JP4030677B2 - 高強度面状発熱体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に耐久性に優れた面状発熱体およびこれを用いた融雪マットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、屋外その他寒冷の場所で使用される用品の保温、道路や建築物出入口の融雪及び凍結防止、室内床暖房、洗面所等での鏡の防曇のための保温等に対応する必要性から面状発熱体の適用の要望が多くなってきている。かかる面状発熱体としては特公昭50−32465号公報、特開昭54−149952号公報、特開平7−302683号に記載されたもの等が知られている。
【0003】
しかしながら、上記の引例に記載されたものに代表される従来の面状発熱体は、ニクロム線等の金属系抵抗体を面状にしたもの、硝子繊維フィラメントにカーボンブラックを付着させたものを織物体にしたもの、硝子繊維織物にカーボンブラックを付着させたもの等であり、これらの電気抵抗体では耐久性、安定性、重さ、厚み等の点で限界があった。また、電源供給のランニングコストが高いという欠点を有していた。
【0004】
また、特開平7−302683号に記載された面状発熱体は、経糸として電極用導体と硝子繊維を、緯糸として炭素繊維と硝子繊維を織り込んだ織物体からなるものである。かかる面状発熱体は、織物体自身が補強材の役割も果たしているため、面状発熱体を施工する工程、あるいは施工後に過大な力が加わった場合に織物体が損傷を受け、断線する場合があった。また、これを防ぐために織物体の目付を高くしようとすると、製織時に炭素繊維が損傷を受け、断線または発熱異常を起こすという問題を有するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述したような従来の面状発熱体の問題点を改善し、特に、耐久性、安定性に優れ、軽量、薄厚で取り扱いの簡易な面状発熱体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明にかかる第1の発明は、経糸として電極用導体と硝子繊維を、緯糸として炭素繊維と硝子繊維を織り込んだ織物体を、絶縁性樹脂で被覆した面状発熱体用シートにおいて、少なくとも、経糸が電極用導体である部分の織組織が、隣接した複数本の経糸が緯糸に対して同時に浮沈し、隣接した複数本の緯糸が経糸に対して同時に浮沈するななこ織であることを特徴とする面状発熱体用シートである。
【0007】
第2の発明は、第1の発明の前記面状発熱体において、電極用導体が、銅線であることを特徴とするものである。
【0008】
第3の発明は、前記電極用導体が、銅線であり、且つ前記絶縁性樹脂がエポキシ樹脂であることを特徴とするものである。第4の発明は、第1乃至第3の発明の面状発熱体用シートと、回路形成用電極と、絶縁性補強材とからなることを特徴とする面状発熱体である。
【0009】
第5の発明は、第4の発明の前記面状発熱体において、前記絶縁性補強材がゴムであり、ゴムで面状発熱体全面を被覆したことを特徴とする面状発熱体である。
【0010】
また、第6の発明は、前記ゴムが、エチレン−プロピレンゴムであることを特徴とする第5の発明の面状発熱体である。
【0011】
第7の発明は、前記絶縁性補強材がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする第5の発明の面状発熱体である。
【0012】
第8の発明は、第4乃至第7の面状発熱体を敷設して融雪する事を特徴とする融雪マットである。
【0013】
本発明は、経緯に絶縁用硝子繊維を織り、経方向に電極用の導体を織り込むと共に、緯方向に発熱用の炭素繊維を電気抵抗体として、所定間隔毎に織り込んだ発熱体本体と、前記硝子繊維、前記導体及び前記炭素繊維とを結合被覆させる絶縁性樹脂からなる結合剤を含む面状発熱体用シートにおいて、少なくとも、経糸が電極用導体である部分の織組織が、隣接した複数本の経糸が緯糸に対して同時に浮沈し、隣接した複数本の緯糸が経糸に対して同時に浮沈するななこ織であることを特徴とするものである。
【0014】
