良に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

従来のエレベータにおいて、２枚戸片開きのドア駆動装
置は、第１図に示す様に、カゴ枠１上部に固定されたド
アモータ２及び減速装置３、一端を枠上部で支持し、他
端を高速側ドアパネル４の裏面に固定したドア開閉用リ
ンク６、リンク６と減速装置を結ぶ連結ロツド７から成
り、ドアモータ２の回転力が減速装置３を経て連結ロツ
ド７によりリンク６に伝わり、これを揺動させて、ドア
を開閉するリンク駆動方式のものと第２図に示す様にド
アモータ２、減速装置３、ハンガーレール８近傍に開閉
方向に張り渡され、一部が高速側ドアハンガ９に固定さ
れた駆動ロープ11から成り、ドアモータ２の回転力が減
速装置３よりロープ11に伝わり、このロープ11を移動さ
れることで高速ドアパネル４を開閉させるロープ駆動方
式の２種類に大別される。

ここでロープ駆動方式はリンク駆動方式に比べ、構成の
部品点数が少ない。長いリンクを用いないので重量が軽
い。ドアパネル裏面を駆動するリンク駆動方式と違つ
て、ドアハンガを駆動するためドアパネルの構造が簡単
になる等の長所がある。

しかしながら、上述したロープ駆動方式では、駆動ロー
プ11を張り渡し、ドアモータからの回転力をロープ11の
移動に変換するためのシーブ12,13の間隔は高速側ドア
パネル４の開閉移動距離より広くとらねばならない為、
ハンガーレール８より昇降路壁側にはみ出し、おのずか
ら左右方向に対し広いスペースを必要とし、昇降路断面
寸法の縮小化のさまたげとなつていた。

〔発明の目的〕

本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので
あつて、駆動ロープを低速側ドアハンガに固定した構成
とすることにより、カゴドア駆動装置全体を小型化し、
昇降路の大きさを有効に利用できるようにすることを目
的とする。

〔発明の概要〕

本発明は、カゴ枠上部にドアモータ、減速装置シーブ、
駆動ロープ又は駆動チエーンから成るカゴドア駆動装置
を設け、カゴ枠の上・下部にガイドレール及び敷居を設
け、このガイドレール及び敷居にドアパネルを走行自在
に設け、前記ロープ又はチエーンの一部を低速ドアパネ
ルを吊設している低速ドアハンガに固定して、これを駆
動するようし、カゴドア駆動装置を小型化するように構
成したものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明を２枚戸片開きドア開閉装置に適用した一
実施例について説明する。第３図において、符号１は乗
カゴを構成するカゴ枠であり、このカゴ枠１の上部には
取付枠14を取付座（図示せず）を介して２本を平行に設
けたガイドレール８が架設され、これと対をなす敷居15
が下方に並設されている。そして、上記両ガイドレール
８及び両敷居15には２枚戸片開き用の高速ドアパネル４
及び低速ドアパネル５がそれぞれ上部側には高速側ドア
ハンガ９と低速側ドアハンガ10及びガイドローラ16、下
部側にはガイドシュー17が取付けられ、その長手方向に
沿って走行自在に設けられている。

一方、上記取付枠14の上部にはドアモータ２及び減速装
置３を配して、上記取付枠14に回転自在に設けられた駆
動シーブ12に回転力を伝えている。さらに上記取付板の
上記シーブ12に対し低速ドアパネル５をはさんで水平対
向位置にはシーブ13が回転自在に設けられており、駆動
シーブ12とシーブ13の間には、第１の駆動ロープ11（以
下駆動ロープという）が張り渡され、その１部は上記低
速側ドアハンガ10に固設された腕18に固定されている。

