JP2010524265A - 回路材料、多層回路、およびこれらを製造する方法 - Google Patents
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Abstract
回路組立体は、ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層上に配置された導電性金属層をそれぞれ備える2つ以上の回路積層体であって、導電性金属層の少なくとも1つは回路を形成するようにパターン化されている回路積層体と、熱可塑性または熱硬化性材料を含む結合剤層とを備える。熱可塑性結合剤は、融点が250℃〜370℃であり、分解温度が約290℃を超え、散逸係数が10GHzで0.01未満であるものである。熱硬化性結合剤は、積層後、散逸係数が10GHzで0.01未満であり、分解温度が約290℃を超える。上記回路組立体を形成する方法もまた開示される。
Description
発明の背景
本発明は、回路材料および多層回路の製造のための材料および方法に関する。
本発明は、回路材料および多層回路の製造のための材料および方法に関する。
プリント回路基板は、益々厳しくなる性能および環境要件を満たさなければならない。例えば、高度プリント回路基板は、より多くの層を組み込み、益々高い周波数で動作する。より薄い層が望ましいが、誘電損失または回路関連損失を増加させる可能性がある。この要求を満たすため、比誘電率(Dk)が4未満の基板を使用することができるが、これは、そのような基板がより高い信号伝播速度に対応しながら挿入損失を最小限とすることができるためである。
環境上の理由から、製造者は、回路組立体(Assemblies)中の重金属の低減を模索している。無鉛はんだは、この要求を満たすが、高い加工温度が必要であるので、熱膨張率(CTE)が高いまたは熱安定性が低い多層回路材料にとっては不都合である。そのような材料は、剥離する、化学的に劣化する、または簡単に溶融する可能性がある。さらに、同じく環境上の理由から、高周波電子デバイスの製造者はまた、UL−94の燃焼性等級V0を達成するために、塩素化および臭素化難燃剤の使用を実質的に排除するよう模索している。
低比誘電率、低損失、高温抵抗性、および固有難燃性に対する必要性は、新たな種類の回路基板への要求を生み出す。この要求を満たす材料の1分類は、ポリ(アリールエーテルケトン)ポリマー(PAEK)である。PAEKには、ポリ(エーテルエーテルケトン)(PEEK)、ポリ(エーテルケトン)(PEK)、ポリ(エーテルエーテルケトンケトン)(PEEKK)、ポリ(エーテルケトンケトン)(PEKK)、および同様の材料が含まれる。この分類の材料は、高温抵抗性(融点が307℃〜381℃)、ならびに適度に低い比誘電率および損失値を示す。
上記利点に加え、PAEKポリマーは容易に薄膜として押し出され、また熱膨張率(CTE)が低い。銅箔積層被覆に対する良好な面内CTE整合性は、比較的少量の無機物フィラーまたはセラミックフィラーをPAEKポリマーに添加することにより達成することができる。良好な面内CTE整合性は、銅箔が選択的にエッチングされて回路層を形成する際の、回路における寸法安定性を達成するために重要である。したがって、PAEKポリマーは、ロジャース社のUltralam(登録商標)3000等の液晶性ポリマー積層体が有する多くの利点と共に、より高い融点という追加的な利点を示す。
PAEKは、銅被覆高周波回路積層体を製造するための誘電材料として優れた候補であるが、それを使用するためには、同じく低比誘電率、低損失、高温抵抗性、および固有難燃性を示す新たな接合材料を併せて開発することが必要となる。そのような接合材料(結合剤(bond plies))は、2つ以上の回路積層体を接合して多層回路組立体を製造するために使用される。
多くの熱可塑性の低誘電損失接合材料が市販されており、高周波回路組立体を積層するために使用されている。しかし、これらの材料は、回路組立体の最高使用温度または処理温度を制限する低融点を有することができる。アーロン社から入手可能なCuClad(登録商標)6250結合剤は、多層回路における使用温度を最高75℃に制限している。同じくアーロン社から入手可能なCuClad(登録商標)6700結合剤は、184℃の融点を有する。この材料を使用して作られた回路組立体は、無鉛はんだ組立体に必要とされる220℃以上の温度に耐えられないであろう。
デュポン社のテフロン(登録商標)FEP(融点=250℃)、テフロン(登録商標)PFA(融点=308℃)、およびロジャース社のUltralam(登録商標)3908(融点=280℃)を含む、より高融点の熱可塑性結合剤もまた、低損失高周波回路基板の製造に使用されている。高融点基板は多層回路の製造を単純化するものの、基板弾性率等の他の因子が制限的となることがある。例えば、典型的な基板材料であるロジャース社のUltralam(登録商標)3850(融点=315℃)は、Ultralam(登録商標)3908等の結合剤とともに使用できる。この基板および結合剤の融点の間には35℃の温度幅があるが、基板の高温での弾性率が低いことが、接合中に基板の歪みをもたらす。この歪みは、回路組立体の層間の整合性を低下させる。一方、デュポン社のテフロンPFAフィルム等の基板がUltralam(登録商標)3908等の結合剤とともに使用された場合、基板の融点と結合剤の融点との間の7℃の温度幅は、多層回路が工業プロセスで製造されるようにするには小さすぎる。
熱硬化性結合剤もまた、多層回路産業において広く使用されている。近年、最も一般的に使用されている材料は、難燃剤、エポキシガラス繊維複合基板材料および結合剤の集合である、「FR4」である。ガラス転移温度(Tg)、分解温度、および高周波電気特性は、エポキシ樹脂のまさにその配合に依存する。典型的には、周波数がより低い消費者製品に使用されるFR4の最も安価なグレードは、Tgが約125℃であり、10GHzでの散逸係数(DF)が0.02を超える。PAEK基板およびFR4エポキシ(Tg=125℃)で製造された多層回路は、無鉛はんだ付けに必要とされる高温に耐えることができない。そのような多層体も、同様にして、多くの高周波デバイスにおける使用には高すぎるDF値を示す。
イゾラ・グループは、Tg180℃であり10GHzでの散逸係数0.013を示す、FR408として知られる高性能FR4配合物を製造している。熱硬化性結合剤のこれらの改善された特性をもってしても、この材料とPAEKで製造された回路組立体は、高い性能を示さない。無鉛はんだ温度抵抗性は、確実な製造のためには十分高くなく、また多層組立体の散逸係数は、多くの高周波用途には十分低くない。
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、ならびにイソプレン系およびブタジエン系樹脂を含む他の低誘電性ポリマーが、現在、回路材料として使用されている。これらのポリマーはその使用目的には好適であるものの、当技術分野において、改善された特性の組合せを有する回路材料、特に、低誘電率および低損失、高温はんだ抵抗性、ならびに臭素化および/または塩素化難燃剤の非存在下での難燃性の組合せを有する材料が、依然として継続的に必要とされている。
上述の欠点および不利な点は、ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層上に配置された導電性金属層をそれぞれが備える2つ以上の回路積層体であって、それらの導電性金属層の少なくとも1つは回路を形成するようにパターン化されている回路積層体と;この回路積層体の間に配置された熱可塑性結合剤層であって、この結合剤は、融点が250℃〜370℃であり、分解温度が約290℃を超え、10GHzでの散逸係数が0.01未満であるものである熱可塑性結合剤層とを備える回路組立体により軽減される。これらの回路材料は、フレキシブルな回路基板用途および硬質回路基板用途の両方に好適である。
別の実施形態において、回路組立体は、ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層上に配置された導電性金属層をそれぞれが備える2つ以上の回路積層体であって、導電性金属層の少なくとも1つは回路を形成するようにパターン化されている回路積層体と;導電性金属層の間に配置された熱硬化性結合剤層であって、結合剤は、10GHzでの散逸係数が0.01未満であり、分解温度が約290℃を超えるものである熱硬化性結合剤層とを備える。
回路組立体を形成する方法は、ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層上に配置された導電性金属層をそれぞれが備える2つ以上の回路積層体であって、導電性金属層の少なくとも1つは回路を形成するようにパターン化されている回路積層体と;この回路積層体の間に配置された熱可塑性結合剤層であって、結合剤は、融点が250℃〜370℃であり、分解温度が約290℃を超え、10GHzでの散逸係数が0.01未満であるものである熱可塑性結合剤層とを備える層状構造を形成するステップと、層状構造を積層して回路組立体を形成するステップとを含む。
