JPH07187761A - アルミナ磁器およびフェライト焼成用アルミナ磁器 - Google Patents

アルミナ磁器およびフェライト焼成用アルミナ磁器

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JPH07187761A
JPH07187761A JP5347197A JP34719793A JPH07187761A JP H07187761 A JPH07187761 A JP H07187761A JP 5347197 A JP5347197 A JP 5347197A JP 34719793 A JP34719793 A JP 34719793A JP H07187761 A JPH07187761 A JP H07187761A
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alumina
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Yutaka Okada
裕 岡田
Masatoshi Osaki
正敏 大崎
Shoji Shibata
昭司 柴田
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、アルミナに少量のイットリア(Y
23 )を添加した原料を用いることにより、比較的低
い焼成温度での焼成で吸水率が小さく、しかも耐用性が
高いフェライト焼成用磁器を得ようとするものである。 【構成】アルミナおよびイットリアからなり、イットリ
アが0.37〜3.2wt%、残部がアルミナからなる原
料を焼成してなり、アルミナ粒子の粒界がアルミニウム
の酸化物とイットリウムの酸化物が混在した層である磁
器で吸水率が0.6%以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アルミナ磁器および
アルミナ磁器からなるフェライト焼成用治具に関する。
更にいえば、フェライトの焼成工程で被焼成体を固定、
積載するフェライト焼成治具に好適なアルミナ磁器に関
する。
【0002】
【従来の技術】偏向ヨ−ク、フェライトコアなどのフェ
ライトを焼成する際に、被焼成体を保持、積載する治具
として吸水率が0.1〜1.4%の範囲のアルミナ磁器
が使用されている。
【0003】しかしながら、従来から使用されていたア
ルミナ磁器は吸水率が高いため、繰り返して使用してい
る中に、被焼成体即ちフェライト中の添加物であるZ
n,Ni,Mnなどがアルミナ磁器中に侵入して組織が
劣化し、かけ、割れなどの不具合が発生し使用できなく
なるといった問題があった。
【0004】こうした現象を避けるためにはアルミナ磁
器の吸水率を下げなければならないが、そのためにはか
なりの高温での焼成が必要であり、製品のコストを引き
上げてしまう問題が存在していた。
【0005】即ち、フェライト焼成用のアルミナ磁器
は、造粒、調整されたアルミナ原料をリング、セッタ−
などの所定の形状にプレス成形し、これで得られた成形
体を所定の温度で焼成して成形される。その際、焼成温
度を高くする或いは焼成時間を長くすることで焼成体の
吸水率は低減できるが、フェライト焼成用に使用される
アルミナ磁器は高純度であることが要求されるので、吸
水率をゼロまたはそれ近くにするには、1800℃以上
のかなりの高温焼成或いは長時間焼成が必要とされてい
る。
【0006】しかし、こうした高温度焼成或いは長時間
焼成では燃料費や焼成に使用する材料費がかさみ、製品
のコスト高を招き市場価格と見合わないものとなってし
まう恐れがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、アルミナ
に少量のイットリウムを含有する物質、例えばイットリ
ア(Y23 )等を少量添加した原料を用いることによ
り、比較的低い焼成温度での焼成で吸水率が小さく、し
かも耐用性が高いフェライト焼成用磁器を得ようとする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、アルミナお
よびイットリアからなり、イットリアが0.37〜3.
