JPH07183601A - レーザー装置 - Google Patents
レーザー装置Info
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- JPH07183601A JPH07183601A JP32814593A JP32814593A JPH07183601A JP H07183601 A JPH07183601 A JP H07183601A JP 32814593 A JP32814593 A JP 32814593A JP 32814593 A JP32814593 A JP 32814593A JP H07183601 A JPH07183601 A JP H07183601A
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- main
- discharge
- preionization
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 主電極間の広範囲にわたってスパーク光を発
生することができ、安定なグロー放電を維持して高出力
のレーザー光を得ることができる、高効率のレーザー装
置を提供する。 【構成】 対向配置された主電極1,2の内、片方の主
電極2の放電面に、複数個の開口10が形成されてい
る。なお、この開口の断面形状は、対向する主電極1に
向かってテーパ状に開いた形状となるように構成されて
いる。そして、前記各開口10の中心に針状電極である
予備電離ピン3の先端部が位置するように、予備電離ピ
ン3が配設されている。
生することができ、安定なグロー放電を維持して高出力
のレーザー光を得ることができる、高効率のレーザー装
置を提供する。 【構成】 対向配置された主電極1,2の内、片方の主
電極2の放電面に、複数個の開口10が形成されてい
る。なお、この開口の断面形状は、対向する主電極1に
向かってテーパ状に開いた形状となるように構成されて
いる。そして、前記各開口10の中心に針状電極である
予備電離ピン3の先端部が位置するように、予備電離ピ
ン3が配設されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大出力で均質な出力光
を得ることができるように改良を施したレーザー装置に
関する。
を得ることができるように改良を施したレーザー装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザー媒質として気体を用い
てレーザー発振を得るためには、主放電電極間において
レーザー媒質が空間的に均一なグロー放電を発生させる
ことを必要とするが、TEAーCO2 レーザーやエキシ
マレーザー等の短パルスレーザー光を発生させる高繰返
しパルスレーザー発振装置では、その動作圧力が大気圧
以上の高圧であるため、上記の放電は収束し、アーク放
電になりやすい。これを防止するために、主放電空間の
電界分布を調整したり、主放電に先立って主放電空間の
電子密度を予め高めるために予備電離を行うのが通例で
ある。
てレーザー発振を得るためには、主放電電極間において
レーザー媒質が空間的に均一なグロー放電を発生させる
ことを必要とするが、TEAーCO2 レーザーやエキシ
マレーザー等の短パルスレーザー光を発生させる高繰返
しパルスレーザー発振装置では、その動作圧力が大気圧
以上の高圧であるため、上記の放電は収束し、アーク放
電になりやすい。これを防止するために、主放電空間の
電界分布を調整したり、主放電に先立って主放電空間の
電子密度を予め高めるために予備電離を行うのが通例で
ある。
【0003】図5(A)(B)は従来のレーザー装置に
用いられているパルスレーザー電極の一例を示すもので
ある。即ち、レーザー媒質中に配置される第1の主電極
1に対向する位置に、第2の主電極2が配設され、前記
第2の主電極2の長手方向両側に複数個のピン状予備電
離電極3が、ある一定の間隔で配設されている。このピ
ン状予備電離電極3は、ピン状の金属3aとその両端以
外の外周部分を覆う絶縁物3bとから構成されている。
そして、バラストインダクタンス6を介して、高圧パル
ス電源8に接続されている。
用いられているパルスレーザー電極の一例を示すもので
ある。即ち、レーザー媒質中に配置される第1の主電極
1に対向する位置に、第2の主電極2が配設され、前記
