JPH07193245A - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

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JPH07193245A
JPH07193245A JP5329346A JP32934693A JPH07193245A JP H07193245 A JPH07193245 A JP H07193245A JP 5329346 A JP5329346 A JP 5329346A JP 32934693 A JP32934693 A JP 32934693A JP H07193245 A JPH07193245 A JP H07193245A
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silicon
silicon oxide
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oxide film
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Abstract

(57)【要約】 【目的】誘電体膜を介した光アニールによる多結晶シリ
コン薄膜トランジスタの作製において、n,p両チャネ
ルトランジスタの活性層多結晶シリコン膜を、それぞれ
の最適強度光で作製する。 【構成】非晶質シリコン膜66上に形成した酸化シリコ
ン膜67上に窒化シリコン膜68を形成し、この窒化シ
リコン膜68にnチャネル部分70上とpチャネル部分
69上で膜厚差をつけた後、エキシマレーザ光71を照
射することにより前記非晶質シリコン膜を溶融再結晶化
し、多結晶シリコン膜73とする。酸化シリコン膜67
および窒化シリコン膜68の二層誘電体膜を組み合わせ
ることで、誘電体膜厚変動による光学的干渉効果変動を
最小にする誘電体膜厚を選ぶことができ、さらに窒化シ
リコン膜68の膜厚をn,p両チャネルに適当な値に設
定することにより、一度の光照射で両チャネル双方に最
適強度の光を照射することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動回路一体型の液晶
ディスプレイ、イメージセンサ等の応用を目的とした、
絶縁体基板上への薄膜トランジスタの製造方法に関する
ものであり、特にアモルファスシリコン膜または多結晶
シリコン膜にレーザ等の光を照射して溶融再結晶化した
多結晶シリコンを用いる薄膜トランジスタの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ、イメージセンサ等の
駆動回路用トランジスタ、および液晶ディスプレイにお
ける画素用スイッチングトランジスタの活性層として、
高キャリア移動度を有する半導体材料が必要とされる。
近年、アモルファスシリコンまたは多結晶シリコンにエ
キシマレーザを照射して溶融再結晶化するエキシマレー
ザアニール法により、高キャリア移動度を有する多結晶
シリコンを活性層に用いた薄膜トランジスタが実現され
ており、上記ランプ光,アルゴンレーザ,エキシマレー
ザ等によるアニール法を用いた多結晶シリコン薄膜トラ
ンジスタの更なる特性向上のために様々な試みがなされ
ている。
【0003】例えば特願平5−35934号明細書では
図6のように、nチャネルトランジスタとpチャネルト
ランジスタで最適レーザ強度が異なることを指摘し、遮
光層を利用して片チャネル部分ずつ最適強度の光でアニ
ールする方法により、両チャネル共に高性能を有する薄
膜トランジスタが形成でき、これにより高性能CMOS
回路が作製できることが開示されている。
【0004】また、特開昭62−119974号公報に
は、多結晶シリコン膜上に酸化シリコン膜などの誘電体
膜を形成し、この誘電体膜を介して多結晶シリコンを光
照射することで、多結晶シリコン膜と酸化シリコン膜の
界面に熱処理効果を与え、この酸化シリコン膜をゲート
絶縁膜とすることで、前記界面における準位密度が低い
