JPH07178946A - サーマルプリントヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

サーマルプリントヘッドおよびその製造方法

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JPH07178946A
JPH07178946A JP5327037A JP32703793A JPH07178946A JP H07178946 A JPH07178946 A JP H07178946A JP 5327037 A JP5327037 A JP 5327037A JP 32703793 A JP32703793 A JP 32703793A JP H07178946 A JPH07178946 A JP H07178946A
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electrode
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚膜型サーマルプリントヘッドにおいて、発
熱ドットの大きさを、発熱抵抗体の幅よりも小さくする
ことを目的とする。 【構成】 絶縁基板12上に所定幅をもって直線状に延び
るように厚膜形成した発熱抵抗体15の下層にもぐり込ま
せるようにして、共通電極の櫛歯状単位電極13a,13b …
および複数の個別電極14a,14b … を形成してなる厚膜
型サーマルプリントヘッドにおいて、上記共通電極の各
単位電極および上記各個別電極を、これらの各先端縁が
上記発熱抵抗体の幅方向内側において対向するように配
置する一方、上記発熱抵抗体における上記共通電極の各
単位電極と上記個別電極の各先端縁によって挟まれる領
域を、好ましくはパルストリミングによって低抵抗化す
ることにより、発熱ドットDとしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、厚膜型サーマルプリ
ントヘッドおよびその製造方法に関し、詳しくは、発熱
抵抗体によって形成される発熱ドットをより小さく形成
できるように構成したものに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
の厚膜型サーマルプリントヘッドの発熱部の一般的構成
を図8に示す。アルミナセラミックなどでできた絶縁基
板1上に、櫛歯状の共通電極2および個別電極3a,3
b…が、上記共通電極の各櫛歯電極部2’間に上記各個
別電極3a,3b…が入り込むようにして形成される。
各個別電極3a,3b…は、図示しない駆動ICの出力
パッドに接続される。上記共通電極2および個別電極3
a,3b…上には、直線状に延びる帯状の発熱抵抗体4
が抵抗体ペーストを用いたスクリーン印刷法および焼成
によって厚膜形成される。抵抗体ペーストとしては、酸
化ルテニウム粉とガラスフリットを主成分としてこれを
所定の樹脂ペーストに混練したものが一般に用いられ
る。
【0003】いま、図8に符号3bで示す個別電極が駆
動ICによってオン駆動されると、上記発熱抵抗体4の
うち、この個別電極3bの両側に位置する共通電極間の
領域に電流が流れ、この領域が発熱される。すなわち、
図8において斜線を付した領域が、単位発熱ドットを形
成する。たとえば、印字密度が200dpi、すなわち
1mm内に8個の発熱ドットを形成する場合、上記斜線を
付した領域の横方向寸法および縦方向寸法が125μm
とされる。具体的には、上記共通電極2の各櫛歯電極部
間のピッチが125μmとされ、上記帯状発熱抵抗体4
の有効発熱幅が125μmとされる。
【0004】ところで、上記櫛歯状共通電極2’のピッ
チは、ある程度まで小さくすることができても、発熱抵
抗体4の幅は、スクリーン印刷法を採用する限りにおい
て、200dpiと対応する約125〜130μmより
細幅化することはできない。
【0005】より細密な文字、あるいは図形を印刷する
ことができるように、サーマルプリントヘッドにおいて
印字密度を高める要請は高まっており、たとえば400
dpiとすることも要請される。図8に示される電極配
