JP2733160B2 - 回路用基板 - Google Patents
回路用基板Info
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- JP2733160B2 JP2733160B2 JP4017943A JP1794392A JP2733160B2 JP 2733160 B2 JP2733160 B2 JP 2733160B2 JP 4017943 A JP4017943 A JP 4017943A JP 1794392 A JP1794392 A JP 1794392A JP 2733160 B2 JP2733160 B2 JP 2733160B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プリント配線板等に
使われる回路用基板に関する。
使われる回路用基板に関する。
【0002】
【従来の技術】高度情報化時代を迎え、情報伝送はより
高速化・高周波化の傾向にある。自動車電話やパーソナ
ル無線等の移動無線、衛星放送、衛星通信やCATV等
のニューメディアでは、機器のコンパクト化が推し進め
られており、これに伴い誘電体共振器等のマイクロ波用
回路素子に対しても小型化が強く望まれている。
高速化・高周波化の傾向にある。自動車電話やパーソナ
ル無線等の移動無線、衛星放送、衛星通信やCATV等
のニューメディアでは、機器のコンパクト化が推し進め
られており、これに伴い誘電体共振器等のマイクロ波用
回路素子に対しても小型化が強く望まれている。
【0003】マイクロ波用回路素子の大きさは、使用電
磁波の波長が基準となる。比誘電率εr の誘電体中を伝
播する電磁波の波長λは、真空中の伝播波長をλ0 とす
るとλ=λ0 /(εr )0.5 となる。したがって、素子
は、使用されるプリント回路用基板の誘電率が大きい
程、小型になる。また、基板の誘電率が大きいと、電磁
エネルギーが基板内に集中するため、電磁波の漏れが少
なく好都合でもある。
磁波の波長が基準となる。比誘電率εr の誘電体中を伝
播する電磁波の波長λは、真空中の伝播波長をλ0 とす
るとλ=λ0 /(εr )0.5 となる。したがって、素子
は、使用されるプリント回路用基板の誘電率が大きい
程、小型になる。また、基板の誘電率が大きいと、電磁
エネルギーが基板内に集中するため、電磁波の漏れが少
なく好都合でもある。
【0004】上記の回路用基板として、樹脂(高周波特
性に優れるPPO樹脂等)をガラス繊維製補強材で強化
してなる基板がある。この回路用基板は、アルミナ等の
セラミック系基板に比べ、大面積化対応性や後加工(切
断、孔開、接着等)性に優れる等、樹脂の利点が活かさ
れるため、注目されている。
性に優れるPPO樹脂等)をガラス繊維製補強材で強化
してなる基板がある。この回路用基板は、アルミナ等の
セラミック系基板に比べ、大面積化対応性や後加工(切
断、孔開、接着等)性に優れる等、樹脂の利点が活かさ
れるため、注目されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ただ、上記回路用基板
は、肝心の誘電率の点では十分と言えないため、実用性
が今ひとつである。樹脂として、ポリフッ化ビニリデン
(εr =13)やシアノ樹脂(εr =16〜20)など
誘電率の高い樹脂を用いる方法もあるが、この場合、誘
電損失が大きく、高周波域では誘電特性の安定性にも問
題があり、高周波(特に100MHz以上)適性に欠ける
ため、余り適切な対策とは言いがたい。
は、肝心の誘電率の点では十分と言えないため、実用性
が今ひとつである。樹脂として、ポリフッ化ビニリデン
(εr =13)やシアノ樹脂(εr =16〜20)など
誘電率の高い樹脂を用いる方法もあるが、この場合、誘
電損失が大きく、高周波域では誘電特性の安定性にも問
題があり、高周波(特に100MHz以上)適性に欠ける
ため、余り適切な対策とは言いがたい。
【0006】そのため、無機誘電体粒子(例えば、Ti
O2 粒子、BaTiO3 粒子など)を樹脂中に分散させ
誘電率を高めるようにするのであるが、適当量の無機誘
電体粒子では所望の誘電率(εr が10以上)をもたせ
ることが中々できない。これは、ガラス製補強材(例え
ば、ガラスクロス)の方の誘電率が高くないからであ
る。無機誘電体粒子の添加量を増せば誘電率は高くなる
が、余り添加量が多いとコスト高や界面トラブルが起こ
り易くなる等の不都合が起こるため、無機誘電体粒子の
添加量を増やすことは適切な方策ではない。
O2 粒子、BaTiO3 粒子など)を樹脂中に分散させ
誘電率を高めるようにするのであるが、適当量の無機誘
電体粒子では所望の誘電率(εr が10以上)をもたせ
ることが中々できない。これは、ガラス製補強材(例え
ば、ガラスクロス)の方の誘電率が高くないからであ
る。無機誘電体粒子の添加量を増せば誘電率は高くなる
が、余り添加量が多いとコスト高や界面トラブルが起こ
り易くなる等の不都合が起こるため、無機誘電体粒子の
添加量を増やすことは適切な方策ではない。
【0007】また、ガラス製補強材の誘電率が低い場
合、構造上からくる誘電率変動の問題があり利用し難
い。ひとつは、低誘電率のガラス製補強材域と無機誘電
体粒子を含む高誘電率樹脂域が入り組み、内部に微視的
な誘電率変動を生じることである。もうひとつは、低誘
電率のガラス製補強材域と無機誘電体粒子を含む高誘電
率樹脂域が混在する場合は高誘電率樹脂域の量の変化に
伴う誘電率変動があることである。
合、構造上からくる誘電率変動の問題があり利用し難
い。ひとつは、低誘電率のガラス製補強材域と無機誘電
体粒子を含む高誘電率樹脂域が入り組み、内部に微視的
な誘電率変動を生じることである。もうひとつは、低誘
電率のガラス製補強材域と無機誘電体粒子を含む高誘電
率樹脂域が混在する場合は高誘電率樹脂域の量の変化に
伴う誘電率変動があることである。
【0008】通常の補強材用のガラスクロスは、Eガラ
スと呼ばれるSiO2 −Al2 O3 −CaO系ガラス組
成物の繊維からなる。このEガラスは、より具体的に
は、SiO2 :50〜60重量%、Al2 O3 :13〜
16重量%、B2 O3 :5〜9重量%、MgO:0〜6
重量%、CaO:15〜25重量%、Na2 O+K
2 O:0〜1重量%、F:0〜1重量%という組成を有
しており、比誘電率は6〜7程度であって、比誘電率は
それほど高くないのである。
スと呼ばれるSiO2 −Al2 O3 −CaO系ガラス組
成物の繊維からなる。このEガラスは、より具体的に
は、SiO2 :50〜60重量%、Al2 O3 :13〜
16重量%、B2 O3 :5〜9重量%、MgO:0〜6
重量%、CaO:15〜25重量%、Na2 O+K
2 O:0〜1重量%、F:0〜1重量%という組成を有
しており、比誘電率は6〜7程度であって、比誘電率は
それほど高くないのである。
【0009】PbOを多量に含有する鉛系ガラス組成物
は高比誘電率である。例えば、PbO:72重量%、S
iO2 :26重量%、B2 O3 :1.5重量%、K
2 O:0.5重量%の組成の鉛系ガラス組成物は、1
3.0の比誘電率を有する。しかし、鉛系ガラス組成物
の場合、繊維化(直径7〜9μm)が難しいという問題
がある。ガラス溶融時にPbOの蒸発が激しくて不均質
になって紡糸工程で糸切れが多発するのである。また、
鉛系ガラス組成物の場合、適切なガラスクロス化が困難
であるという問題がある。ガラスクロスの製造の場合に
は、一次バインダーを除去するための熱処理工程がある
が、鉛系ガラス組成物は歪み点が低く劣化し易いため十
分な処理を施すことが難しい。一次バインダーの除去処
理が十分でないガラスクロスは基板の長期信頼性低下の
原因となる。それに、鉛系ガラス組成物の場合、鉛が有
毒であるため取扱が容易でないという問題もあるし、1
00MHz以上の高周波域での誘電損失(tanδ)が大
きいという問題もある。
は高比誘電率である。例えば、PbO:72重量%、S
iO2 :26重量%、B2 O3 :1.5重量%、K
2 O:0.5重量%の組成の鉛系ガラス組成物は、1
3.0の比誘電率を有する。しかし、鉛系ガラス組成物
の場合、繊維化(直径7〜9μm)が難しいという問題
がある。ガラス溶融時にPbOの蒸発が激しくて不均質
になって紡糸工程で糸切れが多発するのである。また、
鉛系ガラス組成物の場合、適切なガラスクロス化が困難
であるという問題がある。ガラスクロスの製造の場合に
は、一次バインダーを除去するための熱処理工程がある
が、鉛系ガラス組成物は歪み点が低く劣化し易いため十
分な処理を施すことが難しい。一次バインダーの除去処
理が十分でないガラスクロスは基板の長期信頼性低下の
原因となる。それに、鉛系ガラス組成物の場合、鉛が有
毒であるため取扱が容易でないという問題もあるし、1
00MHz以上の高周波域での誘電損失(tanδ)が大
きいという問題もある。
【0010】また、プリント回路用基板の補強材として
用いるガラスは、化学的耐久性も必要である。というの
は、プリント回路用基板に回路を形成する際に様々な化
学処理を経るが、この処理で補強材が損傷を受けないこ
とが必要だからである。一方、高周波用の回路用基板の
場合、誘電特性の上ではPPO系樹脂が好適なのである
が、耐熱性や熱膨張性(寸法安定性)、物理的強度(剛
性)等の物性が今ひとつ十分でない。これらの諸物性が
向上すれば有用性はさらに増す。
用いるガラスは、化学的耐久性も必要である。というの
は、プリント回路用基板に回路を形成する際に様々な化
学処理を経るが、この処理で補強材が損傷を受けないこ
とが必要だからである。一方、高周波用の回路用基板の
場合、誘電特性の上ではPPO系樹脂が好適なのである
が、耐熱性や熱膨張性(寸法安定性)、物理的強度(剛
性)等の物性が今ひとつ十分でない。これらの諸物性が
向上すれば有用性はさらに増す。
【0011】また、無機誘電体粒子の誘電率向上作用が
強く、しかも、製造段階で無機誘電体粒子を樹脂ワニス
中に分散させたときに沈降分離し難くいと製造が容易と
なり、やはり有用性が増す。この発明は、上記事情に鑑
み、繊維化容易で誘電率も高く、しかも、化学的耐久性
が良好な組成のガラス繊維で強化され優れた誘電特性の
回路用基板を提供することを第1の課題とする。
強く、しかも、製造段階で無機誘電体粒子を樹脂ワニス
中に分散させたときに沈降分離し難くいと製造が容易と
なり、やはり有用性が増す。この発明は、上記事情に鑑
み、繊維化容易で誘電率も高く、しかも、化学的耐久性
が良好な組成のガラス繊維で強化され優れた誘電特性の
回路用基板を提供することを第1の課題とする。
【0012】そして、第1の課題に加えて、諸物性の向
上したPPO系樹脂が用いられ高い高周波適性を有する
回路用基板を提供することを第2の課題とし、樹脂中に
分散している無機誘電体粒子が樹脂ワニス中で沈降分離
し難く、かつ、誘電率向上作用の強い粒子である回路基
板を提供することを第3の課題とする。
上したPPO系樹脂が用いられ高い高周波適性を有する
回路用基板を提供することを第2の課題とし、樹脂中に
分散している無機誘電体粒子が樹脂ワニス中で沈降分離
し難く、かつ、誘電率向上作用の強い粒子である回路基
板を提供することを第3の課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決す
るため、発明者らは、SiO2 −BaO−TiO2 −Z
rO2 系ガラス組成物に着目した。このガラス組成物は
非鉛系であって誘電特性が良好であるし、化学的耐久性
(耐酸性、耐アルカリ性、耐水性)に富むからである。
しかしながら、失透温度が高くて繊維化が難しいという
問題がある。ガラス繊維を得る場合、200〜800個
の小穴を底にあけたブッシングと呼ばれる白金製ポット
の前記小穴から融液を引き出し繊維を得るのであるが、
失透温度が高いとブッシングの底に失透による結晶が生
じて融液流出が妨げられ糸切れが起こる。普通、ブッシ
ング底部の温度と繊維の巻き取り速度の制御により、失
透を抑えながらガラス繊維を得るのであるが、失透温度
が融液粘度が102.5 ポアズ(316ポアズ)となる温
度を越えると制御し切れないのである。つまり、従来の
高比誘電率(εr が9以上)のSiO2 −BaO−Ti
O2 −ZrO2 系ガラス組成物の失透温度は融液粘度が
102.5 ポアズ(316ポアズ)となる温度を越えてお
り、繊維化適性に欠けていたのである。
るため、発明者らは、SiO2 −BaO−TiO2 −Z
rO2 系ガラス組成物に着目した。このガラス組成物は
非鉛系であって誘電特性が良好であるし、化学的耐久性
(耐酸性、耐アルカリ性、耐水性)に富むからである。
しかしながら、失透温度が高くて繊維化が難しいという
問題がある。ガラス繊維を得る場合、200〜800個
の小穴を底にあけたブッシングと呼ばれる白金製ポット
の前記小穴から融液を引き出し繊維を得るのであるが、
失透温度が高いとブッシングの底に失透による結晶が生
じて融液流出が妨げられ糸切れが起こる。普通、ブッシ
ング底部の温度と繊維の巻き取り速度の制御により、失
透を抑えながらガラス繊維を得るのであるが、失透温度
が融液粘度が102.5 ポアズ(316ポアズ)となる温
度を越えると制御し切れないのである。つまり、従来の
高比誘電率(εr が9以上)のSiO2 −BaO−Ti
O2 −ZrO2 系ガラス組成物の失透温度は融液粘度が
102.5 ポアズ(316ポアズ)となる温度を越えてお
り、繊維化適性に欠けていたのである。
【0014】そこで、発明者らは、必要な誘電特性や化
学的耐久性を確保しつつ繊維化適性をもたせる方途を求
めて鋭意検討を続け、適当量のNbO5/2の添加が課題
解決に有効であるという第1の知見を得ることができ
た。それだけでなく、適当量のNbO5/2 の添加に加え
て適当量のAlO3/2 の同時添加が、失透温度と102.
