JPH07182921A - 複合誘電体およびプリント回路用基板 - Google Patents

複合誘電体およびプリント回路用基板

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JPH07182921A
JPH07182921A JP2400695A JP40069590A JPH07182921A JP H07182921 A JPH07182921 A JP H07182921A JP 2400695 A JP2400695 A JP 2400695A JP 40069590 A JP40069590 A JP 40069590A JP H07182921 A JPH07182921 A JP H07182921A
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清志郎 山河
Michimasa Tsuzaki
通正 津崎
Akiyoshi Nozue
明義 野末
Kiyotaka Komori
清孝 古森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複合誘電体、および、この複合誘電体を材料
として用いるプリント回路用基板において、高誘電率
で、耐熱性、耐薬品性、物理的強度(剛性)等の物性に
優れ、かつ寸法安定性にも優れたものを提供する。 【構成】 複合誘電体、および、この複合誘電体を材料
として用いるプリント回路用基板において、多孔質無機
誘電体粒子を樹脂中に分散させるとともに、樹脂成分と
してポリフェニレンオキサイド系組成物を用いるように
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複合誘電体およびプ
リント回路用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、誘電体、例えば電子回路素子のひ
とつであるコンデンサ用の誘電体としては樹脂が用いら
れている。中でも高周波域での誘電損失(tanδ)が少な
い樹脂としてのポリフェニレンオキサイド(以下、PP
Oと略す)は、昨今の高周波化の要求に適したものとし
て注目されている。
【0003】しかし、電子回路素子の小型化等のために
は、誘電率をさらに増大することが望まれている。この
点、高周波域での誘電損失が少ないPPOは誘電率が余
り高くない。このような誘電率向上の立場から、樹脂中
に無機誘電体粒子を分散させて誘電率を大きくする複合
化技術が注目され、数多く出願されている(例えば特公
昭49-25159、特公昭54-18754など)。この複合化により
得られる複合誘電体は、大面積化の容易性、後加工(切
断、孔開、接着等)の良好性など樹脂の利点が維持され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機誘
電体粒子含有のこの複合誘電体には、無機誘電体粒子の
添加量に見合うほどには誘電率が向上してくれないとい
う問題がある。無機誘電体粒子の添加量を増やすには限
度があるし、新たな無機誘電体粒子用化合物の開発も容
易でない。
【0005】前記特公昭49-25159、特公昭54-18754記載
の発明では、分散させる粒子の粒径効果を検討してい
る。しかし、発明者らの研究結果からは、充てん量を同
じにして高い誘電率を確保する上では、単に粒径を大き
くするだけでは効果が小さいことが見出されている。そ
こで、この点の解決がひとつの問題であり、また、無機
誘電体粒子の粒径が大きいと沈降分離が起こり易いの
で、誘電率の向上と同時に、複合化する時の作り易さ
も、無機誘電体粒子含有のこの複合誘電体における、解
決する必要のある別の問題である。
【0006】さらに、用途によっては、耐熱性、耐薬品
性、物理的強度(剛性)等の物性を向上させる必要があ
る。高周波で用いる場合、寸法精度が重要であるが、従
来のPPOでは、寸法安定性が悪く、つまり熱膨張係数
が大きく、その改善も望まれていた。このような要望に
応える方法の一つとして樹脂を架橋することが行われて
いる。しかし、PPOは、通常の熱硬化性樹脂のような
簡単な処理によっては架橋(硬化)させることができな
い。このような理由で、従来、高周波特性および耐熱性
が優れ、寸法安定性の優れたPPO系複合誘電体は、簡
単に得ることが出来なかった。そこで、この点の解決が
第3の問題である。
【0007】一方、高度情報化時代を迎え、情報伝送は
より高速化・高周波化の傾向にある。自動車電話やパー
ソナル無線等の移動無線、衛星放送、衛星通信やCAT
V等のニューメディアでは、機器のコンパクト化が推し
進められており、これに伴い誘電体共振器等のマイクロ
波用回路素子に対しても小型化が強く望まれている。マ
イクロ波用回路素子の大きさは、使用電磁波の波長が基
準となる。比誘電率εrの誘電体中を伝播する電磁波の
波長λは、真空中の伝播波長をλaとするとλ=λa/
(εr)0.5 となる。したがって、素子は、使用される
プリント回路板用基板の誘電率が大きい程、小型にな
る。また、基板の誘電率が大きいと、電磁エネルギーが
基板内に集中するため、電磁波の漏れが少なく好都合で
もある。この種のプリント回路用基板においても、誘電
体材料として前記複合誘電体を用いる限り、この誘電率
