JP2015061509A - 表面上でマイクロ物体を操作する間に静摩擦を抑える方法 - Google Patents

表面上でマイクロ物体を操作する間に静摩擦を抑える方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面上でマイクロ物体を操作する間、静摩擦を抑えるシステムおよび方法を提供する。【解決手段】このシステムおよび方法は、マイクロ物体と表面の間の静摩擦に少なくとも部分的に打ち勝つための周波数および振幅で駆動力を生成するよう設定される電界生成器を用いる。この電界生成器は、2次元の表面上でマイクロ物体を操作するための操作力を生成するようさらに設定される。この操作力は、空間的にプログラム可能である。【選択図】なし

Description

本出願は、一般にマイクロ組立体に関する。本出願により、マイクロ組立体を製造するために用いる、マイクロ組立て技術と併せた特定の応用例が発見され、これを具体的に参照して説明する。しかし、本出願はその他の同様の用途にも適用可能であることは言うまでもない。
マイクロ組立てとは、マイクロ物体をマイクロ組立体に組み立てることに関する。マイクロ物体とは、一般に数ミクロンから数百ミクロンのサイズ(例えば、長さ、幅または面積が1ミクロン〜500ミクロン)を有する物体であり、その中には、例えば、マイクロチップも含まれる。マイクロ組立体に関するある技術では、静電場または磁場を用いて、マイクロ物体を操作する。この技術では、まず静電的または磁気的にパターンがマイクロ物体上で符号化される。その後、電場または磁場内でマイクロ物体を操作するためにこのパターンが用いられる。これらのパターンは、生物学的分子認識と同様に、マイクロ物体を特定するために、かつ/または、照合するためにも用いられる。
上記の技術に関する1つの課題は、静摩擦の影響下で正確にマイクロ物体を動かすことである。静摩擦とは、2つの接触面の間の分子間力から生じる、静的摩擦の係数と動的摩擦の係数との差である。静摩擦の存在下でマイクロ物体を動かそうとするとき、大抵の場合、最初の動作で必要とする力が、動作を維持するのに必要な力より著しく大きくなる。その結果、静摩擦の影響下でマイクロ物体の位置に対して微調整を行おうとすると、大抵の場合、リンギング現象、行き過ぎ、および制御の不安定さが生じる。
マイクロ物体のパターン化に関する上記の技術にはもう1つ課題がある。パターン化に関しては、正または負の電荷をマイクロ物体上に蓄積可能な誘電性の添加物などの化学的手段に基づく技術、コロナ帯電などの物理的手段に基づく技術を含む、様々な技術が存在する。今日広く使用されている既知の技術は、2つの別々のグループに分けることができる。第1のグループでは、Gyricon二色球体が用いられ、このGyricon二色球体が電解質内を浮遊するときに、2つの半球面の異なるゼータ電位により双極子を発生させる。第2のグループでは、反対の極性で帯電した2種類の粒子からなる電気泳動インクが用いられる。これらの2つのグループのうちの知られている例は、化学薬剤の異なる酸性度レベルに基づく陽子交換を用いるとみられている。さらに、これらの例のうちのいくつかは、摩擦帯電に基づくとみられている。しかし、電解質を用いる摩擦帯電および陽子交換は、いくぶん制御が難しく、電解質内に浸水させることでイオンスクリーニングによる問題が生じる。
米国特許出願公開第2009/0218260号明細書には、上記の技術を用いるマイクロ組立装置が開示されている。このマイクロ組立装置は、平面電極アレイを用いて、パターン化されたマイクロ物体を中間基板の上で配置・方向付けする。その後、平坦化と配線を行うためにこのマイクロ物体を最終基板に移す。このマイクロ組立装置は、基板に恒久的に取り付けるための電極アレイを必要とし、その基板上でマイクロ物体が操作され、したがって、中間基板と最終基板の両方を必ず必要とする。
本出願により、上記の技術を改善し、かつ上記の課題に対処する、新規で改良された方法およびシステムが提供される。
本出願の一様態に従って、マイクロ物体を操作するシステムを提供する。このシステムは、その上でマイクロ物体が操作される表面と、電界生成器とを含む。この電界生成器は、マイクロ物体と表面の間の静摩擦に少なくとも部分的に打ち勝つための周波数および振幅で駆動力を生成するよう設定される。さらに、この電界生成器は、2次元のこの表面上でマイクロ物体を操作するための操作力を生成するよう設定される。操作力は、空間的にプログラム可能である。
本出願の別の様態に従って、マイクロ物体を操作する方法を提供する。マイクロ物体と、その上でマイクロ物体が操作される表面との間の静摩擦に少なくとも部分的に打ち勝つための周波数および振幅で駆動力が生成される。さらに、2次元のこの表面でマイクロ物体を操作するための操作力が生成される。この操作力は、空間的にプログラム可能である。
図1は、マイクロ物体からマイクロ組立体を形成するシステムおよび方法を示すハイレベル図である。 図2Aは、帯電パターン化されたマイクロ物体を示す側面図である。 図2Bは、図2Aの帯電パターン化されたマイクロ物体を示す上面図である。 図3Aは、マイクロ物体を電場にさらすシステムを示す側面図である。 図3Bは、図3Aのシステムを示す上面図である。 図4は、マイクロ物体を光にさらすシステムを示す図である。 図5は、単一のダイオードで構成される整流装置を用いてパターン化されるマイクロ物体を示す図である。 図6は、直列に接続された2つのダイオードで構成される整流装置を用いてパターン化されるマイクロ物体を示す図である。 図7は、静電場を用いてパターン化されるマイクロ物体を示す図である。 図8は、図5を表す回路と、その回路内の複数のポイントの表面電位をシミュレーションしたグラフと、を示す図である。 図9は、その中で実効電荷を生成可能なマイクロ物体を示す図である。 図10は、図9を表す回路と、その回路内の複数のポイントの表面電位をシミュレーションしたグラフと、を示す図である。 図11は、接続電極と基板の間に延在する整流装置を用いてパターン化されるマイクロ物体を示す図である。 図12は、図11を表す回路と、その回路内の複数のポイントの表面電位をシミュレーションしたグラフと、を示す図である。 図13は、複雑な帯電パターンを生成可能なマイクロ物体を示す図である。 図14は、複雑な帯電パターンを生成可能な別のマイクロ物体を示す図である。 図15は、対向する外面全体に渡ってパターン化されるマイクロ物体を示す図である。 図16は、対向する外面全体に渡ってパターン化される別のマイクロ物体を示す図である。 図17は、正と負の値を超えた電荷の範囲でパターン化されるマイクロ物体を示す図である。 図18は、正と負の値を超えた電荷の範囲でパターン化される別のマイクロ物体を示す図である。 図19は、マイクロ物体内のダイオードを示す図である。 図20は、マイクロ物体内の別のダイオードを示す図である。 図21は、電場を生成するための電極アレイを用いた、マイクロ物体の動きを示す図である。 図22は、図21の電極アレイを駆動させる信号を示すグラフでる。 図23は、高周波数の駆動力が低周波数の操作力に重なって複合力(composite force)を生成する様子を示すグラフである。 図24は、操作力に重なる駆動力の効果を示すグラフである。 図25は、中間基板を用いて、マイクロ物体を最終基板に配置・方向付けするシステムを示す図である。 図26は、静止した電極アレイを用いて、マイクロ物体を最終基板に直接、配置・方向付けするシステムを示す図である。 図27は、移動する電極アレイを用いて、マイクロ物体を最終基板に直接、配置・方向付けするシステムを示す図である。 図28は、マイクロ組立体を完成させるための後処理システムを示す図である。
