JPH07199412A - 静電気防止特性を改良したラジオグラフエレメント - Google Patents

静電気防止特性を改良したラジオグラフエレメント

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JPH07199412A
JPH07199412A JP6290976A JP29097694A JPH07199412A JP H07199412 A JPH07199412 A JP H07199412A JP 6290976 A JP6290976 A JP 6290976A JP 29097694 A JP29097694 A JP 29097694A JP H07199412 A JPH07199412 A JP H07199412A
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silver halide
radiographic element
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vanadium oxide
halide radiographic
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JP6290976A
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Alberto Valsecchi
アルベルト・バルセッキ
Renzo Torterolo
レンツォ・トルテローロ
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速処理が可能で、スタチックマークが発生
せず、物理的および写真特性を損なうことのない静電気
防止特性を有するハロゲン化銀ラジオグラフエレメント
を提供する。 【構成】 重合フィルムベース、1以上のハロゲン化銀
エマルジョン層、および該重合フィルムベースの1以上
の側に付着した1以上の静電気防止層を含み、(1)該ハ
ロゲン化エマルジョン層が、3:1以上の平均直径対厚
み比を有する板状ハロゲン化銀グレインを含み、(2)該
静電気防止層がコロイド状酸化バナジウムおよびスルホ
ポリエステルを含むハロゲン化銀ラジオグラフエレメン
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(1)ハロゲン化銀板状
グレインエマルジョン層、および(2)コロイド状酸化バ
ナジウム化合物およびスルホポリエステル化合物を含む
静電気防止層を含む予め硬化したハロゲン化銀ラジオグ
ラフエレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】板状ハロゲン化グレインは実質的に平行
な2つの主要表面を有する結晶である。この面の平均直
径はこれらの間の距離(厚み)の少なくとも3倍である。
これは、一般に当該技術分野において、少なくとも3:
1のアスペクト比(aspect ratio)と説明される。
【0003】高い割合で板状グレインを有するハロゲン
化銀写真エマルジョンは、グレインの高い表面積:体積
比のために良好な現像性、改良された被覆力(covering
power)および銀の単位重量に対する増大された有用な増
感染料の吸着を有する。このようなエマルジョンの写真
エレメントへの使用は米国特許第4,425,425号、同第4,4
25,426号、同第4,433,048号、同第4,435,499号、同第4,
439,520号および他の関連特許に開示されている。
【0004】板状ハロゲン化銀グレインを含有する感光
性ハロゲン化銀エレメント、特にラジオグラフ用途のた
めの感光性ハロゲン化銀エレメントの高速処理(すなわ
ち、45〜90秒の処理)のために自動処理装置を用いるこ
とが知られている。一般に、このようなエレメントは少
なくとも片面上にゼラチン保護層と交互に被覆されたハ
ロゲン化銀ゼラチンエマルジョン層を有する支持体(通
常は非常に薄い下塗り層とともに提供される)を有す
る。これらのエレメントは、機械処理ユニット(現像、
固定、洗浄および乾燥)を通して、乾燥前にフィルムか
ら液体を絞る機能をも有する対向ローラーまたはスタガ
ードローラー(例えば、米国特許第3,025,779号に記載の
もの)により移送される。
【0005】最近では、ラジオグラフ用のハロゲン化銀
エレメントの使用が増加し、それによって処理時間の削
減が強く望まれている。フィルムの高速処理が行われる
場合に、不十分な画像密度(すなわち、不十分な感度、
コントラストおよび最大密度)、不十分な固定、不十分
な洗浄および不十分なフィルム乾燥のような数種の問題
が生じる。フィルムの不十分な固定および洗浄は像質の
劣化および銀トーンの変質を引き起こしうる。写真エレ
メントの高速処理において特に望まれているように、処
理装置の通過に要する時間を0.5〜2分に短縮するため
に、比較的高温(通常30℃を上回る、好ましくは35〜45
℃の、例えば、38℃の温度)で処理が行われ、手動処理
のためのエマルジョンと比較してハロゲン化銀エマルジ
ョンのゼラチン含有量がかなり低減される。
【0006】このような条件において、自動処理装置で
処理されたエレメントの物理および写真特性は悪化する
傾向にある。例えば、このような高温と低いゼラチン含
有量とにより、ハロゲン化銀グレインの圧力に対する本
質的な感度が高まり、自動処理装置中で処理されたエレ
メントには移送ローラーの圧力に起因する規則的なマー
クが生じる。
【0007】圧力マークを防止するために、当該技術分
野では種々の方法が説明されている。この目的のため
に、米国特許第2,960,404号では、写真エレメントにお
いてグリセリン、エチレングリコールなどの使用が説明
されており、日本国特許第5316/1972号では、1,4-シク
ロヘキサンジメタノールなどの使用が説明されており、
日本国特許第4939/1978号では、トリメチロールプロパ
ンの使用が説明されている。圧力マークを防止するため
の他の可能な方法はゼラチン層、特に、外部保護層の硬
化の程度を増大させることである。また、他の方法とし
て、支持体とエマルジョン層との間に中間ゼラチン層が
設けられた写真エレメントが知られている。例えば、米
国特許第3,637,389号では、支持体とエマルジョン層と
の間にこのような中間ゼラチン層を設けることによりグ
ラデーション、密度および感度が改良された高速処理写
真エレメントが記載されている。
【0008】しかしながら、板状ハロゲン化銀グレイン
を含有する写真エレメントに従来の圧力マークを防止す
る方法を用いても効果的でないことが示されている。特
に、非常に低い膨潤インデックスを達成し、圧力減感抵
抗性を改良するために硬化の程度を増大させる場合に、
写真特性が低下する。したがって、感光性板状ハロゲン
化銀エマルジョンを含有する写真エレメントにおいて圧
力マークの防止における問題は未だに解決されていな
い。
【0009】米国特許第4,414,304号には、5:1以上
のアスペクト比および50%以上の投影領域(projectiv
e area)を有する板状ハロゲン化銀グレインを含有する
1以上の親水性コロイドエマルジョン層を含む予め硬化
した写真エレメント、特にラジオグラフエレメントが記
載されている。該エレメントは、現像時に硬化を追加し
て行う必要がなく、高い被覆力の画像を与える。ゼラチ
ン硬化剤として、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテ
ル、ムコ塩素酸およびホルムアルデヒドが記載されてい
る。
【0010】日本国特許出願第J5 9105-636号には、板
状ハロゲン化銀グレインを含む1以上のハロゲン化銀エ
マルジョン層、少なくとも250gのゼリー強度を有す
るゼラチンからなる1以上の親水性コロイド層のバイン
ダーを含む写真エレメントが記載されている。
【0011】日本国特許出願第J6 2249-140号には、板
状ハロゲン化銀グレインおよびハロゲン置換されたS-ト
リアジン型硬化剤を含む1以上のハロゲン化銀エマルジ
ョン層が記載されている。該エレメントは、高速処理に
適し、改良された圧力耐性を有する。
【0012】米国特許第4,847,189号には、5:1以上の
アスペクト比を有する板状ハロゲン化銀グレインを含有
し、8〜45分の溶解時間を示す1以上のハロゲン化銀
エマルジョン層を含む写真エレメントが記載されてい
る。エレメントの溶解時間およびゼラチン量は、エレメ
ントを45秒の高速処理に適したものとし、圧力感度低
下耐性を改良する。
【0013】欧州特許第238,271号には、8〜45分の
溶解時間を示し、洗浄工程の終わりに10〜20g/m2
水分含有量を有する少なくとも1つの親水性コロイド状
層を支持体上に有するハロゲン化銀写真エレメント材が
記載されている。このエレメントは、好ましくは、イン
ダゾールおよびベンゾトリアゾール誘導体を含有する現
像溶液中で処理される。好ましい処理時間は45秒であ
る。
【0014】米国特許第4,647,528号には、5:1を上回
るアスペクト比を有する板状ハロゲン化銀グレインを含
有する少なくとも1つのハロゲン化銀エマルジョン層で
被覆された支持体を有する写真エレメント中に特定のポ
リマー硬化剤を用いることによる被覆力とスクラッチ抵
抗性との両方を増大させる方法が記載されている。
【0015】上記のように、ハロゲン化銀エマルジョン
層は、重合フィルム支持体上に被覆される。特に、正確
な物理的特性を要する写真エレメントには、ポリエステ
ルフィルムベース、例えばポリエチレンテレフタレート
フィルムベース、およびセルロースエステルフィルムベ
ース、例えばセルローストリアセテートフィルムベース
を用いる。ハロゲン化銀ラジオグラフエレメントは、一
般にポリエチレンテレフタレート電気絶縁支持体および
その上に被覆したハロゲン化銀エマルジョン層をよりな
る。このような構造は、写真エレメントの製造工程にお
いて、または写真用にそれらを用いるときに、同じまた
は異なる写真エレメントと接触することによって起こる
ような摩擦または分離をラジオグラフエレメントに課し
た場合に、静電荷の形成および蓄積を促進する。
【0016】これらの静電荷の蓄積は、いくつかの不利
益の原因となる。これは、ラジオグラフフィルムが製造
されるとき、および/または高速処理されるときにより
顕著である。最も深刻な不利益は、現像処理前の蓄積電
荷の放電であり、これによって、感光性ハロゲン化銀エ
マルジョン層は光に露光され、フィルムの現像を行った
ときに、ドットスポット(dot spots)、分岐または羽毛
のような線状スペック(speck)を形成することになる。
これは、いわゆる「スタチックマーク(static marks)」
現象である。スタチックマークは、写真フィルムの商業
的価値を低下させ、時には完全に使用不能にする。例え
ば、医療または産業におけるX線フィルムでのスタチッ
クマークの形成は、かなり危険な判断または誤診を招く
かもしれない。スタチックマークは、現像を行うことに
よって一番始めに明らかになるため、特に問題である。
さらに、これらの静電荷はまた、例えばフィルム表面へ
の塵の付着、不均一な被膜、およびそれに類するような
第2の問題の原因となる。
【0017】上記のように、静電荷は、しばしばハロゲ
ン化銀写真エレメントの製造および/または処理時に蓄
積する。例えば、それらは製造中に、ローリング(rolli
ng)または非ローリング(unrolling)工程中で、ローラー
に接触する写真フィルムの摩擦または支持体表面からの
エマルジョン表面の分離によって発生する。更に、それ
らはX線フィルム上に、自動装置において、機械部品ま
たは蛍光面と接触または分離することによって発生す
る。また、接続機械または自動現像機械または自動現像
装置において、またはカメラにおいて、ネガカラーフィ
ルムまたは反転用カラーフィルムの場合に、ゴム、金属
またはプラスチックで作られたローラーおよびバーと接
触または分離することによって発生する。更に包装材料
等と接触することによっても発生する。
【0018】更に、重合フィルムベース上に被覆した感
光性層を含む写真エレメントが、機械的に巻いたり、巻
きを解いたりするロールまたはリール上、または高速で
運ばれるシート上に蓄積されるとき、静電荷を蓄積し
て、静電放電によって発生する光を記録する傾向があ
る。
【0019】高い感度および取扱い速度を有する写真エ
レメントは、スタチックマーク出現の増加が課題であ
る。特に、スタチックマークは、写真エレメントの高い
感度およびいくつかの取扱い条件、例えば高速被覆、高
速露光および高速自動処理によって容易に発生する。
【0020】重合フィルムベース状の静電荷の蓄積によ
って起こるその他の欠点は、塵や汚れの付着、被覆欠損
および被覆速度の制限である。
【0021】静電気関連の損傷は、写真エレメントを製
造、露光および処理する前だけでなく、画像を含む写真
エレメントを用いて再製造する場合および画像を大きく
する場合など処理後にも起こる。従って、処理の後にも
効果を残す永久型静電気防止剤が求められている。
【0022】静電荷によって起こる問題を避けるため
に、ハロゲン化銀写真エレメントに静電気防止剤を加え
ることが好ましい。しかしながら、他の分野で従来から
用いられている静電気防止剤は、ハロゲン化銀写真エレ
メント用に自由に使うことができない。なぜならば、そ
れらには写真エレメントの性質上、様々な特有の制限が
課せられるからである。特に、ハロゲン化写真エレメン
トに用い得る静電気防止剤は、写真エレメントの写真特
