JPH07168373A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真感光体の製造方法

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JPH07168373A
JPH07168373A JP31650993A JP31650993A JPH07168373A JP H07168373 A JPH07168373 A JP H07168373A JP 31650993 A JP31650993 A JP 31650993A JP 31650993 A JP31650993 A JP 31650993A JP H07168373 A JPH07168373 A JP H07168373A
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JP
Japan
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substrate
drying
pure water
cleaning
vessel
Prior art date
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Application number
JP31650993A
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English (en)
Inventor
Masanori Shibata
真典 柴田
Katsunori Oba
克則 大場
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 純水を用いて洗浄した電子写真感光体用導電
性基体を水切り乾燥させ、次いで、減圧乾燥又は真空乾
燥させた後、基体の表面に感光層を形成する電子写真感
光体の製造方法。 【効果】 本発明の製造方法によれば、純水を用いて洗
浄した後の乾燥時に、活性化された基体を高温に曝すこ
となく又、真空下で基体表面の酸化を抑制し、更には基
体表面に不均一に吸着している水分を除去することによ
り均一な洗浄面が得られ、従来の1,1,1−トリクロ
ロエタン洗浄液を使用した場合と同等の画像良品率が得
られる。更に従来の熱風乾燥・冷却ゾーンよりコンパク
トになるばかりでなく、端部乾燥のような局部加熱又は
端面のブロー処理等も不要となる。更に付加する熱量が
少なくて済むので、ランニングコストも削減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は導電性基体を純水を用い
て洗浄した後、導電性基体の表面に感光層を形成する電
子写真感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体は、一般に、電子写真感
光体用導電性基体(以下、基体と略称する。)の表面に
感光層を形成して製造する。この基体には、加工性など
の理由からアルミニウム又はアルミニウム合金が一般に
用いられる。
【0003】この鋳造したアルミニウム又はアルミニウ
ム合金を電子写真感光体用に加工する際に切削油が使用
され、又、その後の表面保護には防錆油等の油脂が使用
される。そのため、加工後の基体の表面には多くの油脂
が残留している。また、加工中に発生する金属粉、その
他大気中の各種塵埃も基体表面に付着している。このよ
うに基体の表面に各種汚れが付着した状態で感光層を形
成しようとすると、各種汚れにより均一な感光層の形成
が著しく困難となる。この場合、例え、感光層が形成で
きたとしても、得られた画像に不良等が発生し、電子写
真感光体としての機能を満たすことができない。その
為、電子写真感光体の製造時には基体表面を十分に洗浄
し、油脂などの各種汚れを取り除く必要がある。
【0004】従来、基体の洗浄には、脱脂性・不燃性・
速乾性の面から、1,1,1−トリクロロエタン、フロ
ン113等の塩素系溶剤が、広く使用されてきた。これ
らの溶剤を使用した際の基体の乾燥方法としては、常温
付近の基体を溶剤蒸気中に挿入し、基体表面で蒸気の凝
縮を起こし、リンス効果を得ると共に、溶剤蒸気にて十
分温まった後に引上げることにより基体を乾燥させる、
蒸気乾燥方式が採られてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来より基体の洗浄に
広く用いられてきた1,1,1−トリクロロエタン等の
塩素系溶剤は、分子内に塩素を含む為、基体表面に塩素
が残留することは避けられない。例え、基体表面に塩素
が数ppmでも残留すると、特に基体表面がアルミニウ
ム等の活性で腐食しやすい金属で構成されている場合、
