JPH11163443A - パルスガスレーザ装置およびその励起方法 - Google Patents

パルスガスレーザ装置およびその励起方法

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JPH11163443A
JPH11163443A JP32810997A JP32810997A JPH11163443A JP H11163443 A JPH11163443 A JP H11163443A JP 32810997 A JP32810997 A JP 32810997A JP 32810997 A JP32810997 A JP 32810997A JP H11163443 A JPH11163443 A JP H11163443A
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JP
Japan
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cathode
anode
electrodes
laser
insulating container
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JP32810997A
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English (en)
Inventor
Toshiharu Hayashi
俊治 林
Hironori Nakamuta
浩典 中牟田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電空間部の全域が均一に予備電離できるよ
うにしたパルスガスレ一ザ装置およびその励起方法を提
供すること。 【解決手段】 レーザ媒質が収納されたレーザ管13
と、このレーザ管13内に配置された陰極14および陽
極15と、陰極14と陽極15間の放電空間を予備電離
するコロナ電極16とを具備したパルスガスレーザ装置
において、コロナ電極16が、陰極14と陽極15間を
結ぶ方向に所定の幅をもった導体板16bとこの導体板
16bの少なくとも一部を覆う誘電体16aとで構成さ
れ、かつ、導体板16bが陰極14の長手方向に沿って
延長している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスレーザ光を発
生させるパルスガスレ一ザ装置およびその励起方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】パルス状のレーザ光を発生するパルスガ
スレーザ装置には、ガスレーザ媒質が収納されたレーザ
管が用いられている。レーザ管内には、陰極および陽極
がある間隔で対向して配置されている。そして、陰極と
陽極を結ぶ放電空間に主放電を点弧させ、これによって
ガスレーザ媒質を励起しレーザ光を発生させる構成にな
っている。
【0003】ところで、放電空間に主放電を点弧させる
場合、主放電の点弧が均一化するように、予め、放電空
間を予備電離する方法が採用されている。例えば、窒素
ガスを所定の圧力で封入した窒素ガスレーザ管の場合
は、予備電離のためにコロナ放電が行われる。
【0004】ここで、予備電離を行う構成の従来のガス
レーザ管について図7を参照して説明する。図7は、レ
ーザ管内部に配置された陰極と陽極の主電極部分および
予備電離を行う予備電極部分を抜き出して示した概略の
斜視図である。符号71は陰極で、陰極71に対向して
陽極72が設けられている。そして、予備電離を行うた
めの一対の予備電極73が陽極72に接続されている。
【0005】一対の予備電極73はいずれも、全体がコ
字状に形成されたガラス管73aと、このガラス管73
a内に通された銅線などの金属線73bから形成されて
いる。予備電極73の両端部A、Bは外側に膨らみ、ま
た、中間部Cは陰極71とほぼ平行に延びている。そし
て、予備電極73を構成する金属線73bの両端は陽極
72の長手方向の両端部に電気的に接続されている。
【0006】上記した構成において、陰極71と陽極7
2間に高電圧が印加されると、陽極72に印加された電
圧が一対の予備電極73に加えられる。これによって、
予備電極73と陰極71間に高電圧がかかり、予備電極
73の中間部Cを構成するガラス管73aの表面に電子
が発生する。この電子によって、予備電極73の中間部
Cとこれに平行する陰極71の両側近傍にコロナ放電が
発生する。コロナ放電が発生すると、陰極71と陽極7
