JPH07207421A - 亜鉛合金めっき方法 - Google Patents

亜鉛合金めっき方法

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JPH07207421A
JPH07207421A JP1408394A JP1408394A JPH07207421A JP H07207421 A JPH07207421 A JP H07207421A JP 1408394 A JP1408394 A JP 1408394A JP 1408394 A JP1408394 A JP 1408394A JP H07207421 A JPH07207421 A JP H07207421A
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plating
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JP1408394A
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Masatake Sugimoto
正威 杉本
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼材とめっき層の界面に生成、成長するFe
−Al−Zn金属間化合物層の成長をコントロールし、
均質なめっき層厚さとヤケの無い半光沢状の美麗な外観
を有する亜鉛合金めっき方法を提供する。 【構成】 鉄鋼材料を99.99wt%以上の純度の溶
融亜鉛浴に浸漬し、溶融亜鉛めっきを施す第一段階、該
鉄鋼材料をマグネシウムを0.2〜7wt%を含有する
亜鉛アルミニウム合金浴に浸漬することによって、該鉄
鋼材料表面に溶融亜鉛アルミニウム合金めっきを施す第
二段階からなることを特徴とする亜鉛合金めっき方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄鋼材料の溶融亜鉛アル
ミニウム合金めっき方法に関し、詳しくはめっき浴中に
マグネシウムを含有させることによって、鋼材とめっき
層の界面に生成、成長するFe−Al−Zn金属間化合
物層の成長をコントロールし、均質なめっき層厚さとヤ
ケの無い半光沢状の美麗な外観が得られる亜鉛合金めっ
き方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄鋼材料の防錆法として亜鉛
アルミニウム合金めっきは広範囲に用いられている。
【0003】建材分野で用いられている亜鉛アルミニウ
ム合金めっきにおいては、通常セソジマー方式と呼ばれ
るめっき方法を用い、非酸化性雰囲気に調整した炉内で
連続的にめっきが行なわれている。亜鉛アルミニウム合
金浴には表面を清浄化した鋼板を直接浸漬し、鋼板表面
に亜鉛アルミニウム合金のめっき層が形成される。鋼材
とめっき層の界面には主としてFe2Al5ないしはFe
Al3からなる薄い金属間化合物層が形成される。鋼板
の場合は後に曲げ加工をする場合が一般的であるため、
界面の硬くて脆い金属間化合物層は加工性の障害とな
る。このため極力金属間化合物層(合金層と称してい
る)は薄い方が望ましい。通常15〜25μm程度のめ
っき厚さにコントロールされている。
【0004】一方、一般鋼材を対象とする溶融亜鉛めっ
き分野並びに鋼線鉄線を対象とする溶融亜鉛めっき分野
で用いられている亜鉛アルミニウム合金めっきにおいて
は、通常大気中でめっきが行なわれている。当該分野で
は長期の防錆力を強く求められており、めっき厚さは3
0〜40μm以上の厚めっきが必要となる。厚めっき化
の方法としては、めっき時の溶融亜鉛アルミニウム合金
の粘度上昇や鋼材の引上速度の上昇とめっき後の急冷凝
固の組み合せによる方法、そして界面の金属間化合物の
成長をコントロールする方法が挙げられる。しかし、粘
度上昇や引上速度の上昇の方法は一定形状の鋼材を連続
的にめっきする鋼線、鉄線には強制ワイピングの併用に
より適用可能であるが、不定形状、不定材質の一般鋼材
をバッチ式で行なう一般溶融亜鉛(ズブめっき、どぶ漬
けめっき)の場合には適用は困難である。
【0005】そこで、実用的にはめっき浴の温度と浸漬
時間の調整によって界面の金属間化合物をコントロール
する方法が採用されている。金属間化合物層の厚さ
(D)は浸漬時間をTとしたとき(αは定数)、めっき
浴温度を一定の条件下でD=αTnの関係で示される。
めっき浴温度が上昇すると金属間化合物の成長は促進さ
