JP3590082B2 - サーマルプリントヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本願発明は、厚膜型サーマルプリントヘッドおよびその製造方法に関し、詳しくは、発熱抵抗体によって形成される発熱ドットをより小さく形成できるように構成したものに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来の厚膜型サーマルプリントヘッドの発熱部の一般的構成を図8に示す。アルミナセラミックなどでできた絶縁基板1上に、櫛歯状の共通電極2および個別電極3a,3b…が、上記共通電極の各櫛歯電極部2’間に上記各個別電極3a,3b…が入り込むようにして形成される。各個別電極3a,3b…は、図示しない駆動ICの出力パッドに接続される。上記共通電極2および個別電極3a,3b…上には、直線状に延びる帯状の発熱抵抗体4が抵抗体ペーストを用いたスクリーン印刷法および焼成によって厚膜形成される。抵抗体ペーストとしては、酸化ルテニウム粉とガラスフリットを主成分としてこれを所定の樹脂ペーストに混練したものが一般に用いられる。
【0003】
いま、図8に符号3bで示す個別電極が駆動ICによってオン駆動されると、上記発熱抵抗体4のうち、この個別電極3bの両側に位置する共通電極間の領域に電流が流れ、この領域が発熱される。すなわち、図8において斜線を付した領域が、単位発熱ドットを形成する。たとえば、印字密度が200dpi、すなわち1mm内に8個の発熱ドットを形成する場合、上記斜線を付した領域の横方向寸法および縦方向寸法が125μmとされる。具体的には、上記共通電極2の各櫛歯電極部間のピッチが125μmとされ、上記帯状発熱抵抗体4の有効発熱幅が125μmとされる。
【0004】
ところで、上記櫛歯状共通電極2’のピッチは、ある程度まで小さくすることができても、発熱抵抗体4の幅は、スクリーン印刷法を採用する限りにおいて、200dpiと対応する約125〜130μmより細幅化することはできない。
【0005】
より細密な文字、あるいは図形を印刷することができるように、サーマルプリントヘッドにおいて印字密度を高める要請は高まっており、たとえば400dpiとすることも要請される。図8に示される電極配置をもつ従来の厚膜型サーマルプリントヘッドにおいてこの要請を達成しようとすれば、発熱抵抗体4の幅を約60〜70μmまで縮小せねばならず、到底実現不可能である。なお、サーマルプリントヘッドにおいては、発熱ドットをフォトリソ法およびエッチングによって形成する薄膜型のものがあり、この形式のサーマルプリントヘッドによれば400dpiの印字密度を難無く達成できる。しかし、この形式のサーマルプリントヘッドは、その製造過程が複雑であり、また、高価となる問題がある。
【0006】
特公平5−15042号公報には、厚膜型サーマルプリントヘッドにおいて、発熱抵抗体の幅よりも小さい幅の発熱ドットを形成する方法が開示されている。同公報に示された方法は、櫛歯状の共通電極および櫛歯状の個別電極を発熱抵抗体幅の内側において千鳥対向状にもぐり込ませ、隣合う各電極間に大電力を与えて発熱抵抗体における隣合う電極によって発熱抵抗体の長手方向に挟まれる領域を部分的に高抵抗化した後、向かい合う各電極間に大電力を与えて発熱抵抗体における向かい合う電極によって抵抗体幅方向に挟まれる領域を高抵抗化するというものである。その結果、高抵抗化されていない矩形の領域が発熱抵抗体幅よりも細幅の領域において形成され、かかる領域が相対的に低い抵抗値をもつがゆえに、駆動電流が集中的に流れて発熱する発熱ドットとして機能する。
【0007】
しかしながら、上記公報に示された方法は、共通電極側および個別電極側において、隣合う電極間に大電力を与える操作と、各向かい合う共通電極と個別電極の対の間に大電力を与える操作とが必要となり、かかる操作は極めて煩雑となって、比較的安価に製造しうるという厚膜型サーマルプリントヘッドとしての利点が減殺されてしまう問題がある。