別の実施形態において、回路組立体を形成する方法は、ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層上に配置された導電性金属層をそれぞれが備える2つ以上の回路積層体であって、導電性金属層の少なくとも1つは回路を形成するようにパターン化されている回路積層体と;この回路積層体の間に配置された熱硬化性結合剤層とを備える層状構造を形成するステップと、層状構造を積層して回路組立体を形成するステップとを含み、回路組立体における結合剤は、融点が250℃〜370℃であり、分解温度が約290℃を超え、10GHzでの散逸係数が0.01未満であるものである。
本明細書に開示された回路組立体は、高温無鉛処理を行うことができる。回路組立体は、ハロゲンフリーでありながら耐燃性でもある組立体として製造することができ、したがって、優れた電気的および物理的特性を有する耐燃性回路材料を形成するために使用することができる。
本開示の上述およびその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および図面から、当業者に認識および理解される。
詳細な説明
本発明の発明者らは、ある特定の材料、具体的には、熱可塑性または熱硬化性結合剤(例えば、液晶性ポリマーまたはポリブタジエンおよび/もしくはポリイソプレン含有ポリマー等)と、ポリ(アリーレンエーテルケトン)を含む誘電性基板材料との組合せを使用して、優れた特性を有する回路組立体が予想外にも生成できることを見出した。特定の結合剤材料の1つをポリ(アリーレンエーテルケトン)基板と組み合わせて使用することにより、歪むことがなく、良好な電気的および熱的特性を有する回路組立体を形成することができる。この回路材料は、臭素化難燃剤を含有する高周波回路材料の代わりに使用することができる。
本発明の発明者らは、ある特定の材料、具体的には、熱可塑性または熱硬化性結合剤(例えば、液晶性ポリマーまたはポリブタジエンおよび/もしくはポリイソプレン含有ポリマー等)と、ポリ(アリーレンエーテルケトン)を含む誘電性基板材料との組合せを使用して、優れた特性を有する回路組立体が予想外にも生成できることを見出した。特定の結合剤材料の1つをポリ(アリーレンエーテルケトン)基板と組み合わせて使用することにより、歪むことがなく、良好な電気的および熱的特性を有する回路組立体を形成することができる。この回路材料は、臭素化難燃剤を含有する高周波回路材料の代わりに使用することができる。
回路組立体は、複数の導電層を備え、そのうちの少なくとも1つが回路を製造するためにパターン化されている。典型的には、回路組立体は、結合剤を使用して1つまたは複数のパターン化された単一または二重被覆積層体を、いくつかの場合では樹脂コート導電層を、熱および/または圧力を使用して適切な配列で互いに積層させることにより形成される。別の選択肢は、積層後のパターン化である。単一被覆積層体は、誘電性基板層に固定接合された導電層を有する。二重被覆積層体は、基板の各面に1つずつ、合計2つの導電層を有する。例えばエッチングによる導電層のパターン化によって、回路層、ひいては回路が得られる。回路積層体は、1つまたは複数の回路層を有する単一または二重の被覆積層体である。結合剤は、回路間および/または回路層と導電性非パターン化層との間または2つの非パターン化導電層間を接着するために使用される。
回路組立体において使用するための回路積層体は、ポリ(アリーレンエーテルケトン)誘電性基板層および導電性金属層を含む。導電性金属層の少なくとも1つは、回路を形成するようにパターン化されている。熱可塑性結合剤層は、回路積層体の間に配置される。
誘電性基板は、PAEK樹脂系、誘電性微粒子フィラー系、および任意選択の繊維ウェブを含む。PAEKは、式−(−Ar−X−)−および式−(−Ar’−Y−)−の単位を含有する。式中、ArおよびAr’は、それぞれ独立して置換または非置換の二価芳香族化合物、例えばフェニレン、ナフチレン等である。例示的な置換基には、C1〜4アルキルおよびアルコキシ基、ハロゲン化物、ならびに前述の少なくとも1種を含む組合せが含まれる。ArおよびAr’の具体的な例には、1,4−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、または1,4−、1,5−、もしくは2,6−ナフチレンが含まれる。さらに、Xは、電子吸引性基、具体的にはカルボニルまたはスルホニルであり;Yは、−O−、−S−、−CH2−、イソプロピリデン等の二価基であり、基Xの少なくとも50%、より具体的には少なくとも70%、またはさらにより具体的には少なくとも80%はカルボニル基であり、基Yの少なくとも50%、より具体的には少なくとも70%、またはさらにより具体的には少なくとも80%は−O−である。
特に有用な実施形態において、基Xの100%がカルボニル基であり、基Yの100%が酸素である。この実施形態において、PAEKは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK;式I)、ポリエーテルケトン(PEK;式II)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK;式III)、またはポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK;式IV)とすることができるが、カルボニル基および酸素基を別の配置にしたものもまた可能である。
例示的な市販のPAEK材料には、ビクトレックス社製PEEK(融点343℃)、およびオックスフォード・パフォーマンス・マテリアルズ社製のOXPEKKの商品名で入手可能なPEKK(融点はグレードにより307℃〜360℃)が含まれる。
さらに、誘電性基板は、1種または複数種の誘電性微粒子フィラーを含むことができる。有用な微粒子フィラーには、二酸化チタン(ルチル型およびアナターゼ型)、チタン酸バリウム、Ba2Ti9O20、チタン酸ストロンチウム、溶融非晶質シリカ(fused amorphous silica)およびフュームドシリカを含むシリカ粒子および中空球、その他の中空セラミック球、ガラス球、コランダム、珪灰石、アラミド繊維、例えばデュポン社製KEVLAR、グラスファイバ、石英、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、ベリリア、アルミナ、含水ケイ酸マグネシウム(Mg3Si4O10(OH)2、タルク)、ならびにマグネシアが含まれるが、これらに限定されない。微粒子フィラーは、単独で、または組み合わせて使用可能である。フィラーとポリマーとの間の接着性を改善するために、フィラーは、シラン、ジルコネート、またはチタネート等の1種または複数種のカップリング剤で処理することができる。
誘電性微粒子フィラーの総量は、誘電性基板の総重量の約10〜約60重量%である。具体的な量は、誘電性基板の総重量を基準として、約20〜約50重量%、さらにより具体的には約30〜約40重量%である。
硬質またはフレキシブルな誘電性ポリ(アリーレンエーテルケトン)、例えばポリエーテルエーテルケトン中で使用される特に有用なフィラーは、タルクである。タルク充填ポリエーテルエーテルケトン誘電性基板は、電気的および熱機械的に非充填ポリエーテルエーテルケトンフィルムと同等となることができるが、熱膨張率(CTE)が改善されることが見出されている。これは、フレキシブル回路材料に特に有用である。一実施形態において、タルク充填ポリエーテルエーテルケトンフィルムは、30ppm/℃未満、具体的には25ppm/℃未満のCTE(30〜150℃で測定)を有する。一実施形態において、押出後の40重量%タルク充填フィルムは、押出流れ方向の熱膨張率が16.5ppm/℃、および押出横方向の熱膨張率が22.5ppm/℃である。
好適なタルクは、小さい粒径のもの、例えば10μm未満、具体的には5μm未満の平均最大寸法を有するものである。タルクを使用する利点は、それが本来耐燃性で非ハロゲン化物であり、またポリ(アリーレンエーテルケトン)樹脂系の電気的特性に大きく悪影響を及ぼさないことである。また、少量のタルクを含むポリ(アリーレンエーテルケトン)樹脂は吸水率が低く、したがって高湿度用途に好適とすることができる。一実施形態において、タルクは、基板組成物の総重量の約5〜約60重量%、具体的には約10〜約55重量%、より具体的には約20〜約50重量%の量で存在する。40重量%タルク充填ポリエーテルエーテルケトンは、例えば、ビクトレックス社からVICTREX(登録商標)PEEK(商標)450TL40の商品名で市販されている。
硬質誘電性基板材料において特に有用な微粒子フィラーは、ルチル型二酸化チタンおよび非晶質シリカを含むが、これは、これらのフィラーがそれぞれ高い比誘電率および低い比誘電率を有し、したがって、組成物中の2種類のフィラーのそれぞれの量を調節することによって、最終生成物において低い散逸係数とともに広範囲な比誘電率を達成できるためである。
