JPH07179220A - 荷搬出入用リフタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立作業や部品の搬入出効率の向上および安
全性確保等が図れる荷搬出入用リフタを提供する。 【構成】 昇降枠５の上昇により、前端または後端を昇
降枠５に枢支されている荷台６が傾動手段11の作用で前
下方に傾斜するので、この状態で搬入用コンベア１から
コンテナ等の荷Ａを流動させて荷台に移載する。そし
て、荷Ａ内の部品等を使用し終わるか、荷Ａ内に部品等
を収納し終わった後は、昇降枠５の下降により傾動手段
11の作用で荷台６が後下方に傾斜するので、この状態で
荷Ａを荷台６から搬出用コンベア２に流動させて移載す
るようにする。これにより、組立作業や部品の搬入出作
業が容易かつ安全に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、工場等における組立工
程等において用いられる荷搬出入用リフタに係り、特に
部品収容コンテナ等の荷の搬入および搬出を容易に行え
るようにした荷搬出入用リフタに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、工場等において組立工程等に部品
を供給する場合、例えば実開昭６１−１５１９０９号公
報等に示されているように、作業者の後方に、ラックに
設けたローラコンベア上に部品を収納した荷（コンテ
ナ）を載置し、作業者の近くに供給することが行われて
いる。

【０００３】また他の手段として、特公平５−４２８３
号公報等に示されているように、上下のコンベアの端部
に昇降自在な昇降部を設け、上部のコンベアよりコンテ
ナを昇降部に移載し、コンテナ内に部品を供給したり、
コンテナ内の部品を使用した後に昇降部を下降させて下
部のコンベアにコンテナを移送することも行われてい
る。この場合、昇降部は略水平に昇降するもので、昇降
部の荷の移載は昇降部に設けたベルトを駆動装置により
駆動させて行っている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した実
開昭６１−１５１９０９号公報記載の手段等では、作業
者がコンテナ内の部品を使用し終わると、そのコンテナ
を取出して別の台車等に載せるか、ラックにコンテナ返
送用のローラコンベアを設け、作業者がコンテナをこの
ローラコンベアに移し換える等の作業を行わなければな
らず、作業の中断等により生産効率が低下する不具合が
ある。また、この手段をコンテナへの部品収納に使用す
ることは、コンテナ移し換え時の重量を考慮すると安全
性、作業性等の面から好ましくないものである。

【０００５】また、特公平５−４２８３号公報記載の手
段等によれば、前記の欠点を解決することは可能である
が、昇降部が水平に昇降し、昇降部に設けた駆動装置に
より回転駆動されるベルトによりコンテナを移送してい
るので、コンテナは常に水平であり、コンテナ内の部品
の取出しやコンテナ内への部品の供給が行いにくく、か
つ昇降部からコンテナをコンベアに移し換える作業で
は、昇降部のベルトを駆動装置によって回転駆動させな
ければならないため、装置が複雑で故障の原因となった
り、運転コストがかかり、また作業者がベルトコンベア
に巻込まれる危険性がある等、種々の問題がある。

【０００６】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、組立作業や部品の搬入出効率の向上および安
全性確保等が図れる荷搬出入用リフタを提供することを
目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項１の発明に係る荷搬出入用リフタは、少なく
とも上下２段に設けられた搬入用コンベアおよび搬出用
コンベアの前方に、昇降手段によりガイド枠に沿って昇
降する昇降枠を設け、この昇降枠に、前端にストッパを
備える荷台を前端または後端を枢支して傾動可能に設け
るとともに、この荷台を搬入用コンベア前方位置で前下
方に傾斜させ搬出用コンベアの前方位置で後下方に傾斜
させる傾動手段を設けたことを特徴とする。

【０００８】請求項２の発明は、請求項１記載の荷搬出
入用リフタにおいて、傾動手段が、ガイド枠に設けられ
下降した荷台の前端または後端に当接して荷台を押上げ
傾斜させる荷台支持部であることを特徴とする。

【０００９】請求項３の発明は、請求項１または２記載
の荷搬出入用リフタにおいて、荷台の前端のストッパ
が、前後方向に摺動自在なスライドストッパであること
を特徴とする。

【００１０】

【作用】請求項１の発明においては、昇降枠の上昇によ
り、前端または後端を昇降枠に枢支されている荷台が傾
動手段の作用で前下方に傾斜するので、この状態で搬入
用コンベアからコンテナ等の荷を流動させて荷台に移載
する。そして、荷内の部品等を使用し終わるか、荷内に
部品等を収納し終わった後は、昇降枠の下降により傾動
手段の作用で荷台が後下方に傾斜するので、この状態で
荷を荷台から搬出用コンベアに流動させて移載するよう
にする。これにより、組立作業や部品の搬入出作業が容
易かつ安全に行われる。

