JPH07203689A - 静電アクチュエータ - Google Patents

静電アクチュエータ

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Publication number
JPH07203689A
JPH07203689A JP35294693A JP35294693A JPH07203689A JP H07203689 A JPH07203689 A JP H07203689A JP 35294693 A JP35294693 A JP 35294693A JP 35294693 A JP35294693 A JP 35294693A JP H07203689 A JPH07203689 A JP H07203689A
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JP
Japan
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stator
electrostatic actuator
linear electrodes
mover
linear
Prior art date
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Pending
Application number
JP35294693A
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English (en)
Inventor
Toshiro Higuchi
俊郎 樋口
Susumu Yashiro
進 屋代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 バイオマシン、マイクロマシン、ロボット等
に好適な、薄くて軽く、積層性に優れ、かつ、大出力を
抽出し得る静電アクチュエータを実現する。 【構成】 固定子3の線状電極2a,2b,2cは、導
電性線材2a',2b',2c'が縦糸とされ、絶縁性線
材6,6,…が横糸とされて織物組織体として形成され
る。固定子(織物組織体)上には、抵抗体層を有する移
動子4が載置される。線状電極2a,2b,2cに3相
電源を投入すると、移動子4に電荷が誘導されて静電駆
動力が発生する。このとき、摩擦を軽減させる浮上力も
発生するので、移動子4は移動する。このように、線状
電極2a,2b,2cが、バリ等のない円形の導電性線
材2a',2b',2c'からなるため、絶縁破壊が起こ
りにくい。それ故、高電圧を印加でき、これにより、大
出力を抽出し得る。また、織目があるため、流体抵抗が
小さく、生体系にも組み込み可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、静電力を利用して駆
動力を発生する静電アクチュエータに係り、特に、マイ
クロマシンや小型ロボット等に適用して好適である。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロマシンやロボット等の発
達に伴い、小型又は軽量で大出力の駆動源の出現が望ま
れている。電気から力を取り出すものとして、これま
で、電磁力を利用した電動機が広く一般に用いられてき
た。ところが、電磁力を利用した電動機は、けい素鋼板
等の鉄心(ヨーク)を主体としているためかなりの重量
がある。また、人間等の生物の筋力に比べて単位重量当
たりに発生できる力やパワーが小さいので、小型・軽量
のものでは大出力を生み出せないという欠点がある。こ
の欠点を解消するものとして、従来はあまり用いられて
いなかった静電アクチュエータに期待が寄せられてい
る。静電アクチュエータは、電磁力の代わりに、静電
力、すなわち、電荷と電荷の吸引・反発力を利用して駆
動力を発生させる装置であるので、構造が単純な上に、
小型化・軽量化が容易であり、原理的に、小型化すれば
するほど、単位体積当たり発生できる力が大きくなると
いう特性を持つ。それ故、フィルム状の静電アクチュエ
ータを多数製作し、これらを集積化して1個のアクチュ
エータとして用いれば、小さな体積・重量で大きな力を
発生させることもできることから、マイクロマシンやロ
ボット等の好適な駆動源として、静電アクチュエータの
開発が活発になされるようになってきた。
【0003】このような背景の下に開発された静電アク
チュエータとしては、例えば、特開平63−95862
号公報や特開平2−285978号公報等に記載のもの
が知られている。特開平63−95862号公報に記載
のものは、多数の電極が所定の間隔で配設されている固
定子と、該固定子の電極配設面と一定の間隔をおいて配
設され、移動可能な誘電材料からなる移動子とから構成
され、上記固定子の電極は、移動子の移動方向に平行に
配設された電極幹線と、該電極幹線より移動子の移動方
向に直交し互いに対向する方向に配設された線状の電気
枝線とからなっている。また、特開平2−285978
号公報に記載のものは、ポリイミドフィルムやガラスエ
ポキシ等からなる絶縁性フィルム又は絶縁基板の表面に
配設された多数の線状(帯状)電極を備える固定子と、
該固定子上に載置され、絶縁性フィルムに抵抗体層を設
けた移動子とから構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、静電アクチ
ュエータでは、線状電極をどのような形状とし、どのよ
うな配列とするかが、静電力ひいては駆動力を発生さ
せ、さらには、位置決め精度を高める上で、極めて重要
な関心事であるので、線状電極作の成方法が問題とな
る。上記従来の静電アクチュエータにあっては、線状電
極は、真空蒸着技術やスパッタリング技術、電気鍍金技
術等の成膜技術、フォトリソグラフィ等のパターン印刷
技術等を駆使して作成することが行われていた。すなわ
ち、線状電極の作成は、絶縁基板等の表面に銅等の導電
性材料をスパッタリング技術、電気鍍金技術等を駆使し
て一様に付着させて銅箔等を得た後、フレキシブルプリ
ント基板やLSIを作成する際等に用いられるフォトリ
ソグラフィを駆使して、得られた導電層のうち、不要部
分を選択的にエッチング除去してゆき、最終的に、線状
電極を構成する部分のみを残すという技法により行われ
ていた。このため、次のような不都合が生じていた。
【0005】すなわち、フォトリソグラフィで作成され
た線状電極には、ときどき、輪郭がギザギザとなってい
たり、ひげが生じていたりする。ひげは、エッチング処
理の際等に、線状電極となる導電層部分の表面にひげ状
の不純物が付着していたりすると、その部分が、エッチ
ングされずに不純物の形で残るために生じ、また、ギザ
ギザは、微細な角状不純物が多数付着していたり、腐食
液あるいは腐食ビームが不安定なために生じ、電極パタ
ーンが微細になれば、紫外線露光時の回折の影響も無視
できない。ところで、静電アクチュエータに大きな力を
発生させる場合、線状電極に高電圧を印加して多量の電
荷を発生させる必要があるが、電極不良、すなわち、線