表面腐食の起点となる。昨今の電子写真用感光体の高画
質化に対応するには、この残留塩素の問題は避けて通れ
ず、酸による腐食を誘発する水分との接触を絶つことは
必須条件であった。
【0006】更に、近年1,1,1−トリクロロエタン
もオゾン層破壊物質(略称ODC)として認定され、フ
ロンと共に1995年全廃が決定されている。
【0007】以上のような問題から、昨今では代替フロ
ン、塩素系溶剤、炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤等
に代表される溶剤系、高沸点溶剤、界面活性剤及び水を
組合わせた準水系及び界面活性剤を用いた水系等の洗浄
剤を用いた各種代替洗浄法が提唱されている。しかしな
がら、次世代フロンと言われる水素を含むクロロフルオ
ロカーボン(Hydro Chloro Fluoro Carbon;略称HCF
C)は、使用期間が世界的に限定されており、ジクロロ
メタン等の塩素系溶剤についても、大気汚染、水質汚染
等環境問題が顕在化すれば、規制の強化も十分に考えら
れる。更に、前述の表面腐食の問題もあり、特性上好ま
しくない。また、炭化水素系溶剤及びアルコール系溶剤
については、引火点が常温付近のものが多く、更には毒
性の問題もあり、作業環境及び安全上の面から好ましく
ない。
【0008】そこで、高沸点溶剤、界面活性剤及び水を
組合わせた準水系や界面活性剤を用いた水系洗浄剤が注
目されている。しかしながら、洗浄工程に水を使用する
と、乾燥工程において、水の蒸発速度が遅いことに起因
する乾燥ムラが発生し、外観不良のみならず、画像不良
まで引き起こす問題が挙げられる。
【0009】一般的に水系洗浄において、水を用いて基
体上に残留している脱脂剤を除去する「すすぎ工程」を
経た被洗浄物は、通常、50〜80℃程度に温められた
純水中に浸漬され、被洗浄物温度が液温と十分に近くな
った後に引上げられ、被洗浄物に蓄えられた熱量及び純
水界面での表面張力により水切り乾燥を行なう「温純水
引上げ乾燥工程」に入る。その他にも被洗浄物の形状に
より、エアーブロー乾燥法やスピン乾燥法等が用いられ
ることもある。
【0010】この時の洗浄後の水切り乾燥が不十分であ
ると、次工程の塗布液に水分が混入するばかりでなく、
塗膜形成、乾燥時に、局所的に気泡が発生することがあ
る。この問題を解決するために、特開平3−14445
9号公報には、「温純水引上げ乾燥工程」に代表される
水切り乾燥後に、吸着水を完全に除去する目的で、熱風
乾燥を行なう加熱処理法が提案されている。しかしなが
ら、前述の現象は、洗浄後の基体表面に付着する吸着水
が均一でないことに起因しているため、吸着水が十分に
除去されたいない基体を120〜140℃程度に加熱す
ると、洗浄により活性化された表面に高い熱負荷がかか
り、基体表面に不均一な酸化被膜が形成される。このよ
うな基体を用いて作成した電子写真感光体を用いて画像
を形成すると、画像カブリ(トナーが非画像部である白
ベタ部分に付着する現象)が発生してしまう。
【0011】本発明が解決しようとする課題は、純水を
用いた基体を洗浄した後の乾燥工程を改良することによ
り、水分や酸化皮膜厚にムラのない均一な洗浄表面を有
する基体上に光導電層を形成し、以て、画像不良の少な
い高品質な画像が得られる電子写真感光体の製造方法を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、純水を用
いた基体表面洗浄後の水切り・乾燥を確実に行なうため
の方策を鋭意検討した結果、水切り乾燥後に、更に減圧
又は真空乾燥を行なうことにより、基体表面の吸着水を
効果的に除去できることを見い出し、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明は上記課題を解決するために、
純水を用いて洗浄した電子写真感光体用導電性基体を水
切り乾燥させ、次いで、減圧乾燥又は真空乾燥させた
後、基体の表面に感光層を形成することを特徴とする電
子写真感光体の製造方法を提供する。
【0013】電子写真感光体用に切削加工又は研磨加工
された基体は、例えば、高沸点溶剤を含んだ洗浄剤にて
洗浄を行なう脱脂工程、界面活性剤水溶液にて洗浄を行
なう脱脂工程、一般水又は純水中に被洗浄物を浸漬させ
ながらブラシ洗浄を行なうブラシ洗浄工程、被洗浄物を
純水にて洗浄するリンス工程、加熱した超純水中に浸漬
し引上げ乾燥を行なう温純水引上げ工程及び被洗浄物を
乾燥させる熱風乾燥工程を経た後、更に本発明の減圧乾
燥工程又は真空乾燥工程を経て処理される。減圧乾燥工
程又は真空乾燥工程に付す前の基体は、これらの処理工
程を反復処理されたものでも良く、また、類似する工程
を経たものでも良い。
【0014】本発明の製造方法においては、最終の強制