図1を参照して、マイクロ物体16からマイクロ組立体14を形成するシステム10および方法12のハイレベル図が示されている。各マイクロ組立体14は、1つ以上のマイクロ物体16から形成される。さらに、マイクロ組立体14の各マイクロ物体16は、マイクロ組立体14のその他のマイクロ物体16と選択した関係を保ちながら、配置・方向付けされる。マイクロ物体16は、一般に数ミクロンから数百ミクロンのサイズ(例えば、全長および/または幅で、1ミクロン〜500ミクロン)を有し、例えば、このマイクロ物体16には、マイクロチップが含まれ得る。さらに、一般的な製造技術を用いて、このマイクロ物体16を製造する。
図示する通り、マイクロ組立装置18はマイクロ物体16を受け取り、このマイクロ物体16からマイクロ組立体14を形成する。マイクロ組立体14を形成するための方法12には、マイクロ物体16を、パターンで個々に符号化するステップ20が含まれる(すなわち、マイクロ物体16をパターン化するステップ)。パターン化した後、電場または磁場などの力を生成する電界を用いて、これらのマイクロ物体16を、互いに選択した関係を保ちながら最終基板上に配置・方向付けする(22)。最終的な配置・方向付けの終了後、これらのマイクロ物体16には後処理24が施されて、マイクロ組立体14が完成する。
図1に説明を加えて、これより先、構成要素の動作をより詳細に説明する。この処理は、マイクロ物体16を操作するために用いられるパターンで、マイクロ物体16を符号化(20)することから始まる。マイクロ物体のパターンとは、1つ以上の磁極または電極のパターンのことである。磁場内のマイクロ物体16を操作するために磁気パターンが用いられ、電場内のマイクロ物体16を操作するために帯電パターンが用いられる。さらに、生物学的分子認識と同様に、これらのパターンを用いて、マイクロ物体16を特定することができる、かつ/または、照合することができる。マイクロ物体16のパターンは、そのマイクロ物体16に対して一意であり得る、あるいはマイクロ物体のタイプ、または特定のマイクロ組立体14を形成するマイクロ物体のグループなど、そのマイクロ物体16が属するグループに対して一意であり得る。
マイクロ物体16をパターンで符号化するためには、いくつもの周知の技術を用いることができる。これらの技術には、マイクロ物体16上に正のまたは負の電荷を蓄積させることができる誘電性の添加物などの化学的手段に基づく技術、およびコロナ帯電などの物理的手段に基づく技術が含まれる。例えば、反対に帯電した2つのタイプの粒子からなる電気泳動インクを用いてマイクロ物体16上に帯電パターンを生成することが可能である。
いくつかの実施形態では、2012年10月15日出願のChowらによる「Microchip Charge Patterning」と題する米国特許出願第13/652,194号明細書(代理人整理番号第20110482−US−NP−9841−0255号)に従った、帯電パターンで、マイクロ物体16が符号化され、上記の明細書を参照することにより、本明細書に組み込まれるものとする。そのような実施形態では、マイクロ物体16には材料堆積物が含まれ、帯電する際、この材料堆積物により帯電パターンが画定される。例えば、電荷が発生する液体内に材料堆積物を入れることにより、あるいは、コロトロンなどの外部装置を用いることにより、材料堆積物が堆積する前後にこの材料堆積物を帯電させることは可能である。
図2Aおよび図2Bには、米国特許出願第13/652,194号明細書に従った帯電パターン化されたマイクロ物体50の一例が示されている。図2Aには、帯電パターン化されたマイクロ物体50の側面図が示され、図2Bには、帯電パターン化されたマイクロ物体50の上面図が示されている。この帯電パターン化されたマイクロ物体50には、基板52と、その第1の面56がこの基板52と接する絶縁層54と、第1の面56の裏側である絶縁層54の第2の面60上に配置される1つ以上の材料堆積物58とが含まれる。この基板52には、電子部品などのマイクロ物体50の部品が載せられており、これらのマイクロ物体50の部品は、絶縁層54により材料堆積物58から保護されている。帯電するときに、これらの材料堆積物58により、帯電パターン(「−++−+−」と示す)が画定される。
米国特許出願第13/652,194号明細書の代替案として、いくつかの実施形態では、整流装置を用いることにより、このマイクロ物体16を帯電パターンで符号化する。このような実施形態では、マイクロ物体16にはそれぞれ、1つ以上の整流装置が含まれ、これらの各整流装置は通常少なくとも1つの接続電極に接続する。この整流装置(ダイオードまたはバリスタなど)は、非対称性電流−電圧(I−V)挙動(すなわち、非線形反応曲線)を示す装置ならどの装置でもよく、接続電極は、電荷を蓄積することができる領域ならどの領域でもよい。これらの接続電極は、通常、マイクロ物体16上で水平に配置され、これらの各接続電極は明示的接続電極または暗示的接続電極のどちらかでよい。明示的接続電極とは、電荷を蓄積するための明示的に画定された領域であり、暗示的接続電極とは、電荷を蓄積するために明示的に画定されてはないが、にもかかわらず電荷が蓄積される領域である。
整流装置を用いてマイクロ物体16をパターン化するために、帯電システムが電荷を誘導して整流装置の中を流す。この帯電システムは、整流された電荷蓄積を実現する、すべての帯電技術を用いることができる。例えば、マイクロ物体16の整流装置がフォトダイオードの場合、この帯電システムは、フォトダイオード上に光線を入射させることにより、整流された電荷蓄積を誘導することができる。その他の例として、マイクロ物体16の整流装置が通常のダイオードの場合、マイクロ物体16の動作と組み合わせた直流(DC)の電場、または交流(AC)の電場などの、マイクロ物体16に関連して(ランダムにまたは周期的に)交番する電場により、この帯電システムの電界生成器が整流された電荷蓄積を誘導することができる。別の例として、この電界生成器は、磁場により、整流された電荷蓄積を誘導することができる。通常、電場または磁場は、それぞれ電極またはコイルの平面アレイにより生成される。さらに、通常、電場または磁場は、それぞれ静電結合または磁気結合により、電荷蓄積を誘導する。
図3Aおよび図3Bを参照して、マイクロ物体102を電場または磁場にさらすためのシステム100について説明する。図3Aには、システム100の側面図が示され、図3Bには、システム100の上面図が示されている。必要というわけではないが、このシステム100を帯電システムとして使用することができる。さらに、このシステム100を、操作システムとして使用することができることは理解されよう。
このシステム100は、マイクロ物体102を取り囲む流体104(例えば、純粋な誘電性液または空気)と、1つ以上の電極またはコイル108からなる平面アレイ106と、を含む。電場を生成するためにシステム100を用いる場合、この平面アレイ106は電極を含み、一方、磁場を生成するためにシステム100を用いる場合、この平面アレイ106はコイルを含む。電極またはコイル108は、図示するマルチチャネルアンプなどの1つ以上のプログラム可能電源110により制御されて、電場または磁場を生成する。さらに、電極またはコイル108は、通常、図示されている2次元の格子などのように多次元の格子状に配列されている。この電源110は、一般に、電流源または電圧源であるが、光源であってもよい。電源110が光源の場合、電極またはコイル108は感光性材料の電極から形成される。例えば、2010年11月16日出願のLeanらによる「Optically Patterned Virtual Electordes and Interconnects on Polymers and Semiconductive Substrate」と題する米国特許出願第12/947,004号明細書により、このような電極またはコイルが形成可能であり、上記の明細書は、参照することにより本明細書に組み込まれるものとする。平面アレイ106および電源110を組み合わせたものが、電界生成器に相当する。