状電極にギザギザやひげ等の突起が生じている場合に
は、突起部分に電界集中が生じ、この結果、突起部分と
隣の線状電極との間で絶縁破壊を起こし、絶縁破壊時の
熱で線状電極が焼け切れてしまい、作動不能の事態を招
く虞がある。一方、ひげが長く、隣の線状電極に達して
いる場合には、短絡状態となり、これまた通電破壊し
て、焼け切れてしまう。絶縁破壊や短絡の問題を回避す
るには、電極ピッチを広げれば良いが、電極ピッチを広
げると、駆動力及び位置決め精度の低下を招いてしま
う。
【0006】また、成膜工程、フォトレジスト塗布工
程、乾燥工程、焼付工程、エッチング工程等、線状電極
の作成工程が多岐にわたると共に、エッチング廃液の処
理等のために大規模の製造設備が必要となる。また、フ
ォトリソグラフィを駆使して、長尺の電極パターンを作
成したり、回転駆動型の静電アクチュエータを得るため
に、中空円筒状の絶縁基板上に線状電極を作成すること
は、大変困難であり、高度のノウハウを必要とし、歩留
まりも悪く、コスト高となる。さらにまた、静電アクチ
ュエータでは、複数の線状電極に複数相の電圧を印加す
ることで駆動力が発生す仕組みとなっているために、上
述の電極層構成では、多数の線状電極を、相の数に対応
するいくつかの群(層)に絶縁層を介して分けなければ
ならない。しかし、このような多層電極を作成するの
は、大変煩雑である上、絶縁層欠陥等に起因する短絡等
の問題が生じ易くなる。
【0007】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、高価な設備投資をしなくても、様々な形状・大
きさのものを容易に作成できると共に、絶縁破壊に強
い、したがって、大出力を得ることができる静電アクチ
ュエータを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、複数の線状電極が配設され
てなる固定子と、該固定子の線状電極配設面に対向して
配設され、高抵抗率の抵抗体層又は/及び誘電体層を有
する移動可能な移動子とを備えてなる静電アクチュエー
タに係り、上記固定子は、複数の導電性線材と複数の絶
縁性線材とが互いに織り込まれてなる織物組織を有し、
該織物組織に組み込まれた上記複数の導電性線材が上記
複数の線状電極をなすものであることを特徴としてい
る。
【0009】また、請求項2記載の発明は、複数の第1
の線状電極が配設されてなる固定子と、該固定子の線状
電極配設面に対向して配設され、複数の第2の線状電極
が配設されてなる移動可能な移動子とを備えてなる静電
アクチュエータに係り、上記固定子及び上記移動子は、
複数の導電性線材と複数の絶縁性線材とが互いに織り込
まれてなる織物組織をそれぞれ有し、上記固定子の織物
組織に組み込まれた上記複数の導電性線材が上記複数の
第1の線状電極をなすと共に、上記移動子の織物組織に
組み込まれた上記複数の導電性線材が上記複数の第2の
線状電極をなすものであることを特徴としている。
【0010】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は2記載の静電アクチュエータに係り、上記織物組織
は、導電性線材と絶縁性線材とが、縦糸・横糸となっ
て、一本ずつ交互に上下して、浮沈しながら交錯する状
態で織り込まれて構成されていることを特徴としてい
る。
【0011】また、請求項4記載の発明は、請求項1,
2又は3記載の静電アクチュエータに係り、上記織物組
織において、上記複数の導電性線材は、絶縁被覆材で被
覆されていることを特徴としている。
【0012】また、請求項5記載の発明は、複数の線状
電極が縦横に配設されてなる固定子と、該固定子の線状
電極配設面に対向して配設され、高抵抗率の抵抗体層又
は/及び誘電体層を有する移動可能な移動子とを備えて
なる静電アクチュエータに係り、上記固定子は、予め絶
縁被覆処理のなされた複数の第1の導電性線材と複数の
第2の導電性線材とが互いに織り込まれてなる織物組織
を有し、該織物組織にそれぞれ組み込まれた上記複数の
第1及び第2の導電性線材が上記複数の線状電極をなす
ものであることを特徴としている。
【0013】また、請求項6記載の発明は、複数の第1
の線状電極が縦横に配設されてなる固定子と、該固定子
の線状電極配設面に対向して配設され、複数の第2の線
状電極が縦横に配設されてなる移動可能な移動子とを備
えてなる静電アクチュエータに係り、上記固定子及び上
記移動子は、予め絶縁被覆処理のなされた複数の第1の
導電性線材と複数の第2の導電性線材とが互いに織り込
まれてなる織物組織をそれぞれ有し、上記固定子の織物
組織に組み込まれた上記複数の第1及び第2の導電性線
材が上記複数の第1の線状電極をなすと共に、上記移動
子の織物組織に組み込まれた上記複数の第1及び第2の
導電性線材が上記複数の第2の線状電極をなすものであ
ることを特徴としている。
【0014】また、請求項7記載の発明は、請求項5又
は6記載の静電アクチュエータであって、上記織物組織
は、第1の導電性線材と第2の導電性線材とが、縦糸・
横糸となって、一本ずつ交互に上下して、浮沈しながら
交錯する状態で織り込まれて構成されていることを特徴
としている。
【0015】また、請求項8記載の発明は、請求項1,
2,3,5,6又は7記載の静電アクチュエータに係
り、上記織物組織は、織目を残した状態で、絶縁性円滑
部材で被膜されていることを特徴としている。
【0016】また、請求項9記載の発明は、請求項1,
2,3,5,6又は7記載の静電アクチュエータに係
り、上記織物組織は、絶縁材からなる絶縁膜体の中に埋
設されていることを特徴としている。
【0017】さらにまた、請求項10記載の発明は、請
求項1,2,3,5,6又は7記載の静電アクチュエー
タに係り、上記固定子は表面と裏面とに上記線状電極配
設面を備え、かつ、上記移動子は、上記固定子の表面に
対向して配置される第1の移動子と、固定子の裏面に対
向して配置される第2の移動子とからなることを特徴と
している。
【0018】
【作用】請求項1記載の静電アクチュエータでは、固定
子の複数の線状電極には、導電性線材が縦糸(又は横
糸)とされ、絶縁性線材が横糸(又は縦糸)とされて織
り込まれて形成された織物組織体が利用される。この織
物組織体は、従来からある簡易な織物技術の転用で、容
易に作成ができる。固定子(織物組織体)上には、抵抗
体層又は/及び誘電体層を有する移動子が載置される。
線状電極に電源(例えば3相電源)を投入すると共に、
所定の周期で電圧を切り替えて行けば、移動子に電荷が
誘導されて静電駆動力が発生すると共に摩擦を軽減させ
る浮上力も発生するので、移動子は移動する。このと
き、線状電極がバリ等のない円形の導電性線材からなる
ため、絶縁破壊が起こりにくい。それ故、高電圧を印加
でき、これにより、大出力を抽出し得る。
【0019】請求項2記載の静電アクチュエータでは、
固定子の複数の第1の線状電極には、導電性線材が縦糸
(又は横糸)とされ、絶縁性線材が横糸(又は縦糸)と
