JP5649335B2 - 洗浄方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学製品や電子製品、金属製品等あるいはこれらの製造工程や再生工程等における洗浄の方法ないし装置に関する。
光学製品の製造工程等において、被洗浄物に付着した汚れを除去する洗浄工程が広く導入されており、その洗浄工程には、後工程における水分の影響を防止するために、洗浄やすすぎの際に付着した水分を除去する昇温乾燥工程が含まれることがある。
例えば、プラスチックレンズの注型重合法による成形時に繰り返し使用される一対のガラスモールドにおける、離型後に樹脂汚れ等を除去する洗浄工程には、薬液に接触させて樹脂汚れ等を取り除く洗浄剤処理工程と、薬液を市水や純水等の水によりすすぐすすぎ工程と、すすぎの際にガラスモールドに付着した水分を除去する昇温乾燥工程が含まれる(下記特許文献1,2参照)。水分の残存したガラスモールドを用いてプラスチックレンズを成形すると、プラスチックレンズ材料のガラスモールド内での重合時に水分が作用して、プラスチックレンズに意図しない変形やシミ等が発生してしまうため、ガラスモールドの洗浄工程の最後に昇温乾燥工程が含められる。昇温乾燥工程では、すすいた後のガラスモールドを導入した雰囲気に対し、温度上昇や温風導入がなされる。
しかし、このような洗浄工程は、加熱が好ましくない被洗浄物の洗浄に適さない。そこで、昇温乾燥工程に代えて、水切り液を被洗浄物に適用して水分を除去する水切り乾燥工程が含められることがある。又、水分の更なる除去を行うため、昇温乾燥工程と共に水切り乾燥工程が含められることがある。
例えば、ガラスレンズの洗浄工程において、純水を用いたすすぎ工程の直後、IPA(イソプロピルアルコール)を水切り液として水切り乾燥工程を行い、IPAを揮発乾燥させるものが知られている(下記特許文献3参照)。IPAは、水分を取り込んで蒸発するため、水分を残存させない優れた水切り性能を発揮し、しかもそれ自体は低コストで購入できる。
しかしながら、IPAには、引火爆発性や、大量に吸った場合の毒性があり、備蓄を含め大量に扱う場合には細心の注意が必要である(所定量以上の備蓄に法規上の制限がある場合もある)。そして、特許文献3のようにすすぎ工程直後に水切り工程を行うものでは、水分の十分な除去のためIPAを比較的大量に用意しなければならない。よって、このような水切り工程を含む洗浄工程では、運用コストが大きくなるし、洗浄処理能力も限られてしまう。
特開2008−143052号公報 特開2004−267962号公報 特開平5−184808号公報
そこで、本発明の目的は、微細な水分も残存させないよう水分を十分に除去しながら、IPAあるいはこれに代わる水切り乾燥液の使用量が少ない水切り工程を含む洗浄方法・装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、洗浄方法にあって、型である被洗浄物を薬剤により洗浄する薬剤洗浄工程と、前記被洗浄物に付着した前記薬剤を水によりすすぐすすぎ工程と、前記被洗浄物から水を除去する水切り乾燥工程を含んでおり、前記被洗浄物を水に浸漬した後で引き上げる水引き上げ工程と、水を取り込む乾燥用溶剤に前記被洗浄物を浸漬せず前記被洗浄物に前記乾燥用溶剤の蒸気を当てる1つ又は2つの溶剤乾燥工程を含み、前記溶剤乾燥工程は、20〜60℃の乾燥用溶剤の上に前記被洗浄物を位置させるものであり、あるいは、0〜40℃の乾燥用溶剤の上に前記被洗浄物を位置させた後、20〜60℃の乾燥用溶剤の上に前記被洗浄物を位置させるものであることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、上記目的に加え、更に水切り効果の度合を良好にする目的を達成するため、上記発明にあって、前記水引き上げ工程は、30〜90℃の温純水を用いるものであることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記目的に加え、段階的に被洗浄物を加温することでより一層効果的な水分除去を行う目的を達成するため、上記発明にあって、前記水切り乾燥工程は、前記水引き上げ工程の前に、室温以上で前記水引き上げ工程における水の温度未満である水に前記被洗浄物を浸漬した後で引き上げるプレ水引き上げ工程を含むことを特徴とするものである。