このシステム100は、マイクロ物体102と平面アレイ106の間に配置される基板112をさらに含む。電場を生成するためにシステム100が用いられる場合、この基板112は、絶縁体であり、重合体、セラミック、または、電場が通過することができる、その他のすべての絶縁材料から形成される。磁場を生成するためにシステム100が用いられる場合、この基板112は、1に近い比透磁率を有する材料である(すなわち、非強磁性または常磁性のものはどれでも)。
図4を参照して、マイクロ物体152を光にさらすシステム150について説明する。必要というわけではないが、このシステム150を帯電システムとして用いることができる。このシステム150は、マイクロ物体152を取り囲む流体154(例えば、純粋な誘電性液または空気)と、このマイクロ物体152を載せた基板156と、を含む。さらに、このシステム150は、マイクロ物体152を光にさらすための1つ以上の光源158を含む。この光源158は、1つ以上の電源160により制御されて、このマイクロ物体152を照射する。さらに、この光源158をマイクロ物体152の周りの異なる位置に配列することができ、かつ/または移動させることもできる。
図5を参照して、整流装置202を用いてパターン化されるマイクロ物体200について説明する。このマイクロ物体200は、マイクロ物体200の構成部品(例えば、電気部品)がその上に配列される基板204と、基板204に接触する第1の面208を有する第1の絶縁体206と、第1の面208の反対側の第1の絶縁体206の第2の面214に接触する2つの接続電極210、212と、接続電極210、212の周り、かつそれらの上の第2の面214に接触する随意的な第2の絶縁体216と、を含む。基板204と、接続電極210、212との間の静電結合は、キャパシタ218、220によりモデル化される。
このマイクロ物体200は、整流装置202をさらに含み、この整流装置202が接続電極210と接続電極212の間に接続されている。図示する通り、この整流装置202はダイオードであるが、整流装置202は必ずしもダイオードである必要はないことは言うまでもない。むしろ、この整流装置202は、非対称の電流−電圧(I−V)挙動を示す装置でありさえすればよい。さらに、この整流装置202は、非対称の電流−電圧(I−V)挙動を示す複数の装置を含むことができる。例えば、図6に示す通り、この整流装置202は、直列に配列される2つのダイオード222、224により形成することもできる。
図5の参照を続けると、このマイクロ物体200は帯電システム226により帯電される。この帯電システム226は、あらゆる方法を用いてマイクロ物体200を帯電させることができるが、それらの方法は一般に、マイクロ物体200の整流装置のタイプに依存する。例えば、整流装置202が通常のダイオードを用いる場合、マイクロ物体200に関連して交番する電場(例えば、図3Aおよび図3Bで議論したような)を生成することにより、この帯電システム226は、整流装置202を通して電荷の流れを誘導することができる。別の例として、整流装置202がフォトダイオードを用いる場合、この帯電システム226は、整流装置202上に入射する光線(例えば、図4で議論したような)を用いて、整流装置202を通して電荷の流れを誘導することができる。
図示する通り、マイクロ物体200をこのマイクロ物体200と関連して交番する電場にさらすことにより、この帯電システム226は、整流装置202を通して電荷の流れを誘導する。電場を生成するためにあらゆる方法を用いることができるが、図3Aおよび図3Bで説明した通り、電場を生成するシステムとしてこの帯電システム226について説明する。したがって、この帯電システム226は、マイクロ物体200を取り囲む空気または誘電性の液体などの流体228と、1つ以上の電圧源236、238により駆動される、複数の電極232、234を含む平面電極アレイ230と、を含む。必要なわけでなないが、図示する通り、隣接する電極の対を反対の極性の電圧源により駆動することができる。この帯電システム226は、マイクロ物体200と電極アレイ230の間に配置される絶縁体240をさらに含む。
電極アレイ230を用いてマイクロ物体200をパターン化する場合、このマイクロ物体200は、電極アレイ230に隣接して配置される。その後、電極アレイ230の電圧源236、238が、帯電信号を用いて、電極232、234を駆動させて、マイクロ物体200に関連して交番する電場を生成する。この交番する電場が、静電結合によりマイクロ物体200を帯電させる。電圧源236、238と接続電極210、212の間の静電結合は、キャパシタ240、242、244、246によりモデル化される。この帯電信号は、ACなどのように通常は交番するが、DCなどのように静的のときもあり得る。この帯電信号が静的であるとき、図7に示す通り、このマイクロ物体200は電極アレイ230に関連して移動する(例えば、倒れる)。
さらに図8を参照すると、マイクロ物体200および帯電システム226を示す回路248が示されている。接続キャパシタ218、220、240、242、244、246に関して、10フェムトファラッド(fF)の電気容量が用いられる。さらに、帯電信号を用いて電極アレイ230を駆動している間およびその後に、回路248内の複数のポイントでシミュレーションした表面電位のグラフ250を示す。各帯電信号は、10キロヘルツ(kHz)の5サイクルバースト、50ボルト(V)の正弦波である。これらのポイントには、1)Cで表示する第1の接続キャパシタ240とCで表示する第3の接続キャパシタ244の中間ポイント、2)Cで表示する第2の接続キャパシタ242とCで表示する第4の接続キャパシタ246の中間のポイント、3)ダイオードDと表示する整流装置202のアノード側のポイントが含まれる。グラフ250を検証すると分かるが、これらの帯電信号は、接続キャパシタ218、220、240、242、244、246を帯電させて平衡DCオフセット値に近づけるのには十分である。
帯電サイクルの最初の0.5ミリ秒(ms)経過後、電圧源236、238(VおよびVで表示される)はゼロに戻る。しかし、約+8Vと約−8Vの異なる静電電位が、マイクロ物体200の外面252の先端に残り、この静電電位を通して接続電極210、212と電圧源236、238が容量結合する。さらに、約±160フェムトクーロン(fC)の格納電荷が、接続電極210、212にそれぞれ残る。整流装置202から主に漏れる有限の漏電電流のため、誘導された電荷は経時的に減衰する。整流装置202がダイオードの場合(図示する通り)、一般に漏電ははずかであり、そのため帯電信号よりも長い多くの時間、誘導された電荷は相当なレベルで十分に維持される。例えば、10のオン/オフ比に対して、一般的な非晶質シリコンダイオードであれば、電荷は約250秒で半分に減衰してしまうであろう。
当技術分野では知られているが、接続電極210、212の誘導された電荷Qは、等式「Q=CV」により、接続電極210、212の電気容量C、および接続電極210、212の電圧Vと関係する。誘導された電荷Qの量を増やすことにより、好都合にも減衰時間および帯電パターンを持続する時間を長くすることが可能である。この電荷Qの量を増やすための方法が非常に多く存在するが、そのうちの1つとして、基板204の材料を選択することで電圧Vを増加させることが挙げられる。
この電圧Vは下記の通り大まかに計算可能である。
Figure 2015061509