【0008】
本願発明は、上記の事情のもとで考え出されたものであって、厚膜型サーマルプリントヘッドにおいて、製造工程をそれほど煩雑化することなく、発熱抵抗体幅よりも小さい発熱ドットを形成するようにすることをその課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の各技術的手段を講じている。
請求項1に係る発明は、絶縁基板上に所定幅をもって直線状に延びるように厚膜形成した発熱抵抗体の下層にもぐり込ませるようにして、共通電極の櫛歯状単位電極および複数の個別電極を形成してなる厚膜型サーマルプリントヘッドにおいて、上記共通電極の各単位電極および上記各個別電極を、これらの各先端縁が上記発熱抵抗体の幅方向内側において発熱抵抗体の幅方向に所定間隔を開けて対向するように配置する一方、上記発熱抵抗体における上記共通電極の各単位電極と上記各個別電極間にパルストリミングを施すことにより、上記発熱抵抗体における上記共通電極の各単位電極と上記各個別電極の各先端縁によって挟まれる領域をその他の領域に対して低抵抗化して発熱ドットとしており、かつ、上記パルストリミングは、平均電圧300〜1000Vにおいて、1回につき100〜500msの印加を複数回行うものであることを特徴としている。
【0011】
請求項に係る発明は、請求項1に係るサーマルプリントヘッドの製造方法に係り、絶縁基板上に所定幅をもって直線状に延びるように厚膜形成した発熱抵抗体の下層にもぐり込ませるようにして、共通電極の櫛歯状単位電極および複数の個別電極を形成してなる厚膜型サーマルプリントヘッドにおいて、上記共通電極の各単位電極および上記各個別電極を、これらの各先端縁が上記発熱抵抗体の幅方向内側において発熱抵抗体の幅方向に所定間隔を開けて対向するように配置する一方、上記発熱抵抗体における上記共通電極の各単位電極と上記各個別電極間にパルストリミングを施すことにより、上記発熱抵抗体における上記共通電極の各単位電極と上記各個別電極の各先端縁によって挟まれる領域を、その他の領域に対して低抵抗化して発熱ドットを形成するにあたり、上記パルストリミングは、平均電圧300〜1000Vにおいて、1回につき100〜500msの印加を複数回行うことを特徴としている。
【0015】
本願発明方法において、上記パルストリミングを行うための具体的手法としては、共通電極を当初から全ての単位電極を共通接続上に形成するのではなく、発熱抵抗体の下層にもぐり込ませるべき櫛歯状の単位電極のみを個別電極とともに形成した上で、電気的に独立する各単位電極と上記個別電極間に各別の操作によってパルストリミングを行い、所望の抵抗値をもって低抵抗化された発熱ドットを形成した後に、上記櫛歯状の単位電極を共通電極化するという手段が好適に採用される(請求項)。
【0016】
【発明の作用および効果】
本願発明の厚膜型サーマルプリントヘッドにおいては、まず、発熱抵抗体の下層にもぐり込ませる共通電極および個別電極の配置に特徴づけられる。共通電極の単位電極および発熱抵抗体に対して反対方向からもぐり込まされる個別電極は、それぞれ先端縁が発熱抵抗体の幅を内側において互いに対向させられる。共通電極の各櫛歯状単位電極は、発熱抵抗体の長手方向に分離した状態において所定ピッチで発熱抵抗体にもぐり込まされており、同じく、個別電極も発熱抵抗体の長手方向に分離した状態において所定ピッチでもぐり込まされている。したがって、個別電極と共通電極における櫛歯状単位電極との間に駆動電圧を印加すると、共通電極の単位電極の端縁と、個別電極の先端縁とによって挟まれる矩形の領域に電流が流れ、この矩形領域が実質的に発熱ドットとして機能する。
【0017】
したがって、各電極の対向間隔によって発熱ドットの副走査方向の大きさが規定され、各電極の先端縁どうしが対向する長さによって、発熱ドットの主走査方向の長さが実質的に規定される。