薄膜トランジスタを形成できることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術のうち
片チャネル部分ずつレーザアニールする方法では、フォ
トリソグラフィ工程が二回増え、さらに遮光層として用
いるアルミニウムなどの金属により半導体層およびゲー
ト絶縁膜の汚染が生じるという問題点を有する。しかし
ながら、液晶ディスプレイなどの駆動回路では消費電力
の小さいCMOS回路が有利であり、高性能CMOS回
路を作製するためにn,p両チャネルを最適条件のレー
ザアニールで作製する技術は不可欠であるため、上記問
題点を回避するのは重要な課題である。
【0006】さらに、n,p両チャネルトランジスタの
活性層多結晶シリコン膜を最適条件のレーザアニールで
作製しても、図6に示されるようにpチャネルトランジ
スタの性能はnチャネルトランジスタの性能には及ばな
いため、ゲート絶縁膜厚などデバイス構造の観点からp
チャネルトランジスタを高性能化することが重要とな
る。
【0007】また、上記の特開昭62−119974号
公報における誘電体膜を介してレーザアニールでは、誘
電体膜に膜厚変動があれば、光学的干渉効果により入射
レーザ強度に変動が生じるという問題点を有する。CV
D法、スパッタ法などを用いて20インチ程度の基板上
に酸化シリコン膜を成膜する場合、±10%程度の面内
膜厚分布が生じ、さらに縦型または横型CVD装置では
基板毎にも±3%程度の膜厚分布が生じるため、最大±
13%程度の膜厚変動が生じると見積もることができ
る。図1(a)の実線は、図1(b)のように非晶質シ
リコン膜上に酸化シリコン膜を有する試料において、酸
化シリコン膜厚を変化させた場合の例えばXeClエキ
シマレーザ光の反射率の変化を示したものである。例え
ば酸化シリコン膜厚とし95nmを選んだ場合、±13
%の膜厚変動は3%の反射率差を生じさせることにな
る。この差は実効入射レーザ強度に換算して、例えば4
00mJ/cm2 と430mJ/cm2 の差、30mJ
/cm2 に対応する。このように光アニール法により作
製された多結晶シリコン膜の特性は光照射強度に大きく
依存するため、上記のような面内膜厚分布および基板
(トレイ)間膜厚分布を有する誘電体膜を介した光照射
により形成された多結晶シリコン膜の特性には分布が生
じる。従って、前記分布をもつ多結晶シリコンを活性層
とした薄膜トランジスタの特性にも分布が生じ、基板内
および基板間において均一な特性を有するトランジスタ
を作製するのは困難である。液晶ディスプレイ、イメー
ジセンサ等の開発動向は大面積化、長尺化に向かってい
るため、基板が大判化することにより顕著化する上記問
題点を回避することは重要な課題である。
【0008】本発明は、上記三つの問題点を鑑みて発明
されたものであり、誘電体膜を介した光アニールにおい
て、最適ゲート絶縁膜厚を有するn,p両チャネルトラ
ンジスタの活性層多結晶シリコン膜をそれぞれの最適ア
ニール条件で作製し、かつ誘電体膜厚変動による入射光
強度の変動を抑制することにより、大面積基板上に光性
能薄膜トランジスタを均一に形成することを目的とした
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、シリコン
膜への光照射による再結晶化で形成された多結晶シリコ
ン膜を活性層に用いる薄膜トランジスタの製造方法にお
いて、絶縁性基板上に非晶質シリコン膜または多結晶シ
リコン膜などの非結晶性シリコン膜を形成する工程と、
酸化シリコン膜を形成する工程と、前記酸化シリコン膜
の膜厚をnチャネルトランジスタ部分とpチャネルトラ
ンジスタ部分とで差異をつける工程と、前記酸化シリコ
ン膜を通して、前記非晶質シリコン膜または前記多結晶
シリコン膜へ光照射を行う工程とを含むように構成され
ている。
【0010】第2の発明は、シリコン膜への光照射によ
る再結晶化で形成された多結晶シリコン膜を活性層に用
いる薄膜トランジスタの製造方法において、絶縁性基板
