JPH0719787U - ピアノの止音機構 - Google Patents
ピアノの止音機構Info
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- JPH0719787U JPH0719787U JP5030993U JP5030993U JPH0719787U JP H0719787 U JPH0719787 U JP H0719787U JP 5030993 U JP5030993 U JP 5030993U JP 5030993 U JP5030993 U JP 5030993U JP H0719787 U JPH0719787 U JP H0719787U
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- hammer
- sound
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- Electrophonic Musical Instruments (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 打弦音を止めて電子音源からの演奏音だけを
出す際通常のタッチ感を全く損なわずに演奏ができるア
コースティックピアノにおいて、止音する際、ハンマー
系との衝突音を減少可能な動作阻止手段を備えた止音機
構の提供。 【構成】 ハンマーシャンク21がクッションフェルト
37に当たる位置に対応して、ハンマーシャンクストッ
プレール31には空隙32が設けられている。この空隙
32は、ハンマーシャンクストップレール31の下面L
Fに溝状に形成されており、ハンマーシャンク21がク
ッションフェルト37に衝突した際、その衝突部分のク
ッションフェルト37が空隙32に入り込むように移動
(変形)可能とされている。衝突の際、ハンマーシャン
ク21に付勢されたクッションフェルト37が空隙32
に入り込むように移動することによって、この衝突時の
ショックが和らげられることとなる。
出す際通常のタッチ感を全く損なわずに演奏ができるア
コースティックピアノにおいて、止音する際、ハンマー
系との衝突音を減少可能な動作阻止手段を備えた止音機
構の提供。 【構成】 ハンマーシャンク21がクッションフェルト
37に当たる位置に対応して、ハンマーシャンクストッ
プレール31には空隙32が設けられている。この空隙
32は、ハンマーシャンクストップレール31の下面L
Fに溝状に形成されており、ハンマーシャンク21がク
ッションフェルト37に衝突した際、その衝突部分のク
ッションフェルト37が空隙32に入り込むように移動
(変形)可能とされている。衝突の際、ハンマーシャン
ク21に付勢されたクッションフェルト37が空隙32
に入り込むように移動することによって、この衝突時の
ショックが和らげられることとなる。
Description
【0001】
本考案は、打弦によって演奏する通常の演奏機構に加え、電子音源を制御して 演奏する機構をも備えたピアノにおける止音機構に関する。
【0002】
従来より、アコースティックピアノに電子音源を組み合わせて、通常のピアノ 演奏以外に、電子音源による演奏をも可能にしたピアノが提案されている。この うち、特開昭63−216099号公報には、押鍵による動作がハンマーに伝達 されないようにして、電子音源による演奏の際に打弦動作による通常の演奏音( 以下、打弦音という)を止めることができるピアノが記載されている。これによ れば、打弦音を止めて電子音源からの演奏音をヘッドホンなどで聴きながら演奏 すれば、外部に演奏音が漏れず、集号住宅や住宅密集地域での演奏、あるいは夜 間の演奏練習などが自由にできるという利点がある。
【0003】
しかしながら、かかる従来技術によれば、打弦音を出した場合と止めた場合と では、押鍵時のタッチ感が異なるものであった。すなわち、ハンマーが回動した 位置に保持されているため、打弦音を出す場合に比べて、ハンマーを回動させな くてもよい分だけタッチ感が軽くなっていた。
【0004】 このため、熟練者にとっては、通常のピアノのタッチ感に馴染んでいるため打 弦音を止めた状態でのタッチ感には違和感があり、一方、初心者にとっては、打 弦音を止めて練習を重ねても打弦音を出した状態では鍵が重くてうまく演奏でき ないといった問題があった。