5 ポアズ温度の間に顕著な差が出やすいことから課題解
決に非常に有効であるという第2の知見も得ることがで
きたのである。
学的耐久性を確保しつつ繊維化適性をもたせる方途を求
めて鋭意検討を続け、適当量のNbO5/2の添加が課題
解決に有効であるという第1の知見を得ることができ
た。それだけでなく、適当量のNbO5/2 の添加に加え
て適当量のAlO3/2 の同時添加が、失透温度と102.
5 ポアズ温度の間に顕著な差が出やすいことから課題解
決に非常に有効であるという第2の知見も得ることがで
きたのである。
【0015】SiO2 −BaO−TiO2 −ZrO2系
ガラス組成物は、必要な誘電特性を確保できる組成範囲
においては失透によってSiO2 系のクリストバライト
結晶とBaO−TiO2 −ZrO2 系の結晶が主に析出
する。適当量のNbO5/2の添加は、後者のBaO−T
iO2 −ZrO2 系結晶の析出を抑制するために失透温
度の低下が起こるのであるが、前者のSiO2 系クリス
トバライト結晶の析出は抑制し切れず、失透温度の低下
の程度に限界があったのである。それが、適当量のAl
O3/2 の添加でSiO2 系クリストバライト結晶の析出
も十分に抑制されるようになるため、更に失透温度を低
下させられ、また、融液粘度が上昇するため、失透温度
と102.5 ポアズ温度との差がより大きくなるというこ
とを見いだしたのである。
ガラス組成物は、必要な誘電特性を確保できる組成範囲
においては失透によってSiO2 系のクリストバライト
結晶とBaO−TiO2 −ZrO2 系の結晶が主に析出
する。適当量のNbO5/2の添加は、後者のBaO−T
iO2 −ZrO2 系結晶の析出を抑制するために失透温
度の低下が起こるのであるが、前者のSiO2 系クリス
トバライト結晶の析出は抑制し切れず、失透温度の低下
の程度に限界があったのである。それが、適当量のAl
O3/2 の添加でSiO2 系クリストバライト結晶の析出
も十分に抑制されるようになるため、更に失透温度を低
下させられ、また、融液粘度が上昇するため、失透温度
と102.5 ポアズ温度との差がより大きくなるというこ
とを見いだしたのである。
【0016】したがって、第1の知見に基づいて完成し
た第1の課題を解決する請求項1記載の発明(第1発
明)にかかる回路用基板は、樹脂中に無機誘電体粒子が
分散されているとともに、SiO2 を40〜65モル
%、MgO,CaO,SrOおよびBaOの少なくとも
ひとつを20〜45モル%、TiO2 およびZrO2 の
少なくともひとつを5〜25モル%、NbO5/2 を0.
5〜15モル%それぞれ含み、これらの酸化物の合計量
が85モル%以上であり、比誘電率(1MHz,25℃)
9以上の繊維化適性を有するガラス組成物からなる高誘
電率ガラス繊維で強化した構成をとるようにしており、
第1発明の場合、ガラス組成物は、請求項2のように、
加えて、SiO2 の含有量が46〜60モル%、Mg
O,CaO,SrOおよびBaOの少なくともひとつの
含有量が25〜40モル%、TiO2 およびZrO2 の
少なくともひとつの含有量が7〜24モル%、NbO
5/2 の含有量が1〜10モル%であることが好ましい。
た第1の課題を解決する請求項1記載の発明(第1発
明)にかかる回路用基板は、樹脂中に無機誘電体粒子が
分散されているとともに、SiO2 を40〜65モル
%、MgO,CaO,SrOおよびBaOの少なくとも
ひとつを20〜45モル%、TiO2 およびZrO2 の
少なくともひとつを5〜25モル%、NbO5/2 を0.
5〜15モル%それぞれ含み、これらの酸化物の合計量
が85モル%以上であり、比誘電率(1MHz,25℃)
9以上の繊維化適性を有するガラス組成物からなる高誘
電率ガラス繊維で強化した構成をとるようにしており、
第1発明の場合、ガラス組成物は、請求項2のように、
加えて、SiO2 の含有量が46〜60モル%、Mg
O,CaO,SrOおよびBaOの少なくともひとつの
含有量が25〜40モル%、TiO2 およびZrO2 の
少なくともひとつの含有量が7〜24モル%、NbO
5/2 の含有量が1〜10モル%であることが好ましい。
【0017】また、第2の知見に基づいて完成した第1
の課題を解決する請求項3記載の発明(第2発明)にか
かる回路用基板は、樹脂中に無機誘電体粒子が分散され
ているとともに、SiO2 を40〜65モル%、Ca
O,SrOおよびBaOの少なくともひとつを20〜4
5モル%、TiO2 およびZrO2 の少なくともひとつ
を5〜25モル%、NbO5/2 を0.5〜15モル%、
AlO3/2 を0.5〜15モル%それぞれ含み、これら
の酸化物の合計量が85モル%以上であり、比誘電率
(1MHz,25℃)9以上の繊維化適性を有するガラス
組成物からなる高誘電率ガラス繊維で強化した構成をと
るようにしており、第2発明の場合、ガラス組成物は、
請求項4のように、加えて、SiO2 の含有量が46〜
60モル%、CaO,SrOおよびBaOの少なくとも
ひとつの含有量が25〜40モル%、TiO2 およびZ
rO2 の少なくともひとつの含有量が7〜24モル%、
NbO 5/2 の含有量が1〜10モル%、AlO3/2 の含
有量が1〜10モル%であることが好ましい。
の課題を解決する請求項3記載の発明(第2発明)にか
かる回路用基板は、樹脂中に無機誘電体粒子が分散され
ているとともに、SiO2 を40〜65モル%、Ca
O,SrOおよびBaOの少なくともひとつを20〜4
5モル%、TiO2 およびZrO2 の少なくともひとつ
を5〜25モル%、NbO5/2 を0.5〜15モル%、
AlO3/2 を0.5〜15モル%それぞれ含み、これら
の酸化物の合計量が85モル%以上であり、比誘電率
(1MHz,25℃)9以上の繊維化適性を有するガラス
組成物からなる高誘電率ガラス繊維で強化した構成をと
るようにしており、第2発明の場合、ガラス組成物は、
請求項4のように、加えて、SiO2 の含有量が46〜
60モル%、CaO,SrOおよびBaOの少なくとも
ひとつの含有量が25〜40モル%、TiO2 およびZ
rO2 の少なくともひとつの含有量が7〜24モル%、
NbO 5/2 の含有量が1〜10モル%、AlO3/2 の含
有量が1〜10モル%であることが好ましい。
【0018】この発明では強化用の高誘電率ガラス繊維
用のガラスが、上記組成構成をとるため、以下のように
9以上の比誘電率(1MHz,25℃)や良好な繊維化適
性を始めとして優れた特性が確保できるようになる。
比誘電率(1MHz、25℃)9以上の高誘電率であ
る。 誘電損失(1MHz、25℃)即ちtanδ0.
6%以下の低損失である。
用のガラスが、上記組成構成をとるため、以下のように
9以上の比誘電率(1MHz,25℃)や良好な繊維化適
性を始めとして優れた特性が確保できるようになる。
比誘電率(1MHz、25℃)9以上の高誘電率であ
る。 誘電損失(1MHz、25℃)即ちtanδ0.
