JPH0719400U - 抄紙用ドライヤーカンバスの継手 - Google Patents

抄紙用ドライヤーカンバスの継手

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JPH0719400U
JPH0719400U JP6785993U JP6785993U JPH0719400U JP H0719400 U JPH0719400 U JP H0719400U JP 6785993 U JP6785993 U JP 6785993U JP 6785993 U JP6785993 U JP 6785993U JP H0719400 U JPH0719400 U JP H0719400U
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靖政 竹ノ内
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 継手の強度をさらに向上させ、かつ、スパイ
ラル線条の局部的な盛り上がりを防止すると共に継手綴
り部での幅の拡大を防止し得る抄紙用ドライヤーカンバ
スの継手を提供する。 【構成】 スパイラル線条7の高さhをカンバス本体部
1の厚さより大きくし、この大きくした高さに略比例し
てスパイラル線条7の線径及び幅wを増加させ、かつ、
カンバスの継手綴り部2の緯糸5,6の太さと織密度と
の一方または双方をカンバス本体部1から継手綴り部2
の先端に向けて階段状または漸次増加させて継手綴り部
2先端でのカンバス厚さをスパイラル線条の高さhと略
同程度とし、経糸方向に配設した芯糸の半数の芯糸をス
パイラル線条7にからませて折返して端部を立上らせ、
他の芯糸はスパイラル線条7とからませることなく立上
がらせ、この立上り箇所をすべてばらつかせたものであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、抄紙用ドライヤーカンバスの継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
端部に接合部をもった抄紙用ドライヤーカンバスの継手の一つとして、スパイ ラル線条をカンバス本体を構成する経糸の折返しループにからませて取り付け、 両端部のスパイラル線条を噛み合わせ、該噛み合わせ形成した共通環状部に芯線 を挿通してカンバスを無端状に接合するようにした継手がある。このスパイラル 継手を採用する抄紙用ドライヤーカンバスの接合部の強度を向上させることを目 的として、例えば、特開昭62−90392号公報が提案されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記提案のものは、スパイラル線条と絡み合う経糸の折返しループをカンバス の表面側と裏面側とで別個に構成し、一方の経糸ループが磨耗して破損しても他 方の経糸ループでカンバスの接合状態を保持させることによって寿命を延長させ るようにしたものである。しかし、この提案のものでは、継手の強度向上が十分 とは云えない。
【0004】 そこで、本考案の目的は、継手の強度をさらに向上させ、かつ、スパイラル線 条の局部的な盛り上がりを防止し得る抄紙用ドライヤーカンバスの継手を提供す ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案の抄紙用ドライヤーカンバスの継手は、抄紙用ドライヤーカンバスの両 端部の夫々に、スパイラル線条を、上記カンバス本体を構成する経糸の折返しル ープにからませて取り付け、両端部のスパイラル線条を噛み合わせ、この噛み合 わせて形成した共通環状部に芯線を挿通して無端状に接合するようにした抄紙用 ドライヤーカンバスにおいて、スパイラル線条の高さをカンバス本体部の厚さよ り大きくし、この大きくした高さに略比例してスパイラル線条の線径及び幅を増 加させ、かつ、カンバスの継手綴り部の緯糸の太さと織密度との一方または双方 をカンバス本体部から継手綴り部の先端に向けて階段状にまたは漸次増加させて 継手綴り部先端でのカンバス厚さをスパイラル線条の高さと略同程度としたもの である。
【0006】 また、経糸方向に芯糸を配した抄紙用ドライヤーカンバスの両先端部の夫々に 、スパイラル線条を、上記カンバス本体を構成する経糸の折返しループにからま せて取り付け、両端部のスパイラル線条を噛み合わせ、この噛み合わせて形成し た共通環状部に芯線を挿通して無端状に接合するようにした抄紙用ドライヤーカ ンバスにおいて、スパイラル線条の高さをカンバス本体部の厚さより大きくし、 この大きくした高さに略比例してスパイラル線条の線径及び幅を増加させ、カン バスの継手綴り部の緯糸の太さと織密度との一方又は双方をカンバス本体部から 継手綴り部の先端に向けて階段状にまたは漸次増加させて継手綴り部先端でのカ ンバス厚さをスパイラル線条の高さと略同程度とし、経糸方向に配した芯糸の先 端部をスパイラル線条にからませて折返してループとするものと、スパイラル線 条に絡ませずに端部で糸上げするものとを交互に繰り返したものである。
【0007】
【作用】
