JPH0717653A

JPH0717653A - 原稿給送装置

Info

Publication number: JPH0717653A
Application number: JP18905293A
Authority: JP
Inventors: Kenji Baba; 健次馬場
Original assignee: Nisca Corp
Current assignee: Canon Finetech Nisca Inc
Priority date: 1993-06-30
Filing date: 1993-06-30
Publication date: 1995-01-20

Abstract

(57)【要約】【目的】原稿給送装置において、原稿を確実に押さえ
て画像ボケを防止し、しかも搬送ベルトの汚れを少なく
することを可能にする。【構成】搬送ベルト２を低摩擦係数部材３をベースと
して構成し、その表面には、高摩擦係数の材料をコーテ
ィングして成る２つの高摩擦領域部４，４を、互いにベ
ルト搬送方向にベルト全長の約２分の１だけ離間して、
かつ、取り扱う給送可能な最小サイズ原稿よりも小さい
面積で設け、搬送ベルト２の下面をプラテンガラス１に
対接させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機の自動原稿給送
装置（ＡＤＦ）、特にその搬送ベルトの改良に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、複写すべき原稿を搬送ベルトに
より複写機のプラテンガラス上へ搬送する原稿給送装置
には、幅広な１枚の搬送ベルト又は幅方向に複数分割さ
れた搬送ベルトが使用される。前者の幅広な１枚の搬送
ベルトは、薄手でかつ透過性のある原稿を複写する場合
にベルトの影を防止できる点で、後者の分割された搬送
ベルトより優れるが、搬送ベルト面が汚れやすいこと
や、薄手の原稿を複写する際に汚れが複写に影響する等
の不具合がある。

【０００３】従来、幅広の搬送ベルトとしては、全面を
高摩擦係数の素材から構成したものがある。

【０００４】また、図４，図５に示すように、一対のロ
ーラ１４間に巻装された無端のゴムベルトから成る搬送
ベルト１２の表面に、２群の凸部１５を、搬送方向にベ
ルト全長約２分の１だけ離間して形成し、原稿１３の用
紙搬送はこの凸部１５で行ない、他の平坦部１２Ａはプ
ラテンガラス１１より浮かせることにより、ベルト１２
の汚れを防止したものが知られている（実公昭６１−２
４５１５号公報参照）。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、全面を高摩擦
部材で構成した幅広の搬送ベルトでは、プラテンガラス
１１に接する部分及び無端ベルト内側でのベルト押圧コ
ロに接する部分に、エンドレス方向の汚れが発生する。
このため、かかる構成の幅広搬送ベルトを用いてコピー
用紙より小さな原稿を給送した場合、例えばＡ４原稿を
それより大きなＡ３等の用紙にコピーした場合には、原
稿の存在しない周囲領域を搬送ベルト面が押さえる形に
なるので、搬送ベルト面の汚れ部がそのままコピーされ
ることになり、画像品質を極めて低下せてしまう。

【０００６】一方、図４，図５の如く、用紙の搬送を凸
部１５で行ない、他の平坦部１２Ａはプラテンガラス１
１より浮かせてベルト１２の汚れを防止した構成の場
合、プラテンガラス１１とベルト平坦部１２Ａとが密着
していないため、コントラストを下げた時等において
「かげ」が発生してしまい、画像品質を低下させる。即
ち、図中のｘなる距離が存在するため、このｘ未満の厚
さの原稿を押さえることができなくなり、画像ボケが発
生する。

【０００７】この画像ボケを防止すべく、ｘ寸法を小さ
くすると、実際には凸部１５以外の平坦部１２Ａが若干
垂れてきているので、垂れている部分がガラス１１と接
触してしまい、その結果、平坦部に汚れが発生する。従
って、例えばＡ４原稿をＡ３用紙にコピーした時に、こ
の汚れ部がコピーされるため画像品質を低下させてしま
う。

【０００８】このように搬送ベルトが汚れてきた場合、
薄手の透過性原稿を取り扱うと、その透過性より、凸部
の汚れの影響、平坦部１２Ａの浮きによるボケの影響、
及び、このボケを防止した場合の平坦部の汚れの影響に
より、コピーの画像品質は悪い。そこで、自動原稿送り
ではなく、ブックモードにて、その薄手の透過性原稿と
ベルト部との間に、例えば白色の用紙を当ててコピーし
ているのが現状である。

【０００９】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、原稿を確実に押さえて画
像ボケを防止でき、しかも搬送ベルトの汚れが少ない原
稿給送装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、一対のローラ間に巻装した無端の搬送ベル
トをプラテンガラス上で走行させる原稿給送装置におい
て、上記搬送ベルトは、低摩擦係数部材をベースとして
構成し、その表面には、高摩擦係数の材料をコーティン
グして成る２つの高摩擦領域部を、互いにベルト搬送方
向にベルト全長の約２分の１だけ離間して設けた構成の
ものである（請求項１）。