れる傾向にあり、温度によっては極端に成長速度が上昇
する特異温度の存在も確認されている。工業的には浴の
温度の変動もあり、鋼材の寸法、形状によって搬送スピ
ード、ハンドリング時間も変わることから、金属間化合
物層の厚さをコントロール容易とするためにはnの次数
が低いこと(例えばn≦0.5)ことが求められる。同
一のめっき温度でもある一定の潜伏時間内はn≦0.5
でありながら、潜伏時間を過ぎると急激に金属間化合物
が成長する現象も確認されており、その潜伏時間は鋼
種、鋼中成分、鋼材形状、表面粗度、めっき浴成分、め
っき温度によって個々に変化する。また、めっき後鋼材
を引上げ、めっき層が凝固するまでの間にも金属間化合
物の成長は引続き起こるために、めっき後の鋼材の引上
時間とめっき層の冷却時間も金属間化合物層の厚さに影
響する。実用的には引上速度と冷却速度のコントロール
によって、このめっき後の影響をコントロールする必要
があり、できる限り素早い余剰亜鉛の除去(いわゆる垂
れ切り)と迅速な冷却が求められる。
【0006】一般鋼材の亜鉛アルミニウム合金めっきの
際には、アルミニウムによるFe−Zn金属間化合物層
の成長抑制効果によって潜伏時間内は数μm以下の厚さ
のFeAl 5ないしF2Al3からなる金属間化合物が鋼
材とめっき層界面に生成し、金属間化合物の成長は期待
できない。このため、先述の鋼板のめっきのような15
〜25μmのめっき厚さしか得ることができない。また
浸漬時間が潜伏時間を上廻ると急激なFe−Al金属間
化合物の成長が起こり、上述のnの次数が高くなり
(1.0以上)、温度と浸漬時間の調整では厚さをコン
トロールできない上に、金属間化合物の崩壊に至り、ヤ
ケ、剥離等の異常が起こり、商品価値の無いめっきとな
てしまう。
【0007】このため、一旦亜鉛めっきを施した後に亜
鉛アルミニウムめっきを施す二段階のめっき法が実用化
されている(例えばU.S.P.1,741,388
等)。
【0008】この方法は亜鉛めっきの段階で、Fe−Z
n金属間化合物層を形成し、めっき層の厚さを30〜4
0μm以上に確保し、二段目の亜鉛アルミニウム合金め
っきの段階でAlの拡散が早く、かつFeとの親和力の
高いことを利用して、亜鉛を亜鉛アルミニウム層に置換
し、30〜40μm以上の厚さの亜鉛アルミニウム合金
めっき層を形成する方法で、金属間化合物はFe−Al
−Znの三元系合金に変化している。
【0009】しかしながら、二段目の亜鉛アルミニウム
合金めっきの段階では、上述の急激なFe−Al金属間
化合物の成長の危険性をはらんでいる。表面が活性な鋼
材、高めのめっき浴温度あるいは長めの浸漬時間ではF
e−Al−Zn系金属間化合物の成長が著しく、金属間
化合物の崩壊脱落を回避できないこともある。また一段
目でFe−Zn金属間化合物の厚さが厚くなりすぎた
り、多孔質で脆いFe−Zn金属間化合物(例えばツェ
ータζ相)が生成している場合、さらに一段目のめっき
から二段目に移る際の時間がかかりすぎた場合には、二
段目でのFe−Al−Zn系金属間化合物の異常成長は
さらに助長されることとなる。このために一般鋼材の亜
鉛アルミニウ合金めっきの普及は鋼板に比べ限られてい
るのが現状である。広いめっき温度範囲、広い浸漬時間
範囲でFe−Al−Zn系金属間化合物の異常成長を抑
制でき、均質な厚さで外観良好な亜鉛アルミニウム合金
めっきを得る方法が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら従来
技術の課題を解消し、鋼材とめっき層の界面に生成、成
長するFe−Al−Zn金属間化合物層の成長をコント
ロールし、均質なめっき層厚さとヤケの無い半光沢状の
美麗な外観を有する亜鉛合金めっき方法を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、二段亜鉛
アルミニウム合金めっきの第二段階の亜鉛アルミニウム
合金浴中に第三元素の添加を行ない、Fe−Al−Zn
三元系金属間化合物層の成長コントロールの可能性につ
いて鋭意検討を行なった結果、第二段階の亜鉛アルミニ
ウム合金浴にマグネシウムを0.2〜7wt%含有され
ることによって、Fe−Al−Zn三元系金属間化合物
層の成長をコントロールすることが可能なことを見い出
し、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明は、鉄鋼材料を99.9
9wt%以上の純度の溶融亜鉛浴に浸漬し、溶融亜鉛め
っきを施す第一段階、該鉄鋼材料をマグネシウムを0.