上に非晶質シリコン膜または多結晶シリコン膜を形成す
る工程と、酸化シリコン膜を形成する工程と、前記酸化
シリコン膜の膜厚をnチャネルトランジスタ部分とpチ
ャネルトランジスタ部分とで差異をつける工程と、前記
酸化シリコン膜を通して、前記非晶質シリコン膜または
前記多結晶シリコン膜へ光照射を行う工程とを含み、n
チャネルトランジスタ部分とpチャネルトランジスタ部
分とで膜厚差を有する前記酸化シリコン膜をゲート絶縁
膜とするように構成されている。
【0011】第3の発明は、シリコン膜への光照射によ
る再結晶化で形成された多結晶シリコン膜を活性層に用
いる薄膜トランジスタの製造方法において、絶縁性基板
上に非晶質シリコン膜または多結晶シリコン膜を形成す
る工程と、酸化シリコン膜を形成する工程と、前記酸化
シリコン膜上に前記酸化シリコン膜より高い屈折率を有
する誘電体膜を形成する工程と、前記酸化シリコン膜お
よび前記高屈折率誘電体膜を通して、前記非晶質シリコ
ン膜または前記多結晶シリコン膜へ光照射を行う工程と
を含むように構成されている。
【0012】第4の発明は、シリコン膜への光照射によ
る再結晶化で形成された多結晶シリコン膜を活性層に用
いる薄膜トランジスタの製造方法において、絶縁性基板
上に非晶質シリコン膜または多結晶シリコン膜を形成す
る工程と、酸化シリコン膜を形成する工程と、前記酸化
シリコン膜上に前記酸化シリコン膜より高い屈折率を有
する誘電体膜を形成する工程と、前記高屈折率誘電体膜
の膜厚をnチャネルトランジスタ部分とpチャネルトラ
ンジスタ部分とで差異をつける工程と、前記酸化シリコ
ン膜、および前記酸化シリコン膜と前記高屈折率誘電体
膜とからなる二層膜を通して、前記非晶質シリコン膜ま
たは前記多結晶シリコン膜へ光照射を行う工程とを含む
ように構成されている。
【0013】
【実施例】発明の実施例を、順スタガ型多結晶シリコン
薄膜トランジスタの作製プロセスにおける素子断面図に
もとづいて説明する。 (実施例1)図2は本発明の一実施例を示す素子断面図
である。図2(a)に示すように、少なくとも表面が絶
縁物質である基板11上に、スパッタ法により金属シリ
サイド膜12を堆積して、フォトリソグラフィーにより
ソース、ドレイン電極の下部を形成した後、低圧CVD
法によりソース、ドレイン用多結晶シリコン膜13を堆
積し、フォトリソグラフィーによりソース、ドレイン電
極を形成する。続いて図2(b)に示すように、イオン
注入により、イオン注入カバー用酸化シリコン膜14を
通してBイオンまたはPイオン17を前記ソース、ドレ
イン電極多結晶シリコン層13に注入する。前記イオン
注入カバー用酸化シリコン膜14をエッチングにより除
去した後、図2(c)に示すように低圧CVD法により
非晶質シリコン膜15を形成する。ここで前記非晶質シ
リコン膜15のかわりに多結晶シリコン膜を用いてもよ
い。上記非晶質シリコン膜15の上に、図2(d)のよ
うに低圧CVD法により膜厚100nmの酸化シリコン
膜18を成膜し、フォトリソグラフィーおよびエッチン
グにより酸化シリコン膜18のpチャネル部分20のみ
を膜厚75nmとする。この酸化シリコン膜18を通し
てXeClエキシマレーザ光19を前記非晶質シリコン
膜15へ照射し、活性層となる多結晶シリコン膜22を
形成する。上記図2(d)の工程は、図1(a)の実線
に示すように酸化シリコン膜の膜厚変化によりレーザ光
反射率すなわち入射レーザ強度が変化する事を利用した
ものである。nチャネルトランジスタおよびpチャネル
トランジスタ作製における最適レーザ強度がそれぞれ3
60mJ/cm2 および430mJ/cm2 であると
し、100nmの酸化シリコン膜を介した実効強度が3
60mJ/cm2 であるようなレーザ光を用いると、上
記工程のようにnチャネルトランジスタ部分酸化シリコ
ン膜厚を100nm、pチャネルトランジスタ部分酸化
シリコン膜厚を75nmとすれば、一度のレーザ照射に
より両チャネル部の非晶質シリコン膜に最適強度のレー
ザが照射されることになる。
【0014】次工程として、上記酸化シリコン膜18を