【0018】
絶縁基板上に形成される各電極は、1ないし数μmの厚みに形成した導電性被膜に対して、エッチング処理を施すことによって形成されるので、微細なパターン形成が可能である。したがって、厚膜印刷によって形成される発熱抵抗体の幅にかかわりなく、所望の大きさの発熱ドットを形成することが可能なのであり、印字密度の高密度化が達成される。
【0019】
また、本願発明では、上記発熱ドットは、積極的に低抵抗化して形成されており、このようにすると、発熱ドットがより明瞭に画定され、印字品質の向上につながる。
【0020】
上記発熱ドットを低抵抗化するための手法としては、パルストリミングが採用される。このパルストリミングは、通常の駆動電圧(12V、あるいは24V)よりも相当大きな平均電圧である300ないし1000Vにおいて、1回につき100〜500msの印加を複数回行うというものである。測定プローブによって、共通電極と個別電極間の抵抗値を計測しつつ、このようなパルストリミングを計測される抵抗値が所望となるまで行う。こうした高電圧によるパルストリミングによって抵抗体が低抵抗化される理由は、酸化ルテニウムペーストを用いて厚膜形成される発熱抵抗体内部のガラス成分が高電圧電流によって瞬間的に溶解ないし変形し、酸化ルテニウム粒子間の接触率が次第に高まっていくためであると推定される。このようなパルストリミングを酸化ルテニウムを用いて厚膜形成された発熱抵抗体に対して行う場合、抵抗値を約1/2程度にまで低め得ることが確認されている。
【0021】
こうして発熱抵抗体における低抵抗化された領域を発熱ドットとすることにより、通常の電圧を印加した場合に低抵抗化された部分にのみ電流が流れてその部分が発熱するので、発熱ドットをより明確に画定して、印字品質を高めることができるようになる。
【0022】
請求項に記載したように、上記パルストリミングを行う場合、共通電極の形成を、まず、発熱抵抗体の下層にもぐり込ませる櫛歯状の単位電極を形成し、この単位電極と個別電極間について各別にパルストリミングを行った後に、各櫛歯状の単位電極を共通電極化するのがよい。このようにすると、櫛歯状の単位電極が電気的に独立した状態においてパルストリミングを行うことができるので、他の櫛歯状単位電極に不要な電流を流すことなく、対象とする領域を確実に所望の抵抗値まで抵抗化することができるからである。
【0023】
【実施例の説明】
以下、本願発明の好ましい実施例を、図1ないし図7を参照して具体的に説明する。
【0024】
図1は、本願発明の厚膜型サーマルプリントヘッド10の一実施例要部拡大平面図であり、図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。グレーズ層11が形成されたセラミック製の絶縁基板12上には、共通電極13と、個別電極14a,14b…とが形成される。そして、各共通電極13の櫛歯状単位電極13a,13b…の先端部と、各個別電極14a,14b…の先端部とに覆いかぶさるようにして、発熱抵抗体15が厚膜形成される。
【0025】
上記共通電極13の各櫛歯状単位電極13a,13b…は、それぞれが一定幅をもつ矩形の平面形状を呈しており、発熱抵抗体15の長手方向に等間隔ピッチで形成される。一方、上記個別電極14a,14b…もまた、矩形の平面形状を呈しており、発熱抵抗体15の長手方向に上記共通電極と同ピッチで等間隔に形成されている。ただし、各個別電極14a,14b…は、各共通電極の櫛歯状単位電極13a,13b…に対して1/2ピッチ発熱抵抗体の長手方向にずらせて形成されている。これら共通電極13および個別電極14a,14b…は、金ペースト等の導体ペーストをグレーズ層11上にたとえば1ないし数μmの厚みで塗布焼成して形成して導体金属層を形成した後、この導体金属層をエッチングによってパターン形成することにより、同時に形成することができる。また、上記発熱抵抗体15は、たとえば酸化ルテニウムペースト等の抵抗体ペーストを用いて厚膜印刷法によって形成することができる。