第2の主電極2の長手方向両側に複数個のピン状予備電
離電極3が、ある一定の間隔で配設されている。このピ
ン状予備電離電極3は、ピン状の金属3aとその両端以
外の外周部分を覆う絶縁物3bとから構成されている。
そして、バラストインダクタンス6を介して、高圧パル
ス電源8に接続されている。
【0004】また、前記ピン状予備電離電極3の外側、
即ち、ピン状予備電離電極3を挟んで第2の主電極2と
向かい合う位置に、板状予備電離電極4が第2の主電極
2と等電位となるように配設されている。そして、前記
ピン状予備電離電極3の各先端部と板状予備電離電極4
の端部は、1mm程度の距離を保って配置されており、
両者合わせて一組の予備電離電極対が構成されている。
また、前記2つの主電極1,2は、ピーキングコンデン
サ5を介して電気的に接続されている。
即ち、ピン状予備電離電極3を挟んで第2の主電極2と
向かい合う位置に、板状予備電離電極4が第2の主電極
2と等電位となるように配設されている。そして、前記
ピン状予備電離電極3の各先端部と板状予備電離電極4
の端部は、1mm程度の距離を保って配置されており、
両者合わせて一組の予備電離電極対が構成されている。
また、前記2つの主電極1,2は、ピーキングコンデン
サ5を介して電気的に接続されている。
【0005】この様に構成された従来のパルスレーザー
電極においては、高圧パルス電源8から高圧パルスが印
加されると、まず、高圧パルス電源8→バラストインダ
クタンス6→ピン状予備電離電極3→板状予備電離電極
4→ピーキングコンデンサ5の回路に電流が流れ、ピー
キングコンデンサ5が充電される。この時、ピン状予備
電離電極3と板状予備電離電極4の間の小ギャップで起
こるスパーク放電によって、紫外線7が発生する。この
紫外線により光電離されて電子が生成し、第1の主電極
1と第2の主電極2の間の空間が予備電離される。続い
て、充電を続けるピーキングコンデンサ5に加わる電圧
が、主電極1,2間の放電破壊電圧に達すると、主放電
が開始しレーザー光が発生する。この際、前記予備電離
は主放電をグロー状の均一な放電とするために用いられ
る。
電極においては、高圧パルス電源8から高圧パルスが印
加されると、まず、高圧パルス電源8→バラストインダ
クタンス6→ピン状予備電離電極3→板状予備電離電極
4→ピーキングコンデンサ5の回路に電流が流れ、ピー
キングコンデンサ5が充電される。この時、ピン状予備
電離電極3と板状予備電離電極4の間の小ギャップで起
こるスパーク放電によって、紫外線7が発生する。この
紫外線により光電離されて電子が生成し、第1の主電極
1と第2の主電極2の間の空間が予備電離される。続い
て、充電を続けるピーキングコンデンサ5に加わる電圧
が、主電極1,2間の放電破壊電圧に達すると、主放電
が開始しレーザー光が発生する。この際、前記予備電離
は主放電をグロー状の均一な放電とするために用いられ
る。
【0006】また、図6(A)(B)は、従来のレーザ
ー装置に用いられているパルスレーザー電極の他の例を
示すものである。即ち、対向配置された2つの主電極
1,2の両側部に、複数対の予備電離ピン3が所定の間
隔をおいて設けられ、対向する予備電離ピンの間で放電
を起こすことにより、紫外線が放出されるように構成さ
れている。そして、この紫外線により光電離されて電子
が生成し、両主電極間の空間が予備電離されるものであ
る。
ー装置に用いられているパルスレーザー電極の他の例を
示すものである。即ち、対向配置された2つの主電極
1,2の両側部に、複数対の予備電離ピン3が所定の間
隔をおいて設けられ、対向する予備電離ピンの間で放電
を起こすことにより、紫外線が放出されるように構成さ
れている。そして、この紫外線により光電離されて電子
が生成し、両主電極間の空間が予備電離されるものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た様な従来のレーザー装置には、以下に述べる様な問題
点があった。即ち、図5に示した様なパルスレーザー電
極を備えた従来のレーザー装置では、予備電離電極4及
び予備電離ピン3は、対向配置された主電極1,2の
内、第2の主電極2の両側方に設けられており、その部
分で紫外線が発生する。そのため、放電幅を広くするた
めに主電極1,2の表面積を大きくした場合には、予備
電離電極が配設された第2の主電極の側部の電子密度