置をもつ従来の厚膜型サーマルプリントヘッドにおいて
この要請を達成しようとすれば、発熱抵抗体4の幅を約
60〜70μmまで縮小せねばならず、到底実現不可能
である。なお、サーマルプリントヘッドにおいては、発
熱ドットをフォトリソ法およびエッチングによって形成
する薄膜型のものがあり、この形式のサーマルプリント
ヘッドによれば400dpiの印字密度を難無く達成で
きる。しかし、この形式のサーマルプリントヘッドは、
その製造過程が複雑であり、また、高価となる問題があ
る。
【0006】特公平5−15042号公報には、厚膜型
サーマルプリントヘッドにおいて、発熱抵抗体の幅より
も小さい幅の発熱ドットを形成する方法が開示されてい
る。同公報に示された方法は、櫛歯状の共通電極および
櫛歯状の個別電極を発熱抵抗体幅の内側において千鳥対
向状にもぐり込ませ、隣合う各電極間に大電力を与えて
発熱抵抗体における隣合う電極によって発熱抵抗体の長
手方向に挟まれる領域を部分的に高抵抗化した後、向か
い合う各電極間に大電力を与えて発熱抵抗体における向
かい合う電極によって抵抗体幅方向に挟まれる領域を高
抵抗化するというものである。その結果、高抵抗化され
ていない矩形の領域が発熱抵抗体幅よりも細幅の領域に
おいて形成され、かかる領域が相対的に低い抵抗値をも
つがゆえに、駆動電流が集中的に流れて発熱する発熱ド
ットとして機能する。
【0007】しかしながら、上記公報に示された方法
は、共通電極側および個別電極側において、隣合う電極
間に大電力を与える操作と、各向かい合う共通電極と個
別電極の対の間に大電力を与える操作とが必要となり、
かかる操作は極めて煩雑となって、比較的安価に製造し
うるという厚膜型サーマルプリントヘッドとしての利点
が減殺されてしまう問題がある。
【0008】本願発明は、上記の事情のもとで考え出さ
れたものであって、厚膜型サーマルプリントヘッドにお
いて、製造工程をそれほど煩雑化することなく、発熱抵
抗体幅よりも小さい発熱ドットを形成するようにするこ
とをその課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本願発明では、次の各技術的手段を講じている。請
求項1の発明は、絶縁基板上に所定幅をもって直線状に
延びるように厚膜形成した発熱抵抗体の下層にもぐり込
ませるようにして、共通電極の櫛歯状単位電極および複
数の個別電極を形成してなる厚膜型サーマルプリントヘ
ッドにおいて、上記共通電極の各単位電極および上記各
個別電極を、これらの各先端縁が上記発熱抵抗体の幅方
向内側において発熱抵抗体の幅方向に所定間隔を開けて
対向するように配置する一方、上記発熱抵抗体における
上記共通電極の各単位電極と上記各個別電極の各先端縁
によって挟まれる領域を発熱ドットとしたことを特徴と
している。
【0010】上記発熱ドットは、積極的に低抵抗化し
て、形成することができる(請求項2)。
【0011】上記共通電極の各単位電極および各個別電
極は、互いに発熱抵抗体の幅方向同一線上に対向するよ
うに配置することができる他(請求項4)、互いに抵抗
体の長手方向に1/2ピッチづつずらせて配置してもよ
い(請求項3)。
【0012】上記発熱ドットを請求項2に記載したよう
に積極的に他の領域に対して低抵抗化するためには、パ
ルストリミングが好適に採用される(請求項5)。
【0013】このパルストリミングは、平均電圧300
〜1000Vにおいて、1回につき100〜500ms
の印加を複数回にわたって行うものである(請求項
6)。
【0014】そして、請求項7および請求項8は、上記
した厚膜型サーマルプリントヘッドの製造方法にかか
り、発熱抵抗体の下層において、その幅方向内側にもぐ
り込むように対向配置させた共通電極の各単位電極と個
別電極との各先端縁によって挟まれる領域を他の領域に
対して低抵抗化して発熱ドットとすることに特徴づけら
れる。そして、上記発熱ドットを他の領域に対して低抵
抗化するための手法としては、請求項5および6の発熱
と同様、パルストリミングが好適に採用される。
【0015】本願発明方法において、上記パルストリミ
ングを行うための具体的手法としては、共通電極を当初
から全ての単位電極を共通接続上に形成するのではな