硬質誘電性基板として使用される場合、ポリ(アリーレンエーテルケトン)樹脂系は、誘電性材料、回路基板材料、およびそれらから形成される回路の形成に伴う処理条件に耐えることができる、繊維の織集合体または不織集合体である繊維ウェブを、強化材としてさらに含むことができる。繊維ウェブは、好適な繊維、具体的には、例えばE、S、およびDガラス等のガラス、または、例えばイーストマンコダック社製KODELポリエステルもしくはフィリップスペトロリウム社製ポリフェニレンサルファイド繊維、クラレ社製ベクトラン等の液晶性ポリマー、およびポリアラミド繊維等の高温ポリマー繊維、の熱安定性ウェブを含む。そのような熱安定性繊維強化材は、所望の構造的剛性を有する誘電性基板複合材を提供する。さらに、繊維ウェブの使用は、比較的高い機械的強度を有する誘電性材料をもたらす。繊維ウェブの具体的な例は、例えば、ファイバーグラスト社から「519−A」(厚さ0.0015インチ(38μm))の型番で;ヘキセルシュベーベル社から「112」(厚さ0.0032インチ(81μm))、「1674」(厚さ0.0045インチ(114μm))、および「1080」(厚さ0.0025インチ(63.5μm))の型番で;BGF社から「106」(厚さ0.0015インチ(38μm))の型番で;ならびにBGF社から「7628」(厚さ0.0069インチ(175μm))の型番で、市販されている。
存在する場合、繊維ウェブは、一般に、誘電性基板の総重量の約10重量%〜約50重量%を占める。具体的な量は、誘電性基板の総重量を基準として、約15重量%〜約40重量%、または、より具体的には、約20〜約30重量%である。繊維ウェブが存在する場合、誘電性基板層の厚さは、約1〜約120ミル(約0.025〜約3.05mm)、または、より具体的には、約5〜約80ミル(約0.13〜約2.03mm)とすることができる。
ポリ(アリーレンエーテルケトン)樹脂系は、任意成分として、当技術分野で知られたその他の添加剤、例えば酸化防止剤および紫外線吸収剤等をさらに含むことができる。PEEKを使用することの大きな利点の1つがその難燃性であることから、一実施形態において、組成物は追加的な難燃剤を全く含有しない。別の実施形態において、組成物は、臭素化または塩素化難燃剤を全く含有しない。それでもなお、さらに他の実施形態において、非ハロゲン化および/またはハロゲン化難燃剤、例えばエチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、および/またはデカブロモジフェノキシルオキシドを含むことが可能である。
誘電性基板材料は、当技術分野で知られた方法により処理することができる。例えば、すべての成分(樹脂成分(複数可)および任意成分の添加剤)が、通常の混合機器内で溶融物として完全に混合される。混合は、樹脂および添加剤が組成物全体に均一に分散するまで続けられる。混合物を押し出してフィルムを形成することができる。1つの例示的なプロセスにおいて、ウェブを2つのポリ(アリーレンエーテルケトン)樹脂フィルムの間に配置し、繊維ウェブが樹脂で完全に浸透されるために効果的な温度、圧力、および時間で圧縮することにより、繊維ウェブを含む硬質誘電性基板が調製される。そのような浸透に好適な条件は、本明細書に記載の指針を使用して、必要以上の実験を行うことなく当業者により容易に決定され得、また樹脂の軟化温度または溶融温度、および繊維ウェブの厚さ等の因子に依存する。例示的条件は、最長約3時間で、約300〜約400℃、具体的には約340〜約360℃(約171〜約182℃)、および約100〜約1200ポンド毎平方インチ(psi)(約0.689〜約8.27メガパスカル(MPa))である。
回路材料は、最も一般的には、単一または二重被覆積層体の形態で使用される。単一または二重被覆積層体は、誘電体および適切な数の導電性金属層を重ね、積層することにより調製できる。積層に好適な条件は、本明細書に記載の指針を使用して、必要以上の実験を行うことなく当業者により容易に決定され得、また樹脂の軟化温度または溶融温度、および存在する場合は繊維ウェブの厚さ等の因子に依存する。例示的条件は、最長約3時間で、約300〜約400℃および約100〜約1200psi(約0.689〜約8.27Mpa)である。導電層の1つまたは両方をエッチングして回路を製造することができる。
回路積層体、パターン化された回路層、および回路組立体における導電層に有用な金属は、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、亜鉛、鉄、遷移金属、およびこれらのうちの少なくとも1種を含む合金を含み、特に銅が有用である。導電層の厚さに関しては特別な制限はなく、また導電層の形状、サイズ、または表面のテクスチャに関していかなる制限もない。しかし、具体的には、導電層は、約1μm〜約200μmの厚さを有し、約9μm〜約180μmが特に有用である。2つ以上の導電層が存在する場合、2つの層の厚さは同じとすることも異なるものとすることもできる。
銅導電層が特に有用である。銅箔は、硫酸銅バスから回転するステンレス鋼ドラム上に電着(ED)することにより、または固体銅棒の圧延により製造することができる。銅導電層に、表面積を増加させるための処理、導電層の酸化を防止するための、例えば防汚処理による安定剤での処理、または、断熱層を形成するための処理を施すことができる。亜鉛または亜鉛合金断熱層で処理された低粗度および高粗度の銅導電層の両方が特に有利であり、また任意選択で防汚層をさらに備えてもよい。好適な銅導電層(箔)は、例えば、サーキットフォイル社からTWSの商品名で、オーク三井社からMLS−TOC−500、SQ−VLP、およびMQ−VLPの商品名で、また古河サーキットフォイル社からF2−WSおよびFWL−WSの商品名で市販されている。
単一または二重被覆積層体は、結合剤と組み合わせて回路組立体を製造するために使用される。本発明の発明者らは、回路組立体が良好な層間整合性を示すためには、積層工程の温度は、ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板材料の融点未満であるべきであることを見出している。同様に、熱可塑性結合剤の融点は、370℃を超えるべきではない。
また、結合剤が、無鉛成分の実装中に遭遇するより高い処理温度に耐えることができればさらに有利である。「無鉛」はんだ付けの1つの一般的な要件は、多層組立体が288℃の温度で10分間、剥離することなく耐えることである。288℃で10分間耐える能力を示唆する材料特性は、「分解温度」、Tdである。分解温度は、熱重量分析器(TGA)を使用して測定される。試験される材料をTGA内に設置し、温度を10℃/分の速度で増加させる。Tdは、累積重量損失が5%に達する温度として定義される。288℃で10分間の剥離試験に耐えるためには、Tdは約290℃を超える必要がある。
熱可塑性または熱硬化性材料は、結合剤として使用することができる。好適な熱可塑性結合剤は、融点が250℃〜370℃であり、分解温度が約290℃を超え、散逸係数が10GHzで0.01未満であるものである。例示的な熱可塑性材料は、液晶性ポリマー、ポリイミド、PFA、FEP、およびPTFEを含む。
液晶性結合剤組成物は、例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,602,583号に記載されるような材料を含む。有用なサーモトロピック液晶性ポリマーは、その1つのポリマー鎖の一部として異方性溶融相を形成できるポリマーのセグメント、およびポリマー鎖の残りの部分として異方性溶融相を形成できないポリマーのセグメントを含むポリマー、ならびに複数のサーモトロピック液晶性ポリマーの複合材を含む。
サーモトロピック液晶性ポリマーの形成に使用可能なモノマーの代表的な例には、化合物a−芳香族ジカルボン酸化合物、化合物b−芳香族ヒドロキシカルボン酸化合物、化合物c−芳香族ジオール化合物、化合物d−芳香族ジチオールd1、芳香族チオフェノールd2、および芳香族チオールカルボン酸化合物d3、または化合物e−芳香族ヒドロキシアミン化合物および芳香族ジアミン化合物が含まれる。それらは、単独で使用できる場合もあるが、しばしば、モノマーaおよびc;aおよびd;a、bおよびc;a、bおよびe;a、b、cおよびe等の組合せとして使用できる。
芳香族ジカルボン酸化合物aの例には、芳香族ジカルボン酸、例えば、テレフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−トリフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4’−ジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3’−ジカルボン酸、および1,6−ナフタレンジカルボン酸;ならびに、上記芳香族ジカルボン酸のアルキル置換、アルコキシ置換、およびハロゲン置換誘導体、例えば、クロロテレフタル酸、ジクロロテレフタル酸、ブロモテレフタル酸、メチルテレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メトキシテレフタル酸、およびエトキシテレフタル酸が含まれる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸化合物bの例には、芳香族ヒドロキシカルボン酸、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、および6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸;ならびに、芳香族ヒドロキシカルボン酸のアルキル置換、アルコキシ置換、およびハロゲン置換誘導体、例えば、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフトエ酸、2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−7−クロロ−2−ナフトエ酸、および6−ヒドロキシ−5,7−ジクロロ−2−ナフトエ酸が含まれる。