乾燥工程において減圧又は真空乾燥を行なうことによ
り、基体表面に付着している吸着水のムラを無くし、均
一な酸化皮膜表面を得ることができる。従って、減圧又
は真空乾燥の前に、温純水引上げ乾燥以外のエアーブロ
ー乾燥やスピン乾燥等の熱負荷のかからない乾燥法を併
用しても、乾燥性は向上し、真空乾燥の効果を同様に得
ることができる。
【0015】本発明で使用する真空乾燥における到達真
空度は、400torr以下が好ましく、10〜30t
orrの範囲が特に好ましい。真空度が30Torr以
上のいわゆる減圧乾燥を行なう場合には、減圧後に遠赤
外線ヒーター等により基体表面に100℃以下の熱を均
一に与え、水の蒸発熱を付加することにより、乾燥性を
上げることもできる。
【0016】更に、真空状態或いは減圧状態に有る基体
を常圧に戻す際には、大気中の水分の再付着を防止する
面から、乾燥した窒素ガス又はクリーン度100に保た
れた乾燥空気(露点−20℃程度)等を注入することに
より常圧に戻す方法を採用することが望ましい。
【0017】電子写真感光体は、このようにして洗浄・
乾燥させて得られた基体の表面に感光層を形成して製造
される。
【0018】基体の材質としては、例えば、アルミニウ
ム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、チタン、ニッケ
ル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等
の金属又は合金、あるいは、導電性ポリマー、酸化イン
ジウム等の導電性化合物;アルミニウム、パラジウム、
金等の金属又は合金を塗布、蒸着、あるいはラミネート
した紙、プラスチックフィルム、セラミック等が挙げら
れるが、金属製のもの、特にアルミニウム製のものが好
ましい。又、必要に応じて導電性支持体表面は化学的又
は物理的な処理を施しても良い。
【0019】感光層は、電荷発生材料を主体とする電荷
発生層と、電荷輸送材料を主体とする電荷輸送層を順次
積層した第1のタイプのもの、電荷輸送層と、電荷発生
層を順次積層した第2のタイプのもの、電荷発生材料を
電荷移動媒体の中に分散せしめた第3のタイプであって
も良い。
【0020】第1のタイプの感光層は、電荷発生材料の
蒸着、あるいは電荷発生材料の微粒子を必要に応じて結
着剤樹脂を溶解した溶媒中に分散して得た分散液を塗
布、乾燥し、その上に電荷輸送材料を単独、あるいは必
要に応じて結着剤樹脂を併用し溶解した溶液を塗布、乾
燥することによって製造することができる。
【0021】第2のタイプの感光層は、電荷輸送材料を
単独、あるいは必要に応じて結着剤樹脂を併用し溶解し
た溶液を導電性支持体上に塗布、乾燥し、その上に電荷
発生材料の蒸着、あるいは電荷発生材料の微粒子を溶剤
又は結着剤樹脂溶液中に分散して得た分散液を塗布、乾
燥することにより得ることができる。
【0022】第3のタイプの感光層は、電荷輸送材料を
単独、あるいは必要に応じて結着剤樹脂を併用し溶解し
た溶液に電荷発生材料の微粒子を分散させて、これを導
電性支持体上に塗布、乾燥することによって製造するこ
とができる。
【0023】感光層の厚さは、第1及び第2のタイプの
感光層の場合には、電荷発生層の厚さは5μm以下、好
ましくは0.01〜2μmであり、電荷輸送層の厚さは
3〜50μm、好ましくは5〜30μmである。第3の
電子写真感光体の場合には、感光層の厚さは、3〜50
μm、好ましくは5〜30μmである。
【0024】第1及び第2のタイプの感光層における電
荷輸送層中の電荷輸送材料の割合は、5〜100重量%
の範囲で適時選ぶことができ、好ましくは40〜80重
量%の範囲で選ぶことができる。第1及び第2のタイプ
の感光層の電荷発生層中の電荷発生材料の割合は、5〜
100重量%の範囲で適時選ぶことができ、好ましくは
40〜80重量%の範囲で選ぶことができる。第3のタ
イプの感光層中の電荷輸送材料の割合は、5〜99重量
%の範囲で適時選ぶことができ、また電荷発生材料の割
合は、1〜50重量%、好ましくは3〜20重量%であ
る。なお、第1〜第3のいずれの感光層の作製において
も、結着剤樹脂と共に可塑剤、増感剤を用いることがで
きる。
【0025】電荷発生材料としては、例えば、モノアゾ
顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料等のアゾ顔料類;
各種金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、ナフ
タロシアニン等のフタロシアニン顔料類;ペリノン顔
料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン
顔料等の縮合多環顔料類;スクエアリウム色素類;アズ
