JP2001151885A - 硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents

硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

Info

Publication number
JP2001151885A
JP2001151885A JP33329899A JP33329899A JP2001151885A JP 2001151885 A JP2001151885 A JP 2001151885A JP 33329899 A JP33329899 A JP 33329899A JP 33329899 A JP33329899 A JP 33329899A JP 2001151885 A JP2001151885 A JP 2001151885A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
curable
weight
composite material
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP33329899A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruo Katayose
照雄 片寄
Yushi Arai
雄史 新井
Hidetoshi Yamashita
英俊 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP33329899A priority Critical patent/JP2001151885A/ja
Publication of JP2001151885A publication Critical patent/JP2001151885A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyethers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 PPE樹脂の優れた誘電特性と機械特性を損
なうこと無く、プリント配線板の製造工程における無電
解ニッケル/金メッキの表面性を向上させる。 【解決手段】 (a)硬化性ポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物に、(b)t−ブチル クミル パーオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル パ
ーオキシ)ヘキサン、t−ブチル−パーオキシ ベンゾ
エート、n−ブチル 4,4−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)バレレート、及び2,5−ジメチル−2,5−ビ
ス(ベンゾイル パーオキシ)ヘキサンからなる群から
選択される一種以上の過酸化物を含有させて硬化性樹脂
組成物を調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硬化性樹脂組成物、
及びこれを硬化して得られる硬化体に関する。さらに本
発明は、該樹脂組成物と基材からなる硬化性複合材料、
その硬化体、硬化体と金属箔からなる積層体、及び樹脂
付き金属箔に関する。本発明の樹脂組成物は、電子産
業、宇宙・航空機産業等の分野において誘電材料、絶縁
材料に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】近年、通信用、民生用、産業用等の電子
機器の分野における実装方法の小型化、高密度化への指
向は著しいものがあり、それに伴って材料の面でもより
優れた耐熱性、寸法安定性、電気特性、成形性が要求さ
れつつある。例えばプリント配線基板としては、従来か
らのフェノ−ル樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂
を使用した銅張り積層板が用いられてきた。これらは各
種の性能をバランス良く有するものの、電気特性、特に
高周波領域での誘電特性が悪いという欠点を持ってい
る。この問題を解決する新しい材料としてポリフェニレ
ンエ−テルが近年注目をあび銅張り積層板への応用が試
みられている。
【0003】しかしながら硬化性ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂の銅張り積層板を用いた場合、プリント配線板
を製造する工程において汎用的に用いられている無電解
ニッケル/金メッキの表面性がエポキシ樹脂等と比較す
ると劣るという指摘がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
事情に鑑みてなされたものであり、ポリフェニレンエー
テル樹脂の優れた誘電特性と機械特性を損なうこと無
く、プリント配線板の製造工程における無電解ニッケル
/金メッキの表面性を向上した硬化性ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂組成物を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述のよう
な課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、本発明の
目的に沿った新規な樹脂組成物を見いだし本発明を完成
