JPH07231679A - 静電アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents
静電アクチュエータ及びその製造方法Info
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- JPH07231679A JPH07231679A JP3637094A JP3637094A JPH07231679A JP H07231679 A JPH07231679 A JP H07231679A JP 3637094 A JP3637094 A JP 3637094A JP 3637094 A JP3637094 A JP 3637094A JP H07231679 A JPH07231679 A JP H07231679A
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- electrostatic actuator
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 薄くて軽く、容易に長尺にも短尺にもでき、
かつ、耐絶縁破壊性に優れるために、大出力を持続でき
る静電アクチュエータを実現する。 【構成】 固定子2の線状電極4a,4b,4cには、
導電性線材4a',4b',4c'を横糸とし、絶縁性繊
維6,6,…を縦糸として織り込んだ電極織物が用いら
れる。この電極織物の両面には、一対の絶縁性フィルム
が積層密着され、線状電極4a,4b,4cの電極ピッ
チを不動のものにしている。固定子2上には、抵抗体層
を有する移動子3が載置される。線状電極4a,4b,
4cに所定の周期の3相電源を投入すれば、移動子3に
電荷が誘導されて静電駆動力が発生する。線状電極4
a,4b,4cは、バリ等のない円形の導電性線材から
なるため、絶縁破壊が起こりにくく、高電圧を印加でき
る。それ故、大出力を安定的に抽出できる。
かつ、耐絶縁破壊性に優れるために、大出力を持続でき
る静電アクチュエータを実現する。 【構成】 固定子2の線状電極4a,4b,4cには、
導電性線材4a',4b',4c'を横糸とし、絶縁性繊
維6,6,…を縦糸として織り込んだ電極織物が用いら
れる。この電極織物の両面には、一対の絶縁性フィルム
が積層密着され、線状電極4a,4b,4cの電極ピッ
チを不動のものにしている。固定子2上には、抵抗体層
を有する移動子3が載置される。線状電極4a,4b,
4cに所定の周期の3相電源を投入すれば、移動子3に
電荷が誘導されて静電駆動力が発生する。線状電極4
a,4b,4cは、バリ等のない円形の導電性線材から
なるため、絶縁破壊が起こりにくく、高電圧を印加でき
る。それ故、大出力を安定的に抽出できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、静電力を利用して駆
動力を発生する静電アクチュエータに係り、特に、マイ
クロマシンや小型ロボットを始めとする各種搬送機械、
家庭電化製品、産業用機械等の駆動源として好適であ
る。
動力を発生する静電アクチュエータに係り、特に、マイ
クロマシンや小型ロボットを始めとする各種搬送機械、
家庭電化製品、産業用機械等の駆動源として好適であ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロマシンやロボット等の発
達に伴い、小型又は軽量で大出力の駆動源の出現が望ま
れている。電気から力を取り出すものとして、これま
で、電磁力を利用した電動機が広く一般に用いられてき
た。ところが、電磁力を利用した電動機は、けい素鋼板
等の鉄心(ヨーク)を主体としているためかなりの重量
がある。また、人間等の生物の筋力に比べて単位重量当
たりに発生できる力やパワーが小さいので、小型・軽量
のものでは大出力を生み出せないという欠点がある。こ
の欠点を解消するものとして、従来はあまり用いられて
いなかった静電アクチュエータに期待が寄せられてい
る。静電アクチュエータは、電磁力の代わりに、静電
力、すなわち、電荷と電荷の吸引・反発力を利用して駆
動力を発生させる装置であるので、構造が単純な上に、
小型化・軽量化が容易であり、原理的に、小型化すれば
するほど、単位体積当たり発生できる力が大きくなると
いう特性を持つ。それ故、フィルム状の静電アクチュエ
ータを多数製作し、これらを集積化して1個のアクチュ
エータとして用いれば、小さな体積・重量で大きな力を
発生させることもできることから、マイクロマシンやロ
ボット等の好適な駆動源として、静電アクチュエータの
開発が活発になされるようになってきた。
達に伴い、小型又は軽量で大出力の駆動源の出現が望ま
れている。電気から力を取り出すものとして、これま
で、電磁力を利用した電動機が広く一般に用いられてき
た。ところが、電磁力を利用した電動機は、けい素鋼板
等の鉄心(ヨーク)を主体としているためかなりの重量
がある。また、人間等の生物の筋力に比べて単位重量当
たりに発生できる力やパワーが小さいので、小型・軽量
のものでは大出力を生み出せないという欠点がある。こ
の欠点を解消するものとして、従来はあまり用いられて
いなかった静電アクチュエータに期待が寄せられてい
る。静電アクチュエータは、電磁力の代わりに、静電
力、すなわち、電荷と電荷の吸引・反発力を利用して駆
動力を発生させる装置であるので、構造が単純な上に、
小型化・軽量化が容易であり、原理的に、小型化すれば
するほど、単位体積当たり発生できる力が大きくなると
いう特性を持つ。それ故、フィルム状の静電アクチュエ
ータを多数製作し、これらを集積化して1個のアクチュ
エータとして用いれば、小さな体積・重量で大きな力を
発生させることもできることから、マイクロマシンやロ
ボット等の好適な駆動源として、静電アクチュエータの
開発が活発になされるようになってきた。
【0003】このような背景の下に開発された静電アク
チュエータとしては、例えば、特開平63−95862
号公報や特開平2−285978号公報等に記載のもの
が知られている。特開平63−95862号公報に記載
のものは、多数の電極が所定の間隔で配設されている固
定子と、該固定子の電極配設面と一定の間隔をおいて配
設され、移動可能な誘電材料からなる移動子とから構成
され、上記固定子の電極は、移動子の移動方向に平行に
配設された電極幹線と、該電極幹線より移動子の移動方
向に直交し互いに対向する方向に配設された線状の電気
枝線とからなっている。
チュエータとしては、例えば、特開平63−95862
号公報や特開平2−285978号公報等に記載のもの
が知られている。特開平63−95862号公報に記載
のものは、多数の電極が所定の間隔で配設されている固
定子と、該固定子の電極配設面と一定の間隔をおいて配
設され、移動可能な誘電材料からなる移動子とから構成
され、上記固定子の電極は、移動子の移動方向に平行に
配設された電極幹線と、該電極幹線より移動子の移動方
向に直交し互いに対向する方向に配設された線状の電気
枝線とからなっている。
【0004】また、特開平2−285978号公報に記
載のものは、ポリイミドフィルムやガラスエポキシ等か
らなる絶縁性フィルム又は絶縁基板の表面に配設された
多数の線状(帯状)電極を備える固定子と、該固定子上
に載置され、絶縁性フィルムに抵抗体層を設けた移動子
とから構成されている(平成元年3月10日、電気学会
全国大会委員会発行の「平成元年電気学会全国大会講演
論文集[6]」、及び平成2年「電気学会全国大会予稿
集[NO.783]」等にも発表)。
載のものは、ポリイミドフィルムやガラスエポキシ等か
らなる絶縁性フィルム又は絶縁基板の表面に配設された
多数の線状(帯状)電極を備える固定子と、該固定子上
に載置され、絶縁性フィルムに抵抗体層を設けた移動子
とから構成されている(平成元年3月10日、電気学会
全国大会委員会発行の「平成元年電気学会全国大会講演
論文集[6]」、及び平成2年「電気学会全国大会予稿
集[NO.783]」等にも発表)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
静電アクチュエータにおいては、線状電極の作成は、真
空蒸着技術やスパッタリング技術、電気鍍金技術等の薄
膜成形技術、フォトリソグラフィ等のパターン印刷技術
等に頼って行われていた。すなわち、線状電極の作成
は、絶縁基板等の表面に銅等の導電性材料をスパッタリ
ング技術、電気鍍金技術等を駆使して一様に付着させて
銅箔等を得た後、フレキシブルプリント基板やLSIを
作成する際等に用いられるフォトリソグラフィを駆使し
て、得られた導電層のうち、不要部分を選択的にエッチ
ング除去してゆき、最終的に、線状電極を構成する部分
のみを残すという技法により行われていた。このため、
次のような不都合が生じていた。
静電アクチュエータにおいては、線状電極の作成は、真
空蒸着技術やスパッタリング技術、電気鍍金技術等の薄
膜成形技術、フォトリソグラフィ等のパターン印刷技術
等に頼って行われていた。すなわち、線状電極の作成
は、絶縁基板等の表面に銅等の導電性材料をスパッタリ
ング技術、電気鍍金技術等を駆使して一様に付着させて
銅箔等を得た後、フレキシブルプリント基板やLSIを
作成する際等に用いられるフォトリソグラフィを駆使し
て、得られた導電層のうち、不要部分を選択的にエッチ
ング除去してゆき、最終的に、線状電極を構成する部分
のみを残すという技法により行われていた。このため、
次のような不都合が生じていた。
【0006】すなわち、フォトリソグラフィで作成され
た線状電極には、ときどき、輪郭がギザギザとなってい
たり、ひげが生じていたりする。ひげは、エッチング処
理の際等に、線状電極となる導電層部分の表面にひげ状
の不純物が付着していたりすると、その部分が、エッチ
ングされずに不純物の形で残るために生じ、また、ギザ
ギザは、微細な角状不純物が多数付着していたり、腐食
液あるいは腐食ビームが不安定なために生じ、電極パタ
ーンが微細になれば、紫外線露光時の回折の影響も無視
できない。ところで、静電アクチュエータに大きな力を
発生させる場合、線状電極に高電圧を印加して多量の電
荷を発生させる必要があるが、電極不良、すなわち、線
状電極にギザギザやひげ等の突起が生じている場合に
は、突起部分に電界集中が生じ、この結果、突起部分と
隣の線状電極との間で絶縁破壊を起こし、絶縁破壊時の
熱で線状電極が焼け切れてしまい、作動不能の事態を招
く虞がある。一方、ひげが長く、隣の線状電極に達して
いる場合には、短絡状態となり、これまた通電破壊し
て、焼け切れてしまう。絶縁破壊や短絡の問題を回避す
るには、電極ピッチを広げれば良いが、電極ピッチを広
げると、駆動力及び位置決め精度の低下を招いてしま
う。
た線状電極には、ときどき、輪郭がギザギザとなってい
たり、ひげが生じていたりする。ひげは、エッチング処
理の際等に、線状電極となる導電層部分の表面にひげ状
の不純物が付着していたりすると、その部分が、エッチ
ングされずに不純物の形で残るために生じ、また、ギザ
ギザは、微細な角状不純物が多数付着していたり、腐食