尚、V、V、C、C、C、およびCは上記で説明した通りである。Cは第5の接続キャパシタ218を表し、Cは第6の接続キャパシタ220を表す。したがって、第5の接続キャパシタ218および第6の接続キャパシタ220がより小さくなると、接続電極210、212にかけられる電圧Vはより増加する。ガラスまたはサファイヤなどの絶縁基板の場合とは反対に、シリコン(Si)などの導電材料から基板204が形成される場合、第5の接続キャパシタ218および第6の接続キャパシタ220が大きくなると、それにより、基板204が絶縁状態にあるときの電圧Vは大きくなる。
図5〜図7に示す通り、接続電極232は、第2の絶縁体216により周囲環境から隔てられる。これにより、好都合にも、電荷が漏れる経路が最小になり、誘導された電荷の格納可能時間を延ばすことができる。しかし、電荷保存則により、すべての実効電荷を誘導する可能性も取り除かれる。図9には、マイクロ物体200の一実施形態が示され、このマイクロ物体200では実効電荷を誘導することができる。マイクロ物体200のこれまでの実施形態とは対照的に、この実施形態には第2の絶縁体216が含まれ、そしてこの第2の絶縁体216の中には小さい開口254がさらに含まれ、これにより、マイクロ物体200の外部環境(例えば、電荷誘導分子(charge director molecule)を運ぶ誘電性液またはその他のイオン)が接続電極210、212のうちの一方と接触可能となる。
図10を参照して、図9に対応する回路248の実施形態について説明する。この回路248は、小さな開口254を表す抵抗256(Rと表示される)を含む。この抵抗256は、約1011オームという高い抵抗を有し、隣接する電極から接地に至るまで延在する。図10には、この回路248の実施形態に対応するグラフ250の実施形態がさらに示されている。グラフ250を検証すると分かるが、この帯電サイクル最初の0.5ms経過後、電圧源236、238はゼロに戻る。しかし、約+11Vと約−5Vの異なる静電電位が、マイクロ物体200の外面252の先端に残り、これを通して、接続電極210、212と電圧源236、238が容量結合する。さらに、約200fCの実効電荷が接続電極236、238に格納される。
図11を参照して、このマイクロ物体200の別の実施形態について説明する。マイクロ物体200のこれまでの実施形態とは対照的に、この基板204は半導電性である。さらに、整流装置202は、電極210および電極212のうちの一方と基板204との間に接続される。その他の電極は浮いたままである(すなわち、整流装置204には接続されていない)。
図12を参照して、図11に対応する回路248の実施形態、および回路248のこの実施形態に対応するグラフ250の実施形態について説明する。このグラフを見ると分かるが、この帯電サイクルの最初の0.5ms経過後、電圧源236、238はゼロに戻るが、約+3.5Vと約−3.5Vの異なる静電電位がマイクロ物体200の外面252の先端に残り、これを通して、接続電極210、212と電圧源236、238が容量結合する。したがって、図12のマイクロ物体200の実施形態は、図5のマイクロ物体200の実施形態と比べると、電荷の蓄積において効率的ではない。しかし、この図12の実施形態は、より簡単に実施することができる。
前述のマイクロ物体200の実施形態では、マイクロ物体200の外面252上に簡単な双極子(すなわち、2つのポール)を形成するための、異なる方法を説明した。これらの方法により、接続電極210、212と電圧源236、238が容量結合する。これらの方法を拡張して、重なり合うことができる、複数の整流装置−電極の対を備えることにより、複雑な帯電パターン(すなわち、2つ超のポール)を外面252上に生成することができる。整流装置−電極の対は、整流装置と1つ以上の電極との対である。各整流装置−電極の対には、整流装置が含まれ、この整流装置は、電極の対の間にまたがっている、あるいは電極から基板204まで及んでいる。
図13を参照して、複雑な帯電パターンを形成可能なマイクロ物体200の実施形態について説明する。このマイクロ物体200は、複数の整流装置258、260、262、264、266(ダイオードとして図示される)を含む。これらの各整流装置258、260、262、264、266は、異なる電極268、270、272、274、276から基板204に至るまで延在し、この基板204は必ずしも導電性または半導電性ではない。すなわち、このマイクロ物体200は複数の整流装置−電極の対を含み、これらの各対は整流装置と単一の電極との対である。これらの整流装置258、260、262、264、266のうちの1つにより、外面252に付与された電荷を変更するために、その整流装置のバイアスを変更可能である。好都合にも、このマイクロ物体200の実施形態により、帯電パターンの設計に対して高い程度の柔軟性が提供される。
図14を参照して、複雑な帯電パターンを生成可能なマイクロ物体200の別の実施形態について説明する。このマイクロ物体200は、複数の電極280、282、284、286、288、290と対をなす単一の整流装置278を含む。すなわち、このマイクロ物体200は、重なり合うが一意の整流装置−電極の対を複数含み、これらの各対は整流装置278と電極との対である。このマイクロ物体200の実施形態の強みは、必要とする能動素子(すなわち、整流装置)の数を最小限に抑えることができることである。
上述のマイクロ物体200の実施形態では、外面252上での帯電パターンの形成に対処しており、これを通して接続電極が電圧源236、238と容量結合する。しかし、今まで説明した帯電パターンを形成するための方法は、拡張してマイクロ物体200の反対の外面まで広がる帯電パターンを作成可能である。
図15を参照して、対向する外面252、290に渡ってパターン化されるマイクロ物体200の実施形態について説明する。図5のマイクロ物体200の実施形態とは対照的に、このマイクロ物体200の実施形態は、第1の電極210だけを含み、整流装置202が電極210と基板204の間に接続され、この基板204は必ずしも導電性または半導電性ではない。帯電終了後、このマイクロ物体200は、そのマイクロ物体の外面252上に第1の電荷を含み、この電荷を通して、マイクロ物体200と電圧源236、238が容量結合する。さらに、このマイクロ物体200は、先程とは反対側のマイクロ物体200の外面290上に第2の電荷を含む。したがって、マイクロ物体200の厚さ方向(すなわち、Z方向)に沿った帯電パターンが生成される。上を向いていたり、下を向いていたりする、マイクロ物体200を揃えるのにこのことが重宝する。
図16を参照して、反対の外面252、290に渡ってパターン化されるマイクロ物体200の別の実施形態について説明する。このマイクロ物体200には、基板204と、この基板204の両面296、298と接触する2つの絶縁体292、294と、それぞれが基板204の両側に配置され、2つの絶縁体292、294と隣接する4つの接続電極300、302、304、306と、これらの接続電極300、302、304、306の周り、かつそれらの上に配置され、これらの2つの絶縁体292、294に接触する2つの随意的な第2の絶縁体308、310と、が含まれる。各接続電極300、302、304、306は、基板204の反対側の面でかつマイクロ物体200の共通面の上に配置された、それ自体とは別の電極300、302、304、306と接続する。このマイクロ物体200は、反対の極性のバイアスをかけられた2つの整流装置312、314をさらに含み、これらの整流装置312、314はそれぞれ、基板204の共通面上に配置された異なる接続電極304、306と導電性または半導電性の基板204との間に接続される。