芳香族ジオール化合物cの例には、芳香族ジオール、例えば、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、3,3’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシトリフェニル、ヒドロキノン、レゾルシノール、2,6−ナフタレンジオール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス4−ヒドロキシフェノキシエタン、3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,6−ナフタレンジオール、2,2−ビス−4−ヒドロキシフェニルプロパン、およびビス−4−ヒドロキシフェニルメタン;ならびに、芳香族ジオールのアルキル置換、アルコキシ置換、およびハロゲン置換誘導体、例えば、クロロヒドロキノン、メチルヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、フェノキシヒドロキノン、4−クロロレゾルシノール、および4−メチルレゾルシノールが含まれる。
芳香族ジチオールd1の例には、ベンゼン−1,4−ジチオール、ベンゼン−1,3−ジチオール、2,6−ナフタレン−ジチオール、および2,7−ナフタレン−ジチオールが含まれる。芳香族チオフェノールd2の例には、4−メルカプトフェノール、3−メルカプトフェノール、および6−メルカプトフェノールが含まれる。芳香族チオールカルボン酸d3の例には、4−メルカプト安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−メルカプト−2−ナフトエ酸、および7−メルカプト−2−ナフトエ酸が含まれる。
芳香族ヒドロキシアミン化合物および芳香族ジアミン化合物eの例には、4−アミノフェノール、N−メチル−4−アミノフェノール、1,4−フェニレンジアミン、N−メチル−1,4−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノール、2−クロロ−4−アミノフェノール、4−アミノ−12−ナフトール、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルエーテル、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルメタン、4−アミノ−4’−ヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィドチオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、2,5−ジアミノトルエン、4,4’−エチレンジアニリン、4,4’−ジアミノジフェノキシエタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンメチレンジアニリン、および4,4’−ジアミノジフェニルエーテルオキシジアニリンが含まれる。
サーモトロピック液晶性ポリエステルの分子量は、約2,000〜200,000、好ましくは4,000〜100,000とすることができる。分子量の測定は、例えば、赤外分光法によるその圧縮フィルムの末端基の測定により、またはゲル透過クロマトグラフィーGPCにより行うことができる。
サーモトロピック液晶性ポリマーは、単独で、またはその少なくとも2種の混合物として使用することができる。好ましいサーモトロピック液晶性ポリマー組成物は、2−ナフタレンカルボン酸、4−アセチルオキシ安息香酸による6−アセチルオキシポリマーである。
一般に、これらの熱可塑性結合剤組成物は、以下のように処理する。まず、すべての成分(結合剤樹脂および任意成分の添加剤)を、通常の混合機器内で完全に溶融混合させる。混合温度は、成分の実質的な分解を回避するように調整する。混合は、樹脂および添加剤が組成物全体に均一に分散するまで続ける。溶融混合物を正確な厚さで押し出して層を形成し、次いで冷却させる。液晶性ポリマーを含む有用な結合剤は、ロジャース社からUltralam 3908という登録商標で市販されている。他の熱可塑性結合剤材料は、デュポン社から入手可能なFEP、PFA、またはPTFEフルオロポリマーを含む。
好適な熱硬化性結合剤は、分解温度が約290℃を超え、IPC−TM−650 2.5.5.5c xバンドストリップライン共鳴試験法(x−band stripline resonance test method)による10GHzでの散逸係数(DF)が0.01未満である。例示的熱硬化性結合剤材料には、ポリブタジエンおよび/またはポリイソプレンポリマー、ならびに熱硬化性材料が含浸された膨張PTFEが含まれる。
好適なポリイソプレンおよび/またはポリブタジエンポリマー系は、例えば、参照によりその全内容が組み込まれる米国特許第6,071,836号に記載されている。本明細書で使用される場合、熱硬化性「ポリブタジエンおよび/またはポリイソプレン樹脂」という用語には、ブタジエン、イソプレン、またはこれらの混合物から得られる単位を含むホモポリマーおよびコポリマーが含まれる。その他の共重合可能なモノマーから得られる単位もまた、例えばグラフトの形態で樹脂中に存在できる。例示的な共重合可能なモノマーには、芳香族ビニルモノマー、例えば、スチレン、3−メチルスチレン、3,5−ジエチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、α−メチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、パラ−ヒドロキシスチレン、パラ−メトキシスチレン、α−クロロスチレン、α−ブロモスチレン、ジクロロスチレン、ジブロモスチレン、テトラ−クロロスチレン等の置換および非置換芳香族モノビニルモノマー;ならびに、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の置換および非置換芳香族ジビニルモノマーが含まれるが、これらに限定されない。上記共重合可能なモノマーのうちの少なくとも1種を含む組合せも使用可能である。例示的な熱硬化性ポリブタジエンおよび/またはポリイソプレン樹脂には、ブタジエンホモポリマー、イソプレンホモポリマー、ブタジエン−スチレン等のブタジエン−芳香族ビニルコポリマー、イソプレン−スチレンコポリマー等のイソプレン−芳香族ビニルコポリマーが含まれるが、これらに限定されない。
また、結合剤系における熱硬化性ポリブタジエンおよび/またはポリイソプレン樹脂は同様に修飾することができ、例えば、樹脂は、ヒドロキシ末端、メタクリレート末端、カルボキシレート末端樹脂とすることができる。エポキシ変性、無水マレイン酸変性、またはウレタン変性ブタジエンまたはイソプレン樹脂等の、反応後樹脂(post−reacted resin)を使用することができる。樹脂はまた、例えば、ジビニルベンゼンで架橋されたポリブタジエン−スチレン等、例えばジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル化合物により架橋されていてもよい。好適な樹脂は、例えば日本曹達株式会社(日本、東京)およびサートマー社(ペンシルバニア州エクストン)等のその製造者により、「ポリブタジエン」として広義に分類されている。樹脂の混合物、例えば、ポリブタジエンホモポリマーとポリ(ブタジエン−イソプレン)コポリマーの混合物もまた使用可能である。シンジオタクチックポリブタジエンを含む組合せもまた有用とすることができる。
結合剤系における熱硬化性ポリブタジエンおよび/またはポリイソプレン樹脂は、室温で液体であっても固体であってもよいが、処理に好適な粘度を提供するためには液状樹脂が好ましい。好適な液状樹脂は、数平均分子量が約5,000を超えるものとすることができるが、一般に、約5,000未満、または、より具体的には、約1,000〜約3,000の数平均分子量を有する。1,2−付加を少なくとも90重量%有する熱硬化性ポリブタジエンおよび/またはポリイソプレン樹脂が好ましい。これは、それらが架橋に利用可能なビニル基のペンダントが多数あるため、硬化後に最大架橋密度を示すためである。