液あるいは腐食ビームが不安定なために生じ、電極パタ
ーンが微細になれば、紫外線露光時の回折の影響も無視
できない。ところで、静電アクチュエータに大きな力を
発生させる場合、線状電極に高電圧を印加して多量の電
荷を発生させる必要があるが、電極不良、すなわち、線
状電極にギザギザやひげ等の突起が生じている場合に
は、突起部分に電界集中が生じ、この結果、突起部分と
隣の線状電極との間で絶縁破壊を起こし、絶縁破壊時の
熱で線状電極が焼け切れてしまい、作動不能の事態を招
く虞がある。一方、ひげが長く、隣の線状電極に達して
いる場合には、短絡状態となり、これまた通電破壊し
て、焼け切れてしまう。絶縁破壊や短絡の問題を回避す
るには、電極ピッチを広げれば良いが、電極ピッチを広
げると、駆動力及び位置決め精度の低下を招いてしま
う。
【0007】また、従来のフォトリソグラフィでは、露
光面積が有限であることから、製作可能な線状電極の大
きさに制限があり、例えば、長さ5mもの長尺の線状電
極等をフォトリソグラフィにより精度良く製作すること
は不可能である。
光面積が有限であることから、製作可能な線状電極の大
きさに制限があり、例えば、長さ5mもの長尺の線状電
極等をフォトリソグラフィにより精度良く製作すること
は不可能である。
【0008】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、薄くて軽く、長尺のものから短尺のものまで容
易に所望の大きさのものが得られ、かつ、耐絶縁破壊性
に優れるために、大出力を持続できる静電アクチュエー
タを提供することを目的としている。
もので、薄くて軽く、長尺のものから短尺のものまで容
易に所望の大きさのものが得られ、かつ、耐絶縁破壊性
に優れるために、大出力を持続できる静電アクチュエー
タを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の静電アクチュエータは、一方向に規
則的に配列された複数の線状電極を有する固定子と、該
固定子に対向して配設され、高抵抗率の抵抗体又は/及
び誘電体からなる移動可能な移動子とを備えたもので、
上記固定子は、上記線状電極である絶縁被膜付き又は裸
の導電性線材と、絶縁性繊維とが、互いに縦糸・横糸の
関係となって織り込まれた電極織物と、該電極織物を挟
持した状態で、互いに密着固定されて一体化された一対
の絶縁性フィルムとを備えてなることを特徴としてい
る。
に、請求項1記載の静電アクチュエータは、一方向に規
則的に配列された複数の線状電極を有する固定子と、該
固定子に対向して配設され、高抵抗率の抵抗体又は/及
び誘電体からなる移動可能な移動子とを備えたもので、
上記固定子は、上記線状電極である絶縁被膜付き又は裸
の導電性線材と、絶縁性繊維とが、互いに縦糸・横糸の
関係となって織り込まれた電極織物と、該電極織物を挟
持した状態で、互いに密着固定されて一体化された一対
の絶縁性フィルムとを備えてなることを特徴としてい
る。
【0010】また、請求項2記載の静電アクチュエータ
の製造方法は、上記導電性線材と上記絶縁性繊維とを、
一方を縦糸、他方を横糸として、互いに織り込むことに
よって、上記複数の線状電極が一方向に規則的に並ぶ電
極織物を得、得られた上記電極織物を上記一対の絶縁性
フィルムで挟持し、上記電極織物を間に挟んだ状態で、
上記一対の絶縁性フィルムを、互いに密着固定して一体
化して、請求項1記載の固定子を得ることを特徴として
いる。
の製造方法は、上記導電性線材と上記絶縁性繊維とを、
一方を縦糸、他方を横糸として、互いに織り込むことに
よって、上記複数の線状電極が一方向に規則的に並ぶ電
極織物を得、得られた上記電極織物を上記一対の絶縁性
フィルムで挟持し、上記電極織物を間に挟んだ状態で、
上記一対の絶縁性フィルムを、互いに密着固定して一体
化して、請求項1記載の固定子を得ることを特徴として
いる。
【0011】また、請求項3記載の静電アクチュエータ
は、互いに略直交する二方向にそれぞれ規則的に配列さ
れた複数の線状電極を有する固定子と、該固定子に対向
して配設され、高抵抗率の抵抗体又は/及び誘電体から
なる移動可能な移動子とを備えたもので、上記固定子
は、上記線状電極である絶縁被膜付き又は裸の導電性線
材が、縦糸・横糸となって織り込まれた電極織物と、該
電極織物を挟持した状態で、互いに密着固定されて一体
化された一対の絶縁性フィルムとを備えてなることを特
徴としている。
は、互いに略直交する二方向にそれぞれ規則的に配列さ
れた複数の線状電極を有する固定子と、該固定子に対向
して配設され、高抵抗率の抵抗体又は/及び誘電体から
なる移動可能な移動子とを備えたもので、上記固定子
は、上記線状電極である絶縁被膜付き又は裸の導電性線
材が、縦糸・横糸となって織り込まれた電極織物と、該
電極織物を挟持した状態で、互いに密着固定されて一体
化された一対の絶縁性フィルムとを備えてなることを特
徴としている。
【0012】また、請求項4記載の静電アクチュエータ
の製造方法は、該導電性線材を、縦糸・横糸として、織
り込むことによって、上記複数の線状電極が互いに略直
交する二方向にそれぞれ規則的に並ぶ電極織物を得、得
られた該電極織物を上記一対の絶縁性フィルムで挟持
し、上記電極織物を間に挟んだ状態で、上記一対の絶縁
性フィルムを、互いに密着固定して一体化して、請求項
3記載の固定子を得ることを特徴としている。
の製造方法は、該導電性線材を、縦糸・横糸として、織
り込むことによって、上記複数の線状電極が互いに略直
交する二方向にそれぞれ規則的に並ぶ電極織物を得、得
られた該電極織物を上記一対の絶縁性フィルムで挟持
し、上記電極織物を間に挟んだ状態で、上記一対の絶縁
性フィルムを、互いに密着固定して一体化して、請求項
3記載の固定子を得ることを特徴としている。
【0013】また、請求項5記載の静電アクチュエータ
の製造方法は、長尺の上記電極織物と、一対の絶縁性フ
ィルムとを連続的にかつ離散状態で供給する第1の工程
と、上記一対の絶縁性フィルムの一方又は双方に接着層
を設ける第2の工程と、上記接着層を電極織物側に向け
て、該電極織物の両面に上記一対の絶縁性フィルムを積
層し、得られた積層体をその両側から冷圧処理する第3
の工程とを経て、請求項2又は4記載の固定子を連続的
に形成することを特徴としている。
の製造方法は、長尺の上記電極織物と、一対の絶縁性フ
ィルムとを連続的にかつ離散状態で供給する第1の工程
と、上記一対の絶縁性フィルムの一方又は双方に接着層
を設ける第2の工程と、上記接着層を電極織物側に向け
て、該電極織物の両面に上記一対の絶縁性フィルムを積
層し、得られた積層体をその両側から冷圧処理する第3
の工程とを経て、請求項2又は4記載の固定子を連続的
に形成することを特徴としている。
【0014】さらにまた、請求項6記載の静電アクチュ
エータの製造方法は、上記一対の絶縁性フィルムを上記
電極織物の両面に積層し、得られた積層体をその両面側
から加熱加圧処理することで、請求項2又は4記載の固
定子を形成することを特徴としている。
エータの製造方法は、上記一対の絶縁性フィルムを上記
電極織物の両面に積層し、得られた積層体をその両面側
から加熱加圧処理することで、請求項2又は4記載の固
定子を形成することを特徴としている。
【0015】
【作用】請求項1記載の静電アクチュエータでは、固定
子の複数の線状電極には、導電性線材を縦糸(又は横
糸)とし、絶縁性繊維を横糸(又は縦糸)として織り込
ん織物組織(電極織物)が用いられる。この織物組織
は、従来からある簡易な織物技術の転用で、容易に作成
できる。上記織物組織(電極織物)の両面には、一対の
絶縁性フィルムが積層密着され、線状電極の電極ピッチ
が不動のものにされる。固定子上には、抵抗体又は/及
び誘電体からなる移動子が載置される。線状電極に所定
の周期の複数相電源(例えば3相電源)を投入すれば、
移動子に電荷が誘導されて静電駆動力が発生すると共に
摩擦を軽減させる浮上力も発生するので、移動子は移動
する。線状電極は、バリ等のない円形の導電性線材から
構成されているため、絶縁破壊が起こりにくい。それ
故、高電圧を印加でき、大出力を安定的に抽出できる。
子の複数の線状電極には、導電性線材を縦糸(又は横
糸)とし、絶縁性繊維を横糸(又は縦糸)として織り込
ん織物組織(電極織物)が用いられる。この織物組織
は、従来からある簡易な織物技術の転用で、容易に作成
できる。上記織物組織(電極織物)の両面には、一対の
絶縁性フィルムが積層密着され、線状電極の電極ピッチ
が不動のものにされる。固定子上には、抵抗体又は/及
び誘電体からなる移動子が載置される。線状電極に所定
の周期の複数相電源(例えば3相電源)を投入すれば、
移動子に電荷が誘導されて静電駆動力が発生すると共に
摩擦を軽減させる浮上力も発生するので、移動子は移動
する。線状電極は、バリ等のない円形の導電性線材から
構成されているため、絶縁破壊が起こりにくい。それ
故、高電圧を印加でき、大出力を安定的に抽出できる。
【0016】請求項2記載の静電アクチュエータの製造
方法では、導電性線材と絶縁性繊維とを、一方を縦糸、
他方を横糸として、互いに織り込むことによって、複数
の線状電極が一方向に所定のピッチで並ぶ電極織物を形
成する。このようにして形成された所定の電極ピッチを
不動のものとするために、上記電極織物の両面に一対の
絶縁性フィルムを積層し、電極織物を間に挟む一対の絶
縁性フィルムを、互いに密着固定する。このようにし
て、電極織物が絶縁性フィルムの中に埋設されて、線状
電極の電極ピッチが固定された固定子が得られる。それ
故、この方法によれば、一旦作成された固定子を、この
後、カッター等により、所定の大きさのものに切断・分
割しても、平行に織りあげられた電極が捻れたり、電極
ピッチが乱れる等の不都合な事態を回避できる。
方法では、導電性線材と絶縁性繊維とを、一方を縦糸、
他方を横糸として、互いに織り込むことによって、複数
の線状電極が一方向に所定のピッチで並ぶ電極織物を形
成する。このようにして形成された所定の電極ピッチを
不動のものとするために、上記電極織物の両面に一対の
絶縁性フィルムを積層し、電極織物を間に挟む一対の絶
縁性フィルムを、互いに密着固定する。このようにし
て、電極織物が絶縁性フィルムの中に埋設されて、線状
電極の電極ピッチが固定された固定子が得られる。それ
故、この方法によれば、一旦作成された固定子を、この
後、カッター等により、所定の大きさのものに切断・分
割しても、平行に織りあげられた電極が捻れたり、電極
ピッチが乱れる等の不都合な事態を回避できる。
【0017】請求項3記載の静電アクチュエータでは、
固定子に配設される縦横の線状電極には、導電性線材を
縦糸・横糸として織り込んだ織物組織(電極織物)が用
いられる。この織物組織は、従来からある簡易な織物技
術の転用で、容易に作成できる。上記織物組織(電極織
物)の両面には、一対の絶縁性フィルムが積層密着さ
れ、縦横の線状電極の電極ピッチが不動のものにされ
る。固定子上には、抵抗体又は/及び誘電体からなる移
動子が載置される。固定子に設けられた縦横の線状電極
に所定の周期の複数相電源(例えば3相電源)をそれぞ
