JP3482706B2 - 金属製円筒状ドラムの洗浄方法 - Google Patents

金属製円筒状ドラムの洗浄方法

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JP3482706B2
JP3482706B2 JP21107194A JP21107194A JP3482706B2 JP 3482706 B2 JP3482706 B2 JP 3482706B2 JP 21107194 A JP21107194 A JP 21107194A JP 21107194 A JP21107194 A JP 21107194A JP 3482706 B2 JP3482706 B2 JP 3482706B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属製円筒状ドラムの
洗浄方法及び該洗浄方法によって得られた金属製円筒状
ドラムの表面に光導電増を形成する電子写真感光体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属製円筒状ドラム、特に、電子写真感
光体の導電性支持体として用いる金属製円筒状ドラムの
材料には、アルミニウム合金が広く用いられている。円
筒状ドラムは、主に、インゴットを作製し、ビレット切
断、ビレット加熱及び押し出し成形を行った後、アニー
リング、抽伸及び切断を行ない、更に、表面加工及び切
削を施して作製される。その際、円筒状ドラムは、切削
油や防錆油を用いて加工されるので、これらの油が付着
し、素手で円筒状ドラムに触れれば、人油も付着する。
更に、円筒状ドラムには、切削時に発生する金属切削粉
や加工環境中に存在する粉塵が付着している。これらの
油、切削粉や粉塵は、円筒状ドラムに感光層を形成する
際に塗膜不良となり、或いは、現像画像の不良に直結す
ることが知られているので、円筒状ドラムの表面は、充
分に洗浄を施す必要がある。
【0003】金属製円筒状ドラムの洗浄には、酸やアル
カリを用いる方法も知られているが、脱脂能力に限界が
あり、一方で、加工直後で、酸化され易い金属の表面が
腐食するという問題点があった。このような問題点を解
決するために、トリクロロエチレン、トリクロロエタ
ン、ジクロロメタン、四塩化炭素の如き塩素化炭化水素
を用いて洗浄する方法が主流となっているが、塩素化炭
化水素は、脱脂能力、不燃性、速燥性等に優れている反
面、拡散した蒸気がオゾン層を破壊するという問題点が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題点を解決
するために、特開平4−320268号公報には、切削
加工したアルミニウム製円筒状ドラムを洗剤水溶液中に
浸漬して超音波洗浄した後、脱酸素処理した温純水に浸
漬し、引き上げ、風乾させる方法が開示されている。ハ
ロゲン化炭化水素を使用しないことにより、電子写真感
光体用導電性支持体上へのハロゲン化物の残留を防止す
ると共に、脱酸素処理した純水を使用することによりア
ルミニウムシリンダー上での酸化反応を抑制し、結果と
して薄く均一な酸化皮膜が得られるとしている。
【0005】しかしながら、このようにして洗浄した金
属製円筒状ドラムに感光層を設け電子写真感光体として
の特性を評価すると、環境特性、特に高温・高湿下での
画像にカブリ(トナーが白ベタ部分に付着する現象)が
見られるという問題点があった。
【0006】本発明が解決しようとする課題は、オゾン
層破壊物質である塩素化炭化水素を使用することなく、
アルミニウム製円筒状ドラムであるアルミニウム製電子
写真感光体用導電性支持体の洗浄を行ない、かつ、この
洗浄工程においてドラム表面に均一で厚い酸化皮膜を形
成させることにより、表面の塗膜形成性に優れ、特に、
表面に感光層を形成した場合に、優れた電子写真特性を
有する電子写真感光体が得られるアルミニウム製電子写
真感光体用導電性支持体の洗浄方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、アルミニウム製電子写真感光体用導電性支
持体の洗浄中に、前記支持体表面に均一な酸化皮膜を形
成するアルミニウム製電子写真感光体用導電性支持体の
洗浄方法であって、水及び界面活性剤を含有する水系洗
浄液又は水溶性溶剤を使用してアルミニウム製電子写真
感光体用導電性支持体に付着した油分を洗浄する工程、
純水を使用して前記支持体に付着した水系洗浄液を除去
する工程、化学構造式中に塩素原子を有しない不燃性有
機溶剤を主成分とする有機溶媒を使用して前記支持体の
水切りを行なう工程、及び前記不燃性有機溶剤蒸気にて
乾燥させる工程を有し、洗浄済みの前記支持体の表面を