2間を結ぶ放電空間が予備電離され、陰極71と陽極7
2間のインピーダンスが低下する。そして、陰極71と
陽極72間にグロー放電が始まる。グロ一放電が始まる
とレーザ管内部の窒素ガスが励起され、レーザ管の両端
に配置された出力ミラーや反射ミラーで共振し、レーザ
発振が発生する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のパルスガスレー
ザ装置では、予備電離を行うための予備電極73がコ字
状に形成されている。このため、予備電離は、予備電極
73の中間部Cとこれに平行する陰極71との限られた
領域、即ち、陰極71の両側部分の領域だけで発生す
る。このように予備電離が一部だけの場合、陰極71と
陽極72間を結ぶ放電空間全体における予備電離が均一
に行われない。この結果、陰極71と陽極72間の主放
電の均一性が低下し、レーザ出力が低下するという問題
があった。
【0008】この発明は、上記した欠点を解決するもの
で、放電空間部の全域が均一に予備電離できるようにし
たパルスガスレ一ザ装置およびその励起方法を提供する
ことを目的にしている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、レーザ媒質
が収納されたレーザ管と、このレーザ管内に配置された
陰極および陽極と、前記陰極と前記陽極間の放電空間を
予備電離する予備電極とを具備したパルスガスレーザ装
置において、前記予備電極が、前記陰極と前記陽極間を
結ぶ方向に所定の幅をもった導体板とこの導体板の少な
くとも一部を覆う誘電体とで構成され、かつ、前記導体
板が前記レーザ管の長手方向に沿って延長していること
を特徴としている。
【0010】また、この発明のパルスガスレーザの励起
方法は、レーザ管を構成する絶縁容器内部に配置された
陽極および陰極と平行して前記絶縁容器の内面に形成さ
れた一対の第1電極と対向して、前記絶縁容器の外面に
形成された一対の第2電極間に電圧を印加し、前記一対
の第1電極間にコロナ放電を発生させる工程と、前記コ
ロナ放電を発生させた後、前記陽極と前記陰極間に主放
電を発生させ、前記絶縁容器に収納されたレーザ媒質を
励起させる工程とからなることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
を参照して説明する。符号11は直流の高圧電源で、高
圧電源11には、例えば、高圧端子11a、接地端子1
1b、および、補助端子11cが設けられている。高圧
端子11aは充電コンデンサ12に接続され、さらにレ
ーザ管13の陰極14に接続されている。高圧電源11
の接地端子11bはレーザ管13の陽極15に接続され
ている。
【0012】レーザ管13は、ガスレーザ媒質として例
えば窒素ガスが封入され、レーザ管13内には陰極14
および陽極15が配置されている。陰極14と陽極15
は、例えば上下方向にある間隔で対向している。また、
陰極14と陽極15間を結ぶ放電空間部を予備電離する
ために、一対の予備電極16が陽極15に接続されてい
る。予備電極16は、スリットが形成されたセラミック
ス16aと、セラミックス16aのスリット部分に差し
込まれた導体板16bからなっている。
【0013】また、高圧電源11の高圧端子11aと接
地端子11b間にはスパークギャップ17が接続され、
また、インダクタンス18およびピーキングコンデンサ
19が接続されている。スパークギャップ17はスイッ
チ機能を有し、例えば、所定の間隔で離間した一対の電
極17aとトリガ電極17bから構成されている。
【0014】上記した構成において、高圧電源11が動
作状態に入ると、充電コンデンサ12とインダクタンス
18で形成されたLC回路に電流が流れ、充電コンデン
サ12に電荷が貯えられる。その後、所定のタイミング
で、高圧電源11の補助端子11cからスパークギャッ
プ17のトリガ電極17cに対しパルス電圧が印加され
る。
【0015】トリガ電極17cにパルス電圧が印加され
ると、一対の電極17a間にアーク放電が発生、一対の
電極17a間が短絡し導通状態になる。これによって、
充電コンデンサ12に貯えられた電荷がスパークギャッ
プ17を通して、ピーキングコンデンサ19に移行し、
レーザ管13の陰極14と陽極15間に高電圧が印加さ
れる。
【0016】このとき、陽極15に印加された電圧が予
備電極16の導体板16bに加わり、予備電極16と陰
極14間にコロナ放電が発生する。これによって、陰極
14と陽極15間を結ぶ放電空間が予備電離され、陰極
14と陽極15間の間のインピーダンスが低下する。そ