されて織り込まれて形成された織物組織体が利用され
る。一方、移動子も同様の織物組織体からなり、複数の
第2の線状電極が備えられる。これら織物組織体は、従
来からある簡易な織物技術の転用で、容易に作成ができ
る。固定子上には、移動子が載置される。固定子の第1
の線状電極と移動子の第2の線状電極とに電源(例えば
3相交流電源)を投入すると、駆動力が発生し、移動子
に摩擦を軽減させる浮上力も発生するので、移動子は移
動する。このとき、第1及び第2の線状電極が、いずれ
も、バリ等のない円形の導電性線材からなるため、絶縁
破壊が起こりにくい。それ故、高電圧を印加でき、これ
により、大出力を抽出し得る。
【0020】請求項5記載の静電アクチュエータでは、
固定子上に配設される縦横の線状電極には、導電性線材
が縦糸・横糸とされて織り込まれて形成された織物組織
体が利用される。この織物組織体は、従来からある簡易
な織物技術の転用で、容易に作成ができる。固定子(織
物組織体)上には、抵抗体層又は/及び誘電体層を有す
る移動子が載置される。固定子上の縦横の線状電極に電
源(例えば3相電源)を投入すると共に、所定の周期で
電圧を切り替えて行けば、移動子に電荷が誘導されて2
方向に静電駆動力が発生すると共に摩擦を軽減させる浮
上力も発生するので、移動子は2次元移動する。このと
き、線状電極が円形の導電性線材からなり、バリ等がな
いため、絶縁破壊が起こりにくい。それ故、高電圧を印
加でき、これにより、大出力を抽出し得る。
【0021】請求項6記載の静電アクチュエータでは、
固定子に配設される縦横の第1の線状電極には、導電性
線材が縦糸・横糸とされて織り込まれて形成された織物
組織体が利用される。一方、移動子も同様の織物組織体
からなり、第2の線状電極が縦横に備えられる。これら
織物組織体は、従来からある簡易な織物技術の転用で、
容易に作成ができる。固定子上には、移動子が載置され
る。縦横に配設された固定子の第1の線状電極と、同じ
く縦横に配設された移動子の第2の線状電極とに電源
(例えば3相交流電源)を投入すると、2方向の駆動力
が発生すると共に、移動子に摩擦を軽減させる浮上力も
発生するので、移動子は2次元移動する。このとき、第
1及び第2の線状電極が、いずれも、円形の導電性線材
からなり、バリ等がないため、絶縁破壊が起こりにく
い。それ故、高電圧を印加でき、これにより、大出力を
抽出し得る。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である誘導電荷形静電ア
クチュエータの構成を示す斜視図、また、図2は、同静
電アクチュエータの模式的構成を示す模式図、また、図
4は、同静電アクチュエータの動作を説明するための説
明図である。これらの図に示すように、この例の静電ア
クチュエータ1は、複数の線状電極2a,2b,2c,
…が織り込まれた固定子3と、該固定子の線状電極配設
面に対向して配設され、電荷が誘導されることで静電駆
動力を受ける移動可能な移動子4とからなっている。す
なわち、上記固定子3において、複数の線状電極2a,
2b,2c,…は、絶縁ワニス等の絶縁被覆材5,5,
…で被覆され、かつ線径の揃えられた複数の導電性線材
2a',2b',2c',…からなり、各導電性線材2a'
(2b',2c')が、これに直交し、かつ線径の揃えら
れた複数の絶縁性線材6,6,…に互い違いに平織で織
り込まれることにより、互いに平行にかつ所定のピッチ
で整列されて固定されている。なお、絶縁被覆材5とし
ては、絶縁ワニスの他にも、ポリイミド、PET(ポリ
エチレン・テレフタレート)、フッ素樹脂等が好適であ
る。
【0023】さらに詳述すると、固定子3は、図3に示
すように、導電性線材2a',2b',2c',…が縦
糸、絶縁性線材6,6,…が横糸とされて、あるいは、
導電性線材2a',2b',2c',…が横糸、絶縁性線
材6,6,…が縦糸とされて、これら縦糸・横糸が、一
本ずつ交互に上下して、浮沈しながら交錯する状態に織
り込まれて織物(平織)組織体とされてなっている。こ
の例において、各導電性線材2a'(2b',2c')に
は、断面円形で、線径が10μm〜100μmの銅、ア
ルミ、金、銀、クロム、チタン等の導電性の線材が用い
られ、一方、各絶縁性線材6には、断面円形で、線径が
20μm〜100μmの軟質塩化ビニル樹脂、ポリエチ
レン、ポリイミド等の絶縁材料からなる線材が用いられ
る。これら導電性線材2a',2b',2c',…と絶縁
性線材6,6,…とが織り込まれて形成される電極ピッ
チ(電極の間隔)は、どちらの線材も断面円形故、縦横
斜めがないことから、非常に規則的なものとなり、しか
も、この例の電極ピッチは、線材の線径や織り方を変え
ることにより、80μm〜300μmの範囲で任意に設
定される。なお、理論上は、電極ピッチが細かいほど、
大きな力及びパワー密度が得られる。
【0024】複数の線状電極2a,2b,2c,…(導
電性線材2a',2b',2c',…)は、順次、交互に
3つのブロック、すなわち、A相の電極群、B相の電極
群、及びC相の電極群に分けられて3相の線状電極群を
構成し、各相の電極群は、駆動回路7の対応する出力端
子に電気的に接続される。駆動回路7は、図示せぬDC
/AC変換器と整流回路とから構成され、固定子3の3
相の線状電極群に対して3相(A相、B相、C相)の電
源(電圧)を供給する。なお、図1等において、A相の
電極群に属する線状電極(導電性線材)には2a(2
a')、B相の電極群に属する線状電極(導電性線材)
には2b(2b')、また、C相の電極群に属する線状
電極(導電性線材)には2c(2c')の符号が付され
ている。また、上記移動子4は、表面抵抗率が1012Ω
/□〜1015Ω/□に調整された抵抗体層8と、該抵抗
体層8を固定子3の線状電極との間の短絡等を防止する
ための絶縁体層9とからなる方形平板状の積層体で、固
定子3の上に絶縁体層9を接触させた状態で載置され
る。この例において、上記絶縁体層9には、厚さ12μ
m程度のPETフィルムやポリイミドフィルム等が用い
られ、このPETフィルムやポリイミドフィルム等の片
面に、カーボンとウレタン樹脂の混合物が塗布されて、
抵抗体層8とされている。
【0025】次に、図4を参照して、上記構成の(誘導
電荷形)静電アクチュエータの動作について説明する。
まず、同図(a)に示すように、駆動回路を作動させ
て、A相の電極群である線状電極2a,2a,…に正電
圧+Vを、B相の電極群である線状電極2b,2b,…
に負電圧−Vを、C相の電極群である線状電極2c,2
c,…に0Vをそれぞれ印加すると、A相の電極群であ
る線状電極2a,2a,…には正電荷が、B相の電極群
である線状電極2b,2b,…には負電荷が集まる。す
ると、同図(b)に示すように、始めは電荷の存在して
いなかった抵抗体層8内に電流が流れ、移動子4(抵抗
体層8と絶縁体層9との境界)に、対応する線状電極2
a,2b,2c,…の電荷と逆符号の電荷が誘導(充
電)され、平衡状態になる。このとき、移動子4には、
図中垂直下向きの吸引力が働くので、移動子は、摩擦に
