JP2598339Y2 - 抄紙用ドライヤーカンバスの継手 - Google Patents

抄紙用ドライヤーカンバスの継手

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JP2598339Y2 JP1993067859U JP6785993U JP2598339Y2 JP 2598339 Y2 JP2598339 Y2 JP 2598339Y2 JP 1993067859 U JP1993067859 U JP 1993067859U JP 6785993 U JP6785993 U JP 6785993U JP 2598339 Y2 JP2598339 Y2 JP 2598339Y2
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靖政 竹ノ内
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【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、抄紙用ドライヤーカン
バスの継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】端部に接合部をもった抄紙用ドライヤー
カンバスの継手の一つとして、スパイラル線条をカンバ
ス本体を構成する経糸の折返しループにからませて取り
付け、両端部のスパイラル線条を噛み合わせ、該噛み合
わせ形成した共通環状部に芯線を挿通してカンバスを無
端状に接合するようにした継手がある。このスパイラル
継手を採用する抄紙用ドライヤーカンバスの接合部の強
度を向上させることを目的として、例えば、特開昭62
−90392号公報に記載のものが提案されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記提案のものは、ス
パイラル線条と絡み合う経糸の折返しループをカンバス
の表面側と裏面側とで別個に構成し、一方の経糸ループ
が磨耗して破損しても他方の経糸ループでカンバスの接
合状態を保持させることによって寿命を延長させるよう
にしたものである。しかし、この提案のものでは、継手
の強度向上が十分とは云えない。
【0004】そこで、本考案の目的は、継手の強度をさ
らに向上させ、かつ、継手部でのスパイラル線条の局部
的な盛り上がりを防止し得る抄紙用ドライヤーカンバス
の継手を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案の抄紙用ドライヤ
ーカンバスの継手は、抄紙用ドライヤーカンバスの両端
部の夫々に、スパイラル線条を、上記カンバス本体を構
成する経糸の折返しループにからませて取り付け、両端
部のスパイラル線条を噛み合わせ、この噛み合わせて形
成した共通環状部に芯線を挿通して無端状に接合するよ
うにした抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、スパイラ
ル線条の高さをカンバス本体部の厚さより大きくし、こ
の大きくした高さに略比例してスパイラル線条の線径及
び幅を増加させると共に、カンバス厚み方向の緯糸の層
数をカンバス本体部と同じにして、カンバスの継手綴り
部の緯糸の太さと織密度との一方又は双方をカンバス本
体部から継手綴り部の先端に向けて階段状に又は漸次増
加させて継手綴り部先端でのカンバス厚さをスパイラル
線条の高さと略同程度としたものである。
【0006】また、経糸方向に芯糸を配した抄紙用ドラ
イヤーカンバスの両端部の夫々に、スパイラル線条を、
上記カンバス本体を構成する経糸の折返しループにから
ませて取り付け、両端部のスパイラル線条を噛み合わ
せ、この噛み合わせで形成した共通環状部に芯線を挿通
して無端状に接合するようにした抄紙用ドライヤーカン
バスにおいて、スパイラル線条の高さをカンバス本体部
の厚さより大きくし、この大きくした高さに略比例して
スパイラル線条の線径及び幅を増加させると共に、カン
バス厚み方向の緯糸の層数をカンバス本体部と同じにし
て、カンバスの継手綴り部の緯糸の太さと織密度との一
方又は双方をカンバス本体部から継手綴り部の先端に向
けて階段状に又は漸次増加させて継手綴り部先端でのカ
ンバス厚さをスパイラル線条の高さと略同程度とし、経
糸方向に配した芯糸の先端部をスパイラル線条にからま
せて折返してループとするものと、スパイラル線条にか
らませずに端部で糸上げするものとを交互に繰り返した
ものである。
【0007】
【作用】スパイラル線条の線径、幅及び高さを増加させ
ることによって、スパイラル線条の強度が向上できるの
で継手の強度が増大し、かつ、芯線の挿通が容易とな
る。そして、スパイラル線条の線径及び高さの増加に対
して、カンバスの継手綴り部の緯糸の太さと織密度との
一方又は双方をカンバス本体部から継手綴り部の先端に
向けて階段状又は漸次増加させて継手綴り部先端でのカ
ンバスの厚さをスパイラル線条の高さと略同程度とした