するに至った。本発明は次に述べる6つの発明により構
成される。本発明の第一は、(a)硬化性ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂組成物と、(a)成分100重量部を
基準として、(b)t−ブチル クミル パーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル パー
オキシ)ヘキサン、t−ブチル−パーオキシ ベンゾエ
ート、n−ブチル 4,4−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)バレレート、及び2,5−ジメチル−2,5−ビス
(ベンゾイル パーオキシ)ヘキサンからなる群から選
択される一種以上の過酸化物、0.1〜10重量部を含
むことを特徴とする硬化性樹脂組成物を提供する。
【0006】本発明の第二は上記第一発明の硬化性樹脂
組成物を硬化して得られた硬化樹脂組成物を提供する。
本発明の第三は上記第一発明の硬化性樹脂組成物と基材
からなる硬化性複合材料を提供する。本発明の第四は上
記第三発明の硬化性複合材料を硬化して得られた硬化複
合材料を提供する。本発明の第五は上記第四発明の硬化
複合材料と金属箔からなる積層体を提供する。本発明の
第六は上記第一発明の硬化性樹脂組成物の膜が金属箔の
片面に形成されたことを特徴とする樹脂付き金属箔を提
供する。
【0007】これらの発明について以下に詳しく説明す
る。本発明に用いられる硬化性ポリフェニレンエーテル
系樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性
物も含む)を成分として含有する組成物である。上記の
ポリフェニレンエーテル系樹脂の好ましい例としては、
2,6ージメチルフェノールの単独重合で得られるポリ
(2,6ージメチルー1,4ーフェニレンエーテル)、
ポリ(2,6ージメチルー1,4ーフェニレンエーテ
ル)のスチレングラフト重合体、2,6ージメチルフェ
ノールと2,3,6ートリメチルフェノールの共重合
体、2,6ージメチルフェノールと2ーメチルー6ーフ
ェニルフェノールの共重合体、2,6ージメチルフェノ
ールと多官能フェノール化合物の存在下で重合して得ら
れた多官能性ポリフェニレンエーテル樹脂、例えば特開
昭63ー301222号公報、特開平1ー297428
号公報に開示されているような一般式(A)および
(B)の単位を含む共重合体等が挙げられる。
【0008】以上述べたポリフェニレンエーテル系樹脂
の分子量については、30℃、0.5g/dlのクロロ
ホルム溶液で測定した粘度数ηsp/cが0.1〜1.
0の範囲にあるものが良好に使用できる。また、本発明
でいうポリフェニレンエーテル系樹脂には、変性物も含
まれるが、このような変成物としては、具体的には、不
飽和基を含むポリフェニレンエーテル樹脂(特開昭64
−69628号、特開平1−113425号、特開平1
−113426号公報を参照)、ならびにポリフェニレ
ンエーテル樹脂と不飽和カルボン酸および/または酸無
水物との反応生成物等が挙げられる。
【0009】次に、上記ポリフェニレン系樹脂以外に配
合される樹脂としては、本発明の目的であるプリント基
板用材料として基板物性を損なわないものであればどの
ようなものでもよい。このような樹脂としては、具体的
には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレ
ート、ジビニルベンゼン、多官能性アクリロイル化合
物、多官能性メタクリロイル化合物、多官能性マレイミ
ド、多官能性メタクリロイル化合物、多官能性マレイミ
ド、多官能性シアン酸エステル、多官能性イソシアネー
ト、不飽和ポリエステル、トリアリルイソシアヌレー
ト、トリアリルシアヌレート、ポリブタジエン、スチレ
ン−ブタジエン・スチレン−ブタジエン−スチレン等の
架橋性ポリマー、種々の熱可塑性樹脂、種々の熱硬化性
樹脂等が挙げられる。これらのものは一般にプリプレグ
を積層成形して作製された基板の物性を向上させる目的
で配合される。
【0010】本発明に用いられる樹脂組成物の好ましい
例としては、ポリフェニレンエーテルおよびトリアリル
イソシアヌレートおよび/またはトリアリルシアヌレー
ト、ポリフェニレンエーテルおよびスチレンブタジエン
ブロックコポリマーおよびトリアリルイソシアヌレート
および/またはトリアリルシアヌレート、不飽和基を含
むポリフェニレンエーテルおよびトリアリルイソシアヌ
レートおよび/またはトリアリルシアヌレート、不飽和
基を含むポリフェニレンエーテルおよびトリアリルイソ
シアヌレートおよび/またはトリアリルシアヌレートお
よびエポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂と不飽
和カルボン酸および/または酸無水物との反応生成物お
よびトリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリア
リルシアヌレート、ポリフェニレンエーテル樹脂と不飽
和カルボン酸および/または酸無水物との反応生成物お
よびトリアリルイソシアヌレートおよび/またはトリア
リルシアヌレートおよびエポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの系における各成分の配合量は、目的に応じて選
択される。
【0011】本発明の樹脂組成物に用いられる過酸化物
(b)の量は(a)成分100重量部を基準として0.