レニウム色素類;チアピリリウム色素類;シアニン色素
類等を挙げることができる。
【0026】特に、フタロシアニン類は半導体レーザー
や発光ダイオード等の長波長光源を用いる電子写真シス
テムにおいては感度が高く好適である。
【0027】電荷発生材料は、ここに記載したものに限
定されるものではなく、その使用に際しては単独、ある
いは2種類以上を混合して用いることができる。
【0028】電荷輸送材料は、低分子化合物と高分子化
合物に大きく分かれる。
【0029】低分子化合物の電荷輸送材料としては、例
えば、ピレン;N−エチルカルバゾール、N−イソプロ
ピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール等のカル
バゾール類;N−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3
−メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフ
ェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバ
ゾール、p−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデ
ヒドジフェニルヒドラゾン、p−(N,N−ジエチルア
ミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、1−
[4−(N,N−ジフェニルアミノ)ベンジリデンイミ
ノ]−2,3ジメツルインドリン、N−エチルカルバゾ
ール−3−メチリデン−N−アミノインドリン、N−エ
チルカルバゾール−3−メチリデン−N−アミノテトラ
ヒドロキリン等のヒドラゾン類;2,5−ビス(p−ジ
エチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル等のオキサジアゾール類;1−フェニル−3−(p−
ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノ
フェニル)ピラゾリン、1−[キノリル−(2)]−3
−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラ
ゾリン類;トリ−p−トリルアミン、N,N’−ジフェ
ニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,
1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等のアリールア
ミン類;1,1−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)
−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン等のブタジ
エン類;4−(2,2−ジフェニルエテニル)−N,N
−ジフェニルベンゼンアミン、4−(1,2,2−トリ
フェニルエテニル)−N,N−ジフェニルベンゼンアミ
ン等のスチル類等が挙げられる。
【0030】また、高分子化合物の電荷輸送材料として
は、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン
化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、
ポリビニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ
−9−ビニルフェニルアンスラセン、ピレン−ホルムア
ミド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリフェニルアルキ
ルシラン等が挙げられる。
【0031】電荷輸送材料としては、ここに記載したも
のに限定されるものではなく、その使用に際しては単
独、あるいは2種類以上を混合して用いることができ
る。
【0032】必要に応じて使用することができる結着剤
樹脂は、疎水性で、電気絶縁性のフイルム形成可能な高
分子化合物を用いるのが好ましい。このような高分子重
合体としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテ
ート、ポリビニルブチラール、スチレン−ブタジエン共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重
合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド
樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルフォ
ルマール、ポリスルホン等が挙げられる。