【００１１】かかる構成において、各高摩擦領域部は、
取り扱う給送可能な最小サイズ原稿よりも小さい面積で
設けることが好ましい（請求項２）。また、上記搬送ベ
ルトは、搬送ベルトによって給送しないときは、高摩擦
領域部のいずれもがプラテンガラス面から退避した位置
に設定するのが好ましい（請求項３）。

【００１２】

【作用】原稿給送装置の搬送ベルトは、複写原稿を搬送
ベルトにより複写機のプラテンガラス上へ搬送するとい
う目的から見ると、高摩擦係数の素材から構成するのが
好ましく、また、搬送ベルトの汚れを複写画像に影響さ
せないという見地からは、プラテンに接触しても汚れる
度合が少ない低摩擦係数の素材から構成するのが好まし
い。

【００１３】請求項１においては、搬送ベルトは低摩擦
係数部材をベースとして構成され、その下面がプラテン
ガラスに対接されて用いられる結果となる。そして、搬
送ベルトの一部に、互いにベルト搬送方向にベルト全長
の約２分の１だけ離間して設けられた高摩擦領域部によ
り原稿が給送され、他の低摩擦係数部材の部分により原
稿が押さえられる。従って、薄手の原稿であってもプラ
テンガラスと密着させられる。この時、密着されていて
も搬送ベルトは低摩擦係数部材であるから汚れにくい。
しかも、密着は原稿を確実に押さえることを意味するの
でボケの発生もない。

【００１４】次に、請求項２の構成においては、汚れや
すい各高摩擦領域部は、取り扱う給送可能な最小サイズ
原稿（例えばＡ５サイズ）よりも小さい面積で設けられ
るため、Ａ５サイズ原稿をそれより大きなＡ４サイズ等
の用紙に等倍コピーしても画像品質は落ちない。

【００１５】更に、請求項３の構成においては、搬送ベ
ルトによって給送しないときは、高摩擦領域部のいずれ
もがプラテンガラス面から退避した位置に設定される。
従って、薄紙等の原稿であってブックモードによるコピ
ーを行なう際には、必ず低摩擦係数部材だけがプラテン
ガラスの面上に存在することになるため、完全に押さえ
ることができ、画像品質を向上させることができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。

【００１７】図１，図２において、２は無端の搬送ベル
トであり、一対の駆動ローラ５及び従動ローラ６間に巻
装されプラテンガラス１に対接するように配設されてい
る。７は内側からの押さえコロである。

【００１８】この搬送ベルト２は、低摩擦係数部材３を
ベースとして構成されており、その表面には、高摩擦係
数の材料をコーティングして成る２つの高摩擦領域部
４，４が、互いにベルト搬送方向にベルト全長の約２分
の１だけ離間して設けられている。各高摩擦領域部４の
大きさは、取り扱う給送可能な最小サイズ原稿（例えば
Ａ５サイズ）の面積２Ａよりも小さい面積で配設されて
いる。

【００１９】本実施例の場合、搬送ベルト２は、低摩擦
係数材料である白色マイラーに高摩擦係数材料である白
色ゴムを吹き付けてコーティングすることで、上記構成
を得ている。しかし、いわゆるキャンパスと称される低
摩擦係数部材に、高摩擦係数材料でる白色ゴムを吹き付
けてコーティングした搬送ベルト等を用いることもでき
る。このキャンパスは、布地の表面，裏面にウレタンゴ
ムのコーティングを施したもので、ウレタンゴムコーテ
ィングにチタン白粉，紫外線吸収剤及び静電防止剤を含
ませたものであり、十分に白度が高くて黄変し難く、さ
らに帯電し難い上に紫外線によって劣化し難くてゴムが
付着し難いものとなる等の特長を有するものである。製
造方法については、特公平４−１３２６６号公報に開示
されている。

【００２０】上記の搬送ベルト２においては、その高摩
擦領域部４によって原稿をプラテンガラス１上の所定位
置まで搬送させられ、また低摩擦係数部材３はプラテン
ガラス１と密着させられる。即ち、この搬送ベルト２は
プラテンガラス１に対接されて用いられる結果となる点
に特徴があり、この時、内側からの押さえコロ７により
プラテンガラス１に密着されるが、搬送ベルト２は低摩
擦係数部材であるから汚れにくい。しかも、密着は原稿
を確実に押さえることを意味するのでボケの発生もな
い。

