JPH06256925A - プレス成形性に優れた亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

プレス成形性に優れた亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板

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JPH06256925A
JPH06256925A JP4698993A JP4698993A JPH06256925A JP H06256925 A JPH06256925 A JP H06256925A JP 4698993 A JP4698993 A JP 4698993A JP 4698993 A JP4698993 A JP 4698993A JP H06256925 A JPH06256925 A JP H06256925A
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JP
Japan
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plating layer
phase
steel sheet
zinc
press formability
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Application number
JP4698993A
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Inventor
Motohiro Nakayama
元宏 中山
Makoto Itomi
誠 糸見
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、プレス成形性および耐食性に優れ
た亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供する。 【構成】 Fe:7〜16%、Al:0.04〜1.0
%と、B:0.001〜0.1%、La:0.003〜
0.5%の1種又は2種とを含み、残部Zn及び不可避
的不純物からなるめっき層を生成せしめたプレス成形性
に優れた亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板。該鋼板に
おいて、更にMg:0.01〜1.0%、Ca:0.0
03〜0.5%、Ce:0.003〜0.5%のいずれ
かをめっき層中に含有するプレス成形性に優れた亜鉛−
鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板。Mg、Ca、Ceは酸化
物を形成し、めっき層中のAl濃度勾配を是正し、めっ
き層のΓ相、ζ相の成長を抑制するのでプレス成形性に
優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス成形性に優れた
亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、
一般に溶融亜鉛めっき鋼板をめっき直後に、熱処理を行
って素地鋼板の鉄をめっき層中に拡散させているので、
Fe−Zn相互拡散により、めっき層の組成はFe8.
5〜14%を含む2、3種の金属間化合物の層状組織と
なる。しかし、これらの金属間化合物は、塑性変形態が
低く、特に地鉄界面に生成し易いΓ相は脆いので、プレ
ス成形時に生じるめっき剥離(パウダリング現象)の原
因となり、めっき鋼板の表面性状の劣化やプレス作業性
低下の要因となっている。
【0003】かかる欠点の解決策として、従来からめっ
き層中に特定量のAlを含有せしめることにより、Fe
−Znの相互拡散を抑制し、Γ相の成長を抑制する方法
がとられている(特公平3−55544号公報)。ま
た、連続合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造時に、鋼板の
機械的性質の改善と表面清浄化のために連続焼鈍を施す
が、焼鈍雰囲気はH2 数%と残部N2 ガスからなってお
り、焼鈍後の鋼板表面には鉄系酸化物(厚み30〜10
0Å)が生成している。該酸化物は、厚目付(目付量4
0g/m2 以上)後の加熱合金化処理により、鋼板の結
晶粒界付近で過合金化されて主としてΓ相が厚く生成
し、耐パウダリング性が低下する。
【0004】従って、めっき浴中に酸化物還元金属(B
a、Ce、Ca、Ga、Li、Mn、Mg、Ti、Z
r)を適正量添加して該酸化物を除去し、結晶粒界から
の鉄拡散を相対的に減少させることで、合金化が均一に
進行し易くなり、過合金化が抑制でき、Γ相の生成も減
少して耐パウダリング性を向上させることができる(特
開平4−2759号公報)。
【0005】しかしながら、上記技術は、亜鉛−鉄合金
化溶融亜鉛めっき層の結晶構造を地鉄界面からめっき層
表面まで厚み方向に細かく制御する方法を開示したもの
ではないので、プレス成形時の摺動性と耐めっき剥離性
に優れた鋼板は得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
欠点を有利に解決するためになされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の要旨とするところは下記のとおりである。 (1) Fe:7〜16%、Al:0.04〜1.0%
と、B:0.001〜0.1%、La:0.003〜
0.5%の1種又は2種とを含み、残部Zn及び不可避
的不純物からなるめっき層を生成せしめたことを特徴と
するプレス成形性に優れた亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板。
【0008】(2) Fe:7〜16%、Al:0.0
4〜1.0%、Mg:0.01〜1.0%と、B:0.