1〜10重量部、好ましくは0.1〜8重量部である。
0.1重量部未満では硬化後の樹脂の耐熱性が充分でな
く、10重量部を越えると硬化後の樹脂の電気誘電特性
が低下する。本発明を実施する上において、t−ブチル
クミル パーオキサイドまたは2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンまたはt
−ブチル−パーオキシ ベンゾエートまたはn−ブチル
−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレートま
たは2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイル パ
ーオキシ)ヘキサンはそれぞれ単独で用いられるだけで
なく、両者を任意の割合で混合して用いることが可能で
ある。
【0012】本発明の樹脂組成物は、更にその用途に応
じて所望の性能を付与させる目的で本来の性質を損なわ
ない範囲の量の充填剤や添加剤を配合して用いることが
できる。充填剤としてはカーボンブラック、シリカ、ア
ルミナ、チタン酸バリウム、タルク、雲母、ガラスビー
ズ、ガラス中空球等を挙げることができる。添加剤とし
ては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、帯電防止
剤、蛍光剤、可塑剤、顔料、染料、着色剤等が挙げられ
る。また難燃性の一層の向上を図る目的で塩素系、臭素
系、リン系、シリコン系の難燃剤や、Sb2 O3 、
Sb2 O5等の難燃助剤を併用することもできる。
【0013】さらには、他の熱可塑性樹脂、あるいは熱
硬化性樹脂を一種または二種以上配合することも可能で
ある。熱可塑性樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリブテン、エチレン・プロピレン共重合体、ポ
リ(4−メチル−ペンテン)等のポリオレフィン類およ
びその誘導体、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン6・
6、ナイロン6・10、ナイロン12などのポリアミド
類およびその誘導体、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート・ポリエチレングリコ
ールブロック共重合体などのポリエステル類およびその
誘導体、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレン
エーテル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリス
ルフォン、ポリ塩化ビニルおよびその共重合体、ポリ塩
化ビニリデンおよびその共重合体、ポリメチルメタクリ
レート類、アクリル酸(またはメタクリル酸)エステル
共重合体類、ポリスチレン類、アクリロニトリルスチレ
ン共重合体類、アクリロニトリルスチレンブタジエン系
共重合体等のポリスチレン類およびその共重合体類、ポ
リ酢酸ビニル類、ポリビニルホルマール、ポリビニルア
セタール、ポリビニルブチラール類、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体およびその加水分解物類、ポリビニルアルコ
ール類、スチレンブタジエンブロック共重合体類、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン等のゴム類、ポリメトキシ
エチレン、ポリエトキシエチレン等のポリビニルエーテ
ル類、ポリアクリルアマイド、ポリホスファーゼン類、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエー
テルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド
イミド、熱可塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の
液晶ポリマー、側鎖に液晶成分を含有する側鎖型液晶ポ
リマー等が挙げられる。熱硬化性樹脂としてはエポキシ
樹脂、ポリイミド前駆体等が挙げられる。
【0014】本発明第二の硬化樹脂組成物は、以上に述
べた硬化性樹脂組成物を硬化することにより得られるも
のである。硬化の方法は任意であり、熱、光、電子線等
による方法を採用することができる。加熱により硬化を
行う場合その温度は、過酸化物によっても異なるが、8
0〜300℃、より好ましくは100〜250℃の範囲
で選ばれる。また時間は、1分〜10時間程度、より好
ましくは1分〜5時間である。
【0015】得られた硬化ポリフェニレンエーテル樹脂
組成物は、赤外吸収スペクトル法、高分解能固体核磁気
共鳴スペクトル法、熱分解ガスクロマトグラフィー等の
方法を用いて樹脂組成を解析することができる。またこ
の硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物は、第四
発明として後述する硬化複合材料と同様、金属箔及び/
または金属板と張り合わせて用いることができる。
【0016】次に本発明の第三および第四である硬化性
複合材料とその硬化体について説明する。本発明の第三
である硬化性複合材料は、本発明第一記載の硬化性樹脂
組成物と基材からなることを特徴とする。(c)成分の
基材としては、ロービングクロス、クロス、チョップド
マット、サーフェシングマットなどの各種ガラス布、ア
スベスト布、金属繊維布およびその他合成もしくは天然