れ投入すれば、移動子に電荷が誘導されて二方向に静電
駆動力が発生すると共に摩擦を軽減させる浮上力も発生
するので、移動子は2次元移動する。線状電極は、円形
の導電性線材から構成されていて、バリ等がないため、
絶縁破壊が起こりにくい。それ故、高電圧を印加でき、
大出力を抽出し得る。
固定子に配設される縦横の線状電極には、導電性線材を
縦糸・横糸として織り込んだ織物組織(電極織物)が用
いられる。この織物組織は、従来からある簡易な織物技
術の転用で、容易に作成できる。上記織物組織(電極織
物)の両面には、一対の絶縁性フィルムが積層密着さ
れ、縦横の線状電極の電極ピッチが不動のものにされ
る。固定子上には、抵抗体又は/及び誘電体からなる移
動子が載置される。固定子に設けられた縦横の線状電極
に所定の周期の複数相電源(例えば3相電源)をそれぞ
れ投入すれば、移動子に電荷が誘導されて二方向に静電
駆動力が発生すると共に摩擦を軽減させる浮上力も発生
するので、移動子は2次元移動する。線状電極は、円形
の導電性線材から構成されていて、バリ等がないため、
絶縁破壊が起こりにくい。それ故、高電圧を印加でき、
大出力を抽出し得る。
【0018】請求項4記載の静電アクチュエータの製造
方法では、導電性線材を、縦糸・横糸として、互いに織
り込むことによって、複数の線状電極が二方向に所定の
ピッチで並ぶ電極織物を形成する。このようにして形成
された所定の電極ピッチを不動のものとするために、上
記電極織物の両面に一対の絶縁性フィルムを積層し、電
極織物を間に挟む一対の絶縁性フィルムを、互いに密着
固定する。このようにして、電極織物は絶縁性フィルム
の中に埋設されて、二方向の線状電極の電極ピッチがそ
れぞれ固定された固定子が得られる。それ故、この方法
によれば、一旦作成された固定子を、この後、カッター
等により、所定の大きさのものに切断・分割しても、平
行に織りあげられた電極が捻れたり、電極ピッチが乱れ
る等の不都合な事態を回避できる。
方法では、導電性線材を、縦糸・横糸として、互いに織
り込むことによって、複数の線状電極が二方向に所定の
ピッチで並ぶ電極織物を形成する。このようにして形成
された所定の電極ピッチを不動のものとするために、上
記電極織物の両面に一対の絶縁性フィルムを積層し、電
極織物を間に挟む一対の絶縁性フィルムを、互いに密着
固定する。このようにして、電極織物は絶縁性フィルム
の中に埋設されて、二方向の線状電極の電極ピッチがそ
れぞれ固定された固定子が得られる。それ故、この方法
によれば、一旦作成された固定子を、この後、カッター
等により、所定の大きさのものに切断・分割しても、平
行に織りあげられた電極が捻れたり、電極ピッチが乱れ
る等の不都合な事態を回避できる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて説明する。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である誘導電荷形の静電
アクチュエータの構成を示す斜視図、また、図2は、同
静電アクチュエータの模式的構成を示す模式的断面図、
図3は、同静電アクチュエータを構成する固定子の電極
構造を示す平面図、また、図4は、同電極構造を一部拡
大して示す一部拡大図である。この例の静電アクチュエ
ータ1は、一方向に規則的に配列された複数の線状電極
を備えた固定子2と、該固定子2に対向して配設され、
移動可能な移動子3とから基本的に構成されている点で
従来のものと異ならない。しかしながら、この例の固定
子2は、図1及び図2に示すように、線状電極4a,4
b,4c,…として、織物組織の中に組み込まれた導電
性線材4a',4b',4c',…を用い、さらに、これ
らの導電性線材4a',4b',4c',…(線状電極4
a,4b,4c,…)を、一対の絶縁性フィルム5,5
で挟着することによって構成されている点で従来のもの
と異なっている。上記織物組織は、図3及び図4に示す
ように、導電性線材4a',4b',4c',…を横糸、
絶縁性繊維6,6,…を縦糸として織り込んで得られた
もので、具体的には、縦糸の絶縁性繊維6,6,…を、
横糸の導電性線材4a',4b',4c',…に交錯させ
ながら、一本ずつ交互に上下させて、浮沈させながら
(いわゆる、平織で)織り込んで行くことにより形成さ
れたもので、以下、このようにして得られた織物組織を
電極織物7と称する。線状電極4a,4b,4c,…
は、絶縁性繊維6,6,…によって織り込まれること
で、互いに等間隔(この例では、400μm)に保持さ
れる。
いて説明する。 ◇第1実施例 図1は、この発明の第1実施例である誘導電荷形の静電
アクチュエータの構成を示す斜視図、また、図2は、同
静電アクチュエータの模式的構成を示す模式的断面図、
図3は、同静電アクチュエータを構成する固定子の電極
構造を示す平面図、また、図4は、同電極構造を一部拡
大して示す一部拡大図である。この例の静電アクチュエ
ータ1は、一方向に規則的に配列された複数の線状電極
を備えた固定子2と、該固定子2に対向して配設され、
移動可能な移動子3とから基本的に構成されている点で
従来のものと異ならない。しかしながら、この例の固定
子2は、図1及び図2に示すように、線状電極4a,4
b,4c,…として、織物組織の中に組み込まれた導電
性線材4a',4b',4c',…を用い、さらに、これ
らの導電性線材4a',4b',4c',…(線状電極4
a,4b,4c,…)を、一対の絶縁性フィルム5,5
で挟着することによって構成されている点で従来のもの
と異なっている。上記織物組織は、図3及び図4に示す
ように、導電性線材4a',4b',4c',…を横糸、
絶縁性繊維6,6,…を縦糸として織り込んで得られた
もので、具体的には、縦糸の絶縁性繊維6,6,…を、
横糸の導電性線材4a',4b',4c',…に交錯させ
ながら、一本ずつ交互に上下させて、浮沈させながら
(いわゆる、平織で)織り込んで行くことにより形成さ
れたもので、以下、このようにして得られた織物組織を
電極織物7と称する。線状電極4a,4b,4c,…
は、絶縁性繊維6,6,…によって織り込まれること
で、互いに等間隔(この例では、400μm)に保持さ
れる。
【0020】各導電性線材4a'(4b',4c')に
は、断面円形で、線径が10μm〜100μmの銅、ア
ルミ、金、銀、クロム、チタン等の導電性の線材が用い
られ、一方、各絶縁性繊維6には、断面円形で、例えば
線径が20μm〜100μmの軟質ポリ塩化ビニル系、
ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、
ポリイミド系の合成繊維が用いられる。上記一対の絶縁
性フィルム5,5には、例えば、表面抵抗率が1014/
□以上で、しかも、帯電防止処理のなされたポリプロピ
レンフィルム、軟質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミ
ドフィルム等の高分子材料が用いられる。複数の線状電
極4a,4b,4c,…(導電性線材4a',4b',4
c',…)は、図1及び図2に示すように、順次、2つ
おきのものが同一の給電線によって接続されて、3つの
ブロック、すなわち、A相の電極群、B相の電極群、及
びC相の電極群に分けられ、各相の電極群は、駆動回路
8の対応する出力端子に電気的に接続される。駆動回路
8は、図示せぬDC/AC変換器と整流回路とから構成
され、固定子2の各電極群に対応する相(A相、B相、
C相)の電源(電圧)を供給する。なお、図1乃至図4
において、A相の電極群に属する線状電極(導電性線
材)には4a(4a')、B相の電極群に属する線状電
極(導電性線材)には4b(4b')、また、C相の電
極群に属する線状電極(導電性線材)には4c(4
c')の符号を付している。
は、断面円形で、線径が10μm〜100μmの銅、ア
ルミ、金、銀、クロム、チタン等の導電性の線材が用い
られ、一方、各絶縁性繊維6には、断面円形で、例えば
線径が20μm〜100μmの軟質ポリ塩化ビニル系、
ポリエステル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、
ポリイミド系の合成繊維が用いられる。上記一対の絶縁
性フィルム5,5には、例えば、表面抵抗率が1014/
□以上で、しかも、帯電防止処理のなされたポリプロピ
レンフィルム、軟質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミ
ドフィルム等の高分子材料が用いられる。複数の線状電
極4a,4b,4c,…(導電性線材4a',4b',4
c',…)は、図1及び図2に示すように、順次、2つ
おきのものが同一の給電線によって接続されて、3つの
ブロック、すなわち、A相の電極群、B相の電極群、及
びC相の電極群に分けられ、各相の電極群は、駆動回路
8の対応する出力端子に電気的に接続される。駆動回路
8は、図示せぬDC/AC変換器と整流回路とから構成
され、固定子2の各電極群に対応する相(A相、B相、
C相)の電源(電圧)を供給する。なお、図1乃至図4
において、A相の電極群に属する線状電極(導電性線
材)には4a(4a')、B相の電極群に属する線状電
極(導電性線材)には4b(4b')、また、C相の電
極群に属する線状電極(導電性線材)には4c(4
c')の符号を付している。
【0021】また、上記移動子3は、絶縁性フィルム9
と、この絶縁性フィルム9に塗布された抵抗体層10と
からなっている。この例において、上記絶縁性フィルム
9には、厚さ12μm程度のPETフィルムやポリイミ
ドフィルム等を方形に裁断したものが用いられ、また、
上記抵抗体層10には、表面抵抗率が1012Ω/□〜1
015Ω/□に調整されたカーボンとウレタン樹脂との混
合物が用いられる。なお、移動子3のうち、絶縁性フィ
ルム側が固定子2と対向する。
と、この絶縁性フィルム9に塗布された抵抗体層10と
からなっている。この例において、上記絶縁性フィルム
9には、厚さ12μm程度のPETフィルムやポリイミ
ドフィルム等を方形に裁断したものが用いられ、また、
上記抵抗体層10には、表面抵抗率が1012Ω/□〜1
015Ω/□に調整されたカーボンとウレタン樹脂との混
合物が用いられる。なお、移動子3のうち、絶縁性フィ
ルム側が固定子2と対向する。
【0022】次に、この例の固定子2の製造方法につい
て説明する。まず、電極織物7の形成方法から説明す
る。図5は、織機11の基本的構成を示す概略構成図で
あり、この織機11は、絶縁性繊維(縦糸)6,6,…
が多数並べられて巻かれた供給ローラ12と、電極織物
7を巻き取る巻取りローラ13と、供給ローラ12と巻
取りローラ13との間に設けられ、絶縁性繊維(縦糸)
6,6,…と導電性線材(横糸)4a',4b',4c'
とを折り合わせる織部14とから概略構成されている。
このような構成の織機11を用いて、電極織物7を形成
するには、供給ローラ12から多数の絶縁性繊維(縦
糸)6,6,…を平行に並べて引き出し、1本づつ織部
14に設けられた糸の穴15,15,…に通した後、巻