と、第2の主電極の中心部の電子密度に差が生じてい
た。その結果、対向配置された主電極1,2間で、均質
な幅の広い放電を点けることは非常に困難であった。
た様な従来のレーザー装置には、以下に述べる様な問題
点があった。即ち、図5に示した様なパルスレーザー電
極を備えた従来のレーザー装置では、予備電離電極4及
び予備電離ピン3は、対向配置された主電極1,2の
内、第2の主電極2の両側方に設けられており、その部
分で紫外線が発生する。そのため、放電幅を広くするた
めに主電極1,2の表面積を大きくした場合には、予備
電離電極が配設された第2の主電極の側部の電子密度
と、第2の主電極の中心部の電子密度に差が生じてい
た。その結果、対向配置された主電極1,2間で、均質
な幅の広い放電を点けることは非常に困難であった。
【0008】また、図6に示した様なパルスレーザー電
極を備えた従来のレーザー装置では、対向配置された2
つの主電極1,2の両側部に予備電離ピン3が設けられ
ているため、予備電離が2つの主電極の側方中央部で行
われ、その部分で紫外線が発生する。そのため、放電幅
を広くするために主電極の面積を大きくした場合には、
予備電離電極が配設された両主電極の側部の電子密度
と、両主電極の中心部の電子密度に差が生じてしまい、
上記と同様に、均質な幅の広い放電を点けることは非常
に困難であった。
極を備えた従来のレーザー装置では、対向配置された2
つの主電極1,2の両側部に予備電離ピン3が設けられ
ているため、予備電離が2つの主電極の側方中央部で行
われ、その部分で紫外線が発生する。そのため、放電幅
を広くするために主電極の面積を大きくした場合には、
予備電離電極が配設された両主電極の側部の電子密度
と、両主電極の中心部の電子密度に差が生じてしまい、
上記と同様に、均質な幅の広い放電を点けることは非常
に困難であった。
【0009】本発明は、上述した様な従来技術の問題点
を解消するために提案されたもので、その目的は、対向
配置された主電極間の広範囲にわたってスパーク光を発
生することができ、安定なグロー放電を維持して高出力
のレーザー光を得ることができる、高効率のレーザー装
置を提供することにある。
を解消するために提案されたもので、その目的は、対向
配置された主電極間の広範囲にわたってスパーク光を発
生することができ、安定なグロー放電を維持して高出力
のレーザー光を得ることができる、高効率のレーザー装
置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、対向して配置された第1の主電極と第2の主電極
と、これら両主電極間に生じる主放電に先立って、主放
電空間を予備電離状態とする予備電離電極とを備えたレ
ーザー装置において、前記主電極のいずれか一方の放電
面に複数個の開口を設け、この開口内に、前記予備電離
電極を構成する針状電極の先端部を配置したことを特徴
とするものである。
は、対向して配置された第1の主電極と第2の主電極
と、これら両主電極間に生じる主放電に先立って、主放
電空間を予備電離状態とする予備電離電極とを備えたレ
ーザー装置において、前記主電極のいずれか一方の放電
面に複数個の開口を設け、この開口内に、前記予備電離
電極を構成する針状電極の先端部を配置したことを特徴
とするものである。
【0011】請求項2に記載の発明は、対向して配置さ
れた第1の主電極と第2の主電極と、これら両主電極間
に生じる主放電に先立って、主放電空間を予備電離状態
とする予備電離電極とを備えたレーザー装置において、
前記主電極のいずれか一方の放電面をメッシュ状に形成
し、この放電面の背面側には、複数の開口が形成された
板状の電極を設け、この開口内に、針状電極の先端部を
配置して前記予備電離電極を構成したことを特徴とする
ものである。
れた第1の主電極と第2の主電極と、これら両主電極間
に生じる主放電に先立って、主放電空間を予備電離状態
とする予備電離電極とを備えたレーザー装置において、
前記主電極のいずれか一方の放電面をメッシュ状に形成
し、この放電面の背面側には、複数の開口が形成された
板状の電極を設け、この開口内に、針状電極の先端部を
配置して前記予備電離電極を構成したことを特徴とする
ものである。
【0012】
【作用】請求項1に記載のレーザー装置によれば、針状
電極の先端部と、複数個の開口が形成された主電極の表
面プレートとの間においてスパーク放電が発生し、これ