【0005】 さらに、従来技術は、アップライトピアノには使えるものの、グランドピアノ にそのまま適用することはできなかった。グランドピアノにおいては、ハンマー 系を含むアクション機構が鍵に当接し、その重量が鍵にかかった状態で、鍵がバ ランスして静止位置にあるようにされている。このため、ハンマーを弦に当接す る位置まで持ち上げると、上述のバランスが崩れ、演奏者側から見て鍵が沈み込 んだ状態になってしまう。これでは見た目がおかしく、違和感を抱かせるタッチ 感になり、場合によっては演奏を妨げる恐れもあった。
【0006】 そこで本願出願人は、特願平5−214411号において、打弦音を止めて電 子音源だけで演奏する際にも、アコースティックピアノの通常のタッチ感を全く 損なわずに、電子音源による演奏ができるようにしたアコースティック及び電子 音源両用のピアノを提案した。
【0007】 この提案のピアノによれば、電子音源を制御して演奏を行う際には、動作阻止 手段は、ハンマー系が慣性運動を始めてから弦に当接するまでの間で、ハンマー 系の動作を阻止するため、ハンマー系の動作を阻止しても鍵盤のタッチ感には影 響がないといった作用・効果がある。そして、この動作阻止手段の一例として挙 げられていたのが、止音レールとその表面に配設された緩衝部材であるクッショ ンフェルトからなるものである。
【0008】 ハンマー系が慣性運動を開始してから打弦するまで間隔は僅かである(例えば 3mm程度)。この僅かな間にハンマー系の運動を強制的に阻止するため、クッ ションフェルトを配設した止音レールとハンマー系との当接は衝突的であり、ク ッションフェルトを設けているとはいえ、衝突音が発生することは避けられなか った。
【0009】 そこで、本考案は、上記ハンマー系との間の衝突音を減少可能な動作阻止手段 を備えたピアノの止音機構を提供することを目的とする。
【0010】
上述した目的を達成するために、本考案は課題を解決するための手段を次の通 り構成した。 すなわち、鍵盤を操作するとハンマー系が慣性運動して打弦する機構と、押鍵 ・離鍵に関する動作を検出する検出手段と、該検出手段からの情報に基づき電子 音源を制御する制御手段と、該制御手段により前記電子音源を制御して演奏する 際に前記ハンマー系の動作を阻止する動作阻止手段とを備え、該動作阻止手段は 、前記ハンマー系が慣性運動を始めてから弦に当接するまでの間で前記ハンマー 系の動作を阻止する位置に配設され、前記検出手段は、前記動作阻止手段によっ て前記ハンマー系の動作が阻止される前に、押鍵に関する動作の検出が完了する 位置に配設されているピアノにおける止音機構であって、上記動作阻止手段が、 前記ハンマー系の動作方向と直交して配置された止音レール及び、該止音レール の表面において前記ハンマー系を構成する部材と当接可能な位置に配設された緩 衝部材を備え、かつ、前記止音レールには、前記ハンマー系を構成する部材が前 記緩衝部材に衝突した際、その衝突部分の緩衝部材が前記ハンマー系の動作方向 側に移動可能な空隙を、前記ハンマー系に対応してそれぞれ設けたことを特徴と するピアノの止音機構がそれである。
【0011】 なお、ハンマー系が慣性運動を始めてからというのは、ハンマーと一体となっ て回動するハンマーシャンク等の構成部品(これをハンマー系と呼ぶ)が、当該 回動を開始させる力を及ぼしたジャック等の構成部品から分離して、当該回動が 慣性運動に移行してからということである。慣性運動に移行するタイミングは、 ハンマー系の回動位置によって特定できる。したがって、動作阻止手段は、ハン マー系が回動して所定位置を超えたらその動きを阻止するような位置に、緩衝部 材を配設した止音レールを選択的に配置できるようにするだけで、簡単に実現す ることができる。
【0012】 また、検出手段は、例えば、鍵やハンマー系等にシャッタを配設して、その動 きをフォトセンサで捉える等、鍵盤操作によって動作する構成部品が動いたこと を検出する手段である。この検出手段は、動作阻止手段によってハンマー系の動 作が阻止される前に、押鍵に関する動作の検出が完了する位置に配設される。検 出手段による検出対象となる構成部品が、例えば、鍵等のように、動作阻止手段 による動作阻止対象でなければ、ハンマー系の動きにかかわらず押鍵に関する動 作の検出は完了する。また、検出対象が、ハンマーシャンク等のように、動作阻 止手段による動作阻止対象であれば、動作が阻止される位置にハンマー系が至る までに、押鍵に関する動作の検出が完了するよう、検出手段を配設すればよい。