の無機繊維布;全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリ
エステル繊維、ポリベンゾザール繊維等の液晶繊維から
得られる織布または不織布;ポリビニルアルコール繊
維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリテトラフル
オロエチレン繊維などの合成繊維から得られる織布また
は不織布;綿布、麻布、フェルトなどの天然繊維布;カ
ーボン繊維布;クラフト紙、コットン紙、紙ーガラス混
繊紙などの天然セルロース系布などがそれぞれ単独で、
あるいは2種以上併せて用いられる。
【0017】(c)成分の占める割合は、硬化性複合材
料100重量部を基準として5〜90重量部、より好ま
しくは10〜80重量部、さらに好ましくは20〜70
重量部である。(c)成分が5重量部より少なくなると
複合材料の硬化後の寸法安定性や強度が不十分であり、
また基材が90重量部より多くなると複合材料の誘電特
性が劣り好ましくない。本発明の複合材料には、必要に
応じて樹脂と基材の界面における接着性を改善する目的
でカップリング剤を用いることができる。カップリング
剤としては、シランカップリング剤、チタネートカップ
リング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアル
ミネートカップリング剤等一般のものが使用できる。
【0018】本発明の硬化性樹脂組成物と基材の複合方
法については過酸化物の著しい分解反応を引き起こす条
件以外で有れば特に限定されることはなく、例えば
(a)成分と過酸化物及び必要に応じて他の成分をハロ
ゲン系、芳香族系、ケトン系等の溶媒もしくはその混合
溶媒中に均一に溶解または分散させ、基材に含浸させた
後乾燥する方法が挙げられる。含浸は浸漬(ディッピン
グ)、塗布等によって行われる。含浸は必要に応じて複
数回繰り返すことも可能であり、またこの際組成や濃度
の異なる複数の溶液を用いて含浸を繰り返し、最終的に
希望とする樹脂組成および樹脂量に調整することも可能
である。
【0019】本発明の第四の硬化複合材料は、このよう
にして得た硬化性複合材料を加熱等の方法により硬化す
ることによって得られるものである。その製造方法は特
に限定されるものではなく、例えば該硬化性複合材料を
複数枚重ね合わせ、加熱加圧下に各層間を接着せしめる
と同時に熱硬化を行い、所望の厚みの硬化複合材料を得
ることができる。また一度接着硬化させた硬化複合材料
と硬化性複合材料を組み合わせて新たな層構成の硬化複
合材料を得ることも可能である。積層成形と硬化は、通
常熱プレス等を用い同時に行われるが、両者をそれぞれ
単独で行ってもよい。すなわち、あらかじめ積層成形し
て得た未硬化あるいは半硬化の複合材料を、熱処理また
は別の方法で処理することによって硬化させることがで
きる。
【0020】成形および硬化は、温度80〜300℃、
圧力0.1〜500kg/cm2、時間1分〜10時間
の範囲、より好ましくは、温度100〜250℃、圧力
1〜100kg/cm2 、時間1分〜5時間の範囲で
行うことができる。本発明の第五である積層体について
説明する。本発明の積層体とは、本発明の第四として上
述した硬化複合材料と金属箔より構成されるものであ
る。ここで用いられる金属箔としては、例えば銅箔、ア
ルミニウム箔等が挙げられる。その厚みは特に限定され
ないが、5〜200μm、より好ましくは5〜105μ
mの範囲である。
【0021】本発明の積層体を製造する方法としては、
例えば本発明の第三として上で説明した硬化性複合材料
と、金属箔および/または金属板を目的に応じた層構成
で積層し、加熱加圧下に各層間を接着せしめると同時に
熱硬化させる方法を挙げることができる。本発明の積層
体においては、硬化性複合材料と金属箔が任意の層構成
で積層される。金属箔は表層としても中間層としても用
いることができる。
【0022】上記の他、積層と硬化を複数回繰り返して
多層化することも可能である。金属箔の接着には接着剤
を用いることもできる。接着剤としては、エポキシ系、
アクリル系、フェノール系、シアノアクリレート系等が
挙げられるが、特にこれらに限定されない。上記の積層
成形と硬化は、本発明の第四の場合と同様の条件で行う
ことができる。最後に本発明の第六である樹脂付き銅箔
について説明する。
【0023】本発明の樹脂付き銅箔とは、本発明の第一
として上述した硬化性樹脂組成物と金属箔より構成され
るものである。ここで用いられる金属箔としては、例え
ば銅箔、アルミニウム箔等が挙げられる。その厚みは特
に限定されないが、5〜200μm、より好ましくは5
〜105μmの範囲である。本発明の樹脂付き銅箔を製
造する方法としては、過酸化物の著しい分解反応を引き
起こす条件以外で有れば特に限定されることはなく、例
えば(a)成分と過酸化物及び必要に応じて他の成分を
ハロゲン系、芳香族系、ケトン系等の溶媒もしくはその
混合溶媒中に均一に溶解または分散させ、金属箔に塗布
した後乾燥する方法や溶融して成形する方法等が挙げら
れる。
【0024】塗布は必要に応じて複数回繰り返すことも
可能であり、またこの際組成や濃度の異なる複数の溶液
を用いて塗布を繰り返し、最終的に希望とする樹脂組成
および樹脂量に調整することも可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な例につい
て、実施例を挙げて説明する。以下の実施例には、各成