により生じた紫外線が、その主電極の全面から主放電空
間に照射される。これにより、従来、主電極の側部に集
中して発生していた予備電離のためのスパーク放電が、
複数個の開口が形成された一方の主電極の表面プレート
の全面にわたって均一に発生するため、放電幅を広くす
るために主電極の面積を広くした場合にも、均質に放電
を点けることができる。
電極の先端部と、複数個の開口が形成された主電極の表
面プレートとの間においてスパーク放電が発生し、これ
により生じた紫外線が、その主電極の全面から主放電空
間に照射される。これにより、従来、主電極の側部に集
中して発生していた予備電離のためのスパーク放電が、
複数個の開口が形成された一方の主電極の表面プレート
の全面にわたって均一に発生するため、放電幅を広くす
るために主電極の面積を広くした場合にも、均質に放電
を点けることができる。
【0013】請求項2に記載のレーザー装置によれば、
針状電極の先端部と、一方の主電極のメッシュ状の放電
面の背面側に配設された板状の予備電離電極との間にお
いてスパーク放電が発生し、これにより生じた紫外線
が、主電極の放電面に形成されたメッシュを介して、主
電極の全面から主放電空間に照射される。これにより、
従来、主電極の側部に集中して発生していた予備電離の
ためのスパーク放電が、複数個の開口が形成された一方
の主電極の表面プレートの全面にわたって均一に発生す
るため、放電幅を広くするために主電極の面積を広くし
た場合にも、均質に放電を点けることができる。
針状電極の先端部と、一方の主電極のメッシュ状の放電
面の背面側に配設された板状の予備電離電極との間にお
いてスパーク放電が発生し、これにより生じた紫外線
が、主電極の放電面に形成されたメッシュを介して、主
電極の全面から主放電空間に照射される。これにより、
従来、主電極の側部に集中して発生していた予備電離の
ためのスパーク放電が、複数個の開口が形成された一方
の主電極の表面プレートの全面にわたって均一に発生す
るため、放電幅を広くするために主電極の面積を広くし
た場合にも、均質に放電を点けることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して具体
的に説明する。なお、図5及び6に示した従来型と同一
の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
的に説明する。なお、図5及び6に示した従来型と同一
の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0015】(第1実施例)本実施例においては、図1
(A)(B)に示した様に、対向配置された主電極1,
2の内、片方(図1においては、主電極2)の主電極の
放電面に、複数個の開口10が形成されている。なお、
この開口の断面形状は、対向する主電極1に向かってテ
ーパ状に開いた形状となるように構成されている。そし
て、前記各開口10の中心に針状電極である予備電離ピ
ン3の先端部が位置するように、予備電離ピン3が配設
されている。なお、本実施例のパルスレーザー電極にお
いては、複数個の開口10が形成された一方の主電極の
表面プレートは、図5に示した従来型における板状の予
備電離電極5の機能を兼ねている。
(A)(B)に示した様に、対向配置された主電極1,
2の内、片方(図1においては、主電極2)の主電極の
放電面に、複数個の開口10が形成されている。なお、
この開口の断面形状は、対向する主電極1に向かってテ
ーパ状に開いた形状となるように構成されている。そし
て、前記各開口10の中心に針状電極である予備電離ピ
ン3の先端部が位置するように、予備電離ピン3が配設
されている。なお、本実施例のパルスレーザー電極にお
いては、複数個の開口10が形成された一方の主電極の
表面プレートは、図5に示した従来型における板状の予
備電離電極5の機能を兼ねている。
【0016】この様な構成を有する本実施例のパルスレ
ーザー電極の動作及び作用を以下に説明する。即ち、予
備電離ピン3に高圧パルス電源(図示せず)から高圧パ
ルスが印加されると、バラストインダクタンス(図示せ
ず)の作用で、各予備電離ピン3に等しく電流が分流さ
れる。この電流により予備電離ピン3の先端部と、それ
から最も近い金属端である一方の主電極2の表面プレー
トとの間においてスパーク放電が発生し、これにより生