織物の組織は、ある1区割りの組織を繰り返して構成されており、この1区割りを本明細書においては完全組織と言い、その糸本数とは、完全組織を形成する経糸及び緯糸の糸数のことを言う。つまり、完全組織の糸本数は、2以上の整数値で表され、具体的には、完全組織の糸本数2本とは平織のことを指し、3本以上とは平織以外の織組織のことを指す。本発明では、少なくとも、経糸が電極用導体である部分の織組織を、隣接した複数本の経糸が緯糸に対して同時に浮沈し、隣接した複数本の緯糸が経糸に対して同時に浮沈するななこ織としている。ななこ織は、完全組織の糸本数で言うと経糸、緯糸とも4本以上となる。
【0015】
少なくとも、経糸が電極用導体である部分の織組織を、隣接した複数本の経糸が緯糸に対して同時に浮沈し、隣接した複数本の緯糸が経糸に対して同時に浮沈するななこ織とする目的は、高強度即ち、高目付の面状発熱体用シートを作製する際、電極用導体が炭素繊維を損傷し、断線させることを防ぐことにある。
【0016】
詳細に説明すると、本発明の面状発熱体は、面状発熱体用シート自体が補強材の役割も兼ねている場合が多いため、面状発熱体用シートを高強度にする、即ち面状発熱体用シートの目付を高くすることが望ましい。また、面状発熱体用シートは、絶縁性補強材で覆われて使用されるが、絶縁性補強材がゴム等の場合、成形時に面状発熱体用シートに過大な力が加わり、シートが破損し、断線を起こす事がある。このような断線を防ぐ意味からも、面状発熱体用シートの目付を高くすることが好ましい。
【0017】
面状発熱体用シートの目付を高くするには、織り込む糸を太番手とするか、織密度を高くすることにより達成できるが、太番手糸を使用すると、糸の屈曲が大きくなり、製織の際、糸にダメージを与える。また、織密度を高くした場合は、屈曲が大きくなると同時に、面積当たりの布地の面積(糸の占める面積)の割合が大きくなり、特に、電極用導体と炭素繊維が接触する部分が損傷を受けやすくなる。本発明は、少なくとも、経糸が電極用導体である部分の織組織を、隣接した複数本の経糸が緯糸に対して同時に浮沈し、隣接した複数本の緯糸が経糸に対して同時に浮沈するななこ織とすることにより、経糸及び緯糸の屈曲部(布の下面から上面へ、或いは上面から下面へ移行するために屈曲した部分)の個数を少なくでき、電極用導体が、炭素繊維を損傷し、断線させることを防ぐことができる。
【0018】
少なくとも、経糸が電極用導体である部分とする理由は、最もダメージを受け易い電極用導体と炭素繊維の接触部分の損傷をなくするという目的を達成するためである。つまり、経糸が電極用導体でない部分の織組織はななこ織である必要はなく、平織(完全組織の糸本数2本)である方が、織組織がしっかりしている為に、糸の解れがないなど、織物の形状安定性に優れていて好ましい。
【0019】
上記の観点から考えて、本発明に用いる面状発熱体は硝子繊維と炭素繊維のからなる部分の目付が260g/m2以上の織物であることが望ましく、かかる目付は太い繊維を用いて達成しても、細い繊維を高密度で織り込んで達成してもかまわない。
【0020】
本発明における発熱体用シートの電極用の導体には銅線が使用されるが、銅線は異種の金属によりメッキされた物を使用するのが好ましく、スズでメッキされた銅線を使用することがさらに好ましい。
【0021】
また、電気抵抗体には、連続フィラメント状炭素繊維が使用される。連続フィラメント状炭素繊維の使用は、連続フィラメント状炭素繊維が長い連続体であるため、カーボンブラックや炭素繊維の短繊維の使用におけるような電気抵抗の変化がなく、屋外や高湿度環境でも耐えることができる。また、炭素繊維による発熱のため、遠赤外線の放射率が大きく、輻射熱が強い。
【0022】
前記電極用導体及び前記電気抵抗体を織り込む硝子繊維織物は、連続フィラメント状硝子繊維を経緯方向に製織した織物であり、該織物の経方向に電極用導体、緯方向に発熱用の炭素繊維を所定の間隔で織り込むことができる。硝子繊維はそれ自体が絶縁性であり、通電時に短絡の恐れがなく、緯糸打ち込みの所定本数毎に炭素繊維を打ち込むことにより、炭素繊維の位置決めが容易となる。
【0023】