向上の問題のほかに、前述した粒子沈降の問題、耐熱性
等の物性改善の問題および寸法安定性改善の問題がやは
りある。
【0008】この発明は、このような事情に鑑み、高誘
電率で、耐熱性、耐薬品性、物理的強度(剛性)等の物
性に優れ、かつ寸法安定性にも優れた複合誘電体および
プリント回路用基板を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明にかかる複合誘電体では、多孔質無機誘電
体粒子を、PPOと架橋性ポリマおよび/または架橋性
モノマを含むPPO系組成物からなる樹脂中に分散させ
るようにしている。前記課題を解決するため、この発明
にかかるプリント回路用基板では、多孔質無機誘電体粒
子を、PPOと架橋性ポリマおよび/または架橋性モノ
マを含むPPO系組成物からなる樹脂中に分散させてな
る複合誘電体を誘電体材料として用いるようにしてい
る。
【0010】この発明に用いられる多孔質無機誘電体粒
子は、表面に向けて開口する孔や割れ目などからなる空
隙が多数個ある粒子であって、この空隙内に樹脂が入り
込むことができるような状態となっている。その状態
は、たとえば、図1にみるようである。図において、球
形状のものが多孔質無機誘電体粒子を表し、黒地部分が
樹脂を表す。多孔質無機誘電体粒子が樹脂中に分散し、
樹脂の一部が粒子の空隙内に入り込んでいる。
【0011】多孔質無機誘電体粒子としては、平均粒径
5〜100μm、平均比表面積0.3〜7.0 m2 /g
rのものが好ましい。粒径が100μmを超えると、複
合誘電体の表面に粒子による凹凸が現れて平滑性が悪く
なったり、耐湿性(耐水性)が劣るようになったり、誘
導損失特性が悪くなったりするほか、製造時等に粒子が
割れ易くて誘電特性がばらついたりするという傾向がみ
られる。粒径が5μmを下回ると、誘電率向上効果が十
分でなくなる傾向がみられる。
【0012】比表面積が7.0 m2 /grを超えると、
耐湿性(耐水性)が劣るようになり、誘電損失特性が悪
くなる傾向がみられる。比表面積が0.3 m2 /grを
下回ると、誘電率向上効果が十分でなくなる傾向がみら
れる。多孔質無機誘電体粒子は、一次粒子が集合してで
きる二次粒子であってもよい。この二次粒子では、一次
粒子間に空隙があって多孔質になっている。この場合、
多孔質粒子を構成する一次粒子は、焼結により互いに物
理的・化学的に結合していることが好ましい。
【0013】この多孔質無機誘電体粒子は、ペロブスカ
イト型結晶構造を有する高誘電率組成の化合物からなる
ことが好ましい。多孔質無機誘電体粒子としては、例え
ば、BaTiO3 系、SrTiO3 系、PbTi1/2
1/2 3 系、Pb(Mg2/3 Nb1/3 )O3 系、Ba
(SnXMgY TaZ )O3 系、Ba(ZrX ZnY
Z )O3 系などのペロブスカイト型結晶構造(あるい
は複合ペロブスカイト型結晶構造)を有するもの、その
他、TiO2 、ZrO2 、SnO2 の単独およびその複
合酸化物などの無機化合物等が具体的に挙げられる。多
孔質無機誘電体粒子は、球状、あるいは、様々な形のブ
ロック片的形状であってよく、その形状については特に
限定しない。
【0014】この多孔質無機誘電体粒子は、例えば、
焼結密度が低く多孔質となるようにして得た無機誘電体
ブロックを粉砕したり、あるいは、無機粉末をバイン
ダー(例えば、PVA=ポリビニルアルコール水溶液)
中に分散し、乾燥雰囲気(例えば、130℃程度の温度
雰囲気)中にスプレーすることにより粒状物を得て、こ
れを1100℃程度の温度で焼成するようにしたりし
て、得ることができる。後者の場合、無機粉末として
は種々のものを選ぶことができるが、焼成は、スプレー
により得られた粒状物において、個々の粒状物内の粉末
同士は焼結により物理的・化学的な結合が起こり、特に
出発原料が微粒子の場合は粒成長が起こるが、粒状物同
士は簡単に離れる程度に行う。焼結粒子は、表面に開口
した孔や割れ目などがあって内部に空隙が生じており、
多孔質となっている。
【0015】この焼結に際しては、必要に応じて焼結助
剤を用いても良い。焼結助剤としては、このような粉体
を焼結する際に通常使用される助剤であれば、何であっ
ても良いのであるが、強いて定義すれば、誘電体組成を
破壊せず、特性を損なわず、充分に補強効果を与えるも
のが好ましい。焼結助剤の使用量は、目的に応じて、ま
た、焼結助剤の種類に応じて適宜選択すれば良いが、通
常は、無機誘電体粒子に対して0.1〜5重量%が好ま
しい。焼結助剤の粒子径は、0.01〜100μmの範
囲であれば、いずれも使用できるが、均一に分散させる
ために、0.1〜50μm程度が好ましい。焼結助剤の
添加時期は、無機誘電体化合物の調製段階および焼成段
階の任意の時期でよい。例えば、無機粉末をバインダー
中に分散する際に同時に焼結助剤を分散させるようにす
るのである。
【0016】焼結助剤を用いた場合には、不使用の場合
に較べて、焼結が容易になるという効果のみでなく、多
孔質粒子の強度が向上するために複合誘電体の作製時に
おける多孔質誘電体粒子の崩れが防止できるという付随
的効果や、比較的低温で焼結できるようになるため、よ
り空隙率の大きな多孔質粒子の形成を可能とし、複合誘
電体の誘電率を向上させうる等の付随的効果が表れる場
合がある。
【0017】焼結助剤の具体例としては以下のものがあ