取りローラ13に掛ける。この後、巻取りローラ13を
予め設定された回転速度で回転させて、絶縁性繊維(縦
糸)6,6,…を巻取りながら、 織部14におい
て、任意の一端側から数えて奇数番目の糸の穴15,1
5,…を持ち上げて、絶縁性繊維(縦糸)6,6,…を
上下の2つに分け、その間を右から左へA相の電極群を
構成する導電性線材(横糸)4a'を通す。 次に、奇
数番目の糸の穴15,15,…を下ろし、偶数番目の糸
の穴15,15,…を持ち上げて、絶縁性繊維(縦糸)
6,6,…を上下の2つに分け、その間を右から左へB
相の電極群を構成する導電性線材(横糸)4b'を通
す。このとき、直前に通された導電性線材(横糸)4
a'が絶縁性繊維(縦糸)6,6,…によって締め付け
られて織り込まれる。 次に、偶数番目の糸の穴1
5,15,…を下ろし、奇数番目の糸の穴15,15,
…を持ち上げて、絶縁性繊維(縦糸)6,6,…を上下
の2つに分け、その間を右から左へC相の電極群を構成
する導電性線材(横糸)4c'を通す。このとき、直前
に通された導電性線材(横糸)4b'が絶縁性繊維(縦
糸)6,6,…によって締め付けられて織り込まれる。
て説明する。まず、電極織物7の形成方法から説明す
る。図5は、織機11の基本的構成を示す概略構成図で
あり、この織機11は、絶縁性繊維(縦糸)6,6,…
が多数並べられて巻かれた供給ローラ12と、電極織物
7を巻き取る巻取りローラ13と、供給ローラ12と巻
取りローラ13との間に設けられ、絶縁性繊維(縦糸)
6,6,…と導電性線材(横糸)4a',4b',4c'
とを折り合わせる織部14とから概略構成されている。
このような構成の織機11を用いて、電極織物7を形成
するには、供給ローラ12から多数の絶縁性繊維(縦
糸)6,6,…を平行に並べて引き出し、1本づつ織部
14に設けられた糸の穴15,15,…に通した後、巻
取りローラ13に掛ける。この後、巻取りローラ13を
予め設定された回転速度で回転させて、絶縁性繊維(縦
糸)6,6,…を巻取りながら、 織部14におい
て、任意の一端側から数えて奇数番目の糸の穴15,1
5,…を持ち上げて、絶縁性繊維(縦糸)6,6,…を
上下の2つに分け、その間を右から左へA相の電極群を
構成する導電性線材(横糸)4a'を通す。 次に、奇
数番目の糸の穴15,15,…を下ろし、偶数番目の糸
の穴15,15,…を持ち上げて、絶縁性繊維(縦糸)
6,6,…を上下の2つに分け、その間を右から左へB
相の電極群を構成する導電性線材(横糸)4b'を通
す。このとき、直前に通された導電性線材(横糸)4
a'が絶縁性繊維(縦糸)6,6,…によって締め付け
られて織り込まれる。 次に、偶数番目の糸の穴1
5,15,…を下ろし、奇数番目の糸の穴15,15,
…を持ち上げて、絶縁性繊維(縦糸)6,6,…を上下
の2つに分け、その間を右から左へC相の電極群を構成
する導電性線材(横糸)4c'を通す。このとき、直前
に通された導電性線材(横糸)4b'が絶縁性繊維(縦
糸)6,6,…によって締め付けられて織り込まれる。
【0023】3相の電極群を構成する導電性線材(横
糸)4a',4b',4c'が一通り通されると、 奇数
番目の糸の穴15,15,…を下ろし、偶数番目の糸の
穴15,15,…を持ち上げて、絶縁性繊維(縦糸)
6,6,…を上下の2つに分け、その間を左から右へ先
の導電性線材(横糸)4a'を通してシャットルを元の
位置に戻す。このとき、直前に通された導電性線材(横
糸)4c'が絶縁性繊維(縦糸)6,6,…によって締
め付けられて織り込まれる。 次に、偶数番目の糸の
穴15,15,…を下ろし、奇数番目の糸の穴15,1
5,…を持ち上げて、絶縁性繊維(縦糸)6,6,…を
上下の2つに分け、その間を左から右へ先の導電性線材
(横糸)4b'を通してシャットルを元の位置に戻す。
このとき、直前に通された導電性線材(横糸)4a'が
絶縁性繊維(縦糸)6,6,…によって締め付けられて
織り込まれる。 次に、奇数番目の糸の穴15,1
5,…を下ろし、偶数番目の糸の穴15,15,…を持
ち上げて、絶縁性繊維(縦糸)6,6,…を上下の2つ
に分け、その間を左から右へ先の導電性線材(横糸)4
c'を通してシャットルを元の位置に戻す。このとき、
直前に通された導電性線材(横糸)4b'が絶縁性繊維
(縦糸)6,6,…によって締め付けられて織り込まれ
る。
糸)4a',4b',4c'が一通り通されると、 奇数
番目の糸の穴15,15,…を下ろし、偶数番目の糸の
穴15,15,…を持ち上げて、絶縁性繊維(縦糸)
6,6,…を上下の2つに分け、その間を左から右へ先
の導電性線材(横糸)4a'を通してシャットルを元の
位置に戻す。このとき、直前に通された導電性線材(横
糸)4c'が絶縁性繊維(縦糸)6,6,…によって締
め付けられて織り込まれる。 次に、偶数番目の糸の
穴15,15,…を下ろし、奇数番目の糸の穴15,1
5,…を持ち上げて、絶縁性繊維(縦糸)6,6,…を
上下の2つに分け、その間を左から右へ先の導電性線材
(横糸)4b'を通してシャットルを元の位置に戻す。
このとき、直前に通された導電性線材(横糸)4a'が
絶縁性繊維(縦糸)6,6,…によって締め付けられて
織り込まれる。 次に、奇数番目の糸の穴15,1
5,…を下ろし、偶数番目の糸の穴15,15,…を持
ち上げて、絶縁性繊維(縦糸)6,6,…を上下の2つ
に分け、その間を左から右へ先の導電性線材(横糸)4
c'を通してシャットルを元の位置に戻す。このとき、
直前に通された導電性線材(横糸)4b'が絶縁性繊維
(縦糸)6,6,…によって締め付けられて織り込まれ
る。
【0024】上記〜を繰り返すことにより、図6に
示すように、各導電性線材(横糸)4a',4b',4
c'が、2つおきに繰り返し配列されると共に、線状電
極4a,4b,4c,…が、互いに等間隔に織り込まれ
た長尺の電極織物7が形成される。このようにして形成
された電極織物7は、巻取りローラ13によって巻き取
られる。なお、導電性線材(横糸)4a',4b',4
c',…は、金属故、絶縁性繊維6,6,…よりもはる
かに硬い。このため、絶縁性繊維6,6,…が、図4に
示すように、一本ずつ交互に上下して、浮沈しながら導
電性線材4a',4b',4c',…と交錯するのに対し
て、導電性線材4a',4b',4c',…は、緩やかな
曲折を描くものの、全体としては略直線性を保つ。ま
た、電極ピッチは、巻取りローラ13の回転速度(巻取
り速度)を変えることで、容易に自在のもの(例えば、
400μm)が得られる。
示すように、各導電性線材(横糸)4a',4b',4
c'が、2つおきに繰り返し配列されると共に、線状電
極4a,4b,4c,…が、互いに等間隔に織り込まれ
た長尺の電極織物7が形成される。このようにして形成
された電極織物7は、巻取りローラ13によって巻き取
られる。なお、導電性線材(横糸)4a',4b',4
c',…は、金属故、絶縁性繊維6,6,…よりもはる
かに硬い。このため、絶縁性繊維6,6,…が、図4に
示すように、一本ずつ交互に上下して、浮沈しながら導
電性線材4a',4b',4c',…と交錯するのに対し
て、導電性線材4a',4b',4c',…は、緩やかな
曲折を描くものの、全体としては略直線性を保つ。ま
た、電極ピッチは、巻取りローラ13の回転速度(巻取
り速度)を変えることで、容易に自在のもの(例えば、
400μm)が得られる。
【0025】次に、上記のように形成された電極織物7
の両面に絶縁性フィルム5,5を被せて固定子2を完成
させる方法について説明する。図7は、絶縁性フィルム
5,5を電極織物7に圧着させる圧着機16の基本的構
成を示す概略構成図であり、この圧着機16は、電極織
物7が巻かれた電極ローラ17と、この電極ローラ17
の上下(又は左右)に配置され、絶縁性フィルム5が巻
かれたフィルムローラ18,18と、フィルムローラ1
8,18の後段に設けられ、絶縁性フィルム5,5の織
物組織圧着面に接着剤を塗布する接着剤塗布機19,1
9と、互いに圧着させられた一対の圧着ローラ20,2
0と、送りローラ21,21と、図示せぬ送り機構とか
ら概略構成されている。
の両面に絶縁性フィルム5,5を被せて固定子2を完成
させる方法について説明する。図7は、絶縁性フィルム
5,5を電極織物7に圧着させる圧着機16の基本的構
成を示す概略構成図であり、この圧着機16は、電極織
物7が巻かれた電極ローラ17と、この電極ローラ17
の上下(又は左右)に配置され、絶縁性フィルム5が巻
かれたフィルムローラ18,18と、フィルムローラ1
8,18の後段に設けられ、絶縁性フィルム5,5の織
物組織圧着面に接着剤を塗布する接着剤塗布機19,1
9と、互いに圧着させられた一対の圧着ローラ20,2
0と、送りローラ21,21と、図示せぬ送り機構とか
ら概略構成されている。
【0026】上記構成の圧着機16を用いて、固定子2
を完成させるには、まず、電極ローラ17から電極織物
7を引き出すと共に、フィルムローラ18,18から絶
縁性フィルム5,5を引き出す。そして、引き出された
電極織物7と一対の絶縁性フィルム5,5とを、電極織
物7の両面に一対の絶縁性フィルム5,5を当てがった
状態で、一対の圧着ローラ20,20の間に通し、図示
せぬ送り機構の巻取りローラに巻き取らせる。この巻取
りが始まると、接着剤塗布器19,19を作動させて、
フィルムローラ18,18から引き出された直後の絶縁
性フィルム5,5の織物組織圧着面に接着剤をスプレー
塗布する。ここで使用される接着剤としては、ブチルゴ
ム、ブタジエン−スチレンゴム等の合成ゴム、天然ゴ
ム、アクリル系の粘着剤、エポキシ系の接着剤等が好適
である。接着剤が塗布された絶縁性フィルム5,5は、
この後、電極織物7を間に挟んで、一対の圧着ローラ2
0,20の間を通される。このとき、絶縁性フィルム
5,5は、圧着ローラ20,20によって、電極織物7
の両面に圧締されて接着される。このようにして形成さ
れた固定子2では、線状電極間の電極ピッチは確実に不
動状態となる。
を完成させるには、まず、電極ローラ17から電極織物
7を引き出すと共に、フィルムローラ18,18から絶
縁性フィルム5,5を引き出す。そして、引き出された
電極織物7と一対の絶縁性フィルム5,5とを、電極織
物7の両面に一対の絶縁性フィルム5,5を当てがった
状態で、一対の圧着ローラ20,20の間に通し、図示
せぬ送り機構の巻取りローラに巻き取らせる。この巻取
りが始まると、接着剤塗布器19,19を作動させて、
フィルムローラ18,18から引き出された直後の絶縁
性フィルム5,5の織物組織圧着面に接着剤をスプレー
塗布する。ここで使用される接着剤としては、ブチルゴ
ム、ブタジエン−スチレンゴム等の合成ゴム、天然ゴ
ム、アクリル系の粘着剤、エポキシ系の接着剤等が好適
である。接着剤が塗布された絶縁性フィルム5,5は、
この後、電極織物7を間に挟んで、一対の圧着ローラ2
0,20の間を通される。このとき、絶縁性フィルム
5,5は、圧着ローラ20,20によって、電極織物7
の両面に圧締されて接着される。このようにして形成さ
れた固定子2では、線状電極間の電極ピッチは確実に不
動状態となる。