X線光電子分光法によって分析したときの、アルミ酸化
物とアルミ金属との放出光電子の強度比(Al(OX)
/Al(METAL))が1.52以上であることを特
徴とするアルミニウム製電子写真感光体用導電性支持体
の洗浄方法を提供する。
【0008】本発明の洗浄方法は、外周面に塗膜、特に
感光層を設けて成る円筒状電子写真感光体を製造する際
電子写真感光体用導電性支持体として用いられる金属
製円筒状ドラムの前処理として有効である。
【0009】金属製円筒状ドラムの材料としては、例え
ば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、チ
タン、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウ
ム、金、白金等の金属が挙げられる。
【0010】金属製円筒状ドラムに付着した油分を洗浄
するために使用する水系洗浄液に含まれる界面活性剤と
しては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系界面活性
剤が挙げられる。このような界面活性剤の市販品として
は、例えば、旭化成工業(株)製のエリーズ、ライオン
(株)製のサンウォッシュ、第一工業製薬(株)製のDKビ
ークリヤ等が挙げられる。
【0011】金属製円筒状ドラムに付着した油分を洗浄
するために使用する水溶性溶剤としては、例えば、荒川
化学工業(株)製のパインアルファ、花王(株)製のクリン
スルー、三菱化成(株)製のカセイクリーナー、BASF
社製のN−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
【0012】本発明で使用する化学構造式中に塩素を有
しない不燃性有機溶剤としては、例えば、ダイキン工業
(株)製のペフォール、住友スリーエム(株)製のパフォー
マンス フルーイド(PERFORMANCE FLUID)PF−50
70及びPF−5080、旭化成工業(株)製のアクアド
ライ等が挙げられる。
【0013】化学構造式中に塩素原子を有しない不燃性
有機溶剤を含有する有機溶媒中には、化学構造式中に塩
素原子を有しない不燃性有機溶剤以外の溶液であって塩
素原子を有しない溶剤等を含有していても良く、例え
ば、メタノール、エタノール、アセトン、トリフルオロ
エタノール、界面活性剤等が挙げられる。ドラム表面の
乾燥性を向上させるには低沸点溶剤系の方が良いが、酸
化皮膜を均一に厚く形成させるには80℃以上の沸点を
有する溶剤系の方が好ましい。化学構造式中に塩素原子
を有しない不燃性有機溶剤以外の溶液であって塩素原子
を有しない溶剤等を併用する場合の混合割合は、化学構
造式中に塩素原子を有しない不燃性有機溶剤100重量
部に対し、2〜20重量部の範囲が好ましい。
【0014】このようにして洗浄したドラムの外周面に
は、必要に応じて下引き層を形成した後、感光層が形成
される。
【0015】感光層は、電荷発生材料を主体とする電荷
発生層と、電荷輸送材料を主体とする電荷輸送層を順次
積層した第1のタイプのもの、電荷輸送層と、電荷発生
層を順次積層した第2のタイプのもの、電荷発生材料を
電荷移動媒体の中に分散せしめた第3のタイプであって
も良い。
【0016】第1のタイプの感光層は、電荷発生材料の
蒸着、あるいは電荷発生材料の微粒子を必要に応じて結
着剤樹脂を溶解した溶媒中に分散して得た分散液を塗
布、乾燥し、その上に電荷輸送材料を単独、あるいは必
要に応じて結着剤樹脂を併用し溶解した溶液を塗布、乾
燥することによって製造することができる。
【0017】第2のタイプの感光層は、電荷輸送材料を
単独、あるいは必要に応じて結着剤樹脂を併用し溶解し
た溶液を導電性支持体上に塗布、乾燥し、その上に電荷
発生材料の蒸着、あるいは電荷発生材料の微粒子を溶剤
又は結着剤樹脂溶液中に分散して得た分散液を塗布、乾
燥することにより製造することができる。
【0018】第3のタイプの感光層は、電荷輸送材料を
単独、あるいは必要に応じて結着剤樹脂を併用し溶解し
た溶液に電荷発生材料の微粒子を分散させて、これを導
電性支持体上に塗布、乾燥することによって製造するこ
とができる。
【0019】感光層の厚さは、第1及び第2のタイプの
感光層の場合には、電荷発生層の厚さは5μm以下が好
ましく、0.01〜2μmの範囲が特に好ましく、電荷
輸送層の厚さは3〜50μmの範囲が好ましく、5〜3
0μmの範囲が特に好ましい。第3の電子写真感光体の
場合には、感光層の厚さは、3〜50μmが好ましく、
5〜30μmの範囲が特に好ましい。
【0020】第1及び第2のタイプの感光層における電
荷輸送層中の電荷輸送材料の割合は、5〜100重量%
の範囲が好ましく、40〜80重量%の範囲が特に好ま