本発明において発熱体用シートは、絶縁性樹脂で固定されており、絶縁性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコンゴム等の熱硬化性樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
また、発熱体用シートを絶縁性樹脂により固定する方法は任意であり、例として、絶縁性樹脂を含有する溶液もしくは分散物を浸漬、噴霧、もしくは、はけ塗り等によって発熱体用シートに含浸させる方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
好ましい方法を例示すると、絶縁性樹脂を含有する溶液に発熱シートを浸漬し、引き上げた後60〜200℃で0.5〜10分間乾燥する。樹脂の含有量は、繊維及び樹脂の合計重量に対して5〜60重量%、特に10〜50重量%にするのが好ましい。
【0026】
前記発熱体用シートの電極用導体をシートの両端付近で織り込むと共に、その導体を交互に等間隔で切断して遮断した切断部を備え、回路を組むことにより、任意の抵抗値及び発熱量を有した発熱シートを得ることができる。
【0027】
得られた発熱体用シートは、両面を絶縁性のゴムまたはフィルムで被覆することにより、絶縁性、温度均一性及びシートの耐久性がさらに向上する。ここで、絶縁性のゴムまたはフィルムには、エチレン−プロピレンゴム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリ塩化ビニル(PVC)フィルム、ポリカーボネート(PC)フィルム等、用途に応じ適宜選択して使用できるが、軽量で効率的な加熱を要求される用途にはPETフィルムが特に好ましく、屋外の用途には、熱、光、酸素、オゾンに抜群の抵抗性を示すエチレン−プロピレンゴムを使用するのが、特に好ましい。また、絶縁性のゴムまたはフィルムの素材を選択することにより、加熱の対象物と発熱体用シートの剥離性を付与することもできる。さらに、絶縁性のゴムまたはフィルムと発熱体用シートの間に金属箔等の熱を反射する性質のものを挿入することにより、片面のみを効率的に加熱することが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明に好適な例をあげて、さらに詳しく説明する。
【0029】
図1は、この発明による面状発熱体用シートの一例の説明図であり、図2は、図1の発熱体用シートを用いた面状発熱体の一例を示す斜視図である。面状発熱体用シート1は、硝子繊維2、炭素繊維3、電極用導体4を紡織したものであり、さらに、これを絶縁性樹脂で被覆したものである。硝子繊維2を経糸、緯糸として織り上げると共に、所定間隔で炭素繊維3を緯糸として織り込み、さらに両端に電極となる電極用導体4を経糸として織り込んである。従って、炭素繊維3と炭素繊維3の間は、硝子繊維2が布状に形成されるので、位置決めされて動くことはなく、完全に絶縁される。また、炭素繊維2と両端の電極用導体4とは、密着して電気的な接続がなされる。
【0030】
図2は、本発明の実施例1に示す面状発熱体用シートの要部拡大図である。図に示した織組織は、経糸が電極用導体4である部分の完全組織の糸本数を6本(経糸3本、緯糸2本が同時に浮沈するななこ織)、経糸が硝子繊維2である部分の完全組織の糸本数を2本(平織)としたが、経糸が電極用導体4である部分の織組織がななこ織であれば、これに限らない。
【0031】
さらに、図3に示すように、図1の面状発熱体用シートの両端の電極用導体4の部分に、交互に切断部5A、5Bを形成して、電極4A、4B、4Cとし、電極4A、炭素繊維群3A、電極4B、炭素繊維群3B、電極4C、炭素繊維群3Cと電気回路を形成する。そして、さらに二つの回路形成用端子6、6を設けて、一方の端子を電極4Aの一端に接続し、もう一方の端子を電極4Dの一端に接続して回路を構成する。これが面状発熱体9である。ここで、切断部の数、電極の数、炭素繊維群の数は適宜設定する。
【0032】