る。すなわち、BaO−SiO2−B2 3 、CaO
−SiO2 −B2 3 、Li2 O−SiO2 −B
2 3 、Li2 O−Al2 3 −SiO2 、Na2 O−
Al2 3 −SiO2 、Li2 O−GeO2 、CdO−
PbO−SiO2 、Li2 O−SiO2 、B2 3 −B
23 、PbO−SiO2 −BaO、Na2 O−Pb
O−SiO2 PbO−GeO 2 等のホウ酸系ガラス,鉛
系ガラス,ビスマス系ガラス,カドミウム系ガラス,リ
チウム系ガラスなど、CuO、Bi2 3 、B
2 3 、CdO、Li2 O、PbO、WO3 、Pb5
3 11、Li2 SiO3 等の酸化物、および、Li
F、CuF2 、ZnF2 、CaF2 等の弗化物である。
【0018】無機誘電体化合物粒子を焼結する際には、
一般に、添加物の作用によって粒子成長や焼結体の電気
特性を制御することが行われているが、この発明におい
ても、従来知られている種々の添加物を同様の目的で使
用することができる。多孔質無機誘電体粒子としては、
前述のように、平均粒径5〜100μm、平均比表面積
0.3〜7.0 m2 /grのものが好ましいのである
が、一次粒子を集合させて二次粒子にする場合には、一
次粒子としては、例えば、0.1〜5μm程度になる。
これは、粒子を球とした場合、d(一次粒子の粒径)、
ρ(一次粒子の真比重)、Sw(二次粒子の比表面積)
の間に、d=6/(ρ×Sw)の関係があるからであ
る。したがって、例えば、チタン酸バリウムの場合、一
次粒子の粒径は0.14〜3.3μm程度となる。
【0019】この発明に用いられる樹脂としてのPPO
は、たとえば、つぎの一般式
【0020】
【化1】
【0021】〔ここに、Rは、水素または炭素数1〜3
の炭化水素基を表し、各Rは、同じであってもよく、異
なっていてもよい。〕で表されるものであり、その一例
としては、ポリ(2・6−ジメチル−1・4−フェニレ
ンオキサイド)が挙げられる。このようなPPOは、た
とえば、USP4059568号明細書に開示されてい
る方法で合成することができる。特に限定するものでは
ないが、たとえば、重量平均分子量(Mw)が50,0
00、分子量分布Mw/Mn=4.2(Mnは数平均分
子量)のポリマが好ましく使用される。
【0022】架橋性ポリマとしては、特にこれらに限定
される訳ではないが、たとえば、1・2−ポリブタジエ
ン、1・4−ポリブタジエン、スチレンブタジエンコポ
リマ、変性1・2−ポリブタジエン(マレイン変性,ア
クリル変性,エポキシ変性)、ゴム類などが挙げられ、
それぞれ、単独でまたは2つ以上併せて用いられる。ポ
リマ状態は、エラストマーでもラバーでもよいが、成膜
性を向上させるということからは特に高分子量のラバー
状がよい。
【0023】PPO系樹脂組成物の成膜性を良くすると
いう点からは、ポリスチレンをこの発明の目的達成を妨
げない範囲で用いるようにするのが好ましい。なお、ポ
リスチレンは、高分子量のものが成膜性を向上させると
いうことから望ましい。架橋性モノマとしては、たとえ
ば、エステルアクリレート類,エポキシアクリレート
類,ウレタンアクリレート類,エーテルアクリレート
類,メラミンアクリレート類,アルキドアクリレート
類,シリコンアクリレート類等のアクリル酸類、トリ
アリルシアヌレート,トリアリルイソシアヌレート,エ
チレングリコールジメタクリレート,ジビニルベンゼ
ン,ジアリルフタレート等の多官能モノマ、ビニルト
ルエン,エチルビニルベンゼン,スチレン,パラメチル
スチレン等の単官能モノマ、多官能エポキシ類などが
挙げられ、それぞれ、単独であるいは2つ以上併せて用
いられるが、特にこれらに限定される訳ではない。
【0024】架橋性モノマとしては、トリアリルシアヌ
レートおよび/またはトリアリルイソシアヌレートを用
いるのが、PPOとの相溶性が良く、成膜性,架橋性,
耐熱性および誘電特性の面で好ましいのでよい。このほ
か、PPO系樹脂組成物には、普通、開始剤が添加され
る。開始剤としては、ジクミルパーオキサイド、tert−
ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオ
キサイド、2・5−ジメチル−2・5−ジ−(tert−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、2・5−ジメチル−2
・5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α・
α′−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピ
ル)ベンゼン〔1・4(または1・3)−ビス(tert−
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンともいう〕等
の過酸化物、日本油脂株式会社のビスクミルなどがあげ
られ、それぞれ、単独でまたは2つ以上併せて用いられ
るが、これらに限定されない。
【0025】以上の原材料の配合割合は、特に限定され
ないが、PPOと架橋性ポリマおよび/または架橋性モ
ノマ、ならびに必要に応じて加えられる開始剤の合計量
に対して、PPOが7重量%以上、架橋性ポリマおよび
/または架橋性モノマが93重量%未満、開始剤が0.