【0026】
上記各個別電極14a,14b…は、図示しない駆動ICの出力パッドに電気的に連結される。以上の構成において、仮に符号14bで示す個別電極をオン駆動すると、図1に網線を付した2つの矩形領域に電流が流れ、この2つの領域が一単位の発熱ドットDとして機能する。なぜなら、共通電極13の櫛歯状単位電極13a,13b…の先端縁と、個別電極14a,14b…の先端縁との間の最短距離を電流が流れる傾向となるからである。
【0027】
図1からわかるように、発熱ドットDの副走査方向の幅、換言すると、発熱抵抗体15の幅方向の幅は、各電極13,14a,14b…の先端縁が発熱抵抗体15の両側からその下方にもぐり込んで配置されているため、発熱抵抗体15の幅よりも小さくなっている。したがって、本願発明のサーマルプリントヘッド10によれば、発熱抵抗体15の幅にかかわらず、発熱ドットDの副走査方向の幅を所望のように小さく設定することができる。また、上記発熱ドットDの主走査方向、換言すると発熱抵抗体の長手方向の幅は、各電極13,14a,14b…の先端縁の対向長さによって規定することができる。前述したように、各電極は、エッチングによってパターン形成することができるので、微細なピッチ間隔で形成することが容易である。以上のようなことが総合して、本願発明のサーマルプリントヘッドにおける発熱ドットDは、発熱抵抗体15の幅寸法にかかわりなく、小さなものとすることができ、その結果、印字密度を大きく高めることが可能となる。
【0028】
上記の説明では、発熱ドットDは、他の領域と同じ抵抗値をもっており、電極間に流れる電流の性質を利用して実質的な発熱ドットを形成した例であるが、以下に説明するように、図1に示す例において斜線を付した発熱ドットを、積極的に他の領域に対して低抵抗化し、より明確に発熱ドットDが画定されるようにすることができる。
【0029】
発熱ドットDを低抵抗化するための手法として、いわゆるパルストリミングが好適に採用される。このパルストリミングは、共通電極13と個別電極14a,14b…との間に、平均電圧300〜1000Vにおいて、一回につき、100〜500msの電圧印加を複数回行い、発熱抵抗体15の選択した領域を所望の抵抗値に下げるものである。たとえば、共通電極13の適部と、符号14bで示される個別電極間にパルストリミングを施すと、最短距離を流れるという電流の性質から、図1に網線で示した領域に電流が流れ、この領域が他の領域に比較して低抵抗化される。こうして低抵抗化された発熱ドットは、より明瞭に確定された範囲において発熱させられ、印字品質がより向上させられる。
【0030】
上記のようにしてパルストリミングによって低抵抗化された発熱ドットDを形成する手法として、図3に示すように、共通電極13のうち、櫛歯状の単位電極13a,13b…をそれぞれ独立して形成しておき、この独立した単位電極13a,13b…と個別電極14a,14b…間にパルストリミングを施すという手法もある。このような手法によれば、たとえば符号13bで示す単位電極と、符号14bで示す個別電極にプローブを接触させてパルストリミングを施すことにより、他の単位電極から電流が流れるといった不具合を生じさせることなく、各電極間に挟まれる符号Dで示される領域が、確実に低抵抗化される。
【0031】
このようにして全ての発熱ドットが所定値まで低抵抗化された後、図4に示すように、導体ペーストを用いた厚膜印刷法により、各単位電極が共通電極化される。
【0032】
こうして上記のようにして共通電極13および個別電極14a,14b…ならびに発熱抵抗体15が形成され、かつ各発熱ドットDがパルストリミングによる低抵抗化を介して形成された基板には、図2に示すように、保護ガラスコーティング16が施される。
【0033】