分として次のようなものを用いた。 過酸化物:t−ブチル クミル パーオキサイド(パー
ブチルC) 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル パーオキ
シ)ヘキサン(パーヘキサ25B) 2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイル パーオ
キシ)ヘキサン(パーヘキサ25Z) (共に日本油脂(株)製 ) 難燃剤:デカブロモジフェニルエタン (旭硝子(株)
SAYTEX−8010) 難燃助剤:Sb2 O3 (日本精鋼(株) PATO
X−M) ガラスクロス:Eガラス製、目付71g/m2
【0026】
【参考例1】30℃、0.5g/dlのクロロホルム溶
液で測定した粘度数ηsp/cが0.53のポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)100重
量部と、無水マレイン酸1.5重量部、および2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン(日本油脂(株)製 パーヘキサ25B)1.0重量
部を室温でドライブレンドした後、シリンダー温度30
0℃、スクリュー回転数230rpmの条件で2軸押し
出し機により押出した。30℃、0.5g/dlのクロ
ロホルム溶液で測定した反応生成物の粘度数ηsp/c
は0.58であった。この反応生成物をAとする。
【0027】
【参考例2】参考例1と同様の方法で測定した粘度数η
sp/cが0.40のポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)100重量部と、無水マレイン
酸1.5重量部を室温でドライブレンドした後、シリン
ダー温度300℃、スクリュー回転数230rpmの条
件で2軸押し出し機により押出した。30℃、0.5g
/dlのクロロホルム溶液で測定した反応生成物の粘度
数ηsp/cは0.43であった。この反応生成物をB
とする。
【0028】
【実施例1】<樹脂付き銅箔>ポリマーA66重量部、
トリアリルイソシアヌレート30重量部、t−ブチルク
ミル パーオキサイド3重量部、難燃剤20重量部、難
燃助剤4重量部をトルエンを溶剤として混合し、厚さ1
8μmの電解銅箔に塗布、乾燥し樹脂付き銅箔を得た。
樹脂部の膜厚は60μmであった。
【0029】厚さ0.8mmのガラスクロス補強熱硬化
型ポリフェニレンエーテル樹脂積層板(利昌工業(株)
製CS3376A)の両面に上記樹脂付き銅箔を180
℃、2時間、圧力30kg/cm2の加熱加圧により接
着、硬化して両面銅張り積層板を形成した。この両面銅
張り積層板に写真法による選択的エッチングを実施して
導体回路パターンを形成した。次いで奥野製薬工業
(株)の薬液を用い無電解ニッケル/金メッキを行っ
た。メッキ条件は表1の通りである。得られたニッケル
/金メッキの表面性は均一であった。
【0030】
【表1】
【0031】
【比較例1】過酸化物としてジクミルパーオキサイド
(パークミルD 日本油脂(株)製)を用いた以外は実
施例1と同じ操作を繰り返し、同様にメッキ表面性を確
認した。得られたメッキはパターン端部にニッケルの析
出が少ない部分を有する段差の有るものであった。
【0032】
【実施例2】<積層体>ポリマーB66重量部、トリア
リルイソシアヌレート37重量部、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチル パーオキシ)ヘキサン3重量
部、難燃剤20重量部、難燃助剤4重量部をトルエンを
溶剤として混合し、ガラスクロス(Eガラス、目付71
g/m2)に含浸、乾燥して硬化性複合材料を得た。こ
の硬化性複合材料の樹脂量は56重量%であった。厚さ
18μmの電解銅箔、上記硬化性複合材料8枚、厚さ1
8μmの電解銅箔をこの順に重ね180℃、2時間、圧
力30kg/cm2の加熱加圧により接着、硬化して厚
さ0.8mmの両面銅張り積層板を形成した。この両面
銅張り積層板に写真法による選択的エッチングを実施し
て導体回路パターンを形成した。
【0033】次いで実施例1と同様の無電解ニッケル/
金メッキを行った。得られたニッケル/金メッキの表面
性は均一であった。上記両面銅張り積層板を用いて、選
択的エッチングでJIS C 6481に規定されてい
る誘電測定試料を作成した。自動平衡ブリッジ法により
誘電率と誘電正接を測定したところ、それぞれ3.5と
0.002であった。
【0034】
【比較例2】過酸化物としてt−ヘキシル パーオキシ
イソプロピル モノカーボネート(パーヘキシルI
日本油脂(株)製)を用いた以外は実施例2と同じ操作
を繰り返し、同様にメッキ表面性を確認した。得られた
メッキはパターン端部にニッケルの析出が少ない部分を
有する段差の有るものであった。上記両面銅張り積層板
を用いて、選択的エッチングでJIS C 6481に
規定されている誘電測定試料を作成した。自動平衡ブリ
ッジ法により誘電率と誘電正接を測定したところ、それ
ぞれ3.6と0.002であった。
【0035】
【実施例3】<樹脂シート>ポリマーB66重量部、ト
リアリルイソシアヌレート30重量部、2,5−ジメチ
ル−2,5−ビス(ベンゾイル パーオキシ)ヘキサン
3重量部、難燃剤20重量部、難燃助剤4重量部をトル
エンを溶剤として混合し、厚さ50μmのポリエステル
フィルムに塗布、乾燥後剥離して樹脂シートを得た。樹
脂シートの厚さは80μmであった。
【0036】厚さ18μmの電解銅箔、上記樹脂シート