1〜5重量%とするのが好ましい。この範囲をはずれる
と、PPO系樹脂組成物の成膜性が悪くなり、下記のよ
うにしてシートを得ることができなくなるおそれがあ
る。より好ましくは、前記合計量に対して、PPOが7
重量%以上、架橋性ポリマが93重量%未満、架橋性モ
ノマが70重量%以下、開始剤が0.1〜5重量%以下
であり、さらにより好ましくは、PPOが10重量%以
上、架橋性ポリマが20重量%以下、架橋性モノマが6
0重量%以下、開始剤が0.5〜3重量%の範囲であ
る。
【0026】上記配合による原料は、通常、溶剤(溶
媒)に溶かして混合(溶液混合)される。このとき、通
常の方法に従い、カップリング剤を用いてもよい。これ
は、無機充填材とこれ以外の樹脂成分(モノマも含め
て)との密着性を良好なものとし、最終製品の物性を良
好なものとするためである。溶剤に溶かす場合、PPO
系樹脂組成物の樹脂固形分量が、溶剤に対して10〜3
0重量%の範囲にあるのが好ましい。混合後、溶剤を除
去することにより、PPO系樹脂組成物が得られる。前
記溶剤としては、トリクロロエチレン,トリクロロエタ
ン,クロロホルム,塩化メチレン等のハロゲン化炭化水
素、クロロベンゼン,ベンゼン,トルエン,キシレン等
の芳香族炭化水素、アセトン、四塩化炭素などがあり、
特にトリクロロエチレンが好ましく、これらをそれぞれ
単独でまたは2つ以上混合して用いることができるが、
これらに限定されない。なお、混合は他の方法によって
もよい。
【0027】プリント回路用基板を作製するに当たって
は、通常、機械的強度や寸法安定性をよくするために補
強材が用いられる。補強材としては、クロス状補強材、
マット状補強材、ファイバー状補強材等が挙げられる。
補強材には無機材料のものも有機材料のものもあり、ガ
ラス材、アルミナやジルコニア等のセラミック材、ポリ
エチレンやポリアミド等の有機材からなるクロス、マッ
ト、ファイバーなどが挙げられる。クロスやマットは、
通常、厚み15μm〜1.5mm程度、繊維径0.5〜2
0μm程度のものを使う。ファイバーは、通常、長さ2
0〜300μm程度、繊維径2〜50μm程度のものを
使う。
【0028】この発明において、マトリックス用樹脂と
多孔質無機誘電体粒子の配合割合は、通常、樹脂:25
〜95 vol%(体積%)、多孔質無機誘電体粒子:5〜
75vol%であり、補強材を用いる場合は補強材0〜7
0 vol%の範囲にある。この発明の複合誘電体は、たと
えば、下記のようにして製造する。たとえば、上記のよ
うな原料を溶剤に溶かして混合することによりPPO系
樹脂組成物を得、これを適宜のものに流延または塗布す
るなどして薄層にしたのち乾燥して溶剤を除去すること
(キャスティング法)により、固化物とすることができ
る。このキャスティング法によれば、コストがかかるカ
レンダー法によらず、しかも低温でPPO系樹脂組成物
からなる固化物をつくることができるのである。通常、
このようなキャスティング法では、固化物はシート(フ
ィルム)となるが、固化物はシートに限定されない。な
お、固化物は、硬化物も含めることにする。
【0029】前記キャスティング法についてさらに詳し
く述べれば、PPO系樹脂組成物またはその原材料を溶
剤に溶かして混合した溶液を、鏡面処理した鉄板または
キャスティング用キャリアーフィルムなどの上に、たと
えば、5〜700(好ましくは、5〜500)μmの厚
みに流延(または塗布)し、十分に乾燥させて溶剤を除
去することによりシートを得るというものである。な
お、ここでシートとは、フィルム,膜,テープなどとい
われているものを含み、厚み方向に直交する面の広が
り、長さについては特に限定はなく、厚みについても用
途などに応じて種々設定することが可能である。上記キ
ャスティング用キャリアーフィルムとしては、特に限定
するわけではないが、ポリエチレンテレフタレート(以
下、「PET」と略す)フィルム、ポリエチレンフィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルムなど
上記溶剤に不溶のものが好ましく、かつ、離型処理され
ているものが好ましい。キャスティング用キャリアーフ
ィルムに流延(または塗布)されたPPO系樹脂組成物
溶液は、風乾および/または熱風による乾燥などで溶剤
を除去される。乾燥時の設定温度は、その上限が溶剤の
沸点よりも低いか、または、キャスティング用キャリア
ーフィルムの耐熱温度よりも低いこと(キャスティング
用キャリアーフィルム上で乾燥を行う場合)が好まし
く、その下限が乾燥時間や処理性などによって決めら