除去した後、図2(e)に示すように、低圧CVD法に
よりゲート絶縁膜用酸化シリコン膜23を100nm堆
積する。続いて図2(f)に示すようにシリコン含有ガ
スとホスフィンガスの混合ガスを用いた低圧CVD法に
より低抵抗多結晶シリコン膜24を堆積し、続いてソー
ス、ドレイン部のコンタクトホール25をフォトリソグ
ラフィーおよびエッチングにより形成し、さらにスパッ
タ法によりアルミニウム膜26を堆積し、最後にフォト
リソグラフィーおよびエッチングによりゲート電極部2
7、ソース電極部28、およびドレイン電極部29を分
離する。以上の工程により順スタガ型多結晶シリコン薄
膜トランジスタが完成する。 (実施例2)図3は第2の発明の一実施例を示す素子断
面図である。図3(a)に示すように、少なくとも表面
が絶縁物質である基板30上に、金属シリサイド膜31
および多結晶シリコン膜32とからなるソース、ドレイ
ン電極を形成する。nチャネル部ソース、ドレインの多
結晶シリコン膜32にはPが、pチャネル部ソース、ド
レインの多結晶シリコン膜32にはBがイオン注入され
ている。続いて低圧CVD法により非晶質シリコン膜3
3を形成する。ここで前記非晶質シリコン膜33のかわ
りに多結晶シリコン膜を用いてもよい。次に前記非晶質
シリコン膜33の上に、図3(b)に示すように低圧C
VD法により膜厚100nmの酸化シリコン膜34を成
膜し、フォトリソグラフィーおよびエッチングにより酸
化シリコン膜34のpチャネル部分36のみを膜厚75
nmとする。この酸化シリコン膜34を通してXeCl
エキシマレーザ光35を前記非晶質シリコン膜33へ照
射し、活性層となる多結晶シリコン膜39を形成する。
この工程により一度のレーザ照射により両チャネル部の
非晶質シリコン膜に最適強度のレーザが照射される。
【0015】ここで、図3(c)のようにnチャネル部
とpチャネル部とで膜厚差を有する上記酸化シリコン膜
34を除去せずにゲート絶縁膜とする。これによりpチ
ャネルトランジスタのゲート絶縁膜はnチャネルトラン
ジスタのゲート絶縁膜よりも薄くなるため、電界効果移
動度は増大し、しきい値は減少する。nチャネルトラン
ジスタのゲート絶縁膜も薄膜化した方が電界効果移動度
およびしきい値は向上するが、nチャネルトランジスタ
の方がpチャネルトランジスタよりもソース、ドレイン
間耐圧が低く、この耐圧はゲート絶縁膜が薄膜化するほ
ど低くなるため、nチャネルトランジスタのゲート絶縁
膜厚はpチャネルトランジスタほどには薄くできない。
【0016】さらに、非晶質シリコン膜33はレーザア
ニールによって1000℃以上の高温に達するため、酸
化シリコン膜34と多結晶シリコン膜39の界面38は
熱処理が施され、準位密度の低い界面となる。
【0017】最後のPドープ低抵抗多結晶シリコン膜4
1およびアルミニウム膜43を用いてゲート電極部4
4、ソース電極部45、およびドレイン電極部46を作
製し、順スタガ型多結晶シリコン薄膜トランジスタが完
成する。 (実施例3)図4は第3の発明の一実施例を示す素子断
面図である。図4(a)に示すように、少なくとも表面
が絶縁物質である基板47上に、金属シリサイド膜48
および多結晶シリコン膜49とからなるソース、ドレイ
ン電極を形成する。nチャネル部ソース、ドレインの多
結晶シリコン膜49にはPが、pチャネル部ソース、ド
レインの多結晶シリコン膜49にはBがイオン注入され
ている。続いて低圧CVD法により非晶質シリコン膜5
0を形成する。ここで前記非晶質シリコン膜50のかわ
りに多結晶シリコン膜を用いてもよい。次に前記非晶質
シリコン膜50の上に、図4(b)に示すように低圧C
VD法により膜厚40nmの酸化シリコン膜51を、続
いてプラズマCVD法により膜厚40nmの窒化シリコ
ン膜52を成膜し、この二層誘電体膜51,52を通し
てXeClエキシマレーザ光53を前記非晶質シリコン
膜50へ照射し、活性層となる多結晶シリコン膜55を
形成する。ここで、二層誘電体膜の上部膜としては窒素
含有酸化シリコン膜など他の高屈折率膜でもよい。上記