より保持される。
【0026】次に、同図(c)に示すように、電圧を印
加する線状電極2a,2b,2c,…を例えば図中右に
ずらすと、すなわち、電圧を切り替えて、A相の電極群
である線状電極2a,2a,…に0Vを、B相の電極群
である線状電極2b,2b,…に正電圧+Vを、C相の
電極群である線状電極2c,2c,…に負電圧−Vをそ
れぞれ印加すると、線状電極2a,2b,2c,…の電
荷は瞬時に入れ替わるが、移動子4の電荷は、抵抗率が
高いため変化に時間を要し、電圧を切り替えた直後は、
元の電荷の状態を保持する。このとき、固定子3・移動
子4の電荷間の静電力により、移動子4に対し右向きの
駆動力が発生する。しかも、垂直吸引力は減少ないし反
発力となり、摩擦が減少する上、移動子4の質量が小さ
いので、この結果、同図(d)に示すように、移動子4
は迅速に右に動く。
【0027】次に、同図(e)に示すように、電圧を印
加する線状電極をさらに右にずらすと、すなわち、電圧
を切り替えて、A相の電極群である線状電極2a,2
a,…に負電圧−Vを、B相の電極群である線状電極2
b,2b,…に0Vを、C相の電極群である線状電極2
c,2c,…に正電圧+Vをそれぞれ印加すると、線状
電極2a,2b,2c,…の電荷は再び瞬時に入れ替わ
るが、移動子4の電荷は、このときも、抵抗率が高いた
め変化に時間を要し、電圧を切り替えた直後は、元の電
荷の状態を保持する。それ故、このときも、固定子3・
移動子4の電荷間の静電力により、移動子4に対し右向
きの駆動力が発生する。しかも、上記したように、垂直
吸引力は減少ないし反発力となり、摩擦が減少する上、
移動子4の質量は小さいので、この結果、同図(f)に
示すように、移動子4はさらに右に迅速に動く。以下、
駆動回路7が、電圧を印加する線状電極を右にずらす態
様の電圧切換操作を繰り返す度に、移動子4は順次1ピ
ッチずつ右に移動し、電圧の切換を停止すると、垂直下
向きの吸引力が働くので、移動子4は、摩擦により保持
されることにより、正確に位置決めされて停止する。一
方、駆動回路7が、電圧を印加する線状電極を左にずら
す態様の電圧切換操作を繰り返すと、移動子4は順次1
ピッチずつ左に移動する。なお、移動子4の質量が小さ
いので、応答速度が速く、したがって、駆動周波数を高
くすることにより、容易に高速駆動を達成できる。
【0028】上記第1実施例の構成によれば、簡易な織
物技術の転用で、容易に、線状電極2a,2b,2c,
…を作成することができる。それ故、半導体作成技術等
を駆使しなくてもすむので、製造コストを軽減できる。
しかも、電極ピッチは、線材の線径を変えたり織機によ
る張力のかけ方を加減すること等により簡易ながら精度
良く調整でき、加えて、線材が円形であり縦横斜め等を
配慮する必要がないため、一定の電極間隔を確実にかつ
安定して得ることができる。それ故、位置決め精度や速
度精度の高い静電アクチュエータが簡易に得られる。ま
た、固定子3は、導電性線材2a',2b',2c',…
と絶縁性線材6,6,…とを織機で織ることにより形成
されるので、構造が単純であり、軽量薄型化・長尺化が
容易である。もちろん、小型化も容易である。加えて、
移動子4に電極が不要のため、静電アクチュエータ全体
として、安価に製作できる。また、線状電極2a,2
b,2c,…が円形の導電性線材からなるものなので、
バリ等がなく、したがって、絶縁破壊を回避できる。そ
れ故、高電圧を印加でき、これにより、大出力を得るこ
とができる。
【0029】また、固定子3は、織物組織から構成され
ているので、所定の大きさの隙間(織目)を多数有し、
気体や液体等の流体を容易に通過させることができる。
それ故、上記構成の静電アクチュエータ1を流体系や生
体系に適用して、好適である。また、電界強度を高める
ために、全体をフッ素系絶縁液(フロリナート:住友3
M社製)等に浸して使用する際等には、絶縁液の浸透が
多数の隙間(織目)を通して迅速になされ、しかも、固
定子3が大面積化・長尺化しても、空気の混入等により
絶縁液の浸透が不完全となる等の不都合を回避でき、そ
れ故、精度の高い静電アクチュエータを得ることができ
る。
【0030】◇◇第1実施例の変形例 第1実施例の静電アクチュエータ1では、上記したよう
に、固定子が布状の織物組織体であるので、電極配設面
を任意の形状に設定することができる。例えば、織物組
織体の有する変形容易性を利用して、第1実施例の変形
例として、図5及び図6に示すような円筒形状の固定子
10,11を得ることができる。これら固定子10,1
1は、上述した平織の織り方に従って、導電性線材12
a',12b',12c',…と、絶縁性線材13,1
3,…とを、一方を縦糸、他方を横糸として、一本ずつ
交互に上下して、浮沈しながら交錯する状態に織り込ん
で織物組織体とした後、円筒形に丸めて形成される。こ
こで、絶縁性線材13,13,…を丸めると、図5に示
す固定子10が形成され、導電性線材12a',12
b',12c',…を丸めると、図6に示す固定子11が
形成される。
【0031】図5に示す固定子10は、円形の線状電極
(導電性線材)12a,12b,12cが軸方向へ所定
のピッチで配設される態様に構成され、この固定子10
に対向して、同じく円筒形状の図示せぬ移動子を同軸に
配置すれば、移動子が固定子10の軸方向に前後するボ
イス型リニアアクチュエータが得られる。一方、図6に
示す固定子11は、直線形の線状電極(導電性線材)1
4a,14b,14c,…が周方向へ所定のピッチで配
設される態様に構成され、この固定子11に対向して、
同じく円筒形状の図示せぬ移動子を同軸に配置すれば、
移動子が固定子11の周方向に沿って回転するロータリ
アクチュエータが得られる。
【0032】また、図7に示すように、電極配設面(あ
るいはその一部)が半球形の固定子15を作製すること
もでき、このような固定子15を備える静電アクチュエ
ータでは、半球形の電極配設面に沿って、図示せぬ移動
子に突飛な動作をさせることができる。さらに、図8に
示すように、織物組織体の有する変形追従性を利用し
て、電極配設面が不定形である固定子16を容易に作製
でき、このような固定子16を備える静電アクチュエー
タを、流体中に置くか、又は波面に浮かべれば、電極配
設面がゆらゆらと絶えず変形しながらも、その変形に沿
って、図示せぬ移動子を駆動させることもできる。
【0033】図9は、第1実施例の別の変形例に係る固
定子17を示し、この図に示すように、この変形例に係
る固定子17には、織物組織体をすっぽりと被覆する絶
縁性円滑層18が設けられている。この絶縁性円滑層1
8は、導電性線材2a',2b',2c',…及び絶縁性
線材6,6,…の(浮沈する)うねりを出来るだけ平坦
化して、移動子4の移動を円滑にすると共に、移動子4
の摩耗を軽減して(摩擦損失を減らして)、絶縁破壊を
極力減らす役割を担い、軟質塩化ビニル樹脂、ポリエチ
レン、ポリイミド等、PET、フッ素樹脂、アクリル系
の紫外線硬化型樹脂等の高分子材料を、隙間(織目)1