く、発熱抵抗体の下層にもぐり込ませるべき櫛歯状の単
位電極のみを個別電極とともに形成した上で、電気的に
独立する各単位電極と上記個別電極間に各別の操作によ
ってパルストリミングを行い、所望の抵抗値をもって低
抵抗化された発熱ドットを形成した後に、上記櫛歯状の
単位電極を共通電極化するという手段が好適に採用され
る(請求項10)。
【0016】
【発明の作用および効果】本願発明の厚膜型サーマルプ
リントヘッドにおいては、まず、発熱抵抗体の下層にも
ぐり込ませる共通電極および個別電極の配置に特徴づけ
られる。共通電極の単位電極および発熱抵抗体に対して
反対方向からもぐり込まされる個別電極は、それぞれ先
端縁が発熱抵抗体の幅を内側において互いに対向させら
れる。共通電極の各櫛歯状単位電極は、発熱抵抗体の長
手方向に分離した状態において所定ピッチで発熱抵抗体
にもぐり込まされており、同じく、個別電極も発熱抵抗
体の長手方向に分離した状態において所定ピッチでもぐ
り込まされている。したがって、個別電極と共通電極に
おける櫛歯状単位電極との間に駆動電圧を印加すると、
共通電極の単位電極の端縁と、個別電極の先端縁とによ
って挟まれる矩形の領域に電流が流れ、この矩形領域が
実質的に発熱ドットとして機能する。
【0017】したがって、各電極の対向間隔によって発
熱ドットの副走査方向の大きさが規定され、各電極の先
端縁どうしが対向する長さによって、発熱ドットの主走
査方向の長さが実質的に規定される。
【0018】絶縁基板上に形成される各電極は、1ない
し数μmの厚みに形成した導電性被膜に対して、エッチ
ング処理を施すことによって形成されるので、微細なパ
ターン形成が可能である。したがって、厚膜印刷によっ
て形成される発熱抵抗体の幅にかかわりなく、所望の大
きさの発熱ドットを形成することが可能なのであり、印
字密度の高密度化が達成される。
【0019】請求項2の発明のように、上記発熱ドット
は、積極的に低抵抗化して形成することができ、このよ
うにすると、発熱ドットがより明瞭に画定され、印字品
質の向上につながる。
【0020】上記発熱ドットを低抵抗化するための手法
としては、パルストリミングがある(請求項5)。この
パルストリミングは、通常の駆動電圧(12V、あるい
は24V)よりも相当大きな平均電圧である300ない
し1000Vにおいて、1回につき100〜500ms
の印加を複数回行うというものである。測定プローブに
よって、共通電極と個別電極間の抵抗値を計測しつつ、
このようなパルストリミングを計測される抵抗値が所望
となるまで行う。こうした高電圧によるパルストリミン
グによって抵抗体が低抵抗化される理由は、酸化ルテミ
ウムペーストを用いて厚膜形成される発熱抵抗体内部の
ガラス成分が高電圧電流によって瞬間的に溶解ないし変
形し、酸化ルテニウム粒子間の接触率が次第に高まって
いくためであると推定される。このようなパルストリミ
ングを酸化ルテニウムを用いて厚膜形成された発熱抵抗
体に対して行う場合、抵抗値を約1/2程度にまで低め
得ることが確認されている。
【0021】こうして発熱抵抗体における低抵抗化され
た領域を発熱ドットとすることにより、通常の電圧を印
加した場合に低抵抗化された部分にのみ電流が流れてそ
の部分が発熱するので、発熱ドットをより明確に画定し
て、印字品質を高めることができるようになる。
【0022】請求項10に記載したように、上記パルス
トリミングを行う場合、共通電極の形成を、まず、発熱
抵抗体の下層にもぐり込ませる櫛歯状の単位電極を形成
し、この単位電極と個別電極間について各別にパルスト
リミングを行った後に、各櫛歯状の単位電極を共通電極
化するのがよい。このようにすると、櫛歯状の単位電極
が電気的に独立した状態においてパルストリミングを行
うことができるので、他の櫛歯状単位電極に不要な電流
を流すことなく、対象とする領域を確実に所望の抵抗値
まで抵抗化することができるからである。
【0023】
【実施例の説明】以下、本願発明の好ましい実施例を、
図1ないし図7を参照して具体的に説明する。
【0024】図1は、本願発明の厚膜型サーマルプリン
トヘッド10の一実施例要部拡大平面図であり、図2