図4(b)のレーザ照射の工程では、下述の理由により
前記酸化シリコン膜51および前記窒化シリコン膜52
の膜厚を薄く設定できるため、膜厚変動で生じる入射レ
ーザ照射強度変動が非常に小さくなり、大面積基板上に
おいても均質な多結晶シリコン膜を得ることができる。
【0018】すなわち、酸化シリコン単層を介するレー
ザアニールでは、図1(a)の実線に示すように極小ピ
ーク付近の変化が急であるため膜厚変動の影響を考慮し
て極大ピークの膜厚を選ばなければならず、更に膜厚変
動絶対値はその膜厚が薄いほど小さくなるため、95n
m付近が最適値となる。これに対し図1(c)に示すよ
うな二層誘電体膜を用いる場合、高屈折率膜の膜厚を変
化させることにより、極大ピークを与える酸化シリコン
膜厚を任意に選ぶことができる。上記工程のように窒化
シリコン膜厚を40nmとした場合、酸化シリコン膜厚
を変化させた場合のXeClエキシマレーザ光反射率の
変化は図1(a)の点線のようになる。図1(a)よ
り、窒化シリコン膜厚を40nmとした場合、膜厚変動
による影響を小さくできる極大ピークを与える最小酸化
シリコン膜厚は40nmとなり、膜厚変動の小さい薄い
膜厚をとることができる。小さい値をとることができ
る。さらに図1(a)の実線と点線としては極大ピーク
付近の反射率変化度がほぼ同じであること、窒化シリコ
ン膜厚は薄いためその膜厚変動値が小さいことにより、
二層誘電体膜を介したレーザ照射の方が入射レーザ強度
変動を小さくすることができる。実際に、酸化シリコン
膜厚95nmおよび40nmでの膜厚変動±13%と窒
化シリコン膜厚40nmの膜厚変動±10%を考慮した
ときのレーザ光反射率変動は、酸化シリコン膜単層の場
合3%であるのに対し二層誘電体膜の場合はほとんど生
じない。
【0019】次工程として、前記窒化シリコン膜52を
エッチングにより除去した後、図4(c)に示すよう
に、低圧CVD法により酸化シリコン膜56を60nm
堆積する。前記酸化シリコン膜51および前記酸化シリ
コン膜56の二層でゲート絶縁膜となる。続いて図4
(a)のようにPドープ低抵抗多結晶シリコン膜57お
よびアルミニウム膜58を用いてゲート電極部60、ソ
ース電極部61、およびドレイン電極部62を作製す
る。以上の工程により順スタガ型多結晶シリコン薄膜ト
ランジスタが完成する。なお、前記実施例1と同様に、
酸化シリコン膜51と多結晶シリコン膜55の界面54
は準位密度の低い界面となる。 (実施例4)図5は第4の発明の一実施例を示す素子断
面図である。図5(a)に示すように、少なくとも表面
が絶縁物質である基板63上に、金属シリサイド膜64
および多結晶シリコン膜65とからなるソース、ドレイ
ン電極を形成する。nチャネル部ソース、ドレインの多
結晶シリコン膜65にはPが、pチャネル部ソース、ド
レインの多結晶シリコン膜65にはBがイオン注入され
ている。続いて低圧CVD法により非晶質シリコン膜6
6を形成する。ここで前記非晶質シリコン膜66のかわ
りに多結晶シリコン膜を用いてもよい。次に前記非晶質
シリコン膜66の上に、図5(b)に示すように低圧C
VD法により膜厚10nmの酸化シリコン膜67を、続
いてプラズマCVD法により膜厚60nmの窒化シリコ
ン膜68を成膜し、フォトリソグラフィーおよびエッチ
ングにより窒化シリコン膜68のpチャネル部69のみ
を除去する。nチャネル部70の二層誘電体膜67,6
8およびpチャネル部69の単層酸化シリコン膜67を
通してXeClエキシマレーザ光71を前記非晶質シリ
コン膜66へ照射し、活性層となる多結晶シリコン膜7
3を形成する。ここで、二層誘電体膜の上部膜としては
窒素含有酸化シリコン膜など他の高屈折率膜でもよい。
更に前記窒化シリコン膜のpチャネル部69の除去は、
図5(e)のようにエッチングによる薄膜化であっても
同効果が得られる。上記図5(b)および図5(e)の
工程では、下述の理由によりn,P両チャネル部に最適
強度のレーザを照射することができ、さらに酸化シリコ
ン膜67,81が非常に薄く、窒化シリコン膜68,8