6%以下の低損失である。
【0019】 100MHz以上の高周波域でも、上記
比誘電率および誘電損失の変化が僅かで、優れた高周波
誘電特性である。 化学的耐久性(耐酸性、耐アルカ
リ性、耐水性)に富む。 失透温度が融液粘度が10
2.5 ポアズとなる温度以下である。失透温度と102.5
ポアズ温度の差が大きいほど繊維化適性は良くなる。N
bO5/2 とAlO3/2 を併用する第2発明の場合は、失
透温度と102.5ポアズ温度の差は約90℃にも達する
ようにすることも容易である。
比誘電率および誘電損失の変化が僅かで、優れた高周波
誘電特性である。 化学的耐久性(耐酸性、耐アルカ
リ性、耐水性)に富む。 失透温度が融液粘度が10
2.5 ポアズとなる温度以下である。失透温度と102.5
ポアズ温度の差が大きいほど繊維化適性は良くなる。N
bO5/2 とAlO3/2 を併用する第2発明の場合は、失
透温度と102.5ポアズ温度の差は約90℃にも達する
ようにすることも容易である。
【0020】 歪み点が約600℃と高い。この発明
のガラス組成物の組成範囲を上記のように限定した理由
は、以下の通りである。 SiO2 :40〜65モル%(より好ましくは46〜6
0モル%) SiO2 は、ガラスの骨格を形成する成分であり、40
モル%未満だと失透温度の上昇と融液粘度の低下を招来
し必要な繊維化適性の確保が難しくなるとともに、化学
的耐久性も十分でなくなる。65モル%を上回ると9以
上の比誘電率の確保が難しいとともに、ガラス粘度が高
く融液化困難で繊維化し難くなる。
のガラス組成物の組成範囲を上記のように限定した理由
は、以下の通りである。 SiO2 :40〜65モル%(より好ましくは46〜6
0モル%) SiO2 は、ガラスの骨格を形成する成分であり、40
モル%未満だと失透温度の上昇と融液粘度の低下を招来
し必要な繊維化適性の確保が難しくなるとともに、化学
的耐久性も十分でなくなる。65モル%を上回ると9以
上の比誘電率の確保が難しいとともに、ガラス粘度が高
く融液化困難で繊維化し難くなる。
【0021】MgO,CaO,SrOおよびBaOの少
なくともひとつ:20〜45モル%(より好ましくは2
5〜40モル%)・・・第1発明の場合 MgO,CaO,SrOおよびBaOは、ガラス構造の
修飾イオンとして作用し、融液化を容易とする。また、
併用使用は失透温度の低下をもたらす。CaO,SrO
およびBaOは比誘電率を上昇させる働きをする。20
モル%未満だと、融液が得にくく繊維化適性が低下する
とともに9以上の比誘電率の確保が難しい。45モル%
を越えると失透温度の上昇と融液粘度の低下を招来し必
要な繊維化適性の確保が難しくなる。
なくともひとつ:20〜45モル%(より好ましくは2
5〜40モル%)・・・第1発明の場合 MgO,CaO,SrOおよびBaOは、ガラス構造の
修飾イオンとして作用し、融液化を容易とする。また、
併用使用は失透温度の低下をもたらす。CaO,SrO
およびBaOは比誘電率を上昇させる働きをする。20
モル%未満だと、融液が得にくく繊維化適性が低下する
とともに9以上の比誘電率の確保が難しい。45モル%
を越えると失透温度の上昇と融液粘度の低下を招来し必
要な繊維化適性の確保が難しくなる。
【0022】CaO,SrOおよびBaOの少なくとも
ひとつ:20〜45モル%(より好ましくは25〜40
モル%)・・・第2発明の場合 CaO,SrOおよびBaOは、ガラス構造の修飾イオ
ンとして作用し、融液化を容易とする。また、併用使用
は失透温度の低下をもたらす。CaO,SrOおよびB
aOは比誘電率を上昇させる働きをする。20モル%未
満だと、融液が得にくく繊維化適性が低下するとともに
9以上の比誘電率の確保が難しい。45モル%を越える
と失透温度の上昇と融液粘度の低下を招来し必要な繊維
化適性の確保が難しくなる。
ひとつ:20〜45モル%(より好ましくは25〜40
モル%)・・・第2発明の場合 CaO,SrOおよびBaOは、ガラス構造の修飾イオ
ンとして作用し、融液化を容易とする。また、併用使用
は失透温度の低下をもたらす。CaO,SrOおよびB
aOは比誘電率を上昇させる働きをする。20モル%未
満だと、融液が得にくく繊維化適性が低下するとともに
9以上の比誘電率の確保が難しい。45モル%を越える
と失透温度の上昇と融液粘度の低下を招来し必要な繊維
化適性の確保が難しくなる。
【0023】TiO2 およびZrO2 の少なくともひと
つ:5〜25モル%(より好ましくは7〜24モル%) TiO2 、ZrO2 は比誘電率を上昇させる働きと化学
的耐久性を高める働きがある。TiO2 とZrO2 の併
用が望ましく、TiO2 をZrO2 よりも多くすること
が多い。5モル%未満だと9以上の比誘電率や必要な化
学的耐久性の確保が難しい。25モル%を越えると失透
温度が上昇し繊維化適性が失われる。
つ:5〜25モル%(より好ましくは7〜24モル%) TiO2 、ZrO2 は比誘電率を上昇させる働きと化学
的耐久性を高める働きがある。TiO2 とZrO2 の併
用が望ましく、TiO2 をZrO2 よりも多くすること
が多い。5モル%未満だと9以上の比誘電率や必要な化
学的耐久性の確保が難しい。25モル%を越えると失透
温度が上昇し繊維化適性が失われる。
【0024】NbO5/2 :0.5〜15モル%(より好
ましくは1〜10モル%) NbO5/2 は比誘電率の低下を伴わずに失透温度を大き
く低下させる働きがある。0.5モル%未満では必要な
添加効果があらわれず、15モル%を越えると逆に失透
温度の上昇をもたらす。 AlO3/2 :0.5〜15モル%(より好ましくは1〜
10モル%) AlO3/2 はガラスの骨格を形成する成分であり、失透
温度の低下と、融液粘度の上昇をもたらす。0.5モル
%未満では必要な添加効果があらわれず、15モル%を
越えると比誘電率が低下するとともに、過度のガラス粘
度上昇を招来し融液化が困難で繊維化し難くなる。
ましくは1〜10モル%) NbO5/2 は比誘電率の低下を伴わずに失透温度を大き
く低下させる働きがある。0.5モル%未満では必要な
添加効果があらわれず、15モル%を越えると逆に失透
温度の上昇をもたらす。 AlO3/2 :0.5〜15モル%(より好ましくは1〜
10モル%) AlO3/2 はガラスの骨格を形成する成分であり、失透
温度の低下と、融液粘度の上昇をもたらす。0.5モル
%未満では必要な添加効果があらわれず、15モル%を
越えると比誘電率が低下するとともに、過度のガラス粘
度上昇を招来し融液化が困難で繊維化し難くなる。
【0025】MgO,CaO,SrOおよびBaO(又
は、CaO,SrOおよびBaO)の少なくともひとつ
の含有量が28〜35モル%、NbO5/2の含有量が2
〜9モル%であった場合には、失透温度と融液粘度が1
02.5 ポアズとなる温度との差が顕著となる傾向がある
ようである。また、上記酸化物の合計量が85モル%未
満だと、9以上の比誘電率の確保が難しかったり、必要
な繊維化適性(繊維成形性)の確保が難しくなる。
は、CaO,SrOおよびBaO)の少なくともひとつ
の含有量が28〜35モル%、NbO5/2の含有量が2
〜9モル%であった場合には、失透温度と融液粘度が1
02.5 ポアズとなる温度との差が顕著となる傾向がある
ようである。また、上記酸化物の合計量が85モル%未
満だと、9以上の比誘電率の確保が難しかったり、必要
な繊維化適性(繊維成形性)の確保が難しくなる。
【0026】なお、第1、2発明のガラス組成物は、必
須成分の他に、15モル%以下の範囲で、Li2 O,N
a2 O,K2 O,ZnO,MnO2 ,TaO5/2 , BO
3/2 , LaO3/2 ,CeO2 等の酸化物を少なくともひ
とつ含んでいてもよい。上記ガラス組成物を作るための
原料としては、酸化物(複合酸化物を含む)、炭酸塩、
硫酸塩、塩化物、フッ化物など様々な化合物が使用で
き、要は上記組成が得られさえすればよい。
須成分の他に、15モル%以下の範囲で、Li2 O,N
a2 O,K2 O,ZnO,MnO2 ,TaO5/2 , BO
3/2 , LaO3/2 ,CeO2 等の酸化物を少なくともひ
とつ含んでいてもよい。上記ガラス組成物を作るための
原料としては、酸化物(複合酸化物を含む)、炭酸塩、
硫酸塩、塩化物、フッ化物など様々な化合物が使用で
き、要は上記組成が得られさえすればよい。
【0027】この発明の回路用基板における高誘電率ガ
ラス繊維は、基板の機械的強度や寸法安定性を向上させ
るものであり、通常はクロス状の形であるが、他にマッ
ト状や単なるフィラメント(ファイバー)状の形でも使
用される。クロスやマットの場合、通常、繊維径0.5
〜20μm、厚み15μm〜1.5mm程度のものが用
いられる。
ラス繊維は、基板の機械的強度や寸法安定性を向上させ
るものであり、通常はクロス状の形であるが、他にマッ
ト状や単なるフィラメント(ファイバー)状の形でも使
用される。クロスやマットの場合、通常、繊維径0.5
〜20μm、厚み15μm〜1.5mm程度のものが用
いられる。
【0028】フィラメントの場合、通常、繊維径2〜5
0μm、長さ20〜300μm程度のものが用いられ
る。ガラス繊維と複合化される樹脂は、特に限定されな
いが、高周波域の用途では、高周波損失の少ない(低t
anδ)樹脂が好ましく、例えば、PPO(ポリフェニ
レンオキサイド)樹脂、フッ素樹脂(例えば、テフロ
ン:デュポン社の商品名のようなポリフッ化エチレン系
樹脂)、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン等が
挙げられる。より比誘電率の大きな樹脂(例えば、エポ
キシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフッ化ビニリデン、
フェノール樹脂等)の場合、比誘電率の点では好ましい
が、誘電損失が大きく、特に高周波用には適さなくな
る。
0μm、長さ20〜300μm程度のものが用いられ
る。ガラス繊維と複合化される樹脂は、特に限定されな
いが、高周波域の用途では、高周波損失の少ない(低t
anδ)樹脂が好ましく、例えば、PPO(ポリフェニ
レンオキサイド)樹脂、フッ素樹脂(例えば、テフロ
ン:デュポン社の商品名のようなポリフッ化エチレン系
樹脂)、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリスチレン等が
挙げられる。より比誘電率の大きな樹脂(例えば、エポ
キシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフッ化ビニリデン、
フェノール樹脂等)の場合、比誘電率の点では好ましい
が、誘電損失が大きく、特に高周波用には適さなくな
る。
【0029】そして、樹脂として、PPOと架橋性ポリ
マおよび/または架橋性モノマを含むPPO系組成物が
用いられていると非常に有用なものとなる。
マおよび/または架橋性モノマを含むPPO系組成物が
用いられていると非常に有用なものとなる。
【0030】
【化1】
【0031】〔ここに、Rは、水素または炭素数1〜3
の炭化水素基を表し、各Rは、同じであってもよく、異
なっていてもよい。〕で表されるものであり、その一例
としては、ポリ(2・6−ジメチル−1・4−フェニレ
ンオキサイド)が挙げられる。このようなPPOは、た
とえば、USP4059568号明細書に開示されてい
る方法で合成することができる。特に限定するものでは
ないが、たとえば、重量平均分子量(Mw)が50,0
00、分子量分布Mw/Mn=4.2(Mnは数平均分
子量)のポリマが好ましく使用される。
の炭化水素基を表し、各Rは、同じであってもよく、異
なっていてもよい。〕で表されるものであり、その一例
としては、ポリ(2・6−ジメチル−1・4−フェニレ
ンオキサイド)が挙げられる。このようなPPOは、た
とえば、USP4059568号明細書に開示されてい
る方法で合成することができる。特に限定するものでは
ないが、たとえば、重量平均分子量(Mw)が50,0
00、分子量分布Mw/Mn=4.2(Mnは数平均分
子量)のポリマが好ましく使用される。
【0032】架橋性ポリマとしては、特にこれらに限定
される訳ではないが、たとえば、1・2−ポリブタジエ
ン、1・4−ポリブタジエン、スチレンブタジエンコポ
リマ、変性1・2−ポリブタジエン(マレイン変性,ア
クリル変性,エポキシ変性)、ゴム類などが挙げられ、
それぞれ、単独でまたは2つ以上併せて用いられる。ポ
リマ状態は、エラストマーでもラバーでもよい。
される訳ではないが、たとえば、1・2−ポリブタジエ
ン、1・4−ポリブタジエン、スチレンブタジエンコポ
リマ、変性1・2−ポリブタジエン(マレイン変性,ア
クリル変性,エポキシ変性)、ゴム類などが挙げられ、
それぞれ、単独でまたは2つ以上併せて用いられる。ポ
リマ状態は、エラストマーでもラバーでもよい。
【0033】また、この発明の目的達成を妨げない範囲
で、PPO系樹脂組成物にポリスチレンを加えるように
してもよい。架橋性モノマとしては、たとえば、エス
テルアクリレート類,エポキシアクリレート類,ウレタ
ンアクリレート類,エーテルアクリレート類,メラミン
アクリレート類,アルキドアクリレート類,シリコンア
クリレート類等のアクリル酸類、トリアリルシアヌレ
ート,トリアリルイソシアヌレート,エチレングリコー
ルジメタクリレート,ジビニルベンゼン,ジアリルフタ
レート等の多官能モノマ、ビニルトルエン,エチルビ
ニルベンゼン,スチレン,パラメチルスチレン等の単官
能モノマ、多官能エポキシ類などが挙げられ、それぞ
れ、単独であるいは2つ以上併せて用いられるが、特に
これらに限定される訳ではない。
で、PPO系樹脂組成物にポリスチレンを加えるように
してもよい。架橋性モノマとしては、たとえば、エス
テルアクリレート類,エポキシアクリレート類,ウレタ
ンアクリレート類,エーテルアクリレート類,メラミン
アクリレート類,アルキドアクリレート類,シリコンア
クリレート類等のアクリル酸類、トリアリルシアヌレ
ート,トリアリルイソシアヌレート,エチレングリコー
ルジメタクリレート,ジビニルベンゼン,ジアリルフタ
レート等の多官能モノマ、ビニルトルエン,エチルビ
ニルベンゼン,スチレン,パラメチルスチレン等の単官
能モノマ、多官能エポキシ類などが挙げられ、それぞ
れ、単独であるいは2つ以上併せて用いられるが、特に
これらに限定される訳ではない。
【0034】架橋性モノマとしては、トリアリルシアヌ
レートおよび/またはトリアリルイソシアヌレートを用
いるのが、PPOとの相溶性が良く、架橋性,耐熱性お
よび誘電特性の面で好ましいのでよい。このほか、PP
O系樹脂組成物には、普通、開始剤が添加される。開始
剤としては、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイ
ド、2・5−ジメチル−2・5−ジ−(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3、2・5−ジメチル−2・5−
ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α・α′−
ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベ
ンゼン〔1・4(または1・3)−ビス(tert−ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼンともいう〕等の過酸
化物、日本油脂(株)のビスクミルなどがあげられ、そ
れぞれ、単独でまたは2つ以上併せて用いられるが、こ
れらに限定されない。
レートおよび/またはトリアリルイソシアヌレートを用
いるのが、PPOとの相溶性が良く、架橋性,耐熱性お
よび誘電特性の面で好ましいのでよい。このほか、PP
O系樹脂組成物には、普通、開始剤が添加される。開始
剤としては、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイ
ド、2・5−ジメチル−2・5−ジ−(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3、2・5−ジメチル−2・5−
ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α・α′−
ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベ
ンゼン〔1・4(または1・3)−ビス(tert−ブチル
パーオキシイソプロピル)ベンゼンともいう〕等の過酸
化物、日本油脂(株)のビスクミルなどがあげられ、そ
れぞれ、単独でまたは2つ以上併せて用いられるが、こ
れらに限定されない。
【0035】以上の原材料の配合割合は、特に限定され
ないが、PPOと架橋性ポリマおよび/または架橋性モ
ノマ、ならびに必要に応じて加えられる開始剤の合計量
に対して、PPOが7重量%以上、架橋性ポリマおよび
/または架橋性モノマが93重量%未満、開始剤が0.