ポリブタジエンおよび/またはポリイソプレン樹脂は、総結合剤樹脂系の約60重量%まで、より具体的には、総結合剤樹脂系を基準として約10〜約55重量%、または、さらにより具体的には約15〜約45重量%の量で結合剤樹脂系中に存在する。
特定の特性または処理の変更のために、結合剤系における熱硬化性ポリブタジエンおよび/またはポリイソプレン樹脂と共硬化可能なその他のポリマーを添加することができる。例えば、電気基板材料の経時的な絶縁耐力および機械的特性の安定性を改善するために、より低分子量のエチレンプロピレンエラストマーを樹脂系中に使用することができる。本明細書で使用される場合、エチレンプロピレンエラストマーは、主としてエチレンおよびプロピレンを含む2元共重合体、3元共重合体、またはその他のポリマーである。エチレンプロピレンエラストマーは、さらにEPM2元共重合体(すなわち、エチレンモノマーおよびプロピレンモノマーの2元共重合体)またはEPDM3元共重合体(すなわち、エチレンモノマー、プロピレンモノマー、およびジエンモノマーの3元共重合体)として分類できる。特に、エチレンプロピレンジエン3元共重合体ゴムは、飽和主鎖を有し、利用可能な不飽和は主鎖から外れており、容易に架橋する。ジエンがジシクロペンタジエンである液状エチレンプロピレンジエン3元共重合体ゴムが好ましい。
エチレンプロピレンゴムの有用な分子量は、粘度平均分子量10,000未満である。好適なエチレンプロピレンゴムには、ユニロイヤルケミカル社(コネチカット州ミドルバリー)からTrilene CP80の商品名で入手可能な粘度平均分子量(MV)約7,200のエチレンプロピレンゴム;ユニロイヤルケミカル社からTrilene 65の商品名で入手可能な分子量約7,000の液状エチレンプロピレンジシクロペンタジエン3元共重合体ゴム;および、ユニロイヤルケミカル社からTrilene 67の名称で入手可能な分子量約7,500の液状エチレンプロピレンエチリデンノルボルネン3元共重合体が含まれる。
エチレンプロピレンゴムは、好ましくは、経時的に結合剤の特性、特に絶縁耐力および機械的特性の安定性を維持するために効果的な量で存在する。典型的には、そのような量は、結合剤樹脂系の総重量に対して約20重量%以下、より具体的には約4〜約20重量%、さらにより具体的には約6〜約12重量%である。
結合剤系において使用される別の種類の共硬化性ポリマーは、不飽和ポリブタジエンまたはポリイソプレン含有エラストマーである。この成分は、主として1,3−付加ブタジエンまたはイソプレンと、エチレン性不飽和モノマー、例えばスチレンもしくはα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、アクリレートもしくはメチルメタクリレート等のメタクリレート、またはアクリロニトリル等との、ランダムまたはブロックコポリマーとすることができる。エラストマーは、好ましくは、ポリブタジエンまたはポリイソプレンブロックと、好ましくはスチレンまたはα−メチルスチレン等のモノビニル芳香族モノマーから得られる熱可塑性ブロックと、を有する線状またはグラフト型ブロックコポリマーを含む、固体熱可塑性エラストマーである。この種類の好適なブロックコポリマーには、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポリマー、例えばデクスコポリマーズ社(テキサス州ヒューストン)からVector 8508Mの商品名で入手可能なもの、エニケムエラストマーズアメリカ社(テキサス州ヒューストン)からSol−T−6302の商品名で入手可能なもの、およびフィナオイルアンドケミカル社(テキサス州ダラス)からFinaprene 401の商品名で入手可能なもの;スチレン−ブタジエンジブロックコポリマー;ならびに、スチレンおよびブタジエンを含有するトリブロックおよびジブロック混合コポリマー、例えばシェルケミカル社(テキサス州ヒューストン)からKraton D1118Xの商品名で入手可能なものが含まれる。Kraton D1118Xは、スチレンおよびブタジエンを含有するジブロック/トリブロック混合コポリマーであり、スチレン30体積%を含有する。
結合剤系における任意成分としてのポリブタジエンまたはポリイソプレン含有エラストマーは、上述のものと類似した第2のブロックコポリマーをさらに含むことができる。このポリブタジエンまたはポリイソプレンブロックは水素化されており、それによりポリエチレンブロック(ポリブタジエンの場合)またはエチレン−プロピレンコポリマーブロック(ポリイソプレンの場合)を形成する。上述のコポリマーと併せて使用される場合、より大きな靱性を有する材料が製造できる。この種類の例示的な第2のブロックコポリマーは、Kraton GX1855(シェルケミカル社から市販されている)であり、これは、高スチレン1,2−ブタジエン−スチレンブロックコポリマーおよびスチレン−(エチレン−プロピレン)−スチレンブロックコポリマーの混合物であると考えられる。
典型的には、不飽和ポリブタジエンまたはポリイソプレン含有エラストマー成分は、結合剤樹脂系中において、この樹脂系全体に対して約10〜約60重量.%、より具体的には約20〜約50重量%、または、さらにより具体的には、約25〜約40重量%の量で存在する。
また、特定の特性または処理の変更のために、例えば、硬化後の結合剤樹脂系の架橋密度を増加させるために、フリーラジカル硬化性モノマーも同様に添加することができる。好適な架橋剤となりうる例示的なモノマーには、例えば、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、および多官能性アクリレートモノマー、例えば、アルコスペシャルティーケミカルズ社(ペンシルバニア州ニュータウンスクエア)から入手可能なSartomer樹脂等の、ジ−、トリ−、またはより高次のエチレン性不飽和モノマー、またはこれらの組合せ(これらはすべて市販されている)が含まれる。架橋剤は、使用される場合、結合剤樹脂系の総重量を基準として、約20体積%以下の量で樹脂系中に存在する。
オレフィン反応性部位を有するポリエンの硬化反応を促進するために、硬化剤を結合剤樹脂系に添加することができる。具体的には、有用な硬化剤は、過酸化ジクミル、過安息香酸t−ブチル、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、α,α−ジ−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、および2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(これらはすべて市販されている)等の有機過酸化物である。これらは、単独で、または組み合わせて使用可能である。硬化剤の典型的な量は、結合剤樹脂組成物の総重量の約1.5〜約10重量%である。
一般に、熱硬化性結合剤組成物は、以下のように処理される。まず、すべての成分(結合剤樹脂および任意成分の添加剤)を、通常の混合機器内で完全に混合してスラリーを形成する。混合温度は、硬化開始剤の実質的な分解を回避するように調整する。混合は、樹脂および添加剤が組成物全体に均一に分散するまで続ける。スラリーをキャストして層を形成し、正確な厚さに測定し、次いで溶媒を除去(蒸発)してプリプレグを形成する。ポリブタジエンおよび/またはポリイソプレンポリマーを含む有用な結合剤は、ロジャース社からRO4450B、RO4450FおよびRO4430の登録商標で市販されている。
熱可塑性または熱硬化性結合剤組成物は、任意成分として、上述のような微粒子フィラーをさらに含むことができる。これらのフィラーは、単独で、または組み合わせて使用可能である。一実施形態において、フィラー、例えば溶融非晶質シリカ等の種類および量は、非常に低い粘着性を有し、故に操作者が容易に取り扱うことができる組成物を提供するように選択される。この低粘着性という特徴は、1つまたは複数の既知のロールラミネータを使用した箔被覆を含む通常の自動レイアップ処理の使用を可能とする。結合剤は、手で比較的容易に取り扱うのに十分な程度に非粘着性でありながら、室温でロールラミネータ、例えばニップローラを使用して互いに粘着するのに十分な程度に粘着性である。結合剤組成物は、任意成分として、酸化防止剤および難燃添加剤、例えば臭素含有難燃剤等の添加剤をさらに含むことができる。
一実施形態において、本発明による回路組立体は、1つまたは複数の単一または二重被覆回路積層体の間に配置された結合剤層を備える積層体を形成することにより、また多層積層体を積層することにより製造される。結合剤層は、1つまたは複数の結合剤または結合剤プリプレグ(すなわち、他の材料で事前に含浸された材料)から形成できる。同様に、誘電性基板層は、1つまたは複数の誘電性基板層またはプリプレグから形成できる。最も一般的には、単一または二重被覆回路積層体の導電層がエッチングされて回路が提供される。積層に好適な条件は、本明細書に記載の指針を使用して、必要以上の実験を行うことなく当業者により容易に決定され得、また樹脂の軟化温度または溶融温度、および基板の厚さ等の因子に依存する。例示的な条件は、最長約3時間で、150〜320℃、50〜500ポンド毎平方インチ(psi)(0.345〜3.45MPa)である。回路組立体を製造するために、例えば、追加の導電層、基板、および/または結合剤層等の追加の層が存在することができる。