【0027】次に、図8を参照して、上記構成の静電ア
クチュエータの動作について説明する。まず、同図
(a)に示すように、駆動回路8(図1,図2)を作動
させて、A相の電極群である線状電極4a,4a,…に
正電圧+V(例えば、+300V)を、B相の電極群で
ある線状電極4b,4b,…に負電圧−V(例えば、−
300V)を、C相の電極群である線状電極4c,4
c,…に0Vをそれぞれ印加すると、A相の電極群であ
る線状電極4a,4a,…には正電荷が、B相の電極群
である線状電極4b,4b,…には負電荷が集まる。す
ると、同図(b)に示すように、始めは電荷の存在して
いなかった抵抗体層10内に電流が流れ、移動子3(抵
抗体層10と絶縁体フィルム9との境界)に、対応する
線状電極4a,4b,4c,…の電荷と逆符号の電荷が
誘導(充電)され、平衡状態になる。このとき、移動子
3には、図中垂直下向きの吸引力が働くので、移動子
は、摩擦により保持される。
クチュエータの動作について説明する。まず、同図
(a)に示すように、駆動回路8(図1,図2)を作動
させて、A相の電極群である線状電極4a,4a,…に
正電圧+V(例えば、+300V)を、B相の電極群で
ある線状電極4b,4b,…に負電圧−V(例えば、−
300V)を、C相の電極群である線状電極4c,4
c,…に0Vをそれぞれ印加すると、A相の電極群であ
る線状電極4a,4a,…には正電荷が、B相の電極群
である線状電極4b,4b,…には負電荷が集まる。す
ると、同図(b)に示すように、始めは電荷の存在して
いなかった抵抗体層10内に電流が流れ、移動子3(抵
抗体層10と絶縁体フィルム9との境界)に、対応する
線状電極4a,4b,4c,…の電荷と逆符号の電荷が
誘導(充電)され、平衡状態になる。このとき、移動子
3には、図中垂直下向きの吸引力が働くので、移動子
は、摩擦により保持される。
【0028】次に、同図(c)に示すように、電圧を印
加する線状電極4a,4b,4c,…を例えば図中右に
ずらすと、すなわち、電圧を切り替えて、A相の電極群
である線状電極4a,4a,…に0Vを、B相の電極群
である線状電極4b,4b,…に正電圧+Vを、C相の
電極群である線状電極4c,4c,…に負電圧−Vをそ
れぞれ印加すると、線状電極4a,4b,4c,…の電
荷は瞬時に入れ替わるが、移動子3の電荷は、抵抗率が
高いため変化に時間を要し、電圧を切り替えた直後は、
元の電荷の状態を保持する。このとき、固定子2・移動
子3の電荷間の静電力により、移動子3に対し右向きの
駆動力が発生する。しかも、垂直吸引力は減少ないし反
発力となり、摩擦が減少する上、移動子3の質量が小さ
いので、この結果、同図(d)に示すように、移動子3
は迅速に右に動く。
加する線状電極4a,4b,4c,…を例えば図中右に
ずらすと、すなわち、電圧を切り替えて、A相の電極群
である線状電極4a,4a,…に0Vを、B相の電極群
である線状電極4b,4b,…に正電圧+Vを、C相の
電極群である線状電極4c,4c,…に負電圧−Vをそ
れぞれ印加すると、線状電極4a,4b,4c,…の電
荷は瞬時に入れ替わるが、移動子3の電荷は、抵抗率が
高いため変化に時間を要し、電圧を切り替えた直後は、
元の電荷の状態を保持する。このとき、固定子2・移動
子3の電荷間の静電力により、移動子3に対し右向きの
駆動力が発生する。しかも、垂直吸引力は減少ないし反
発力となり、摩擦が減少する上、移動子3の質量が小さ
いので、この結果、同図(d)に示すように、移動子3
は迅速に右に動く。
【0029】次に、同図(e)に示すように、電圧を印
加する線状電極をさらに右にずらすと、すなわち、電圧
を切り替えて、A相の電極群である線状電極4a,4
a,…に負電圧−Vを、B相の電極群である線状電極4
b,4b,…に0Vを、C相の電極群である線状電極4
c,4c,…に正電圧+Vをそれぞれ印加すると、線状
電極4a,4b,4c,…の電荷は再び瞬時に入れ替わ
るが、移動子3の電荷は、このときも、抵抗率が高いた
め変化に時間を要し、電圧を切り替えた直後は、元の電
荷の状態を保持する。それ故、このときも、固定子2・
移動子3の電荷間の静電力により、移動子3に対し右向
きの駆動力が発生する。しかも、上記したように、垂直
吸引力は減少ないし反発力となり、摩擦が減少する上、
移動子3の質量は小さいので、この結果、同図(f)に
示すように、移動子3はさらに右に迅速に動く。以下、
駆動回路8が、電圧を印加する線状電極を右にずらす態
様の電圧切換操作を繰り返す度に、移動子3は順次1ピ
ッチずつ右に移動し、電圧の切換を停止すると、垂直下
向きの吸引力が働くので、移動子3は、摩擦により保持
されることにより、正確に位置決めされて停止する。一
方、駆動回路8が、電圧を印加する線状電極を左にずら
す態様の電圧切換操作を繰り返すと、移動子3は順次1
ピッチずつ左に移動する。なお、移動子3の質量が小さ
いので、応答速度が速く、したがって、駆動周波数を高
くすることにより、容易に高速駆動を達成できる。
加する線状電極をさらに右にずらすと、すなわち、電圧
を切り替えて、A相の電極群である線状電極4a,4
a,…に負電圧−Vを、B相の電極群である線状電極4
b,4b,…に0Vを、C相の電極群である線状電極4
c,4c,…に正電圧+Vをそれぞれ印加すると、線状
電極4a,4b,4c,…の電荷は再び瞬時に入れ替わ
るが、移動子3の電荷は、このときも、抵抗率が高いた
め変化に時間を要し、電圧を切り替えた直後は、元の電
荷の状態を保持する。それ故、このときも、固定子2・
移動子3の電荷間の静電力により、移動子3に対し右向
きの駆動力が発生する。しかも、上記したように、垂直
吸引力は減少ないし反発力となり、摩擦が減少する上、
移動子3の質量は小さいので、この結果、同図(f)に
示すように、移動子3はさらに右に迅速に動く。以下、
駆動回路8が、電圧を印加する線状電極を右にずらす態
様の電圧切換操作を繰り返す度に、移動子3は順次1ピ
ッチずつ右に移動し、電圧の切換を停止すると、垂直下
向きの吸引力が働くので、移動子3は、摩擦により保持
されることにより、正確に位置決めされて停止する。一
方、駆動回路8が、電圧を印加する線状電極を左にずら
す態様の電圧切換操作を繰り返すと、移動子3は順次1
ピッチずつ左に移動する。なお、移動子3の質量が小さ
いので、応答速度が速く、したがって、駆動周波数を高
くすることにより、容易に高速駆動を達成できる。
【0030】上記第1実施例の構成によれば、簡易な織
物技術の転用で、簡易に、線状電極4a,4b,4c,
…を作成することができる。それ故、半導体作成技術、
フレキシブルプリント基板技術等を駆使しなくてもすむ
ので、製造コストを軽減できる。しかも、導電性線材が
円形であるため、縦横斜め等に気を配りながら配設する
必要がなく、それ故、電極ピッチは、巻取りローラ13
の回転速度(巻取り速度)を変えることで、容易にかつ
正確に変更できる。このとき、導電性線材(横糸)4
a',4b',4c',…は、金属故、絶縁性繊維6,
6,…よりもはるかに硬いため、一本ずつ交互に上下し
て、浮沈しながら織り込まれるのは、もっぱら絶縁性繊
維6,6,…が受け持ち、導電性線材4a',4b',4
c',…は、緩やかな曲折を描くものの、全体としては
略直線性を保つ。このため、位置決め精度や速度精度の
高い静電アクチュエータが簡易に実現できる。また、固
定子2の主要部は、織物なので、軽量薄型化・長尺化が
容易である。また、線状電極4a,4b,4c,…が、
丸まっておりバリ等の突起がないため、絶縁破壊を回避
できる。それ故、高電圧を安心して印加でき、これによ
り、大出力を抽出し得る。また、上記第1実施例の静電
アクチュエータの製造方法によれば、加熱冷却が不要で
あり、含浸や乾燥も不要であるので、製造時間を短縮で
きる。加えて、一旦作成された固定子を、この後、カッ
ター等により、所定の大きさのものに切断・分割して
も、平行に織りあげられた電極が捻れたり、電極ピッチ
が乱れる等の不都合な事態を回避できる。それ故、大量
生産が可能となる。
物技術の転用で、簡易に、線状電極4a,4b,4c,
…を作成することができる。それ故、半導体作成技術、
フレキシブルプリント基板技術等を駆使しなくてもすむ
ので、製造コストを軽減できる。しかも、導電性線材が
円形であるため、縦横斜め等に気を配りながら配設する
必要がなく、それ故、電極ピッチは、巻取りローラ13
の回転速度(巻取り速度)を変えることで、容易にかつ
正確に変更できる。このとき、導電性線材(横糸)4
a',4b',4c',…は、金属故、絶縁性繊維6,
6,…よりもはるかに硬いため、一本ずつ交互に上下し
て、浮沈しながら織り込まれるのは、もっぱら絶縁性繊
維6,6,…が受け持ち、導電性線材4a',4b',4
c',…は、緩やかな曲折を描くものの、全体としては
略直線性を保つ。このため、位置決め精度や速度精度の
高い静電アクチュエータが簡易に実現できる。また、固
定子2の主要部は、織物なので、軽量薄型化・長尺化が
容易である。また、線状電極4a,4b,4c,…が、
丸まっておりバリ等の突起がないため、絶縁破壊を回避
できる。それ故、高電圧を安心して印加でき、これによ
り、大出力を抽出し得る。また、上記第1実施例の静電
アクチュエータの製造方法によれば、加熱冷却が不要で
あり、含浸や乾燥も不要であるので、製造時間を短縮で
きる。加えて、一旦作成された固定子を、この後、カッ
ター等により、所定の大きさのものに切断・分割して
も、平行に織りあげられた電極が捻れたり、電極ピッチ
が乱れる等の不都合な事態を回避できる。それ故、大量
生産が可能となる。
【0031】◇第2実施例 次に、この発明の第2実施例について説明する。図9
は、この発明の第2実施例である誘導電荷形の静電アク
チュエータの製造方法を説明するための図である。この
例においては、固定子の製造方法として、ホットプレス
法が用いられる。すなわち、この例の固定子は、同図に
示すような、互いに対向配置され、ワークを上下から挟
着して加熱加圧する一対の板状ヒータ22,22を備え
たホットプレス機を用いて製造される。このホットプレ
ス機を用いて、固定子2を製造するには、まず、電極織
物7を真ん中に、その外側(上側と下側)に一対の絶縁
性フィル5,5が、最外側に一対の紙23,23がくる
ように、電極織物7と絶縁性フィルム5,5と紙23,
23とを5段に積んで、これをワークとして板状ヒータ
22,22間に差し入れる。この後、下方側の板状ヒー
タ22を搭載した図示せぬ可動定盤を駆動させて、下方
側の板状ヒータ22を上方側の板状ヒータ22に押し付
けてワークに圧力を加えると共に、板状ヒータ22,2
2を発熱させて、ワークを絶縁性フィルム5,5の融点
温度付近まで加熱する。この結果、絶縁性フィルム5,
5は加熱加圧されて、固定子2が形成される。形成され
た固定子2は、冷却後に板状ヒータ22,22間から取
り出される。ホットプレス機から取り出された固定子2
では、絶縁性フィルム5,5同士が、融着していて、こ
のため、線状電極間の電極ピッチが確実に固定される。
は、この発明の第2実施例である誘導電荷形の静電アク
チュエータの製造方法を説明するための図である。この