1〜5重量%とする。より好ましくは、前記合計量に対
して、PPOが7重量%以上、架橋性ポリマが93重量
%未満、架橋性モノマが70重量%以下、開始剤が0.
1〜5重量%以下であり、さらにより好ましくは、PP
Oが10重量%以上、架橋性ポリマが20重量%以下、
架橋性モノマが60重量%以下、開始剤が0.5〜3重
量%の範囲である。
ないが、PPOと架橋性ポリマおよび/または架橋性モ
ノマ、ならびに必要に応じて加えられる開始剤の合計量
に対して、PPOが7重量%以上、架橋性ポリマおよび
/または架橋性モノマが93重量%未満、開始剤が0.
1〜5重量%とする。より好ましくは、前記合計量に対
して、PPOが7重量%以上、架橋性ポリマが93重量
%未満、架橋性モノマが70重量%以下、開始剤が0.
1〜5重量%以下であり、さらにより好ましくは、PP
Oが10重量%以上、架橋性ポリマが20重量%以下、
架橋性モノマが60重量%以下、開始剤が0.5〜3重
量%の範囲である。
【0036】上記配合による原料は、通常、溶剤(溶
媒)に溶かして混合(溶液混合)される。このとき、通
常の方法に従い、カップリング剤を用いてもよい。これ
は、無機誘電体粒子とこれ以外の樹脂成分(モノマも含
めて)との密着性を良好なものとし、最終製品の物性を
良好なものとするためである。溶剤に溶かす場合、PP
O系樹脂組成物の樹脂固形分量が、溶剤に対して10〜
30重量%の範囲にあるのが好ましい。混合後、溶剤を
除去することにより、PPO系樹脂組成物が得られる。
前記溶剤としては、トリクロロエチレン,トリクロロエ
タン,クロロホルム,塩化メチレン等のハロゲン化炭化
水素、クロロベンゼン,ベンゼン,トルエン,キシレン
等の芳香族炭化水素、アセトン、四塩化炭素などがあ
り、特にトリクロロエチレンが好ましく、これらをそれ
ぞれ単独でまたは2つ以上混合して用いることができる
が、これらに限定されない。なお、混合は他の方法によ
ってもよい。
媒)に溶かして混合(溶液混合)される。このとき、通
常の方法に従い、カップリング剤を用いてもよい。これ
は、無機誘電体粒子とこれ以外の樹脂成分(モノマも含
めて)との密着性を良好なものとし、最終製品の物性を
良好なものとするためである。溶剤に溶かす場合、PP
O系樹脂組成物の樹脂固形分量が、溶剤に対して10〜
30重量%の範囲にあるのが好ましい。混合後、溶剤を
除去することにより、PPO系樹脂組成物が得られる。
前記溶剤としては、トリクロロエチレン,トリクロロエ
タン,クロロホルム,塩化メチレン等のハロゲン化炭化
水素、クロロベンゼン,ベンゼン,トルエン,キシレン
等の芳香族炭化水素、アセトン、四塩化炭素などがあ
り、特にトリクロロエチレンが好ましく、これらをそれ
ぞれ単独でまたは2つ以上混合して用いることができる
が、これらに限定されない。なお、混合は他の方法によ
ってもよい。
【0037】この発明に用いられる無機誘電体粒子は、
普通、緻密な非多孔性粒子であるが、凝集を起こさない
分散適性のあるものであることを考慮して余り小さ過ぎ
ないように、また、沈降を避けることを考慮して余り大
き過ぎないようにする。このような観点から、非多孔性
無機誘電体粒子の場合は、平均粒径0.3〜5μmであ
って平均比表面積0.2〜7.0m2/g(好ましくは
平均粒径1〜5μmであって平均比表面積0.2〜3.
0m2/g)の範囲のものを用いることが適当である。
しかしながら、発明者らの検討の結果、図2にみるよう
に、表面に向けて開口する孔や割れ目などからなる空隙
が多数個あって、この空隙内に樹脂の一部が入り込むこ
とができるような多孔質粒子が、回路用基板の比誘電率
を効果的に高める為に好ましいことを見いだした。この
多孔性無機誘電体粒子の場合は、平均粒径5〜100μ
m、平均比表面積0.3〜7.0m2/gのものが好ま
しい。これらの非多孔質粒子と多孔質粒子は併用しても
よい。
普通、緻密な非多孔性粒子であるが、凝集を起こさない
分散適性のあるものであることを考慮して余り小さ過ぎ
ないように、また、沈降を避けることを考慮して余り大
き過ぎないようにする。このような観点から、非多孔性
無機誘電体粒子の場合は、平均粒径0.3〜5μmであ
って平均比表面積0.2〜7.0m2/g(好ましくは
平均粒径1〜5μmであって平均比表面積0.2〜3.
0m2/g)の範囲のものを用いることが適当である。
しかしながら、発明者らの検討の結果、図2にみるよう
に、表面に向けて開口する孔や割れ目などからなる空隙
が多数個あって、この空隙内に樹脂の一部が入り込むこ
とができるような多孔質粒子が、回路用基板の比誘電率
を効果的に高める為に好ましいことを見いだした。この
多孔性無機誘電体粒子の場合は、平均粒径5〜100μ
m、平均比表面積0.3〜7.0m2/gのものが好ま
しい。これらの非多孔質粒子と多孔質粒子は併用しても
よい。
【0038】粒径が100μmを超えると、回路用基板
の表面に粒子による凹凸が現れて平滑性が悪くなった
り、耐湿性(耐水性)が劣るようになったり、誘電損失
特性が悪くなったりするほか、製造時等に粒子が割れ易
くて誘電特性がばらついたりするという傾向がみられ
る。粒径が5μmを下回ると、誘電率向上効果が十分で
なくなる傾向がみられる。
の表面に粒子による凹凸が現れて平滑性が悪くなった
り、耐湿性(耐水性)が劣るようになったり、誘電損失
特性が悪くなったりするほか、製造時等に粒子が割れ易
くて誘電特性がばらついたりするという傾向がみられ
る。粒径が5μmを下回ると、誘電率向上効果が十分で
なくなる傾向がみられる。
【0039】比表面積が7.0 m2 /gを超えると、耐
湿性(耐水性)が劣るようになり、誘電損失特性が悪く
なる傾向がみられる。比表面積が0.3 m2 /gを下回
ると、誘電率向上効果が十分でなくなる傾向がみられ
る。多孔質無機誘電体粒子は、一次粒子が集合してでき
る二次粒子であってもよい。この二次粒子では、一次粒
子間に空隙があって多孔質になっている。この場合、多
孔質粒子を構成する一次粒子は、焼結により互いに物理
的・化学的に結合していることが好ましい。
湿性(耐水性)が劣るようになり、誘電損失特性が悪く
なる傾向がみられる。比表面積が0.3 m2 /gを下回
ると、誘電率向上効果が十分でなくなる傾向がみられ
る。多孔質無機誘電体粒子は、一次粒子が集合してでき
る二次粒子であってもよい。この二次粒子では、一次粒
子間に空隙があって多孔質になっている。この場合、多
孔質粒子を構成する一次粒子は、焼結により互いに物理
的・化学的に結合していることが好ましい。
【0040】この多孔質無機誘電体粒子は、ペロブスカ
イト型結晶構造を有する高誘電率組成の化合物からなる
ことが好ましい。多孔質無機誘電体粒子としては、例え
ば、BaTiO3 系、SrTiO3 系、PbTi1/2 Z
r1/2 O3 系、Pb(Mg2/3Nb1/3 )O3 系、Ba
(SnX MgY TaZ )O3 系、Ba(ZrX ZnY T
aZ )O3 系などのペロブスカイト型結晶構造(あるい
は複合ペロブスカイト型結晶構造)を有するもの、その
他、TiO2 、ZrO2 、SnO2 の単独およびその複
合酸化物などの無機化合物等が具体的に挙げられる。多
孔質無機誘電体粒子は、球状、あるいは、様々な形のブ
ロック片的形状であってよく、その形状については特に
限定しない。
イト型結晶構造を有する高誘電率組成の化合物からなる
ことが好ましい。多孔質無機誘電体粒子としては、例え
ば、BaTiO3 系、SrTiO3 系、PbTi1/2 Z
r1/2 O3 系、Pb(Mg2/3Nb1/3 )O3 系、Ba
(SnX MgY TaZ )O3 系、Ba(ZrX ZnY T
aZ )O3 系などのペロブスカイト型結晶構造(あるい
は複合ペロブスカイト型結晶構造)を有するもの、その
他、TiO2 、ZrO2 、SnO2 の単独およびその複
合酸化物などの無機化合物等が具体的に挙げられる。多
孔質無機誘電体粒子は、球状、あるいは、様々な形のブ
ロック片的形状であってよく、その形状については特に
限定しない。
【0041】この多孔質無機誘電体粒子は、例えば、
焼結密度が低く多孔質となるようにして得た無機誘電体
ブロックを粉砕したり、あるいは、無機粒子をバイン
ダー(例えば、PVA=ポリビニルアルコール水溶液)
中に分散し、乾燥雰囲気(例えば、130℃程度の温度
雰囲気)中にスプレーすることにより粒状物を得て、こ
れを1100℃程度の温度で焼成するようにしたりし
て、得ることができる。後者の場合、無機粒子として
は種々のものを選ぶことができるが、焼成は、スプレー
により得られた粒状物において、個々の粒状物内の粒子
同士は焼結により物理的・化学的な結合が起こり、特に
出発原料が微粒子の場合は粒成長が起こるが、粒状物同
士は簡単に離れる程度に行う。焼結粒子は、表面に開口
した孔や割れ目などがあって内部に空隙が生じており、
多孔質となっている。
焼結密度が低く多孔質となるようにして得た無機誘電体
ブロックを粉砕したり、あるいは、無機粒子をバイン
ダー(例えば、PVA=ポリビニルアルコール水溶液)
中に分散し、乾燥雰囲気(例えば、130℃程度の温度
雰囲気)中にスプレーすることにより粒状物を得て、こ
れを1100℃程度の温度で焼成するようにしたりし
て、得ることができる。後者の場合、無機粒子として
は種々のものを選ぶことができるが、焼成は、スプレー
により得られた粒状物において、個々の粒状物内の粒子
同士は焼結により物理的・化学的な結合が起こり、特に
出発原料が微粒子の場合は粒成長が起こるが、粒状物同
士は簡単に離れる程度に行う。焼結粒子は、表面に開口
した孔や割れ目などがあって内部に空隙が生じており、
多孔質となっている。
【0042】この焼結に際しては、必要に応じて焼結助
剤を用いても良い。焼結助剤としては、このような粒子
を焼結する際に通常使用される助剤であれば、何であっ
ても良いのであるが、強いて定義すれば、誘電体組成を
破壊せず、特性を損なわず、充分に補強効果を与えるも
のが好ましい。焼結助剤の使用量は、目的に応じて、ま
た、焼結助剤の種類に応じて適宜選択すれば良いが、通
常は、無機誘電体粒子に対して0.1〜5重量%が好ま
しい。焼結助剤の粒子径は、0.01〜100μmの範
囲であれば、いずれも使用できるが、均一に分散させる
ために、0.1〜50μm程度が好ましい。焼結助剤の
添加時期は、無機誘電体化合物の調製段階および焼成段
階の任意の時期でよい。例えば、無機粒子をバインダー
中に分散する際に同時に焼結助剤を分散させるようにす
るのである。
剤を用いても良い。焼結助剤としては、このような粒子
を焼結する際に通常使用される助剤であれば、何であっ
ても良いのであるが、強いて定義すれば、誘電体組成を
破壊せず、特性を損なわず、充分に補強効果を与えるも
のが好ましい。焼結助剤の使用量は、目的に応じて、ま
た、焼結助剤の種類に応じて適宜選択すれば良いが、通
常は、無機誘電体粒子に対して0.1〜5重量%が好ま
しい。焼結助剤の粒子径は、0.01〜100μmの範
囲であれば、いずれも使用できるが、均一に分散させる
ために、0.1〜50μm程度が好ましい。焼結助剤の
添加時期は、無機誘電体化合物の調製段階および焼成段
階の任意の時期でよい。例えば、無機粒子をバインダー
中に分散する際に同時に焼結助剤を分散させるようにす
るのである。
【0043】焼結助剤を用いた場合には、不使用の場合
に較べて、焼結が容易になるという効果のみでなく、多
孔質粒子の強度が向上するために回路用基板の作製時に
おける多孔質誘電体粒子の崩れが防止できるという付随
的効果や、比較的低温で焼結できるようになるため、よ
り空隙率の大きな多孔質粒子の形成を可能とし、回路用
基板の誘電率を向上させうる等の付随的効果が表れる場
合がある。
に較べて、焼結が容易になるという効果のみでなく、多
孔質粒子の強度が向上するために回路用基板の作製時に
おける多孔質誘電体粒子の崩れが防止できるという付随
的効果や、比較的低温で焼結できるようになるため、よ
り空隙率の大きな多孔質粒子の形成を可能とし、回路用
基板の誘電率を向上させうる等の付随的効果が表れる場
合がある。
【0044】焼結助剤の具体例としては以下のものがあ
る。すなわち、BaO−SiO2 −B2 O3 、CaO
−SiO2 −B2 O3 、Li2 O−SiO2 −B
2 O3 、Li2 O−Al2 O3 −SiO2 、Na2 O−
Al2 O3 −SiO2 、Li2 O−GeO2 、CdO−
PbO−SiO2 、Li2 O−SiO2、B2 O3 −B
i2 O3 、PbO−SiO2 −BaO、Na2 O−Pb
O−SiO2、PbO−GeO2 等のホウ酸系ガラス,