【0013】
前記構成を有する本考案の止音機構を備えたピアノによれば、検出手段が検出 した押鍵・離鍵に関する情報に基づいて、制御手段が電子音源を制御して演奏を 行う。この際、動作阻止手段は、ハンマー系が慣性運動を始めてから弦に当接す るまでの間で、ハンマー系の動作を阻止する。従って、ハンマー系は慣性運動に 移っているため、そのハンマー系の動作を阻止しても鍵盤のタッチ感には影響が ない。また、動作阻止手段によってハンマー系の動作が阻止されても、検出手段 による押鍵に関する動作の検出は完了するため、電子音源による演奏も問題なく なされる。
【0014】 そして、本考案の止音機構の中心をなす動作阻止手段は、止音レール及び止音 レールの表面においてハンマー系を構成する部材と当接可能な位置に配設された 緩衝部材を備えている。ハンマー系を構成する部材が緩衝部材に衝突した際、そ の衝突部分の緩衝部材は、止音レールに設けられている空隙に移動可能である。 従って、緩衝部材がハンマー系の動作を緩衝する際、上記空隙側への移動により その衝撃を吸収するため、衝突音を減少させることができるのである。
【0015】
次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 本実施例の止音機構を備えたグランドピアノ1は、図1に示すように、MID Iインターフェイス3を備え、同じくMIDIインターフェイス5を備える外部 の電子楽器7と接続して、グランドピアノ1を操作すると電子楽器7からも演奏 音が出るようにされている。また、電子楽器7の演奏音は、外部に放音すること なくヘッドホン9を介して聴くこともできる。
【0016】 グランドピアノ1は、図2に示すように、演奏者の操作によって揺動する鍵1 1と、鍵11が押されると上昇するキャプスタンスクリュー12と、ウイッペン フレンジ13を介してウイッペンレール14に回動可能に支持され、キャプスタ ンスクリュー12の上昇によって上向きに回動するウイッペン15と、ウイッペ ン15に回動可能に連結され、レギュレチングボタン16に当接するまでウイッ ペン15と共に上昇するジャック17と、ジャック17に当接し、ジャック17 に突き上げられると分離するシャンクローラー18と、シャンクフレンジ19を 介してシャンクレール20に回動可能に支持され、シャンクローラー18が突き 上げられると上向きに回動する円柱状のハンマーシャンク21と、ハンマーシャ ンク21の先端に装着されたハンマー23と、ハンマー23によって叩かれる弦 25などとからなる打弦機構を備えている。
【0017】 一方、本実施例の止音機構の中心をなす動作阻止手段について説明すると、止 音レールであるハンマーシャンクストップレール31が、グランドピアノ1本体 の打ち廻し33に固定されたレール上下機構35によって支持されている。この ハンマーシャンクストップレール31は、後述するハンマー系の動作方向と直交 するように配置される。そして、ハンマーシャンクストップレール31の下面に は、緩衝部材であるクッションフェルト37が配設されている。このハンマーシ ャンクストップレール31には空隙が設けられているのであるが、この空隙につ いては後述する。
【0018】 また、レール上下機構35は、図3(a),(b)に示すように、打ち廻し3 3に固定されたブラケット41と、一端にハンマーシャンクストップレール31 が固定される消音レバー43と、消音レバー43の孔にはまるボール45を押さ える板バネ47とを、ボルト49,ナット51によって連結して組み立てられて いる。なお、図3(a)では、簡単のため、ハンマーシャンク21及びハンマー 23は一組だけ示してある。