【００１１】請求項２の発明においては、傾動手段が下
降した荷台の前端または後端に当接して荷台を押上げ傾
斜させる荷台支持部であることから、搬入用コンベアか
ら流動した荷を受ける荷台は上昇位置で前下方に傾斜し
た状態となる。したがって、この状態では荷台上の荷も
前下方に傾斜しているので、収納した部品等を目視によ
り確認することが容易であり、不要な荷の搬出も容易に
行える。また、荷降ろしすることなく、容易に収納物の
取出しや収納も行える。

【００１２】請求項３の発明においては、荷台のストッ
パを前後方向に摺動自在なスライドストッパとしたこと
で、作業の必要に応じて荷を作業者の位置に対応して前
後方向に調整することが可能である。したがって、作業
者は調整した位置で荷内の部品等の取出しや荷内への部
品収納等を容易に行える。

【００１３】

【実施例】以下、本発明に係る荷搬出入用リフタの一実
施例を、図１および図２を参照して説明する。図１は本
実施例の要部構成を示す側面図、図２は図１の平面図、
図３は操作手順を示すフローチャートである。

【００１４】本実施例では、図１および図２に示すよう
に、水平な公知のローラ駆動式の搬入用コンベア(１)お
よび後下方に傾斜する公知のフリーローラ式の搬出用コ
ンベア(２)が、架台（図示せず）により上下２段に設け
られ、荷（コンテナ）(Ａ)を上方から搬入し、下方に搬
出するようになっている。

【００１５】搬入用コンベア(１)の前端部には、コンベ
ア上を開閉する搬入停止用ストッパ(３)が設けられ、こ
のストッパ(３)は後述する荷台に荷(Ａ)が無い場合にセ
ンサ検出信号によって開となるように設定されている。

【００１６】搬入用コンベア(１)および搬出用コンベア
(２)の前方にガイド枠(４)が立設され、このガイド枠
(４)に沿いシリンダ機構等の昇降手段(５ａ)によって昇
降させられる昇降枠(５)に、荷(Ａ)の受入れおよび払出
しを行うための荷台(６)が設けられている。荷台(６)
は、荷(Ａ)を前後方向に移動可能に支持する左右に離間
した一対のローラ式荷受部(７)と、その前端に設けられ
た荷(Ａ)の前進停止用ストッパ(８)とを有する構成とさ
れている。

【００１７】荷台(６)の後端は、昇降枠(５)に左右方向
を向く軸(９)をもって枢支されて傾動可能とされ、前端
は、高さ調整可能な上向ピン状の支持部材(10)によって
下方から接離可能に支持されている。これら軸(９)と支
持部材(10)との支持により、荷台(６)には昇降枠(５)が
一定高さ位置まで上昇した状態で、搬入用コンベア(１)
から荷(Ａ)を重力降下により受入れ可能な傾斜角度が設
定されている。

【００１８】さらに荷台(６)は、傾動手段(11)によって
搬入用コンベア(１)の前方位置で前下方に傾斜し搬出用
コンベア(２)の前方位置で後下方に傾斜するようになっ
ている。すなわち、この傾動手段(11)はガイド枠(４)の
下部に高さ調整可能に設けられた取付板(11a)に左右方
向を向く軸(11b)をもって枢着されたローラ(11c)を備え
ており、図１に示すように、荷台(６)が所定位置まで下
降したとき、荷台(６)の前端下部に当接して回転し、荷
台(６)を押上げる状態となり、後端側を下方に傾斜させ
て搬出用コンベア(２)の前端位置に合致させるようにな
っている。

【００１９】また、荷(Ａ)の前進停止用ストッパ(８)
は、荷台(６)の前端側で前後方向に摺動可能なスライド
ストッパとされている。すなわち、このスライドストッ
パ(８)は、ローラ式荷受部(７)の間にブラケット(12)を
介して固定配置されたシリンダ機構(13)の前後方向動作
用ロッド(14)の前端に連結されており、このシリンダ機
構(13)に媒体出入口(15)(16)を介して供給される圧力媒
体の供給により、ロッド(14)を介して前後進させられる
ようになっている。

【００２０】このスライドストッパ(８)の前進動作は、
昇降枠(５)に設けられ、荷台(６)上に荷(Ａ)が進入した
ことを検知するセンサ(19)からの検出信号に基づいて行
われる。なお、センサ(19)によって荷(Ａ)の存在が検出
されている場合には、図示しない制御装置により搬入用
コンベア(１)のストッパ(３)が閉となり、新なた荷(Ａ)
の搬入が阻止される。センサ(17)(18)は、ストッパ(８)
が後限及び前限に達したことを検知するセンサである。

【００２１】次に図３によって作用を説明する。まず、
図示しないセンサによって搬入用コンベア(１)上に荷Ａ
が有ることが確認される（Ｓ１）。搬入停止用のストッ
パ(３)は通常閉となっており（Ｓ２）、荷台(６)への荷
Ａの有無確認（Ｓ３）により、無い場合にのみ開となる
（Ｓ４）。

【００２２】搬入用コンベア(１)から荷(Ａ)が供給され
ると（Ｓ５）、センサ(19)が作動して、スライドストッ
パ(８)が前方に移動し（Ｓ６）、作業者により荷(Ａ)内
の内容物の取出し等が行われる。