例においては、固定子の製造方法として、ホットプレス
法が用いられる。すなわち、この例の固定子は、同図に
示すような、互いに対向配置され、ワークを上下から挟
着して加熱加圧する一対の板状ヒータ22,22を備え
たホットプレス機を用いて製造される。このホットプレ
ス機を用いて、固定子2を製造するには、まず、電極織
物7を真ん中に、その外側(上側と下側)に一対の絶縁
性フィル5,5が、最外側に一対の紙23,23がくる
ように、電極織物7と絶縁性フィルム5,5と紙23,
23とを5段に積んで、これをワークとして板状ヒータ
22,22間に差し入れる。この後、下方側の板状ヒー
タ22を搭載した図示せぬ可動定盤を駆動させて、下方
側の板状ヒータ22を上方側の板状ヒータ22に押し付
けてワークに圧力を加えると共に、板状ヒータ22,2
2を発熱させて、ワークを絶縁性フィルム5,5の融点
温度付近まで加熱する。この結果、絶縁性フィルム5,
5は加熱加圧されて、固定子2が形成される。形成され
た固定子2は、冷却後に板状ヒータ22,22間から取
り出される。ホットプレス機から取り出された固定子2
では、絶縁性フィルム5,5同士が、融着していて、こ
のため、線状電極間の電極ピッチが確実に固定される。
【0032】この例において、絶縁性フィルム5,5に
は、上記第1実施例の場合と同様に、ポリプロピレンフ
ィルム、軟質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィ
ルム等の高分子材料が用いられる。また、板状ヒータ2
2と絶縁性フィルム5との間に紙23を介挿することと
したのは、絶縁性フィルム5の板状ヒータ22への焼付
を防止するためである。なお、この例においてはホット
プレス法を用いて固定子2を製造するのに対して、第1
実施例においては、コールドプレス法を用いて固定子2
を製造するようにした点で、両実施例は互いに相違する
が、第2実施例の結果物である静電アクチュエータの構
成各部は、上述の第1実施例(図1乃至図8)の対応各
部と概略同一であるので、同一の符号を付してその説明
を省略する。
は、上記第1実施例の場合と同様に、ポリプロピレンフ
ィルム、軟質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィ
ルム等の高分子材料が用いられる。また、板状ヒータ2
2と絶縁性フィルム5との間に紙23を介挿することと
したのは、絶縁性フィルム5の板状ヒータ22への焼付
を防止するためである。なお、この例においてはホット
プレス法を用いて固定子2を製造するのに対して、第1
実施例においては、コールドプレス法を用いて固定子2
を製造するようにした点で、両実施例は互いに相違する
が、第2実施例の結果物である静電アクチュエータの構
成各部は、上述の第1実施例(図1乃至図8)の対応各
部と概略同一であるので、同一の符号を付してその説明
を省略する。
【0033】この第2実施例の製造方法によれば、上述
の第1実施例と略同様の効果を得ることができる。加え
て、固定子の絶縁性フィルムが加熱加圧されるので、コ
ールドプレス法によって圧締されたものよりも、一段
と、確実に、電極ピッチを固定できる。それ故、静電ア
クチュエータの耐久性が向上すると共に、一段と安定し
た駆動力を抽出し得る。
の第1実施例と略同様の効果を得ることができる。加え
て、固定子の絶縁性フィルムが加熱加圧されるので、コ
ールドプレス法によって圧締されたものよりも、一段
と、確実に、電極ピッチを固定できる。それ故、静電ア
クチュエータの耐久性が向上すると共に、一段と安定し
た駆動力を抽出し得る。
【0034】◇第3実施例 図10は、この発明の第3実施例である誘導電荷形の静
電アクチュエータ24の構成を示す斜視図である。この
第3実施例の静電アクチュエータ24が、上記第1実施
例の構成と異なるところは、第1実施例においては、固
定子2の電極織物7を構成する横糸として導電性線材4
a',4b',4c'が、同じく縦糸として、絶縁性繊維
6,6,…が用いられたのに対して、この第3実施例で
は、絶縁性繊維6,6,…を廃し、固定子25の電極織
物を全て導電性線材26a',26b',26c',26
d',26e',26f',…で構成した点である。
電アクチュエータ24の構成を示す斜視図である。この
第3実施例の静電アクチュエータ24が、上記第1実施
例の構成と異なるところは、第1実施例においては、固
定子2の電極織物7を構成する横糸として導電性線材4
a',4b',4c'が、同じく縦糸として、絶縁性繊維
6,6,…が用いられたのに対して、この第3実施例で
は、絶縁性繊維6,6,…を廃し、固定子25の電極織
物を全て導電性線材26a',26b',26c',26
d',26e',26f',…で構成した点である。
【0035】すなわち、この例の固定子25は、図10
に示すように、縦方向に配列された複数の線状電極(以
下、縦電極という)26a,26b,26c,…と、横
方向に配列された複数の線状電極(以下、横電極とい
う)26d,26e,26f,…とからなり、これら縦
電極26a,26b,26c,…及び横電極26d,2
6e,26f,…は、ポリプロピレン、ポリイミド、P
ET、フッ素樹脂等の絶縁被覆材27でそれぞれ絶縁被
覆され、かつ線径の揃えられた導電性線材26a',2
6d',…を、縦糸及び横糸として、互い違いに平織
(第1実施例参照)で織り込むことにより、縦方向及び
横方向のそれぞれにおいて、互いに平行にかつ等間隔に
整列されて固定されている。この例においても、各導電
性線材26a'(26b',26c',26d',26
e',26f')には、断面円形で、線径が10μm〜1
00μmの銅、アルミ、金、銀、クロム、チタン等の導
電性の線材が用いられる。これらの導電性線材26
a',26d',…が縦糸・横糸となって織り込まれて形
成される縦横の電極ピッチは、非常に規則的なものとな
る。なお、固定子の製造方法は、第1実施例において述
べたコールドプレス法、第2実施例において述べたホッ
トプレス法のいずれでも適用することもできる。
に示すように、縦方向に配列された複数の線状電極(以
下、縦電極という)26a,26b,26c,…と、横
方向に配列された複数の線状電極(以下、横電極とい
う)26d,26e,26f,…とからなり、これら縦
電極26a,26b,26c,…及び横電極26d,2
6e,26f,…は、ポリプロピレン、ポリイミド、P
ET、フッ素樹脂等の絶縁被覆材27でそれぞれ絶縁被
覆され、かつ線径の揃えられた導電性線材26a',2
6d',…を、縦糸及び横糸として、互い違いに平織
(第1実施例参照)で織り込むことにより、縦方向及び
横方向のそれぞれにおいて、互いに平行にかつ等間隔に
整列されて固定されている。この例においても、各導電
性線材26a'(26b',26c',26d',26
e',26f')には、断面円形で、線径が10μm〜1
00μmの銅、アルミ、金、銀、クロム、チタン等の導
電性の線材が用いられる。これらの導電性線材26
a',26d',…が縦糸・横糸となって織り込まれて形
成される縦横の電極ピッチは、非常に規則的なものとな
る。なお、固定子の製造方法は、第1実施例において述
べたコールドプレス法、第2実施例において述べたホッ
トプレス法のいずれでも適用することもできる。
【0036】上記複数の縦電極26a,26b,26
c,…は、順次、2つおきのものが同一の給電線によっ
て接続されて、3つのブロック、すなわち、A相の縦電
極群、B相の縦電極群、及びC相の縦電極群に分けら
れ、各相の縦電極群は、縦電極駆動回路27の対応する
出力端子に電気的に接続される。同様に、複数の横電極
26d,26e,26f,…も、順次、2つおきのもの
が同一の給電線によって接続されて、3つのブロック、
すなわち、A相の横電極群、B相の横電極群、及びC相
の横電極群に分けられ、各相の横電極群は、横電極駆動
回路28の対応する出力端子に電気的に接続される。縦
電極駆動回路27及び横電極駆動回路28は、図示せぬ
DC/AC変換器と整流回路とから構成され、縦電極駆
動回路27にあっては固定子25の3相の縦電極群に、
また横電極駆動回路28にあっては固定子25の3相の
横電極群に対して、それぞれ3相(A相、B相、C相)
の電源(電圧)を供給する。これら両駆動回路27,2
8は、図示せぬ制御回路によって駆動を制御される。な
お、図10において、A相の縦電極群に属する縦電極
(導電性線材)には26a(26a')、B相の縦電極
群に属する縦電極(導電性線材)には26b(26
b')、C相の縦電極群に属する縦電極(導電性線材)
には26c(26c')、A相の横電極群に属する横電
極(導電性線材)には26d(26d')、B相の横電
極群に属する横電極(導電性線材)には26e(26
e')、また、C相の電極群に属する横横電極(導電性
線材)には26f(26f')の符号を付している。
c,…は、順次、2つおきのものが同一の給電線によっ
て接続されて、3つのブロック、すなわち、A相の縦電
極群、B相の縦電極群、及びC相の縦電極群に分けら
れ、各相の縦電極群は、縦電極駆動回路27の対応する
出力端子に電気的に接続される。同様に、複数の横電極
26d,26e,26f,…も、順次、2つおきのもの
が同一の給電線によって接続されて、3つのブロック、
すなわち、A相の横電極群、B相の横電極群、及びC相
の横電極群に分けられ、各相の横電極群は、横電極駆動
回路28の対応する出力端子に電気的に接続される。縦
電極駆動回路27及び横電極駆動回路28は、図示せぬ
DC/AC変換器と整流回路とから構成され、縦電極駆
動回路27にあっては固定子25の3相の縦電極群に、
また横電極駆動回路28にあっては固定子25の3相の
横電極群に対して、それぞれ3相(A相、B相、C相)
の電源(電圧)を供給する。これら両駆動回路27,2
8は、図示せぬ制御回路によって駆動を制御される。な
お、図10において、A相の縦電極群に属する縦電極
(導電性線材)には26a(26a')、B相の縦電極
群に属する縦電極(導電性線材)には26b(26
b')、C相の縦電極群に属する縦電極(導電性線材)
には26c(26c')、A相の横電極群に属する横電
極(導電性線材)には26d(26d')、B相の横電
極群に属する横電極(導電性線材)には26e(26
e')、また、C相の電極群に属する横横電極(導電性
線材)には26f(26f')の符号を付している。
【0037】次に、第3実施例の動作について説明す
る。上記構成において、固定子25上の移動子30を縦
方向に所定の距離移動させるには、図示せぬ制御回路
は、縦電極駆動回路27を制御して、3相電源を各縦電
極26a(26b,26c)に投入させる。例えば、縦
方向に10ピッチ分移動させるには、制御回路は、縦電
極駆動回路27に電圧の切換を10回行わせる(第1実
施例の動作説明参照)。次に、固定子25上の移動子3
0を横方向に所定の距離移動させるには、制御回路は横
電極駆動回路28を制御して、3相電源を各横電極26
d(26e,26f)に投入させる。例えば、横方向に
20ピッチ分移動させるには、制御回路は横電極駆動回