じた紫外線が主電極2の全面から主放電空間に照射され
る。
ーザー電極の動作及び作用を以下に説明する。即ち、予
備電離ピン3に高圧パルス電源(図示せず)から高圧パ
ルスが印加されると、バラストインダクタンス(図示せ
ず)の作用で、各予備電離ピン3に等しく電流が分流さ
れる。この電流により予備電離ピン3の先端部と、それ
から最も近い金属端である一方の主電極2の表面プレー
トとの間においてスパーク放電が発生し、これにより生
じた紫外線が主電極2の全面から主放電空間に照射され
る。
【0017】同時に、このスパーク放電により流れた電
流は、主電極2からピーキングコンデンサ(図示せず)
を充電しながらアースに流れる。そして、ピーキングコ
ンデンサの電圧が上昇して、主電極1と主電極2の間に
充填されているレーザー媒質ガスの放電破壊電圧に到達
すると、両主電極1,2間に主放電が点弧し、光共振器
(図示せず)の作用でレーザー光が電極長手方向に発生
する。
流は、主電極2からピーキングコンデンサ(図示せず)
を充電しながらアースに流れる。そして、ピーキングコ
ンデンサの電圧が上昇して、主電極1と主電極2の間に
充填されているレーザー媒質ガスの放電破壊電圧に到達
すると、両主電極1,2間に主放電が点弧し、光共振器
(図示せず)の作用でレーザー光が電極長手方向に発生
する。
【0018】この様に、本実施例のパルスレーザー電極
を用いたレーザー装置によれば、従来、主電極の側部に
集中して発生していた予備電離のためのスパーク放電
が、複数個の開口10が形成された一方の主電極2の表
面プレートの全面にわたって均一に発生するため、放電
幅を広くするために主電極の面積を広くした場合にも、
均質に放電を点けることができる。また、主電極の表面
プレートを、主電極としてのみならず、板状の予備電離
電極として機能させるため、主電極の表面プレートの全
面にわたって均一に予備電離を行える。これにより、主
放電空間に強度の強い予備電離光を照射して充分な予備
電離を行うことができる。その結果、空間的に均質でム
ラの少ない安定した予備電離を実現することができるた
め、レーザー励起強度が高まり、発振効率も大幅に向上
する。
を用いたレーザー装置によれば、従来、主電極の側部に
集中して発生していた予備電離のためのスパーク放電
が、複数個の開口10が形成された一方の主電極2の表
面プレートの全面にわたって均一に発生するため、放電
幅を広くするために主電極の面積を広くした場合にも、
均質に放電を点けることができる。また、主電極の表面
プレートを、主電極としてのみならず、板状の予備電離
電極として機能させるため、主電極の表面プレートの全
面にわたって均一に予備電離を行える。これにより、主
放電空間に強度の強い予備電離光を照射して充分な予備
電離を行うことができる。その結果、空間的に均質でム
ラの少ない安定した予備電離を実現することができるた
め、レーザー励起強度が高まり、発振効率も大幅に向上
する。
【0019】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではなく、図2(A)(B)に示した様に、一方
の主電極2の放電面に形成された複数個の開口11の断
面形状が、図1に示した実施例とは逆に、対向する主電
極1と反対側に向かってテーパ状に開いた形状となるよ
うに構成し、これらの各開口11の中心に予備電離ピン
3の先端部が位置するように、予備電離ピン3を取付け
ても良い。この場合、予備電離ピン3を配設する側の空
間が広いため、図1に示した実施例と比べて、予備電離
ピン3を前記テーパ状の開口11内にさらに嵌合するよ
うに取付けることができる。その結果、予備電離ピン3
の先端部を、主電極2の表面近くまで近付けることがで
きるので、主放電空間により強度の強い予備電離光を照
射して充分な予備電離を行うことができる。その結果、
空間的に均質でムラの少ない安定した予備電離を実現す
ることができるため、レーザー励起強度が高まり、発振
効率も大幅に向上する。
るものではなく、図2(A)(B)に示した様に、一方
の主電極2の放電面に形成された複数個の開口11の断
面形状が、図1に示した実施例とは逆に、対向する主電
極1と反対側に向かってテーパ状に開いた形状となるよ
うに構成し、これらの各開口11の中心に予備電離ピン
3の先端部が位置するように、予備電離ピン3を取付け