鉛系ガラス,ビスマス系ガラス,カドミウム系ガラス,
リチウム系ガラスなど、CuO、Bi2 O3 、B2 O
3 、CdO、Li2 O、PbO、WO3 、Pb5 Ge3
O11、Li2 SiO3 等の酸化物、および、LiF、
CuF2 、ZnF2 、CaF2 等の弗化物である。
る。すなわち、BaO−SiO2 −B2 O3 、CaO
−SiO2 −B2 O3 、Li2 O−SiO2 −B
2 O3 、Li2 O−Al2 O3 −SiO2 、Na2 O−
Al2 O3 −SiO2 、Li2 O−GeO2 、CdO−
PbO−SiO2 、Li2 O−SiO2、B2 O3 −B
i2 O3 、PbO−SiO2 −BaO、Na2 O−Pb
O−SiO2、PbO−GeO2 等のホウ酸系ガラス,
鉛系ガラス,ビスマス系ガラス,カドミウム系ガラス,
リチウム系ガラスなど、CuO、Bi2 O3 、B2 O
3 、CdO、Li2 O、PbO、WO3 、Pb5 Ge3
O11、Li2 SiO3 等の酸化物、および、LiF、
CuF2 、ZnF2 、CaF2 等の弗化物である。
【0045】無機誘電体化合物粒子を焼結する際には、
一般に、添加物の作用によって粒子成長や焼結体の電気
特性を制御することが行われているが、この発明におい
ても、従来知られている種々の添加物を同様の目的で使
用することができる。多孔質無機誘電体粒子としては、
前述のように、平均粒径5〜100μm、平均比表面積
0.3〜7.0 m2 /gのものが好ましいのであるが、
一次粒子を集合させて二次粒子にする場合には、一次粒
子としては、例えば、0.1〜5μm程度になる。これ
は、粒子を球とした場合、d(一次粒子の粒径)、ρ
(一次粒子の真比重)、Sw(二次粒子の比表面積)の
間に、d=6/(ρ×Sw)の関係があるからである。
したがって、例えば、チタン酸バリウムの場合、一次粒
子の粒径は0.14〜3.3μm程度となる。
一般に、添加物の作用によって粒子成長や焼結体の電気
特性を制御することが行われているが、この発明におい
ても、従来知られている種々の添加物を同様の目的で使
用することができる。多孔質無機誘電体粒子としては、
前述のように、平均粒径5〜100μm、平均比表面積
0.3〜7.0 m2 /gのものが好ましいのであるが、
一次粒子を集合させて二次粒子にする場合には、一次粒
子としては、例えば、0.1〜5μm程度になる。これ
は、粒子を球とした場合、d(一次粒子の粒径)、ρ
(一次粒子の真比重)、Sw(二次粒子の比表面積)の
間に、d=6/(ρ×Sw)の関係があるからである。
したがって、例えば、チタン酸バリウムの場合、一次粒
子の粒径は0.14〜3.3μm程度となる。
【0046】この発明において、マトリックス用樹脂と
無機誘電体粒子および補強材たるガラス繊維の配合割合
は、通常、樹脂:25〜95 vol%(体積%)、無機誘
電体粒子:5〜75 vol%であり、強化用の高誘電率ガ
ラス繊維は5〜70 vol%の範囲にある。この発明の回
路用基板は、例えば、下記のようにして製造する。
無機誘電体粒子および補強材たるガラス繊維の配合割合
は、通常、樹脂:25〜95 vol%(体積%)、無機誘
電体粒子:5〜75 vol%であり、強化用の高誘電率ガ
ラス繊維は5〜70 vol%の範囲にある。この発明の回
路用基板は、例えば、下記のようにして製造する。
【0047】上記のような原料を溶剤に溶かして混合す
ることによりPPO系樹脂組成物を得、これに無機誘電
体粒子を添加分散させてから、ガラスクロスに含浸させ
る。含浸後、風乾および/または熱風による乾燥などで
溶剤を除去しプリプレグを得る。このようにして作製し
たプリプレグを所定の設計厚みとなるように所定枚組み
合わせ、必要に応じて両面または片面に金属箔も組み合
わせて積層し、加熱圧締する等して樹脂を溶融させて、
プリプレグ同士やプリプレグと金属箔を互いに接着させ
て積層体を得る。この融着により強固な接着が得られる
が、このときの加熱でラジカル開始剤による架橋反応が
行われれば、いっそう強固な接着が得られるようにな
る。架橋反応は紫外線照射などにより行われてもよい。
熱架橋,光架橋が行われないときには、放射線照射によ
る架橋を行えばよい。また、熱架橋,光架橋が行われた
あとに放射線照射による架橋を行ってもよい。PPO系
樹脂組成物の硬化物では、硬化前に若干樹脂が流れるの
で、金属に対して良好な融着性を示す。ただし、接着剤
を併用しても構わない。
ることによりPPO系樹脂組成物を得、これに無機誘電
体粒子を添加分散させてから、ガラスクロスに含浸させ
る。含浸後、風乾および/または熱風による乾燥などで
溶剤を除去しプリプレグを得る。このようにして作製し
たプリプレグを所定の設計厚みとなるように所定枚組み
合わせ、必要に応じて両面または片面に金属箔も組み合
わせて積層し、加熱圧締する等して樹脂を溶融させて、
プリプレグ同士やプリプレグと金属箔を互いに接着させ
て積層体を得る。この融着により強固な接着が得られる
が、このときの加熱でラジカル開始剤による架橋反応が
行われれば、いっそう強固な接着が得られるようにな
る。架橋反応は紫外線照射などにより行われてもよい。
熱架橋,光架橋が行われないときには、放射線照射によ
る架橋を行えばよい。また、熱架橋,光架橋が行われた
あとに放射線照射による架橋を行ってもよい。PPO系
樹脂組成物の硬化物では、硬化前に若干樹脂が流れるの
で、金属に対して良好な融着性を示す。ただし、接着剤
を併用しても構わない。
【0048】金属箔としては、銅箔,アルミニウム箔等
が用いられる。圧締は、プリプレグ同士や金属箔とプリ
プレグの接合、積層板の厚み調整のために行うので、圧
締条件は必要に応じて選択される。同時に、無機誘電体
粒子を圧壊しないような条件を設定する。加熱により架
橋を行う場合、架橋反応は、使用する開始剤の反応温度
等に依存するので、開始剤の種類に応じて加熱温度を選
ぶとよい。加熱時間も開始剤等の種類に応じて選ぶとよ
い。たとえば、温度150〜300℃,圧力20〜40
kg/cm2 ,時間10〜60分間程度である。あらかじ
め、シートおよび/またはプリプレグを所定枚加熱積層
成形しておき、これの片面あるいは両面に金属箔を重ね
合わせて、再び加熱圧締するようであっても良い。この
ようにして、図1にみるように、例えば、樹脂2中に無
機誘電体粒子4が分散され高誘電率ガラス繊維1で強化
され両面に金属箔3が接着された両面プリント回路用基
板が得られるのである。回路用基板の厚みは、通常、
0.1〜2mm程度である。
が用いられる。圧締は、プリプレグ同士や金属箔とプリ
プレグの接合、積層板の厚み調整のために行うので、圧
締条件は必要に応じて選択される。同時に、無機誘電体
粒子を圧壊しないような条件を設定する。加熱により架
橋を行う場合、架橋反応は、使用する開始剤の反応温度
等に依存するので、開始剤の種類に応じて加熱温度を選
ぶとよい。加熱時間も開始剤等の種類に応じて選ぶとよ
い。たとえば、温度150〜300℃,圧力20〜40
kg/cm2 ,時間10〜60分間程度である。あらかじ
め、シートおよび/またはプリプレグを所定枚加熱積層
成形しておき、これの片面あるいは両面に金属箔を重ね
合わせて、再び加熱圧締するようであっても良い。この
ようにして、図1にみるように、例えば、樹脂2中に無
機誘電体粒子4が分散され高誘電率ガラス繊維1で強化
され両面に金属箔3が接着された両面プリント回路用基
板が得られるのである。回路用基板の厚みは、通常、
0.1〜2mm程度である。
【0049】この発明の範囲は、上記例示の化合物や数
値範囲あるいは処理方法に限られるものではない。
値範囲あるいは処理方法に限られるものではない。
【0050】
【作用】この発明の回路用基板における強化用の高誘電
率ガラス繊維は、第1発明の場合、SiO2 を40〜6
5モル%、MgO,CaO,SrOおよびBaOの少な
くともひとつを20〜45モル%、TiO2 およびZr
O2 の少なくともひとつを5〜25モル%、NbO5/2
を0.5〜15モル%それぞれ含み、これらの酸化物の
合計量を85モル%以上とするガラス組成物からなり、
第2発明の場合、SiO2 を40〜65モル%、Ca
O,SrOおよびBaOの少なくともひとつを20〜4
5モル%、TiO2 およびZrO2 の少なくともひとつ
を5〜25モル%、NbO5/2 を0.5〜15モル%、
AlO3/2を0.5〜15モル%それぞれ含み、これら
の酸化物の合計量を85モル%以上とするガラス組成物
からなるため、比誘電率(1MHz、25℃)9以上と高
比誘電率であり、誘電損失(1MHz、25℃)即ちta
nδ0.6%以下の低損失であって、しかも、100M
Hzの高周波域でも、上記比誘電率および誘電損失の変化
が僅かで優れた高周波誘電特性をも有する。
率ガラス繊維は、第1発明の場合、SiO2 を40〜6
5モル%、MgO,CaO,SrOおよびBaOの少な
くともひとつを20〜45モル%、TiO2 およびZr
O2 の少なくともひとつを5〜25モル%、NbO5/2
を0.5〜15モル%それぞれ含み、これらの酸化物の
合計量を85モル%以上とするガラス組成物からなり、
第2発明の場合、SiO2 を40〜65モル%、Ca
O,SrOおよびBaOの少なくともひとつを20〜4
5モル%、TiO2 およびZrO2 の少なくともひとつ
を5〜25モル%、NbO5/2 を0.5〜15モル%、
AlO3/2を0.5〜15モル%それぞれ含み、これら
の酸化物の合計量を85モル%以上とするガラス組成物
からなるため、比誘電率(1MHz、25℃)9以上と高
比誘電率であり、誘電損失(1MHz、25℃)即ちta
nδ0.6%以下の低損失であって、しかも、100M
Hzの高周波域でも、上記比誘電率および誘電損失の変化
が僅かで優れた高周波誘電特性をも有する。
【0051】そのため、無機誘電体粒子による誘電率向
上作用が阻害されず、微視的な内部の誘電率変動や樹脂
・無機誘電体粒子量の変化に伴う誘電率変動も抑制され
る。また、上記組成の場合、高誘電率ガラス繊維が化学
的耐久性(耐酸性、耐アルカリ性、耐水性)に富む(E
ガラスより遙に優れる)ため、加工時の化学処理での損
傷の問題がなく、PbOを多量に含む鉛系ガラスの場合
の毒性等の問題もないし、失透温度が融液粘度が10
2.5 ポアズとなる温度以下であるため、繊維化適性があ
って補強材用高誘電率ガラス繊維とすることができる
し、また、歪み点が約600℃と高く、クロス化の際の
一次バインダー除去処理も適切に行えるため、補強材と
して適切なガラスクロスとすることができる。
上作用が阻害されず、微視的な内部の誘電率変動や樹脂
・無機誘電体粒子量の変化に伴う誘電率変動も抑制され
る。また、上記組成の場合、高誘電率ガラス繊維が化学
的耐久性(耐酸性、耐アルカリ性、耐水性)に富む(E
ガラスより遙に優れる)ため、加工時の化学処理での損
傷の問題がなく、PbOを多量に含む鉛系ガラスの場合
の毒性等の問題もないし、失透温度が融液粘度が10
2.5 ポアズとなる温度以下であるため、繊維化適性があ
って補強材用高誘電率ガラス繊維とすることができる
し、また、歪み点が約600℃と高く、クロス化の際の
一次バインダー除去処理も適切に行えるため、補強材と
して適切なガラスクロスとすることができる。
【0052】樹脂として、ポリフェニレンオキサイドと
架橋性ポリマおよび/または架橋性モノマを含むポリフ
ェニレンオキサイド系組成物が用いられている場合は、
得られた回路用基板で架橋を容易に生じさせることがで
きて、耐熱性、引張強さ、衝撃強さ、破壊強さなど物理
的強度や寸法安定性が十分に確保されるようになる。無
機誘電体粒子が多孔質粒子である場合、誘電率向上作用
が強い。誘電率向上作用が強いのは、同じ重量の多孔質
粒子同士で比較した場合、多孔質粒子も非多孔質粒子も
真に占める体積割合は同じであるが、前者の多孔質無機
誘電体粒子は空隙により膨らんでいる分だけ見かけ上の
占有体積が大きく、そして、この多孔質無機誘電体粒子
が空隙部分も含めた広い領域が高誘電率域として機能す
るからである、と推察される。それに、多孔質粒子は、
非多孔質粒子に比べて内部に空隙があるため樹脂ワニス
中で沈降分離し難くて製造が容易である。それに、回路
用基板の加工(切断、孔開等)の際にも、同じ粒径の非
多孔質無機誘電体に比べて容易に破壊するので、加工表
面が良好で、加工消耗品の劣化も少ないという利点もあ
る。
架橋性ポリマおよび/または架橋性モノマを含むポリフ
ェニレンオキサイド系組成物が用いられている場合は、
得られた回路用基板で架橋を容易に生じさせることがで
きて、耐熱性、引張強さ、衝撃強さ、破壊強さなど物理
的強度や寸法安定性が十分に確保されるようになる。無