図1および図4に示す構成において、たとえば符号14bが付された個別電極がオン駆動されると、図1および図4において網線を付して示される発熱ドットDが発熱駆動される。この図から明らかなように、発熱ドットDの抵抗体幅方向の長さは、抵抗体幅よりも小さくなっている。そして、各発熱ドットDの抵抗体長手方向の寸法は、各電極の配設ピッチによって決定され、相当小さなピッチとすることも可能である。このように、本願発明のサーマルプリントヘッド10によれば、厚膜形成される発熱抵抗体の幅に制限されることなく、それよりも小さな寸法の発熱ドットDを形成することができる。
【0034】
図5は、本願発明のサーマルプリントヘッド10の他の実施例を示している。この実施例では、各電極13,14a,14b…の先端縁が山形となっており、この山形の互いに平行する傾斜縁どうしに挟まれる矩形領域が発熱ドットDとして機能する。この場合においても、各電極間にそれぞれパルストリミングを施すことによって、発熱ドットDを低抵抗化し、より明瞭に画定された発熱ドットとすることが可能であることはいうまでもない。
【0035】
図6は、本願発明のサーマルプリントヘッド10のさらに他の実施例を示している。この実施例では、各共通電極13の櫛歯状単位電極13a,13b…と、これに対向する個別電極14a,14b…とを、図に示した実施例と近似した態様に配置する一方、共通電極13の各単位電極13a,13b…を、1つおきに別系統に共通接続している。2系統の共通電極は、いずれか一方に切り替え選択制御される。いま、第一の共通電極(COM1)をオンとした状態において、符号14bで示す個別電極をオン駆動すると、符号dで示す発熱ドットのみが発熱駆動され、符号dで示す発熱ドットは駆動されない。すなわち、この実施例おいては、斜線を付した各矩形の発熱ドットが個別発熱される最小単位となるのであり、各電極13a,13b…,14a,14b…を千鳥状に配置していることも手伝って、発熱ドットの最小単位の発熱体長手方向の寸法をより小寸化することができる。この場合においても、各発熱ドットd,d…をパルストリミングによって低抵抗化しうることは、上述した各実施例と同様である。
【0036】
図7は、本願発明のサーマルプリントヘッド10のさらに他の実施例を示している。この実施例においては、上述の各実施例とは異なり、共通電極13a,13bと個別電極14a,14b…とが、互いに発熱体幅方向に対向させられており、千鳥状にずらされてはいない。この場合においても、共通電極13a,13b…と個別電極14a,14b…で挟まれる矩形領域が発熱ドットDとして機能する。また、この矩形領域をパルストリミングによって低抵抗化することにより、発熱ドットDをより明確に画定されたものとすることができる。
【0037】
なお、この場合において、図3および図4に示した実施例について説明したように、共通電極として、櫛歯状の単位電極13a,13b…をまず独立して形成しておき、各独立した単位電極13a,13b…と個別電極14a,14b…間にパルストリミングを施すという手法を採用することが望ましい。この傾向は、各電極が互いに密に隣合っている場合により望ましい。なぜなら、共通電極の櫛歯状単位電極13a,13b…部が各独立して形成されていることから、パルストリミング時に、隣の電極に不要な電流が流れ、所望の領域以外の領域が低抵抗化されることを回避し、より明確に確定された低抵抗化発熱ドットが形成できるからである。
【0038】
なお、ここで、パルストリミングによって発熱抵抗体の一部が低抵抗化される理由は、発熱抵抗体を酸化ルテニウムペーストを用いて厚膜形成する場合、ルテニウム粒子とガラスフリット粒子とが混じりあった恰好で焼結した状態となっているが、電極間に高電圧をかけると、これによって生ずる瞬間的な電力により、ガラス成分が溶け、酸化ルテニウム粒子間の結合を促してゆくためであると考えられる。条件を設定することにより、パルストリミングされない領域に比して、その抵抗値を1/2程度まで下げることができる。所望の抵抗値を設定する場合には、パルストリミング用のプローブを両電極に接触させると同時に、測定プローブを接触させて、抵抗値を計測しながら、こうして計測される抵抗値が所望の値となるまで、パルス印加回数を繰り返すか、またはパルス印加電圧を上昇させるのである。