2〜7wt%を含有する亜鉛アルミニウム合金浴に浸漬
することによって、該鉄鋼材料表面に溶融亜鉛アルミニ
ウム合金めっきを施す第二段階からなることを特徴とす
る亜鉛合金めっき方法にある。
【0013】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明では、第一段階として鉄鋼材料を99.99wt%
以上の純度の溶融亜鉛浴に浸漬し、溶融亜鉛めっきを施
す。
【0014】この溶融亜鉛浴には、アルミニウムを0.
1〜0.5wt%含有していてもよい。この第一段階で
アルミニウムを0.1〜0.5wt%含ませた目的は、
亜鉛めっきにおけるアルミニウムのFe−Zn金属間化
合物を抑制作用を利用し、めっき厚さの薄い亜鉛めっき
を得るためである。
【0015】この溶融亜鉛めっき浴の温度は、好ましく
は430〜550℃であり、かつ鉄鋼材料の浴中浸漬時
間が5分以内であることが望ましい。亜鉛めっき浴の温
度が430℃未満では亜鉛の融点に近づき浴の一部固
化、高粘度化が起るためめっきが困難となる。また、め
っき浴温度が550℃を超える場合あるいは浸漬時間が
5分を超えるとFe−Zn金属間化合物の成長が進み、
後の第二段階でのFe−Al−Zn金属間化合物の成長
を促すこととなり、マグネシウムの添加効果も十分では
なくなり、めっき層厚さは不均一化する。
【0016】次に、本発明では、第二段階として、第一
段階で溶融亜鉛めっきを施された該鉄鋼材料をマグネシ
ウムを0.2〜7wt%を含有する亜鉛−アルミニウム
合金浴に浸漬することによって、該鉄鋼材料表面に溶融
亜鉛アルミニウム合金めっきを施す。マグネシウムの含
有量が0.2wt%未満ではFe−Al−Zn金属間化
合物層の成長をコントロールするには不十分である。一
方、マグネシウムの含有量が7wt%超となっても目的
の金属間化合物の成長効果は失われないが、浴内の酸化
物の増大を招き、またマグネシウム原料コストからいっ
ても無駄なこととなる。
【0017】この溶融亜鉛アルミニウム合金浴の組成
は、アルミニウム3〜30wt%、マグネシウム0.2
〜7wt%、かつアルミニウムに対するマグネシウムの
重量比が0.03〜0.75であり、残部が不可避不純
物を除いて亜鉛からなることが望ましい。アルミニウム
の含有量が3wt%未満であると、Fe−Al−Zn合
金層の成長がもともと起こりにくくなり、マグネシウム
の添加の必要性が薄れてくる。また耐食性の観点からア
ルミニウムが3wt%未満であると耐食性が低下するか
ら好ましくない。一方、上述のようにアルミニウムが3
0wt%を超えた場合にもマグネシウムのFe−Al−
Zn合金面の成長コントロールの効果は失われないが、
浴温度を上げなければならず、Fe−Al−Znの局部
成長が起こり、めっき層の不均一化を招く。また、アル
ミニウムに対するマグネシウムの比率が0.03未満で
はFe−Al−Zn層の均一化には十分な量とはいえ
ず、また0.75超では無駄な添加であり、コストアッ
プを招くこととなる。
【0018】さらにこの浴にはナトリウム0.001〜
0.1wt%を含有していてもよい。ナトリウムは特公
昭63−50419号公報に記載されているように、め
っき表面の光沢、平滑性を改善する効果を有する。特に
マグネシウム添加の際に、亜鉛マグネシウム系金属間化
合物やマグネシウムの酸化によって生じるドロスびき等
のめっき外観不良を抑える効果を持つことが判明してい
る。ナトリウムの含有量が0.001wt%未満では外
観不良抑制効果が不充分であり、0.1wt%を超える
と易酸化性のナトリウムが酸化され、ロスとなり無駄で
ある。
【0019】この溶融亜鉛アルミニウム合金めっき浴の
温度は、好ましくは420〜600℃であり、かつ鉄鋼
材料の浴中浸漬時間が10分以内であることが望まし
い。亜鉛アルミニウムめっき浴の温度は、浴組成(Al
とMg濃度)によって融点が変わるため、融点より少な
くとも10℃以上高い温度に浴温度を保つ必要がある。
めっき浴温が420℃未満であると明らかに浴の固化、
高粘度化を招く。まためっき浴温が600℃を超える場
合あるいは浸漬時間が10分を超えると、Fe−Al−
Zn金属間化合物の成長が促されマグネシウムの添加効
果も十分ではなくなり、めっき厚さは不均一化する。
【0020】また、亜鉛アルミニウム合金浴中に別の目
的で加えられた微量添加元素、例えばチタン、ケイ素、
ミッシュメタル、アンチモンといった元素が含有されて
いてもよい。
【0021】この結果、従来安定して得られなかった均
質なめっき層厚さと、ヤケの無い半光沢の美麗な外観が
得られることが判明した。
【0022】なお、従来から耐食性向上を目的としたマ
グネシウム含有亜鉛めっきないしはマグネシウム含有亜
鉛アルミニウム合金めっきが開示されている(U.S.