は、図1のII−II線に沿う断面図である。グレーズ層1
1が形成されたセラミック製の絶縁基板12上には、共
通電極13と、個別電極14a,14b…とが形成され
る。そして、各共通電極13の櫛歯状単位電極13a,
13b…の先端部と、各個別電極14a,14b…の先
端部とに覆いかぶさるようにして、発熱抵抗体15が厚
膜形成される。
【0025】上記共通電極13の各櫛歯状単位電極13
a,13b…は、それぞれが一定幅をもつ矩形の平面形
状を呈しており、発熱抵抗体15の長手方向に等間隔ピ
ッチで形成される。一方、上記個別電極14a,14b
…もまた、矩形の平面形状を呈しており、発熱抵抗体1
5の長手方向に上記共通電極と同ピッチで等間隔に形成
されている。ただし、各個別電極14a,14b…は、
各共通電極の櫛歯状単位電極13a,13b…に対して
1/2ピッチ発熱抵抗体の長手方向にずらせて形成され
ている。これら共通電極13および個別電極14a,1
4b…は、金ペースト等の導体ペーストをグレーズ層1
1上にたとえば1ないし数μmの厚みで塗布焼成して形
成して導体金属層を形成した後、この導体金属層をエッ
チングによってパターン形成することにより、同時に形
成することができる。また、上記発熱抵抗体15は、た
とえば酸化ルテニウムペースト等の抵抗体ペーストを用
いて厚膜印刷法によって形成することができる。
【0026】上記各個別電極14a,14b…は、図示
しない駆動ICの出力パッドに電気的に連結される。以
上の構成において、仮に符号14bで示す個別電極をオ
ン駆動すると、図1に網線を付した2つの矩形領域に電
流が流れ、この2つの領域が一単位の発熱ドットDとし
て機能する。なぜなら、共通電極13の櫛歯状単位電極
13a,13b…の先端縁と、個別電極14a,14b
…の先端縁との間の最短距離を電流が流れる傾向となる
からである。
【0027】図1からわかるように、発熱ドットDの副
走査方向の幅、換言すると、発熱抵抗体15の幅方向の
幅は、各電極13,14a,14b…の先端縁が発熱抵
抗体15の両側からその下方にもぐり込んで配置されて
いるため、発熱抵抗体15の幅よりも小さくなってい
る。したがって、本願発明のサーマルプリントヘッド1
0によれば、発熱抵抗体15の幅にかかわらず、発熱ド
ットDの副走査方向の幅を所望のように小さく設定する
ことができる。また、上記発熱ドットDの主走査方向、
換言すると発熱抵抗体の長手方向の幅は、各電極13,
14a,14b…の先端縁の対向長さによって規定する
ことができる。前述したように、各電極は、エッチング
によってパターン形成することができるので、微細なピ
ッチ間隔で形成することが容易である。以上のようなこ
とが総合して、本願発明のサーマルプリントヘッドにお
ける発熱ドットDは、発熱抵抗体15の幅寸法にかかわ
りなく、小さなものとすることができ、その結果、印字
密度を大きく高めることが可能となる。
【0028】上記の説明では、発熱ドットDは、他の領
域と同じ抵抗値をもっており、電極間に流れる電流の性
質を利用して実質的な発熱ドットを形成した例である
が、以下に説明するように、図1に示す例において斜線
を付した発熱ドットを、積極的に他の領域に対して低抵
抗化し、より明確に発熱ドットDが画定されるようにす
ることができる。
【0029】発熱ドットDを低抵抗化するための手法と
して、いわゆるパルストリミングが好適に採用される。
このパルストリミングは、共通電極13と個別電極14
a,14b…との間に、平均電圧300〜1000Vに
おいて、一回につき、100〜500msの電圧印加を
複数回行い、発熱抵抗体15の選択した領域を所望の抵
抗値に下げるものである。たとえば、共通電極13の適
部と、符号14bで示される個別電極間にパルストリミ
ングを施すと、最短距離を流れるという電流の性質か
ら、図1に網線で示した領域に電流が流れ、この領域が
他の領域に比較して低抵抗化される。こうして低抵抗化
された発熱ドットは、より明瞭に確定された範囲におい
て発熱させられ、印字品質がより向上させられる。
【0030】上記のようにしてパルストリミングによっ
て低抵抗化された発熱ドットDを形成する手法として、
図3に示すように、共通電極13のうち、櫛歯状の単位