しい。第1及び第2のタイプの感光層の電荷発生層中の
電荷発生材料の割合は、5〜100重量%の範囲が好ま
しく、40〜80重量%の範囲が特に好ましい。第3の
タイプの感光層中の電荷輸送材料の割合は、5〜99重
量%の範囲の範囲が好ましく、また電荷発生材料の割合
は、1〜50重量%の範囲が好ましく、3〜20重量%
の範囲が特に好ましい。なお、第1〜第3のいずれの感
光層の作製においても、結着剤樹脂と共に可塑剤、増感
剤を用いることができる。
【0021】電荷発生材料としては、例えば、モノアゾ
顔料、ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料等のアゾ顔料類;
各種金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、ナフ
タロシアニン等のフタロシアニン顔料類;ペリノン顔
料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン
顔料等の縮合多環顔料類;スクエアリウム色素類;アズ
レニウム色素類;チアピリリウム色素類;シアニン色素
類等を挙げることができる。
【0022】特に、フタロシアニン類は半導体レーザや
発光ダイオード等の長波長光源を用いる電子写真システ
ムに於いては感度が高く好適である。
【0023】電荷発生材料は、ここに記載したものに限
定されるものではなく、その使用に際しては単独、ある
いは2種類以上を混合して用いることもできる。
【0024】電荷輸送材料は、低分子化合物と高分子化
合物に大きく分けられる。
【0025】低分子化合物の電荷輸送材料としては、例
えば、ピレン;N−エチルカルバゾール、N−イソプロ
ピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール等のカル
バゾール類;N−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3
−メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフ
ェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバ
ゾール、p−(N,N−ジメチルアミノ)ベンズアルデ
ヒドジフェニルヒドラゾン、p−(N,N−ジエチルア
ミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、p−
(N,N−ジフェニルアミノ)ベンズアルデヒドジフェ
ニルヒドラゾン、1−[4−(N,N−ジフェニルアミ
ノ)ベンジリデンイミノ]−2,3−ジメチルインドリ
ン、N−エチルカルバゾール−3−メチリデン−N−ア
ミノインドリン、N−エチルカルバゾール−3−メチリ
デン−N−アミノテトラヒドロキノリン等のヒドラゾン
類;2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール
類;1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノスチリ
ル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリ
ン、1−[キノリル−(2)]−3−(p−ジエチルア
ミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン類;トリ−p
−トリルアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビ
ス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン等のアリールアミン類;1,1−ビ
ス(p−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニ
ル−1,3−ブタジエン等のブタジエン類;4−(2,
2−ジフェニルエテニル)−N,N−ジフェニルベンゼ
ンアミン、4−(1,2,2−トリフェニルエテニル)
−N,N−ジフェニルベンゼンアミン等のスチリル類等
が挙げられる。
【0026】また、高分子化合物の電荷輸送材料として
は、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン
化ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、
ポリビニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ポリ
−9−ビニルフェニルアンスラセン、ピレン−ホルムア