マイクロ物体200の帯電が終了後、このマイクロ物体200は、マイクロ物体200の外面252上で双極子を含み、これを通して、接続電極300、302、304、306と電圧源236、238は容量結合する。さらに、このマイクロ物体200は、そのマイクロ物体200の反対側の外面290上に配置された第2の双極子を含む。したがって、このマイクロ物体200の両外面252、290には、双極子が配置される。この実施形態の教示に従うと、付加的な接続電極および整流装置を備えることにより、図11の実施形態と同様に、さらに複雑な帯電パターンを生成することができる。
上述のマイクロ物体200の実施形態は、2値の帯電パターン(すなわち、固定値の正と負の電荷による帯電パターン)に対処する。横に絶縁体の厚さを変更させることにより、かつ/または接続電極の面積を変更することにより、正と負の固定値を少し超えた電荷の範囲からなる帯電パターンを用いることができる。
図17を参照して、正と負の値を超えた電荷の範囲を用いてパターン化されるマイクロ物体200の実施形態について説明する。このマイクロ物体200は、接続電極210、212の面積が変わった以外は、図5の実施形態と同じものである。接続電極210、212の面積を変更すると、接続キャパシタ218、220、240、242、244、246の電気容量が変化する。すなわち、第1の接続電極210の接続キャパシタ218、240、244と、第2の接続電極212の接続キャパシタ220、242、246とは異なる。
図18を参照して、正と負の値を超えた電荷の範囲を用いてパターン化されるマイクロ物体200の別の実施形態について説明する。このマイクロ物体200は、第2の絶縁体216の厚さが横に変更された以外は図5の実施形態と同じものである。接続電極210、212の面積の変更と同様に、第2の絶縁体216の厚さを変更することにより、接続キャパシタ218、220、240、242、244、246の電気容量も変化する。したがって、第1の接続電極210の接続キャパシタ218、240、244と、第2の接続電極212の接続キャパシタ220、242、246とは異なる。
上述のマイクロ物体200の実施形態では、整流装置202、258、260、262、264、266、278、312、314を概念的にダイオードとして説明した。ダイオードを形成するために、複数の周知の方法が用いられ得るが、図19および図20には、ダイオード316の2つの実施形態が示されている。
図19を参照して、図5のマイクロ物体200の実施形態の整流装置202としての、ダイオード316の実施形態について説明する。ダイオード316の実施形態に従うと、薄膜(例えば、コンマ数ナノメートルから数マイクロメートルの厚さ)の電子技術を用いて、このダイオード316は製造される。図示する通り、このダイオード316は、しっかりと確立したa−Si:HのPINダイオード構造体であるが、印刷有機ダイオード、ショットキーダイオードなどのその他の薄膜の電子技術を用いることも可能である。例えば、印刷有機ダイオード、ショットキーダイオードなどは、インジウムガリウム酸化亜鉛(InGaZnO)、酸化銅(CuO)、セレン化カドミウム(CdSe)、ガリウムインジウム酸化亜鉛(GIZO)、またはいくらかのその他の半導体性金属酸化物または重合体材料などの金属および薄膜半導体材料で形成される。このダイオード316は、絶縁体318を含み、その絶縁体の両面にはP型半導体320とN型半導体322とが配置される。さらに、接続電極210、212は、導体324、326により、半導体320、322と接続する。
図20を参照して、図11のマイクロ物体200の実施形態の整流装置202としての、ダイオード316の別の実施形態について説明する。このダイオード316の実施形態に従うと、絶縁体206を貫通するビア328により、接続電極212のうちの1つと基板204が接続され、この基板は大抵の場合半導体性である。この基板204が半導体性の場合、このダイオード316を基板204上に形成することができる(例えば、a−Si:HのPINダイオード構造体を用いて)、あるいは、図示する通り、接続電極212を有する基板204に接触させることにより形成することができる(すなわち、簡単なショットキーダイオード)。
マイクロ物体200およびダイオード316のこれまでの実施形態は、網羅的であることを意図しない。むしろ、これまでの実施形態は、マイクロ物体200を設計する際に異なる設計決定を示すことを意図する。このような設計決定には、マイクロ物体200が簡単な帯電パターン(例えば、図5に示す通り)または複雑な帯電パターン(例えば、図13に示す通り)のどちらを含むかを決定することも含まれる。簡単な帯電パターンを所望する場合、このマイクロ物体200は単一の整流装置−電極の対を含む。複雑な帯電パターンを所望する場合、このマイクロ物体200は複数の整流装置−電極の対を含む。この設計決定には、マイクロ物体200上の電荷蓄積の位置の決定もさらに含まれる(図5および図15を参照)。
各整流装置−電極の対に関して、以下の通り決定される。1)整流装置が1つ以上の能動素子を含むべきかどうか(図5および図6を参照)、2)整流装置は接続電極間を延在すべきか(例えば、図5に示す通り)、または接続電極と基板204の間を延在すべきか(例えば、図11に示す通り)、3)接続電極は外部流体にさらされるべきかどうか(例えば、図9に示す通り)、4)帯電には正または負の電荷のみを含ませるべきかどうか(例えば、図15に示す通り)、または一定の帯電の範囲を含ませるべきか(例えば、図17に示す通り)5)整流装置の設計をどうするか(この設計の例は図19および図20に示される)。
マイクロ物体のパターン化に関して、整流装置を用いる上述の方法は、その他の帯電機構と比較してより予測可能であり、かつ信頼性があるという強みを持つ。上述の方法は簡単な回路技術に基づき、化学的電荷形成、ミセル形成などの予想不能な変動を取り除いている。整流装置を用いる上述の方法では、周囲媒体として純粋な誘電性液、または空気を使用可能である。これにより、長いデバイ長、イオン搬送およびイオンのふるい分けによる電界の減衰の除去、および湿度に対する低い反応性という利点がもたらされる。
図1のハイレベルシステム10および方法12に戻ると、マイクロ物体16(本明細書ではマイクロ物体102、152、200としても認識されている)が、パターンで個々に符号化された後(20)、このマイクロ物体16は、操作システムにより、最終基板上で配置・方向付けされる(22)。この操作システムは、マイクロ物体16を移動する、空間と時間の両方で、電場または磁場などの力場を変更する。同じ極性の磁極どうし、または電極どうしでは反発し合い、一方、反対の極性の磁極どうし、または電極どうしでは引きつけ合うことは言うまでもない。これに基づいて、対応するマイクロ物体16のパターンを生成し、かつ/または、移動させることで、このマイクロ物体16を選択的に操作することが可能である。マイクロ物体の対応するパターンにより、そのマイクロ物体の反対のパターン(すなわち、各極性の反対)が生成され、したがって、このマイクロ物体が引きつけられる。いくつかの実施形態では、このマイクロ物体16をパターン化するために用いる方法によって、同じシステムを用いて、マイクロ物体16のパターン化と、マイクロ物体16の所望の位置への移動および方向付けとの両方を実行することができる。
マイクロ物体16を移動させるために、いくつもの周知の方法を用いることができる。マイクロ物体16を帯電によりパターン化するときは、一般に、電極アレイを用いる。例えば、図3Aおよび図3Bを参照すると、図中に記載されたシステム100を付加的または代替的に用いて、電極を有する平面アレイ106を用いるマイクロ物体16を移動させることができる。マイクロ物体16を磁気的にパターン化するときには、一般に、コイルのアレイ(例えば、巻線のアレイ)が用いられる。例えば、図3Aおよび図3Bを参照すると、図中に記載されたシステム100を付加的または代替的に用いて、コイルを有する平面アレイ106を用いるマイクロ物体16を移動させることができる。