電極13a,13b…をそれぞれ独立して形成してお
き、この独立した単位電極13a,13b…と個別電極
14a,14b…間にパルストリミングを施すという手
法もある。このような手法によれば、たとえば符号13
bで示す単位電極と、符号14bで示す個別電極にプロ
ーブを接触させてパルストリミングを施すことにより、
他の単位電極から電流が流れるといった不具合を生じさ
せることなく、各電極間に挟まれる符号D1 で示される
領域が、確実に低抵抗化される。
【0031】このようにして全ての発熱ドットが所定値
まで低抵抗化された後、図4に示すように、導体ペース
トを用いた厚膜印刷法により、各単位電極が共通電極化
される。
【0032】こうして上記のようにして共通電極13お
よび個別電極14a,14b…ならびに発熱抵抗体15
が形成され、かつ各発熱ドットDがパルストリミングに
よる低抵抗化を介して形成された基板には、図2に示す
ように、保護ガラスコーティング16が施される。
【0033】図1および図4に示す構成において、たと
えば符号14bが付された個別電極がオン駆動される
と、図1および図4において網線を付して示される発熱
ドットDが発熱駆動される。この図から明らかなよう
に、発熱ドットDの抵抗体幅方向の長さは、抵抗体幅よ
りも小さくなっている。そして、各発熱ドットDの抵抗
体長手方向の寸法は、各電極の配設ピッチによって決定
され、相当小さなピッチとすることも可能である。この
ように、本願発明のサーマルプリントヘッド10によれ
ば、厚膜形成される発熱抵抗体の幅に制限されることな
く、それよりも小さな寸法の発熱ドットDを形成するこ
とができる。
【0034】図5は、本願発明のサーマルプリントヘッ
ド10の他の実施例を示している。この実施例では、各
電極13,14a,14b…の先端縁が山形となってお
り、この山形の互いに平行する傾斜縁どうしに挟まれる
矩形領域が発熱ドットDとして機能する。この場合にお
いても、各電極間にそれぞれパルストリミングを施すこ
とによって、発熱ドットDを低抵抗化し、より明瞭に画
定された発熱ドットとすることが可能であることはいう
までもない。
【0035】図6は、本願発明のサーマルプリントヘッ
ド10のさらに他の実施例を示している。この実施例で
は、各共通電極13の櫛歯状単位電極13a,13b…
と、これに対向する個別電極14a,14b…とを、図
に示した実施例と近似した態様に配置する一方、共通電
極13の各単位電極13a,13b…を、1つおきに別
系統に共通接続している。2系統の共通電極は、いずれ
か一方に切り替え選択制御される。いま、第一の共通電
極(COM1)をオンとした状態において、符号14b
で示す個別電極をオン駆動すると、符号d3 で示す発熱
ドットのみが発熱駆動され、符号d4 で示す発熱ドット
は駆動されない。すなわち、この実施例おいては、斜線
を付した各矩形の発熱ドットが個別発熱される最小単位
となるのであり、各電極13a,13b…,14a,1
4b…を千鳥状に配置していることも手伝って、発熱ド
ットの最小単位の発熱体長手方向の寸法をより小寸化す
ることができる。この場合においても、各発熱ドットd
1 ,d2 …をパルストリミングによって低抵抗化しうる
ことは、上述した各実施例と同様である。
【0036】図7は、本願発明のサーマルプリントヘッ
ド10のさらに他の実施例を示している。この実施例に
おいては、上述の各実施例とは異なり、共通電極13
a,13bと個別電極14a,14b…とが、互いに発
熱体幅方向に対向させられており、千鳥状にずらされて
はいない。この場合においても、共通電極13a,13
b…と個別電極14a,14b…で挟まれる矩形領域が
発熱ドットDとして機能する。また、この矩形領域をパ
ルストリミングによって低抵抗化することにより、発熱
ドットDをより明確に画定されたものとすることができ
る。
【0037】なお、この場合において、図3および図4
に示した実施例について説明したように、共通電極とし
て、櫛歯状の単位電極13a,13b…をまず独立して
形成しておき、各独立した単位電極13a,13b…と
個別電極14a,14b…間にパルストリミングを施す