【0019】 消音レバー43にはノブ53が一体に設けられ、ノブ53を操作するとボルト 49を軸として消音レバー43が回動する。消音レバー43を回動させると、ブ ラケット41に形成された小孔41a,41bのいずれかにボール45がはまっ て、消音レバー43を二つの回動位置のいずれかにロックできる。これにより、 ハンマーシャンクストップレール31が上下に動くと共に、上下二つの位置のい ずれかに位置決めされる。ハンマーシャンクストップレール31を上側に位置決 めすると、ハンマーシャンク21を回動させた時に、ハンマーシャンク21がク ッションフェルト37に当たることなく、ハンマー23が弦25に当たる。また 、ハンマーシャンクストップレール31を下側に位置決めすると、逆にハンマー 23が弦25に当たることなく、ハンマーシャンク21がクッションフェルト3 7に当たる。
【0020】 そして、このようにハンマーシャンク21がクッションフェルト37に当たる 位置に対応して、ハンマーシャンクストップレール31には空隙32が設けられ ている。図4を参照して更に空隙32の形状等について説明する。この空隙32 は、ハンマーシャンクストップレール31の下面(図4では空隙32の形状理解 を容易にするため、横向きにして示してある)LFに溝状に形成されており、ハ ンマーシャンク21がクッションフェルト37に衝突した際、その衝突部分のク ッションフェルト37が空隙32に入り込むように移動(変形)可能とされてい る。
【0021】 クッションフェルト37が空隙32に入り込むように移動することによって衝 突時のショックを和らげようとするものであるので、例えばハンマーシャンク2 1の直径に対して空隙の幅が狭すぎるとクッションフェルト37の移動距離がほ とんどなくショックを和らげる効果が薄くなる。一方、空隙の幅が広すぎても、 移動したクッションフェルト37がすぐにハンマーシャンクストップレール31 に当接してしまい、やはり効果が薄くなる。従って、一般的に生じるハンマーシ ャンク21の速度あるいはそれから導かれる衝撃力、及びクッションフェルト3 7の緩衝度合・剛性等を考慮し、通常の動作においては、ハンマーシャンク21 に衝突されたクッションフェルト37が空隙32に入り込むように移動しても、 そのクッションフェルト37がハンマーシャンクストップレール31には当接し ないで停止するように、空隙32の大きさを設定すればよい。
【0022】 空隙32の形状としては、例えば図4(a)に示すように断面が長方形状のも のや、図4(b)に示すように、断面が台形状でかつクッションフェルト37側 に開いているもの、あるいは図4(c)に示すように、断面が略半円径(弓形等 も含む)等、上記作用を果たすものであれば種々考えられる。なお、図4(d) に示すように、ハンマーシャンクストップレール31とクッションフェルト37 との間に防振ゴム34を介装させてもよい。この場合、防振ゴム34がない場合 に比べて空隙32の開口部を広くすることも考えられる。
【0023】 また、図4(e)には、ハンマーシャンクストップレール31を断面略L字状 に形成した場合を示してある。なお、ハンマーシャンクストップレール31の形 状は、図4(a)〜(d)のような(四)角柱状や図4(e)の断面略L字状に 限らず、中空の角柱や断面略コの字状等、種々考えられる。
【0024】 図2に戻って、鍵11の下面には段付シャッタ61と、キーセンサ63,65 とが、押鍵・離鍵に関する動作を検出する検出手段として配設されている。キー センサ63,65は共に、それぞれが発光素子と受光素子とを一組としてなり、 両素子の間を遮るとオン信号を発するように構成されている。段付シャッタ61 は、鍵11が押された際に、ある時間差をもってキーセンサ63,65の光路を 遮ることになる。
【0025】 これらのキーセンサ63,65は、図5に示すように、制御手段としてのコン トロール部71に接続されている。コントロール部71は、周知のCPU72, ROM73,RAM74等を含む論理演算回路として構成され、キーセンサ63 ,65とは入出力インターフェイス75を介して接続されている。CPU72は 、キーセンサ63,65の光路を遮断する時期と時間差とを検出し、ROM73 に記憶された制御プログラムに基づいてMIDI情報を作成し、MIDIインタ ーフェイス3を介して電子音源としての電子楽器7に送信する。