図3Aおよび図3Bのシステム100を操作システムとして用いる場合、マイクロ物体102が移動する前に、このマイクロ物体102を流体104内に平面アレイ106に隣接して配置する。磁気的にパターン化するときとは反対に、マイクロ物体を帯電パターン化するとき、この流体は、通常、誘電性液(例えば、アイソパー)であり、この誘電性液に小量の界面活性剤(例えば、ドクサートナトリウム(AOT))を加えて、流体104の導電率を高める。さらに、このマイクロ物体102を移動させる前に、電源110が帯電信号を用いて平面アレイ106を随意的に駆動させて、マイクロ物体102を帯電、または再帯電させることができる。その後、マイクロ物体102を流体104内に配置し、このマイクロ物体102が帯電されたと見なすと、この電源110は、操作信号を用いて、電極またはコイル108を駆動させてマイクロ物体102を移動させる。この操作信号は、マイクロ物体102上のパターンと相補的な対応するパターンを、基板112全体に渡って移動させることにより、例えば、マイクロ物体102をその選択位置に移動させることが可能である。
図21を参照すると、図5のマイクロ物体200の実施形態の動作の様子が示されている。このマイクロ物体200のその他の実施形態も同様に移動させることができる。このマイクロ物体200の移動は、複数の電極334、336、338、340からなる電極アレイ332を用いて、操作システム330により行われ、これらの電極はそれぞれ、電圧源342、344、346、348により制御されている。このマイクロ物体200を移動させる前に、このマイクロ物体200は、誘電性液350内で、電極アレイ332と隣接し、かつ絶縁体352により電極アレイ232から分離されて配置される。さらに、このマイクロ物体200は、電極アレイ332を用いて、随意的に、帯電される、または再帯電される。その後、この電極アレイ332を駆動してマイクロ物体200を左に移動させる。
図22には、マイクロ物体200を左に移動させるために、電圧源342、344、346、348により生成可能な信号の一例が示されている。これらの信号には、帯電信号と操作信号の両方が含まれる。帯電信号は、最初の0.5ms間、約10kHzで50Vの正弦波の5サイクルのバーストを用いて、マイクロ物体200を帯電する、あるいは再帯電する。これが、整流装置を用いてマイクロ物体を帯電させるための上記の帯電信号であることは言うまでもない。帯電終了後、操作信号により、このマイクロ物体200を絶縁体352の表面を左へ移動させる。
戻って図1を参照すると、マイクロ組立体14を作成するためには、マイクロ物体16が正確に移動することが重要である。しかし、基板などの表面上で対象物を正確に移動させるためには、静摩擦に打ち勝つという課題がある。静摩擦とは、静的摩擦の係数と動的摩擦の係数の差であり、接触する2つの面の間の分子間力により生じる。静摩擦の存在下でマイクロ物体を移動させようと試みるとき、初期の動作に必要な力は、大抵の場合、動作を維持するために必要な力よりも著しく大きくなる。その結果、静摩擦の影響下のマイクロ物体の位置で微調整を試みると、大抵の場合、リンギング現象、行き過ぎ、および不安定な位置制御につながる。
静摩擦に打ち勝つための解決策は、高周波数の駆動力(例えば、高周波数の周期的な駆動力)をマイクロ物体16に加えることである。駆動力の周波数は、所望の正味動作(すなわち、所望の速度)の周波数と比較して高い(例えば、より大きな大きさ)。この駆動力の振幅は、ピーク力が静摩擦に打ち勝つために十分となるように選択され、この駆動力の周波数は、1サイクル中のマイクロ物体のズレが所望の組立体の精度未満になるように選択される。
操作中、この解決策を適用して、高周波数の駆動力400を低周波数の操作力402に重ね合わせて複合力404を生成することにより、マイクロ物体16の動作に対して正確な制御を行うことができる。操作力の周波数は、駆動力の周波数に比べて低い。この操作力402は空間的にプログラム可能であり、プログラムによりこの操作力402を動かしてマイクロ物体を移動させる。次いで、電場または磁場としての複合力が、電界生成器を用いて、マイクロ物体16にかけられる。例えば、図3Aおよび図3Bの電源110により、電圧で表現した複合力を、図3Aおよび図3Bの平面アレイ106にかけることができる。
いくつかの実施形態では、静摩擦に関連する力に部分的に打ち勝つためにだけ、駆動力の周波数と振幅を選択し、そこで、このマイクロ物体16を動かすために操作力も必要となる。このような実施形態では、操作力を重ねるときに、一般にマイクロ物体16の動力を変更して効果的な減衰量を増減させるよう周波数と振幅を選択する。
図24を参照すると、駆動力の効果が示されている。黒の曲線410により、周波数0.5ヘルツ(Hz)の150Vの正弦波電圧波形としての操作力が示されている。この操作力により、マイクロ物体は2つの電極間で前後に移動する。もう一方の曲線412により、複合力に反応したマイクロ物体の計測速度が示されている。最初の約12秒間は、操作力だけがかけられる。その後、約12秒経過してから、駆動力が操作力に重なる。この駆動力は、周波数330Hzの150Vの正弦波電圧波形として示されている。この図から分かるように、駆動力がかからない場合は、操作力が高い(すなわち、振幅が高い)ときだけマイクロ物体が移動する。対照的に、駆動力がかかる場合、マイクロ物体の速度は、位相遅れ分だけ除いて、この複合力を辿る。この位相遅れは、駆動電極とマイクロ物体が配置される誘電性液との間の静電結合により発生する。
戻って図1を参照すると、マイクロ物体16の操作中、すべてのマイクロ物体16に関し、駆動力を全体的に制御することができる、あるいは局所的に制御して個々のマイクロ物体の移動性を選択的に変更することができる。例えば、マイクロ物体が、その所定の組立体位置に既に移動済みの場合、このマイクロ物体に駆動力をかけないことにより、このマイクロ物体を定位置に可逆的にロックする。コイルまたは電極のアレイを用いて操作力がかけられているとき、マイクロ物体に隣接する電極に駆動力をかけることを抑えて、可逆的にロックすることにより、これを実現することが可能である。
さらに、マイクロ物体16の操作中の、このマイクロ物体16の実質的な動きは、周期的な操作力と駆動力の組合せにより実現可能である。いくつかの実施形態では、操作力をかける直前に、あるいは操作力のサイクルの一部分で、力の段階変化として、短い段階パルスとして、この駆動力をかけることができる。さらに、実施形態によっては、この駆動力を操作力と統合させることができるものもある。つまり、この操作力には、駆動力を示すサイクルの一部分の成分が含まれる。
実質の動きを実現する一例としては、操作力のサイクルの一部分(例えば、半分)の間だけ、マイクロ物体16に周期的な電界を有する操作力をかけて駆動力と重なり合わせることが挙げられる。実質的な動きを実現させる別の例としては、のこぎり波形などの非対称の周期的な力をマイクロ物体16にかけることが挙げられる。のこぎり波形の1サイクルは、力を増加させる段階と、その後に続く最初の力に戻す直線傾斜と、からなる。この増加段階には、高周波数の成分が含まれ、この高周波数の成分により、静摩擦が抑えられ、動作につながる。最初の力に戻す傾斜が十分にゆっくりであれば、マイクロ物体が表面に再度付着してしまう。