2の膜厚は膜厚変動の影響が最も少ない値に設定さてい
るため、膜厚変動で生じる入射レーザ照射強度変動が非
常に小さくなっている。したがって大面積基板上におい
て、n,p両チャネルが高性能を有する多結晶シリコン
薄膜トランジスタを均一に作製することができる。
【0020】上記図5(b)の工程のように窒化シリコ
ン膜厚を60nmとした場合、酸化シリコン膜厚を変化
させた場合のレーザ光反射率の変化は図1(a)の破線
のようになる。酸化シリコン膜厚を10nmとすると、
図1(a)より酸化シリコン単層膜部分でのレーザ光反
射率は54%程度、二層誘電体膜部分でのレーザ光反射
率は62%程度となる。したがって、nチャネルトラン
ジスタおよびpチャネルトランジスタ作製における最適
レーザ強度がそれぞれ360mJ/cm2 および430
mJ/cm2 であるとし、10nmの酸化シリコン膜を
通った実効照射強度が430mJ/cm2 であるような
レーザ光を用いると、nチャネルトランジスタ部分酸化
シリコン膜上のみに膜厚60nmの窒化シリコン膜を形
成すれば、両チャネルに最適強度のレーザが照射される
ことになる。さらに、上記工程によれば酸化シリコン膜
厚を薄く設定でき、窒化シリコン膜厚も図1(a)に示
す反射率曲線の極大ピークに設定することができるた
め、入射レーザ強度変動を小さくすることができる。
【0021】次工程として、前記窒化シリコン膜68を
エッチングにより除去した後、図5(d)に示すよう
に、低圧CVD法により酸化シリコン膜74を90nm
堆積する。前記酸化シリコン膜67および前記酸化シリ
コン膜74の二層でゲート絶縁膜となる。続いて図5
(e)のようにPドープ低抵抗多結晶シリコン膜75お
よびアルミニウム膜76を用いてゲート電極部78、ソ
ース電極部79、およびドレイン電極部80を作製す
る。以上の工程により順スタガ型多結晶シリコン薄膜ト
ランジスタが完成する。なお、上記実施例1と同様に、
酸化シリコン膜67と多結晶シリコン膜73の界面72
は準位密度の低い界面となる。
【0022】なお、本実施例ではXeClエキシマレー
ザを光源として用いられているが、KrF,ArFAr
等の他の光源等強力なパルス光源であれば本特許は有効
に作用する。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
最適ゲート絶縁膜厚を有するn,P両チャネルトランジ
スタの形成において、両チャネルの活性層多結晶シリコ
ン膜を最適強度のレーザ照射で作製することができ、か
つ誘電体膜を通して行うレーザアニール技術において、
酸化シリコン膜と、窒化シリコン膜などの高屈折率誘電
体膜を組み合わせた二層誘電体膜を用いることにより、
膜厚変動による入射レーザ強度変動を最小限に抑えるこ
とができるため、大面積基板上において高性能かつ均質
な薄膜トランジスタCMOS駆動回路を形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非晶質シリコン膜上に形成した酸化シリコン膜
および窒化シリコン膜の膜厚変化に対するXeClエキ
シマレーザ光の反射率の変化を示す説明図である。
【図2】第1の発明の実施例を示す断面図である。
【図3】第2の発明の実施例を示す断面図である。
【図4】第3の発明の実施例を示す断面図である。
【図5】第4の発明の実施例を示す断面図である。
【図6】レーザ照射強度を変化させた場合の、nチャネ
ル多結晶シリコンTFTおよびpチャネル多結晶シリコ
ンTFTの電界効果移動度の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 非晶質シリコン膜 3,18,34,51,67,81 酸化シリコン膜 4,19,35,53,71,85 XeClエキシ
マレーザ光 5,52,68,82 窒化シリコン膜 11,30,47,63 絶縁体基板 12,31,48,64 金属シリサイド膜 13,32,49,65 ソース、ドレイン電極用多