9,19,…が埋もれないないように、塗布ないしはコ
ーティングすることにより形成される。図9に示す固定
子17の構成によれば、装置の耐久性の向上を図ること
ができると共に、移動子4の高速移動を確実に達成でき
る。
【0034】図10は、第1実施例のさらに別の変形例
である静電アクチュエータ20の模式的構成を示し、こ
の図に示すように、固定子3の両面には一対の移動子
4,4'が配設されている。織物組織体である固定子4
は、元来、表面と裏面との区別はなく、一対の線状電極
配設面が互いに背中合わせに同時に形成される。それ
故、第1実施例に係る固定子3の構成によれば、2倍の
駆動力を得ることができる静電アクチュエータ20を容
易かつ安価に製作することができる。
【0035】◇第2実施例 図11は、この発明の第2実施例である織物組織を利用
した誘導電荷形静電アクチュエータ21の構成を示す斜
視図である。この例の固定子22は、複数の導電性線材
2a',2b',2c',…と複数の絶縁性線材6,6,
…とから構成される(第1実施例の固定子3と同一構造
の)織物組織体の両面を絶縁フィルムで挟持した後、熱
間プレス加工を施して圧着することにより、線状電極2
a,2b,2c,…が織り込まれた織物組織体の両面に
一対の絶縁体層23,23'が積層されてなっている。
この固定子22にあっては、熱間プレス加工が施されて
形成されるので、織物組織体の多数の隙間(織目)に
も、絶縁フィルムが充填される。上記絶縁フィルムに
は、例えば、表面抵抗率が1015/□以上で、しかも、
帯電防止処理のなされたポリイミドフィルム等の高分子
材料が用いられる。なお、絶縁体層23とが付加されて
いる点を除けば、第1実施例と同様であるので、図1
(第1実施例)の部分と同一の構成各部には同一の符号
を付してその説明を省略する。また、この例の静電アク
チュエータ21も、上記第1実施例で説明したと同様の
動作原理により駆動するので、その動作説明を省略す
る。
【0036】上記第2実施例の構成によれば、線状電極
2a,2b,2c,…が絶縁体層23によって被覆され
て、固定子22の表面が平滑化されているので、長時間
駆動しても、移動子4は摩耗は僅かしか進行しない。そ
れ故、絶縁破壊等の事故を防止できる。また、線状電極
2a,2b,2c,…を被覆する絶縁被覆材5自体の摩
耗も抑えられるので、絶縁被覆材5の摩耗が拡大して線
状電極2a,2b,2c,…同士が短絡する等の事故を
防止できる。加えて、織物組織体の多数の隙間(織目)
には、絶縁フィルムが圧入されているので、線状電極2
a,2b,2c,…間の絶縁耐圧が著しく向上する。し
たがって、さらに大きな高電圧を安定的に印加できるの
で、一段と大きな駆動力を取り出し得る。
【0037】◇◇第2実施例の変形例 上述の第2実施例においては、絶縁フィルムを熱間プレ
ス加工して、織物組織体の上下面に絶縁体層23,2
3’を設けるようにした場合について述べたが、これに
代えて、アクリル系の紫外線硬化型樹脂を織物組織体に
圧入塗布し、この後、紫外線で硬化することにより絶縁
体層を形成しても良い。また、この第2実施例の変形例
として、第1実施例の変形例(図10)と同様に、固定
子の両側に移動子を設けることができる。
【0038】◇第3実施例 図12は、この発明の第3実施例である織物組織を利用
した誘導電荷形静電アクチュエータ24の構成を示す斜
視図である。この第3実施例の静電アクチュエータ24
が、上記第1実施例の構成と異なるところは、第1実施
例においては、固定子3(織物組織体)を構成する縦糸
・横糸のうち、一方の糸として導電性線材2a',2
b',2c',…が用いられ、他方の糸には、絶縁性線材
6,6,…が用いられるのに対して、この第3実施例で
は、絶縁性線材6,6,…を廃し、固定子(織物組織
体)25全体を導電性線材26a',26b',26
c',26d',26e',26f',…のみで構成するよ
うにした点である。
【0039】すなわち、この例の固定子25は、図13
に示すように、縦方向に配列された複数の線状電極(以
下、縦電極という)26a,26b,26c,…と、横
方向に配列された複数の線状電極(以下、横電極とい
う)26d,26e,26f,…とからなり、これら縦
電極26a,26b,26c,…及び横電極26d,2
6e,26f,…は、ポリイミド、PET、フッ素樹脂
等の絶縁被覆材27でそれぞれ絶縁被覆され、かつ線径
の揃えられた導電性線材26a',26d',…を、縦糸
及び横糸として、互い違いに平織(第1実施例参照)で
織り込むことにより、縦方向及び横方向のそれぞれにお
いて、互いに平行にかつ等間隔に整列されて固定されて
いる。この例においても、各導電性線材26a'(26
b',26c',26d',26e',26f')には、断
面円形で、線径が10μm〜100μmの銅、アルミ、
金、銀、クロム、チタン等の導電性の線材が用いられ
る。これらの導電性線材26a',26d',…が縦糸・
横糸となって織り込まれて形成される縦横の電極ピッチ
は、非常に規則的なものとなり、しかも、縦横の電極ピ
ッチは、線材の線径や織り方を変えることにより、80
μm〜300μmの範囲で任意に設定し得る。
【0040】上記複数の縦電極26a,26b,26
c,…は、順次、交互に3つのブロック、すなわち、A
相の縦電極群、B相の縦電極群、及びC相の縦電極群に
分けられて3相の縦電極群を構成し、各相の縦電極群
は、縦電極駆動回路28の対応する出力端子に電気的に
接続される。同様に、複数の横電極26d,26e,2
6f,…も、順次、交互に3つのブロック、すなわち、
A相の横電極群、B相の横電極群、及びC相の横電極群
に分けられて3相の横電極群を構成し、各相の横電極群
は、横電極駆動回路29の対応する出力端子に電気的に
接続される。縦電極駆動回路28及び横電極駆動回路2
9は、図示せぬDC/AC変換器と整流回路とから構成
され、縦電極駆動回路28にあっては固定子25の3相
の縦電極群に、また横電極駆動回路29にあっては固定
子25の3相の横電極群に対して、それぞれ3相(A
相、B相、C相)の電源(電圧)を供給する。これら両
駆動回路28,29は、図示せぬ制御回路によって駆動
を制御される。なお、図12において、A相の縦電極群
に属する縦電極(導電性線材)には26a(26
a')、B相の縦電極群に属する縦電極(導電性線材)
には26b(26b')、C相の縦電極群に属する縦電
極(導電性線材)には26c(26c')、A相の横電
極群に属する横電極(導電性線材)には26d(26
d')、B相の横電極群に属する横電極(導電性線材)
には26e(26e')、また、C相の電極群に属する
横横電極(導電性線材)には26f(26f')の符号
が付されている。一方、移動子30は、第1実施例にお
ける移動子4と同様構成のもの、すなわち、表面抵抗率
が1012Ω/□〜1015Ω/□に調整された抵抗体層
と、該抵抗体層を保護する絶縁体層とからなる方形平板
状の積層体で、固定子25の上に絶縁体層を接触させた
状態で載置される。
【0041】次に、第3実施例の動作について説明す