10枚、厚さ18μmの電解銅箔をこの順に重ね180
℃、2時間、圧力30kg/cm2の加熱加圧により接
着、硬化して厚さ0.8mmの両面銅張り積層板を形成
した。この両面銅張り積層板に写真法による選択的エッ
チングを実施して導体回路パターンを形成した。次いで
実施例1と同様の無電解ニッケル/金メッキを行った。
得られたニッケル/金メッキの表面性は均一であった。
上記両面銅張り積層板を用いて、選択的エッチングでJ
IS C 6481に規定されている誘電測定試料を作
成した。自動平衡ブリッジ法により誘電率と誘電正接を
測定したところ、それぞれ3.4と0.003であっ
た。
【0037】
【比較例3】過酸化物としてt−ブチル パーオキシ
2−エチルヘキシル モノカーボネート(パーブチルE
日本油脂(株)製)を用いた以外は実施例3と同じ操
作を繰り返し、同様にメッキ表面性を確認した。得られ
たメッキはパターン端部にニッケルの析出が少ない部分
を有する段差の有るものであった。上記両面銅張り積層
板を用いて、選択的エッチングでJIS C 6481
に規定されている誘電測定試料を作成した。自動平衡ブ
リッジ法により誘電率と誘電正接を測定したところ、そ
れぞれ3.5と0.002であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の硬化性樹脂組成物はこれまでの
硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物と比較する
と、プリント配線板製造工程における無電解ニッケル/
金メッキの表面性が著しく改善されている。また、ポリ
フェニレンエーテル系樹脂の優れた電気絶縁性、誘電特
性を維持している。従って本発明の材料は、電気産業、
電子産業等の分野において誘電材料、絶縁材料等として
用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BP012 CH071 EK007 EK037 EK047 EK057 EU186 EU196 FD010 FD130 FD147 4J005 AA26 BD00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)硬化性ポリフェニレンエーテル系
    樹脂組成物と、(a)成分100重量部を基準として、
    (b)t−ブチル クミル パーオキサイド、2,5−
    ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル パーオキシ)ヘキ
    サン、t−ブチル−パーオキシ ベンゾエート、n−ブ
    チル 4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレー
    ト、及び2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイル
    パーオキシ)ヘキサンからなる群から選択される一種
    以上の過酸化物、0.1〜10重量部を含むことを特徴
    とする硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硬化性樹脂組成物を硬化
    して得られた硬化樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の硬化性樹脂組成物と
    (c)基材からなる硬化性複合材料であって、硬化性複
    合材料100重量部を基準として、5〜90重量部の基
    材からなることを特徴とする硬化性複合材料。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の硬化性複合材料を硬化し
    て得られた硬化複合材料。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の硬化複合材料と金属箔か
    らなる積層体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の硬化性樹脂組成物の膜が
    金属箔の片面に形成されたことを特徴とする樹脂付き金
    属箔。
JP33329899A 1999-11-24 1999-11-24 硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 Withdrawn JP2001151885A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33329899A JP2001151885A (ja) 1999-11-24 1999-11-24 硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33329899A JP2001151885A (ja) 1999-11-24 1999-11-24 硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001151885A true JP2001151885A (ja) 2001-06-05

Family