路28に電圧の切換操作を20回行わせる。さらに、固
定子25上の移動子30を斜め方向に所定の距離移動さ
せるには、制御回路は縦電極駆動回路27及び横電極駆
動回路28を制御して、3相電源を各縦電極26a(2
6b,26c)及び各横電極26d(26e,26f)
とに同時に投入させる。例えば、斜め方向への移動量
が、10ピッチの縦方向移動成分と、20ピッチの横方
向移動成分とから成り立っている場合には、制御回路
は、縦電極駆動回路27に電圧の切換操作を10回行わ
せると共に、横電極駆動回路28に電圧の切換操作を2
0回行わせる。
る。上記構成において、固定子25上の移動子30を縦
方向に所定の距離移動させるには、図示せぬ制御回路
は、縦電極駆動回路27を制御して、3相電源を各縦電
極26a(26b,26c)に投入させる。例えば、縦
方向に10ピッチ分移動させるには、制御回路は、縦電
極駆動回路27に電圧の切換を10回行わせる(第1実
施例の動作説明参照)。次に、固定子25上の移動子3
0を横方向に所定の距離移動させるには、制御回路は横
電極駆動回路28を制御して、3相電源を各横電極26
d(26e,26f)に投入させる。例えば、横方向に
20ピッチ分移動させるには、制御回路は横電極駆動回
路28に電圧の切換操作を20回行わせる。さらに、固
定子25上の移動子30を斜め方向に所定の距離移動さ
せるには、制御回路は縦電極駆動回路27及び横電極駆
動回路28を制御して、3相電源を各縦電極26a(2
6b,26c)及び各横電極26d(26e,26f)
とに同時に投入させる。例えば、斜め方向への移動量
が、10ピッチの縦方向移動成分と、20ピッチの横方
向移動成分とから成り立っている場合には、制御回路
は、縦電極駆動回路27に電圧の切換操作を10回行わ
せると共に、横電極駆動回路28に電圧の切換操作を2
0回行わせる。
【0038】このように、この第3実施例の構成によれ
ば、上述した第1実施例と同様の効果を得ることができ
る。加えて、簡易な織物技術の転用のみで、容易に2次
元電極構造を作成でき、これにより、移動子は2次元の
移動が可能となる。それ故、多層配線技術という半導体
作成技術、フレキシブルプリント基板技術等の中でも、
特に高度な技術を駆使してもすむので、製造コストを著
しく軽減できる。また、縦電極26a,26b,26
c,…は、織機11の織部14に設けられた多数の糸の
穴15,15,…の隣接間隔を変えることで、容易に所
定の電極ピッチに変更でき、また、横電極26d,26
e,26fは、巻取りローラ13の回転速度(巻取り速
度)を変えることで、所定の電極ピッチ(例えば100
μm、200μm、300μm、400μm)に容易に
変更できる。
ば、上述した第1実施例と同様の効果を得ることができ
る。加えて、簡易な織物技術の転用のみで、容易に2次
元電極構造を作成でき、これにより、移動子は2次元の
移動が可能となる。それ故、多層配線技術という半導体
作成技術、フレキシブルプリント基板技術等の中でも、
特に高度な技術を駆使してもすむので、製造コストを著
しく軽減できる。また、縦電極26a,26b,26
c,…は、織機11の織部14に設けられた多数の糸の
穴15,15,…の隣接間隔を変えることで、容易に所
定の電極ピッチに変更でき、また、横電極26d,26
e,26fは、巻取りローラ13の回転速度(巻取り速
度)を変えることで、所定の電極ピッチ(例えば100
μm、200μm、300μm、400μm)に容易に
変更できる。
【0039】以上、この発明の実施例を図面により詳述
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、導電性線
材等の織り方は、平織に限らず、綾織、朱子織又はこれ
らの組み合わせでもよい。また、縦糸本数と横糸本数が
同じの平地合いのものに限らず、必要に応じて、縦糸本
数が横糸本数よりも多い縦地合いのものでも、横糸本数
が縦糸本数よりも多い横地合いのものでも良い。また、
3相電源に限らず、他の複数相電源を投入しても良い。
また、電極織物はロール状に巻かれたものに限らず、当
初から、平板状に形成されたものでも良い。
してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変
更等があってもこの発明に含まれる。例えば、導電性線
材等の織り方は、平織に限らず、綾織、朱子織又はこれ
らの組み合わせでもよい。また、縦糸本数と横糸本数が
同じの平地合いのものに限らず、必要に応じて、縦糸本
数が横糸本数よりも多い縦地合いのものでも、横糸本数
が縦糸本数よりも多い横地合いのものでも良い。また、
3相電源に限らず、他の複数相電源を投入しても良い。
また、電極織物はロール状に巻かれたものに限らず、当
初から、平板状に形成されたものでも良い。
【0040】また、第1及び第2実施例においては、裸
の導電性線材を用いる場合について述べたが、隣接電極
間の短絡を確実に防止するために絶縁被覆された導電性
線材を用いても良い。これに対して、第3実施例の縦糸
・横糸の導電性線材には絶縁被覆された導電性線材を用
いる場合について述べたが、縦糸・横糸のいずれか一方
は、必要に応じて、裸の導電性線材を用いても良い。
の導電性線材を用いる場合について述べたが、隣接電極
間の短絡を確実に防止するために絶縁被覆された導電性
線材を用いても良い。これに対して、第3実施例の縦糸
・横糸の導電性線材には絶縁被覆された導電性線材を用
いる場合について述べたが、縦糸・横糸のいずれか一方
は、必要に応じて、裸の導電性線材を用いても良い。
【0041】また、上述に実施例においては、絶縁性繊
維として、例えば、軟質ポリ塩化ビニル系、ポリエステ
ル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリイミド
系の合成繊維を用いる場合について述べたが、これらに
限らず、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリアクリル
ニトリル系(アクリル繊維)、ポリビニルアルコール
系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリフッ化エチレン系の合
成繊維を用いても良い。また、合成繊維に限らず、天然
繊維でも良い。同様に、上述の実施例においては、電極
織物を挟持する絶縁性フィルムとして、例えば、ポリプ
ロピレンフィルム、軟質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ
イミドフィルムを用いる場合について述べたが、これら
限らず、ポリアミドフィルム、ポリウレタンフィルム、
ポリアクリルニトリルフィルム、ポリビニルアルコール
フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリフッ化エ
チレンフィルム等を用いても良い。
維として、例えば、軟質ポリ塩化ビニル系、ポリエステ
ル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリイミド
系の合成繊維を用いる場合について述べたが、これらに
限らず、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリアクリル
ニトリル系(アクリル繊維)、ポリビニルアルコール
系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリフッ化エチレン系の合
成繊維を用いても良い。また、合成繊維に限らず、天然
繊維でも良い。同様に、上述の実施例においては、電極
織物を挟持する絶縁性フィルムとして、例えば、ポリプ
ロピレンフィルム、軟質ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ
イミドフィルムを用いる場合について述べたが、これら
限らず、ポリアミドフィルム、ポリウレタンフィルム、
ポリアクリルニトリルフィルム、ポリビニルアルコール
フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリフッ化エ
チレンフィルム等を用いても良い。
【0042】また、上述の実施例においては、移動子
が、抵抗体層と絶縁体層との積層体からなる場合につい
て述べたが、これに限らず、適宜、抵抗体層又は絶縁体
層は省略しても良く、あるいは、導電体層又は半導体層
を付加しても良い。例えば、PETフィルム等の誘電体
フィルムにカーボン等の導電性不純物をドーピングして
得られる高抵抗性誘電体フィルムを移動子として用いて
も良く、あるいは、電界を取り去っても、長い間、分極
状態を保持する誘電体フィルムであれば、ドーピング処
理をするまでもなく、そのまま移動子として用いること
ができる。後者の場合においては、固定子側の電極電荷
によって誘導される電荷は、真電荷ではなく、分極電荷
ではあるが、静電気力を論ずる上では両者は区別されな
い。
が、抵抗体層と絶縁体層との積層体からなる場合につい
て述べたが、これに限らず、適宜、抵抗体層又は絶縁体
層は省略しても良く、あるいは、導電体層又は半導体層
を付加しても良い。例えば、PETフィルム等の誘電体
フィルムにカーボン等の導電性不純物をドーピングして
得られる高抵抗性誘電体フィルムを移動子として用いて
も良く、あるいは、電界を取り去っても、長い間、分極
状態を保持する誘電体フィルムであれば、ドーピング処
理をするまでもなく、そのまま移動子として用いること
ができる。後者の場合においては、固定子側の電極電荷
によって誘導される電荷は、真電荷ではなく、分極電荷
ではあるが、静電気力を論ずる上では両者は区別されな
い。
【0043】また、上述の実施例においては、フィルム
状の移動子を用いる場合について述べたが、これに代え
て、金属、非金属、セラミックス、プラスティックス等
の微粒子(直径100〜500μm)を移動子として搬
送することもできる。
状の移動子を用いる場合について述べたが、これに代え
て、金属、非金属、セラミックス、プラスティックス等
の微粒子(直径100〜500μm)を移動子として搬
送することもできる。
【0044】また、上述の実施例においては、固定子の
片面にのみ移動子が対向配設される場合について述べた
が、この例の固定子は、表裏に区別がないものであるか
ら、両面に移動子を設けることも可能である。このよう
にすれば、片面にのみ移動子を設ける場合に較べて、2
倍の駆動力を抽出し得る。
片面にのみ移動子が対向配設される場合について述べた
が、この例の固定子は、表裏に区別がないものであるか
ら、両面に移動子を設けることも可能である。このよう
にすれば、片面にのみ移動子を設ける場合に較べて、2
倍の駆動力を抽出し得る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の構成に
よれば、簡易な織物技術の転用で、容易に、線状電極を
作成することができる。それ故、半導体作成技術、フレ
キシブルプリント基板技術等を駆使しなくてもすむの
で、製造コストを軽減できる。しかも、導電性線材が円
形であるため、縦横斜め等に気を配りながら配設する必