から、スパイラル線条の局部的な盛り上がりを防止する
ことができ、湿紙にマークが付くことを防止することが
できる。さらに、経糸に沿って芯糸を配した場合には、
カンバスの継手強度を増し、寸法安定性が向上する。ま
た、芯糸の先端部をスパイラル線条にからませて折返し
てループにするものと、スパイラル線条にからませずに
端部で糸上げするものとを交互に繰り返し、かつ、芯糸
の糸上げ箇所をばらつかせたから、継手綴り部での経糸
密度の増加を防ぐことができ、継手綴り部の幅が広くな
るのを防止することができる。
【0008】
【実施例】図1は本考案に係る芯糸を有さないカンバス
の端部断面図であって、(1)はカンバス本体部、
(2)は継手綴り部、(3)(4)は経糸、(5)
(6)は緯糸、(7)はスパイラル線条を示している。
【0009】カンバス本体部(1)は、図2に示すよう
に、緯二重織とされ、経糸(3)(4)には、例えば、
太さ0.40mmのポリエチレンテレフタレートモノフィラメ
ント(TM040)を使用し、緯糸(5)(6)には表
裏ともに太さ0.50mmのポリエチレンテレフタレートモノ
フィラメント(TM050)を使用しており、織密度
は、経糸(3)(4)が87.4(本/2.54cm)、緯糸
(5)(6)が16.5×2(本/2.54cm)としている。上
記緯二重織の緯糸(5)(6)に関して表裏とは、接紙
面側に配置される緯糸(5)を表緯糸と表すこととし、
反対側に配置される緯糸(6)を裏緯糸と表すこととす
る。
【0010】継手綴り部(2)は、図1に示すように、
経糸(3)(4)の延長端を端部の固定芯線(8)に巻
き付けて折返しループ(3a)(4a)を形成し、この
折返し端をカンバス本体部(1)を構成する経糸(3)
(4)に沿って綴り込んで形成している。そして、継手
綴り部(2)の緯糸(5)(6)は、太さと織密度との
一方又は双方をカンバス本体部(1)から継手綴り部
(2)の先端に向けて階段状に又は漸次増加させて継手
綴り部(2)の先端でのカンバス厚さをスパイラル線条
(7)の高さ(h)と略同程度としている。例えば、図
1の実施例では、継手綴り部(2)は、(A)(B)
(C)(D)の4段階に分けてカンバス厚みを変化させ
た場合を例示しており、各部は、(A)部の緯糸(5)
(6)が表裏ともに太さ0.50mmのポリエチレンテレフタ
レートモノフィラメント(TM050 を使用してお
り、(B)部が表緯糸(5)として太さ0.50mmのポリエ
チレンテレフタレートモノフィラメント(TM050)
を使用し、裏緯糸(6)として太さ0.55mmのポリエチレ
ンテレフタレートモノフィラメント(TM055)を使
用しており、(C)部が表緯糸(5)として太さ0.55mm
ポリエチレンテレフタレートモノフィラメント(TM
055)を使用し、裏緯糸(6)として太さ0.60mmの
リエチレンテレフタレートモノフィラメント(TM06
0)を使用しており、(D)部の緯糸(5)(6)が表
裏ともに太さ0.60mmのポリエチレンテレフタレートモノ
フィラメント(TM060)を使用している。この場
合、(A)(B)(C)の各部における緯糸(5)
(6)の織密度は、16.5×2(本/2.54cm)としてあ
り、(D)部の緯糸(5)(6)の織密度は、18.0×2
(本/2.54cm)としてある。この実施例におけるカンバ
ス本体部(1)の厚みは、2.1mmであり、継 手綴り部
(2)の先端での厚みは、2.7mmである。
【0011】スパイラル線条(7)は、図1に示すよう
に、経糸(3)(4)の折返しループ(3a)(4a)
に直接からませて取り付けることも可能であるが、固定
芯線(8)にからませて取り付けている。このスパイラ
ル線条(7)は、継手部の強度向上を図るため、高さ
(h)をカンバス本体部(1)の厚さより大きくし、こ
の大きくした高さ(h)に略比例してスパイラル線条
(7)の線径及び幅を増加させるものである。例えば、
図1の実施例の場合、線径0.60mmのポリエチレンテレフ
タレートモノフィラメント(TM060)を使用し、そ
の幅(w)が5.2mm、高さ(h)が2.6mmの楕円形のスパ
イラル線条(7)を使用している。このスパイラル線条
(7)は、もっと大きいものを使用することが可能であ
る。例えば、線径0.70mmのポリエチレンテレフタレート
モノフィラメント(TM070)を使用し、その幅
(w)が6.0mm、高さ(h)が3.2mmの楕円形のスパイラ
ル線条(7)を使用することも可能である。この場合、
継手綴り部(2)の緯糸(5)(6)の太さと織密度と
の一方又は双方をカンバス本体部(1)から継手綴り部
(2)の先端に向けて階段状に又は漸次増加させて継手
綴り部(2)の先端でのカンバス厚さをスパイラル線条
(7)の高さ(h)と略同程度とする。
【0012】図3、図4は共に本考案に係るカンバスの
他の実施例の端部断面図で、図3は図1、図2と同じ緯
糸(5)(6)からなる緯二重織のカンバスであり、図
4は緯糸(5)(11)(6)からなる緯三重織のカンバ