れ、たとえば、トリクロロエチレンを溶剤とし、PET
フィルムをキャスティング用キャリアーフィルムとして
用いる場合には、室温から80℃までの範囲が好まし
く、この範囲内で温度を高くすれば乾燥時間の短縮が可
能となる。
【0030】このPPO系樹脂組成物からなるシートお
よび/またはPPO系樹脂組成物と前記多孔質無機誘電
体粒子の混合物を含浸した基材(以下、「プリプレグ」
と記す)があれば、取扱性がよくて、所望の厚みの積層
板を作製しやすくなる。この発明のPPO系樹脂組成物
からなるシートは、積層板のほか接着用シートなど種々
の用途に用いられる。
【0031】プリプレグは、どのような方法でつくって
も良い。プリプレグに作製する場合には、樹脂を溶融さ
せなくてもよいので、比較的低温でより容易に行える。
この発明にかかるプリント回路用基板(積層板を含む。
両面とも金属箔なしか、片面または両面金属箔張り)
は、たとえば、以下のようにして作製されるが、これに
限定されない。用いる材料が上記のようにして作製され
たキャスティングシートであれば、配合されている開始
剤の分解温度よりも低く、用いた溶剤の沸点よりも高い
温度で充分に乾燥させて、残留溶剤をなくしておく。こ
のシートおよび/または上記のようにして作製したプリ
プレグを所定の設計厚みとなるように所定枚組み合わ
せ、必要に応じて金属箔も組み合わせて積層し、加熱圧
締する等して樹脂を溶融させて、シート同士,シートと
プリプレグ,プリプレグ同士,シートと金属箔,プリプ
レグと金属箔を互いに接着させて積層体を得る。この融
着により強固な接着が得られるが、このときの加熱でラ
ジカル開始剤による架橋反応が行われれば、いっそう強
固な接着が得られるようになる。架橋反応は紫外線照射
などにより行われてもよい。熱架橋,光架橋が行われな
いときには、放射線照射による架橋を行えばよい。ま
た、熱架橋,光架橋が行われたあとに放射線照射による
架橋を行ってもよい。したがって、シート同士,プリプ
レグ同士,シートとプリプレグ,シートと金属箔,プリ
プレグと金属箔との間で耐熱性の優れた接着が実現でき
るのである。
【0032】ここで、シートとプリプレグの組み合わせ
であるが、特に限定しないが、上下対称の組合せとする
ことが、成形後や二次加工(エッチング等)後のそり防
止という点から好ましい。なお、金属箔との接着界面に
シートがくるように組み合わせる方が接着力向上という
点で好ましい。金属箔とシートの接着はシートの熱融着
性を利用できるので、積層圧締温度はシートのガラス転
移点以上で、大体160〜300℃ぐらいの範囲が好ま
しい。PPO系樹脂組成物の硬化物では、硬化前に若干
樹脂が流れるので、金属に対して良好な融着性を示す。
ただし、接着剤を併用しても構わない。
【0033】金属箔としては、銅箔,アルミニウム箔等
が用いられる。圧締は、シート同士,シートとプリプレ
グ,プリプレグ同士,金属箔とシートおよび金属箔とプ
リプレグの接合、積層板の厚み調整のために行うので、
圧締条件は必要に応じて選択される。同時に、無機充填
材を圧壊しないような条件を設定する。加熱により架橋
を行う場合、架橋反応は、使用する開始剤の反応温度等
に依存するので、開始剤の種類に応じて加熱温度を選ぶ
とよい。加熱時間も開始剤等の種類に応じて選ぶとよ
い。たとえば、温度150〜300℃,圧力20kg/cm
2 ,時間10〜60分間程度である。あらかじめ、シー
トおよび/またはプリプレグを所定枚加熱積層成形して
おき、これの片面あるいは両面に金属箔を重ねて合わせ
て、再び加熱圧締するようであっても良い。プリント回
路用基板の厚みは、通常、0.1〜2mm程度である。
【0034】なお、このようにして作製されたPPO系
樹脂組成物の固化物(たとえば、シート)は、ラジカル
開始剤を用いた熱架橋,光架橋,放射線を利用した架橋
などを行うことによって、さらに、引張り強さ,衝撃強
さ,破裂強さ,耐熱性などを高めることができる。この
ようにして得られた複合誘電体およびプリント回路用基
板は、誘電損失が小さいというPPOの特性が損なわれ
ず、誘電特性等の高周波特性および耐熱性等の諸物性が
優れたものとなり、しかも、寸法安定性も優れたものと
なるのである。そして、プリント回路用基板の製造操作
も、前記ように簡単である。
【0035】この発明の範囲は、上記例示の化合物や数
値範囲あるいは処理方法に限られるものではない。その
用途もコンデンサに限らない。
【0036】
【作用】この発明にかかる複合誘電体およびプリント回
路用基板においては、複合誘電体に含まれている無機誘
電体粒子が多孔質となっている。この多孔質粒子を分散