P.3,505,042号、U.S.P.3,505,
043号、特公昭46−3644号公報)。
【0023】これらはいずれも主に鋼板を対象とし、セ
ソジマー方式で行なわれる直接めっきの方法で作られた
もので、二段亜鉛アルミニウム合金めっき方法とは異な
る技術である。二段亜鉛アルミニウム合金めっきにおい
てFe−Al−Zn系金属間化合物の成長抑制をマグネ
シウム添加亜鉛アルミニウム合金浴を用いて行なおうと
した例はこれまで無い。
【0024】なお、本発明におけるめっき方法は、溶融
状態のめっき浴へ鋼材を浸漬する方法について述べてい
るが、溶融状態の溶湯を鋼材にシャワーのようにかけた
り、吹き付けて溶湯と鋼材との接触を行なう方法、溶湯
ではなく揮発させて気相と鋼材とを接触させる方法等の
基本的にFe−Al−Zn金属間化合物の成長を伴う方
法であれば、いずれにも効果を達成し得る。
【0025】また、本発明では、一段目が亜鉛、二段目
が亜鉛アルミニウムの浴を用いているが、これが一段目
が亜鉛アルミニウム、二段目が亜鉛、あるいはどちらも
亜鉛アルミニウム、さらにアルミニウムめっきとの組み
合わせ、三段、四段といった複数浴となってもFe−A
l−Zn金属間化合物の成長にかかわる方法であれば、
同様の効果が期待できる。
【0026】浴成分の調製は、Zn−Al−Mg系を作
るため、Zn−Al+Mg、Zn−Mg+Al、Zn−
Al−Mg、Zn+Al+Mgといった種々の組み合わ
せが考えられるが、これら浴の調製法、原料合金の種類
によっては本発明の効果は作用されない。
【0027】
【作用】二段亜鉛アルミニウム合金めっきの第二段階の
亜鉛アルミニウム合金浴中にマグネシウムを含有させた
場合のFe−Al−Zn合金層成長コントロール可能な
メカニズムについては次のように推定している。
【0028】まず、一段目の亜鉛めっきを施した鋼材が
第二段目の亜鉛アルミニウム合金の溶融浴中に浸漬され
ると、浴中のアルミニウムの拡散係数は亜鉛に比べて大
きいために、直ちに鋼材の鉄と反応し、Fe2Al5ない
しはFeAl3を主体とする金属間化合物を生成する。
一段目で既に形成されたFe−Zn系金属間化合物中に
アルミニウムが入り込み鋼材素地の近傍までアルミニウ
ムは拡散する。またFe−ZnからFe−Al化合物へ
の変態も起きているものと考えられる。こうして鋼素地
とめっき層の界面にはFe−Al−Zn三元系の金属間
化合物層が形成され、アルミニウムと鋼中の鉄の相互拡
散によって、化合物層は鋼材表面とは垂直方向に成長を
開始する。金属間化合物と溶融亜鉛アルミニウム合金の
界面近傍では、アルミニウムがFe−Al−Zn金属間
化合物中に取り込まれたことによってアルミニウムが希
薄化し、亜鉛とマグネシウムが高くなっており、Zn−
Mg系の金属間化合物が形成される。Zn−Mg化合物
はFe−Al−Zn化合物層の表面にも析出する。この
結果、Zn−Mg化合物の析出層(固相)がAlとFe
の拡散バリヤーとして作用し、Fe−Al−Zn化合物
の成長が緩和される。
【0029】
【実施例】以下、実施例等に基づいて本発明を具体的に
説明する。
【0030】実施例1〜8および比較例1〜2 初めに第一段階として99.99%以上の純度の亜鉛の
溶融浴を用いた場合の第二段浴へのマグネシウムの効果
について評価した。
【0031】鋼材は次の2種類とした。 A:JIS G 3101 一般構造用圧湿鋼材 SS
41(50w×100L×3.2T) B:JIS G 3121 冷間圧延鋼板 SPCC
(50W×100L×0.5T)
【0032】鋼材の前処理は次の通りとした。 脱脂:オルトケイ酸ソーダを用い、70℃、60分処理
後、常温で水洗 酸洗:5%HClを用い、常温、30分処理後、水洗 フラックス処理:市販のZn−Al専用フラックス(Z