スであって、経糸(3)(4)のスパイラル線条(7)
への係止要領は図1、図2と同じである。
【0013】この図3、図4に示す実施例の特徴は、経
糸方向に芯糸(9)(10)を交互に配設した点にあり、
芯糸(9)(10)の挿入本数は諸条件によって決定す
る。図3、図4に示す芯糸(9)は、先端部をスパイラ
ル線条(7)にからませて折返し、ループ状にした折返
し端をカンバス本体部(1)の端部近傍で糸上げする。
また、芯糸(10)はスパイラル線条(7)にからませる
ことなく、カンバス本体部(1)の端部近傍で糸上げす
る。上記芯糸(9)(10)の糸上げ箇所は継手綴り部
(2)でばらつかせ、継手部の幅が広くならないように
する。
【0014】図面には示しておらないが、図1から図4
カンバスにおいて経糸(3)(4)もカンバス本体部
(1)の継手綴り部(2)で糸上げしており、これら経
糸(3)(4)の糸上げ箇所ならびに芯糸(9)(10)
の糸上げ箇所を継手綴り部内でばらつかせて継手綴り部
(2)での幅の拡大を防ぐものとする。
【0015】
【考案の効果】本考案によれば、スパイラル線条の線
径、幅及び高さを増加させたから、スパイラル線条の強
度が向上できるので継手の強度が増大し、かつ、芯線の
挿通が容易となる。しかも、カンバスの継手綴り部の緯
糸の太さと織密度との一方又は双方をカンバス本体部か
ら継手綴り部の先端に向けて階段状に又は漸次増加させ
て継手綴り部の先端でのカンバスの厚さをスパイラル線
条の高さと略同程度としたから、継手部でのスパイラル
線条の局部的な盛り上がりを防止することができ、湿紙
にマークが付くことを防止することができる。
【0016】また、経糸方向に芯糸を配設した場合に
は、カンバスの継手の強度が増大し、あわせて寸法安定
性が向上する。さらに、すべての経糸ならびに芯糸の糸
上げ箇所をばらつかせたから、継手綴り部での幅の拡大
を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るカンバス本体部の一実施例を示す
端部断面図。
【図2】本考案に係るカンバス本体部の一実施例を示す
組織図。
【図3】本考案に係るカンバス本体部の他の実施例を示
す端部断面図。
【図4】本考案に係るカンバス本体部の更に他の実施例
を示す端部断面図。
【符号の説明】
1 カンバス本体部 2 継手綴り部 3、4 経糸 5、11、6 緯糸 7 スパイラル線条 8 固定芯線 9、10 芯糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21F 7/08 - 7/10

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抄紙用ドライヤーカンバスの両端部の夫
    々に、スパイラル線条を、上記カンバス本体を構成する
    経糸の折返しループにからませて取り付け、両端部のス
    パイラル線条を噛み合わせ、この噛み合わせて形成した
    共通環状部に芯線を挿通して無端状に接合するようにし
    た抄紙用ドライヤーカンバスにおいて、スパイラル線条
    の高さをカンバス本体部の厚さより大きくし、この大き
    くした高さに略比例してスパイラル線条の線径及び幅を
    増加させると共に、カンバス厚み方向の緯糸の層数をカ
    ンバス本体部と同じにして、カンバスの継手綴り部の緯
    糸の太さと織密度との一方又は双方をカンバス本体部か
    ら継手綴り部の先端に向けて階段状に又は漸次増加させ
    て継手綴り部先端でのカンバス厚さをスパイラル線条の
    高さと略同程度としたことを特徴とする抄紙用ドライヤ
    ーカンバスの継手。
  2. 【請求項2】 経糸方向に芯糸を配した抄紙用ドライヤ
    ーカンバスの両端部の夫々に、スパイラル線条を、上記
    カンバス本体を構成する経糸の折返しループにからませ
    て取り付け、両端部のスパイラル線条を噛み合わせ、こ
    の噛み合わせで形成した共通環状部に芯線を挿通して無
    端状に接合するようにした抄紙用ドライヤーカンバスに
    おいて、 スパイラル線条の高さをカンバス本体部の厚さより大き
    くし、この大きくした高さに略比例してスパイラル線条
    の線径及び幅を増加させると共に、カンバス厚み方向の
    緯糸の層数をカンバス本体部と同じにして、カンバスの
    継手綴り部の緯糸の太さと織密度との一方又は双方をカ
    ンバス本体部から継手綴り部の先端に向けて階段状に又
    は漸次増加させて継手綴り部先端でのカンバス厚さをス
    パイラル線条の高さと略同程度とし、 経糸方向に配した芯糸の先端部をスパイラル線条にから
    ませて折返してループとするものと、スパイラル線条に
    からませずに端部で糸上げするものとを交互に繰り返し
    たことを特徴とする抄紙用ドライヤーカンバスの継手。
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