上記基板を使用して、多くの異なる多層回路構成が形成できる。例示的実施形態が図1に示されているが、図中、回路組立体110は、誘電体層114および導電層116を備える単一被覆積層体112と、誘電体層120、導電層122および回路層124を備える二重被覆積層体118とを備え、誘電体層114、120のうちの少なくとも1つ、好ましくはその両方が、ポリ(アリーレンエーテルケトン)誘電性基板材料である。結合剤層126は、上述のような熱可塑性または熱硬化性材料である。誘電体層114、120のうちの1つまたはその両方が、織ウェブおよび/または微粒子フィラー(図示せず)を含むことができる。
多層回路組立体の別の実施形態が、図2の210で示されている。組立体210は、誘電性基板層218の反対同士の面に配置された導電層214および回路層216を備える二重被覆回路層212、ならびに、誘電性基板層228の反対同士の面に配置された導電層224および回路層226を備える別の二重被覆回路層222を備え、誘電体層218、228のうちの少なくとも1つ、好ましくはその両方が、ポリ(アリーレンエーテルケトン)誘電性基板である。結合剤層230は、上述のような熱可塑性または熱硬化性材料である。誘電体層218、228のうちの1つまたはその両方が、織ウェブおよび/または微粒子フィラー(図示せず)を含むことができる。導電層214、224のうちの1つまたはその両方は、回路化(circuitized)されていてもよい(図示せず)。
図3は、第1の二重被覆回路312、第2の二重被覆回路332、および結合剤322を有する例示的回路組立体310を示す。二重被覆回路312は、2つの導電性回路層316、318の間に配置された誘電性基板314を備える。二重被覆回路332は、2つの導電性回路層336、338の間に配置された誘電性基板334を備える。誘電体層314、334のうちの少なくとも1つ、好ましくはその両方が、ポリ(アリーレンエーテルケトン)誘電性基板である。各誘電性基板層314、334は、微粒子フィラーおよび/または不織ガラス強化材(図示せず)を含んでもよい。2つのキャップ層340、350もまた示されている。各キャップ層340、350は、結合剤層344、354上に配置された導電層342、352を含む。結合剤層322、344、354のうちの少なくとも1つ、好ましくはそのすべてが、上述のような熱可塑性または熱硬化性接着剤を含む。
PAEKは、比誘電率が4未満の高融点(約300℃〜381℃)半結晶性ポリマーであり、回路組立体中で低い損失を示すため、本明細書に記載のようなPAEKの使用は有利である。また、PAEKは、添加剤なしでUL94でV−0難燃性を有し、「グリーン」(環境に優しい)材料として定義される最も厳しい条件を満たす。また、PAEKは、容易に薄膜として押し出しされる。さらに、PAEKポリマーの熱膨張率(CTE)は、比較的少量の無機物フィラーまたはセラミックフィラーを添加することにより銅箔積層被覆への良好な面内CTE整合性を達成するのに十分低い。面内CTE整合性は、銅箔が選択的にエッチングされて回路層を形成する際の「寸法安定性」に重要である。したがって、この材料は、Rogers Ultralam 3000等の液晶性ポリマー積層体が有する多くの利点と共により高い融点という追加的な利点を示す。
PAEK材料のこのより高い融点により、多層回路をテフロンPFAまたはUltralam 3908等の高温結合剤に接合する際のプロセス時間枠が実質的に増加する。好適に選択された低誘電損失高融点熱可塑性結合剤により、無鉛はんだ付け温度に耐える高周波数低損失多層回路を、PEEKポリマーに基づく銅被覆積層体を使用して確実に製造することができる。
上述のような回路積層体の誘電特性は、許容できるものであり、すなわち、1〜10ギガヘルツ(GHz)にわたり測定された誘電率と散逸係数は、比誘電率が約4未満、具体的には約3.8未満、より具体的には約3.6未満であり;散逸係数が約0.015未満、より具体的には約0.010未満、さらにより具体的には約0.008未満である。
さらに、回路積層体は、UL−94に従い測定された場合V−0に格付けされ、燃焼時間は約1秒である。特定の実施形態において、回路積層体は、UL−94に従い測定された場合V−0に格付けされ、臭素または塩素含有難燃添加剤が存在しなくても、燃焼時間は約1秒である。これは、多くの場合難燃性ではなく、したがってUL94等級V−0を達成するために臭素含有添加剤とともに使用される現在の低誘電性基板に対して大きな利点である。例えばヨーロッパおよび日本における新たな法規制により、回路組立体の製造において臭素および塩素を排除することに大きな関心が持たれている。残念ながら、臭素含有化合物を他の難燃添加剤に置換するには、大量の添加剤の添加を必要とすることが多く、これは、ポリマー材料を用いて製造された積層体の電気的特性に悪影響を与える可能性がある。
別の実施形態において、Z軸方向の熱膨張率は、約60ppm未満、より具体的には約40ppm未満である。
本発明は、以下の限定されない実施例によりさらに例示される。
以下の実施例の製造に使用された誘電性基板材料は、ビクトレックス社からVictrex(登録商標)PEEK(商標)450TL40の商品名で市販されている、40重量%タルク充填ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびロジャース社からRO4350Bの商品名で入手可能なポリブタジエン系ポリマーを含む。実施例の積層体の調製に使用されたガラスクロスは、ヘキセルシュベーベル社から市販されている、型式1080/767の織ガラスクロスである。積層体の製造に使用された銅箔は、三井金属株式会社およびサーキットフォイルズルクセンブルク社から、それぞれMQ−VLPおよびTWSの商品名で入手した、1/2オンス毎平方フィート(oz/ft2)銅箔であった。ロジャース社から2つの異なる結合剤として、RO4450Bの商品名で入手可能なポリブタジエン系結合剤、およびR/flex3908の商品名で入手可能な液晶性ポリマー結合剤を使用した。
比誘電率(Dk)は、IPC−TM−650−2.5.5.5.1、10GHzでのクランプストリップライン試験法(clamped stripline test method)に従い決定した。
散逸係数(Df)は、IPC−TM−650−2.5.5.5.1、10GHzでのクランプストリップライン試験法に従い決定した。
銅接合試験は、IPC TM−650、2.4.9の方法Aに従い行った。スライディングプレート試験装置(sliding plate test fixture)およびTMI試験器を使用した。銅箔は、試験前に1オンスまでめっきしなかった。
吸水率(%)は、ASTM D570に従い決定した。
はんだ抵抗試験は、5.08cm×5.08cm(2インチ×2インチ)の切取り試験片を、各温度で連続60秒間浮かべることにより行った。抵抗温度は、各試料が、膨れ、剥離、または歪みの視覚的兆候を示すことなく耐え得た最高温度として決定された。
はんだ浮遊試験は、IPC TM−650、2.4.13に従い行った。
接炎/消炎試験は、アンダーライターズ・ラボラトリー機関のUL−94規格に従い行う。試験片の下端が炎の基部から1.0cm(3/8インチ)の距離隔てられるように、1.9cm(3/4インチ)の高さの内部フレームを有する炎を各試験片に当てる。炎を10秒間その位置で保持してから離す。燃焼時間T1は、試験片から発生する炎が消えるのに必要な時間として定義される。試験片の燃焼が30秒のT1以内で止んだ場合、炎をさらに10秒間当て、第2の燃焼時間T2を決定する。V−0等級に格付けられるためには、第1または第2の接炎からの燃焼時間が常に10秒を超えることができない。任意の5つの試験片の燃焼時間の合計が50秒を超えることができない。試験片の下に置かれた一片のコットンガーゼを落下粒子が点火させることは許容されない。V−1等級に格付けられるためには、第1または第2の接炎からの燃焼時間が常に30秒を超えることができない。任意の5つの試験片の燃焼時間の合計が250秒を超えることができない。試験片の下に置かれた一片のコットンガーゼを落下粒子が点火させることは許容されない。F等級は、燃焼性であることを示す。
実施例1
アジェディウムフィルムグループ社(デラウェア州ニューアーク)製の厚さ50.8μm(2ミル)の非充填PEEKフィルムを、1/2オンスのMQ−VLP銅箔(三井金属株式会社製、日本)に溶融積層し、両面銅被覆積層体を製造した。この材料を、350℃、5.52MPa(800psi)で45分間、油加熱真空プレス内で積層した。これらの積層体のいくつかの特性を、表1に示す。
アジェディウムフィルムグループ社(デラウェア州ニューアーク)製の厚さ50.8μm(2ミル)の非充填PEEKフィルムを、1/2オンスのMQ−VLP銅箔(三井金属株式会社製、日本)に溶融積層し、両面銅被覆積層体を製造した。この材料を、350℃、5.52MPa(800psi)で45分間、油加熱真空プレス内で積層した。これらの積層体のいくつかの特性を、表1に示す。