性、例えば感度、曇り、粒状度、鮮鋭度に悪影響を及ぼ
すことなく、優良な静電気防止能力を有さなければなら
ない。更に、そのような静電気防止剤は、フィルム強度
および付着防止特性に悪影響を及ぼしてはならない。更
にまた、静電気防止剤は、処理溶液の吸収を速めたり、
ハロゲン化銀写真エレメントを含む層の間の接着強度を
低下させてはならない。
【0023】ハロゲン化銀写真エレメントの技術分野に
おいて、上記の問題のための多数の溶液が特許および参
考文献において示唆され、その多くはハロゲン化銀エマ
ルジョン層にバインダーと共に静電気防止層として被覆
された荷電調整剤および導電性化合物に基づいている。
【0024】当該技術において公知の最も有用な荷電調
整剤は、イオン塩類と同様、イオン性および非イオン性
界面活性剤である。フッ素化界面活性剤は、しばしばハ
ロゲン化銀写真エレメントにおける良好な静電気防止剤
として挙げられる。
【0025】導電性化合物は、望ましくない領域から荷
電を移動させることができる。このような導電性物質の
典型例は、重合電解質、例えばポリカルボン酸類または
ポリスルホン酸類のアルカリ金属塩、または第4アンモ
ニウムポリマーで、イオン性のメカニズムによって電子
を通す表面を供給することにより、電気的荷電を放散す
るものである。しかしながら、このような化合物は、静
電気防止層には好ましくない。これは、低い相対湿度の
条件下では効果を損失し、高い相対湿度の条件下では粘
着性になって、処理浴の通過後には静電気防止効果を失
うからである。
【0026】イオン性のメカニズムよりも、量子力学的
メカニズムによって電子を伝導するものが好ましい静電
気防止剤であることが当該技術分野において公知であ
る。これは、量子力学的なメカニズムで電子を伝導する
静電気防止材料が、湿度とは効果的に独立しているから
である。それらは低い相対湿度の条件下でも効果を失う
事なく、また高い相対湿度の条件下でも粘着性になるこ
となく有用である。不足型半導体酸化物および伝導性ポ
リマーが、湿度に独立して操作する電気伝導体として提
唱されている。しかしながら、そのような電気伝導体の
主な問題は、それらが一般に、溶液被覆方法によって、
薄く、透明で、比較的無色の被膜を供給できないことに
ある。酸化バナジウムの使用は、1つの例外であること
が判明した。すなわち、水性分散体で被覆することによ
り、酸化バナジウムの有効な静電気防止被膜を透明で実
質的に無色の薄いフィルムに積層できる。
【0027】例えばフランス国特許出願第2,277,136
号、ベルギー国特許第839,270号、米国特許第4,203,769
号、および英国特許出願第2,032,405号に記載のよう
に、酸化バナジウムを含む水性組成物から静電気防止層
を調製することは公知である。酸化バナジウムを含む該
組成物は、それらから製造されている静電気防止層の機
械特性を改良するために、バインダーを含んでいてもよ
く、例えばセルロース誘導体、ポリビニルアルコール
類、ポリアミド類、スチレンおよびマレイン酸無水物コ
ポリマー、アルキルアクリレートのコポリマーラテック
ス、塩化ビニリデンおよびイタコン酸が挙げられる。摩
耗の保護および/または摩擦特性の強化を提供する保護
的オーバーコート層を、例えばセルロース材料の層とし
て有する酸化バナジウム静電気防止層を提供することも
また公知である。
【0028】写真エレメントにおいて、酸化バナジウム
を有する静電気防止層は、最も外側の層として、画像形
成層の反対側のフィルムベースの側に位置でき、保護的
な研磨耐性トップコート層を有していても、有していな
くてもよい。また、ハロゲン化銀エマルジョン層または
補助ゼラチン層の下塗り層として位置していてもよい。
酸化バナジウムが、静電気防止層から上塗り保護層また
はゼラチン層を通って処理溶液に拡散し得るために、所
望の静電気保護の減少または損失を招く。
【0029】米国特許第5,006,451号には、酸化バナジ
ウムを含む静電気防止層および静電気防止層に塗られ、
親水性官能基を有するラテックスポリマーを含むバリア
層を有するフィルムベースを含む写真エレメントを記載
している。この特許は、酸化バナジウムが下塗り層から
拡散することを該バリア層が防ぎ、したがって、永久的
な静電気保護を提供することを報告している。しかしな
がら、上記の特許によって提供される溶液は、追加投資
および操作費用を要する2層構造を必要とし、実験によ
って、現像および固定液等の処理溶液において、静電気
保護を損失することが解った。
【0030】日本国特願平5-119433号には、ポリマーバ
インダーおよび五酸化バナジウムを有し、プラスチック
ベースの1以上の面に被覆されたハロゲン化銀写真材料
用のプラスチックフィルムが記載されている。しかしな
がら、該プラスチックベースは、重合バインダーおよび
25の層が被覆された後に、微妙な処理が課せられ
る。
【0031】従って、製造中にも処理中にも高い取扱い
速度を与え、スタチックマークの発生および物理的およ
び写真特性を損なうことのないハロゲン化銀ラジオグラ
フエレメントが今もなお必要とされている。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、重合フィル
ムベース、1以上のハロゲン化銀エマルジョン層、およ
び該重合フィルムベースの1以上の側に付着した1以上
の静電気防止層を含むハロゲン化銀ラジオグラフエレメ
ントであって、(1)該ハロゲン化銀エマルジョン層が
3:1以上の平均直径:厚み比を有する板状ハロゲン化
銀グレインを含み、(2)該静電気防止層がコロイド状酸
化バナジウムおよびスルホポリエステルを含むハロゲン
化銀ラジオグラフエレメントを提供する。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明は、重合フィルム
ベース、1以上のハロゲン化銀エマルジョン層、および
該重合フィルムベースの1以上の側に付着した1以上の
静電気防止層を含むハロゲン化銀ラジオグラフエレメン
トであって、(1)該ハロゲン化銀エマルジョン層が3:
1以上の平均直径:厚み比を有する板状ハロゲン化銀グ
レインを含み、(2)該静電気防止層がコロイド状酸化バ
ナジウムおよびスルホポリエステルを含むハロゲン化銀
ラジオグラフエレメントに関する。
【0034】本発明に従った静電気防止層に有用なコロ
イド状酸化バナジウムは、単一または混合原子価の酸化
バナジウムの水中コロイド状分散体を意味し、バナジウ
ムイオンの一定の酸化状態は、典型的には+4および+
5である。当該技術において、このような種類は、しば
しばV25と称される。好ましい態様において、V4+
オンのバナジウムイオン総濃度に対する割合は、約0.0
1:1.0以上、好ましくは約0.05:1.0以上、更に好まし
くは0.30:1.0以上である。生成したコロイド状分散体
におけるV4+の濃度は、過マンガン酸塩を用いた滴定に
より測定できる。
【0035】コロイド状酸化バナジウム分散体は、好ま
しくは酸化バナジウムアルコキシド類の加水分解および
縮合反応によって形成される。生成したコロイド状分散
体中のV4+の濃度は、バナジウムオキソアルコキシドの
加水分解に続けて蒸留し、揮発性反応生成物を除去する
ことにより、簡単に変化させられる。V4+の濃度は、総
バナジウム含量の1〜40%の範囲で変化させられ得
る。
【0036】いかなる理論によって限定されるわけでは
ないが、V4+の濃度は、被膜の固有伝導性に寄与するか
もしれないと考えられる。さらにまた、V4+イオンは、
おそらく重合開始剤として働くか、または相互作用を調
整することにより、コロイド状分散体の形成に寄与する
とも考えられる。
【0037】保存したコロイド状態(80℃で数時間ま
たは室温で数時間以上または数日)において、酸化バナ
ジウムは、好ましくは0.02〜0.08mmの範囲の幅および5
mmまでの長さを有する酸化バナジウムのホイスカー型
またはニードル型粒子より成る。該酸化バナジウム粒子
は、高いアスペクト比(すなわち粒子長さ対幅の比)を
示し、一般に均一に分布している。一般に粒子長さ対幅
の比を意味する「高いアスペクト比」は、フィールド・
エミッション・エレクトロン・ミクロスコピー(Field E
mission Electron Microscopy)によるコロイド状分散体
から製造される被膜において観察されるように、約10
より大きく、好ましくは25より大きい。
【0038】上記のように、コロイド状酸化バナジウム
分散体は、好ましくは酸化バナジウムアルコキシド類の
加水分解および縮合反応によって形成される。最も好ま
しいコロイド状酸化バナジウム分散体は、モル超過のイ
オン交換水を用いたバナジウムオキソアルコキシド類の
加水分解によって調製される。好ましい態様において、
バナジウムオキソアルコキシド類は、現場で、酸化バナ
ジウム先駆物質種およびアルコールより調製される。酸
化バナジウム先駆物質種は、好ましくはオキシハロゲン
化バナジウムまたはオキシ酢酸バナジウムである。バナ
ジウムオキソアルコキシドが現場で調製されるならば、
バナジウムオキソアルコキシドは、その他の配位子、例
えば酢酸基等を含んでいてもよい。
【0039】好ましくはバナジウムアルコキシドは、V
O(OR)3の構造式を有するトリアルコキシドであり、
Rは、独立して脂肪族、アリール、複素環またはアリー
ルアルキル基である。好ましくは、それぞれのRは、独
立して置換または非置換のC1〜C10のアルキル類、C1
〜C10のアルケニル類、C1〜C10のアルキニル類、C1
〜C18のアリール類、C1〜C18のアリールアルキル
類、またはそれらの混合物からなる群より選択される。
「基(group)」は、置換ができる、または所望の製品を
妨害しない従来の置換基によって置換され得る化学種を
意味する。更に好ましくは、それぞれのRは、独立して
置換されていないC1〜C6アルキルである。それぞれの
Rが独立してある群から選択されると言う場合、VO
(OR)3の構造式の全てのR基は、同じものではないこ
とが要求される。
【0040】「脂肪族」は、飽和または不飽和の直鎖、
分岐鎖または環状鎖炭化水素または複素環式ラジカルを
意味する。この用語は、例えばアルキル類、アルケニル
類(例えばビニルラジカル類)、およびアルキニル類を
包含するために用いる。「アルキル」の用語は、置換さ
れた直鎖、分岐鎖、または環状鎖炭化水素を意味する。
「アルケニル」の用語は、1以上の炭素−炭素二重結合
を含む直鎖、分岐鎖または環状炭化水素ラジカルを意味
する。「アルキニル」の用語は、1以上の炭素−炭素三
重結合を含む直鎖、または分岐鎖炭化水素ラジカルを意
味する。「複素環式」の用語は、炭素原子および1また
はそれ以上の異種原子、例えば窒素、酸素、硫黄または
それらの組み合わせを環または環類中に含む、モノ−ま
たは多核の環式ラジカルを意味し、例えばフラン、チミ
ン、ヒダントインおよびチオフェンである。「アリー
ル」の用語は、モノ−または多核の芳香族炭化水素ラジ
カルを意味する。「アリールアルキル」の用語は、モノ
−または多核の芳香族炭化水素または複素環式置換基を
有する直鎖、分岐鎖または環式アルキル炭化水素ラジカ
ルを意味する。脂肪族、アリール、複素環およびアリー
ルアルキル基は、置換されていなくてもよく、または種
々の基、例えばBr、Cl、F、I、OH基またはその他
の基で、所望の製品を妨害しないものによって置換され
ていてもよい。
【0041】加水分解処理の結果として、バナジウムオ
キソアルコキシド類の縮合が起こり、酸化バナジウムコ
ロイド状分散体が生成する。これは、水中で、好ましく
はイオン交換水またはイオン交換水と水混和性有機溶剤
の混合物である溶剤が液体の状態である温度範囲内(例
えば約0〜100℃の範囲)で行われる。処理は、約2
0〜30℃の温度範囲(すなわちおよその室温)内で行
うことか好ましく、また有利である。加水分解は、好ま
しくはイオン交換水へバナジウムオキソアルコキシドを
添加することを含む。イオン交換水またはイオン交換水
と水混和性有機溶剤の混合物は、有効な量のヒドロペル
オキシド、例えばH22を含んでいてもよい。好ましく
は、イオン交換水およびヒドロペルオキシドは、水混和
性有機溶剤、例えば低モル重量のケトンまたはアルコー
ルと組み合わせる。所望により、反応混合物は、共試薬
の添加、金属ドーパントの添加、その後の保存または加
熱処理、およびアルコール副産物の除去によって変性さ
せてもよい。このような変性によって、酸化バナジウム
コロイド状分散体は、変えることができる。
【0042】バナジウムオキソアルコキシド類を、現場
において、水性媒体およびアルコール中の酸化バナジウ
ム先駆物質種から調製してもよい。例えば、バナジウム
オキソアルコキシド類を、反応フラスコ中で、加水分解
およびその後の縮合反応を起こして発生させてもよい。
すなわち、バナジウムオキソアルコキシド類は、酸化バ
ナジウム先駆物質種、例えばオキシハロゲン化バナジウ
ム(VOX3)、好ましくはVOCl3、またはオキシ酢
酸バナジウム(VO2OAc)を適当なアルコール、例え
ばi-ブチルアルコール、i-プロピルアルコール、n-プロ
ピルアルコール、n-ブチルアルコール、t-ブチルアルコ
ール、およびそれらに類するものと組み合わせて発生さ
せてもよい。バナジウムオキソアルコキシド類を現場で
発生させる場合に、それらがアルコキシド類と混合され
るかもしれないことは解かっている。例えば、オキシ酢
酸バナジウムとアルコールの現場での反応生成物は、ア
ルコキシドと酢酸の混合物である。したがって、「バナ
ジウムオキソアルコキシド」の用語はここでは、特に現
場で調製した場合に、1以上のアルコキシド(−OR)