【0039】
もちろん、本願発明の範囲は上述の実施例に限定されることはない。発熱ドットの領域の形状は、図に示した例以外にも種々変更可能である。また、シリアル型のサーマルプリントヘッドの他、ライン型のサーマルプリントヘッドにも同様に本願発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のサーマルプリントヘッドの一実施例の要部拡大平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1に示す実施例の他の形成方法を説明するための平面図である。
【図4】図1に示す実施例の他の形成方法を説明するための平面図である。
【図5】本願発明のサーマルプリントヘッドの他の実施例の要部拡大平面図である。
【図6】本願発明のサーマルプリントヘッドのさらに他の実施例の要部拡大平面図である。
【図7】本願発明のサーマルプリントヘッドのさらに他の実施例の要部拡大平面図である。
【図8】従来例の説明図である。
【符号の説明】
10 サーマルプリントヘッド
12 絶縁基板
13 共通電極
13a,13b… (共通電極の)櫛歯状単位電極
14a,14b… 個別電極
15 発熱抵抗体
D 発熱ドット

Claims (3)

  1. 絶縁基板上に所定幅をもって直線状に延びるように厚膜形成した発熱抵抗体の下層にもぐり込ませるようにして、共通電極の櫛歯状単位電極および複数の個別電極を形成してなる厚膜型サーマルプリントヘッドにおいて、
    上記共通電極の各単位電極および上記各個別電極を、これらの各先端縁が上記発熱抵抗体の幅方向内側において発熱抵抗体の幅方向に所定間隔を開けて対向するように配置する一方、上記発熱抵抗体における上記共通電極の各単位電極と上記各個別電極間にパルストリミングを施すことにより、上記発熱抵抗体における上記共通電極の各単位電極と上記各個別電極の各先端縁によって挟まれる領域をその他の領域に対して低抵抗化して発熱ドットとしており、かつ、
    上記パルストリミングは、平均電圧300〜1000Vにおいて、1回につき100〜500msの印加を複数回行うものであることを特徴とする、厚膜型サーマルプリントヘッド。
  2. 絶縁基板上に所定幅をもって直線状に延びるように厚膜形成した発熱抵抗体の下層にもぐり込ませるようにして、共通電極の櫛歯状単位電極および複数の個別電極を形成してなる厚膜型サーマルプリントヘッドにおいて、
    上記共通電極の各単位電極および上記各個別電極を、これらの各先端縁が上記発熱抵抗体の幅方向内側において発熱抵抗体の幅方向に所定間隔を開けて対向するように配置する一方、上記発熱抵抗体における上記共通電極の各単位電極と上記各個別電極間にパルストリミングを施すことにより、上記発熱抵抗体における上記共通電極の各単位電極と上記各個別電極の各先端縁によって挟まれる領域を、その他の領域に対して低抵抗化して発熱ドットを形成するにあたり、
    上記パルストリミングは、平均電圧300〜1000Vにおいて、1回につき100〜500msの印加を複数回行うことを特徴とする、厚膜型サーマルプリントヘッドの製造方法。
  3. 請求項の方法において、上記共通電極のうち、櫛歯状の単位電極のみを形成した上で、各単位電極と上記個別電極間に各別の操作によってパルストリミングを行った後、上記各単位電極を共通電極化することを特徴とする、厚膜型サーマルプリントヘッドの製造方法。
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