ても良い。この場合、予備電離ピン3を配設する側の空
間が広いため、図1に示した実施例と比べて、予備電離
ピン3を前記テーパ状の開口11内にさらに嵌合するよ
うに取付けることができる。その結果、予備電離ピン3
の先端部を、主電極2の表面近くまで近付けることがで
きるので、主放電空間により強度の強い予備電離光を照
射して充分な予備電離を行うことができる。その結果、
空間的に均質でムラの少ない安定した予備電離を実現す
ることができるため、レーザー励起強度が高まり、発振
効率も大幅に向上する。
【0020】また、図3(A)(B)に示した様に、一
方の主電極2の放電面が波状に構成され、その凹部に複
数個の開口12が形成され、これらの各開口12の中心
に予備電離ピン3の先端部が位置するように、予備電離
ピン3を取付けても良い。この場合も、上記の実施例と
同様の効果が得られる。
方の主電極2の放電面が波状に構成され、その凹部に複
数個の開口12が形成され、これらの各開口12の中心
に予備電離ピン3の先端部が位置するように、予備電離
ピン3を取付けても良い。この場合も、上記の実施例と
同様の効果が得られる。
【0021】(第2実施例)本実施例においては、図4
(A)(B)に示した様に、対向配置された主電極1,
2の内、片方(図1においては、主電極2)の主電極の
放電面にメッシュ21が形成されている。また、前記メ
ッシュ21の背面側には、板状の予備電離電極22と針
状電極である予備電離ピン3とが配設されている。即
ち、一方の主電極2のメッシュ状の放電面の背面には、
主電極2と同一の部材から構成されたプレート22aが
配設され、このプレート22aには複数個の開口22b
が形成されて、板状の予備電離電極22が構成されてい
る。なお、この開口の断面形状は、対向する主電極1に
向かってテーパ状に開いた形状となるように構成されて
いる。そして、前記各開口22bの中心に予備電離ピン
3の先端部が位置するように、予備電離ピン3が配設さ
れている。なお、前記メッシュ状の放電面の背面側に配
設される予備電離電極と予備電離ピンの構成は、図2又
は図3に示した様な構成とすることができる。
(A)(B)に示した様に、対向配置された主電極1,
2の内、片方(図1においては、主電極2)の主電極の
放電面にメッシュ21が形成されている。また、前記メ
ッシュ21の背面側には、板状の予備電離電極22と針
状電極である予備電離ピン3とが配設されている。即
ち、一方の主電極2のメッシュ状の放電面の背面には、
主電極2と同一の部材から構成されたプレート22aが
配設され、このプレート22aには複数個の開口22b
が形成されて、板状の予備電離電極22が構成されてい
る。なお、この開口の断面形状は、対向する主電極1に
向かってテーパ状に開いた形状となるように構成されて
いる。そして、前記各開口22bの中心に予備電離ピン
3の先端部が位置するように、予備電離ピン3が配設さ
れている。なお、前記メッシュ状の放電面の背面側に配
設される予備電離電極と予備電離ピンの構成は、図2又
は図3に示した様な構成とすることができる。
【0022】この様な構成を有する本実施例のパルスレ
ーザー電極の動作及び作用を以下に説明する。即ち、予
備電離ピン3に高圧パルス電源(図示せず)から高圧パ
ルスが印加されると、バラストインダクタンス(図示せ
ず)の作用で、各予備電離ピン3に等しく電流が分流さ
れる。この電流により、予備電離ピン3の先端部と、一
方の主電極2のメッシュ状の放電面の背面側に配設され
たプレート22aとの間においてスパーク放電が発生
し、これにより生じた紫外線が、主電極2の放電面に形
成されたメッシュ21を介して、主電極2の全面から主
放電空間に照射される。
ーザー電極の動作及び作用を以下に説明する。即ち、予
備電離ピン3に高圧パルス電源(図示せず)から高圧パ
ルスが印加されると、バラストインダクタンス(図示せ
ず)の作用で、各予備電離ピン3に等しく電流が分流さ
れる。この電流により、予備電離ピン3の先端部と、一
方の主電極2のメッシュ状の放電面の背面側に配設され
たプレート22aとの間においてスパーク放電が発生
し、これにより生じた紫外線が、主電極2の放電面に形
成されたメッシュ21を介して、主電極2の全面から主
放電空間に照射される。
【0023】同時に、このスパーク放電により流れた電
流は、主電極2からピーキングコンデンサ(図示せず)
を充電しながらアースに流れる。そして、ピーキングコ