基を有する種を指すものとする。好ましくはバナジウム
オキソアルコキシド類は、3つのアルコキシド基を有す
るトリアルコキシド類である。
【0043】現場におけるバナジウムオキソアルコキシ
ド類の調製は、好ましくは不活性雰囲気下、例えば窒素
またはアルゴンの雰囲気下で行われる。酸化バナジウム
先駆物質種は、典型的には、室温で適当なアルコールに
加えられる。反応が発熱反応である場合、添加は調整し
た割合で行われ、反応が発熱反応であっても、反応混合
物の温度が室温を大きく超えることがない。反応混合物
の温度は、更に反応フラスコを恒温バス、例えば氷水バ
スに置くことによって調整してもよい。酸化バナジウム
種とアルコールの反応は、オキシラン、例えばプロピレ
ンオキシド、エチレンオキシド、またはエピクロロヒド
リンおよびそれに類するものの存在下で行ってもよい。
オキシレンは、酸化バナジウム種、特に二酸化酢酸バナ
ジウムおよびオキシハロゲン化バナジウムとアルコール
類との反応副産物の除去に有効である。所望により、揮
発性出発材料および反応生成物を蒸留またはエバポレー
ション技術、例えばロータリーエバポレーター等によっ
て除去してもよい。生成したバナジウムオキソアルコキ
シド生成物は、蒸留またはエバポレーション技術の使用
後に溶液または固体残渣の状態であり、これを直接水に
加えて、本発明用の酸化バナジウコロイド状分散体を製
造し得る。
【0044】酸化バナジウム分散体の製造方法は、バナ
ジウムオキソアルコキシドをモル超過の水に、好ましく
は均一なコロイド状分散体が形成されるまで撹拌しなが
ら加えることを含む。「モル超過」の水は、バナジウム
オキソアルコキシドの量に対して、十分な量の水が存在
することを意味し、したがって水とバナジウムに結合し
たアルコキシドとのモル比は1:1以上である。好まし
くは、十分な量の水が用いられ、それによって形成した
最終コロイド状分散体には、約4.5重量%より少な
く、少なくとも最小有効量のバナジウムが含まれる。典
型的には、水のバナジウムアルコキシドに対するモル比
は、45:1以上、好ましくは約150:1以上である
ことが必要である。バナジウムの「最小有効量」は、コ
ロイド状分散体が、希釈されているか否かにかかわら
ず、本発明の静電気防止層を含有する有効なスルホポリ
エステルを形成するのに十分な量の酸化バナジウムの型
のバナジウムを含有することを意味する。
【0045】酸化バナジウムコロイド状分散体の調製の
好ましい態様において、十分な量の水が用いられて、形
成したコロイド状分散体は、約0.05重量%〜3.5重
量%のバナジウムを含有する。更に好ましくは、十分な
量の水が用いられて、バナジウム含有種の添加で形成し
たコロイド状分散体は、約0.6〜約1.7重量%のバナ
ジウムを含有する。
【0046】コロイド状酸化バナジウム分散体の調製処
理において、バナジウムオキソアルコキシド類は、水を
バナジウムオキソアルコキシド類に添加するのではな
く、好ましくはバナジウムオキソアルコキシド類を水に
添加することによって加水分解される。このことは、概
して所望のコロイド状分散体を結果として形成し、一般
に余分なゲル化を避けることから、有利である。
【0047】バナジウムオキソアルコキシド類の加水分
解およびその後の縮合反応にモル超過の水が用いられる
限りにおいて、水混和性有機溶剤も含ませてよい。すな
わち、ある種の好ましい態様において、バナジウムオキ
ソアルコキシド類を、水と水混和性有機溶剤の混合物に
加えてもよい。混和性有機溶剤は、限定はされないが、
アルコール類、低モル重量のケトン類、ジオキサン、お
よび高い誘電率の溶剤、例えばアセトニトリル、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等を含む。好ま
しくは、有機溶剤は、アセトンまたはアルコール、例え
ばi-ブチルアルコール、i-プロピルアルコール、n-プロ
ピルアルコール、t-ブチルアルコール等である。
【0048】好ましくは、反応混合物は、有効量のヒド
ロペルオキシド、例えばH22またはt-ブチル過酸化水
素を含む。ヒドロペルオキシドの存在は、コロイド状分
散体の分散特性を改良し、良好な所望の特性を有する静
電気防止被膜の製造を促進するであろう。すなわち、有
効量のヒドロペルオキシドが用いられる場合、結果とし
て生成するコロイド状分散体は、濁りが少なく、更に良
好に分散する。バナジウムオキソアルコキシドのヒドロ
ペルオキシドに対するモル比が、約1:1〜4:1の範
囲であるような量でヒドロペルオキシドが存在すること
が好ましい。
【0049】酸化バナジウムコロイド状分散体を調製す
るためのその他の方法には、(好ましくはないが)、無
機的方法、例えばNaVO3のイオン交換酸性化、VOC
lO3の熱加水分解、およびV25とH22の反応が挙げ
られる。無機的先駆物質で調製した分散体から有効な静
電気防止特性を有する被膜を提供するためには、典型的
には、一般に所望の特性、例えば透明性、付着性および
均一性を損失する結果になるようなバナジウムの実質表
面濃度を必要とする。
【0050】本発明に従った静電気防止層のその他の成
分は、水分散性スルホポリエステルである。多くの種類
の公知の水分散性スルホポリエステル類が用い得る。そ
れらには、−SO3H基の塩を、好ましくはアルカリ金
属またはアンモニウム塩として含む構成単位を1以上含
むポリエステルが含まれる。例えば、これらのスルホポ
リエステル類は、乳化剤と共に、高い剪断力で水中に分
散され、安定なエマルジョンを産する。スルホポリエス
テル類は、完全に水溶性であってもよい。更に、スルホ
ポリエステル類を初めに水と有機共溶剤の混合物中に溶
解して、その後共溶剤を除去し、水性スルホポリエステ
ル分散体を生産することによって安定な分散体を製造し
てもよい。
【0051】米国特許第3,734,874号、同3,779,993号、
同4,052,368号、同4,104,262号、同4,304,901号、同4,3
30,588号に記載のスルホポリエステル類は、例えば、上
記の方法によって水に分散し得る低融点(100℃以下)
または非結晶性スルホポリエステルに関する。一般に
は、このタイプのスルホポリエステル類は、以下の構造
式の構成単位(全てまたはいくつかの構成単位はコポリ
マー)を含有するポリマーとして説明され得る:
【0052】
【化4】
【0053】式中、Mは、アルカリ金属陽イオン(例え
ばナトリウム、カリウムまたはリチウム)、または0〜
18の炭素原子を有する適当な第3および第4アンモニ
ウム陽イオン(例えばアンモニウム、ヒドラゾニウム、
N-メチルピリジニウム、メチルアンモニウム、ブチルア
ンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモ
ニウム、テトラエチルアンモニウム、およびベンジルト
リメチルアンモニウム)であり得る。
【0054】R1は、スルホポリエステルに加えられた
アリーレン基または脂肪族基であり、適当なスルホ置換
ジカルボン酸、例えばスルホアルカンジカルボン酸(ス
ルホコハク酸、2-スルホグルタル酸、3-スルホグルタル
酸、および2-スルホドデカン酸を含む)、およびスルホ
アリーレンジカルボン酸、例えば5'-スルホイソフタル
酸、2-スルホテレフタル酸、5-スルホナフタレン-1,4-
ジカルボン酸、米国特許第3,821,281号に記載のような
スルホベンゾイルマロン酸エステル類、米国特許第3,62
4,034号に記載のようなスルホフェノキシマロネート、
およびスルホフルオレンジカルボン酸類(例えば9,9-ジ
-(2'-カルボキシエチル)-フルオレン-2-スルホン酸)か
ら選択される。対応する4〜12炭素原子の低級アルキ
ルカルボン酸エステル類、ハロゲン化物類、無水物、お
よびスルホ塩も用い得ると解釈される。
【0055】R2は、1またはそれ以上の適当なアリー
レンジカルボン酸、または対応する酸塩化物、無水物、
または4〜12の炭素原子の低級アルキルカルボン酸エ
ステルから選択され、所望によりスルホポリエステルに
加えられ得る。好適な酸には、フタル酸類(オルトフタ
ル酸、テレフタル酸、イソフタル酸)、5-t-ブチルイソ
フタル酸、ナフタール酸(例えば1,4-または2,5-ナフタ
レンジカルボン酸)、ジ-フェニル酸、オキシ二安息香
酸、アントラセンジカルボン酸等が含まれる。好適なエ
ステル類または無水物の例には、ジメチルイソフタレー
トまたはジブチルテレフタレート、およびフタル酸無水
物が含まれる。
【0056】R3は、HO(CH2)nOHの構造式を有
し、nは2〜12の整数である、直鎖または分岐鎖のア
ルキレンジオール類、およびH-(OR5)m-OHの構造式
を有し、R5が2〜4の炭素原子を有するアルキレン基
で、mが1〜6の整数である(その値は、オキシアルキ
レンジオール中に10以下の炭素原子があるように決め
られる)オキシアルキレンジオール類を含む1またはそ
れ以上の好適なジオール類から選択することにより、ス
ルホポリエステル中に加えられ得る。適当なジオール類
の例には、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,5-ペンタンジオ−ル、1,6-ヘキサンジオール、1,
8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、2,2-ジメ
チル−1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロ
パンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、ジイソプ
ロピレングリコール、およびそれに類するものが含まれ
る。1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキ
サンジメタノール等の適当な環式脂肪族ジオール類を含
めてもよい。好適なポリエステルまたはポリエーテルポ
リオール類は、例えばポリカプロラクトン、ポリネオペ
ンチルアジペートまたはポリエチレンオキシドジオール
類を、4000モルまで、またはそれと同等まで用いて
もよく、一般にこれらのポリオール類は、高いモル重量
のポリエステルが望ましい場合には、低モル量のジオー
ル類、例えばエチレングリコールと共に用いられる。
【0057】R4は、適当な脂肪族または環式脂肪族ジ
カルボン酸または対応する酸塩化物、無水物またはエス
テル誘導体、例えばHOOC(CH2)pCOOHの構造式
を有し、pは2〜8の平均値を有する整数である酸(例
えばコハク酸、アジピン酸、マレイン酸、グルタル酸、
スベリン酸、セバシン酸等)から選択することによって
スルホポリエステルに加えられ得る。適当な環式脂肪族
酸には、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸等が含まれ
る。
【0058】本発明で用いられるスルホポリエステル類
は、一般的な技術、典型的には、所望の熱および圧力を
用いた、酸または金属触媒(例えば三酸化アンチモン、
酢酸亜鉛、p-トルエンスルホン酸等)の存在下でのジカ
ルボン酸類(またはそれらのジエステル類、無水物等)
とモノアルキレングリコール類および/またはポリオー
ル類との反応を含む方法によって調製され得る。普通
は、余剰のグリコールが供給され、重合後の段階で、従
来技術によって除去される。所望により、ヒンダードフ
ェノール(hindered phenol)酸化防止剤を反応混合物に
加えて、ポリエステルを酸化から保護してもよい。最終
的なポリマーが90モル%以上のモノアルキレングリコ
ール類および/またはポリオール類残基を含むことを確
実にするため、少量の緩衝剤(例えば酢酸ナトリウム、
酢酸カリウム等)を加えてもよい。正確な反応のメカニ
ズムは確実には解らないが、スルホン化した芳香族ジカ
ルボン酸が、グリコール自体の望ましくない重合を促進
し、緩衝剤はこの反応を阻害すると思われる。
【0059】本発明の静電気防止層は、層の静電気防止
特性に影響を及ぼさないその他の添加物、例えば艶消し
剤、可塑剤、潤滑剤、染料およびヘイズ防止剤を含んで
いてもよい。特に、静電気防止層は、下塗り層と、補助
ゼラチン層またはハロゲン化銀エマルジョン層の下塗り
の静電気防止層とで機能しなければならないので、静電
気防止剤に付着促進剤を加えて、その上のエマルジョン
層またはゼラチン層に良好に付着させることが有効であ
ろう。
【0060】本発明の静電気防止層に加える好ましい付
着促進剤は、エポキシ−シラン化合物であり、以下の構
造式で表される:
【0061】
【化5】
【0062】式中、R5は、20炭素原子より少ない二
価の炭化水素ラジカルである(主鎖は、炭素原子単独、
または上記の二価ラジカルの主鎖内に、シリコンおよび
酸素を除いて隣接した異種原子を含まない炭素原子に付
加した窒素、硫黄、シリコンおよび酸素原子からな
る)。
【0063】R6は、水素、10炭素原子より少ない脂
肪族炭化水素ラジカルまたは10炭素原子より少ないア
シルラジカルである。
【0064】nは0または1であり、mは1〜3であ
る。
【0065】最も好ましいエポキシ−シラン化合物は、
以下の構造式を有する:
【0066】
【化6】
【0067】R7およびR8は、独立して、1〜4の炭素
原子のアルキレン基、およびR9は、水素または1〜1
0、最も好ましくは1〜4の炭素原子のアルキル基であ
る。
【0068】上記の構造式のR5で表される二価ラジカ
ルの例には、メチレン、エチレン、デカレン、フェニレ
ン、シクロヘキシレン、シクロペンタン、メチルシクロ
ヘキシレン、2-エチルブチレンおよびアレン、エーテル