機誘電体粒子が多孔質粒子である場合、誘電率向上作用
が強い。誘電率向上作用が強いのは、同じ重量の多孔質
粒子同士で比較した場合、多孔質粒子も非多孔質粒子も
真に占める体積割合は同じであるが、前者の多孔質無機
誘電体粒子は空隙により膨らんでいる分だけ見かけ上の
占有体積が大きく、そして、この多孔質無機誘電体粒子
が空隙部分も含めた広い領域が高誘電率域として機能す
るからである、と推察される。それに、多孔質粒子は、
非多孔質粒子に比べて内部に空隙があるため樹脂ワニス
中で沈降分離し難くて製造が容易である。それに、回路
用基板の加工(切断、孔開等)の際にも、同じ粒径の非
多孔質無機誘電体に比べて容易に破壊するので、加工表
面が良好で、加工消耗品の劣化も少ないという利点もあ
る。
【0053】
【実施例】以下、実施例および比較例の説明を行う。ま
ず、実施例用と比較用のガラス組成物を、以下のように
して作成した。表1〜8に示す組成となるように、ガラ
ス組成物原料を調合し、白金ルツボに入れて加熱(4時
間、1500℃)し溶融した。なお、原料としては、S
iO2 にはSiO2 を、MgO,CaO,SrOおよび
BaOには炭酸塩を、TiO2 にはアナターゼ型TiO
2 を、ZrO2 にはZrO2 を、NbO5/2 にはNbO
5/2 の1級試薬をそれぞれ用いた。
ず、実施例用と比較用のガラス組成物を、以下のように
して作成した。表1〜8に示す組成となるように、ガラ
ス組成物原料を調合し、白金ルツボに入れて加熱(4時
間、1500℃)し溶融した。なお、原料としては、S
iO2 にはSiO2 を、MgO,CaO,SrOおよび
BaOには炭酸塩を、TiO2 にはアナターゼ型TiO
2 を、ZrO2 にはZrO2 を、NbO5/2 にはNbO
5/2 の1級試薬をそれぞれ用いた。
【0054】ついで、融液をカーボン板上に流し出し板
状に成形しアニール処理し板状ガラスを得た。各実施例
用と比較例用の板状ガラスについて下記のデータを得
た。 −比誘電率および誘電損失− まず、得られた板状ガラスを一部切断し研磨して誘電特
性評価用試料を作製した。ついで、この試料の両面に金
電極を蒸着形成し、インピーダンスアナライザーで比誘
電率および誘電損失(誘電正接)を測定した。測定周波
数は1MHz、1GHz、温度は25℃である。
状に成形しアニール処理し板状ガラスを得た。各実施例
用と比較例用の板状ガラスについて下記のデータを得
た。 −比誘電率および誘電損失− まず、得られた板状ガラスを一部切断し研磨して誘電特
性評価用試料を作製した。ついで、この試料の両面に金
電極を蒸着形成し、インピーダンスアナライザーで比誘
電率および誘電損失(誘電正接)を測定した。測定周波
数は1MHz、1GHz、温度は25℃である。
【0055】−102.5 ポアズ温度− 板状ガラスの一部を溶かし融液の粘度を白金球引き上げ
法により測定し102. 5 ポアズ温度を測定した。 −失透温度− 板状ガラスの一部を297〜500μmの粒子としてか
ら白金ボートに入れ温度勾配を有する電気炉に16時間
保持したのち空気中で放冷し顕微鏡下で失透出現位置を
求めることで測定した。
法により測定し102. 5 ポアズ温度を測定した。 −失透温度− 板状ガラスの一部を297〜500μmの粒子としてか
ら白金ボートに入れ温度勾配を有する電気炉に16時間
保持したのち空気中で放冷し顕微鏡下で失透出現位置を
求めることで測定した。
【0056】−繊維化適性− 板状ガラスの残部を粉砕し白金ブッシングに入れ、白金
ブッシングに直接通電しガラスを溶かし、ブッシング温
度を102.5 ポアズ温度に設定しておいて、ブッシング
底部の小穴(ノズル)から引き出し巻き取ってガラス繊
維を得るようにした。
ブッシングに直接通電しガラスを溶かし、ブッシング温
度を102.5 ポアズ温度に設定しておいて、ブッシング
底部の小穴(ノズル)から引き出し巻き取ってガラス繊
維を得るようにした。
【0057】上記データを表1〜8に併記する。なお、
上の場合、板状ガラスにしてから再溶融してガラス繊維
を得たが、最初の融液から直接ガラス繊維を得るように
してもよい。同様にガラス繊維を得ることができる。大
量生産の場合は、最初の融液から直接ガラス繊維を得る
ようにするのが適当である。
上の場合、板状ガラスにしてから再溶融してガラス繊維
を得たが、最初の融液から直接ガラス繊維を得るように
してもよい。同様にガラス繊維を得ることができる。大
量生産の場合は、最初の融液から直接ガラス繊維を得る
ようにするのが適当である。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
【表7】
【0065】
【表8】
【0066】組成1〜32の実施例用ガラスの場合はい
ずれも繊維化できたが、組成Xの比較用ガラスの場合は
TiO2 およびZrO 2の含有量が多すぎると同時にN
bO 5/2 を含まず、組成Yの比較用ガラスの場合はNb
O5/2 を含まないため、繊維化できなかった。また、組
成Zの比較用ガラスの場合もAlO3/2 は含むがNbO
5/2 を含まないため失透温度が102.5 ポアズ温度を越
えており、繊維化できなかった。AlO3/2 単独では必
要な繊維化適性が確保できないのである。10 2.5 ポア
ズ温度および失透温度のデータは繊維化適性の有無をよ
く裏付けている。なお、実施例用のガラスの場合は誘電
特性は高周波も含めて非常に良好である。
ずれも繊維化できたが、組成Xの比較用ガラスの場合は
TiO2 およびZrO 2の含有量が多すぎると同時にN
bO 5/2 を含まず、組成Yの比較用ガラスの場合はNb
O5/2 を含まないため、繊維化できなかった。また、組
成Zの比較用ガラスの場合もAlO3/2 は含むがNbO
5/2 を含まないため失透温度が102.5 ポアズ温度を越
えており、繊維化できなかった。AlO3/2 単独では必
要な繊維化適性が確保できないのである。10 2.5 ポア
ズ温度および失透温度のデータは繊維化適性の有無をよ
く裏付けている。なお、実施例用のガラスの場合は誘電
特性は高周波も含めて非常に良好である。
【0067】−実施例1− 平均粒径0.1μmのBaTi0.7 Zr0.3 O3粒子5
00gとホウケイ酸系ガラス(岩城硝子製)2.5gと
5wt%ポリビニルアルコール溶液50mlをイオン交
換水1リットル中でよく湿式混合した後、噴霧造粒し
た。次に、これを1050℃で2時間熱処理して、複数
の一次粒子からなる平均粒径20μm、平均比表面積1
.0 m2 /gの粒子を、多孔質無機誘電体粒子として
得た。
00gとホウケイ酸系ガラス(岩城硝子製)2.5gと
5wt%ポリビニルアルコール溶液50mlをイオン交
換水1リットル中でよく湿式混合した後、噴霧造粒し
た。次に、これを1050℃で2時間熱処理して、複数
の一次粒子からなる平均粒径20μm、平均比表面積1
.0 m2 /gの粒子を、多孔質無機誘電体粒子として
得た。
【0068】次に、この多孔質BaTi0.7 Zr0.3 O
3 粒子が180重量部(30 vol%)、PPO樹脂が7
4重量部(70 vol%)となるように秤量するととも
に、これにトリクレン(東亜合成化学工業(株)トリク
ロロエチレン)300重量部を添加・かく拌し、2リッ
トルの脱泡装置付反応器を用いてPPO樹脂を完全に溶
解させつつ脱泡させてワニスを得た。
3 粒子が180重量部(30 vol%)、PPO樹脂が7
4重量部(70 vol%)となるように秤量するととも
に、これにトリクレン(東亜合成化学工業(株)トリク
ロロエチレン)300重量部を添加・かく拌し、2リッ
トルの脱泡装置付反応器を用いてPPO樹脂を完全に溶
解させつつ脱泡させてワニスを得た。
【0069】一方、前記の組成3のガラスからなる繊維
を用いてガラスクロスを常法により得た。このガラスク
ロスは、平織ガラスクロスであって、厚み:100μ
m、繊維径:7μm、織密度:25mm当たり、縦60
本,横58本である。ワニスをよくかく拌してから、平
織ガラスクロスに含浸させ、50℃で乾燥させた。得ら
れたワニス含浸ガラスクロスにおけるPPO樹脂とBa
Ti0.7 Zr 0.3 O3 粒子の混合物とガラスクロスとの
割合は、樹脂と粒子の混合物:62wt%(約70 vol
%)、ガラスクロス:38wt%(約30 vol%)であ
った。このようにして得られたワニス含浸クロス5枚を
重ねて、上下に銅箔(厚み17μm)を配して、温度2
50℃、圧力33 kg/cm2 、10分間の成形条件で加圧
成形し、両面銅箔張りプリント回路用基板を得た。
を用いてガラスクロスを常法により得た。このガラスク
ロスは、平織ガラスクロスであって、厚み:100μ
m、繊維径:7μm、織密度:25mm当たり、縦60
本,横58本である。ワニスをよくかく拌してから、平
織ガラスクロスに含浸させ、50℃で乾燥させた。得ら
れたワニス含浸ガラスクロスにおけるPPO樹脂とBa
Ti0.7 Zr 0.3 O3 粒子の混合物とガラスクロスとの
割合は、樹脂と粒子の混合物:62wt%(約70 vol
%)、ガラスクロス:38wt%(約30 vol%)であ
った。このようにして得られたワニス含浸クロス5枚を
重ねて、上下に銅箔(厚み17μm)を配して、温度2
50℃、圧力33 kg/cm2 、10分間の成形条件で加圧
成形し、両面銅箔張りプリント回路用基板を得た。
【0070】−比較例1− ガラスクロスを下記組成の鉛系ガラス用いて作成した他
は、実施例1と同様にして両面銅箔張りプリント回路用
基板を得た。 「鉛ガラス」組成 PbO:41.2モル%、Si
O2 :55.3モル%、B2 O3 :2.8モル%、K2
O:0.7モル% 比誘電率 1MHz:13.0、1GHz:12.9 tanδ(%) 1MHz:0.09%、1GHz:0.54% −比較例2− ガラスクロスを下記組成のEガラス用いて作成した他
は、実施例1と同様にして両面銅箔張りプリント回路用
基板を得た。
は、実施例1と同様にして両面銅箔張りプリント回路用
基板を得た。 「鉛ガラス」組成 PbO:41.2モル%、Si
O2 :55.3モル%、B2 O3 :2.8モル%、K2
O:0.7モル% 比誘電率 1MHz:13.0、1GHz:12.9 tanδ(%) 1MHz:0.09%、1GHz:0.54% −比較例2− ガラスクロスを下記組成のEガラス用いて作成した他
は、実施例1と同様にして両面銅箔張りプリント回路用
基板を得た。
【0071】「Eガラス」組成 SiO2 :57.9モ
ル%、Al2 O3 :8.7モル%、B2 O3 :7.3モ
ル%、CaO:24.2モル%、MgO:1.6モル
%、K2 O:0.3モル% 比誘電率 1MHz:6.5、1GHz:6.5 tanδ(%) 1MHz:0.15%、1GHz:0.28% −実施例2〜7− 表9に示すPPO系樹脂組成物からなる樹脂ワニスを用
いるとともに、成形温度200℃、成形時間30分とし
た他は、実施例1と同様にして回路用基板を得た。
ル%、Al2 O3 :8.7モル%、B2 O3 :7.3モ
ル%、CaO:24.2モル%、MgO:1.6モル
%、K2 O:0.3モル% 比誘電率 1MHz:6.5、1GHz:6.5 tanδ(%) 1MHz:0.15%、1GHz:0.28% −実施例2〜7− 表9に示すPPO系樹脂組成物からなる樹脂ワニスを用
いるとともに、成形温度200℃、成形時間30分とし
た他は、実施例1と同様にして回路用基板を得た。
【0072】
【表9】
【0073】表9において、SBSはスチレンブタジエ
ンコポリマを、TAICはトリアリルイソシアヌレート
を、p−TAICはTAICのポリマを、そしてAは2
・5−ジメチル−2・5−ジ−(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3をそれぞれあらわす。この2・5−ジ
メチル−2・5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキ
シン−3は日本油脂(株)のパーヘキシン25Bを用い
た。
ンコポリマを、TAICはトリアリルイソシアヌレート
を、p−TAICはTAICのポリマを、そしてAは2
・5−ジメチル−2・5−ジ−(tert−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3をそれぞれあらわす。この2・5−ジ
メチル−2・5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキ
シン−3は日本油脂(株)のパーヘキシン25Bを用い
た。
【0074】−実施例8− 非多孔質無機誘電体粒子として、平均粒径20μmの、