【0033】結着剤樹脂はここに記載したものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独あるいは2
種類以上の混合物として用いることができる。
【0034】また、成膜性、可撓性、機械的強度を向上
するために、これらの結着剤樹脂と共に、周知の可塑
剤、表面改質剤等の添加剤を使用することもできる。
【0035】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、p−ターフェニル、
ジブチルフタレート、ジエチルグリコールフタレート、
ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフ
タレン、ベンゾフェニン、塩素化パラフィン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、各種のフルオロ炭化水素等が挙
げられる。
【0036】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0037】前記感光層に必要に応じて用いられる増感
剤としては、いずれも周知のものが使用できる。
【0038】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0039】また、保存性、耐久性、耐環境依存性を向
上させるために、感光層中に酸化防止剤や光安定剤等の
劣化防止剤を含有させることもできる。その例として
は、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、アミン
化合物等が挙げられる。
【0040】更に、導電性支持体と感光層との接着剤を
向上させたり、導電性支持体から感光層への自由電荷の
注入を阻止するため、導電性支持体と感光層との間に、
必要に応じて接着層あるいはバリアー層を設けることが
できる。
【0041】これらの層に用いられる材料としては、前
記結着剤樹脂に用いられる高分子化合物のほか、ガゼイ
ン、ゼラチン、エチルセルロース、ニトロセルロース、
カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリ
マーラテックス、スチレン−ブタジエン系ポリマーラテ
ックス、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリウレ
タン、フェノール樹脂、酸化アルミニウム、酸化スズ、
酸化チタン等が挙げられるが、その膜厚は1μm以下が
望ましい。
【0042】電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型
の感光層を塗工によって形成する場合、結着剤樹脂を溶
解する溶剤は、結着剤樹脂の種類によって異なるが、下
層を溶解しないものの中から選択することが望ましい。
具体的な有機溶剤の例としては、例えば、メタノール、
エタノール、n−プロパノール等のアルコール類;アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケト
ン類;N,N−ジメチルホルムアルデヒド、N,N−ジ
メチルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、メチルセロソルブ等のエーテル類;酢
酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジメチルスルホ
キシド、スルホラン等のスルホキシド及びスルホン類;
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロ
ロエタン等の脂肪族ハロゲン炭化水素;ベンゼン、トル
エン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼ
ン等の芳香族類が挙げられる。
【0043】塗工法としては、例えば、浸積コーティン
グ法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング
法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング
法、ブレードコーティング法、ローラコーティング法、
カーテンコーティング法等のコーティング法を用いるこ
とができる。
【0044】
【実施例】以下、高沸点溶剤を含んだ洗浄剤にて洗浄を
行なう脱脂槽と界面活性剤水溶液にて洗浄を行なう脱脂
槽、一般水又は純水中に被洗浄物を浸漬させながらブラ
シ洗浄を行なうブラシ洗浄槽、被洗浄物を純水にて洗浄
するリンス槽、加熱した超純水中に浸漬し引上げ乾燥を
行なう温純水引上げ槽、及び被洗浄物を乾燥させる目的
で熱風乾燥槽と真空乾燥槽を有する洗浄装置を用いた実