ラジカル(例えば、-CH2-CH2-O-CH2-CH2-、-
(CH2-CH2-O)2-CH2-CH2-、-C64-O-CH2-
CH2-、および-CH2-O-(CH2)3-)またはシロキサ
ンラジカル(例えば-CH2(CH3)2Si-O-、-(CH2)2
(CH2)2Si-O-、-(CH2)3(CH3)2Si-O-、)が含
まれる。
【0069】R6で表される脂肪族炭化水素ラジカルの
例には、メチル、エチル、イソプロピル、ブチルが含ま
れ、R6で表されるアシルラジカルの例には、ホルミ
ル、アセチル、プロピニルが含まれる。
【0070】本発明で有用なエポキシシラン化合物は、
好ましくはγ-グリシドキシプロピル-トリメトキシ-シ
ランおよびβ-(3,4-エポキシシクロ-ヘキシル)-エチル-
トリメトキシ-シランであり、最も好ましくは、γ-グリ
シドキシプロピル-トリメトキシ-シランである。
【0071】上記のエポキシ−シラン化合物は、当該技
術分野において公知の方法、例えばノル(W. Noll)の
「シリコン類の化学および技術(Chemistry and Technol
ogy ofSilicones)」、アカデミック・プレス(Academic P
ress)、の第171-3頁(1968年)、およびジャーナル・オブ
・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Journal ofA
merican Chemical Society)、第81巻、第2632頁(1959
年)に記載の方法によって調製され得る。
【0072】エポキシ−シラン化合物を、酸化バナジウ
ムおよびスルホポリエステルを含む被覆溶液中に、スト
レートの液体または固体として、または適当な溶剤に溶
かした溶液として添加してもよい。エポキシ−シラン化
合物は、加える前に完全にまたは部分的に加水分解され
ていてもよい。「部分的な加水分解」とは、全ての加水
分解可能なシリコン−アルコキシドまたはシリコン−カ
ルボキシレ−ト基が、水との反応によって除去されては
いないことを意味する。エポキシ−シラン化合物の加水
分解は、水および触媒、例えば酸、塩基またはフッ化イ
オンの存在下で簡単になされる。加水分解されたエポキ
シ−シラン化合物は、エポキシ−シラン化合物と、その
他のシラノール基、または未反応のシリコン−アルコキ
シドまたはシリコン−カルボキシレート結合との加水分
解反応において生成されるシラノール基の縮合によって
生成するシロキサンポリマーまたはオリゴマーとして存
在してもよい。共加水分解物または共加水分解物および
共縮合物の形態のエポキシ−シラン化合物を、その他の
非エポキシ−シラン化合物に加えてもよい。
【0073】本発明の静電気防止層中のエポキシ−シラ
ン化合物の割合は、静電気防止層と共に提供される特定
のラジオグラフ材料または重合フィルムベースの必要性
に合わせて、広く変化させ得る。典型的には、エポキシ
−シラン化合物のスルホポリエステルに対する重量比
は、約0.01〜約0.6、好ましくは約0.02〜約0.
4の範囲である。
【0074】その他の有用な付着促進剤は、非シランエ
ポキシ化合物、例えばポリエチレングリコールジグリシ
ジルエーテル類、ビス-フェノールAジエポキシド、エ
ポキシ含有ポリマー、エポキシ含有ポリマーラテックス
類、およびエポキシ官能性モノマーを含む。
【0075】本発明の静電気防止層を調製するための被
覆組成物は、スルホポリエステルを水中に、所望により
水混和性溶剤と共に(一般に、共溶剤は50重量%より
少ない)分散させることによって調製され得る。分散体
は、0および50重量%までのスルホポリエステル、好
ましくは10〜25重量%のスルホポリエステルを含有
していてよい。水混和性の有機溶剤を加えてもよい。使
用し得る有機溶剤の例は、アセトン、メチルエチルケト
ン、メタノール、エタノールおよびその他のアルコール
類およびケトン類を含む。そのような溶剤の存在は、被
覆溶液の被覆特徴を変えるために必要である場合に望ま
しい。
【0076】コロイド状酸化バナジウムおよびスルホポ
リエステルの混合物の調製のために、上記のように、バ
ナジウムオキソアルコキシドをモル超過のイオン交換水
で加水分解することによって、最も好ましい酸化バナジ
ウムのコロイド状分散体が調製され得る。好ましい調製
は、以下に詳細を示すように、過酸化水素溶液にバナジ
ウムイソブトキシドを加えることによってなされる。酸
化バナジウム分散体は、水性スルホポリエステル分散体
と混合する前にイオン交換水で希釈して、所望の濃度に
してもよい。かなり少量の酸化バナジウムを含有する分
散体は、有用な本発明の被膜を提供し得る。どんな場合
にも、存在する酸化バナジウムの量は、最終的な被膜に
静電気防止特性を与えるに十分な量である。イオン交換
水の使用によって、分散体中のコロイド状粒子の凝集が
避けられる。イオン交換水は、かなりの量のCa2+およ
びMg2+が除去されている。好ましくは、イオン交換水
は、多価陽イオンを50ppmより少なく、最も好ましく
は5ppmより少なく含有する。
【0077】スルホポリエステル分散体および酸化バナ
ジウム分散体は、一緒に混合される。一般に、2種の分
散体を完全に混合できるように十分な時間撹拌する。し
かしながら、その他の材料または粒子を被覆混合物中に
加える場合は、該混合物をいくつかのガラスビーズを入
れたガラスジャー中に置いて数時間撹拌し、それを回転
粉砕するのが便利である。界面活性剤を混合段階で加え
てもよい。高い酸性、塩基性または複合能力を有するも
の、または所望のエレメントを妨害するもの以外であれ
ば、どんな水親和性界面活性剤でも本発明の実施に適す
る。好適な界面活性剤は、被膜の静電気防止特性を変え
ることなく、被覆溶液によって支持体表面を均一に濡ら
すことができる。支持体によっては、完全に濡らすこと
は難しいので、有機溶剤を加えることによって被覆組成
を変えることが時には便利である。スルホポリエステル
または酸化バナジウムの凝集または沈殿を起こさない限
りにおいて、種々の溶剤を添加してもよいことは、当業
者には自明である。
【0078】また、スルホポリエステルの存在下で、例
えばVO(OiBu)3(バナジウムトリイソブトキシオキ
サイド)を加えて、所望により過酸化水素を含むポリマ
ーの分散体にし、該混合物を50℃にて数時間から数日
保存することによって酸化バナジウム分散体を生成して
もよい。この方法では、コロイド状酸化バナジウム分散
体は、現場において、コロイド状分散体の凝集から明ら
かなように、非親和性ではないであろうものを有する分
散体として提供され得る。またこの方法は更に簡便ない
くつかの分散体の調製方法であってもよい。
【0079】スルホポリエステル/酸化バナジウム組成
物は、どんな重量百分率の固体をも含有し得る。被覆能
力を簡単にするために、これらの組成物は、好ましくは
0以上(約0.05重量%程度、好ましくは0.15重量
%程度の固体が有用であり得る)、および約15重量%
までの固体を含む。さらに好ましくは、組成物は、0以
上および10重量%まで、最も好ましくは0以上および
6重量%までの固体を含む。乾燥固体において、スルホ
ポリエステルの酸化バナジウムに対する重量比は、3
0:1より高く、好ましくは100:1より高く、更に
好ましくは200:1より高い。本発明の更に好ましい
態様によれば、スルホポリエステルの酸化バナジウムに
対する重量比は、100:1〜1000:1、更に好ま
しくは200:1〜800:1の範囲で変化する。スル
ホポリエステル/酸化バナジウムの重量比値がこれより
低いと、処理後の静電気防止性能が劣る。スルホポリエ
ステル/酸化バナジウムの重量比値がこれより高いと、
処理前においても、静電気防止性能が劣る。本発明のラ
ジオグラフエレメントにおける酸化バナジウムの量は、
0.40mg/m2以上、更に好ましくは0.60mg/m2以上である。
【0080】本発明の静電気防止層のコロイド状酸化バ
ナジウム/スルホポリエステル分散体から調製した被膜
は、典型的にはホイスカー型の酸化バナジウム粒子を含
有する。これらの粒子は、高いアルペクト比を有し(す
なわち10より大きく、約200程度でさえある)、一
般に均一に分布している。コロイド状粒子は、電界放射
電子顕微鏡によって試験を行った。酸化バナジウム分散
体のいくつかの試料の顕微鏡写真は、均一に分布した、
約0.02〜0.08mmの幅、および約1.0〜5.0mmの
長さの酸化バナジウムのホイスカー型コロイド状粒子を
示した。しかしながら、当業者が合成方法を調整して粒
子の寸法を変えることは容易であるので、本発明はこれ
らの酸化バナジウム粒子の寸法に限定されるものではな
い。
【0081】これらの分散体は、浸漬被覆機(dip coati
ngs)、回転被覆機(spin coatings)またはロール被覆機
(roll coatings)によって被覆され得る。被膜はまた、
あまり好ましくはないが、スプレー被覆機によって形成
してもよい。本発明の静電気防止層は、支持ベースの片
側または両側に被覆され得る。感光性エレメント用支持
体として、例えばバリタ紙、ポリエチレン被覆紙、ポリ
プロピレン合成紙、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポ
リエステルフィルム、例えばポリエチレンテレフタレー
ト等を用いてもよい。これらの支持体は、感光性ハロゲ
ン化銀写真エレメントの使用目的に応じて選択してよ
い。ポリエステル支持体は、通常機械特性を改良するた
めに、テンター(tenter)処理を施す。本発明においてポ
リエステル支持体が用いられる場合、酸化バナジウムと
重合バインダーの層をそれらに塗布する前に、テンター
処理を施さなければならない。酸化バナジウムと重合バ
インダーの層をポリエステル支持体に被覆した後には、
ポリエステル支持体にはいかなるテンター処理も施して
はならない。いかなる理論によって限定されるわけでは
ないが、酸化バナジウム被膜の固有伝導度は、酸化バナ
ジウム粒子の相互接触によるものと考えられる。被覆し
た支持体のテンター処理が、おそらく酸化バナジウム粒
子の分離のために、静電気防止層の伝導性を減少させる
ことが示されている。支持体は、必要であれば下塗り層
と共に提供されてもよい。一般に、医療のラジオグラフ
ィー用の上記支持体は、青色に着色されている。好まし
い染料は、アントラキノン染料であり、例えば米国特許
第3,488,195号、同3,849,139号、同3,918,976号、同3,9
33502号、同3,948,664号、および英国特許第1,250,983
号、同1,372,668号に記載の染料が挙げられる。
【0082】分散体を被覆したならば、被覆フィルムを
乾燥させる。乾燥は、一般に室温から、フィルムベース
およびスルホポリエステルによって限定される温度ま
で、好ましくは室温から200℃、最も好ましくは50
〜150℃で、数分行う。乾燥被膜重量は、好ましくは
10mg/m2〜1g/m2の範囲である。
【0083】ラジオグラフエレメントの本発明の静電気
防止層上にハロゲン化銀エマルジョンを被覆した側は、
20分より短く、好ましくは10分より短く、更に好ま
しくは5分より短い溶融時間を示す。
【0084】ここで使用する「溶融時間」とは、1.5
重量%のNaOH水溶液中に、50℃で、1×2cmの
寸法に切断したハロゲン化銀写真エレメントを浸漬し、
ハロゲン化銀写真エレメントを構成しているハロゲン化
銀エマルジョン層の少なくとも1つが溶け始める時間を
指す。本方法の参照例は、米国特許第4,847,189号にも
見られる。本発明のラジオグラフエレメントは、20分
より短い溶融時間を示すことが好ましい。本発明の更に
好ましい態様では、溶融時間は5分より短い。
【0085】本発明において、上記の溶融時間値を示す
ハロゲン化銀ラジオグラフエレメントは、自動処理機の
ラジオグラフエレメント挿入口からその出口までの時間
が45秒より少ない、好ましくは30秒より少ない超高
速処理機で、硬化剤非含有現像液および固定液を用いて
処理し得る。これらの条件において、本発明の写真エレ
メントの物理的および写真特性は、45〜90秒の高速
処理機を用いて得た物理および写真特性と同等か、それ
よりも良好である。
【0086】本発明のラジオグラフエレメントは、予め
硬化して、処理溶液中に硬化剤を使用せずに、自動処理
機で処理される高速処理に対し良好な耐性を提供し得
る。ゼラチン硬化剤の例は、アルデヒド硬化剤、例えば
ホルムアミド、グルタルアルデヒド、レゾルシノールア
ルデヒド、およびそれに類するもの、活性ハロゲン硬化
剤、例えば2,4-ジ-クロロ-6-ヒドロキシ-1,3,5-トリア
ジン、2-クロロ-4,6-ヒドロキシ-1,3,5-トリアジン、お
よびそれに類するもの、活性ビニル硬化剤、例えばビス
-ビニルスルホニル-メタン、1,2-ビニルスルホニル-エ
タン、ビス-ビニル-スルホニル-メチルエーテル、1,2-
ビスビニル-スルホニル-エチルエーテル、およびそれに
類するもの、N-メチロール硬化剤、例えばジメチロール
ウレア、メチロールジメチルヒダントインおよびそれに
類するもの、およびビ-、トリ-またはテトラ-ビニルス
ルホニル置換有機ヒドロキシ化合物、例えば1,3-ビス-
ビニルスルホニル-2-プロパノールおよびそれに類する
ものが挙げられる。その他の公知の硬化剤については、
リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)
第308巻、アイテム308119、セクションX(19
89年12月)を参照できる。
【0087】上記のゼラチン硬化剤は、ハロゲン化銀エ
マルジョン層中またはハロゲン化銀エマルジョン層と透