平均比表面積0.2 m 2 /gのBaTi0.7 Zr0.3O
3 粒子をそのまま用いた他は、実施例1と同様にして両
面銅箔張りプリント回路用基板を得た。 −実施例9− 非多孔質無機誘電体粒子として、平均粒径1.6μm
の、平均比表面積1.5m2 /gのBaTi0.7 Zr
0.3 O3 粒子をそのまま用いた他は、実施例1と同様に
して両面銅箔張りプリント回路用基板を得た。
平均比表面積0.2 m 2 /gのBaTi0.7 Zr0.3O
3 粒子をそのまま用いた他は、実施例1と同様にして両
面銅箔張りプリント回路用基板を得た。 −実施例9− 非多孔質無機誘電体粒子として、平均粒径1.6μm
の、平均比表面積1.5m2 /gのBaTi0.7 Zr
0.3 O3 粒子をそのまま用いた他は、実施例1と同様に
して両面銅箔張りプリント回路用基板を得た。
【0075】−実施例10− 非多孔質無機誘電体粒子として、平均粒径3.4μm
の、平均比表面積1.7m2 /gのTiO2 (ルチル)
粒子347gをそのまま用いた他は、実施例1と同様に
して両面銅箔張りプリント回路用基板を得た。 −実施例11− 平均粒径0.1μmのBa0.7 Sr0.3 TiO3粒子5
00gとCuO1.7gと5wt%ポリビニルアルコー
ル溶液50mlをイオン交換水1リットル中でよく湿式
混合した後、噴霧造粒した。次に、これを1000℃で
2時間熱処理して、複数の一次粒子からなる平均粒径2
1μm、平均比表面積1 .3 m2 /gの粒子を、多孔質
無機誘電体粒子として得た。この他は、実施例1と同様
にして両面銅箔張りプリント回路用基板を得た。
の、平均比表面積1.7m2 /gのTiO2 (ルチル)
粒子347gをそのまま用いた他は、実施例1と同様に
して両面銅箔張りプリント回路用基板を得た。 −実施例11− 平均粒径0.1μmのBa0.7 Sr0.3 TiO3粒子5
00gとCuO1.7gと5wt%ポリビニルアルコー
ル溶液50mlをイオン交換水1リットル中でよく湿式
混合した後、噴霧造粒した。次に、これを1000℃で
2時間熱処理して、複数の一次粒子からなる平均粒径2
1μm、平均比表面積1 .3 m2 /gの粒子を、多孔質
無機誘電体粒子として得た。この他は、実施例1と同様
にして両面銅箔張りプリント回路用基板を得た。
【0076】−実施例12− 平均粒径0.1μmのBaTi0.7 Zr0.3 O3粒子5
00gと5wt%ポリビニルアルコール溶液50mlを
イオン交換水1リットル中でよく湿式混合した後、噴霧
造粒した。次に、これを1100℃で2時間熱処理し
て、複数の一次粒子からなる平均粒径80μm、平均比
表面積5.6 m2 /gの粒子を、多孔質無機誘電体粒子
として得た。この他は、実施例1と同様にして両面銅箔
張りプリント回路用基板を得た。
00gと5wt%ポリビニルアルコール溶液50mlを
イオン交換水1リットル中でよく湿式混合した後、噴霧
造粒した。次に、これを1100℃で2時間熱処理し
て、複数の一次粒子からなる平均粒径80μm、平均比
表面積5.6 m2 /gの粒子を、多孔質無機誘電体粒子
として得た。この他は、実施例1と同様にして両面銅箔
張りプリント回路用基板を得た。
【0077】−実施例13− 平均粒径0.1μmのBaTi0.7 Zr0.3 O3粒子1
00gとCuO1.7gと5wt%ポリビニルアルコー
ル溶液10mlをイオン交換水1リットル中でよく湿式
混合した後、噴霧造粒した。次に、これを1100℃で
2時間熱処理して、複数の一次粒子からなる平均粒径6
μm、平均比表面積5.3 m2 /gの粒子を、多孔質無
機誘電体粒子として得た。この他は、実施例1と同様に
して両面銅箔張りプリント回路用基板を得た。
00gとCuO1.7gと5wt%ポリビニルアルコー
ル溶液10mlをイオン交換水1リットル中でよく湿式
混合した後、噴霧造粒した。次に、これを1100℃で
2時間熱処理して、複数の一次粒子からなる平均粒径6
μm、平均比表面積5.3 m2 /gの粒子を、多孔質無
機誘電体粒子として得た。この他は、実施例1と同様に
して両面銅箔張りプリント回路用基板を得た。
【0078】−実施例14− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例1と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。 −実施例15− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例2と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。
実施例1と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。 −実施例15− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例2と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。
【0079】−実施例16− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例3と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。 −実施例17− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例4と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。
実施例3と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。 −実施例17− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例4と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。
【0080】−実施例18− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例5と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。 −実施例19− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例6と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。
実施例5と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。 −実施例19− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例6と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。
【0081】−実施例20− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例7と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。 −実施例21− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例8と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。
実施例7と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。 −実施例21− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例8と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。
【0082】−実施例22− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例9と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。 −実施例23− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例10と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用
基板を得た。
実施例9と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用基
板を得た。 −実施例23− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例10と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用
基板を得た。
【0083】−実施例24− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例11と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用
基板を得た。 −実施例25− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例12と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用
基板を得た。
実施例11と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用
基板を得た。 −実施例25− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例12と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用
基板を得た。
【0084】−実施例26− ガラスクロスを組成26のガラス組成物で作製した他は
実施例13と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用
基板を得た。なお、実施例2〜26および比較例1、2
では、無機誘電体粒子とPPO樹脂組成物との体積比率
は30:70、および、無機誘電体粒子とPPO樹脂組
成物脂の混合物とガラスクロスとの体積比率は70:3
0、と実施例1と同じであった。
実施例13と同様にして、両面銅箔張りプリント回路用
基板を得た。なお、実施例2〜26および比較例1、2
では、無機誘電体粒子とPPO樹脂組成物との体積比率
は30:70、および、無機誘電体粒子とPPO樹脂組
成物脂の混合物とガラスクロスとの体積比率は70:3
0、と実施例1と同じであった。
【0085】得られた各回路用基板について、比誘電率
(εr ) 、誘電正接( tanδ) 、引きはがし強度、およ
び、はんだ耐熱性をそれぞれ調べた。表10、11は比
誘電率(εr ) と誘電正接(tanδ) の測定結果を示
し、表12、13は引きはがし強度とはんだ耐熱性の測
定結果を示す。
(εr ) 、誘電正接( tanδ) 、引きはがし強度、およ
び、はんだ耐熱性をそれぞれ調べた。表10、11は比
誘電率(εr ) と誘電正接(tanδ) の測定結果を示
し、表12、13は引きはがし強度とはんだ耐熱性の測
定結果を示す。
【0086】
【表10】
【0087】
【表11】
【0088】
【表12】
【0089】
【表13】
【0090】表にみるように、実施例1のプリント回路
用基板は、鉛ガラスを用いた比較例1のものに比べて1
GHzでの誘電損失が少なく、Eガラスを用いた比較例2
の基板に比べて比誘電率が高く、高周波域の基板として
適性を有することがよく分かる。実施例2〜7および実
施例15〜20とそれ以外の実施例を比較すれば、架橋
の容易なPPO樹脂組成物を用いることが、耐熱性を向
上させるものであることも良く分かる。
用基板は、鉛ガラスを用いた比較例1のものに比べて1
GHzでの誘電損失が少なく、Eガラスを用いた比較例2
の基板に比べて比誘電率が高く、高周波域の基板として
適性を有することがよく分かる。実施例2〜7および実
施例15〜20とそれ以外の実施例を比較すれば、架橋
の容易なPPO樹脂組成物を用いることが、耐熱性を向
上させるものであることも良く分かる。
【0091】実施例1〜7、11〜13と実施例8〜1
0、あるいは、実施例14〜20、24〜26と実施例
21〜23を比較すれば、多孔質無機誘電体粒子が誘電
率向上作用の強いものであることがよく分かる。実施例