実施例2
アジェディウムフィルムグループ社(デラウェア州ニューアーク)製の厚さ50.8μm(2ミル)の40重量%タルクポリエーテルエーテルケトンフィルム、Victrex(登録商標)PEEK(商標)450TL40を、1/2オンスのMQ−VLP銅箔(三井金属株式会社製、日本)に溶融積層し、両面銅被覆積層体を製造した。この材料を、350℃、5.52MPa(800psi)で45分間、油加熱真空プレス内で積層した。この非強化PEEK積層体のいくつかの特性を、表1に示す。表1に示されるように、タルクフィラーの添加によりCTEが低下し、寸法安定性の著しい改善が得られる。
アジェディウムフィルムグループ社(デラウェア州ニューアーク)製の厚さ50.8μm(2ミル)の40重量%タルクポリエーテルエーテルケトンフィルム、Victrex(登録商標)PEEK(商標)450TL40を、1/2オンスのMQ−VLP銅箔(三井金属株式会社製、日本)に溶融積層し、両面銅被覆積層体を製造した。この材料を、350℃、5.52MPa(800psi)で45分間、油加熱真空プレス内で積層した。この非強化PEEK積層体のいくつかの特性を、表1に示す。表1に示されるように、タルクフィラーの添加によりCTEが低下し、寸法安定性の著しい改善が得られる。
実施例3
アジェディウムフィルムグループ社(デラウェア州ニューアーク)製の厚さ50.8μm(2ミル)の非充填PEEKフィルム2枚を、1080/767ガラスクロス(ヘキセルシュベーベル社製)1枚と、熱油真空プレス内で組み合わせ、溶融積層PEEKプリプレグを製造した。このプリプレグは、およそ127μm(5ミル)の厚さを有しており、これを350℃、5.52MPa(800psi)で60分間積層した。PEEKがステンレス鋼製セパレータプレートへ接着するのを防ぐため、プリプレグの片面に50.8μm(2ミル)PTFEリリースフィルムを使用した。
アジェディウムフィルムグループ社(デラウェア州ニューアーク)製の厚さ50.8μm(2ミル)の非充填PEEKフィルム2枚を、1080/767ガラスクロス(ヘキセルシュベーベル社製)1枚と、熱油真空プレス内で組み合わせ、溶融積層PEEKプリプレグを製造した。このプリプレグは、およそ127μm(5ミル)の厚さを有しており、これを350℃、5.52MPa(800psi)で60分間積層した。PEEKがステンレス鋼製セパレータプレートへ接着するのを防ぐため、プリプレグの片面に50.8μm(2ミル)PTFEリリースフィルムを使用した。
実施例4
実施例3のプリプレグシートを、2枚の1オンスのTWS銅箔(サーキットフォイルズルクセンブルク社製)の間に重ね、非充填PEEK強化銅被覆積層体を形成した。これらの積層体を、350℃、5.52MPa(800psi)で60分間、電気加熱プレス内で接合した。これらのPEEK積層体の特性を、表2に示す。
実施例3のプリプレグシートを、2枚の1オンスのTWS銅箔(サーキットフォイルズルクセンブルク社製)の間に重ね、非充填PEEK強化銅被覆積層体を形成した。これらの積層体を、350℃、5.52MPa(800psi)で60分間、電気加熱プレス内で接合した。これらのPEEK積層体の特性を、表2に示す。
実施例5
アジェディウムフィルムグループ社(デラウェア州ニューアーク)製の厚さ50.8μm(2ミル)の40重量%タルク充填PEEKフィルム2枚を、1080/767ガラスクロス(ヘキセルシュベーベル社製)1枚と、熱油真空プレス内で組み合わせ、溶融積層PEEKプリプレグを製造した。このプリプレグは、およそ127μm(5ミル)の厚さを有しており、これを350℃、5.52MPa(800psi)で60分間積層した。PEEKがステンレス鋼製セパレータプレートへ接着するのを防ぐため、プリプレグの片面に50.8μm(2ミル)PTFEリリースフィルムを使用した。
アジェディウムフィルムグループ社(デラウェア州ニューアーク)製の厚さ50.8μm(2ミル)の40重量%タルク充填PEEKフィルム2枚を、1080/767ガラスクロス(ヘキセルシュベーベル社製)1枚と、熱油真空プレス内で組み合わせ、溶融積層PEEKプリプレグを製造した。このプリプレグは、およそ127μm(5ミル)の厚さを有しており、これを350℃、5.52MPa(800psi)で60分間積層した。PEEKがステンレス鋼製セパレータプレートへ接着するのを防ぐため、プリプレグの片面に50.8μm(2ミル)PTFEリリースフィルムを使用した。
実施例6
実施例5のプリプレグシートを、2枚の1オンスのTWS銅箔(サーキットフォイルズルクセンブルク社製)の間に重ね、40重量%タルク充填PEEK強化銅被覆積層体を形成した。これらの積層体を、350℃、5.52MPa(800psi)で60分間、電気加熱プレス内で接合した。これらのPEEK積層体の特性を、表2に示す。
実施例5のプリプレグシートを、2枚の1オンスのTWS銅箔(サーキットフォイルズルクセンブルク社製)の間に重ね、40重量%タルク充填PEEK強化銅被覆積層体を形成した。これらの積層体を、350℃、5.52MPa(800psi)で60分間、電気加熱プレス内で接合した。これらのPEEK積層体の特性を、表2に示す。
実施例7
オックスフォード・パフォーマンス・マテリアルズ社(コネチカット州エンフィールド)製の50.8μm(2ミル)の非充填OXPEKK SPフィルム2枚を、1080/767ガラスクロス(ヘキセルシュベーベル社製)1枚と、熱油真空プレス内で組み合わせ、溶融積層PEEKプリプレグを製造した。このプリプレグは、およそ127μm(5ミル)の厚さを有しており、これを350℃、5.52MPa(800psi)で60分間積層した。OXPEKK SPがステンレス鋼製セパレータプレートへ接着するのを防ぐため、プリプレグの片面に50.8μm(2ミル)PTFEリリースフィルムを使用した。
オックスフォード・パフォーマンス・マテリアルズ社(コネチカット州エンフィールド)製の50.8μm(2ミル)の非充填OXPEKK SPフィルム2枚を、1080/767ガラスクロス(ヘキセルシュベーベル社製)1枚と、熱油真空プレス内で組み合わせ、溶融積層PEEKプリプレグを製造した。このプリプレグは、およそ127μm(5ミル)の厚さを有しており、これを350℃、5.52MPa(800psi)で60分間積層した。OXPEKK SPがステンレス鋼製セパレータプレートへ接着するのを防ぐため、プリプレグの片面に50.8μm(2ミル)PTFEリリースフィルムを使用した。
実施例8
実施例7のプリプレグシートを、2枚の1オンスのTWS銅箔(サーキットフォイルズルクセンブルク社製)の間に重ね、非充填OXPEKK SP強化銅被覆積層体を形成した。これらの積層体を、350℃、5.52MPa(800psi)で60分間、電気加熱プレス内で接合した。これらの強化OXPEKK SP積層体の特性を、表2に示す。
実施例7のプリプレグシートを、2枚の1オンスのTWS銅箔(サーキットフォイルズルクセンブルク社製)の間に重ね、非充填OXPEKK SP強化銅被覆積層体を形成した。これらの積層体を、350℃、5.52MPa(800psi)で60分間、電気加熱プレス内で接合した。これらの強化OXPEKK SP積層体の特性を、表2に示す。
実施例9
実施例4、6、および8の積層体のそれぞれを、厚さ4ミル(3.18mm)のRO4450Bプリプレグ(ロジャース社製、米国)と組み合わせ、図4に示されるような3つの異なる多層回路基板を形成した。図4中、3つのエッチングされた二重被覆回路積層体410、430、および450は、2つの結合剤層420および440で隔てられている。積層体410および450において、片面だけ銅が完全にエッチングで除去されており、銅層412、452が残されている。積層体430においては、両面の銅が完全にエッチングで除去されている。残りの導電性銅層は、460および480と標示されている。結合剤層420および440は、それぞれ、3枚のロジャース社製RO4450Bを含む。
実施例4、6、および8の積層体のそれぞれを、厚さ4ミル(3.18mm)のRO4450Bプリプレグ(ロジャース社製、米国)と組み合わせ、図4に示されるような3つの異なる多層回路基板を形成した。図4中、3つのエッチングされた二重被覆回路積層体410、430、および450は、2つの結合剤層420および440で隔てられている。積層体410および450において、片面だけ銅が完全にエッチングで除去されており、銅層412、452が残されている。積層体430においては、両面の銅が完全にエッチングで除去されている。残りの導電性銅層は、460および480と標示されている。結合剤層420および440は、それぞれ、3枚のロジャース社製RO4450Bを含む。
実施例10
実施例4および6の積層体のそれぞれを、図5の層の図に従い50.8μm(2ミル)Ultralam 3908結合剤(ロジャース社製、米国)と組み合わせ、多層回路基板を製造した。図5は、4つの結合剤層(519、529、539、および549)が交互に重ねられた5つの二重被覆積層体(510、520、530、540、および550)を示す。この回路組立体は、全部で10個の導電性銅層(512、518、522、528、532、538、542、548、552、および558)、ならびに5つの誘電性基板層(515、525、535、545、および555)を有する。