水性の関係を有するハロゲン化銀ラジオグラフエレメン
トの層に加えてもよい。好ましくは、ゼラチン硬化剤
は、ハロゲン化銀エマルジョン層に加えられる。
【0088】本発明のラジオグラフエレメントのハロゲ
ン化銀エマルジョンに用いられる上記のゼラチン硬化剤
の量は、広く変えることができる。一般に、ゼラチン硬
化剤は、親水性分散剤の0.5重量%〜10重量%の範
囲で用いられ、例えば高イオン交換ゼラチンでは、親水
性分散剤の1重量%〜5重量%の範囲が好ましい。
【0089】ゼラチン硬化剤は、ハロゲン化銀エマルジ
ョン層またはその他のラジオグラフエレメントの成分層
に、エマルジョンを作製する公知のどんな技術を用いて
加えられてもよい。例えば、それらを、水または水混和
性溶剤(メタノール、エタノール等)中に溶解し、上記
のハロゲン化エマルジョン層または補助層用の被覆組成
物中に加えてもよい。
【0090】本発明のハロゲン化銀エマルジョン層中に
含まれる板状ハロゲン化銀グレインは、3:1以上、好
ましくは3:1〜20:1、更に好ましくは3:1〜1
4:1、最も好ましくは3:1〜8:1の平均直径対厚
み比(当該技術分野においては、しばしばアスペクト比
と呼ぶ)を有する。本発明で使用するのに適した板状ハ
ロゲン化銀グレインの平均直径は、約0.3〜約5mm、
好ましくは0.5〜3mm、更に好ましくは0.8〜1.5m
mである。本発明で使用するのに適した板状ハロゲン化
銀グレインは、約0.4mmより小さく、好ましくは0.3
mmより小さく、更に好ましくは0.2mmより小さい厚み
を有する。
【0091】上記の板状ハロゲン化銀グレイン特性は、
当業者に公知の方法によって直ちに確かめられ得る。
「直径」の用語は、グレインの突出した領域に相当する
領域の有する円の直径として定義する。「厚み」の用語
は、板状ハロゲン化銀グレインを構成する2つの実質的
に平行な主要平面の間の距離を意味する。それぞれのグ
レインの直径および厚みを測定することにより、それぞ
れのグレインの直径対厚み比が計算でき、全ての板状グ
レインの直径対厚み比は、それらの直径対厚み比の平均
によって得られる。この定義から、平均直径対厚み比
は、独立した板状グレインの直径対厚み比の平均であ
る。実際には、板状グレインの平均直径と平均厚みを得
て、これらの平均値の比として平均直径対厚み比を計算
するのがより簡単である。どんな方法を用いても、平均
直径対厚み比は大きく異なることはない。
【0092】本発明の板状ハロゲン化銀グレインを含有
するハロゲン化銀エマルジョン層において、15%以
上、好ましくは25%以上、および更に好ましくは50
%以上のハロゲン化銀グレインが、3:1より小さくな
い平均直径対厚み比を有する板状グレインである。上記
の比率「15%」、「25%」および「50%」のそれ
ぞれは、3:1以上の直径対厚み比および0.4mmよ
り小さい厚みを有する板状グレインの総突出領域を、層
中の全てのハロゲン化銀の突出領域と比較したときの割
合を意味する。グレインの残りは、その他の従来のハロ
ゲン化銀グレイン構造、例えば立方体、斜方晶系、四面
体等からなっていてもよい。
【0093】本発明において、ハロゲン化銀グレインの
通常使用するハロゲン組成物を用いてもよい。典型的な
ハロゲン化銀は、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、ヨウ化塩
素銀、ヨウ化臭素銀、ヨウ化塩素臭素銀およびそれに類
するものを含む。しかしながら、臭化銀およびヨウ化臭
素銀は、0〜10モル%のヨウ化銀、好ましくは0.2
〜5モル%のヨウ化銀、更に好ましくは0.5〜1.5モ
ル%のヨウ化銀を有する板状ハロゲン化グレイン用に好
ましいハロゲン化銀組成物である。独立したグレインの
ハロゲン組成物は、均一であっても不均一であってもよ
い。
【0094】板状ハロゲン化銀グレインを含有するハロ
ゲン化銀エマルジョンは、写真エレメントの調製方法と
して公知の様々な方法によって調製され得る。ハロゲン
化銀エマルジョンは、酸処理、中和処理またはアンモニ
ア処理によって調製され得る。調製の工程において、可
溶化銀塩およびハロゲン塩を、シングルジェット処理(s
ingle jet process)、ダブルジェット処理(double jet
process)、反転混合処理(reverse mixing process)、ま
たはそれらを組み合わせた処理に従い、pH、pAg、
温度、反応容器の形態および大きさ、および反応方法な
どのグレイン形成の条件を調節することによって、反応
させてもよい。グレインサイズグレインの形態、グレイ
ンの粒径分布およびグレイン成長率を調節するために、
ハロゲン化銀溶剤、例えばアンモニア、チオエーテル
類、チオウレア類等を所望により用いてもよい。
【0095】板状ハロゲン化銀グレイン含有ハロゲン化
銀エマルジョンの調製は、例えばカグナックら(Cugnac
and Chateau)の「物理的熟成中の臭化銀結晶の組織展開
(Evokution of the Morphology of Silver Bromide Cry
stas During Physical Ripening)」(サイエンス・アン
ド・インダストリーズ・フォトグラフィックス(Science
and Industries Photographiques))第33巻、第2号、
第121〜125頁(1962年))、ガトフ(Gutoff)の「ハロゲン
化銀写真エマルジョンの沈殿中の核形成および成長率(N
ucleation and Growth Rates During the Precipitatio
n of Silver Halide Photographic Emulsions)」(フォ
トグラフィック・サイエンス・アンド・エンジニアリン
グ(Photographic Science and Engineering)、第14巻、第
4号、第248〜257頁(1970年))、ベリー(Berry)らの「臭
化銀微細結晶の成長における環境の効果(Effects of En
vironment on the Growth of Silver Bromide Microcry
stals)」(第5巻、第6号、第332〜336頁(1961年))、米国
特許第4,063,951号、同4,067,739号、同4,184,878号、
同4,434,226号、同4,414,310号、同4,386,156号、同4,4
14,306号、および欧州特許出願第263,508号に記載され
ている。
【0096】板状ハロゲン化銀グレイン含有ハロゲン化
銀エマルジョンの調製において、高イオン交換ゼラチン
に加え、多くの様々なハロゲン化銀用の親水性分散剤が
用い得る。当該技術分野において公知のように、その他
のコロイド状材料、例えばゼラチン誘導体、コロイド状
アルブミン、セルロース誘導体、または合成親水性ポリ
マーが用い得るが、上記のゼラチンが好ましい。
【0097】本発明の板状ハロゲン化銀エマルジョン
を、写真技術において公知のどんな方法で増感してもよ
い。含硫化合物、金および貴金属化合物、ポリオキシア
ルキレン化合物が特に好ましい。特に、ハロゲン化銀エ
マルジョンを、硫黄増感剤(例えばアリル-チオカルバ
ミド、チオウレア、シスチン、ナトリウムチオスルフェ
ート、アリールチオスルホネート類、アリールスルフィ
ネート類、アリルチオウレア、アリルチオシアネート
等)、活性または不活性セレン増感剤、還元増感剤(例
えば第1スズ塩、ポリアミン等)、貴金属増感剤(例え
ば金増感剤、更に詳細にはアウリチオシアネートカリウ
ム、カリウムクロロアウレート、第二金塩素酸、硫化
金、セレン化金等)、または水溶性塩増感剤(例えばル
チニウム、ロジウム、イリジウム等、更に詳細には、ア
ンモニウムクロロパラデート、カリウムクロロプラチネ
ート、およびナトリウムクロロパラダイト等)を用いて
化学的に増感してもよく、それぞれ単独または適当に組
み合わせて使用できる。その他の化学増感剤の有用な例
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー17643、セク
ションIII(1978年)、およびリサーチ・ディスクロージ
ャー30819、セクションIII(1989年)に記載されている。
【0098】更には、本発明のハロゲン化銀グレインエ
マルジョンは、所望により、可視スペクトルの望ましい
範囲に光学的に増感させてもよい。本発明のスペクトル
増感のための方法は、特に限定されない。例えば、光学
増感剤、例えばシアニン染料、メロシアニン染料、シア
ニンとメロシアニンの複合染料、オキソノール染料、ヘ
ミオキソノール染料、スチリル染料、およびストレプト
シアニン染料を単独または組み合わせて用いることによ
って、光学増感をしてもよい。有用な光学増感剤は、キ
ノリン、ピリジン、イソキノリン、ベンズインドール、
オキサゾール、チアゾール、セレナゾール、イミダゾー
ルのシアニン誘導体を含む。特に有用な光学増感剤は、
ベンズオキサゾール-、ベンズイミダゾール-、およびベ
ンゾチアゾール-カルボシアニンのタイプである。通
常、化学増感の完了後にスペクトル増感剤が添加され
る。その代わりに、スペクトル増感を化学増感と同時に
行っても、化学増感より前に行っても、そしてハロゲン
化銀沈殿の完了前に始めてもよい。化学増感の前にスペ
クトル増感を行う時、板状グレインの結晶学上の表面に
スペクトル増感染料が選択的に吸収されることによっ
て、板状グレインの結晶学上の表面とは異なるところに
化学増感が選択的に起こる。好ましい態様において、上
記のスペクトル増感剤は、ハロゲン化銀グレインの表面
に吸収されて、J集合体、および水性溶液中の遊離染料
の吸収最大に関して深色団シフトを有する鋭利な吸収バ
ンド(J−バンド)を形成する。J集合体を形成するス
ペクトル増感剤は、ハマー(F. M. Hamer)の「シアニン
染料および関連化合物(Cyanine Dyes and Related Comp
ounds)」(ジョン・ウイリィー・アンド・ソンズ(John
Wiley and sons)、第17章(1964年))、およびジェームス
(T. H. James)「写真処理の理論(The Theory of the Ph
otographic Process)」(第4版、マックミラン(Macmilla
n)、第8章(1977年))に記載されているように、当該技術
において公知である。
【0099】好ましくは、J−バンドを示す染料はシア
ニン染料である。このような染料は、メチン(methine)
基の結合によって連結した2つの塩基性複素環式核であ
る。複素環式核は、好ましくはJ集合を強めるために、
連結したベンゼン環を含む。複素環式核は、好ましくは
キノリニウム、ベンゾキサゾリウム、ベンゾチアゾリウ
ム、ベンゾセレナゾリウム、ベンズイミダゾリウム、ナ
フトキサゾリウム、ナフトチアゾリウムおよびナフトセ
レナゾリウム第4塩類である。
【0100】上記のエマルジョンに、それらの目的に応
じて便利に用いられる様々な添加剤を加えてもよい。こ
れらの添加剤には、例えば安定剤、またはかぶり防止剤
(例えばアザインデン類、チアゾール類、テトラゾール
類、イミダゾリウム塩類、ポリヒドロキシ化合物等)、
現像促進剤(例えばベンジルアルコール、ポリオキシエ
チレン型化合物等)、画像安定剤(例えばクロマン、ク
マラン、ビスフェノール型の化合物等)、および光沢剤
(例えばワックス、高脂肪酸グリセリド類、高脂肪酸の
多価アルコールエステル類等)が含まれる。また、被覆
助剤、処理液の透過性加減剤、消泡剤、静電気防止剤お
よび艶消剤を用いてもよい。その他の有用な添加剤は、
リサーチ・ディスクロージャー、アイテム17643(1978年
12月)、リサーチ・ディスクロージャー、アイテム18431
(1979年8月)、およびリサーチ・ディスクロージャー308
119、セクションIV(1989年)に開示されている。
【0101】ハロゲン化銀エマルジョンおよびその他の
親水性コロイド層用のバインダーとしては、ゼラチンが
好ましいが、その他の親水性コロイド類も単独または組
み合わせて用い得る。その例としては、デキストラン、
セルロース誘導体(例えばヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース)、コラーゲン誘導
体、コロイド状アルブミンまたはカゼイン、ポリサッカ
ライド類、合成親水性ポリマー(例えばポリビニルピロ
リドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピラゾール)、およびそれらに類するものが
挙げられる。ゼラチン誘導体、例えば高イオン交換ゼラ
チン、アセチル化ゼラチンおよびフタル化ゼラチンを用
いてもよい。上記の親水性コロイドを、合成重合バイン
ダーおよびペプタイザー、例えばアクリルアミドおよび
メタクリルアミドポリマー、アルキルおよびスルホアル
キルアクリレート類およびメタクリレート類のポリマ
ー、ポリビニルアルコールおよびその誘導体、ポリビニ
ルラクタム類、ポリアミド類、ポリアミン類、ポリビニ
ルアセテート類、およびそれに類するものと組み合わせ
て使用することも普通である。高イオン交換ゼラチン
は、普通に用いる写真用ゼラチンと比較して高いイオン
除去率を特徴とする。好ましくは、高イオン交換ゼラチ
ンは、殆ど完全にイオン除去されており、5000ppmまで
のCa++イオンとその他の多くのイオンを有する普通の
写真用ゼラチンと比較して、Ca++イオンは50ppm(100
万分の1)より少なく、その他のイオン、例えば塩化物
類、リン酸塩類、硫酸塩類、および硝酸塩類が実質的に
ない(5ppmより少ない)ことを意味するものとして定義