001〜0.1%、La:0.003〜0.5%の1種
又は2種とを含み、残部Zn及び不可避的不純物からな
るめっき層を生成せしめたことを特徴とするプレス成形
性に優れた亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板。 (3) Fe:7〜16%、Al:0.04〜1.0
%、Ca:0.003〜0.5%と、B:0.001〜
0.1%、La:0.003〜0.5%の1種又は2種
とを含み、残部Zn及び不可避的不純物からなるめっき
層を生成せしめたことを特徴とするプレス成形性に優れ
た亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【0009】(4) Fe:7〜16%、Al:0.0
4〜1.0%、Ce:0.003〜0.5%と、B:
0.001〜0.1%、La:0.003〜0.5%の
1種又は2種とを含み、残部Zn及び不可避的不純物か
らなるめっき層を生成せしめたことを特徴とするプレス
成形性に優れた亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板。 (5) 前項1〜4記載の亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板において、めっき層の上にFe:60%以上、残
部Znからなる合金めっき層を生成せしめたことを特徴
とする2層めっき層からなるプレス成形性に優れた亜鉛
−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
【0010】本発明者らは、プレス成形性を改善するた
めに、めっき層組成、めっき層の結晶構造、プレス成形
性に関して種々の研究を行い本発明に到達したものであ
る。すなわち、本発明は、溶融亜鉛めっき浴中に所定の
元素を適正量添加し、めっきを施し、その後、合金化処
理を行うことでめっき層中に厚み方向に固溶Alを十分
に確保し、プレス成形に不利な合金相であるΓ相やζ相
を抑制し、かつプレス成形に有利な合金相であるδ1
の成長を促進する効果及びめっき層の結晶粒細粒化効果
を活用してなされたものである。なお、Alの酸化防止
及びめっき層中の固溶Alを確保するためにMg、C
a、Ceを添加する場合には、めっき層中でAl2 3
や大気中から拡散した酸素と反応して、めっき層中の粒
界にMg、Ca、Ceの酸化物を形成し、更に腐食時に
めっき表面にZn(OH)2 を主体とする安定な保護錆
層を形成するため、プレス成形性とともに耐食性が向上
することを確認した。
【0011】まず最初に合金化溶融亜鉛めっき鋼板、特
にめっき層のプレス成形挙動について説明する。成形条
件を検討した結果、成形時のめっき剥離挙動は、成形加
工条件、目付量、めっき層組成、めっき層結晶構造に大
きく左右されることを確認した。更に、耐食性の要求の
高い部位に適用するために、目付量が100g/m2
極めて厚い場合も含めて、後述のようにめっき層の組成
を特定することにより、めっき層結晶構造を厳密に制御
することが可能となり、良好なプレス成形性が得られる
ことを確認した。
【0012】めっき層の相構造に関しては、一般的な合
金化溶融亜鉛めっき鋼板では、地鉄界面から順にΓ相、
δ1 相、ζ相が成長する。したがって地鉄界面ではΓ相
が、めっき表層ではζ相が生成し易い。これらの各相は
必ずしも均一層状ではなく、凹凸のある微細な結晶から
なるものである。特に、Γ相やζ相は通常はδ1 相より
薄く生成し、1〜2μm以下のことが普通である。この
ためΓ相、ζ相は必ずしも均一層状ではなく、島状また
は網目状に生成し、不連続な形態で生成することもあ
る。
【0013】このようなめっき層の構造は、めっき層中
のAlにより制御できることが知られている。即ち、め
っき反応の初期段階において、AlはAl濃度の高いA
l〜Fe〜Zn系の合金層を形成し、これがFe〜Zn
系の2元合金層の生成反応の潜伏期を伸ばすので、合金
化処理の昇温過程でζ相の成長を抑制するとともに、合
金化完了後にδ1 相やΓ相中の固溶Alが高い場合は、