ミド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリフェニルアルキ
ルシラン等が挙げられる。
【0027】電荷輸送材料は、ここに記載したものに限
定されるものではなく、その使用に際しては単独、ある
いは2種類以上を混合して用いることができる。
【0028】必要に応じて使用することのできる結着剤
樹脂は、疎水性で、電気絶縁性のフィルム形成可能な高
分子化合物を用いるのが好ましい。このような高分子重
合体としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテ
ート、ポリビニルブチラール、スチレン−ブタジエン共
重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重
合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェ
ノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド
樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルフォ
ルマール、ポリスルホン等が挙げられる。
【0029】結着剤樹脂はここに記載したものに限定さ
れるものではなく、その使用に際しては単独あるいは2
種以上の混合物として用いることもできる。
【0030】また、成膜性、可撓性、機械的強度を向上
するために、これらの結着剤樹脂と共に、周知の可塑
剤、表面改質剤等の添加剤を使用することもできる。
【0031】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、p−ターフェニル、
ジブチルフタレート、ジエチルグリコールフタレート、
ジオクチルフタレート、トリフェニル燐酸、メチルナフ
タレン、ベンゾフェノン、塩素化パラフィン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、各種のフルオロ炭化水素等が挙
げられる。
【0032】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッソ樹脂等が挙げられる。
【0033】前記感光層に必要に応じて用いられる増感
剤としては、いずれも周知のものが使用できる。
【0034】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0035】また、保存性、耐久性、耐環境依存性を向
上させるために、感光層中に酸化防止剤や光安定剤等の
劣化防止剤を含有させることもできる。その例として
は、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、アミン
化合物等を挙げることができる。
【0036】更に、導電性支持体と感光層との接着性を
向上させたり、導電性支持体から感光層への自由電荷の
注入を阻止するため、導電性支持体と感光層との間に、
必要に応じて接着層あるいはバリアー層を設けることも
できる。
【0037】これらの層に用いられる材料としては、前
記結着剤樹脂に用いられる高分子化合物のほか、カゼイ
ン、ゼラチン、エチルセルロース、ニトロセルロース、
カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニリデン系ポリ
マーラテックス、スチレン−ブタジエン系ポリマーラテ
ックス、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリウレ
タン、フェノール樹脂、酸化アルミニウム、酸化スズ、
酸化チタン等が挙げられ、その膜厚は1μm以下が望ま
しい。
【0038】電荷発生層及び電荷輸送層を有する積層型
の感光層を塗工によって形成する場合、結着剤樹脂を溶
解する溶剤は、結着剤樹脂の種類によって異なるが、下
層を溶解しないものの中から選択することが望ましい。
具体的な有機溶剤の例としては、例えば、メタノール、
エタノール、n−プロパノール等のアルコール類;アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケト
ン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、メチルセロソルブ等のエーテル類;酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類;ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン等のスルホキシド及びスルホン類;ジク
ロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエ
タン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン
等の芳香族類等が挙げられる。
【0039】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。なお、以下の実施例及び比較例にお
いて、「部」及び「%」は各々『重量部』及び『重量
%』を表わす。
【0040】[実施例1]アルミニウム製のインゴット
を作製し、ビレット切断、ビレット加熱及び押し出し成
形を行なった後、アニーリング、抽伸及び切断を行な
い、更に、表面加工及び切削を施して作製されたアルミ
ニウム製ドラム(外径φ60mm、長さ247mm、表面粗
度:0.3s)を、エリーズK1000(旭化成工業
(株)製の界面活性剤)3部及び水97部から成る水系洗
浄液(60℃)に浸漬し、超音波(周波数:39KH
z、出力:600W)を3分間印加して脱脂洗浄した
後、純水中でリンス洗浄した。次に、このようにして洗
浄したドラムを液温25℃のPF−5080(住友スリ
ーエム(株)製)中に浸漬し、2分間揺動させて水切りを
行ない、続いてPF−5080蒸気にて乾燥させ、洗浄
済みドラムを得た。
【0041】α型チタニルフタロシアニン2部及びブチ
ラール樹脂(商品名「エスレックBH−3」積水化学工
業社製)1部を、塩化メチレン52部及び1,1,2−
トリクロロエタン78部から成る混合液に添加し、サン
ドミル中で分散、混合して電荷発生層形成用塗料を得
た。この塗料を用いて、浸漬塗工法により洗浄済みドラ
ムの外表面に乾燥後の膜厚が0.3μmの電荷発生層を
形成した。
【0042】次に、式(1)
【0043】
【化1】
【0044】で表わされるヒドラゾン系化合物20部及
び式(2)
【0045】
【化2】
【0046】(式中、aとbの比率は、1H−NMRに
よる測定により、a:b=85.7:14.3であ
る。)で表わされるポリカーボネート樹脂30部を、塩
化メチレン110部及び1,1,2―クロロエタン74
部から成る混合液に溶解させて電荷輸送層形成用塗料を
調製した。この塗料を用いた以外は、電荷発生層を形成
する場合と同様にして、電荷発生層を有するドラムを浸
漬塗工して、ドラムの電荷発生層上に乾燥後の膜厚が2
0μmの電荷輸送層を形成して電子写真感光体を作製し
た。
【0047】[実施例2]実施例1において、エリーズ
K1000(旭化成工業(株)製の界面活性剤)3部及び
水97部から成る水系洗浄液に代えて、60℃に加温し
たN−メチル−2−ピロリドン100%溶液(BASF
社製;水溶性溶剤)を用いた以外は、実施例1と同様に
して電子写真感光体を得た。
【0048】[比較例1]実施例1において、PF−5
080溶液(住友スリーエム(株)製)を用いた水切り処
理に代えて、純水(比抵抗:1MΩ・cm、液温:26
℃、酸素濃度:2ppm)が連続的に供給されているリ
ンス槽中にて、印加する超音波の周波数を37.5KH
z±2KHzの範囲内で常に規則的に変動させる方式の
超音波装置((株)プレテック製、出力:300W)を用
いて2分間リンス処理し、更にリンス処理を終えたアル
ミニウムドラムを、超純水(比抵抗:15MΩ・cm、
液温:70℃、酸素濃度:2ppm)が連続的に供給さ
れている液槽中に浸漬して15秒間静置後、7mm/秒
の速度で引上げた以外は、実施例1と同様にして、洗浄
済みドラムを得た。以後は実施例1と同様にして電子写
真感光体を得た。
【0049】[評価1]実施例1、実施例2及び比較例
1で得た洗浄済みドラムの表面をX線光電子分光法(E
SCA)にて分析し、アルミ酸化物とアルミ金属との放
出光電子の強度比(酸化度:AL(OX)/AL(METAL))
を測定した。その結果を表1にまとめた。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示した結果から、比較例1で得た洗
浄済みドラムの表面は脱酸素処理した温純水により、酸
化皮膜の生成が抑制されている。これに対し、実施例1
及び2で得た洗浄済みドラムでは、比較的沸点の高いフ
ッ素系溶剤にて水切り乾燥させることにより、表面酸化
度は高くなっていることが理解できる。
【0052】[評価2]実施例1、2及び比較例1で得
た電子写真感光体について、日本電気(株)日本語ページ
プリンタPC−PR601を用いて、画像のカブリ(ト
ナーが白ベタ部分に付着する現象)が発生し易い、気温
35℃、湿度85%の環境にて印字評価を実施し、その
結果を表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】比較例1においては、印字した画像にカブ
リが観察されるが、実施例1及び実施例2においては、