される。
【0102】その他の層および添加剤、例えば下塗り
層、界面活性剤、フィルター染料、中間層、保護層、ハ
レーション防止層、バリア層、現像阻害化合物、感度増
加剤、安定剤、可塑剤、化学増感剤、UV吸収剤等をラ
ジオグラフエレメント中に含ませてもよい。
【0103】写真エレメントおよび様々な層や添加剤の
詳細な説明は、リサーチ・ディスクロージャー17643(19
78年12月)、18431(1979年8月)、18716(1979年11月)、22
534(1983年1月)、および308119(1989年12月)に見られ
る。
【0104】本発明のハロゲン化銀ラジオグラフエレメ
ントは、従来の処理方法によって露光および処理され得
る。いかなる公知の現像剤を現像液中に用いてもよい。
例えばジヒドロキシベンセン類(例えばヒドロキノ
ン)、ピラゾリドン類(1-フェニル-3-ピラゾリドン-4,
4-ジメチル-1-フェニル-3-ピラゾリドン)、およびアミ
ノフェノール類(例えばN-メチル-p-アミノフェノー
ル)を単独または組み合わせて用い得る。好ましくは、
ハロゲン化銀ラジオグラフエレメントを、現像主剤とし
てジヒドロキシベンゼン類、および現像助剤としてピラ
ゾリドン類およびp-アミノゲノール類を含む現像液で現
像する。更に好ましくは、本発明のハロゲン化銀ラジオ
グラフエレメントを硬化剤非含有現像液で現像する。
【0105】その他の公知の添加剤を現像液に含ませて
もよく、例えばかぶり防止剤(例えばベンゾトリアゾー
ル類、インダゾール類、テトラゾール類)、ハロゲン化
銀溶剤(例えばチオスルフェート類、チオシアネート
類)、金属イオン封鎖剤(例えばアミノ−ポリカルボン
酸類、アミノポリリン酸類)、亜硫酸塩酸化防止剤、バ
ッファー類、現像抑制剤、硬化剤、コントラスト促進
剤、界面活性剤等が挙げられる。無機アルカリ性剤、例
えばKOH、NaOH、LiOHを現像液組成物に加えて
所望のpH(通常は、10より高い)を得る。
【0106】本発明のハロゲン化銀ラジオグラフエレメ
ントは、典型的な組成の固定剤を用いて処理し得る。固
定剤には、チオスルフェート類、チオシアネート類、亜
硫酸塩類、アンモニウム塩類等が含まれる。固定剤組成
物は、その他の公知の添加剤、例えば酸化合物(例えば
メタビスルフェート)、バッファー類(例えばカルボン
酸、酢酸)、硬化剤(例えばアンモニウム塩)、トーン
改良剤等を含んでいてもよい。
【0107】本発明は特に、ラジオグラフエレメント
が、1つの処理ユニットから別のユニットへ、ローラー
によって等速度で自動輸送される自動処理機を用いた高
温加速処理用に効果がある。上記の自動処理機の典型例
としては、スリーエム社(3M)のトリマチック(TRIMA
TICTM)XP515、およびコダック社のRP X-OMATTMがある。
処理温度は、20〜60℃、好ましくは30〜50℃の
範囲であり、処理時間は、60秒より速く、好ましくは
45秒より速く、更に好ましくは30秒より速い。本発
明のラジオグラフエレメントの良好な静電気防止および
表面特性は、フィルム表面にスタチックマークまたはス
クラッチ(scratches)の望ましくない外観を有すること
なく、エレメントの高速処理を可能にする。
【0108】本発明の目的および長所を以下の実施例で
更に詳細に説明するが、実施例中に記載した特定の材料
および量は、その他の条件や詳細と同様に本発明を不法
に制限するものではない。
【0109】
【実施例】
(実施例1)板状グレインハロゲン化銀エマルジョンの調製 板状グレイン臭化銀エマルジョン(8:1の平均直径対
厚み比を有し、イオン交換ゼラチン(粘度が、60℃にお
いて、6.67%W/Wの水溶液で4.6mPasであり、伝導度が、4
0℃において、6.67%W/Wの水溶液で150μs/cm未満であ
り、Ca++が50ppmより少ない)の存在下で調製)をシア
ニン染料を用いて緑光に光学増感、および金イソシアネ
ート錯体、p-トルエンチオスルホン酸ナトリウム、p-ト
ルエンスルフィン酸ナトリウム、およびベンゾ-トリア
ゾールヨードエチレートを用いて化学増感した。化学蒸
解の最後に、非イオン交換ゼラチン(粘度が、60℃にお
いて、6.67%W/Wの水溶液で5.5mPasであり、伝導度が、4
0℃において、6.67%W/Wの水溶液で1,100μs/cmであり、
Ca++が4500ppmである)を、エマルジョンが83重量%
のイオン除去ゼラチンと17重量%の非イオン交換ゼラ
チンを有するように加えた。エマルジョンに、5-メチル
-7-ヒドロキシ-トリアザインドリジン安定剤、陰イオン
界面活性剤、および硬化剤混合物(ジメチロールウレア
およびレソルシノールアルデヒド)を加えた。
【0110】酸化バナジウムの調製 バナジウムトリイソブトキシド(VO(O-iBu)3)(1
5.8g、0.055モル、イリノイ州シカゴのアクゾ・ケミカル
社(Akzo Chemicals, Inc.))を、過酸化水素(305水
溶液を1.56g、0.0138モル、ケンタッキー州、
パリ、マーリンクロット(Mallinchrodt))のイオン交換
水(232.8g)溶液に高速撹拌しながら、室温で加え、溶
液のバナジウム濃度を.22モル/kg(2.0%V25)にし
て、酸化バナジウムコロイド状分散体を調製した。バナ
ジウムイソブトキシドの添加で、混合物は濃茶色にな
り、5分以内にゲル化した。連続撹拌により、濃茶色の
ゲルが破壊して不均一な粘性の濃茶色の溶液となり、こ
れは、約45分間で均一になった。試料を1.5時間室温
で放置した。ポリエチレンボトルに移し、50℃の恒温
槽で6日間熟成させ、濃茶色のチキソトロピーのコロイ
ド状分散体が得られた。
【0111】ゲル中のV(+4)の濃度は、過マンガン酸カ
リウムを用いた滴定で測定し、0.072モル/kgであった。
これは、0.33のV(+4)のモルフラクション(すなわち、
(+4)/総バナジウム量)に相当する。
【0112】その後コロイド状分散体を、更にイオン交
換水と混合して、被膜形成に用いる前に所望の濃度にし
た。
【0113】スルホポリエステルの調製 1.スルホポリエステルの合成(ポリマーA) 1ガロンのポリエステルケトル(kettle)を、126g(6.2モ
ル%)のジメチル-5-ソジオスルホイソフタレート、625.5
g(46.8モル%)のジメチルテレフタレート、628.3g(47.0
モル%)のジメチルイソフタレート、854.4g(200モル%グ
リコール超過)のエチレングリコール、365.2g(10モル%、
最終ポリエステルの22重量%)のPCP-0200TMポリカプロラ
クトンジオール(ユニオン・カーバイド(Union Carbid
e)、コネチカット州ダンバリー(Danbury))、0.7gの酸化
アンチモン、および2.5gの酢酸ナトリウムで満たした。
【0114】該混合物を、窒素雰囲気下で、138kPa(20p
si)において、撹拌しながら180℃に加熱し、0.7gの酢酸
亜鉛を加えた。メタノール放出が観察された。温度を22
0℃にまで上げ、1時間保持した。圧力を下げて減圧し
(0.2torr)、温度を260℃にまで上昇させた。材料の粘度
は、30分間の間に増加し、その後高モル重量の透明で粘
性のあるスルホポリエステルが流出した。このスルホポ
リエステルは、DSCによって、41.9℃のTgを有する
ことが解った。理論的なスルホネート当量は、スルホネ
ート1モルあたり、3954gポリマーであった。500gのポ
リマーを2000gの水と450gのイソフタレートの混合物中
に80℃にて溶解した。その後温度を95℃にまで上げて、
イソプロパノール(および水の部分)を除去し、21%固
体水性分散体を得た。
【0115】2.スルホポリエステルの合成(ポリマー
B) 1000mlの三つ口丸底フラスコに、シールド・スターラー
(sealed stirrer)、温度計、還流凝縮器、および減圧用
器具を付け、134.03gのジメチルテレフタレート(65モル
%)、47.16gのジメチルナトリウムスルホイソフタレート
(15モル%)、36.99gのジメチルアジペート(20モル%)、13
1.79gのエチレングリコール(100モル%)、0.11gのアンチ
モントリオキシド、および0.94gの酢酸ナトリウムで満
たした。
【0116】該混合物を撹拌しながら155℃にまで加熱
し、メタノールを蒸留しながら155℃から180℃で約2時
間維持した。温度が180℃になったとき、0.5gの酢酸亜
鉛(エステル化触媒)を加えた。温度を5時間の間に23
0℃にまでゆっくりと上げ、その間にメタノールを完全
に放散させた。フラスコ中の圧力を0.5torrまたはそれ
より低くして、エチレングリコールを蒸留させ、約60g
が集められた。温度を250℃にまで上げて1.5時間保持
し、その後システムを乾燥窒素の大気圧力中に運んだ。
反応生成物を、フラスコからポリテトラフルオロエチレ
ンのパンに流出させ、冷却した。生成したポリエステル
は、DSCにより45℃のTg、および170℃の(融点)T
mを有した。スルホポリエステルは、1350の理論スルホ
ネート当量を有し、熱水(80℃)に可溶であった。
【0117】被覆混合物の調製 一般方法:酸化バナジウムコロイド状分散体を、イオン
交換水に、所望の濃度になるまで撹拌しながら希釈し
た。この溶液をスルホポリエステルの水性分散体および
少量の界面活性剤と混合した。界面活性剤の添加は、被
膜の濡れ特性を改良するため好ましい。静電気防止層の
支持ベースへの付着およびエマルジョン層の静電気防止
層への付着を改良するために付着促進剤を添加した。総
固体の約10〜30重量%の量で用いた付着促進剤の種類を
表1に一覧にした。該混合物を、ダブルローラー被覆機
を用いて青色ポリエステルフィルム支持層(例えばポリ
エチレンテレフタレート)の片側に被覆し、静電気減衰
および表面抵抗性測定を行った。例えばフィルム処理
(例えばフレーム処理、コロナ処理、プラズマ処理)ま
たは追加層(例えばプライマーや下塗り)を使用しない
フィルム支持層上に静電気防止組成物を被覆できること
が解った。上記の板状グレインハロゲン化銀エマルジョ
ンを、銀被覆度2.15g/m2および片側あたりゼラチン被覆
度1.5g/m2で、ポリエステル支持層の各側に被覆した。
【0118】片側あたり1.1g/m2のゼラチンを含有する
低粘度ゼラチン保護スーパーコート、ニアプルーフ(Nia
proofTM)(アルカンスルフェート型の陰イオン界面活性
剤の登録商標)、テゴベタイン界面活性剤、以下の構造
式を有するフッ素化界面活性剤:
【0119】
【化7】
【0120】シリコン分散体、およびポリメチルメタク
リレート艶消し剤を各被膜上に塗り、13種類のダブル
サイドラジオグラフフィルム1〜13を得た。
【0121】被覆した加工品は、60℃で2分間乾燥さ
せた。被覆したフィルムの静電気防止特性を、それぞれ
の被覆試料の表面抵抗性および荷電減衰時間の測定によ
って測った。表面抵抗性測定は、以下の手順で行った。
まず各フィルム試料をセル中に21℃および25%RHで24時
間保持し、電気抵抗をヒューレットパッカード(Hewlwtt
-Packard)高抵抗メーター(High resistance Meter)4329
A型を用いて測定した。5×1011より小さい抵抗値が最適
である。1×1012までの値であれば有用であり得る。
【0122】以下の表1に4種の付着値を併せて示す。
第1の付着値は乾燥付着値であり、写真処理前の静電気
防止層へのハロゲン化銀エマルジョン層および補助ゼラ
チン層の付着を指す。第2および第3の付着値は、濡れ
付着値で、写真処理(現像液および固定液)の間の静電
気防止層への上記の層の付着を指す。第4の付着値は、
乾燥付着値であり、写真処理後の静電気防止層への上記
の層の付着を指す。特に乾燥付着性は、被覆したフィル
ムを引き裂いた試料によって測定した。つまり、3Mス
コッチ(ScotchTM)ブランド5959感圧接着テープをフィル
ムの引き裂きラインに沿って貼り、フィルムからテープ
を素早く引き離して測定した。層付着性は、学術的方法
に従って評価し、すべての層がフィルムから取り除かれ
た場合を0とし、ベースから全く取り除かれなかった場
合を10とし、その中間の状態には中間値を与えた。濡
れ付着性は、処理浴から取り出してすぐのフィルム上に
アステリスクを形成するように鉛筆の先でいくつかの線
を描き、線上を指でこすることによって測定した。この
場合にもまた、層の付着性は学術的な方法に従って評価
し、層が全てベースから除去された場合を0とし、ベー
スから全く取り除かれなかった場合を10とし、その中
間の状態には中間値を与えた。結果を以下の表1に示
す。
【0123】
【表1】
【0124】静電気防止および付着特性の両方において
最良の結果は、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン含有の試料によって示された。これは、おそらく
エポキシ基の存在によるものと考えられる。
【0125】(実施例2)上記のように調製した0.15g/
リットルの酸化バナジウム、上記の5.7g/リットルのス
ルホポリエステルポリマーA、0.3g/リットルのγ-グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、0.2g/リットル
のトリトン(Triton)X-100を含む水性静電気防止配合物
を、ダブルローラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレ
ンテレフタレート青色フィルムベースの片面上に、10ml
/m2の被覆度で被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気