る。上記構成において、固定子25上の移動子30を縦
方向に所定の距離移動させたい場合には、制御回路は縦
電極駆動回路28を制御して、3相電源を各縦電極26
a(26b,26c)に投入させる。、例えば、縦方向
に10ピッチ分移動させたい場合には、制御回路は、縦
電極駆動回路28に電圧の切換を10回行わせる(第1
実施例の動作説明参照)。次に、固定子25上の移動子
30を横方向に所定の距離移動させたい場合には、制御
回路は横電極駆動回路29を制御して、3相電源を各横
電極26d(26e,26f)に投入させる。例えば、
横方向に20ピッチ分移動させたい場合には、制御回路
は横電極駆動回路29に電圧の切換操作を20回行わせ
る。さらに、固定子25上の移動子30を斜め方向に所
定の距離移動させたい場合には、制御回路は縦電極駆動
回路28及び横電極駆動回路29を制御して、3相電源
を各縦電極26a(26b,26c)及び各横電極26
d(26e,26f)とに同時に投入させる。例えば、
斜め方向への移動量が、10ピッチの縦方向移動成分
と、20ピッチの横方向移動成分とから成り立っている
場合には、制御回路は、縦電極駆動回路28に電圧の切
換操作を10回行わせると共に、横電極駆動回路29に
電圧の切換操作を20回行わせる。
【0042】このように、上記第3実施例の構成によれ
ば、簡易な織物技術の転用のみで、容易に2次元電極構
造を作成でき、これにより、移動子は2次元の移動が可
能となる。それ故、多層配線技術という半導体作成技術
の中でも、特に高度な技術を駆使してもすむので、製造
コストを著しく軽減できる。しかも、電極ピッチは、線
材の線径を変えたり織機による張力のかけ方を加減する
こと等により簡易ながら精度良く調整でき、加えて、線
材が円形であり縦横斜め等を配慮する必要がないため、
一定の電極間隔を確実にかつ安定して得ることができ
る。それ故、位置決め精度や速度精度の高い静電アクチ
ュエータが簡易に得られる。この他にも、上述した第1
実施例とほぼ同様の効果を得ることができる。なお、こ
の第3実施例は、絶縁性線材を導電性線材に置き換え、
線状電極を2次元構造とした点を除けば、第1実施例と
基本的に同一構成であるので、この第3実施例について
も、(線状電極を2次元構造とする点を除けば、)上述
した第1実施例の変形例と基本的に同一構成の変形例が
考えられる。このような変形例においては、円筒面上
(図5及び図6)、半球面上(図7)、あるいは不定形
の面上(図8)を移動子が任意に2次元移動できる。
【0043】◇第4実施例 図14は、この発明の第4実施例である織物組織を利用
した交流駆動形静電アクチュエータの構成を示す斜視図
である。この例の静電アクチュエータ31が、第1実施
例の静電アクチュエータと大きく異なるところは、無電
極構造の移動子4(図1)に代えて、図14に示すよう
に、固定子32及び移動子33の双方が線状電極を有す
る構造とした点、及び、これに伴い、上述した電荷誘導
形の駆動方式に代えて、3相交流駆動方式を採用した点
である。この例の静電アクチュエータ31において、固
定子32は、第1実施例における固定子3と同一構成の
織物組織体、すなわち、絶縁被覆された導電性線材35
a',35b',35c',…と絶縁性線材36,36,
…とが互いに交差する状態に織り込まれた織物組織体か
らなっている。また、移動子33は、固定子32と同一
構成の織物組織体、すなわち、絶縁被覆された導電性線
材37a',37b',37c',…と絶縁性線材38,
38,…とが互いに交差する状態に織り込まれた織物組
織体を絶縁材料からなる方形の枠体39に貼着して構成
されている。ここで、織物組織体として組み込まれた導
電性線材37a',37b',37c',…は、移動子3
3の線状電極(移動子線状電極)37a,37b,37
c,…を構成し、これら移動子線状電極37a,37
b,37c,…は、固定子32の線状電極(固定子線状
電極)35a,35b,35c,…と同一方向にかつ同
一のピッチで分布するように設定されている。
【0044】固定子32において、複数の固定子線状電
極35a,35b,35c,…は、順次、交互に3つの
ブロック、すなわち、A相の固定子電極群、B相の固定
子電極群、及びC相の固定子電極群に分けられて3相の
固定子電極群を構成し、各相の固定子電極群は、固定子
駆動回路40の対応する出力端子に電気的に接続され
る。固定子駆動回路40は、図示せぬDC/AC変換器
と整流回路とから構成され、3相の固定子電極群に対し
て3相(A相、B相、C相)の電源(電圧)を供給す
る。一方、移動子33において、複数の移動子線状電極
37a,37b,37c,…は、順次、交互に3つのブ
ロック、すなわち、A相の移動子電極群、B相の移動子
電極群、及びC相の移動子電極群に分けられて3相の移
動子電極群を構成し、各相の移動子電極群は、移動子駆
動回路41の対応する出力端子に電気的に接続される。
移動子駆動回路41は、図示せぬDC/AC変換器と整
流回路とから構成され、3相の移動子電極群に対して3
相(A相、B相、C相)の電源(電圧)を供給する。
【0045】なお、図14において、A相の固定子電極
群に属する固定子線状電極(導電性線材)には35a
(35a')、B相の固定子電極群に属する固定子線状
電極(導電性線材)には35b(35b')、また、C
相の固定子電極群に属する固定子線状電極(導電性線
材)には35c(35c')の符号が付されている。同
様に、A相の移動子電極群に属する移動子線状電極(導
電性線材)には37a(37a')、B相の移動子電極
群に属する移動子線状電極(導電性線材)には37b
(37b')、また、C相の移動子電極群に属する移動
子線状電極(導電性線材)には37c(37c')の符
号が付されている。
【0046】次に、図15及び図16を参照して、第4
実施例の動作について説明する。図示せぬ制御回路は、
固定子駆動回路40を制御して、図15に示すように、
固定子線状電極35a,35b,35c,…を周波数
(角速度ω1)の3相交流電圧で励起させると共に、移
動子駆動回路41を制御して、移動子線状電極37a,
37b,37c,…を周波数(角速度ω2)の3相交流
電圧で励起させる。この励起により、固定子32と移動
子33とそれぞれの対向面上には、進行する電位の波が
発生する。すなわち、図16に示すように、固定子32
上には、固定子座標系からみた進行速度u1が、 u1=(ω1/2π)λ である電位の波が発生し、一方、移動子33上には、移
動子座標系からみた進行速度u2が、 u2=(ω2/2π)λ である電位の波が発生する。
【0047】このとき、固定子線状電極35a,35
b,35c,…・移動子線状電極37a,37b,37
c,…間には絶対座標から見た2進行波の間の位相差δ
によって決定される水平方向の駆動力が発生する。ま
た、固定子32と移動子33との間で対向する線状電極
間に同極性の電圧が印加されているような位置関係に移
動子33及び固定子32があるときには、垂直方向の浮
上力が発生する。この浮上力が移動子33及び固定子3