要がなく、それ故、電極ピッチは、巻取りローラの回転
速度(巻取り速度)等を変えることで、容易にかつ正確
に変更制御できる。このため、位置決め精度や速度精度
の高い静電アクチュエータが簡易に実現できる。また、
固定子は、その主要部が織物組織である故、軽量薄型化
・長尺化が容易である。また、線状電極が、丸まってい
てバリ等の突起がないため、絶縁破壊を回避できる。そ
れ故、高電圧を印加でき、大出力を持続して得ることが
できる。さらにまた、一旦作成された固定子を、この
後、カッター等により、所定の大きさのものに切断・分
割しても、平行に織りあげられた電極が捻れたり、電極
ピッチが乱れる等の不都合な事態を回避できる。それ
故、大量生産が可能となる。
よれば、簡易な織物技術の転用で、容易に、線状電極を
作成することができる。それ故、半導体作成技術、フレ
キシブルプリント基板技術等を駆使しなくてもすむの
で、製造コストを軽減できる。しかも、導電性線材が円
形であるため、縦横斜め等に気を配りながら配設する必
要がなく、それ故、電極ピッチは、巻取りローラの回転
速度(巻取り速度)等を変えることで、容易にかつ正確
に変更制御できる。このため、位置決め精度や速度精度
の高い静電アクチュエータが簡易に実現できる。また、
固定子は、その主要部が織物組織である故、軽量薄型化
・長尺化が容易である。また、線状電極が、丸まってい
てバリ等の突起がないため、絶縁破壊を回避できる。そ
れ故、高電圧を印加でき、大出力を持続して得ることが
できる。さらにまた、一旦作成された固定子を、この
後、カッター等により、所定の大きさのものに切断・分
割しても、平行に織りあげられた電極が捻れたり、電極
ピッチが乱れる等の不都合な事態を回避できる。それ
故、大量生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例である誘導電荷形の静電
アクチュエータの構成を示す斜視図である。
アクチュエータの構成を示す斜視図である。
【図2】同静電アクチュエータの模式的構成を示す模式
的断面図である。
的断面図である。
【図3】同静電アクチュエータを構成する固定子の電極
構造を示す平面図である。
構造を示す平面図である。
【図4】同電極構造を一部拡大して示す一部拡大図であ
である。
である。
【図5】同固定子の電極構造となる電極織物を織るため
に用いられる織機の基本的構成を示す概略構成図であ
る。
に用いられる織機の基本的構成を示す概略構成図であ
る。
【図6】同電極織物の組織を拡大して示す平面拡大図で
ある。
ある。
【図7】同固定子の製造に使用される圧着機の基本的構
成を示す概念図である。
成を示す概念図である。
【図8】同静電アクチュエータの動作原理を説明するた
めの図である。
めの図である。
【図9】この発明の第2実施例である誘導電荷形の静電
アクチュエータの製造方法を説明するための図である
アクチュエータの製造方法を説明するための図である
【図10】この発明の第3実施例である誘導電荷形静電
アクチュエータの構成を示す斜視図である。
アクチュエータの構成を示す斜視図である。
1,24 静電アクチュエータ 2,25 固定子 3 移動子 4a,4b,4c 線状電極 4a',4b',4c' 導電性線材 5 絶縁性フィルム() 6 絶縁性繊維 7 電極織物 8 駆動回路 9 絶縁性フィルム(移動子の構成部分) 10 抵抗体層(移動子の構成部分) 11 織機 12 供給ローラ(織機の構成部分) 13 巻取りローラ(織機の構成部分) 16 圧着機 17 電極ローラ(第1の工程) 18 フィルムローラ(第1の工程) 19 接着剤塗布器(第2の工程) 20 圧着ローラ(第3の工程) 26a,26b,26c 横電極(線状電極) 26d,26e,26f 縦電極(線状電極) 26a',26b',26c',26d',26e',26
f' 導電性線材
f' 導電性線材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するた
めに、請求項1記載の静電アクチュエータは、一方向に
規則的に配列された複数の線状電極を有する固定子と、
該固定子との間に働く静電力によって移動する移動子と
を備えたもので、上記固定子は、上記線状電極である絶
縁被膜付き又は裸の導電骨線材と、絶縁性繊維とが、互
いに縦糸・横糸の関係となって織り込まれた電極織物
と、該電極織物を挟持した状態で、互いに密着固定され
て一体化された一対の絶縁性フィルムとを備えてなるこ
とを特徴としている。
めに、請求項1記載の静電アクチュエータは、一方向に
規則的に配列された複数の線状電極を有する固定子と、
該固定子との間に働く静電力によって移動する移動子と
を備えたもので、上記固定子は、上記線状電極である絶
縁被膜付き又は裸の導電骨線材と、絶縁性繊維とが、互
いに縦糸・横糸の関係となって織り込まれた電極織物
と、該電極織物を挟持した状態で、互いに密着固定され
て一体化された一対の絶縁性フィルムとを備えてなるこ
とを特徴としている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 また、請求項3記載の静電アクチュエー
タは、互いに略直交する二方向にそれぞれ規則的に配列
された複数の線状電極を有する固定子と、該固定子との
間に働く静電力によって移動する移動子とを備えたもの
で、上記固定子は、上記線状電極である絶縁被膜付き又
は裸の導電性線材が、縦糸・横糸となって織り込まれた
電極織物と、該電極織物を挟持した状態で、互いに密着
固定されて一体化された一対の絶縁性フィルムとを備え
てなることを特徴としている。
タは、互いに略直交する二方向にそれぞれ規則的に配列
された複数の線状電極を有する固定子と、該固定子との
間に働く静電力によって移動する移動子とを備えたもの
で、上記固定子は、上記線状電極である絶縁被膜付き又
は裸の導電性線材が、縦糸・横糸となって織り込まれた
電極織物と、該電極織物を挟持した状態で、互いに密着
固定されて一体化された一対の絶縁性フィルムとを備え
てなることを特徴としている。
Claims (6)
- 【請求項1】 一方向に規則的に配列された複数の線状
電極を有する固定子と、該固定子に対向して配設され、
高抵抗率の抵抗体又は/及び誘電体からなる移動可能な
移動子とを備える静電アクチュエータであって、 前記固定子は、前記線状電極である絶縁被膜付き又は裸
の導電性線材と、絶縁性繊維とが、互いに縦糸・横糸の
関係となって織り込まれた電極織物と、該電極織物を挟
持した状態で、互いに密着固定されて一体化された一対
の絶縁性フィルムとを備えてなることを特徴とする静電
アクチュエータ。 - 【請求項2】 請求項1記載の静電アクチュエータの製
造方法であって、 前記導電性線材と前記絶縁性繊維とを、一方を縦糸、他
方を横糸として、互いに織り込むことによって、前記複
数の線状電極が一方向に規則的に並ぶ電極織物を得、得
られた前記電極織物を前記一対の絶縁性フィルムで挟持
し、前記電極織物を間に挟んだ状態で、前記一対の絶縁
性フィルムを、互いに密着固定して一体化して前記固定
子を得ることを特徴とする静電アクチュエータの製造方
法。 - 【請求項3】 互いに略直交する二方向にそれぞれ規則
的に配列された複数の線状電極を有する固定子と、該固
定子に対向して配設され、高抵抗率の抵抗体又は/及び
誘電体からなる移動可能な移動子とを備える静電アクチ
ュエータであって、 前記固定子は、前記線状電極である絶縁被膜付き又は裸
の導電性線材が、縦糸・横糸となって織り込まれた電極
織物と、該電極織物を挟持した状態で、互いに密着固定
されて一体化された一対の絶縁性フィルムとを備えてな
ることを特徴とする静電アクチュエータ。 - 【請求項4】 請求項2記載の静電アクチュエータの製
造方法であって、 該導電性線材を、縦糸・横糸として、織り込むことによ
って、前記複数の線状電極が互いに略直交する二方向に
それぞれ規則的に並ぶ電極織物を得、得られた該電極織
物を前記一対の絶縁性フィルムで挟持し、前記電極織物
を間に挟んだ状態で、前記一対の絶縁性フィルムを、互
いに密着固定して一体化して前記固定子を得ることを特
徴とする静電アクチュエータの製造方法。 - 【請求項5】 長尺の前記電極織物と、一対の絶縁性フ
ィルムとを連続的にかつ離散状態で供給する第1の工程
と、前記一対の絶縁性フィルムの一方又は双方に接着層
を設ける第2の工程と、前記接着層を電極織物側に向け
て、該電極織物の両面に前記一対の絶縁性フィルムを積
層し、得られた積層体をその両側から冷圧処理する第3
の工程とを経て、 前記固定子を連続的に形成することを特徴とする請求項
2又は4記載の静電アクチュエータの製造方法。 - 【請求項6】 前記一対の絶縁性フィルムを前記電極織
物の両面に積層し、得られた積層体をその両面側から加
熱加圧処理することで、前記固定子を形成することを特
徴とする請求項2又は4記載の静電アクチュエータの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3637094A JPH07231679A (ja) | 1994-02-10 | 1994-02-10 | 静電アクチュエータ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3637094A JPH07231679A (ja) | 1994-02-10 | 1994-02-10 | 静電アクチュエータ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07231679A true JPH07231679A (ja) | 1995-08-29 |
Family
ID=12467959
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3637094A Pending JPH07231679A (ja) | 1994-02-10 | 1994-02-10 | 静電アクチュエータ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07231679A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003161844A (ja) * | 2001-11-26 | 2003-06-06 | Japan Science & Technology Corp | 織物構造によるハイブリッド集積回路及びその電子・光集積装置 |
-
1994
- 1994-02-10 JP JP3637094A patent/JPH07231679A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003161844A (ja) * | 2001-11-26 | 2003-06-06 | Japan Science & Technology Corp | 織物構造によるハイブリッド集積回路及びその電子・光集積装置 |
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