印字した画像にカブリは観察されず、印字評価結果は良
好であった。
【0055】
【発明の効果】このように本発明の洗浄方法によれば、
金属製円筒状ドラムに不均一に吸着している水分をフッ
素系溶剤にて置換し、同溶剤蒸気を用いて乾燥させるこ
とにより、均一で厚い酸化皮膜が得られ、従来より提唱
されている脱酸素装置や熱風乾燥・真空乾燥等のような
強制乾燥装置が不要となる。
【0056】更に、本発明の電子写真感光体の製造方法
によれば、オゾン層破壊係数がゼロで、かつ化学構造式
中に塩素原子を有しない不燃性有機溶剤を主成分とする
有機溶媒使用することにより、電子写真感光体用導電性
支持体として用いられる金属製円筒状ドラムを腐食させ
ることなく洗浄することができ、当該洗浄方法によって
得られたアルミニウム製電子写真感光体用導電性支持体
の表面に、アルマイト皮膜、ベーマイト皮膜、バリアー
層を形成することなく、光導電層を形成しても、環境特
性に優れた電子写真感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真感光体用ドラムの洗浄・乾燥工程の概
略図である。
【符号の説明】
1 脱脂槽 2 リンス槽 3 リンス槽 4 温純水引上げ槽 5 水切り槽 6 蒸気乾燥槽 11 水/界面活性剤洗浄液叉は水溶性溶剤 12 ヒーター 13 超音波装置 21 純水 22 ヒーター 23 超音波装置 31 純水 32 ヒーター 33 超音波装置 34 脱酸素装置 41 超純水 42 ヒーター 43 脱酸素装置 51 無塩素不燃性溶剤 52 ヒーター 53 超音波装置 54 シャワーノズル 55 水分離フィルター 61 無塩素不燃性溶剤 62 ヒーター 63 冷却コイル

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム製電子写真感光体用導電性
    支持体の洗浄中に、前記支持体表面に均一な酸化皮膜を
    形成するアルミニウム製電子写真感光体用導電性支持体
    の洗浄方法であって、水及び界面活性剤を含有する水系
    洗浄液又は水溶性溶剤を使用してアルミニウム製電子写
    真感光体用導電性支持体に付着した油分を洗浄する工
    程、純水を使用して前記支持体に付着した水系洗浄液を
    除去する工程、化学構造式中に塩素原子を有しない不燃
    性有機溶剤を主成分とする有機溶媒を使用して前記支持
    体の水切りを行なう工程、及び前記不燃性有機溶剤蒸気
    にて乾燥させる工程を有し、洗浄済みの前記支持体の表
    面をX線光電子分光法によって分析したときの、アルミ
    酸化物とアルミ金属との放出光電子の強度比(Al(O
    X)/Al(METAL))が1.52以上であること
    を特徴とするアルミニウム製電子写真感光体用導電性支
    持体の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 化学構造式中に塩素を有しない不燃性有
    機溶剤が、フッ化炭素系有機溶剤、フッ化アルコール系
    有機溶剤及びフッ化エーテル系有機溶剤から成る群から
    選ばれる1種以上の不燃性有機溶剤である請求項1記載
    のアルミニウム製電子写真感光体用導電性支持体の洗浄
    方法。
  3. 【請求項3】 前記水及び界面活性剤を含有する水系洗
    浄液又は水溶性溶剤を使用してアルミニウム製電子写真
    感光体用導電性支持体に付着した油分を洗浄する工程に
    おいて、洗浄に水溶性溶剤を用い、該水溶性溶剤がN−
    メチル−2−ピロリドンである請求項1または2のいず
    れか1項に記載のアルミニウム製電子写真感光体用導電
    性支持体の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗
    浄方法によって得た金属性円筒状ドラムの表面に、電荷
    発生材料と電荷輸送材料とを含有する感光層を形成する
    ことを特徴とするアルミニウム製電子写真感光体の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記感光層に含有される電荷発生材料が
    フタロシアニン顔料である請求項4記載のアルミニウム
    製電子写真感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記フタロシアニン顔料がα型チタニル
    フタロシアニンである請求項5記載のアルミニウム製電
    子写真感光体の製造方法。
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