して、陰極14と陽極15間にグロー放電が点弧する。
グロ一放電が点弧するとレーザ管13内の窒素ガスが励
起され、レーザ管13の両端に配置された出力ミラーや
反射ミラー(図示せず)間で共振し、レーザ発振が発生
する。
【0017】ここで、予備電極16の構造について図2
を参照して説明する。図2では、図1に対応する部分に
は同一の符号を付し、重複する説明は一部省略する。
【0018】一対の予備電極16はいずれも、長手方向
にスリット21が形成された板状セラミックス16a
と、板状セラミックス16aのスリット21部分に差し
込まれた導体板16bから構成されている。したがっ
て、導体板16bはその一部が板状セラミックス16a
で覆われた形になっている。また、導体板16bは、陰
極と陽極間を結ぶ方向に所定の幅をもち、同時に、レー
ザ管13内の陰極14や陽極15とほぼ平行に延び、そ
して、陰極14や陽極15とほぼ同じ長さになってい
る。また、導体板16bは、スリット21部分の開口2
2から外側へと延長し、長さ方向の全体部分にわたって
その端部が陽極15に接続されている。
【0019】上記した構成によれば、予備電極16を構
成する導体板16bが、陰極14と陽極15を結ぶ放電
空間のほぼ全体を両側から挟んだ構造になっている。し
たがって、陰極14と予備電極16間で点弧する予備電
離は、陰極14と陽極15間を結ぶ方向、そして、陰極
14と陽極15の長さ方向のそれぞれ広い範囲で行われ
る。したがって、陰極14や陽極15間の放電空間のほ
ぼ全域で行われる。この結果、陰極14や陽極15間に
均一な主放電が発生し、レーザ出力が安定になり、ま
た、レーザ出力も向上する。
【0020】次に、本発明の他の実施形態について図3
を参照して説明する。図3の(a)はレーザ管部分を断
面した図で、(b)は予備電極16部分の斜視図で、こ
の図の場合、セラミックス16aのスリット21部分に
導体板16bが差し込まれる以前の状態を示している。
この後、セラミックス16aを矢印Y方向に下降させ、
スリット21部分に導体板16bが差し込まれる。ま
た、(c)は、導体板16b部分の一部を拡大した図で
ある。なお、図3では、図2に対応する部分には同一の
符号を付し、重複する説明は省略する。
【0021】この実施形態では、陰極14と陽極15を
結ぶ放電空間側の導体板16b表面に、例えば全面にわ
たって複数個の円錐状または角錐状の突起部分31を設
けている。突起部分31を設けた場合、そのエッジ効果
によって電界強度分布が急激に変化する。したがって、
導体板16bが平坦な面の場合よりもコロナ放電強度が
大きくなり、予備電離も強くなる。
【0022】次に、本発明のもう1つの他の実施形態に
ついて図4を参照して説明する。図4はレーザ管部分を
断面した図で、図2や図3に対応する部分には同一の符
号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】この実施形態では、レーザ管内部に配置さ
れた陰極14と陽極15を結ぶ放電空間の両側にそれぞ
れ、レーザ管を構成する絶縁容器41の内面に予備電極
を構成する一対の第1電極42、43が形成されてい
る。第1電極42、43は、図の表から裏方向へと陰極
14や陽極15と平行に形成され、先端部分は、先端に
近くなるほど厚さが薄くなっている。そして、絶縁容器
41の外面で、第1電極42、43と対向する位置に第
2電極44、45が形成されている。この場合、第1電
極42、43と第2電極44、45は絶縁容器41の壁
を誘電体としたコンデンサを構成している。したがっ
て、互いに対向している同士の第2電極44、45から
第1電極42、43へは微少な電流しか流れない。な
お、第2電極44、45を構成する一対の電極のうち、
その一方は陰極14に接続され、他方は陽極15に接続
されている。
【0024】上記した構成において、陰極14と陽極1
5との間に電圧が印加されると、第1電極42、43を
構成している一対の電極間にコロナ放電が発生し、絶縁
容器41内の放電空間を自動的に予備電離させる。この
場合、コロナ放電を行う一対の電極が陰極14と陽極1
5間を結ぶ方向に離れており、また、陰極14や陽極1
5と平行しているため、陰極14と陽極15を結ぶ方
向、そして、陰極14と陽極15の長さ方向のそれぞれ
広い範囲で予備電離行われる。この結果、陰極14や陽
極15間の放電空間のほぼ全域で予備電離行われる。
【0025】予備電離の後、陰極14と陽極15との間
で放電が発生し、媒体ガスが励起されレーザ発振が起こ
る。
【0026】次に、本発明のもう1つの他の実施形態に