実施例4および6の積層体のそれぞれを、図5の層の図に従い50.8μm(2ミル)Ultralam 3908結合剤(ロジャース社製、米国)と組み合わせ、多層回路基板を製造した。図5は、4つの結合剤層(519、529、539、および549)が交互に重ねられた5つの二重被覆積層体(510、520、530、540、および550)を示す。この回路組立体は、全部で10個の導電性銅層(512、518、522、528、532、538、542、548、552、および558)、ならびに5つの誘電性基板層(515、525、535、545、および555)を有する。
製造者推奨の積層サイクルを使用して、構造体を接合した。非強化非充填PEEK(実施例4)および非強化40重量%タルク充填PEEK(実施例6)の両方の複数基板試験結果は、本質的に同じであり、表4に示される。
上記の実施例は、低損失高温結合剤材料が使用された場合の、熱硬化性および熱可塑性接合層の両方で積層されたPEEK回路組立体の優れた特性を実証している。
比較例
比較例
様々な熱可塑性エンジニアリング樹脂を、コア積層材料として評価した。これらの樹脂は、各供給者から入手し、成形プラーク、一軸テープ、またはフィルムに加工した。次いでこれらの加工品を1080/767織ガラスと組み合わせ、前述の実施例に記載されるようなプリプレグを製造した。次いで、これらのプリプレグを組み合わせて、また結合剤層としてRO4450Bプリプレグを使用し、コアおよび多層基板を製造した。得られた積層体および多層体の特性を、以下の表5に示す。また、各樹脂に対して使用した処理条件も示す。材料はすべて、1つまたは複数の重要な特性において欠陥を示した。
表5および6の結果から、比較例11〜14、21、23、および24はすべて、288℃で30分を超える剥離時間(T288)の要件に不合格であったことが分かる。比較例18および19は、非常に低い銅剥離強度を示し、一方比較例20〜22は高い損失を示した。しかし、PAEK系材料は、いずれの点においても合格であった。
文脈上異なる定義が明示されていない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は複数の指示対象も含む。同じ特性または成分を対象とするすべての範囲の端点は、独立して組合せ可能であり、挙げられた端点を含む。すべての参考文献は、参照することにより本明細書に組み入れられる。本明細書全体において使用される場合、「配置される」、「接触する」、およびこれらの変化形は、それぞれの材料、基板、層、フィルム等の間の完全な、または部分的な物理的接触を指す。さらに、本明細書において、「第1」、「第2」等の用語は、いかなる順番、量、または重要性をも示すものではなく、1つの要素を別の要素と区別するために使用される。
本発明のいくつかの実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の要素に対し様々な変更を行うことができ、また同等物で置き換えることができることが、当業者に理解される。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を適合させるために本発明の教示に多くの変更を行うことができる。したがって、本発明は、本発明を実施するために企図され、最良の形態として開示された特定の実施形態に制限されず、本発明は、添付の特許請求の範囲内に含まれるすべての実施形態を含むことが意図される。
Claims (21)
- ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層上に配置された導電性金属層をそれぞれが備える2つ以上の回路積層であって、それらの導電性金属層の少なくとも1つは回路を形成するようにパターン化されている回路積層と;それらの回路積層の間に配置された熱可塑性結合剤層であって、結合剤は、融点が250℃〜370℃であり、分解温度が約290℃を超え、散逸係数が10GHzで0.01未満であるものである熱可塑性結合剤層と;を備える回路組立体。
- 結合剤が、液晶性ポリマー、ポリイミド、パーフルオロアルコキシコポリマー、フッ素化エチレンプロピレン、またはポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項1に記載の回路組立体。
- ポリ(アリーレンエーテルケトン)が、ポリエーテルエーテルケトンである、請求項1または2に記載の回路組立体。
- ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層が、微粒子フィラーをさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の回路組立体。
- 微粒子フィラーがタルクである、請求項4に記載の回路組立体。
- タルクが、ポリ(アリーレンエーテルケトン)と合わせた重量を基準として、5〜60重量%の量で存在する、請求項5に記載の回路組立体。
- ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層が、不織ウェブ材料をさらに含む、請求項1から6のいずれかに記載の回路組立体。
- 導電性金属が、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、亜鉛、鉄、遷移金属、またはこれらのうちの少なくとも1種を含む合金である、請求項1から7のいずれかに記載の回路組立体。
- 導電性金属が銅である、請求項1から8のいずれかに記載の回路組立体。
- ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層の1〜10GHzにわたり測定された比誘導率が4未満である、請求項1から9のいずれかに記載の回路組立体。
- ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層のUL−94燃焼性等級がV−0である、請求項1から10のいずれかに記載の回路組立体。
- ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層の少なくとも1つが、結合剤層と接触している、請求項1から11のいずれかに記載の回路組立体。
- 導電性金属層の少なくとも1つが、結合剤層と接触している、請求項1から12のいずれかに記載の回路組立体。
- ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層上に配置された導電性金属層をそれぞれが備える2つ以上の回路積層であって、それらの導電性金属層の少なくとも1つは回路を形成するようにパターン化されている回路積層と;それらの回路積層の間に配置された熱可塑性結合剤層であって、結合剤は、融点が250℃〜370℃であり、分解温度が約290℃を超え、10GHzでの散逸係数が0.01未満である熱可塑性結合剤層と;を備える層状構造を形成するステップと、その層状構造を積層して回路組立体を形成するステップとを含む、回路組立体を形成する方法。
- 積層するステップが、275〜290℃および0.7〜2.1MPaで行われる、請求項14に記載の方法。
- ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層上に配置された導電性金属層をそれぞれが備える2つ以上の回路積層であって、それらの導電性金属層の少なくとも1つは回路を形成するようにパターン化されている回路積層と;それらの導電性金属層の間に配置された熱硬化性結合剤層であって、結合剤は、10GHzでの散逸係数が0.01未満であり、分解温度が約290℃を超えるものである熱硬化性結合剤層と;を備える回路組立体。
- 結合剤が、ポリブタジエンポリマー、またはポリイソプレンポリマー、またはポリブタジエンポリマーとポリイソプレンポリマーの混合物、または熱硬化性材料が含浸された膨張ポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項16に記載の回路組立体。
- ポリ(アリーレンエーテルケトン)基板層上に配置された導電性金属層をそれぞれが備える2つ以上の回路積層であって、それらの導電性金属層の少なくとも1つは回路を形成するようにパターン化されている回路積層と;それらの回路積層の間に配置された熱硬化性結合剤層と;を備える層状構造を形成するステップと、その層状構造を積層して回路組立体を形成するステップとを含み、その回路組立体における結合剤は、散逸係数が10GHzで0.01未満であり、分解温度が290℃を超えるものである、回路組立体を形成する方法。
- 熱硬化性結合剤層が、部分的に硬化されている、請求項18に記載の方法。
- 熱硬化性結合剤層が、完全に硬化されている、請求項18に記載の方法。
- 積層するステップが、150〜230℃、および0.345〜3.45MPaで行われる、請求項18に記載の方法。
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