させた複合誘電体と、非多孔質粒子を分散させた複合誘
電体とで、粒子が複合誘電体中に占める重量割合が同じ
である場合についてみると、両複合誘電体においては、
多孔質粒子も非多孔質粒子も真に占める体積割合は同じ
であるが、前者(この発明の多孔質粒子を分散させた複
合誘電体)では、多孔質無機誘電体粒子は空隙により膨
らんだ状態になって複合誘電体内に存在するため、後者
(非多孔質粒子を分散させた複合誘電体)に較べて、粒
子の無機誘電体内に占める見掛け上の体積が大きい。そ
して、この多孔質無機誘電体粒子の空隙部分も高誘電率
域として作用すると考えられるから、この発明の複合誘
電体では誘電率が効果的に向上するのである。
【0037】多孔質無機誘電体粒子は、同じ大きさの非
多孔質無機誘電体粒子に比べて樹脂中で沈み難く沈降分
離が起こり難くなるため、複合誘電体の製造を容易とさ
せる。回路用基板の加工(切断、孔開等)の場合、同じ
粒径の非多孔質無機誘電体に比べて容易に破壊するの
で、加工表面が良好で、加工消耗品の劣化も少ない。
【0038】さらに、樹脂成分としてPPO系樹脂組成
物を用いているため、架橋を容易に生じさせることがで
きて、引張強さ、衝撃強さ、破裂強さ、および耐熱性を
大いに高めることができる。
【0039】
【実施例】続いて、この発明の具体的実施例について説
明する。 −比較例1− 平均粒径0.1μmのBaTi0.7 Zr0.3 3 粉体5
00gとホウケイ酸系ガラス(岩城硝子製)2.5gと
5wt%ポリビニルアルコール溶液50ミリリットルを
イオン交換水1リットル中でよく湿式混合した後、噴霧
造粒した。次に、これを1050℃で2時間熱処理し
て、複数の一次粒子からなる平均粒径20μm、比表面
積1 .0 m2 /grの粒状物を、多孔質無機誘電体粒子
として得た。
【0040】次に、この多孔質BaTi0.7 Zr0.3
3 粒状物が180重量部(30 vol%)、PPO樹脂が
74重量部(70 vol%)となるように秤量するととも
に、これにトリクレン(東亜合成化学工業株式会社製ト
リクロロエチレン)300重量部を添加・かく拌し、2
リットルの脱泡装置付反応器を用いてPPO樹脂を完全
に溶解させつつ脱泡させてワニスを得た。このワニスを
よくかく拌してから、平織ガラスクロス(厚み:100
μm、繊維径:7μm、織密度:25mmあたり縦60
本、横58本)に含浸させ、50℃で乾燥させた。得ら
れたワニス含浸ガラスクロスにおけるPPO樹脂とBa
Ti0.7 Zr0.3 3 粒子の割合は、樹脂:73wt%
(約70 vol%)、BaTi0.7 Zr0.3 3 粒子:2
7wt%(約30 vol%)であった。このようにして得
られたワニス含浸クロス5枚を重ねて、上下に銅箔(厚
み17μm)を配して、温度250℃、圧力33 kg/cm
2 、10分間の成形条件で加圧成形し、両面銅箔張りプ
リント回路用基板を得た。
【0041】−実施例1〜6− 樹脂成分として表1に示す原料配合のPPO系樹脂組成
物を用いるようにし、かつ成形圧を30 kg/cm2 にした
他は、比較例1と同様にして、両面銅箔張りプリント回
路用基板を得た。なお、この場合は、成形に当たって熱
融着と架橋が同時に起きている。
【0042】
【表1】
【0043】表1において、SBSはスチレンブタジエ
ンコポリマを、TAICはトリアリルイソシアヌレート
を、p−TAICはTAICのポリマを、そしてAは2
・5−ジメチル−2・5−ジ−(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3をそれぞれあらわす。この2・5−ジ
メチル−2・5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキ
シン−3は日本油脂株式会社のパーヘキシン25Bを用
いた。
【0044】−比較例2− 平均粒径1μm、比表面積1.8 m2 /grのBaTi
0.7 Zr0.3 3 粉体を、そのままで無機誘電体粒子と
して用いるようにした他は、比較例1と同様にして、両
面銅箔張りプリント回路用基板を得た。 −比較例3− 比較例1と同じ多孔質BaTi0.7 Zr0.3 3 を多孔
質無機誘電体粒子として用いて、FR−4エポキシガラ
ス積層板(CCL)を作製した。この場合、樹脂と粉体
の体積比は70:30とし、樹脂・粉体混合物とガラス
クロスの体積比を70:30にした。
【0045】得られた各基板について、比誘電率、誘電
正接(tan δ) 、引はがし強度、はんだ耐熱性について
調べ結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2にみるように、PPO樹脂と多孔質無