【0026】 MIDI情報を構成するイベントデータは、1バイトのステータスバイトと2 バイトのデータバイトとからなる3バイトを1単位とするデータとして構成され る。このうちステータスバイトには、押鍵(ノートオン),離鍵(ノートオフ) 等を示すデータが設定され、データバイトには、音程となる鍵番号(ノートナン バー),音量となる打鍵強度(ベロシティ)等を示すデータが設定される。
【0027】 なお、コントロール部71には、ダンパーペダル,ソフトペダル等のペダル機 構の動作を検出するペダルセンサ(図示略)も接続され、この検出情報に基づい て、MIDI情報の中にはダンパー機能等の情報も設定される。 以上のように構成されたグランドピアノ1において、打弦音を止めて、電子楽 器7からだけ演奏音を出すには、演奏に先立ってノブ53を操作して、ハンマー シャンクストップレール31を下側の位置に位置決めする(図2の状態)。また 、コントロール部71の作動スイッチ(図示略)をオンにして、グランドピアノ 1をMIDI出力モードに設定すると共に、電子楽器7もMIDI入力モードに 設定する。
【0028】 この状態において、演奏者が鍵11を押すと、キャプスタンスクリュー12が 上昇してウイッペン15を上向きに回動させ、ウイッペン15と共に上昇するジ ャック17が、シャンクローラー18を押し上げてハンマーシャンク21を回動 させる。更に、ジャック17が上昇してゆくと、ジャックテール17aがレギュ レチングボタン16に当接し、ジャック17はウイッペン15に対して図中時計 周りに回動する。この結果、シャンクローラー18は、ジャック17から離れて ハンマーシャンク21と共に慣性運動を開始する。
【0029】 ハンマーシャンク21が慣性運動して、図2の点線の位置に至ると、ハンマー シャンクストップレール31下面のクッションフェルト37に衝突する。この衝 突の際、ハンマーシャンク21に付勢されたクッションフェルト37が空隙32 に入り込むように移動することによって、この衝突時のショックが和らげられる こととなる。また、このとき、ハンマーシャンク21は、ハンマー23が弦25 に当接する位置まで回動しておらず、打弦音は出ない。
【0030】 一方、鍵11が揺動すると、段付シャッタ61がキーセンサ63,65の発光 素子と受光素子との間を遮り、鍵盤操作が検出される。コントロール部71は、 検出された押鍵情報に応じてMIDI情報を作成し、この情報を電子楽器7に送 信する。この結果、電子楽器7からは演奏音が出る。
【0031】 このように、本実施例のグランドピアノ1によれば、演奏者が鍵11を操作し た際に、ハンマー23の動きを阻止することにより、打弦音を全く出さずに電子 楽器7からだけ演奏音を出すことができる。このとき、ハンマー23の動きは、 慣性運動を始めてから阻止されるので、鍵11のタッチ感は打弦音を出した場合 と全く変わらない。したがって、例えば、電子音源7からの演奏音をヘッドホン 9で聴きながら演奏すれば、騒音による迷惑をかけることなく、自由に演奏練習 ができる。また、押鍵していない状態において、ハンマー23等の重量が鍵11 にかかっているので、演奏者側から見て鍵11が沈み込んだりすることもない。
【0032】 そして、本考案の要点である止音機構の作動について説明すると、ハンマーシ ャンク21がハンマーシャンクストップレール31下面のクッションフェルト3 7に衝突する際、ハンマーシャンク21に付勢されたクッションフェルト37が 空隙32に入り込むように移動することによって、この衝突時のショックが和ら げられ、衝突音が減少する。このことは、電子楽器7側から出されている演奏音 以外の雑音が少なくなることを意味する。また、電子音源7からの演奏音をヘッ ドホン9で聴きながら演奏すれば、騒音による迷惑をかけることなく、自由に演 奏練習ができることは上述したが、この場合、周囲の人から見ると、演奏音は聞 こえてこないで衝突音だけを耳にすることとなり、奇異な感じを覚えてしまうた め、この衝突音の減少はその奇異な感覚を減少させるという効果もある。
【0033】 以上本考案の実施例を説明したが、本考案はこれに限定されず、本考案の要旨 を逸脱しない範囲内の種々なる態様を採用することができる。 例えば、上記実施例ではクッションフェルト37を備えたハンマーシャンクス トップレール31にハンマーシャンク21が当接する機構を例に取って説明した が、それに限らず、ハンマー、ハンマーウッド、シャンクローラー等、ハンマー と一体となって慣性運動による回動を行う部品の動きを阻止する機構であればよ い。但し、これらの部品の動きを阻止する場合も、少なくともジャックの先端が シャンクローラーから離れて、ハンマーが慣性運動に移ってからハンマーの動き を阻止するものでなければならない。