スパイラル線条の線径、幅及び高さを増加させることによって、スパイラル線 条の強度が向上できるので継手の強度が増大し、かつ、芯線の挿通が容易となる 。そして、スパイラル線条の線径及び高さの増加に対して、カンバスの継手綴り 部の緯糸の太さと織密度との一方または双方をカンバス本体部から継手綴り部の 先端に向けて階段状または漸次増加させて継手綴り部先端でのカンバスの厚さを スパイラル線条の高さと略同程度としたから、スパイラル線条の局部的な盛り上 がりを防止することができ、湿紙にマークが付くことを防止することができる。 さらに、経糸に沿って芯糸を配したから、カンバスの継手強度を増し、寸法安 定性が向上する。また、芯糸の先端部をスパイラル線条にからませて折返してル ープにするものと、スパイラル線条にからませずに端部で糸上げするものとを交 互に繰り返し、かつ、芯糸の糸上げ箇所をばらつかせたから、継手綴り部での経 糸密度の増加を防ぐことができ、継手綴り部の幅が広くなるのを防止することが できる。
【0008】
【実施例】
図1は本考案に係る芯糸を有さないカンバスの端部断面図であって、(1)は カンバス本体部、(2)は継手綴り部、(3)(4)は経糸、(5)(6)は緯 糸、(7)はスパイラル線条を示している。
【0009】 カンバス本体部(1)は、図2に示すように、緯二重織とされ、経糸(3)( 4)には、例えば、太さ0.40mmのテトロンモノフィラメント(TM040:商標 名:ポリエチレンテレフタレート繊維)を使用し、緯糸(5)(6)には表裏と もに太さ0.50mmのテトロンモノフィラメント(TM050:商標名:ポリエチレ ンテレフタレート繊維)を使用しており、織密度は、経糸(3)(4)が87.4( 本/2.54cm)、緯糸(5)(6)が16.52(本/2.54cm)としている。上記緯二 重織の緯糸(5)(6)に関して表裏とは、接紙面側に配置される緯糸(5)を 表緯糸と表すこととし、反対側に配置される緯糸(6)を裏緯糸と表すこととす る。
【0010】 継手綴り部(2)は、図1に示すように、経糸(3)(4)の延長端を端部の 固定芯線(8)に巻き付けて折返しループ(3a)(4a)を形成し、この折返 し端をカンバス本体部(1)を構成する経糸(3)(4)に沿って綴り込んで形 成している。そして、継手綴り部(2)の緯糸(5)(6)は、太さと織密度と の一方または双方をカンバス本体部(1)から継手綴り部(2)の先端に向けて 階段状にまたは漸次増加させて継手綴り部(2)の先端でのカンバス厚さをスパ イラル線条(7)の高さ(h)と略同程度としている。例えば、図1の実施例で は、継手綴り部(2)は、(A)(B)(C)(D)の4段階に分けて変化させ た場合を例示しており、各部は、(A)部の緯糸(5)(6)が表裏ともに太さ 0.50mmのテトロンモノフィラメント(TM050:商標名:ポリエチレンテレフ タレート繊維)を使用しており、(B)部が表緯糸(5)として太さ0.50mmのテ トロンモノフィラメント(TM050:商標名:ポリエチレンテレフタレート繊 維)を使用し、裏緯糸(6)として太さ0.55mmのテトロンモノフィラメント(T M055:商標名:ポリエチレンテレフタレート繊維)を使用しており、(C) 部が表緯糸(5)として太さ0.55mmのテトロンモノフィラメント(TM055: 商標名:ポリエチレンテレフタレート繊維)を使用し、裏緯糸(6)として太さ 0.60mmのテトロンモノフィラメント(TM060:商標名:ポリエチレンテレフ タレート繊維)を使用しており、(D)部の緯糸(5)(6)が表裏ともに太さ 0.60mmのテトロンモノフィラメント(TM060:商標名:ポリエチレンテレフ タレート繊維)を使用している。この場合、(A)(B)(C)の各部における 緯糸(5)(6)の織密度は、16.52(本/2.54cm)としてあり、(D)部の緯 糸(5)(6)の織密度は、18.02(本/2.54cm)としてある。この実施例にお けるカンバス本体部(1)の厚みは、2.1mmであり、継手綴り部(2)の先端で の厚みは、2.7mmである。
【0011】 スパイラル線条(7)は、図1に示すように、経糸(3)(4)の折返しルー プ(3a)(4a)に直接からませて取り付けることも可能であるが、固定芯線 (8)にからませて取り付けている。このスパイラル線条(7)は、継手部の強 度向上を図るため、高さ(h)をカンバス本体部(1)の厚さより大きくし、こ の大きくした高さ(h)に略比例してスパイラル線条(7)の線径及び幅を増加 させるものである。例えば、図1の実施例の場合、線径0.60mmのテトロンモノフ ィラメント(TM060:商標名:ポリエチレンテレフタレート繊維)を使用し 、その幅(w)が5.2mm、高さ(h)が2.6mmの楕円形のスパイラル線条(7)を 使用している。このスパイラル線条(7)は、もっと大きいものを使用すること が可能である。例えば、線径0.70mmのテトロンモノフィラメント(TM070: 商標名:ポリエチレンテレフタレート繊維)を使用し、その幅(w)が6.0mm、 高さ(h)が3.2mmの楕円形のスパイラル線条(7)を使用することも可能であ る。この場合、継手綴り部(2)の緯糸(5)(6)の太さと織密度との一方ま たは双方をカンバス本体部(1)から継手綴り部(2)の先端に向けて階段状に または漸次増加させて継手綴り部(2)の先端でのカンバス厚さをスパイラル線 条(7)の高さ(h)と略同程度とする。