ンデンサの電圧が上昇して、主電極1と主電極2の間に
充填されているレーザー媒質ガスの放電破壊電圧に到達
すると、両主電極1,2間に主放電が点弧し、光共振器
(図示せず)の作用でレーザー光が電極長手方向に発生
する。
流は、主電極2からピーキングコンデンサ(図示せず)
を充電しながらアースに流れる。そして、ピーキングコ
ンデンサの電圧が上昇して、主電極1と主電極2の間に
充填されているレーザー媒質ガスの放電破壊電圧に到達
すると、両主電極1,2間に主放電が点弧し、光共振器
(図示せず)の作用でレーザー光が電極長手方向に発生
する。
【0024】この様に、本実施例のパルスレーザー電極
を用いたレーザー装置によれば、従来、主電極の側部に
集中して発生していた予備電離のためのスパーク放電
が、複数個の開口22bが形成されたプレート22aと
予備電離ピン3との間に発生し、これにより生じた紫外
線が、主電極2の放電面に形成されたメッシュ21を介
して、主電極2の全面から主放電空間に照射されるた
め、主電極2の放電面の全面にわたって均一に予備電離
することができる。従って、放電幅を広くするために主
電極の面積を広くした場合にも、均質に放電を点けるこ
とができる。
を用いたレーザー装置によれば、従来、主電極の側部に
集中して発生していた予備電離のためのスパーク放電
が、複数個の開口22bが形成されたプレート22aと
予備電離ピン3との間に発生し、これにより生じた紫外
線が、主電極2の放電面に形成されたメッシュ21を介
して、主電極2の全面から主放電空間に照射されるた
め、主電極2の放電面の全面にわたって均一に予備電離
することができる。従って、放電幅を広くするために主
電極の面積を広くした場合にも、均質に放電を点けるこ
とができる。
【0025】また、本実施例においては、主電極2の放
電面にメッシュ21を形成し、これを介して、その背面
側に発生した紫外線を主放電空間に照射するため、照射
される紫外線をより均一化することができる。これによ
り、主放電空間に強度の強い予備電離光を照射して充分
な予備電離を行うことができる。その結果、空間的に均
質でムラの少ない安定した予備電離を実現することがで
きるため、レーザー励起強度が高まり、発振効率も大幅
に向上する。さらに、主電極2のメッシュ状の放電面の
背面側に配設されたプレート22aを、板状の予備電離
電極として機能させ、主電極と別部材としたことによ
り、その耐久性の向上が図れるという利点もある。
電面にメッシュ21を形成し、これを介して、その背面
側に発生した紫外線を主放電空間に照射するため、照射
される紫外線をより均一化することができる。これによ
り、主放電空間に強度の強い予備電離光を照射して充分
な予備電離を行うことができる。その結果、空間的に均
質でムラの少ない安定した予備電離を実現することがで
きるため、レーザー励起強度が高まり、発振効率も大幅
に向上する。さらに、主電極2のメッシュ状の放電面の
背面側に配設されたプレート22aを、板状の予備電離
電極として機能させ、主電極と別部材としたことによ
り、その耐久性の向上が図れるという利点もある。
【0026】
【発明の効果】以上述べた様に、本発明によれば、主電
極のいずれか一方の放電面に複数個の開口を形成し、こ
の開口の中心部に、予備電離電極を構成する予備電離ピ
ンの先端部を配置したり、あるいは、主電極のいずれか
一方の放電面にメッシュを形成し、また、このメッシュ
の背面側に、複数個の開口が形成された板状の予備電離
電極を配設し、この開口の中心部に、予備電離電極を構
成する予備電離ピンの先端部を配置することにより、対
向配置された主電極間の広範囲にわたってスパーク光を
発生することができ、安定なグロー放電を維持して高出
力のレーザー光を得ることができる、高効率のレーザー
装置を提供することができる。
極のいずれか一方の放電面に複数個の開口を形成し、こ
の開口の中心部に、予備電離電極を構成する予備電離ピ
ンの先端部を配置したり、あるいは、主電極のいずれか
一方の放電面にメッシュを形成し、また、このメッシュ
の背面側に、複数個の開口が形成された板状の予備電離
電極を配設し、この開口の中心部に、予備電離電極を構
成する予備電離ピンの先端部を配置することにより、対
向配置された主電極間の広範囲にわたってスパーク光を
発生することができ、安定なグロー放電を維持して高出
力のレーザー光を得ることができる、高効率のレーザー