δ1 相の熱的安定性が向上し、めっき層中のFeやZn
の拡散が抑制されるので、過合金化反応によるΓ相の成
長を抑制する効果がある。
【0014】しかしながら、AlはFe、Znよりも酸
化物を形成し易く、めっき表層において選択的に酸化さ
れて酸化物を形成し、めっき表層の固溶Alが低下す
る。このためめっき層に、表層側が低Al、地鉄界面側
が比較的Alが高い、Alの濃度勾配が生じているの
で、合金化処理中の熱拡散によって、Alがめっき層表
面側へ拡散し、地鉄界面側のAl濃度が低下するため、
Znはめっき層中を地鉄界面側へ拡散し易くなり、また
Feは地鉄からめっき層表面への拡散が容易となるの
で、Γ相の成長が促進される。本発明者らは、Mg、C
a、CeがAlより酸化物を形成し易く、上記のめっき
層中のAl濃度勾配を防止し、地鉄界面において固溶A
lによるΓ相成長抑制効果を確実に発揮しうることを確
認した。
【0015】一方、Mg、Ca、Ceはめっき浴に侵入
した鋼板表面の酸化物と反応し、これを還元するため、
地鉄表面のFe拡散サイトを増やすし、又Mg、Ca、
Ceは地鉄界面で酸化物となるため、これがFe−Zn
合金結晶の核となって結晶析出を促進する効果がある。
このように、Mg、Ca、CeはFe拡散サイトの増大
と合金結晶の析出核を増大させる効果があるため、初期
に生成する合金層を均一かつ緻密にするという有利な点
がある。初期に生成する合金結晶を微細化することで、
その後の合金化処理においても均一微細なδ1 結晶の成
長が促進されるため、成形性に有利な合金層を得ること
ができる。
【0016】このような生成相厚を定量化するには種々
の方法があるが、ここでは比較的簡便な次に述べる方法
を採用して各相の厚さを測定した。ζ相の場合は定電流
電解剥離法(電解面積1cm2 )により電解剥離し、δ
1相の電解電位に到達するまでの電解クーロン量から測
定した。なお、ζ相の厚さの決定は、ζ相の比重を7.
23として、ζ相の単位面積当たりの皮膜量(g/
2 )を比重で割ることで平均厚さを算出した。一方、
Γ相厚は断面研磨(厚さ方向に30度傾斜させて研磨
し、めっき厚を2倍に拡大して測定した)後、0.05
%ナイタールで適当な時間エッチングしてから、倍率1
000倍の光学顕微鏡写真を撮影し、地鉄界面に黒く帯
状に観察される層の平均厚さを拡大鏡または画像解析装
置により測定した。
【0017】次に成形性に優れためっき層の相構造に関
して述べる。実際のプレス成形では、単純な圧縮変形や
引張り変形を受けることは少なく、高面圧での摩擦摺動
部、曲げ、曲げ戻しの反復成形部、張り出し成形部、縮
みフランジ成形部など加工様式が種々異なる上に、加工
歪量も異なる。またこれらの複合した複雑な変形加工を
受ける部位もある。したがって、これらのいずれの加工
様式においても、プレス成形時に問題のないめっき鋼板
が要求される。
【0018】上述の観点から、めっき層の相構造と成形
挙動に関して、詳細に調査解析した結果、摺動性に関し
てはダイスと接触するめっき層の表層の構造が支配的で
あることから、40g/m2 以上の厚めっきの場合に
は、めっき層表面に生成するζ相を2.2g/m2 (平
均厚さ0.3μm)以下にすることが良好な摺動性を得
るために好ましいことを確認した。
【0019】更に、めっき層の剥離挙動は地鉄界面に生
成するΓ相の厚さの影響を受け易く、良好な耐剥離性を
得るには、Γ相厚を0.8μm以下にするのが好ましい
ことを確認した。但し、目付量が薄い場合には、上記の
厚さ範囲を広げることが可能である。また、加工条件が
より厳しくなるほどめっき層は剥離し易くなるので、A
l、Mg、Ca、Ceの含有量を多くするのが好まし
い。
【0020】一方、B及びLaは、めっき層中で酸化物
を形成し、合金化処理時にδ1 相の生成核となり、δ1
相の結晶構造を微細、緻密化し、結晶粒界面積を広げ、
プレス成形時の応力を粒界に分散せしめ、プレス成形性
を改善する。このように、めっき層の組成を特定するこ
とによって、ζ相厚とΓ相厚が制御され、δ1 相の生成