nにも使用可)30wt%水溶液を用い、90℃×1分
浸漬 乾燥:150℃×3分熱風
【0033】めっき浴は第一段目は99.99%以上の
純度の亜鉛地金を黒鉛ルツボ内で熱解した浴を用い、第
二段目は99.99%以上の亜鉛地金と99.9%以上
の純度のアルミニウム塊、99.9%以上の純度のマグ
ネシウム塊を用いて表1の組成となるように融解調整し
た浴を用いた。
【0034】めっき条件は表1に示した浴温度、浸漬時
間で実施した。めっき時の引上速度は1〜2m/分と
し、引上後10〜20秒後に放冷、空冷、水冷(常
温)、沸騰水冷の4通りの冷却を行った。表2には水冷
(常温)の場合の結果のみを示した。
【0035】(めっき後の特性評価)めっき材の外観に
ついては、ヤケの有無、金属間化合物の異常成長の有無
を肉眼にて判定した。
【0036】また、 磁力式膜厚計でめっき厚さを計測
した。また断面の顕微鏡観察よってもめっき厚さを測定
した。さらに金属間化合物層の厚さついても観察した。
【0037】また、めっき表面のピッカース硬さ、恒温
恒湿200hrs白錆面積、塩水噴霧試験における赤錆
出現時間による耐食性判定も行なった。表2にこれらの
特性評価結果を示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】表2から判るように、実施例1〜8は、比
較例1〜2と比較して、ヤケ不良、異常成長も無く、F
e−Al−Zn系金属間化合物が適度に発達した均質な
厚めっき皮膜を有していることが解る。
【0041】また、従来から言われている高耐食性、耐
白錆性、めっき表面の硬度上昇も確認することができ
た。
【0042】以上のことより二段亜鉛アルミニウム合金
めっきにおいて、第一段階で99.99wt%以上の純
度の亜鉛浴に鋼材を浸漬し溶融亜鉛めっきを施した後、
第二段階としてマグネシウムを0.2〜7wt%含有す
ることによって、Fe−Al−Zn金属間化合物層の成
長をコントロールし,均質なめっき厚さとヤケの無い美
麗な外観が得られることが解る。
【0043】また、二段亜鉛アルミニウム合金めっきに
おいてナトリウムを0.01wt%含有する実施例8の
100枚めっき中のドロスびき外観不良率は1%であ
り、ナトリウムを含有しない実施例4の100枚めっき
中のドロスびき外観不良率5%に比較して大幅にドロス
びき外観不良率が減少することが解った。
【0044】実施例9〜11および比較例3 第一段階としてアルミニウムを0.1〜0.5wt%含
み、残部が不可避不純物を除いて亜鉛からなる溶融浴を
用いて溶融亜鉛アルミニウム合金めっきを施し、第二段
の亜鉛アルミニウム浴へのマグネシウム添加の効果を評
価した。
【0045】鋼材の鋼種は前記鋼材Aに限定し、その他
のめっき方法は実施例1と同様とした。評価は実施例1
と同様にめっき層厚さ、金属間化合物層の厚さ、表面硬
度を調べた。使用浴組成条件を表3に、また特性評価結
果を表4にそれぞれ示す。
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】表4の結果から、第一段階としてアルミニ
ウムを0.1〜0.5wt%含有した亜鉛浴を用いた二
段亜鉛アルミニウムめっきにおいても、マグネシウムに
よるFe−Al−Zn金属間化合物の成長コントロール
の効果が確認できた。
【0049】実施例12〜24 第一段めっき、第二段めっきにおけるめっき浴温度と鋼
材のめっき浴中浸漬時間の適性範囲を調べるべく評価を
行った。また、二段目の浴中アルミニウムとマグネシウ
ムの関係についても評価した。鋼材は鋼材の鋼種は前記
鋼材AとBとC:JIS G 3521の硬鋼線 (S
WA3.2φ×100L)を使用した。