【0034】 さらに、実施例では、グランドピアノについて説明したが、本考案は、アップ ライトピアノにおいても同様に実現できる。この場合、図6に示すように、ハン マーシャンクストップレール102のクッションフェルト101がハンマーシャ ンク103に当接する構成や、ハンマーシャンクストップレール106のクッシ ョンフェルト105がキャッチャーシャンク107に当接する構成などにすれば 、ジャック109がバット111を突き上げることにより、ハンマー113が慣 性運動を開始してから、その動きを阻止することができる。この場合も、ハンマ ーシャンク103あるいはキャッチャーシャンク107毎に対応して、ハンマー シャンクストップレール102あるいは106には空隙32が設けられている。 この空隙は、図4で示すような形状が同じように採用できる。
【0035】 さらにまた、上記実施例では、押鍵・離鍵に関する動作を鍵の動きによって検 出していたが、例えば、ハンマーシャンク等、他の構成部品の動きで押鍵・離鍵 に関する動作を検出してもよい。但し、ハンマーシャンク等、動作阻止手段によ って途中で動きが阻止される構成部品によって、その動きを検出する場合は、押 鍵に関する動作の検出が完了してから動作を阻止するように動作阻止の位置を決 定する。この点、実施例のように、鍵の動きを検出する構成にした場合、ハンマ ーが慣性運動を開始してから打弦するまでの間であれば、どのタイミングでハン マーの動きを阻止しても、押鍵に関する動作の検出は確実に完了する。
【0036】 加えて、打弦音を止めるための操作レバーをアクチュエーターで動かしたり、 ハンマーシャンクストップレールそのものをアクチュエーターで動かす構造にし てもよい。この場合、電子音源の作動スイッチとアクチュエーターとを連動させ ることにより、一つのスイッチを操作すると、自動的に打弦音が止まって電子音 源による演奏モードに切り替わるように構成することもできる。
【0037】 なお、上記実施例では、図1に示すように、電子音源として外部の電子楽器7 とつなぐ構成としたが、本考案の構成を、電子音源を内蔵するピアノに適用して も、全く同様の効果を得ることができる。
【0038】
以上の如く本考案によれば、ハンマーの打弦動作による演奏に加えて、打弦音 を止めて電子音源からの演奏音だけを出す場合でも、アコースティックピアノの 通常のタッチ感を全く損なわずに演奏ができるピアノにおいて、止音する際、ハ ンマー系を構成する部材が衝突する部分の緩衝部材が止音レールに設けられてい る空隙側に移動することによって衝撃を吸収するため、緩衝作用がより大きくな り、衝突音を減少させることができるという効果を奏する。
【図1】 実施例の概略構成の説明図である。
【図2】 実施例のグランドピアノの内部機構の説明図
である。
である。
【図3】 実施例のグランドピアノにおける動作阻止手
段を示し、(a)はその部分斜視図、(b)はその一部
を分解した斜視図である。
段を示し、(a)はその部分斜視図、(b)はその一部
を分解した斜視図である。
【図4】 (a)〜(d)は実施例の空隙の形状例を示
し、(e)はハンマーシャンクストップレールの形状例
を示す斜視図である。
し、(e)はハンマーシャンクストップレールの形状例
を示す斜視図である。
【図5】 実施例における制御手段を示すブロック図で
ある。
ある。
【図6】 他の実施例としてのアップライトピアノの内
部機構の説明図である。
部機構の説明図である。
1…グランドピアノ、 3,5…MIDIインターフェ
イス、 7…電子楽器、11…鍵、 15…ウイッペ
ン、 16…レギュレチングボタン、17…ジャック、
18…シャンクローラー、 21…ハンマーシャン
ク、23…ハンマー、 25…弦、 31…ハンマーシ
ャンクストップレール、33…打ち廻し、 35…レー
ル上下機構、37,93…クッションフェルト、41…
ブラケット、43…消音レバー、 45…ボール、 4
7…板バネ、53…ノブ、 61…段付シャッタ、