【００２１】また高摩擦領域部４は最小サイズ原稿（こ
こではＡ５サイズ）より小さい面積で形成されているた
め、この例におけるＡ５サイズ原稿をそれより大きなＡ
４サイズ等の用紙に等倍コピーしても画像品質は落ちな
い。

【００２２】搬送ベルト２によって原稿を給送しないと
き、本実施例では原稿を給送しコピーを終了した時点
で、搬送ベルト２は、その２つの高摩擦領域部４，４が
共にプラテンガラス１の面上より退避したポジションに
来るようにイニシャライズされる。これは例えば、搬送
ベルトの高摩擦領域部４の位置を、センサにより直接に
検出することにより、又はローラ５，６のホームポジシ
ョンに対する回転パルス数をカウントすることにより検
出して、行なわれる。かかる退避動作制御により、薄紙
等の原稿であってブックモードによるコピーを行なう際
には、必ず低摩擦係数部材３だけがプラテンガラス１の
面上に存在することになるため、画像品質を向上させる
ことができる。かかる有利な作用効果が得られるのは、
本発明の搬送ベルトがプラテンガラスに対接させられる
ことを前提とする構成であるためである。

【００２３】上記構成により、影やボケの発生を防止
し、しかもベルト汚れを防止し、薄手の透過性原稿等を
ブックモードでコピーする際にも、白紙を当てる必要な
しに、搬送ベルトのみで均一に押さえることができ、か
つこの搬送ベルトは汚れ難い構成であるため、原稿を透
過して搬送ベルト面がプラテンガラス側から見える状態
であっても、搬送ベルトの汚れにより画像品質が低下す
る度合が極めて少ない。また、メンテナンスにおいて
も、クリーニングは高摩擦係数の部分のみ行なえばよい
ため、サービス性の向上も図ることができる。

【００２４】図３は本発明の他の実施例を示す。

【００２５】従来からＡＤＦ用搬送ベルトは全体が同一
品質のものが良いとされ、通常はベルトの表面と裏面の
摩擦係数も同じとなっている。この実施例では、押えロ
ーラ７の真下部のエンドレスバンド領域のみを高摩擦係
数材料による高摩擦領域部８とし、その他は低摩擦係数
部材３のままとしたものである。

【００２６】かく構成することにより、部分的に必要に
応じた形での摩擦係数が目論めるため、加工方法，材
質，シボ（細かい凹部）の形状等を変更することによっ
て、プラテンガラス１への抵抗を少くし、静電気の低
減，モータ駆動電流の低減，汚れの低減，ベルト寄りの
低減等を図ることができる。

【００２７】これと同様の効果は、駆動ローラ５のエン
ドレスバンド領域のみを高摩擦係数領域８とすることに
よっても得ることができる。

【００２８】

【発明の効果】以上要するに本発明によれば、ベルト汚
れを防止しつつ原稿を確実に押さえることにより画像ボ
ケを防止し、かつＡ４等の給送可能な最小原稿をそれよ
り大きなＡ３等の用紙にコピーする場合にも画像品質を
劣化させない原稿給送装置を提供できる。

【００２９】また、薄手の透過性原稿のブックモードコ
ピー時であっても、搬送ベルト部との間に白色の用紙を
当てなくても、画像品質をキープできる。

【００３０】またクリーニングは高摩擦係数領域部のみ
行なえば十分となり、サービス性の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係る原稿給送装置の断面図で
ある。

【図２】本発明の実施例に係る原稿給送装置の斜視図で
ある。

【図３】本発明の他の実施例に係る原稿給送装置を示す
図である。

【図４】従来の原稿給送装置の断面図である。

【図５】従来の原稿給送装置の斜視図である。

【符号の説明】

１プラテンガラス２搬送ベルト３低摩擦係数部材４，８高摩擦領域部５駆動ローラ６従動ローラ７押さえコロ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一対のローラ間に巻装した無端の搬送ベ
ルトをプラテンガラス上で走行させる原稿給送装置にお
いて、上記搬送ベルトは、低摩擦係数部材をベースとし
て構成し、その表面には、高摩擦係数の材料をコーティ
ングして成る２つの高摩擦領域部を、互いにベルト搬送
方向にベルト全長の約２分の１だけ離間して設けたこと
を特徴とする原稿給送装置。
【請求項２】上記各高摩擦領域部を、取り扱う給送可
能な最小サイズ原稿よりも小さい面積で設けたことを特
徴とする請求項１記載の原稿給送装置。
【請求項３】上記搬送ベルトは、搬送ベルトによって
給送しないときは、高摩擦領域部のいずれもがプラテン
ガラス面から退避した位置に設定されることを特徴とす
る請求項１記載の原稿給送装置。