1〜7、11、13〜20、24、26で使用した多孔
質無機誘電体粒子(焼結剤有り)と実施例12、25で
使用した多孔質無機誘電体粒子(焼結剤無し)を、PC
T(粒強度)試験機(島津製作所製)を用いて粒子強度
を調べた。前者は、7.0〜8.5kg/mm2 の範囲
にあり、後者は、3.5〜3.8kg/mm2 の範囲に
あり、焼結剤を使用することが粒強度を高めることを確
認した。
0、あるいは、実施例14〜20、24〜26と実施例
21〜23を比較すれば、多孔質無機誘電体粒子が誘電
率向上作用の強いものであることがよく分かる。実施例
1〜7、11、13〜20、24、26で使用した多孔
質無機誘電体粒子(焼結剤有り)と実施例12、25で
使用した多孔質無機誘電体粒子(焼結剤無し)を、PC
T(粒強度)試験機(島津製作所製)を用いて粒子強度
を調べた。前者は、7.0〜8.5kg/mm2 の範囲
にあり、後者は、3.5〜3.8kg/mm2 の範囲に
あり、焼結剤を使用することが粒強度を高めることを確
認した。
【0092】
【発明の効果】以上に述べたように、第1、第2発明に
かかる回路用基板は、繊維化容易で誘電率も高く、しか
も、化学的耐久性が良好な組成のガラス繊維で強化され
ており、優れた誘電特性であって製造も容易であるた
め、有用である。加えて、樹脂分として架橋可能なPP
O系樹脂組成物を用いているため、架橋が容易に起き
て、耐熱性を始め、引張強さ、衝撃強さ、破裂強さなど
大いに高まり、非常に有用な基板である。
かかる回路用基板は、繊維化容易で誘電率も高く、しか
も、化学的耐久性が良好な組成のガラス繊維で強化され
ており、優れた誘電特性であって製造も容易であるた
め、有用である。加えて、樹脂分として架橋可能なPP
O系樹脂組成物を用いているため、架橋が容易に起き
て、耐熱性を始め、引張強さ、衝撃強さ、破裂強さなど
大いに高まり、非常に有用な基板である。
【0093】請求項8の回路用基板では、非多孔質無機
誘電体粒子の平均粒径が0.3〜5μm、平均比表面積
0.2〜7.0 m2/grのものであるため、粒子の凝集
・沈降が避けられるとともに分散性が良好であり、回路
用基板の製造は容易であり、誘電率の不均一性も抑えら
れる。請求項9〜13の回路用基板は、加えて、樹脂中
に分散している無機誘電体粒子が、沈降分離し難く誘電
率向上効果の高い粒子であって、より製造し易く、誘電
特性に優れるため、非常に有用な基板である。請求項9
の回路用基板では、加えて、多孔質無機誘電体粒子の平
均粒径が5〜100μm、平均比表面積0.3〜7.0
m2/grのものであるため、誘電率向上効果がより顕著
に発揮される。
誘電体粒子の平均粒径が0.3〜5μm、平均比表面積
0.2〜7.0 m2/grのものであるため、粒子の凝集
・沈降が避けられるとともに分散性が良好であり、回路
用基板の製造は容易であり、誘電率の不均一性も抑えら
れる。請求項9〜13の回路用基板は、加えて、樹脂中
に分散している無機誘電体粒子が、沈降分離し難く誘電
率向上効果の高い粒子であって、より製造し易く、誘電
特性に優れるため、非常に有用な基板である。請求項9
の回路用基板では、加えて、多孔質無機誘電体粒子の平
均粒径が5〜100μm、平均比表面積0.3〜7.0
m2/grのものであるため、誘電率向上効果がより顕著
に発揮される。
【0094】請求項11の回路用基板では、加えて、多
孔質無機誘電体粒子が一次粒子が集合してなる二次粒子
であって、この多孔質粒子の作製が容易であるため、結
果として回路用基板が製造し易いものとなっている。請
求項12の回路用基板では、加えて、多孔質無機誘電体
粒子における一次粒子が焼結により互いに結合している
ため、誘電率向上効果がより顕著に発揮されるようにな
る。
孔質無機誘電体粒子が一次粒子が集合してなる二次粒子
であって、この多孔質粒子の作製が容易であるため、結
果として回路用基板が製造し易いものとなっている。請
求項12の回路用基板では、加えて、多孔質無機誘電体
粒子における一次粒子が焼結により互いに結合している
ため、誘電率向上効果がより顕著に発揮されるようにな
る。
【0095】請求項13の回路用基板では、多孔質無機
誘電体粒子の強度が向上しているため、複合化工程で粒
子破壊が発生せず、安定した性能が期待でき、粒子の製
造が容易となる。
誘電体粒子の強度が向上しているため、複合化工程で粒
子破壊が発生せず、安定した性能が期待でき、粒子の製
造が容易となる。
【0096】請求項14の回路用基板では、多孔質無機
誘電体粒子がペロブスカイト型結晶構造を有する化合物
からなるため、誘電率向上効果がより顕著である。
誘電体粒子がペロブスカイト型結晶構造を有する化合物
からなるため、誘電率向上効果がより顕著である。
【図1】この発明の回路用基板の構成例をあらわす概略
断面図である。
断面図である。
【図2】この発明の回路用基板に使われる多孔質無機誘
電体粒子の一例をあらわす断面図である。
電体粒子の一例をあらわす断面図である。
1 ガラスクロス(高誘電率ガラス繊維) 2 樹脂 3 金属箔 4 多孔質無機誘電体粒子
Claims (14)
- 【請求項1】 樹脂中に無機誘電体粒子が分散され高誘
電率ガラス繊維で強化されてなる回路用基板であって、
前記樹脂として、ポリフェニレンオキサイドと架橋性ポ
リマおよび/または架橋性モノマを含むポリフェニレン
オキサイド系組成物が用いられ、前記高誘電率ガラス繊
維が、SiO2 を40〜65モル%、MgO,CaO,
SrOおよびBaOの少なくともひとつを20〜45モ
ル%、TiO2 およびZrO2 の少なくともひとつを5
〜25モル%、NbO5/2 を0.5〜15モル%それぞ
れ含み、これらの酸化物の合計量が85モル%以上であ
り、比誘電率(1MHz,25℃)9以上の繊維化適性を
有するガラス組成物からなることを特徴とする回路用基
板。 - 【請求項2】 SiO2 の含有量が46〜60モル%、
MgO,CaO,SrOおよびBaOの少なくともひと
つの含有量が25〜40モル%、TiO2 およびZrO
2 の少なくともひとつの含有量が7〜24モル%、Nb
O5/2 の含有量が1〜10モル%である請求項1記載の
回路用基板。 - 【請求項3】 樹脂中に無機誘電体粒子が分散され高誘
電率ガラス繊維で強化されてなる回路用基板であって、
前記樹脂として、ポリフェニレンオキサイドと架橋性ポ
リマおよび/または架橋性モノマを含むポリフェニレン
オキサイド系組成物が用いられ、前記高誘電率ガラス繊
維が、SiO2 を40〜65モル%、CaO,SrOお
よびBaOの少なくともひとつを20〜45モル%、T
iO2およびZrO2 の少なくともひとつを5〜25モ
ル%、NbO5/2 を0.5〜15モル%、AlO3/2 を
0.5〜15モル%それぞれ含み、これらの酸化物の合
計量が85モル%以上であり、比誘電率(1MHz,25
℃)9以上の繊維化適性を有するガラス組成物からなる
ことを特徴とする回路用基板。 - 【請求項4】 SiO2 の含有量が46〜60モル%、
CaO,SrOおよびBaOの少なくともひとつの含有
量が25〜40モル%、TiO2 およびZrO2 の少な
くともひとつの含有量が7〜24モル%、NbO5/2 の
含有量が1〜10モル%、AlO3/2 の含有量が1〜1
0モル%である請求項3記載の回路用基板。 - 【請求項5】 前記樹脂が、ポリフェニレンオキサイド
と架橋性ポリマおよび/または架橋性モノマの合計量に
対して、ポリフェニレンオキサイド7重量%以上、架橋
性ポリマおよび/または架橋性モノマ93重量%未満で
ある請求項1〜4のいずれかに記載の回路用基板。 - 【請求項6】 架橋性ポリマが、1・2ポリブタジエ
ン、1・4ポリブタジエン、スチレンブタジエンコポリ
マ、変性1・2ポリブタジエン、ゴム類からなる群の中
から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜5のいず
れかに記載の回路用基板。 - 【請求項7】 架橋性モノマが、エステルアクリレート
類、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート
類、エーテルアクリレート類、メラミンアクリレート
類、アルキドアクリレート類、シリコンアクリレート
類、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ
ート、エチレングリコールジメタクリレート、ジビニル
ベンゼン、ジアリルフタレート、ビニルトルエン、エチ
ルビニルベンゼン、スチレン、パラメチルスチレンおよ
び多官能エポキシ類からなる群の中から選ばれた少なく
とも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の回路用
基板。 - 【請求項8】 無機誘電体粒子が非多孔質粒子であっ
て、平均粒径0.3〜5μm、平均比表面積0.2〜
7.0 m2 /gのものである請求項1から7までのいず
れかに記載の回路用基板。 - 【請求項9】 無機誘電体粒子が多孔質粒子である請求
項1から7までのいずれかに記載の回路用基板。 - 【請求項10】 多孔質無機誘電体粒子が、平均粒径5
〜100μm、平均比表面積0.3〜7.0 m2 /gの
ものである請求項9記載の回路用基板。 - 【請求項11】 多孔質無機誘電体粒子が、一次粒子が
集合してなる二次粒子である請求項9または10記載の
回路用基板。 - 【請求項12】 二次粒子は一次粒子が焼結により互い
に結合してなるものである請求項11記載の回路用基
板。 - 【請求項13】 焼結が焼結助剤を添加してなされてい
る請求項12記載の回路用基板。 - 【請求項14】 無機誘電体粒子が、ペロブスカイト型
結晶構造を有する化合物からなる請求項1から13まで
のいずれかに記載の回路用基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4017943A JP2733160B2 (ja) | 1991-06-18 | 1992-02-03 | 回路用基板 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14590191 | 1991-06-18 | ||
JP3-145901 | 1991-06-18 | ||
JP4017943A JP2733160B2 (ja) | 1991-06-18 | 1992-02-03 | 回路用基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0563323A JPH0563323A (ja) | 1993-03-12 |
JP2733160B2 true JP2733160B2 (ja) | 1998-03-30 |
Family
ID=26354537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4017943A Expired - Fee Related JP2733160B2 (ja) | 1991-06-18 | 1992-02-03 | 回路用基板 |
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JP5901066B2 (ja) * | 2012-04-27 | 2016-04-06 | 三井金属鉱業株式会社 | 樹脂組成物、樹脂層付金属箔、金属張積層板及びプリント配線板 |
JP2020138388A (ja) | 2019-02-27 | 2020-09-03 | 株式会社リコー | 液体吐出装置、液体吐出方法およびプログラム |
CN113135667B (zh) * | 2021-04-28 | 2022-09-27 | 泰山玻璃纤维有限公司 | 一种高介电常数低介电损耗玻璃纤维 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2617632B2 (ja) * | 1991-02-08 | 1997-06-04 | 松下電工株式会社 | ガラス組成物および回路用基板 |
JPH0825771B2 (ja) * | 1991-06-14 | 1996-03-13 | 松下電工株式会社 | ガラス組成物および回路用基板 |
-
1992
- 1992-02-03 JP JP4017943A patent/JP2733160B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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