【0012】 図3、図4は共に本考案に係るカンバスの他の実施例の端部断面図で、図3は 図1、図2と同じ緯糸(5)(6)からなる緯二重織のカンバスであり、図4は 緯糸(5)(11)(6)からなる緯三重織のカンバスであって、経糸(3)(4 )のスパイラル線条(7)への係止要領は図1、図2と同じである。
【0013】 この図3、図4に示す実施例の特徴は、経糸方向に芯糸(9)(10)を交互に 配設した点にあり、芯糸(9)(10)の挿入本数は諸条件によって決定する。図 3、図4に示す芯糸(9)は、先端部をスパイラル線条(7)にからませて折返 し、ループ状にした折返し端をカンバス本体部(1)の端部近傍で糸上げする。 また、芯糸(10)はスパイラル線条(7)にからませることなく、カンバス本体 部(1)の端部近傍で糸上げする。上記芯糸(9)(10)の糸上げ箇所は継手綴 り部(2)でばらつかせ、継手部の幅が広くならないようにする。
【0014】 図面には示しておらないが、すべてのカンバスにおいて経糸(3)(4)もカ ンバス本体部(1)の継手綴り部(2)で糸上げしており、これら経糸(3)( 4)の糸上げ箇所ならびに芯糸(9)(10)の糸上げ箇所を継手綴り部内でばら つかせて継手綴り部(2)での幅の拡大を防ぐものとする。
【0015】
【考案の効果】
本考案によれば、スパイラル線条の線径、幅及び高さを増加させたから、スパ イラル線条の強度が向上できるので継手の強度が増大し、かつ、芯線の挿通が容 易となる。しかも、カンバスの継手綴り部の緯糸の太さと織密度との一方または 双方をカンバス本体部から継手綴り部の先端に向けて階段状にまたは漸次増加さ せて継手綴り部の先端でのカンバスの厚さをスパイラル線条の高さと略同程度と したから、スパイラル線条の局部的な盛り上がりを防止することができ、湿紙に マークが付くことを防止することができる。
【0016】 また、経糸方向に芯糸を配設したから、カンバスの継手の強度が増大し、あわ せて寸法安定性が向上する。さらに、すべての経糸ならびに芯糸の糸上げ箇所を ばらつかせたから、継手綴り部での幅の拡大を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るカンバス本体部の一実施例を示す
端部断面図。
【図2】本考案に係るカンバス本体部の一実施例を示す
組織図。
【図3】本考案に係るカンバス本体部の他の実施例を示
す端部断面図。
【図4】本考案に係るカンバス本体部の更に他の実施例
を示す端部断面図。
【符号の説明】
1 カンバス本体部 2 継手綴り部 3、4 経糸 5、11、6 緯糸 7 スパイラル線条 8 固定芯線 9、10 芯糸

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抄紙用ドライヤーカンバスの両端部の夫
    々に、スパイラル線条を、上記カンバス本体を構成する
    経糸の折返しループにからませて取り付け、両端部のス
    パイラル線条を噛み合わせ、この噛み合わせて形成した
    共通環状部に芯線を挿通して無端状に接合するようにし
    た抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、 スパイラル線条の高さをカンバス本体部の厚さより大き
    くし、この大きくした高さに略比例してスパイラル線条
    の線径及び幅を増加させ、かつ、カンバスの継手綴り部
    の緯糸の太さと織密度との一方または双方をカンバス本
    体部から継手綴り部の先端に向けて階段状にまたは漸次
    増加させて継手綴り部先端でのカンバス厚さをスパイラ
    ル線条の高さと略同程度としたことを特徴とする抄紙用
    ドライヤーカンバスの継手。
  2. 【請求項2】 経糸方向に芯糸を配した抄紙用ドライヤ
    ーカンバスの両端部の夫々に、スパイラル線条を、上記
    カンバス本体を構成する経糸の折返しループにからませ
    て取り付け、両端部のスパイラル線条を噛み合わせ、こ
    の噛み合わせて形成した共通環状部に芯線を挿通して無
    端状に接合するようにした抄紙用ドライヤーカンバスに
    おいて、 スパイラル線条の高さをカンバス本体部の厚さより大き
    くし、この大きくした高さに略比例してスパイラル線条
    の線径及び幅を増加させ、カンバスの継手綴り部の緯糸
    の太さと織密度との一方又は双方をカンバス本体部から
    継手綴り部の先端に向けて階段状に又は漸次増加させて
    継手綴り部先端でのカンバス厚さをスパイラル線条の高
    さと略同程度とし、 経糸方向に配した芯糸の先端部をスパイラル線条にから
    ませて折返してループとするものと、スパイラル線条に
    からませずに端部で糸上げするものとを交互に繰り返し
    たことを特徴とする抄紙用ドライヤーカンバスの継手。
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