2間の摩擦を軽減するので、ベアリング等を必要とする
ことなく、駆動される。また、移動子33の負荷が一定
であれば、位相差δは一定に保たれるので、移動子33
は、2進行波の移動速度の差に等しい移動速度uaで移
動する。 ua=u1−u2=(ω1−ω2/2π)λ
【0048】この第4実施例の構成によれば、上述した
第1実施例と同様の効果を得ることができる。加えて、
電荷誘導形の第1実施例のものに較べて、移動子の電荷
を高速に制御できる上、帯電粒子の付着等によるノイズ
にも強いため、移動子の高速移動を達成でき、大出力を
一段と確実に抽出し得る。
【0049】◇◇第4実施例の変形例 この第4実施例においては、移動子線状電極と固定子線
状電極とを、互いに周波数(角速度ω1,ω2)の異なる
3相交流電圧で励起することにより、固定子32及び移
動子33上に電位の進行波を発生させて駆動力を得るよ
うにした場合について述べたが、これに代えて、図17
に示すように、単一の駆動回路42を用いて、移動子3
3の移動子線状電極37a,37b,37c,…に正
相、固定子32の固定子線状電極35a,35b,35
c,…に逆相の3相交流を印加するようにしても良い。
このようにすれば、固定子32及び移動子33のそれぞ
れの電極配設面上に、正弦的な電位の分布が生じ、2つ
の電位分布の位相差が小さい場合、移動子33・固定子
32間には図中右上向き(又は左上向き)の反発力が発
生し、これにより、摩擦も減少するので、移動子33が
図中右(又は左)に移動する。2つの電位分布は、互い
に逆向きに移動する進行波となり、駆動が同期している
場合、移動子33は固定子32上の進行波の2倍の速度
で移動する。
【0050】◇第5実施例 図18は、この発明の第5実施例である織物組織を利用
した交流駆動形静電アクチュエータの構成を示す斜視図
である。この例の静電アクチュエータ43は、上述の3
相交流駆動方式により2次元移動を可能とするアクチュ
エータに係り、このため、固定子44には、第3実施例
と同一構成の複数の固定子縦電極45a,45b,45
c,…と複数の固定子横電極45d,45e,45f,
…とが、また、移動子46には、同じく第3実施例と同
一構成の複数の移動子縦電極47a,47b,47c,
…と複数の移動子横電極47d,47e,47f,…と
が、それぞれ、互いに直交して織り込まれて構成れてい
る。固定子縦電極45a,45b,45c,…は、固定
子縦電極駆動回路48の対応する出力端子に、固定子横
電極45d,45e,45f,…は、固定子横電極駆動
回路49の対応する出力端子に、移動子縦電極47a,
47b,47c,…は、移動子縦電極駆動回路50の対
応する出力端子に、また、移動子横電極47d,47
e,47f,…は、移動子横電極駆動回路51の対応す
る出力端子にそれぞれ電気的に接続される。
【0051】この第5実施例の構成によれば、上述した
各実施例と同様の効果を得ることができる。加えて、電
荷誘導形の第3実施例のものに較べて、移動子の電荷を
高速に制御できる上、帯電粒子の付着等によるノイズに
も強いため、移動子の高速2次元移動を達成でき、大出
力を一段と確実に抽出し得る。
【0052】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。たとえば、導電性
線材の織り方は、平織に限らず、他の織り方でも良い。
また、縦糸本数と横糸本数が同じの平地合いのものに限
らず、必要に応じて、縦糸本数が横糸本数よりも多い縦
地合いのものでも、横糸本数が縦糸本数よりも多い横地
合いのものでも良い。また、3相電源に限定されない。
また,各種材料も実施例のものに限定されない。また、
上述の実施例においては、線径が10μm〜100μm
の範囲の導電性線材を用いることとし、また、線径が2
0μm〜100μmの範囲の導絶縁性線材を用いること
とした場合について述べたが、いずれの場合も、上述の
線径範囲に限定されない。同様に電極ピッチを80μm
〜300μmの範囲に設定することとしたが、例えば、
1mm〜2mmでも良い。さらに、駆動回路は、複数台
備えるようにした場合について述べたが、端子数の多い
単一の駆動回路を用いても良い。また、上述の第1実施
例においては、移動子が、抵抗体層と絶縁体層との積層
体からなる場合について述べたが、これに限らず、例え
ば、PETフィルム等の誘電体フィルムにカーボン等の
導電性不純物をドーピングして得られる高抵抗性誘電体
フィルムを移動子としても良く、あるいは、電界を取り
去っても、長い間、分極状態を保持する誘電体フィルム
であれば、ドーピング処理をするまでもなく、そのまま
移動子として用いることができる。後者の場合において
は、固定子側の電極電荷によって誘導される電荷は、真
電荷ではなく、分極電荷であるが、静電気力を論ずる上
では両者は区別されない。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、固定子等に設けられる線状電極は、従来からあ
る簡易な織物技術の転用で、容易に作成ができる。それ
故、大規模設備投資の必要な半導体作成技術、スパッタ
リング成膜技術等を駆使しなくてもすむので、製造コス
トを軽減できる。また、線状電極が、バリ等のない円形
の導電性線材からなりため、絶縁破壊が起こりにくく、
このため、高電圧を印加できるので、大出力を抽出し得
る。また、固定子等は、織機等により、長短自在のもの
が得られる。また、織物組織体である固定子等には、多
数の隙間(織目)ができるので、流体抵抗が小さく、そ
れ故、流体系や生体系に組み込むことが可能である。ま
た、隙間内に絶縁液を浸透させれば、電極間の絶縁破壊
を回避できる。また、固定子等が布状であるので、変形
容易性・変形追従性に優れた静電アクチュエータを得る
ことができる。また、固定子等は織物故、薄くて軽く、
積層性に優れるため、この発明の静電アクチュエータ
は、バイオマシン、マイクロマシンやロボット等に適用
して好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である誘導電荷形静電ア
クチュエータの構成を示す斜視図である。
【図2】同静電アクチュエータの模式的構成を示す模式
図である。
【図3】同静電アクチュエータを構成する固定子の微細
構造を拡大して示す部分拡大図である。
【図4】同静電アクチュエータの動作を説明するための
説明図である。
【図5】第1実施例の変形例に係る固定子の形状を示す
斜視図である。
【図6】第1実施例の変形例に係る固定子の形状を示す
斜視図である。
【図7】第1実施例の変形例に係る固定子の形状を示す
斜視図である。
【図8】第1実施例の変形例に係る固定子の形状を示す
斜視図である。
【図9】第1実施例の別の変形例に係る固定子の微細構
造を示す斜視図である。
【図10】第1実施例のさらに別の変形例である静電ア
クチュエータの模式的構成を示す模式図である。
【図11】この発明の第2実施例である織物組織を利用
した誘導電荷形静電アクチュエータの構成を示す斜視図
である。