という手法を採用することが望ましい。この傾向は、各
電極が互いに密に隣合っている場合により望ましい。な
ぜなら、共通電極の櫛歯状単位電極13a,13b…部
が各独立して形成されていることから、パルストリミン
グ時に、隣の電極に不要な電流が流れ、所望の領域以外
の領域が低抵抗化されることを回避し、より明確に確定
された低抵抗化発熱ドットが形成できるからである。
【0038】なお、ここで、パルストリミングによって
発熱抵抗体の一部が低抵抗化される理由は、発熱抵抗体
を酸化ルテニウムペーストを用いて厚膜形成する場合、
ルテニウム粒子とガラスフリット粒子とが混じりあった
恰好で焼結した状態となっているが、電極間に高電圧を
かけると、これによって生ずる瞬間的な電力により、ガ
ラス成分が溶け、酸化ルテニウム粒子間の結合を促して
ゆくためであると考えられる。条件を設定することによ
り、パルストリミングされない領域に比して、その抵抗
値を1/2程度まで下げることができる。所望の抵抗値
を設定する場合には、パルストリミング用のプローブを
両電極に接触させると同時に、測定プローブを接触させ
て、抵抗値を計測しながら、こうして計測される抵抗値
が所望の値となるまで、パルス印加回数を繰り返すか、
またはパルス印加電圧を上昇させるのである。
【0039】もちろん、本願発明の範囲は上述の実施例
に限定されることはない。発熱ドットの領域の形状は、
図に示した例以外にも種々変更可能である。また、シリ
アル型のサーマルプリントヘッドの他、ライン型のサー
マルプリントヘッドにも同様に本願発明を適用すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のサーマルプリントヘッドの一実施例
の要部拡大平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1に示す実施例の他の形成方法を説明するた
めの平面図である。
【図4】図1に示す実施例の他の形成方法を説明するた
めの平面図である。
【図5】本願発明のサーマルプリントヘッドの他の実施
例の要部拡大平面図である。
【図6】本願発明のサーマルプリントヘッドのさらに他
の実施例の要部拡大平面図である。
【図7】本願発明のサーマルプリントヘッドのさらに他
の実施例の要部拡大平面図である。
【図8】従来例の説明図である。
【符号の説明】
10 サーマルプリントヘッド 12 絶縁基板 13 共通電極 13a,13b… (共通電極の)櫛歯状単位電極 14a,14b… 個別電極 15 発熱抵抗体 D 発熱ドット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に所定幅をもって直線状に延
    びるように厚膜形成した発熱抵抗体の下層にもぐり込ま
    せるようにして、共通電極の櫛歯状単位電極および複数
    の個別電極を形成してなる厚膜型サーマルプリントヘッ
    ドにおいて、 上記共通電極の各単位電極および上記各個別電極を、こ
    れらの各先端縁が上記発熱抵抗体の幅方向内側において
    発熱抵抗体の幅方向に所定間隔を開けて対向するように
    配置する一方、上記発熱抵抗体における上記共通電極の
    各単位電極と上記各個別電極の各先端縁によって挟まれ
    る領域を発熱ドットとしたことを特徴とする、厚膜型サ
    ーマルプリントヘッド。
  2. 【請求項2】 絶縁基板上に所定幅をもって直線状に延
    びるように厚膜形成した発熱抵抗体の下層にもぐり込ま
    せるようにして、共通電極の櫛歯状単位電極および複数
    の個別電極を形成してなる厚膜型サーマルプリントヘッ
    ドにおいて、 上記共通電極の各単位電極および上記各個別電極を、こ
    れらの各先端縁が上記発熱抵抗体の幅方向内側において
    発熱抵抗体の幅方向に所定間隔を開けて対向するように
    配置する一方、上記発熱抵抗体における上記共通電極の
    各単位電極と上記各個別電極の各先端縁によって挟まれ
    る領域をその他の領域に対して低抵抗化して発熱ドット
    としたことを特徴とする、厚膜型サーマルプリントヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 上記共通電極の各単位電極および上記各