このように、本発明の面状発熱体用シートは、絶縁用の硝子繊維と、発熱用の炭素繊維と、導体を織り込むと共に、硝子繊維、炭素繊維及び導体を絶縁性樹脂によって固定してあるので、各炭素繊維間及び炭素繊維と導体の位置決め及び固定が容易にできる。また、連続フィラメント状炭素繊維は、金属の抵抗体やカーボンブラック系抵抗体とは違い、電気抵抗の変化がなく、遠赤外線の放射率が大きいため輻射熱が強い。また、炭素繊維及び硝子繊維が補強材としての機能も有しているため、耐久性に優れ、軽量、薄厚な発熱シートを得ることができる。
【0033】
さらに、電極用導体に異種の金属によりメッキされた銅線、特にスズでメッキされた銅線を用いることにより、導体と絶縁性樹脂との接着性が向上し、発熱体用シートを絶縁性のゴムやフィルムで加工する際の加工条件、或いは過酷な条件下での長期使用等で発生する、導体と絶縁性樹脂の剥離を防止することができる。特に絶縁性樹脂としてエポキシ樹脂を使用した場合、導体としてスズでメッキされた銅線を用いると剥離防止効果は大きい。これは、銅線の表面をスズでメッキすることによりエポキシ樹脂との接着面積を大きくすると共に、銅線の表面の凹凸形状がエポキシ樹脂との結合を強固にするためである。
【0034】
また、電極用導体をシートの両端付近で織り込むとともに、その導体を交互に等間隔で切断して遮断した切断部を備えたことにより、同一の発熱体用シートから任意の抵抗値及び発熱量を有した発熱シートを得ることができる。さらには、発熱用の炭素繊維を織り込む間隔を予め調整することにより、所望の大きさで、所望の発熱量を有する発熱シートを自由に得ることができる。
【0035】
また、発熱体用シートは、絶縁性のゴムあるいはフィルムで被覆することにより、絶縁性、温度均一性及びシートの耐久性がさらに向上する。さらに、絶縁性のゴムまたはフィルムの素材を選択することにより、加熱の対象物と発熱体用シートの剥離性を付与することもできる。また、ゴムで被覆することにより、完全防水となり、荷重に耐えることができるため、屋外での使用に好適となる。また、滑らないから、この上を人が歩くことも可能となり、融雪マットとして最適である。具体的に、融雪マットとして使用するには、図1の回路形成用端子に取り付けたコンセントを一般家庭用電源に接続し、建築物の出入り口や階段等に敷設すれば良いので、非常に簡易である。特に絶縁性ゴムとして、エチレン−プロピレンゴムを使用すると、熱、光、酸素、オゾンに抜群の抵抗性を示す耐久性に優れた面状発熱体を得ることができるので、屋外で用いる融雪マットとして好適である。
【0036】
一方、PETフィルムで積層した場合は、軽量、薄厚で加熱効率の高い面状発熱体を得ることができる。
【0037】
【実施例】
(実施例1)
面状発熱体用シート1に用いる織物体において、炭素繊維3として、450Ω/mの抵抗値を有している、トレカT300(商品名、フィラメント数1000本:東レ社製)を使用し、炭素繊維3の本数が96本になるように、幅0.721m×1.8mに織り上げた。また、電極用導体4として直径0.16mmのスズメッキ銅線、硝子繊維2としてEガラス繊維(フィラメント直径9μm、135tex:日本電気硝子社製)を使用した。織組織は、経糸が電極用導体4である部分の完全組織の糸本数を6本(経糸3本、緯糸2本が同時に浮沈するななこ織)、織密度を90本/25mmとし、経糸が硝子繊維2である部分の完全組織の糸本数を2本(平織)、織密度を30本/25mm、緯糸密度は27本/25mmとした。この発熱体用シート1は、両端のロス部30mmと両端の電極部分24mmを有しているために、有効寸法は667mmとなり、炭素繊維3の1本当たりの抵抗値は、450Ω×0.667=300Ωとなる。
【0038】
この発熱体用シート1は、長さが1.8mの場合に、炭素繊維3の本数が96本で、図2のような3回路構成にしたとき、32本/回路となり、発熱体用シート1の抵抗値は、300Ω/32本×3回路=28.1Ωとなる。一般家庭用電源の100Vの電圧を印加した場合に、その電流は、100V/28.1Ω=3.56Aとなる。従って、発熱体用シート1は、1枚当たりの容量が100V×3.56A=356Wとなる。また、ワット密度は356W/(1.8m×0.721m)=274W/m2となり、熱量は、274W/m2×10−3×860=236kcal/m2hとなる。
【0039】
また、この織物体の硝子繊維と炭素繊維の部分の目付は304g/m2であった。