機誘電体粒子を用いている実施例1〜6および比較例1
のプリント回路板用基板は、非多孔質の無機誘電体粒子
を用いている比較例2のプリント回路板用基板やPPO
樹脂を用いない比較例3のプリント回路板用基板に比較
して、いずれも比誘電率が十分大きくかつ、tanδも
十分実用の範囲にある。そして、実施例1〜6のプリン
ト回路板用基板は、PPOに架橋剤を配合して架橋させ
るようにしているため、このような架橋をさせない比較
例1のプリント回路板用基板よりも、耐熱性、寸法安定
性に優れている。このことは、この発明にかかるプリン
ト回路板用基板に用いられている複合誘電体の性能が優
れていることを意味する。
【0048】なお、実施例で用いた多孔質無機誘電体粒
子は、焼結助剤としてホウケイ酸系ガラスを用いて焼結
しており、測定によれば、その粒強度は7.2kg/mm2
あった。参考のために、焼結助剤としてのホウケイ酸系
ガラスを用いないで得た多孔質BaTi0.7 Zr0.3
3 の物性を調べると、平均粒径と比表面積は実施例で用
いた多孔質BaTi0.7 Zr0.3 3 のそれらと同様に
20μmと1 .0 m2/grであったが、粒強度は3.
8kg/mm2しかなかった。なお、粒強度測定には島津製作
所製PCT強度試験機を用いた。
【0049】
【発明の効果】以上に述べたことから分かるように、こ
の発明にかかる請求項1〜9の複合誘電体および請求項
10〜11のプリント回路用基板は、無機誘電体粒子が多孔
質であるため、同粒子による誘電率向上効果が有効に発
揮される。また、多孔質無機誘電体粒子が同じ大きさの
非多孔質無機誘電体粒子に比べて樹脂中で沈み難く沈降
分離を起こし難いので、製造も容易である。また、多孔
質のため、加工(切断、孔開等)も容易であり、さら
に、樹脂分として架橋可能なPPO系樹脂組成物を用い
ているため、架橋が容易に起きて、引張強さ、衝撃強
さ、破裂強さ、および耐熱性を大いに高めることができ
るのである。
【0050】加えて、請求項5の複合誘電体では、多孔
質無機誘電体粒子の平均粒径が5〜100μm、平均比
表面積0.3〜7.0 m2/grのものであるため、誘電
率向上効果がより顕著に発揮される。請求項6の複合誘
電体では、多孔質無機誘電体粒子が一次粒子が集合して
なる二次粒子であって、この多孔質粒子の作製が容易で
あるため、結果として複合誘電体が製造し易いものとな
っている。
【0051】請求項7の複合誘電体では、多孔質無機誘
電体粒子における一次粒子が焼結により互いに結合して
いるため、誘電率向上効果がより顕著に発揮されるよう
になる。請求項8の複合誘電体では、多孔質無機誘電体
粒子の強度が向上しているため、複合化工程で粒子破壊
が発生せず、安定した性能が期待でき、粒子の製造が容
易となる。
【0052】請求項9の複合誘電体では、多孔質無機誘
電体粒子がペロブスカイト型結晶構造を有する化合物か
らなるため、誘電率向上効果がより顕著に発揮される。
請求項11のプリント回路用基板では、補強材で強化され
ているため、寸法安定性等の機械的特性が一層良好であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる複合誘電体において多孔質無
機誘電体粒子が樹脂中に分散している状態を示す倍率2
500倍の走査型電子顕微鏡写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】次に、この多孔質BaTi0.7Zr
0.3 粒子が180重量部(30vol%)、PP
O樹脂が74重量部(70vol%)となるように秤量
するとともに、これにトリクレン(東亜合成化学工業株
式会社製トリクロロエチレン)300重量部を添加・か
く拌し、2リットルの脱泡装置付反応器を用いてPPO
樹脂を完全に溶解させつつ脱泡させてワニスを得た。こ
のワニスをよくかく拌してから、平織ガラスクロス(厚
み:100μm、繊維径:7μm、織密度:25mmあ
たり縦60本、横58本)に含浸させ、50℃で乾燥さ
せた。得られたワニス含浸ガラスクロスにおけるPP
O樹脂とBaTi0.7Zr0.3粒子の混合物と
ガラスクロスの割合は、樹脂・粒子混合物:73wt%
(約70vol%)、ガラスクロス:27wt%(約3
0vol%)であった。このようにして得られたワニス
含浸クロス5枚を重ねて、上下に銅箔(厚み17μm)
を配して、温度250℃、圧力33kg/cm、10
分間の成形条件で加圧成形し、両面銅箔張りプリント回