ついて図5を参照して説明する。図5では、図4に対応
する部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略す
る。図4の実施形態では、陰極14と陽極15を結ぶ放
電空間の両側にそれぞれ、予備電極を構成する第1電極
42、43と第2電極44、45が設けられている。し
かし、この実施形態では、陰極14と陽極15を結ぶ放
電空間の一方の側だけに、予備電極を構成する第1電極
42と第2電極44が設けられている。
【0027】次に、本発明のもう1つの他の実施形態に
ついて図6を参照して説明する。図6では、図4や図5
に対応する部分には同一の符号を付し、重複する説明は
省略する。
【0028】この実施形態では、絶縁容器41の内側に
位置する第1電極42の表面を平坦な面に構成してい
る。
【0029】なお、本発明は、上記した実施の形態に限
られず、横放電励起方式でレーザ発振させるエキシマレ
ーザやCO2レーザなどにも適用することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、放電空間の全域が均一
に予備電離できるようにしたパルスガスレ一ザ装置およ
びその励起方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を説明するための回路構
成図である。
【図2】この発明に用いられる予備電極の例を説明する
ための斜視図である。
【図3】この発明に用いられる予備電極の他の例を説明
するための図である。
【図4】この発明に用いられる予備電極の他の例を説明
するための図である。
【図5】この発明に用いられる予備電極の他の例を説明
するための図である。
【図6】従来のパルスガスレーザ装置に用いられる予備
電極を説明するための図である。
【図7】従来例を説明するための図である。
【符号の説明】
11…高圧電源 12…充電コンデンサ 13…レーザ管 14…陰極 15…陽極 16…予備電極 16a…誘電体 16b…導体板 17…スパークギャップ 18…インダクタンス 19…ピーキングコンデンサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ媒質が収納されたレーザ管と、こ
    のレーザ管内に配置された陰極および陽極と、前記陰極
    と前記陽極間の放電空間を予備電離する予備電極とを具
    備したパルスガスレーザ装置において、前記予備電極
    が、前記陰極と前記陽極間を結ぶ方向に所定の幅をもっ
    た導体板とこの導体板の少なくとも一部を覆う誘電体と
    で構成され、かつ、前記導体板が前記レーザ管の長手方
    向に沿って延長していることを特徴とするパルスガスレ
    ーザ装置。
  2. 【請求項2】 予備電極を構成する導体板が、陰極と陽
    極を結ぶ空間を両側から挟むように位置している請求項
    1記載のパルスガスレーザ装置。
  3. 【請求項3】 陰極と陽極を結ぶ空間側に位置する導体
    板の面に突起物を設けた請求項第1項記載のパルスガス
    レーザ装置。
  4. 【請求項4】 レーザ媒質が収納されたレーザ管を構成
    する絶縁容器と、この絶縁容器の内部に配置された陽極
    および陰極と、前記絶縁容器の内側の面に、前記陽極お
    よび前記陰極と平行に形成された一対の第1電極と、こ
    の一対の第1電極と対向する位置の前記絶縁容器の外側
    の面に形成され、一方が前記陽極に他方が前記陰極に接
    続された一対の第2電極と、前記陽極および前記陰極間
    に電圧を印加するための電源装置とを具備したパルスガ
    スレーザ装置。
  5. 【請求項5】 一対の第1電極の先端部分が、先端に近
    くなるほど厚さが薄くなっている請求項第4項記載のパ
    ルスガスレーザ管。
  6. 【請求項6】 レーザ管を構成する絶縁容器内部に配置
    された陽極および陰極と平行して前記絶縁容器の内面に
    形成された一対の第1電極と対向して、前記絶縁容器の
    外面に形成された一対の第2電極間に電圧を印加し、前
    記一対の第1電極間にコロナ放電を発生させる工程と、
    前記コロナ放電を発生させた後、前記陽極と前記陰極間
    に主放電を発生させ、前記絶縁容器に収納されたレーザ
    媒質を励起させる工程とからなることを特徴とするパル
    スガスレーザの励起方法。
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