ID=18264546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33329899A Withdrawn JP2001151885A (ja) 1999-11-24 1999-11-24 硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001151885A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9051465B1 (en) 2012-02-21 2015-06-09 Park Electrochemical Corporation Thermosetting resin composition containing a polyphenylene ether and a brominated fire retardant compound
US9243164B1 (en) 2012-02-21 2016-01-26 Park Electrochemical Corporation Thermosetting resin composition containing a polyphenylene ether and a brominated fire retardant compound

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9051465B1 (en) 2012-02-21 2015-06-09 Park Electrochemical Corporation Thermosetting resin composition containing a polyphenylene ether and a brominated fire retardant compound
US9243164B1 (en) 2012-02-21 2016-01-26 Park Electrochemical Corporation Thermosetting resin composition containing a polyphenylene ether and a brominated fire retardant compound

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010524265A (ja) 回路材料、多層回路、およびこれらを製造する方法
KR20130066527A (ko) 연성 금속박 적층판
JP3178925B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2001019839A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP2001151885A (ja) 硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JP3178917B2 (ja) 硬化性樹脂組成物および硬化性複合材料
JPH08239567A (ja) 新規な硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物、並びにこれを用いた複合材料及び積層体
JPH08245872A (ja) 低誘電率・低誘電正接のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JPH08245871A (ja) 硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JP3178918B2 (ja) 硬化性樹脂組成物並びにこれを用いた複合材料及び積層体
JP2000297165A (ja) プリプレグ
JP3178958B2 (ja) 新規な強靱化硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JP2000226509A (ja) 熱硬化性樹脂組成物及び積層板
JPH06184255A (ja) 硬化性の樹脂組成物並びにこれを用いた複合材料および積層体
JPH07247416A (ja) 難燃性を有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物
JP2002105308A (ja) 硬化性のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JPH0737567B2 (ja) 硬化性樹脂組成物並びにこれを用いた複合材料および積層体
JPH06206955A (ja) 新規なるポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JP2000043041A (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂複合プリプレグ
JP2000198113A (ja) プリプレグ
JPH07166049A (ja) 新規な硬化性ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物および難燃化積層板
JPH08208778A (ja) 新規な難燃性強靱化ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物
JP2000043042A (ja) ポリフェニレンエーテル樹脂プリプレグ
JPH0737568B2 (ja) 新規な硬化性ポリフェニレンエーテル・エポキシ樹脂組成物並びにこれを用いた複合材料および積層体
JPH07238128A (ja) 硬化性樹脂組成物および難燃化積層板

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070206