【0050】めっき方法は実施例1と同様とし、評価は
めっき層厚さと金属間化合物層の厚さを評価した。さら
にめっき層の厚さの均一性を測定めっき厚の最大値と最
小値の差で評価し、20μm以内の幅を均一(○印)2
0〜50μmの幅をやや不均一(△印)と判定した。使
用浴組成、めっき条件を表5に、特性評価結果を表6に
それぞれ示した。
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】表6から判るように、第一段階として用い
る亜鉛めっき浴の温度と、浸漬時間を調節したり、第二
段階として用いる亜鉛アルミニウム合金浴のアルミニウ
ムとマグネシウムの添加比率、添加量あるいは浴温度と
浸漬時間の調節によってめっき性の均一性を向上させる
ことが可能となる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、従来から課題となっ
ている二段亜鉛アルミニウム合金めっきにおけるFe−
Al−Zn金属間化合物の異常成長を第二段階の亜鉛ア
ルミニウムめっき浴に0.2〜7wt%のマグネシウム
を含有させることによって抑制し、広いめっき温度範
囲、広い浸漬時間の範囲で均質な厚さで、ヤケも無く、
外観良好な亜鉛アルミニウムめっきが得られる。
【0055】マグネシウムはFe−Al−Zn金属間化
合物の成長コントロールの効果以外にも、耐食性の向上
耐白錆性の向上、めっき皮膜の硬化、表面の半光沢化、
美麗化といった多くの特性を改善する効果があり、屋外
の海洋等厳しい腐食環境下での長寿命材料として構造
物、部材、吊架線、架線金物、プラント材料等鉄鋼材料
に適用可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄鋼材料を99.99wt%以上の純度
    の溶融亜鉛浴に浸漬し、溶融亜鉛めっきを施す第一段
    階、該鉄鋼材料をマグネシウムを0.2〜7wt%を含
    有する亜鉛アルミニウム合金浴に浸漬することによっ
    て、該鉄鋼材料表面に溶融亜鉛アルミニウム合金めっき
    を施す第二段階からなることを特徴とする亜鉛合金めっ
    き方法。
  2. 【請求項2】 前記第一段階の溶融亜鉛浴の組成が、ア
    ルミニウムを0.1〜0.5wt%含有し、残部が不可
    避不純物を除いて亜鉛である請求項1に記載の亜鉛合金
    めっき方法。
  3. 【請求項3】 前記第二段階の溶融亜鉛アルミニウム合
    金浴の組成が、アルミニウム3〜30wt%、マグネシ
    ウム0.2〜7wt%、かつアルミニウムに対するマグ
    ネシウムの重量比が0.03〜0.75であり、残部が
    不可避不純物を除いて亜鉛からなる請求項1に記載の亜
    鉛合金めっき方法。
  4. 【請求項4】 前記第二段階の溶融亜鉛アルミニウム合
    金浴の組成がさらにナトリウム0.001〜0.1wt
    %を含有する請求項3に記載の亜鉛合金めっき方法。
  5. 【請求項5】 前記第一段階の溶融亜鉛めっき浴の温度
    が430〜550℃であり、かつ鉄鋼材料の浴中浸漬時
    間が5分以内である請求項1または2に記載の亜鉛合金
    めっき方法。
  6. 【請求項6】 前記第二段階の溶融亜鉛アルミニウム合
    金めっき浴の温度が420〜600℃であり、かつ鉄鋼
    材料の浴中浸漬時間が10分以内である請求項1、3ま
    たは4に記載の亜鉛合金めっき方法。
JP1408394A 1994-01-13 1994-01-13 亜鉛合金めっき方法 Pending JPH07207421A (ja)

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