2wt%、残部がアルミナからなる原料を焼成してなるア
ルミナ磁器(請求項1)、アルミナおよびイットリアか
らなり、イットリアが0.37〜3.2wt%、残部がア
ルミナからなる原料を焼成してなるアルミナ磁器よりな
るフェライト焼成用アルミナ磁器(請求項2)、アルミ
ナおよびイットリアからなり、イットリアが0.37〜
3.2wt%、残部がアルミナからなる原料を焼成してな
るアルミナ磁器で吸水率0.6%以下のフェライト焼成
用治具(請求項3)、アルミナおよびイットリアからな
り、イットリアが0.37〜3.2wt%、残部がアルミ
ナからなる原料を焼成してなり、アルミナ粒子の粒界が
アルミニウムの酸化物とイットリウムの酸化物が混在し
た層であるアルミナ磁器(請求項4)、アルミナおよび
イットリアからなり、イットリアが0.37〜3.2wt
%、残部がアルミナからなる原料を焼成してなり、アル
ミナ粒子の粒界がアルミニウムの酸化物とイットリウム
の酸化物が混在した層であるアルミナ磁器よりなるフェ
ライト焼成用治具(請求項5)およびアルミナおよびイ
ットリアからなり、イットリアが0.37〜3.2wt
%、残部がアルミナからなる原料を焼成してなり、アル
ミナ粒子の粒界がアルミニウムの酸化物とイットリウム
の酸化物が混在した層である磁器で吸水率が0.6%以
下のフェライト焼成用治具(請求項6)、アルミナ粒子
の粒界がアルミニウムの酸化物およびイットリウムの酸
化物が混在した層であり、全体としてイットリウムの量
が0.3〜2.5wt%であることを特徴とするアルミナ
磁器(請求項7)およびアルミナ粒子の粒界がアルミニ
ウムの酸化物およびイットリウムの酸化物が混在した層
であり、全体としてイットリウムの量が0.3〜2.5
wt%であることを特徴とするフェライト焼成用アルミナ
磁器(請求項8)である。以下に、この発明を説明す
る。
【0009】本発明のアルミナ磁器およびフェライト焼
成用治具は、アルミナとイットリアからなるものであ
る。請求項1の発明は、イットリアの含有量が0.37
〜3.2wt%で残部をアルミナとする原料を焼成してな
るアルミナ磁器である。イットリアが0.37wt%未満
であると焼成体の吸水率を十分に下げることが出来な
い。またイットリア添加量は、焼成体の吸水率の低下、
焼成温度の低下のためには3.2%で足りる。イットリ
アは高価な原料であり添加量をこれ以上とするとコスト
高となり、また焼結体の強度が低下する。
【0010】アルミナ原料に上記の範囲のイットリアを
添加してプレス成形をしこれを焼成すると1720℃、
10時間保持という焼成条件で吸水率0.1%以下の焼
成体を得ることができる。この場合、添加したイットリ
アは焼成体中で、アルミナ粒界に存在している。
【0011】請求項2の発明は、イットリアが0.37
〜3.2wt%、残部がアルミナからなる原料で焼成して
なる磁器のフェライト焼成用磁器であり、その構成は請
求項1で述べたところと同様である。
【0012】請求項3の発明は、請求項3の発明と同様
のフェライト焼成用治具であるが、その吸水率を0.6
%以下としたものである。吸水率を0.6%以下とする
には、焼成温度または焼成時間を適宜に調整することに
よって容易に行うことが出来る。
【0013】請求項4の発明は、請求項3の発明と同様
のアルミナ磁器であるが、アルミナの粒界がアルミニウ
ムの酸化物とイットリウムの酸化物の混在した層で構成
されているものである。請求項5の発明は、請求項4の
発明のアルミナ磁器を用いたフェライト焼成用治具であ
る。請求項6の発明は請求項5の発明と同様のフェライ
ト焼成用治具であるが、アルミナ磁器の吸水率が0.6
%以下に特定したものである。
【0014】請求項7の発明は、アルミナ粒子とその粒
界層の関係を限定したものである。請求項8の発明は、
請求項7の発明を用いたフェライト焼成用治具である。
なお、本発明でいうところのアルミナ粒子の粒界に形成
されるアルミニウムの酸化物およびイットリウムの酸化
物が混在した層とは、必ずしもAl23 、Y23
ようなはっきりとした酸化物の形態をとるものばかりで
なく、アルミニウム、イットリウムおよび酸素などが互
いに混ざりあったような組織も含むものである。
【0015】
【作用】この発明は原料としてアルミナとイットリウム
を含有する物質、例えばイットリアを0.37〜3.2
wt%の範囲で添加したものを用いるものであるから、従
来のように焼成条件を高温、長時間とすることなくし
て、得られた焼成体の吸水率を大幅に下げることができ
るようになり、その結果、従来と同様なコストで吸水率
の極めて低いアルミナ磁器或いはアルミナ磁器からなる
フェライト焼成用治具を得ることが出来るようになっ
た。
【0016】
【実施例】
(実施例1)純度99.4%、平均粒径1.5μmのア
ルミナ粉に対し、純度99%、平均粒径0.3μmのY
23 粉を0.5wt%添加した。これに水を加え混合し
スラリーとした後スプレードライヤーで造粒した。この
造粒物をプレス成形して成形体とし、この成形体をガス
炉で1720℃で10時間保持の条件で焼成を行った。
この焼成体について吸水試験を行ったところ吸水率はゼ
ロ%であった。
【0017】この焼成体について3点曲げ試験を行いそ
の強さを測定したところ、310Mpaであった。ま
た、けい光X線で成形体のY量を測定したところ0.3
5%であった。さらにX線回折で定性分析を行ったとこ