防止支持層を得た(支持層1)。
【0126】上記のように調製した0.10g/リットルの酸
化バナジウム、上記の5.7g/リットルのスルホポリエス
テルポリマーA、0.3g/リットルのγ-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、0.2g/リットルのトリトン(Tr
iton)X-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブルロー
ラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタレー
ト青色フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆度で
被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層を得
た(支持層2)。
【0127】上記のように調製した0.05g/リットルの酸
化バナジウム、上記の5.7g/リットルのスルホポリエス
テルポリマーA、0.3g/リットルのγ-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、0.2g/リットルのトリトン(Tr
iton)X-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブルロー
ラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタレー
ト青色フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆度で
被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層を得
た(支持層3)。
【0128】上記のように調製した0.15g/リットルの酸
化バナジウム、上記の18g/リットルのスルホポリエステ
ルポリマーA、0.3g/リットルのγ-グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、0.2g/リットルのトリトン(Trit
on)X-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブルローラ
ー被覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタレート
青色フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆度で被
覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層を得た
(支持層4)。
【0129】上記のように調製した0.15g/リットルの酸
化バナジウム、上記の5.7g/リットルのスルホポリエス
テルポリマーA、0.1g/リットルのγ-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、0.2g/リットルのトリトン(Tr
iton)X-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブルロー
ラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタレー
ト青色フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆度で
被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層を得
た(支持層5)。
【0130】上記のように調製した0.15g/リットルの酸
化バナジウム、上記の5.7g/リットルのスルホポリエス
テルポリマーA、0.05g/リットルのγ-グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、0.2g/リットルのトリトン
(Triton)X-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブル
ローラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタ
レート青色フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆
度で被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層
を得た(支持層6)。
【0131】上記のように調製した0.015g/リットルの
酸化バナジウム、上記の5.7g/リットルのスルホポリエ
ステルポリマーA、0.2g/リットルのトリトン(Triton)X
-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブルローラー被
覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタレート青色
フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆度で被覆
し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層を得た
(支持層7)。γ-グリシドキシプロピルトリメトキシ
シランは加えなかった。
【0132】上記のように調製した0.05g/リットルの酸
化バナジウム、上記の5.7g/リットルのスルホポリエス
テルポリマーA、0.05g/リットルのγ-グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、0.2g/リットルのトリトン
(Triton)X-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブル
ローラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタ
レート青色フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆
度で被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層
を得た(支持層8)。
【0133】上記の板状グレインエマルジョンを8つに
分けて、上記の青色ポリエステルフィルム支持層1〜8
の各側に銀被覆度2g/m2、片側あたりゼラチン被覆度1.6
g/m2で被覆した。上記の片側あたり1.1g/m2のゼラチン
を含有する低粘度ゼラチン保護スーパーコートを上塗り
し、8種類のラジオグラフフィルム1〜8を得た。
【0134】上記の板状グレインエマルジョンを、未処
理の青色ポリエステル支持層に、銀被覆度2g/m2、ゼラ
チン被覆度1.6g/m2で被覆して、参照ラジオグラフ9を
得た。50mg/m2のナイアプルーフ、21mg/m2のテゴベタイ
ン、1.8mg/m2のフッ素化界面活性剤、および35mg/m2
シリコン分散体を含む従来の静電気防止層をラジオグラ
フフィルムの各側に被覆した。
【0135】試料の調節後、露光して現像した。その
後、「荷電減衰時間試験」および「表面抵抗性試験」に
従って評価した。
【0136】(荷電減衰時間試験)本試験に従い、それ
ぞれのフィルムの静電気荷電消失を測定した。フィルム
を45×54mmの試料にカットし、25%の相対湿度、21
℃の条件で15時間置いた。荷電減衰時間を、荷電減衰
試験ユニット(Charge Decay Test Unit)JCI155(ジョン
・チューブ社(John Chubb Ltd.)製、ロンドン)を用い
て測定した。この装置は、高圧コロナ放電によってフィ
ルム表面に荷電を沈積させ、フィールドメーターが表面
電圧の減衰時間を観察する。試験表面の荷電減衰挙動
が、反対側の表面に影響されるのを防ぐために、この表
面を金属裏打ち表面と接触させて取り囲む。
【0137】(表面抵抗性試験)本試験に従い、ヒュー
レット・パッカード(Hewlett Packard)4329A型高抵抗メ
ーターを用いて、試料表面の抵抗を測定した。上記の試
験の結果を、感光結果と共に、以下の表5に示す。
【0138】
【表2】
【0139】表2は、本発明の試料1〜8のすべてが、
比較例9の試料よりも良好な静電気特性を有することを
はっきり示している。感光度特性もまた実質的に同様で
ある。本発明の静電気防止層によって提供されるラジオ
グラフフィルム上の静電気荷電欠如によって、製造中お
よび画像式露光フィルムの処理における高速処理が可能
になる。最も少ない量の五酸化バナジウムおよびγ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランを含有する試料
1および8の両者共、45秒以下の高速処理(現像から
乾燥まで)に適している。高速処理後の本発明のフィル
ム試料の感光度および物理的特性は、高い相対湿度下で
さえ、スタチックマークのない、非荷電状態である。本
発明の静電気防止層を含む側の溶融時間は、比較試料の
溶融時間よりも実質的に低く、しかしながら、すべての
フィルムの硬化度は同等で、硬化剤非含有の現像液に適
している。
【0140】(実施例3)上記のように調製した0.05g/
リットルの酸化バナジウム、上記の6g/リットルのスル
ホポリエステルポリマーA、0.06g/リットルのγ-グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、0.2g/リットル
のトリトン(Triton)X-100を含む水性静電気防止配合物
を、ダブルローラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレ
ンテレフタレート青色フィルムベースの片面上に、10ml
/m2の被覆度で被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気
防止支持層を得た(支持層10)。酸化バナジウムのス
ルホポリエステルに対する重量比は、1:120であった。
【0141】上記のように調製した0.05g/リットルの酸
化バナジウム、上記の6g/リットルのスルホポリエステ
ルポリマーA、0.06g/リットルのγ-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、0.6g/リットルのトリトン(Tr
iton)X-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブルロー
ラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタレー
ト青色フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆度で
被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層を得
た(支持層11)。酸化バナジウムのスルホポリエステ
ルに対する重量比は、1:120であった。
【0142】上記のように調製した0.05g/リットルの酸
化バナジウム、上記の20g/リットルのスルホポリエステ
ルポリマーA、0.07g/リットルのγ-グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、0.2g/リットルのトリトン(Tr
iton)X-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブルロー
ラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタレー
ト青色フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆度で
被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層を得
た(支持層12)。酸化バナジウムのスルホポリエステ
ルに対する重量比は、1:400であった。
【0143】上記のように調製した0.025g/リットルの
酸化バナジウム、上記の10g/リットルのスルホポリエス
テルポリマーA、0.03g/リットルのγ-グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、0.2g/リットルのトリトン
(Triton)X-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブル
ローラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタ
レート青色フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆
度で被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層
を得た(支持層13)。酸化バナジウムのスルホポリエ
ステルに対する重量比は、1:400であった。
【0144】上記のように調製した0.025g/リットルの
酸化バナジウム、上記の15g/リットルのスルホポリエス
テルポリマーA、0.05g/リットルのγ-グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、0.2g/リットルのトリトン
(Triton)X-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブル
ローラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタ
レート青色フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆
度で被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層
を得た(支持層14)。酸化バナジウムのスルホポリエ
ステルに対する重量比は、1:600であった。
【0145】上記のように調製した0.025g/リットルの
酸化バナジウム、上記の20g/リットルのスルホポリエス
テルポリマーA、0.07g/リットルのγ-グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、0.2g/リットルのトリトン
(Triton)X-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブル
ローラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタ
レート青色フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆
度で被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層
を得た(支持層15)。酸化バナジウムのスルホポリエ
ステルに対する重量比は、1:800であった。
【0146】上記のように調製した0.005g/リットルの
酸化バナジウム、上記の4g/リットルのスルホポリエス
テルポリマーA、0.13g/リットルのγ-グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、0.2g/リットルのトリトン
(Triton)X-100を含む水性静電気防止配合物を、ダブル
ローラー被覆機を用いて、未処理ポリエチレンテレフタ
レート青色フィルムベースの片面上に、10ml/m2の被覆
度で被覆し、60℃で2分間乾燥させ、静電気防止支持層
を得た(支持層16)。酸化バナジウムのスルホポリエ
ステルに対する重量比は、1:120であった。
【0147】上記の板状グレインエマルジョンを8つに
分けて、上記の青色ポリエステルフィルム支持層10〜
16の各側に銀被覆度2g/m2、片側あたりゼラチン被覆
度1.6g/m2で被覆した。上記の片側あたり1.1g/m2のゼラ
チンを含有する低粘度ゼラチン保護スーパーコートを上
塗りし、8種類のラジオグラフフィルム10〜16を得
た。
【0148】上記の板状グレインエマルジョンを、未処
理の青色ポリエステル支持層に、銀被覆度2g/m2、ゼラ
チン被覆度1.6g/m2で被覆して、参照ラジオグラフ17
を得た。50mg/m2のナイアプルーフ、21mg/m2のテゴベタ
イン、1.8mg/m2のフッ素化界面活性剤、および35mg/m2
のシリコン分散体を含む従来の静電気防止層をラジオグ
ラフフィルムの各側に被覆した。
【0149】試料の調節後、露光して現像した。その
後、上記の「荷電減衰時間試験」および「表面抵抗性試
験」に従って評価した。試験結果を感光結果と共に以下
の表3に示す。
【0150】
【表3】
【0151】表3の結果は、V25の量の臨界を明らか
に示している。被覆ラジオグラフエレメント中のV25
の量が0.40より低いと、本発明の利点が失われる。一方
で、表3は、V25のスルホポリエステルに対する重量
比を減少させることによって、本発明の結果が改良され
ることを明らかに示している。試料10および14を、
試料12および15とそれぞれ比較すると、特に有意に
差が見られる。概ね同じ量のV25を使用したときに、
25のスルホポリエステルに対する重量比を減少させ
ると、ラジオグラフエレメントの静電気防止特性が改良
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03C 1/795 1/91 (72)発明者 レンツォ・トルテローロ イタリア17016フェラーニア(サヴォーナ) (番地の表示なし) スリーエム・イタリ ア・リチェルシェ・ソシエタ・ペル・アチ オニ内

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合フィルムベース、1以上のハロゲン
    化銀エマルジョン層、および該重合フィルムベースの1
    以上の側に付着した1以上の静電気防止層を含み、(1)
    該ハロゲン化エマルジョン層が、3:1以上の平均直径
    対厚み比を有する板状ハロゲン化銀グレインを含み、
    (2)該静電気防止層がコロイド状酸化バナジウムおよび
    スルホポリエステルを含むハロゲン化銀ラジオグラフエ
    レメント。
  2. 【請求項2】 重合フィルムベースがポリエステルフィ
    ルムベースを包含する、請求項1記載のハロゲン化銀ラ
    ジオグラフエレメント。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフィルムベースが静電気防
    止層の塗布前にテンターされる、請求項2記載のハロゲ
    ン化銀ラジオグラフエレメント。
  4. 【請求項4】 コロイド状酸化バナジウム粒子が、酸化
    バナジウムのホイスカー型粒子を含む請求項1記載のハ
    ロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  5. 【請求項5】 コロイド状酸化バナジウム粒子が、酸化
    バナジウムのニードル型粒子を含む請求項1記載のハロ
    ゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  6. 【請求項6】 酸化バナジウム粒子が高いアスペクト比
    を示す、請求項4または5に記載のハロゲン化銀ラジオ
    グラフエレメント。
  7. 【請求項7】 酸化バナジウム粒子が、10より高いア
    スペクト比を示す、請求項6記載のハロゲン化銀ラジオ
    グラフエレメント。
  8. 【請求項8】 酸化バナジウム粒子が、0.02〜0.08mmの
    範囲の幅および5mmより少ない長さを示す、請求項6記
    載のハロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  9. 【請求項9】 コロイド状酸化バナジウムが、0.40mg/m
    2以上含まれる、請求項1記載のハロゲン化銀ラジオグ
    ラフエレメント。
  10. 【請求項10】 スルホポリエステルが、以下の構造式
    で表される構造単位を含む、請求項1記載のハロゲン化
    銀ラジオグラフエレメント: 【化1】 (式中、Mはアルカリ金属陽イオンまたはアンモニウム
    陽イオンを表し、R1はスルホ置換されたアリーレンま
    たは脂肪族基を表し、R2はアリーレン基を表し、R3
    アルキレン基を表し、R4はアルキレン基またはシクロ
    アルキレン基を表す)。
  11. 【請求項11】 スルホポリエステルと酸化バナジウム
    の重量比が、30:1〜800:1の範囲である、請求項1記載
    のハロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  12. 【請求項12】 静電気防止層が10mg/m2〜1g/m2の範
    囲の被覆重量を有する、請求項1記載のハロゲン化銀ラ
    ジオグラフエレメント。
  13. 【請求項13】 静電気防止層が、フィルムベースの片
    面だけに被覆されている、請求項1記載のハロゲン化銀
    ラジオグラフエレメント。
  14. 【請求項14】 静電気防止層が、フィルムベースの両
    面に被覆されている、請求項1記載のハロゲン化銀ラジ
    オグラフエレメント。
  15. 【請求項15】 補助ゼラチン層が静電気防止層に付着
    している、請求項13または14記載のハロゲン化銀ラ
    ジオグラフエレメント。
  16. 【請求項16】 ハロゲン化銀エマルジョン層が、フィ
    ルムベースの静電気防止層と同じ側にある請求項13記
    載のハロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  17. 【請求項17】 ハロゲン化銀エマルジョン層が、フィ
    ルムベースの静電気防止層の反対側にある請求項13記
    載のハロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  18. 【請求項18】 補助ゼラチン層が静電気防止層に付着
    している、請求項1記載のハロゲン化銀ラジオグラフエ
    レメント。
  19. 【請求項19】 静電気防止層が付着促進剤を含む、請
    求項1記載のハロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  20. 【請求項20】 付着促進剤が、エポキシ−シラン化合
    物である、請求項19記載のハロゲン化銀ラジオグラフ
    エレメント。
  21. 【請求項21】 エポキシ−シラン化合物が以下の構造
    式で表される、請求項20記載のハロゲン化銀ラジオグ
    ラフエレメント: 【化2】 (式中、R5は20炭素原子より少ない2価の炭化水素
    ラジカルであり、R6は水素、10炭素原子より少ない
    脂肪族炭化水素ラジカルまたは10炭素原子より少ない
    アシルラジカルであり、nは0または1であり、および
    mは1〜3である)。
  22. 【請求項22】エポキシ−シラン化合物が以下の構造式
    で表される、請求項20記載のハロゲン化銀ラジオグラ
    フエレメント: 【化3】 (式中、R7およびR8は独立して、1〜4の炭素原子の
    アルキレン基であり、R9は水素または1〜10の炭素
    原子のアルキル基である)。
  23. 【請求項23】 エポキシ−シラン化合物が、γ−グリ
    シドキシプロピルトリメトキシシランである、請求項2
    0記載のハロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  24. 【請求項24】 エポキシ−シラン化合物が、β-(3,4-
    エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシランで
    ある、請求項20記載のハロゲン化銀ラジオグラフエレ
    メント。
  25. 【請求項25】 エポキシ−シラン化合物のスルホポリ
    エステルに対する重量比が、0.01〜0.6の範囲である、
    請求項20記載のハロゲン化銀ラジオグラフエレメン
    ト。
  26. 【請求項26】 エポキシ−シラン化合物が部分的また
    は全て加水分解されている、請求項20記載のハロゲン
    化銀ラジオグラフエレメント。
  27. 【請求項27】 エポキシ−シラン化合物がシロキサン
    ポリマーまたはオリゴマーである、請求項20記載のハ
    ロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  28. 【請求項28】 付着促進剤が、非シランエポキシオリ
    ゴマーまたはポリマー化合物である、請求項19記載の
    ハロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  29. 【請求項29】 静電気防止層を含む側が、10分より
    低い溶融時間を示すことを特徴とする、請求項1記載の
    ハロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  30. 【請求項30】 板状ハロゲン化銀グレインが、3:1〜
    8:1以上の平均直径対厚み比を有する、請求項1記載の
    ハロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  31. 【請求項31】 板状ハロゲン化銀グレインが、約0.3
    〜5μmの範囲の平均直径を有する、請求項1記載のハロ
    ゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  32. 【請求項32】 板状ハロゲン化銀グレインが、0.4μm
    またはそれ以下の平均厚みを有する、請求項1記載のハ
    ロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
  33. 【請求項33】 ハロゲン化銀グレインの50%以上
    が、3:1以上の平均直径対厚み比を有する板状ハロゲ
    ン化銀グレインである、請求項1記載のハロゲン化銀ラ
    ジオグラフエレメント。
  34. 【請求項34】 ハロゲン化銀グレインが、臭化銀また
    はヨウ化臭素銀グレインである、請求項1記載のハロゲ
    ン化銀ラジオグラフエレメント。
  35. 【請求項35】 ヨウ化臭素銀グレインが、総ハロゲン
    含量に対して0.5〜1.5モル%のヨウ素を含む、請求項3
    4記載のハロゲン化銀ラジオグラフエレメント。
JP6290976A 1993-11-29 1994-11-25 静電気防止特性を改良したラジオグラフエレメント Pending JPH07199412A (ja)

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