路用基板を得た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】−実施例1〜6− 樹脂成分として表1に示す原料配合のPPO系樹脂組成
物を用いるようにし、かつ成形温度200°C、成形時
間30分にした他は、比較例1と同様にして、両面銅箔
張りプリント回路用基板を得た。この場合も、PPO樹
脂と多孔質BaTi0.7Zr0.3粒子の体積比
は70:30であった。なお、この場合は、成形に当た
って熱融着と架橋が同時に起きている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】−比較例2− 平均粒径1μm、比表面積1.8m/grのBaTi
0.7Zr0.3粉体を、そのままで無機誘電体粒
子として用いるようにした他は、実施例1と同様にし
て、両面銅箔張りプリント回路用基板を得た。 −比較例3− 比較例1と同じ多孔質BaTi0.7Zr0.3
多孔質無機誘電体粒子として用いて、FR−4エポキシ
ガラス積層板(CCL)を作製した。この場合、樹脂と
粒子の体積比は70:30とし、樹脂・粒子混合物とガ
ラスクロスの体積比を70:30にした。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 1/03 D 7011−4E E 7011−4E // C08F 291/00 MPZ (72)発明者 古森 清孝 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂中に多孔質無機誘電体粒子が分散さ
    れてなる複合誘電体であって、前記樹脂が、ポリフェニ
    レンオキサイドと架橋性ポリマおよび/または架橋性モ
    ノマを含むポリフェニレンオキサイド系組成物からなる
    ことを特徴とする複合誘電体。
  2. 【請求項2】 樹脂の組成が、ポリフェニレンオキサイ
    ドと架橋性ポリマおよび/または架橋性モノマの合計量
    に対して、ポリフェニレンオキサイド7重量%以上、架
    橋性ポリマおよび/または架橋性モノマ93重量%未満
    である請求項1記載の複合誘電体。
  3. 【請求項3】 架橋性ポリマが、1・2ポリブタジエ
    ン、1・4ポリブタジエン、スチレンブタジエンコポリ
    マ、変性1・2ポリブタジエン、ゴム類からなる群の中
    から選ばれた少なくとも1種である請求項1または2記
    載の複合誘電体。
  4. 【請求項4】 架橋性モノマが、エステルアクリレート
    類、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート
    類、エーテルアクリレート類、メラミンアクリレート
    類、アルキドアクリレート類、シリコンアクリレート
    類、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
    ート、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニル
    ベンゼン、ジアリルフタレート、ビニルトルエン、エチ
    ルビニルベンゼン、スチレン、パラメチルスチレンおよ
    び多官能エポキシ類からなる群の中から選ばれた少なく
    とも1種である請求項1から3までのいずれかに記載の
    複合誘電体。
  5. 【請求項5】 多孔質無機誘電体粒子が、平均粒径5〜
    100μm、平均比表面積0.3〜7.0 m2 /grの
    ものである請求項1から4までのいずれかに請求項1記
    載の複合誘電体。
  6. 【請求項6】 多孔質無機誘電体粒子が、一次粒子が集
    合してなる二次粒子である請求項1から5までのいずれ
    かに記載の複合誘電体。
  7. 【請求項7】 二次粒子は一次粒子が焼結により互いに
    結合してなるものである請求項6記載の複合誘電体。
  8. 【請求項8】 焼結が焼結助剤を添加してなされている
    請求項7記載の複合誘電体。
  9. 【請求項9】 多孔質無機誘電体粒子が、ペロブスカイ
    ト型結晶構造を有する化合物からなる請求項1から8ま
    でのいずれかに記載の複合誘電体。
  10. 【請求項10】 誘電体材料として、請求項1から9ま
    でのいずれかに記載の複合誘電体が用いられているプリ
    ント回路用基板。
  11. 【請求項11】 補強材で強化されている請求項10記
    載のプリント回路用基板。
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