装置を提供することができる。
【図1】本発明のレーザー装置に用いられるパルスレー
ザー電極の第1実施例を示すもので、(A)は光軸方向
の断面図、(B)は光軸に垂直な方向の断面図
ザー電極の第1実施例を示すもので、(A)は光軸方向
の断面図、(B)は光軸に垂直な方向の断面図
【図2】本発明のレーザー装置に用いられるパルスレー
ザー電極の他の実施例を示すもので、(A)は光軸方向
の断面図、(B)は光軸に垂直な方向の断面図
ザー電極の他の実施例を示すもので、(A)は光軸方向
の断面図、(B)は光軸に垂直な方向の断面図
【図3】本発明のレーザー装置に用いられるパルスレー
ザー電極の他の実施例を示すもので、(A)は光軸方向
の断面図、(B)は光軸に垂直な方向の断面図
ザー電極の他の実施例を示すもので、(A)は光軸方向
の断面図、(B)は光軸に垂直な方向の断面図
【図4】本発明のレーザー装置に用いられるパルスレー
ザー電極の第2実施例を示すもので、(A)は光軸方向
の断面図、(B)は光軸に垂直な方向の断面図
ザー電極の第2実施例を示すもので、(A)は光軸方向
の断面図、(B)は光軸に垂直な方向の断面図
【図5】従来のレーザー装置に用いられるパルスレーザ
ー電極の一例を示すもので、(A)は斜視図、(B)は
光軸に垂直な方向の断面図
ー電極の一例を示すもので、(A)は斜視図、(B)は
光軸に垂直な方向の断面図
【図6】従来のレーザー装置に用いられるパルスレーザ
ー電極の一例を示すもので、(A)は光軸方向の断面
図、(B)は光軸に垂直な方向の断面図
ー電極の一例を示すもので、(A)は光軸方向の断面
図、(B)は光軸に垂直な方向の断面図
1,2…主電極 3…予備電離ピン 4…板状の予備電離電極 10,11,12…開口 21…メッシュ 22…板状の予備電離電極 22a…プレート 22b…開口
Claims (2)
- 【請求項1】 対向して配置された第1の主電極と第2
の主電極と、これら両主電極間に生じる主放電に先立っ
て、主放電空間を予備電離状態とする予備電離電極とを
備えたレーザー装置において、 前記主電極のいずれか一方の放電面に複数個の開口を設
け、この開口内に、前記予備電離電極を構成する針状電
極の先端部を配置したことを特徴とするレーザー装置。 - 【請求項2】 対向して配置された第1の主電極と第2
の主電極と、これら両主電極間に生じる主放電に先立っ
て、主放電空間を予備電離状態とする予備電離電極とを
備えたレーザー装置において、 前記主電極のいずれか一方の放電面をメッシュ状に形成
し、この放電面の背面側には、複数の開口が形成された
板状の電極を設け、この開口内に、針状電極の先端部を
配置して前記予備電離電極を構成したことを特徴とする
レーザー装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32814593A JPH07183601A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | レーザー装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32814593A JPH07183601A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | レーザー装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07183601A true JPH07183601A (ja) | 1995-07-21 |
Family
ID=18207003
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32814593A Pending JPH07183601A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | レーザー装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07183601A (ja) |
-
1993
- 1993-12-24 JP JP32814593A patent/JPH07183601A/ja active Pending
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