【図12】この発明の第3実施例である織物組織を利用
した誘導電荷形静電アクチュエータの構成を示す斜視図
である。
【図13】同静電アクチュエータを構成する固定子の微
細構造を拡大して示す部分拡大図である。
【図14】この発明の第4実施例である織物組織を利用
した交流駆動形静電アクチュエータの構成を示す斜視図
である。
【図15】同静電アクチュエータの動作を説明するため
の説明図である。
【図16】同静電アクチュエータの動作を説明するため
の説明図である。
【図17】第4実施例の変形例である静電アクチュエー
タの模式的構成を示す模式図である。
【図18】この発明の第5実施例である織物組織を利用
した交流駆動形静電アクチュエータの構成を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1,20,21,24,31,43 静電アクチュ
エータ 2a,2b,2c,12a,12b,12c 線状
電極 2a',2b',2c',12a',12b',12c'
導電性線材 3,10,11,15,16,17,22,25,3
2,44 固定子 4,4',30,33,46 移動子 5,27 絶縁被覆材 6,13.36,38 絶縁性線材 8 抵抗体層 9 絶縁体層 14a,14b,14c 線状電極 18 絶縁性円滑層(絶縁性円滑部材) 19 織目 23 絶縁体層(絶縁膜体) 26a,26b,26c 縦電極(第1の線状電
極) 45a,45b,45c 固定子縦電極(第1の線
状電極) 26d,26e,26f 横電極(第1の線状電
極) 45d,45e,45f 固定子横電極(第1の線
状電極) 26a',26b',26c' 導電性線材(第1の
導電性線材) 26d',26e',26f' 導電性線材(第2の
導電性線材) 35a,35b,35c 固定子線状電極(線状電
極) 35a',35b',35c',37a',37b',37
c' 導電性線材 37a,37b,37c 移動子線状電極(第2の
線状電極) 47a,47b,47c 移動子縦電極(第2の線
状電極) 47d,47e,47f 移動子縦電極(第2の線
状電極)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の線状電極が配設されてなる固定子
    と、該固定子の線状電極配設面に対向して配設され、高
    抵抗率の抵抗体層又は/及び誘電体層を有する移動可能
    な移動子とを備えてなる静電アクチュエータであって、 前記固定子は、複数の導電性線材と複数の絶縁性線材と
    が互いに織り込まれてなる織物組織を有し、該織物組織
    に組み込まれた前記複数の導電性線材が前記複数の線状
    電極をなすものであることを特徴とする静電アクチュエ
    ータ。
  2. 【請求項2】 複数の第1の線状電極が配設されてなる
    固定子と、該固定子の線状電極配設面に対向して配設さ
    れ、複数の第2の線状電極が配設されてなる移動可能な
    移動子とを備えてなる静電アクチュエータであって、 前記固定子及び前記移動子は、複数の導電性線材と複数
    の絶縁性線材とが互いに織り込まれてなる織物組織をそ
    れぞれ有し、前記固定子の織物組織に組み込まれた前記
    複数の導電性線材が前記複数の第1の線状電極をなすと
    共に、前記移動子の織物組織に組み込まれた前記複数の
    導電性線材が前記複数の第2の線状電極をなすものであ
    ることを特徴とする静電アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 前記織物組織は、導電性線材と絶縁性線
    材とが、縦糸・横糸となって、一本ずつ交互に上下し
    て、浮沈しながら交錯する状態で織り込まれて構成され
    ていることを特徴とする請求項1又2は記載の静電アク
    チュエータ。
  4. 【請求項4】 前記織物組織において、前記複数の導電
    性線材は、絶縁被覆材で被覆されていることを特徴とす
    る請求項1,2又は3記載の静電アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 複数の線状電極が縦横に配設されてなる
    固定子と、該固定子の線状電極配設面に対向して配設さ
    れ、高抵抗率の抵抗体層又は/及び誘電体層を有する移
    動可能な移動子とを備えてなる静電アクチュエータであ
    って、 前記固定子は、予め絶縁被覆処理のなされた複数の第1
    の導電性線材と複数の第2の導電性線材とが互いに織り
    込まれてなる織物組織を有し、該織物組織にそれぞれ組
    み込まれた前記複数の第1及び第2の導電性線材が前記
    複数の線状電極をなすものであることを特徴とする静電
    アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 複数の第1の線状電極が縦横に配設され
    てなる固定子と、該固定子の線状電極配設面に対向して
    配設され、複数の第2の線状電極が縦横に配設されてな
    る移動可能な移動子とを備えてなる静電アクチュエータ
    であって、 前記固定子及び前記移動子は、予め絶縁被覆処理のなさ
    れた複数の第1の導電性線材と複数の第2の導電性線材
    とが互いに織り込まれてなる織物組織をそれぞれ有し、
    前記固定子の織物組織に組み込まれた前記複数の第1及
    び第2の導電性線材が前記複数の第1の線状電極をなす
    と共に、前記移動子の織物組織に組み込まれた前記複数
    の第1及び第2の導電性線材が前記複数の第2の線状電
    極をなすものであることを特徴とする静電アクチュエー
    タ。
  7. 【請求項7】 前記織物組織は、第1の導電性線材と第
    2の導電性線材とが、縦糸・横糸となって、一本ずつ交
    互に上下して、浮沈しながら交錯する状態で織り込まれ
    て構成されていることを特徴とする請求項5又は6記載
    の静電アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 前記織物組織は、織目を残した状態で、
    絶縁性円滑部材で被膜されていることを特徴とする請求
    項1,2,3,5,6又は7記載の静電アクチュエー
    タ。
  9. 【請求項9】 前記織物組織は、絶縁材からなる絶縁膜
    体の中に埋設されていることを特徴とする請求項1,
    2,3,5,6又は7記載の静電アクチュエータ。
  10. 【請求項10】 前記固定子は表面と裏面とに前記線状
    電極配設面を備え、かつ、前記移動子は、前記固定子の
    表面に対向して配置される第1の移動子と、固定子の裏
    面に対向して配置される第2の移動子とからなることを
    特徴とする請求項1,2,3,5,6又は7記載の静電
    アクチュエータ。
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