施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本
発明が実施例に限定されるものではない。尚、実施例
中、「部」は「重量部」を表わす。
【0045】[実施例1]N−メチル−2−ピロリドン
(BASF社製)から成る洗浄液を60℃に加温し、そ
の洗浄液中に、表面を鏡面状に切削したアルミニウムド
ラム(直径60mm×長さ247mm)を浸漬し、超音波装
置(39kHz 、600W)にて3分間脱脂処理し
た。
【0046】脱脂工程を経たアルミニウムドラムを液温
32℃の純水中に浸漬し、以下の条件にてブラシ洗浄を
5分間行なった。
【0047】パイル材質 : ナイロン パイル径 : φ0.2mm 外径 : φ100mm 毛足の長さ : 20mm ドラム回転数 : 150rpm ブラシ回転数 : 80rpm 回転方向 : ドラムとブラシが同一方向 接触圧力 : 1kg・f/cm2
【0048】次に、ブラシ洗浄を終えたアルミニウムド
ラムを、純水(導電率:0.5μS/cm、液温:26
℃)が連続的に供給されているリンス槽中にて、印加す
る超音波の周波数を37.5±2kHzの範囲内で常に
規則的に変動させる方式の超音波装置((株)プレテック
製、出力:300W)を用いて2分間リンス処理した。
【0049】更に、リンス処理を終えたアルミニウムド
ラムを、超純水(比抵抗:15MΩ・cm、液温:70
℃、酸素濃度:4ppm)が連続的に供給されている液
槽中に浸漬して、15秒静置後、7mm/秒の速度で引上
げた。
【0050】引上げ後のアルミニウムドラムを真空乾燥
槽内に入れ、常温かつ10torrまで減圧した状態で
5分間乾燥を行なった。
【0051】次に、洗浄・乾燥工程を経たアルミニウム
ドラム上に、メタノール60部及びn−ブタノール40
部から成る混合溶媒に共重合ナイロン(商品名「CM−
8000」東レ社製)7部を溶解した溶液を用いて浸漬
法により塗布し、乾燥後の膜厚が1μmの下引き層を得
た。
【0052】チタニルフタロシアニンを合成し、濃硫酸
溶液から再結晶させた結晶をアトライターミルにより9
0℃で90分間粉砕したもの5部に、ブチラール樹脂
(商品名「エスレックBM−1」積水化学社製)5部及
び塩化メチレン90部を混合し、振動ミルを用いて電荷
発生層用の分散液を得た。この分散液を上記下引き層の
上に塗布し、乾燥後の膜厚が0.3μmの電荷発生層を
形成した。
【0053】次に、電荷発生層上に、式
【0054】
【化1】
【0055】で表わされるヒドラゾン化合物9部とポリ
カーボネート(商品名「ユーピロンZ200」三菱ガス
化学(株)製)10部を、塩化メチレン60部及びモノク
ロルベンゼン20部から成る混合溶媒に溶解した溶液を
用いて浸漬法により塗布した後、乾燥させ、厚さ20μ
mの電荷輸送層を形成して、電子写真感光体を得た。
【0056】[比較例1]実施例1において、真空乾燥
に代えて熱風乾燥(140℃・10分・クリーン度:ク
ラス100)を行なった以外は実施例1と同様に処理し
て、電子写真感光体を得た。
【0057】[実施例2]N−メチル−2−ピロリドン
(BASF社製)から成る洗浄液を60℃に加温し、そ
の洗浄液中に、表面を鏡面状に切削したアルミニウムド
ラム(直径60mm×長さ247mm)を浸漬し、超音波装
置(39kHz 、600W)にて3分間脱脂処理し
た。
【0058】次に、脱脂洗浄を終えたアルミニウムドラ
ムを、純水(導電率:0.5μS/cm、液温:26℃)
が連続的に供給されているリンス槽中にて、印加する超
音波の周波数を37.5±2kHzの範囲内で常に規則
的に変動させる方式の超音波装置((株)プレテック製、
出力:300W)を用いて2分間リンス処理した。
【0059】リンス処理したアルミニウムドラムに対
し、クリーンエアーによるブロー(クリーン度:クラス
100、圧力:5kg・f/cm2 、温度:30℃)を1分
間行ない、その後、20Torrまで減圧した状態で常
温にて10分間乾燥させ、最終的に乾燥したアルミニウ
ムドラムを得た。
【0060】次に、洗浄・乾燥工程を経たアルミニウム
ドラム上に、実施例1と同様にして感光層を形成し、電
子写真感光体を得た。
【0061】[比較例2]実施例2において、エアーブ
ロー後の真空乾燥に代えて、熱風乾燥(80℃・3分・
クリーン度:クラス100)を行なった以外は実施例2
と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0062】[実施例3]「エリーズK1000」(旭
化成工業(株)製界面活性剤)3%水溶液から成る洗浄液
を60℃に加温し、その洗浄液中に、表面を鏡面状に切
削したアルミニウムドラム(直径60mm×長さ247m
m)を浸漬し、超音波装置(39kHz 、600W)に