ろ、コランダムの外にアルミニウム−イットリウムの酸
化物のピ−クが認められた。また、この焼成体を走査型
電子顕微鏡で観察したところ、イットリウムがアルミナ
の粒界に存在していることが確認された。 (実施例2〜6)アルミナ粉末にY23 を表1に示す
割合で添加し、実施例1と同様な方法で混合、造粒し成
形体を得た。この成形体を表1に示す焼成温度で10時
間保持し焼成を行った。得られた焼成体の吸水率、曲げ
強さ、Y量の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0018】
【表1】 (比較例1〜3)アルミナ粉末にY23 を表1に示す
割合で添加し、実施例1と同様な方法で混合、造粒し成
形体を得た。この成形体を表1に示す焼成温度で10時
間保持し焼成を行った。得られた焼成体の吸水率、曲げ
強さ、Y量の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0019】なお、実施例および比較例では、イットリ
ウムを含む物質としてイットリアを用いたが、塩化イッ
トリウム(YCl3 ・6H2 O)、硝酸イットリウム
(Y(NO33 ・6H2 O)などのイットリウムが含
まれたものを用いても本願発明の効果は得ることが出来
る。
【0020】
【発明の効果】以上説明した通り、アルミナ原料にイッ
トリアを0.37〜3.2wt%添加することで、高温焼
成、長時間焼成を行なわなくとも吸水率を低減したアル
ミナ磁器を得ることが出来るようになった。このため、
低吸水率のアルミナ磁器或いはフェライト焼成用磁器は
低コストで得ることが出来るようになった。
【0021】吸水率を低減した本発明のフェライト焼成
用治具を用いてフェライトの焼成を行った場合は、被焼
成体に添加した各種添加物が磁器内部へ侵入することを
抑制することができ、吸水率の大きい磁器、耐火物に比
較して長期間の使用に耐えるものとすることが出来る。
従来から、磁器の吸水率を下げるには焼成温度を高くす
ることも考えられているが、焼成方法の現状を考えると
本発明の方がコスト的に有利である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナおよびイットリアからなり、イッ
    トリアが0.37〜3.2wt%、残部がアルミナからな
    る原料を焼成してなるアルミナ磁器。
  2. 【請求項2】アルミナおよびイットリアからなり、イッ
    トリアが0.37〜3.2wt%、残部がアルミナからな
    る原料を焼成してなるアルミナ磁器よりなるフェライト
    焼成用アルミナ磁器。
  3. 【請求項3】アルミナおよびイットリアからなり、イッ
    トリアが0.37〜3.2wt%、残部がアルミナからな
    る原料を焼成してなるアルミナ磁器で吸水率0.6%以
    下のフェライト焼成用治具。
  4. 【請求項4】アルミナおよびイットリアからなり、イッ
    トリアが0.37〜3.2wt%、残部がアルミナからな
    る原料を焼成してなり、アルミナ粒子の粒界がアルミニ
    ウムの酸化物とイットリウムの酸化物が混在した層であ
    るアルミナ磁器。
  5. 【請求項5】アルミナおよびイットリアからなり、イッ
    トリアが0.37〜3.2wt%、残部がアルミナからな
    る原料を焼成してなり、アルミナ粒子の粒界がアルミニ
    ウムの酸化物とイットリウムの酸化物が混在した層であ
    るアルミナ磁器よりなるフェライト焼成用治具。
  6. 【請求項6】アルミナおよびイットリアからなり、イッ
    トリアが0.37〜3.2wt%、残部がアルミナからな
    る原料を焼成してなり、アルミナ粒子の粒界がアルミニ
    ウムの酸化物とイットリウムの酸化物が混在した層であ
    る磁器で吸水率が0.6%以下のフェライト焼成用治
    具。
  7. 【請求項7】アルミナ粒子の粒界がアルミニウムの酸化
    物およびイットリウムの酸化物が混在した層であり、全
    体としてイットリウムの量が0.3〜2.5wt%である
    ことを特徴とするアルミナ磁器。
  8. 【請求項8】アルミナ粒子の粒界がアルミニウムの酸化
    物およびイットリウムの酸化物が混在した層であり、全
    体としてイットリウムの量が0.3〜2.5wt%である
    ことを特徴とするフェライト焼成用アルミナ磁器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004087609A1 (ja) * 2003-03-31 2004-10-14 Krosakiharima Corporation 廃棄物溶融炉用クロムフリー不定形耐火物およびこれを内張りした廃棄物溶融炉

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004087609A1 (ja) * 2003-03-31 2004-10-14 Krosakiharima Corporation 廃棄物溶融炉用クロムフリー不定形耐火物およびこれを内張りした廃棄物溶融炉
CN1315755C (zh) * 2003-03-31 2007-05-16 黑崎播磨株式会社 废弃物熔融炉用不含铬的不定形耐火材料及以其为内衬的废弃物熔融炉

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