電場または磁場を生成するためのすべての方法を用いて、電界生成器により駆動力がマイクロ物体にかけられる。しかし、一般には、電極またはコイルのアレイが用いられ、これらの電極またはコイルのアレイは電圧で表現された駆動力により駆動される。電極のアレイを用いて、電場としての駆動力を生成することができ、コイルのアレイを用いて、磁場としての駆動力を生成することができる。図3Aおよび図3Bに関連して記載した通り、電極のアレイは、従来の電極または感光性の電極で形成することができる。コイルまたは電極のアレイが用いられて、駆動力が生成される場合、操作するマイクロ物体に隣接する特定の電極またはコイルだけに、この駆動力をかけることができる。さらに、実施形態の中には、同じコイルまたは電極を用いて、操作力と駆動力の両方を生成可能なものもある。あるいは、他の実施形態では、操作力を生成するコイルまたは電極以外の異なるコイルまたは電極により、操作力が生成される。
このように、上述のマイクロ物体16を操作する方法は、電場または磁場内でマイクロ物体16を動かすことに極端に限定されている。マイクロ物体16を最終基板上で配置・方向付けするための、限定された議論が行われてきた。たとえそうだとしても、いくつかの実施形態では、上述のマイクロ物体16を操作するための方法を排他的に用いて、マイクロ物体16を最終基板上で配置・方向付けすることができることは言うまでもない。例えば、最終基板は絶縁性を有し得、マイクロ物体16と電極のアレイの間に配置され得る。次いで、上記の通り、電場を用いて電極のアレイによりマイクロ物体が配置される。他の実施形態では、このマイクロ物体16は、電場または磁場と力学的な力との組合せを通して、最終基板に移動される。
いくつかの実施形態では、2010年4月5日出願のChowらによる「Micro−Assembler」と題する、米国特許出願第12/754,245号明細書(米国特許出願公開第2010/0186221号明細書)に従って、パターン化されたマイクロ物体16が、電場または磁場と、力学的な力との両方を用いて最終基板上で配置・方向付けされる。上記の明細書は参照することにより本明細書に組み込まれものとする。米国特許出願第12/754,245号明細書に従うと、このマイクロ物体16は最初に、中間基板に恒久的に取り付けられた平面電極アレイを用いて、中間基板上で符号化された帯電パターンまたは磁気パターンにより、中間基板上に配置・方向付けされる。その後、相対位置および方向を保持するやり方で、この配置・方向付けされたマイクロ物体16を、最終基板に力学的に移動させる。
図25を参照して、米国特許出願第12/754,245号明細書に従った、操作システム450について説明する。図示する通り、パターン化されたマイクロ物体452を容器454内に配置する。この容器454内では、組立体が格納される前にマイクロ物体452が格納される。この容器454は、一般に、流体の槽(例えば、帯電添加物が加えられて有限伝導率を有し得る誘電性液)であり、その中では、マイクロ物体452がランダムに配置・方向付けされている。しかし、組立体が配置される前にマイクロ物体452を格納する他の方法も検討される。
搬送装置456は、容器454からマイクロ物体を受け取り、プレート458上の電極により作成される進行波のパターンを用いて、これらのマイクロ物体を容器454から移す。このプレート458は、一般に絶縁体である。この搬送装置456は、マイクロ物体を受け取りながら、マイクロ物体の磁気パターンまたは帯電パターンに対応する、プレート458上の磁気パターンまたは帯電パターンを用いて、プレート458上のマイクロ物体を配置・方向付けする。パターンを用いてマイクロ物体を符号化する場合、プレート458上の対応するパターンによりマイクロ物体がこのプレート458に引きつけられ、それと同時にプレート458上の対応する帯電パターンに対して、このマイクロ物体が方向付けされて配置される。
プレート458上のパターンを生成するために、電界生成器460が用いられる。この電界生成器460は、電極またはコイルの平面アレイ462を含み、この電極またはコイルの平面アレイ462は、マイクロ物体452とは反対側のプレート458に恒久的に取り付けられている。平面のアレイ462は、プログラム可能電圧源などの、電界生成器460のプログラム可能電源により駆動される。一般に、平面アレイ462は2次元である。マイクロ物体452が磁気的にパターン化される場合、この平面アレイ462にはコイルが含まれ、マイクロ物体452が帯電パターン化される場合、この平面アレイ462には電極が含まれる。また、この電界生成器460は、マイクロ物体452を駆動力にさらして静摩擦に打ち勝ち、これらのマイクロ物体の配列を容易にする。
円筒形の感光体などの光伝導体464は、随意的に、搬送装置456からマイクロ物体を受け取る。上記に議論した通り、これらのマイクロ物体は、既知の位置および方向に配列される。必要というわけではないが、この光伝導体464をパターン化して、搬送装置456から受け取られるマイクロ物体をより良く配置・方向付けすることもできる。例えば、レーザプリンタのラスタ出力スキャナ(ROS)などの光学パターン書込装置466により、または平面の電磁アレイにより、この帯電が行われ得る。
光伝導体464を通して配置・方向付けされたマイクロ物体は、転写領域470で最終基板468に移される。必要というわけではないが、この最終基板468は、好ましくは非静止状態であり、好都合にも、最終基板468上のマイクロ物体の好適な配置を支援することができる。光伝導体464上のマイクロ物体の最終基板468への移動が終了すると、このマイクロ物体は最終的に配置・方向付けられる。
電場に応じたマイクロ物体の動力学を調査する実験を通して、電極アレイとマイクロ物体の間に介在する絶縁体が、マイクロ物体と電極の間で電荷が移動することを防止する必要があることが判定された。しかし、絶縁体は電極アレイに恒久的に取り付ける必要がないことも判定された。実験では、あらゆる接着剤を用いないで、または結合ステップなしで、顕微鏡用カバーガラスまたはプラスチック膜の1片を、単純に電極の上部に配置することにより電極を絶縁した状態でマイクロ物体を操作することに成功した。
戻って図1を参照すると、米国特許出願第12/754,245号明細書の代替案として、いくつかの実施形態では、電界生成器に恒久的には取り付けられない(すなわち、非恒久的に取り付けられる)基板上でマイクロ物体16を直接配置・方向付ける。好都合にも、これによりマイクロ物体16を最終基板上で直接配置・方向付けすることが可能となる。これとは対照的に、米国特許出願第12/754,245号明細書では、マイクロ物体16を中間基板上で配置・方向付け、その後、最終基板に移す。マイクロ物体16を、直接最終基板上で配置・方向付けすることが優位であるにもかかわらず、これらのマイクロ物体16は、未だに間接的に最終基板で配置・方向付けされ得ることは理解されよう。電界生成器が恒久的に搬送装置に取り付けられていないという大きな違いはあるが、これは、例えば、米国特許出願第12/754,245号明細書と同じやり方で行うことができる。
図26および図27を参照して、電界生成器506に恒久的に取り付けられていない絶縁基板504上にマイクロ物体502を配置する、操作システム500について説明する。マイクロ物体502が帯電によりパターン化されているか、または磁気的にパターン化されているかに依存して、この電界生成器506は、電場または磁場を用いてマイクロ物体502を操作する。図示する通り、(例えば、図3Aおよび図3Bを参照し)上記に記載した通り、この電界生成器506は、電極またはコイル510のアレイ508を用いて、電場または磁場を生成する。平面のアレイ508は、プログラム可能電圧源などの電界生成器506のプログラム可能電源により駆動される。さらに、このアレイ508は一般に2次元である。