も促進され、本発明の目的とするプレス成形性に優れた
亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られることを見
出した。
【0021】次に本発明について詳細に述べる。めっき
層組成は、一定試料面積を採取し裏面をテープシール
後、5%塩酸でめっき層を溶解し、この溶液を原子吸光
法又はアルゴンプラズマ分析法により分析して求めた。
めっき層組成の制御については、めっき浴中の有効浴A
l濃度により行えばよく、有効浴Al濃度は、ドロスの
ない清浄なめっき浴を分析し、浴中の全Al濃度から全
Fe濃度を差し引いた量として求めることができる。
【0022】Fe7%未満ではめっき層表面のζ相が成
長し易く、ζ相厚をプレス成形上好ましい厚さに抑制す
ることは困難である。極めて少ない場合には、ζ相の上
層に極めて軟かいη相も残存する。Feが16%を超え
るとΓ相厚が1.0μmを超え易くなるので好ましくな
い。めっき層中Al:0.04%未満では、めっき層表
面のζ相が成長し易く、逆にζ相の成長を抑制するため
高温で合金化処理すると地鉄界面のΓ相厚が1.0μm
を超え易くなるので好ましくない。Alが1.0%を超
えると、めっき層の表面まで合金化を完了させるまで熱
処理するとΓ相厚が1.0μmを超えるので好ましくな
い。
【0023】BとLaは、第1〜第5の発明において1
種又は2種選択的に添加される元素であり、めっき層中
で酸化物を生成し、合金化処理において合金結晶(δ1
相)生成時に生成核となって、δ1 相の結晶構造を微
細、緻密化し、プレス成形性を改善する。B:0.00
1〜0.1%、La:0.003〜0.5%の1種又は
2種を含有する場合に、前述の改善効果が認められる。
下限値より含有量が少ない場合には、該酸化物が過度に
微細になり生成核となり得ない。上限値を超えて含有す
る場合には、めっき浴中の含有量も多いためめっき浴表
面に酸化物がドロスを形成し、めっき鋼板の表面に付着
し易く、光沢が低下するのでめっき鋼板の商品価値を低
下せしめるため好ましくない。
【0024】次に、Mg、Ca、Ceは、それぞれ第
2、第3、第4の発明において必須元素として添加され
る元素であり、前述のように地鉄界面での固溶Alによ
るΓ相成長抑制効果、めっき層表面での固溶Alによる
ζ相成長抑制効果を助長し、プレス成形性を改善する。
また、前述のようにめっき浴内での初期反応において鋼
板表面の酸化物を還元してFe拡散サイトを増加させ、
同時に自ら酸化物となって、Fe−Zn合金結晶の生成
核となる効果を有するため、均一緻密な合金化反応を進
行させる。この結果、合金結晶を微細化する効果を有
し、成形面で有効なめっき構造となる。
【0025】このような効果を発揮するには、Mg、C
a、Ceは、めっき層中にそれぞれ0.01〜1.0
%、0.003〜0.5%、0.003〜0.5%の含
有が必要である。下限値未満では前述のAl濃度勾配の
防止が不十分であるので、Γ相の成長が避けられない。
上限値超ではΓ相の成長が抑制されるが、合金化反応が
著しく遅くなるので合金化処理に長時間を要することと
なり、生産性が著しく低下することから、コストが上昇
してしまい好ましくない。
【0026】また、Mg、Ca、Ceは、腐食の初期段
階においてめっき層の結晶粒界にMg、Ca、Ceの酸
化物を形成し、めっき層の腐食を抑制する。またさらに
腐食が進行すると、めっき層表面にZn(OH)2 から
なる絶縁皮膜を腐食生成し、酸素還元反応を抑制すると
同時に、腐食の進行を抑制する効果を有する安定な保護
皮膜となるため、その後の腐食速度が小さくなる。従っ
て、第2、第3、第4の発明は、プレス成形性のみなら
ず、耐食性にも優れている。
【0027】第5の発明におけるFe:60%以上を含
み、残部Znからなる合金めっき層を生成せしめた2層
めっき層は、亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき層表面に硬
い合金めっき層を付与することにより、プレス成形時の