すなわち、ドアモータ２によつて与えられた回転力は減
速装置３、駆動シーブ12を介して駆動ロープ11を左右に
移動させ、さらに駆動ロープ11に連動して低速ドアパネ
ル５を開閉させる。他方、低速ドアパネル５と、高速ド
アパネル４の間には低速側ドアハンガ10にブラケツトに
より固設されたアーム19と、このアーム19の両端に設け
られたシーブ20さらに両シーブ20の間に張渡され、一部
を高速側ドアハンガ９に、他の一部をブラケツト21によ
り取付枠14に固定された第２の駆動ロープ22から成り1:
2の移動量比を与える運動装置が設けられ、低速ドアパ
ネル５の２倍の移動量を高速ドアパネル４に伝えており
カゴドアの開閉を行なつている。

従つて、本発明によれば、ドアモータ２の回転力を先づ
低速ドアパネル５に与えているため、駆動ロープ11の移
動量は低速ドアパネル５の移動量にわずかの値を加えた
程度で良く、上記駆動シーブ12とシーブ13の間隔は出入
口巾の半分近くで済み、両シーブは完全に高速ドアパネ
ル４の移動範囲内、すなわち、ガイドレール８の全長の
範囲に収めることができる。これにより、ドア駆動装置
の昇降路突出部分は解消し、昇降路の有効利用あるいは
昇降路断面の縮小化を図ることができる。さらに、上記
取付板14もガイドレール８取付の必要最小寸法で済むた
め、カゴ全体の軽量化ができる。また、駆動ロープ11の
全長も短かくてよいため、ロープの伸び、たるみが少な
くかつドアパネルのふらつきがなく安定した開閉移動を
なし、ドアモータ２の回転力を正確にドアの移動力に伝
達できる。加えて、従来ドアモータ２の固設位置はガイ
ドレール８の両端に近い場所に限定されていたが小型化
によつてドアモータ及び減速装置の固設位置の自由度が
増すなどの効果を得る。

〔本発明の他の実施例〕

第４図の如く、駆動ロープ11と低速ドアパネル５を連結
する腕18を、上記連動装置23の一部であり、低速ドアハ
ンガ10に装着されたアーム19に取付けたものであり、上
述した具体例と同一構成をなすものである。また応用例
として、駆動ロープとシーブに変えて、チエーンとスプ
ロケツトを使用したもの（図示せず）で構成しても同様
の作用効果を得るものである。

なお、本実施例においては２枚戸片開きドアについて説
明したが、３枚以上の片開きドアにおいても同様に適用
できる。

〔発明の総合的効果〕

以上のように本発明によればロープ駆動方式のカゴドア
装置において、低速ドアパネルを駆動することにより、
駆動機構に必要なスペースを大巾に少なくできるので昇
降路の大きさを有効に利用できるばかりでなく、装置全
体も小形軽量化できる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来形のエレベータのカゴドア開閉装
置の正面図、第３図は本発明のエレベータのカゴドア開
閉装置の正面図、第４図は本発明の他の実施例の部分正
面図である。 １…カゴ枠、２…ドアモータ ３…減速装置 ４…高速ドアパネル（高速ドア） ５…低速ドアパネル（低速ドア） 11…駆動ロープ、12…駆動シーブ 13…シーブ、14…取付板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】乗かごの出入口を支持するかご枠と、この
   かご枠上部に支持される取付枠と、この取付枠の長手方
   向に間隔をおいて少なくとも２つ設けられる第１のシー
   ブと、これら第１のシーブを回転駆動させる駆動装置
   と、前記第１のシーブに巻きかけられる無端状の第１の
   駆動ロープと、この第１の駆動ロープに固定されて連動
   する低速ドアと、この低速ドアに固定され、ドア開閉方
   向に延びるアームと、このアームの長手方向の両端部よ
   りにそれぞれ設けられる第２のシーブと、これら第２の
   シーブに巻きかけられ、一部を前記取付枠に固定された
   無端状の第２の駆動ロープと、この第２の駆動ロープに
   固定されて連動する高速ドアとからなるエレベータのド
   ア装置。