結晶シリコン膜 14 イオン注入カバー用酸化シリコン膜 15,33,50,66 非晶質シリコン膜 16 フォトレジスト 17 BイオンまたはPイオン 20,36,69,83 pチャネル部 21,37,70,84 nチャネル部 22,39,55,73 多結晶シリコン膜 23,40,56,74 ゲート絶縁膜用酸化シリコ
ン膜 24,41,57,75 低抵抗多結晶シリコン膜 25,42,59,77 ソース、ドレイン部コンタ
クトホール 26,43,58,76 アルミニウム膜 27,44,60,78 ゲート電極部 28,45,61,79 ソース電極部 29,46,62,80 ドレイン電極部 38,54,72 ゲート絶縁膜と多結晶シリコン膜
の界面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 27/092 27/12 R 21/336 9056−4M H01L 29/78 311 Y

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン膜への光照射による再結晶化で
    形成された多結晶シリコン膜を活性層に用いる薄膜トラ
    ンジスタの製造方法において、絶縁性基板上に非結晶性
    シリコン膜を形成する工程と、酸化シリコン膜を形成す
    る工程と、前記酸化シリコン膜の膜厚をnチャネルトラ
    ンジスタ部分とpチャネルトランジスタ部分とで差異を
    つける工程と、前記酸化シリコン膜を通して、前記非結
    晶性シリコン膜へ光照射を行う工程とを含むことを特徴
    とする薄膜トランジスタの製造方法。
  2. 【請求項2】 シリコン膜への光照射による再結晶化で
    形成された多結晶シリコン膜を活性層に用いる薄膜トラ
    ンジスタの製造方法において、絶縁性基板上に非結晶性
    シリコン膜を形成する工程と、酸化シリコン膜を形成す
    る工程と、前記酸化シリコン膜の膜厚をnチャネルトラ
    ンジスタ部分とpチャネルトランジスタ部分とで差異を
    つける工程と、前記酸化シリコン膜を通して、前記非結
    晶性シリコン膜へ光照射を行う工程とを含み、nチャネ
    ルトランジスタ部分とpチャネルトランジスタ部分とで
    膜厚差を有する前記酸化シリコン膜をゲート絶縁膜とす
    ることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  3. 【請求項3】 シリコン膜への光照射による再結晶化で
    形成された多結晶シリコン膜を活性層に用いる薄膜トラ
    ンジスタの製造方法において、絶縁性基板上に非結晶性
    シリコン膜を形成する工程と、酸化シリコン膜を形成す
    る工程と、前記酸化シリコン膜上に前記酸化シリコン膜
    より高い屈折率を有する誘電体膜を形成する工程と、前
    記酸化シリコン膜および前記高屈折率誘電体膜を通し
    て、前記非結晶性シリコン膜へ光照射を行う工程とを含
    むことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 シリコン膜への光照射による再結晶化で
    形成された多結晶シリコン膜を活性層に用いる薄膜トラ
    ンジスタの製造方法において、絶縁性基板上に非結晶性
    シリコン膜を形成する工程と、酸化シリコン膜を形成す
    る工程と、前記酸化シリコン膜上に前記酸化シリコン膜
    より高い屈折率を有する誘電体膜を形成する工程と、前
    記高屈折率誘電体膜の膜厚をnチャネルトランジスタ部
    分とpチャネルトランジスタ部分とで差異をつける工程
    と、前記酸化シリコン膜、および前記酸化シリコン膜と
    前記高屈折率誘電体膜とからなる二層膜を通して、前記
    非結晶性シリコン膜へ光照射を行う工程とを含むことを
    特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
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