63…キーセンサ、71…コントロール部、 10
1,105…クッションフェルト、102,106…ハ
ンマーシャンクストップレール、103…ハンマーシャ
ンク、 107…キャッチャーシャンク、109…ジャ
ック、 111…バット、 113…ハンマー。
イス、 7…電子楽器、11…鍵、 15…ウイッペ
ン、 16…レギュレチングボタン、17…ジャック、
18…シャンクローラー、 21…ハンマーシャン
ク、23…ハンマー、 25…弦、 31…ハンマーシ
ャンクストップレール、33…打ち廻し、 35…レー
ル上下機構、37,93…クッションフェルト、41…
ブラケット、43…消音レバー、 45…ボール、 4
7…板バネ、53…ノブ、 61…段付シャッタ、
63…キーセンサ、71…コントロール部、 10
1,105…クッションフェルト、102,106…ハ
ンマーシャンクストップレール、103…ハンマーシャ
ンク、 107…キャッチャーシャンク、109…ジャ
ック、 111…バット、 113…ハンマー。
Claims (1)
- 【請求項1】 鍵盤を操作するとハンマー系が慣性運動
して打弦する機構と、 押鍵・離鍵に関する動作を検出する検出手段と、 該検出手段からの情報に基づき電子音源を制御する制御
手段と、 該制御手段により前記電子音源を制御して演奏する際に
前記ハンマー系の動作を阻止する動作阻止手段とを備
え、 該動作阻止手段は、前記ハンマー系が慣性運動を始めて
から弦に当接するまでの間で前記ハンマー系の動作を阻
止する位置に配設され、 前記検出手段は、前記動作阻止手段によって前記ハンマ
ー系の動作が阻止される前に、押鍵に関する動作の検出
が完了する位置に配設されているピアノにおける止音機
構であって、 上記動作阻止手段が、前記ハンマー系の動作方向と直交
して配置された止音レール及び、該止音レールの表面に
おいて前記ハンマー系を構成する部材と当接可能な位置
に配設された緩衝部材を備え、 かつ、前記止音レールには、前記ハンマー系を構成する
部材が前記緩衝部材に衝突した際、その衝突部分の緩衝
部材が前記ハンマー系の動作方向側に移動可能な空隙
を、前記ハンマー系に対応してそれぞれ設けたことを特
徴とするピアノの止音機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5030993U JPH0719787U (ja) | 1993-09-16 | 1993-09-16 | ピアノの止音機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5030993U JPH0719787U (ja) | 1993-09-16 | 1993-09-16 | ピアノの止音機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0719787U true JPH0719787U (ja) | 1995-04-07 |
Family
ID=12855300
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5030993U Pending JPH0719787U (ja) | 1993-09-16 | 1993-09-16 | ピアノの止音機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0719787U (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0895555A (ja) * | 1994-09-27 | 1996-04-12 | Yamaha Corp | 耐久性を有するハンマストッパを有し、アコースティック音と電子音とを選択的に生成する鍵盤楽器 |
JP2006003530A (ja) * | 2004-06-16 | 2006-01-05 | Hibiki Inamoto | 音色変更装置、及び、音色変更装置を備えたピアノ |
-
1993
- 1993-09-16 JP JP5030993U patent/JPH0719787U/ja active Pending
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