て3分間脱脂処理した。
【0063】次に、脱脂処理を終えたアルミニウムドラ
ムを、純水(導電率:0.5μS/cm、液温:26℃)
が連続的に供給されているリンス槽中にて、印加する超
音波の周波数を37.5±2kHzの範囲内で常に規則
的に変動させる方式の超音波装置((株)プレテック製、
出力:300W)を用いて2分間リンス処理した。
【0064】更に、リンス処理を終えたアルミニウムド
ラムを、超純水(比抵抗:15MΩ・cm、液温:70
℃、酸素濃度:4ppm)が連続的に供給されている液
槽中に浸漬して、15秒静置後、7mm/秒の速度で引上
げた。
【0065】引上げ後のアルミニウムドラムを真空乾燥
槽内に入れ、80℃かつ200torrまで減圧した状
態で5分間乾燥を行なった。
【0066】次に、洗浄・乾燥工程を経たアルミニウム
ドラム上に、実施例1と同様にして感光層を形成し、電
子写真感光体を得た。
【0067】[実施例4]実施例1において、N−メチ
ル−2−ピロリドンに代えて「エリーズK1000」3
%水溶液を用いて3分間脱脂処理を行なった以外は、実
施例1と同様にして感光層を形成し、電子写真感光体を
得た。
【0068】[比較例3]実施例4において、温純水引
上げ乾燥後の真空乾燥を省いた以外は、実施例1と同様
にして感光層を形成し、電子写真感光体を得た。
【0069】[比較例4]表面を鏡面状に切削加工した
アルミニウムドラム(直径60mm×長さ247mm)を、
50℃に加熱した1,1,1−トリクロロエタンから成
る脱脂槽中にて30秒間超音波(28KHz ,600
W)脱脂洗浄処理した。次いで、25℃の1,1,1−
トリクロロエタン中に30秒間浸漬させた後、1,1,
1−トリクロロエタンの蒸気乾燥を1分間行なった。
【0070】次に、洗浄・乾燥工程を経たアルミニウム
ドラム上に、実施例1と同様にして感光層を形成し、電
子写真感光体を得た。
【0071】[評価1]実施例1〜4及び比較例1〜4
で得た電子写真感光体各50本について、日本電気(株)
製日本語ページプリンタPC−PR601を用い、気温
10℃・湿度20%RHの環境下にて印字評価を実施し
た。その結果を表1にまとめた。
【0072】
【表1】
【0073】表1に示した結果から、比較例1の電子写
真感光体は、印字した画像にかなりのカブリが観察さ
れ、吸着水の除去が不十分な状態で熱負荷をかけること
は、画像品質に悪影響を与えることが理解できる。ま
た、比較例2及び3の電子写真感光体の評価結果から、
高い熱負荷を基体にかけなくてもミクロ的にみて乾燥が
不十分であれば、同様の現象を起こし得ることが理解で
きる。更に、実施例1〜4の電子写真感光体の評価結果
から、いかなる洗浄方法を採っても十分に脱脂及び洗浄
剤のリンスを行なえば、その後の最終乾燥に減圧又は真
空乾燥を行なうことにより、従来の1,1,1−トリク
ロロエタン洗浄品(比較例4)と同等の画像品質及び良
品率が得られることが理解できる。
【0074】
【発明の効果】このように本発明の電子写真感光体の製
造方法によれば、純水を用いて洗浄した後の乾燥時に、
活性化された基体を高温に曝すことなく又、真空下で基
体表面の酸化を抑制し、更には基体表面に不均一に吸着
している水分を除去することにより均一な洗浄面が得ら
れ、従来の1,1,1−トリクロロエタン洗浄液を使用
した場合と同等の画像良品率が得られる。更に従来の熱
風乾燥・冷却ゾーンよりコンパクトになるばかりでな
く、端部乾燥のような局部加熱又は端面のブロー処理等
も不要となる。更に付加する熱量が少なくて済むので、
ランニングコストも削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真感光体用基体の洗浄・乾燥装置の概略
図である。
【符号の説明】
1 脱脂槽 2 脱脂槽 3 ブラシ洗浄槽 4 リンス槽 5 温純水引上げ槽 6 熱風乾燥槽 7 真空乾燥槽 11 高沸点溶剤 12 ヒーター 13 超音波装置 21 界面活性剤水溶液 22 ヒーター 23 超音波装置 31 純水 32 ヒーター 33 ブラシ 41 純水 42 ヒーター 43 超音波装置 51 超純水 52 ヒーター 61 ヘパフィルター 62 エアーブローノズル 71 遠赤外線ヒーター 72 開閉扉 73 ドライエアー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純水を用いて洗浄した電子写真感光体用
    導電性基体を水切り乾燥させ、次いで、減圧乾燥又は真
    空乾燥させた後、基体の表面に感光層を形成することを
    特徴とする電子写真感光体の製造方法。
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