【００２３】内容物取出し等が終了した後、作業者によ
り荷払出し指令（ボタン操作等）が行われると（Ｓ
８）、スライドストッパ(８)が後方に移動し（Ｓ９）、
昇降枠(５)が下降する（Ｓ１０）。この昇降枠(５)の下
降により、荷台(６)の前端下部に傾動手段(11)が当接し
て荷台(６)の後端側が下方に傾斜し、搬出用コンベア
(２)への荷(Ａ)の払出しが行われる。

【００２４】その後、払出しの完了がセンサ(19)により
確認されると（Ｓ１２，Ｓ１３）、昇降枠(５)が再び上
昇し（Ｓ１４）、荷受入れ状態に復帰する。

【００２５】以上の実施例によれば、傾動手段(11)によ
り荷台(６)を傾斜させて荷(Ａ)の搬入、搬出が行えるの
で、構造が簡単で故障が少なく、取扱いが容易であり、
また同様にして荷(Ａ)をコンベア等に移し換えることが
できるので、荷(Ａ)内の部品を使用して空荷を返却する
ような作業と、荷に部品を収納して部品を満載した荷を
搬出コンベア(２)に移載したり、保管庫に収納したりす
る作業を容易に選択できる。

【００２６】また、荷台(６)は搬入用コンベア(１)から
流動した上昇位置で前下方に傾斜しているから、荷(Ａ)
も傾斜し，収納物を目視により容易に確認でき、不要な
荷(Ａ)は下降させて搬出することができ、また荷降ろし
することなく、収納物を取出すことも容易である。

【００２７】さらに、荷台(６)の前端のスライドストッ
パ(８)を前方に摺動自在に設けたので、作業の必要に応
じて荷(Ａ)と作業者の位置が調整でき、作業者の疲労防
止が図れるとともに、作業効率および安全性向上が図れ
る。

【００２８】なお、以上の実施例では荷台(６)の後端部
を枢支する構成としたが、前端部を枢支する構成として
実施することができるのは勿論である。

【００２９】

【発明の効果】以上で詳述したように、請求項１の発明
によれば、昇降枠を昇降し、この昇降枠に、前端にスト
ッパを備える荷台の前端または後端を枢支し、傾動手段
により荷台を傾斜させることにより荷の搬入、搬出が行
えるので、構造が簡単で故障が少なく、取扱いが容易で
ある。

【００３０】また、昇降枠を昇降し、この昇降枠に、前
端にストッパを備える荷台の前端または後端を枢支し、
傾動手段により荷台を傾斜させることによりコンテナ等
の荷をコンベアに移し換えることができるようにしたの
で、荷の部品を使用して空荷を返却するような作業と、
荷に部品を収納して部品を満載した荷を搬出コンベアに
移載したり、保管庫に収納したりする作業を選択でき、
装置の汎用性が向上し安全である。

【００３１】請求項２の発明によれば、荷台は搬入用コ
ンベアから流動した上昇位置で前下方に傾斜しているか
ら、コンテナ等の荷も傾斜し収納物を目視により容易に
確認でき、不要な荷は下降させて搬出することができ、
また荷降ろしすることなく、収納物を取出すことも容易
である。

【００３２】請求項３の発明によれば、荷台の前端のス
トッパを前方に摺動自在なスライドストッパとしたの
で、作業の必要に応じてコンテナ等の荷と作業者との位
置が調整でき、作業者の疲労防止が図れるとともに、作
業効率および安全性の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る荷搬出入用リフタの一実施例を示
す側面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】同実施例の操作手順を示すフローチャートであ
る。

【符号の説明】

(１)搬入用コンベア (２)搬出用コンベア (３)ストッパ (４)ガイド枠 (５)昇降枠 (５ａ)昇降手段 (６)荷台 (７)荷受部 (８)スライドストッパ(ストッパ) (9)軸 (10)支持部材 (11)傾動手段 (12)ブラケット (13)シリンダ機構 (14)ロッド (15)(16)媒体出入口 (17)(18)(19)センサ (Ａ)荷

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも上下２段に設けられた搬入用
   コンベアおよび搬出用コンベアの前方に、昇降手段によ
   りガイド枠に沿って昇降させられる昇降枠を設け、この
   昇降枠に、前端にストッパを備える荷台を前端または後
   端を枢支して傾動可能に設けるとともに、この荷台を搬
   入用コンベア前方位置で前下方に傾斜させ搬出用コンベ
   アの前方位置で後下方に傾斜させる傾動手段を設けたこ
   とを特徴とする荷搬出入用リフタ。
2. 【請求項２】 傾動手段は、ガイド枠に設けられ下降し
   た荷台の前端または後端に当接して荷台を押上げ傾斜さ
   せる荷台支持部であることを特徴とする請求項１記載の
   荷搬出入用リフタ。
3. 【請求項３】 荷台の前端のストッパは、前後方向に摺
   動自在なスライドストッパであることを特徴とする請求
   項１または２記載の荷搬出入用リフタ。