かじりを防止して潤滑性を改善するものであり、第1〜
第4の発明の亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき層自体のプ
レス成形性の向上効果と相乗して、プレス成形性を大幅
に改善することができる。
【0028】上記の硬い合金めっき層としては、上記の
Fe:60%以上を含み、残部Znからなる合金めっき
層以外に、Fe−0.1〜5%Pからなる合金めっき
層、Fe−0.001〜0.1%Bからなる合金めっき
層も可能であり、いづれも電気めっき法により得られ
る。該合金めっき層の目付量としては、1〜6g/m2
が好ましい。1g/m2 未満では、薄すぎて実質的な潤
滑性改善効果がなく、6g/m2 超では、潤滑性改善効
果は飽和するが、製造コストが飛躍的に増大するので好
ましくない。
【0029】その他、製造工程において、鋼板、めっき
設備及び使用する地金原料から混入する不可避的不純物
(C、Si、Mn、P、S、Cu、Ni、Cr、Mo、
Nb、V、Ti、Zr、Sn、Co、Pb、Cd、S
b、Tl、Ag、Li、Na、Ka、W、Au、Bi、
As、Te、Se、O、N、Be、Ta、Sr、Ba、
Raなど)がめっき層中に微量含有しても本発明を有効
に適用できる。
【0030】上記以外に潤滑性を改善する方法として、
P、Mn等の酸化膜をめっき層表面に化学処理的に生成
する方法があるが、このような技術を本発明に適用し、
合金化溶融亜鉛めっき層の表面に該酸化物を生成せしめ
ためっき鋼板においても、本発明の特徴を有効に発揮
し、かつ相乗効果も活用できる。さらには、クロメート
皮膜や燐酸塩皮膜を化成処理によって合金化溶融亜鉛め
っき層表面に生成せしめた亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板は、プレス潤滑性だけでなく、耐食性、塗装密着
性なども併せて改善できる。
【0031】
【実施例】次に本発明の実施例を比較例とともに表1に
挙げる。めっき用素材としては、CC−極低炭素−Nb
−Ti鋼(板厚0.8mm×板幅1500mmのコイ
ル)を使用し、無酸化炉型の連続溶融亜鉛めっきライン
においてめっき直後に合金化処理により連続的に加熱合
金化処理した。
【0032】通板速度は70〜100mpmとし、めっ
き条件は浴温485℃、めっき浴への鋼板浸漬温度49
0℃で浸漬時間は実施例、比較例ともに全て1〜3秒の
範囲である。目付量制御はガスワイピング法で行い、合
金化処理は高周波誘導型の電気式合金化炉とガスバーナ
ー型のガス燃焼式合金化炉とを併設した設備を使用して
板温500℃で10秒間実施した。
【0033】一方、ラインの後方出側において、電気め
っき法による上層めっきを行った。通常の硫酸浴を使用
し、めっき浴中のZn/Feイオン比と電流密度によ
り、上層めっき組成と目付量を制御した。なお上層めっ
きを施さない場合は、上層めっきタンクを水張りして通
板し、次いで熱風乾燥した。表1の実施例と比較例にお
いてめっき層の結晶構造とプレス成形性を比較すると、
本発明によりΓ相とζ相の成長が制御され、プレス成形
性に優れた亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られ
ることがわかる。
【0034】又、Mg、Ca、Ceのいづれか1種を添
加した実施例10〜36においては、目付量がMg、C
a、Ce無添加の場合とほぼ同等でも耐食性が更に優れ
ている。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】注: 1.めっき層組成は、試料面積20cm2 を採取し、裏
面をテープシール後、5%塩酸でめっき層を溶解し、溶
液を原子吸光法またはアルゴンプラズマ分光法により分
析した。 2.めっき層の目付量は、上記5%塩酸で溶解し、溶解
前後での重量変化から算出した。
【0038】3.ζ相厚は、電解剥離法によりδ1 相の
電解開始電位までのクーロン量から皮膜量(g/m2
を算出して求めた(比重を7.23)。 電解条件 電解液:塩化アンモニウム150g/l 液