【0040】
この織物体をエポキシ樹脂で被覆して、面状発熱体用シート1とする。
【0041】
前記面状発熱体用シートに回路形成用電極を取り付けた後、シラン系プライマーを塗布し、エチレン−プロピレンゴムを両面から挟んだ後、加熱・加圧により被覆一体成形し、耐久性、安定性に優れ、軽量、薄厚の面状発熱体を得ることができた。
【0042】
(実施例2)
実施例1と同様に面状発熱体用シートを得て、回路形成用電極を取り付けた。これにエポキシ樹脂を塗布した後、その両面からPETフィルムを積層し、加熱・加圧によりエポキシ樹脂を硬化させて、軽量、薄厚の面状発熱体を得ることができた。
【0043】
(比較例1)
経糸が電極用導体4である部分の完全組織の糸本数を2本(平織)にした以外は、実施例と同様にして面状発熱体用シートを得た。得られた面状発熱体用シートは、製織時に炭素繊維3が損傷を受け、断線を起こしているため発熱体として不適であった。
【0044】
(比較例2)
経糸が電極用導体4である部分の完全組織の糸本数を2本(平織)にし、緯糸密度を17.1本/25mmとした以外は、実施例と同様にして面状発熱体用シートを得た。尚、この面状発熱体用シートを得るために使用した織物体の硝子繊維と炭素繊維の部分の目付は250g/m2であった。得られた面状発熱体用シートにシラン系プライマーを塗布し、エチレン−プロピレンゴムを両面から挟んだ後、加熱・加圧により被覆一体成形した面状発熱体を得たが、成形時に面状発熱体用シートが損傷を受け、炭素繊維3が断線を起こしているため発熱体として不適であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明の面状発熱体は、耐久性、安定性、熱効率、防水性、可撓性に優れ、軽量、薄厚で取り扱いが簡易なため、道路、玄関及び屋根の融雪及び凍結防止、その他寒冷の場所で使用される用品の保温、土木工事現場でのセメントやエポキシ樹脂の硬化・養生、室内床暖房、洗面所等での鏡の防曇のための保温等、広範囲に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の面状発熱体用シートを構成する織物体の構成図である。
【図2】 本発明の面状発熱体用シートを構成する織物体の構成図である。
【図3】 本発明の面状発熱体の説明図である。
【図4】 本発明の面状発熱体の他の例の説明図である。
【図5】 図4におけるA−A方向の断面図である。
【符号の説明】
1 面状発熱体用シート
2 硝子繊維
3 炭素繊維
4 電極用導体
5 切断部
6 回路形成用端子
7 絶縁性補強材
8 面状発熱体

Claims (8)

  1. 経糸として電極用導体と硝子繊維を、緯糸として炭素繊維と硝子繊維を織り込んだ織物体を、絶縁性樹脂で被覆した面状発熱体用シートにおいて、少なくとも、経糸が電極用導体である部分の織組織が、隣接した複数本の経糸が緯糸に対して同時に浮沈し、隣接した複数本の緯糸が経糸に対して同時に浮沈するななこ織であることを特徴とする面状発熱体用シート。
  2. 前記電極用導体が、銅線であることを特徴とする請求項1記載の面状発熱体用シート。
  3. 前記電極用導体が、銅線であり、且つ前記絶縁性樹脂がエポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載の面状発熱体用シート。
  4. 請求項1乃至3記載の面状発熱体用シートと、回路形成用電極と、絶縁性補強材とからなる面状発熱体。
  5. 請求項4記載の面状発熱体において、前記絶縁性補強材がゴムであり、ゴムで面状発熱体全面を被覆したことを特徴とする面状発熱体。
  6. 前記ゴムが、エチレン−プロピレンゴムであることを特徴とする請求項5記載の面状発熱体。
  7. 前記絶縁性補強材がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項4記載の面状発熱体。
  8. 請求項4乃至7記載の面状発熱体を敷設して融雪することを特徴とする融雪マット。
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