この基板504には、格納室からの電界生成器506により生成された電場または磁場が供給される。図示する通り、基板504はドラムまたはロール512上に格納され、アレイ508上に供給されている。図26のアレイ508の固定位置により示される通り、この電界生成器506は、基板504に対して固定されたままでよい。あるいは、この電界生成器506は、図27の搬送ベルト514に埋め込まれたアレイ508により示される通り、基板504と共に移動して、電界生成器506上の摩擦を抑える(例えば、少なくとも電界生成器506の一部を可撓性のある搬送ベルト514内に埋め込むことにより、またはドラム上で)。さらに、誘電性液などの流体516が、一般には電界生成器506の反対側の基板504を覆う。
基板504に電場または磁場が供給されると、ランダムに配列されたマイクロ物体502が、流体516または電界生成器506の反対側の基板504の表面に加えられる。それらと同時に、この電界生成器506は、電場または磁場を生成して、マイクロ物体502を基板504上で配置・方向付けして、随意的には、マイクロ物体502が帯電または再帯電された後、予め規定されたパターンになるようにする。例えば、図示されているアレイ508を電源により制御して、操作信号および、随意的には、駆動信号を生成して、静摩擦および/またはマイクロ物体502を帯電させる、または再帯電させるための帯電信号を抑えることができる。一般には、電界生成器506を用いて、基板504上に対応するパターンを生成することにより、マイクロ物体502は配置・方向付けされる。
戻って図1を参照すると、これらのマイクロ物体16が最終基板上で配置・方向付けされた後(22)、後処理システムにより、これらのマイクロ物体16には後処理(24)が施される。この後処理には、一般に、これらのマイクロ物体16を最終基板に定着させるステップ、これらのマイクロ物体16を平坦化させるステップ、およびこれらのマイクロ物体16を配線するステップのうちの1つ以上のステップが含まれる。定着ステップ、平坦化ステップ、および配線ステップは、数ある周知の手段を通して実現可能である。さらに、定着ステップ、平坦化ステップ、および配線ステップは、これらのマイクロ物体16が配列される同じ位置、別々の位置、または複数の位置の間の分散した位置で実現可能であり、複数の位置の間の分散した位置には、これらのマイクロ物体16が配置されている位置も含まれ得る。
定着ステップは、例えば、光硬化重合体のモノマー溶液を誘電性液として用いて実現され、このモノマー溶液内では、マイクロ物体16が最終基板上で配列される。マイクロ物体が、最終基板上に配列された後、マイクロ物体と隣接する領域に光が進んで、重合化が始まり、これにより、このマイクロ物体が最終基板に定着する。別の例として、この定着ステップは、マイクロ物体16を最終基板に熱的に融合させることにより実現可能である。重合体基板を用いることにより、マイクロ物体が配置・方向付けされる基板の領域は局所的に加熱され溶解されて、このマイクロ物体を定位置に定着させる。局所的な加熱は、例えば、赤外線レーザをその領域に集中させることにより実現可能である。別の例として、定着ステップは、マイクロ物体16を、接着剤で最終基板に接着させることにより実現可能である。接着剤を用いることにより、この接着剤がマイクロ物体16の周りを局所的に硬化させる。別の例として、定着ステップはマイクロ物体16を最終基板内にエンボス加工することにより実現可能である。別の例として、定着ステップは、接着剤を局所的に硬化させることにより実現可能である。平坦化ステップは、例えば、エンボス加工をすることにより、あるいは、マイクロ物体16および最終基板の上に重合体をスピンコーティングさせることにより実現可能である。配線ステップは、例えば、フォトパターン化金属ワイヤまたはインクジェットプリント金属線により実現可能であり得る。
いくつかの実施形態では、マイクロ物体を最終基板の任意の所与の領域に定着させた後でかつ、これらのマイクロ物体が平坦化され、配線される前に、操作システムにより生成される電場および磁場の上をこの領域が再度通過し、それにより、付加的なマイクロ物体がこの領域に定着することが可能である。この最終基板の領域上でマイクロ物体を配置・方向付けするステップのループを、1回以上実行して、曲線因子を増加させ、異なる種類のマイクロ組立体を生成することができ、その後、これらのマイクロ物体をその領域に定着させるステップがこれに続く。例えば、最終基板を複数の領域に分割することができ、それぞれが特定のマイクロ組立体に対応する。そして、これらの領域ごとに上記のループが実行される回数は、その領域の特定のマイクロ組立体に依存する。ある領域に関してループが終了すると、その領域のマイクロ物体には平坦化および配線が施される。
図28を参照して、後処理システム550の一例について説明する。この後処理システム550は、その上にマイクロ物体554が配置・方向付けされた最終基板552を受け取り、定着装置556を用いて、これらのマイクロ物体554を最終基板552に定着させる。多くの方法を用いて、これらのマイクロ物体554を定着させることが可能であるが、図示する通り、この定着装置556が、マイクロ物体554に隣接する領域に進む赤外線を用いて、これらのマイクロ物体554を最終基板552に定着させる。その上にマイクロ物体554が配置される最終基板552の領域を、この赤外線が局所的に加熱し溶解させる。最終基板552の領域が冷却されると、このマイクロ物体554が最終基板552に定着し始める。

Claims (10)

  1. マイクロ物体を操作するシステムであって、
    その上で前記マイクロ物体が操作される表面と、
    電界生成器であって
    前記マイクロ物体と前記表面の間の静摩擦に少なくとも部分的に打ち勝つための周波数および振幅で駆動力を生成し、
    2次元の前記表面上で前記マイクロ物体を操作する、空間的にプログラム可能な操作力を生成するよう設定される電界生成器と、
    を含むシステム。
  2. 前記電界生成器が、前記駆動力を前記操作力の上に重ね合わせて、前記マイクロ物体の動きを実現するようさらに設定される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記操作力の一部の間だけ、前記駆動力が前記操作力に重なり合う、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記駆動力の前記周波数および前記振幅が、部分的にだけ前記マイクロ物体と前記表面の間の静摩擦に打ち勝つ、請求項2に記載のシステム。
  5. 前記駆動力が前記操作力に重なり合うとき、前記駆動力の前記周波数および前記振幅により減衰量が制御される、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記駆動力が、繰り返される力の段階変化または繰り返される段階パルスである、請求項1に記載のシステム。
  7. 前記電界生成器が
    前記駆動力を前記マイクロ物体にかけ、
    前記駆動力を前記マイクロ物体にかけた後に、前記操作力を前記マイクロ物体にかけるようさらに設定される、請求項1に記載のシステム。
  8. マイクロ物体を操作する方法であって、
    マイクロ物体と、その上に前記マイクロ物体が操作される表面との間の静摩擦に少なくとも部分的に打ち勝つための周波数および振幅で駆動力を生成するステップと
    2次元の前記表面上で前記マイクロ物体を操作するための空間的にプログラム可能な操作力を生成するステップと、を含む方法。
  9. 前記駆動力を前記操作力に重ね合わせて、前記マイクロ物体の動きを実現するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記マイクロ物体の一部にのみ前記駆動力をかけるステップをさらに含む請求項8に記載の方法。
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