温:室温、電流密度:4mA/cm2 、対極:Pt板、
参照電極:塩化銀電極、電解面積:1cm2 4.Γ相厚測定は、めっき板を30度傾斜研磨後(厚さ
方向に2倍拡大)、0.05%ナイタールでエッチング
後、光学顕微鏡写真撮影し拡大鏡で素地界面の黒い帯状
の層厚の平均値を求めた。
【0039】5.摺動性は、L字型引っ張り法による角
ビード試験により評価。押さえ荷重を変化させ、板が破
断する限界の押さえ荷重の大小を比較して摺動性を評価
した。すなわち、板破断時の限界押さえ荷重が高いほど
摺動性が良好として、5点法で相対評価した。 潤滑油:通常の亜鉛めっき用防錆油(2g/m2 )、引
っ張り速度:500mm/分、板幅17mm、摺動長2
50mm 5段階評価 (良好):1−2−3−4−5(劣) 6.耐剥離性は、上記摺動性試験が終わった後、めっき
層表面をテープテストし、テープへのめっき層の付着状
態(黒化度)を目視により相対評価した。同一押さえ荷
重毎にめっき層の剥離状況を比較しながら、めっき層の
耐剥離性を5点法で相対評価した。
【0040】 5段階評価 (良好):1−2−3−4−5(劣) 7.耐食性は、塩水噴霧試験(5%NaCl,35℃)
を実施し、地鉄による赤錆が面積率で50%発生するま
での時間(hr)で評価した。(但し、試験片サイズ:
鋼板厚×75×150mm、裏面および端面をテープシ
ール)
【0041】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明のめっき鋼板
は、プレス成形性に優れており、溶融亜鉛めっき鋼板の
用途を拡大し、その工業的な効果は大きい。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe:7〜16%、Al:0.04〜
    1.0%と、B:0.001〜0.1%、La:0.0
    03〜0.5%の1種又は2種とを含み、残部Zn及び
    不可避的不純物からなるめっき層を生成せしめたことを
    特徴とするプレス成形性に優れた亜鉛−鉄合金化溶融亜
    鉛めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 Fe:7〜16%、Al:0.04〜
    1.0%、Mg:0.01〜1.0%と、B:0.00
    1〜0.1%、La:0.003〜0.5%の1種又は
    2種とを含み、残部Zn及び不可避的不純物からなるめ
    っき層を生成せしめたことを特徴とするプレス成形性に
    優れた亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 Fe:7〜16%、Al:0.04〜
    1.0%、Ca:0.003〜0.5%と、B:0.0
    01〜0.1%、La:0.003〜0.5%の1種又
    は2種とを含み、残部Zn及び不可避的不純物からなる
    めっき層を生成せしめたことを特徴とするプレス成形性
    に優れた亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 Fe:7〜16%、Al:0.04〜
    1.0%、Ce:0.003〜0.5%と、B:0.0
    01〜0.1%、La:0.003〜0.5%の1種又
    は2種とを含み、残部Zn及び不可避的不純物からなる
    めっき層を生成せしめたことを特徴とするプレス成形性
    に優れた亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の亜鉛−鉄合金化溶融
    亜鉛めっき鋼板において、めっき層の上にFe:60%
    以上、残部Znからなる合金めっき層を生成せしめたこ
    とを特徴とする2層めっき層からなるプレス成形性に優
    れた亜鉛−鉄合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
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