    個別電極は、同一ピッチで形成される一方、上記共通電
    極の各単位電極と上記各個別電極は、発熱抵抗体の長手
    方向に1/2ピッチ互いにずらせて形成されている、請
    求項1または2の厚膜型サーマルプリントヘッド。
  4. 【請求項4】 上記共通電極の各単位電極および上記各
    個別電極は、同一ピッチで形成される一方、上記共通電
    極の各単位電極と上記各個別電極は、発熱抵抗体の幅方
    向同一線上に対向するように形成されている、請求項1
    または2の厚膜型サーマルプリントヘッド。
  5. 【請求項5】 上記発熱抵抗体における上記共通電極の
    各単位電極と上記各個別電極間にパルストリミングを施
    すことにより、上記共通電極の各単位電極と上記各個別
    電極の各先端縁によって挟まれる領域を、その他の領域
    に対して低抵抗化したことを特徴とする、請求項2の厚
    膜型サーマルプリントヘッド。
  6. 【請求項6】 上記パルストリミングは、平均電圧30
    0〜1000Vにおいて、1回につき100〜500m
    sの印加を複数回行うものである、請求項5の厚膜型サ
    ーマルプリントヘッド。
  7. 【請求項7】 絶縁基板上に所定幅をもって直線状に延
    びるように厚膜形成した発熱抵抗体の下層にもぐり込ま
    せるようにして、共通電極の櫛歯状単位電極および複数
    の個別電極を形成してなる厚膜型サーマルプリントヘッ
    ドにおいて、上記共通電極の各単位電極および上記各個
    別電極を、これらの各先端縁が上記発熱抵抗体の幅方向
    内側において発熱抵抗体の幅方向に所定間隔を開けて対
    向するように配置する一方、上記発熱抵抗体における上
    記共通電極の各単位電極と上記各個別電極の各先端縁に
    よって挟まれる領域を、その他の領域に対して低抵抗化
    して発熱ドットを形成することを特徴とする、厚膜型サ
    ーマルプリントヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 上記発熱抵抗体における上記共通電極の
    各単位電極と上記各個別電極間にパルストリミングを施
    すことにより、上記共通電極の各単位電極と上記各個別
    電極の各先端縁によって挟まれる領域を、その他の領域
    に対して低抵抗化することを特徴とする、請求項7の方
    法。
  9. 【請求項9】 上記パルストリミングは、平均電圧30
    0〜1000Vにおいて、1回につき100〜500m
    sの印加を複数回行うものである、請求項8の厚膜型サ
    ーマルプリントヘッド。
  10. 【請求項10】請求項9の方法において、上記共通電極
    のうち、櫛歯状の単位電極のみを形成した上で、各単位
    電極と上記個別電極間に各別の操作によってパルストリ
    ミングを行った後、上記各単位電極を共通電極化するこ
    とを特徴とする、厚膜型サーマルプリントヘッドの製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002067366A (ja) * 2000-09-01 2002-03-05 Rohm Co Ltd サーマルプリントヘッドの発熱抵抗体、サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリントヘッドの発熱抵抗体の製造方法
JP2011161640A (ja) * 2010-02-04 2011-08-25 Toshiba Hokuto Electronics Corp サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリンタ
US10040296B2 (en) 2015-06-23 2018-08-07 Fujitsu Component Limited Thermal head

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