上記目的を達成するため、請求項4に記載の発明は、洗浄装置にあって、型である被洗浄物を薬剤により洗浄する薬剤洗浄槽、又は当該洗浄槽が複数集まった薬剤洗浄槽群と、前記被洗浄物に付着した前記薬剤を水によりすすぐすすぎ槽、又は当該すすぎ槽が複数集まったすすぎ槽群と、前記被洗浄物から水を除去する水切り乾燥槽が複数集まった水切り乾燥槽群を含んでおり、前記水切り乾燥槽群は、前記被洗浄物を水に浸漬した後で引き上げるための水引き上げ槽と、水を取り込む乾燥用溶剤に前記水引き上げ槽からの前記被洗浄物を浸漬せず前記水引き上げ槽からの前記被洗浄物に前記乾燥用溶剤の蒸気を当てる1つ又は2つの溶剤乾燥槽を含み、前記溶剤乾燥槽は、20〜60℃の乾燥用溶剤の上に前記被洗浄物を位置させる1つの溶剤乾燥槽、あるいは、0〜40℃の乾燥用溶剤の上に前記被洗浄物を位置させる第1の溶剤乾燥槽、及び20〜60℃の乾燥用溶剤の上に前記被洗浄物を位置させる第2の溶剤乾燥槽の2つの溶剤乾燥槽から成ることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、上記目的に加え、更に水切り効果の度合を良好にする目的を達成するため、上記発明にあって、前記水引き上げ槽において、30〜90℃の温純水を用いることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、上記目的に加え、段階的に被洗浄物を加温することでより一層効果的な水分除去を行う目的を達成するため、上記発明にあって、前記水切り乾燥槽群は、前記水引き上げ槽の前に、室温以上で前記水引き上げ工程における水の温度未満である水に前記被洗浄物を浸漬した後で引き上げるためのプレ水引き上げ槽を含むことを特徴とするものである。
本発明では、型である被洗浄物を水に浸漬した後で引き上げる水引き上げ処理と、水を取り込む所定温度範囲の乾燥用溶剤の蒸気を当てる1〜2回の溶剤乾燥処理を行うことで、管理容易とし、コストを低減しながら、微細な水分も残存させないよう十分に被洗浄物の水切りを行え、良好な離型性を確保できる、という効果を奏する。
(a)は本発明に係る洗浄装置の模式図であり、(b)〜(e)は本発明に係る洗浄装置の実施例1〜4の模式図である。
以下、本発明に係る実施の形態の例につき、適宜図面に基づいて説明する。なお、本発明の形態は、これらの例に限定されない。
図1(a)に示すように、本発明に係る洗浄装置1は、被洗浄物に洗浄溶剤を適用する第1洗浄処理槽2と、被洗浄物に洗剤を適用する第2洗浄処理槽3と、洗浄処理後の被洗浄物を水ですすぐ第1すすぎ槽4と、被洗浄物を更に純水ですすぐ第2すすぎ槽5と、被洗浄物に付着した水分を除去するための水切り乾燥槽群6と、各槽へ被洗浄物を順次搬送する図示しない搬送手段を備えている。なお、洗浄装置1に隣接して温風や真空引き等による乾燥装置を配置し、あるいは洗浄装置1にそのような乾燥装置を組み込んで、水切り乾燥槽群6による水分の除去後に更なる乾燥を行うようにして良い。
被洗浄物としては、光学製品、電子製品、金属製品、これらの製造時や再生処理時に用いる器具・部材・装置が例示され、光学製品としてガラスレンズやプラスチックレンズが例示され、電子製品として電子基板や電子部品、液晶のガラス基板が例示され、金属製品として各種金属部品が例示され、光学製品の製造時に用いる器具等としてガラスモールドや各種鋳型が例示される。本形態では、プラスチックレンズに係るガラスモールドを被洗浄物としている。
又、搬送手段の形式は特に限定されないが、本形態では、複数のガラスモールドが並べられるバスケットを引き上げ、次の槽へ搬送して下降させるものとなっている。
第1洗浄処理槽2には、アルカリ洗剤(花王株式会社製クリンスルー)か有機溶剤(サンコー科学株式会社製NNP)を単独又は混合した薬剤が入っている。薬剤の温度は、図示しない熱交換器により、50℃を含む所定の範囲に収まるように制御されている。ガラスモールドは、搬送手段により、第1洗浄処理槽2中の薬剤に約5分間(5分±1分)漬けられた後、第2洗浄処理槽3に送られる。第2洗浄処理槽3には、工業用洗剤(岡部製作所株式会社製A−19)か洗浄用洗剤(同社製A−77)を単独又は混合した30〜50℃の薬剤が入っていて、ガラスモールドが1分間漬けられる。第1洗浄処理槽2及び第2洗浄処理槽3に対するガラスモールドの浸漬により、洗浄方法における洗浄工程が実施される。なお、洗浄処理槽の数は、1あるいは3以上であっても良い。又、薬剤に対し超音波等による振動を与えても良い。更に、薬剤の温度は適宜変更でき、好ましくは40〜60℃の範囲とされる。
又、アルカリ洗剤や有機溶剤、工業用洗剤、洗浄用洗剤として、他の公知のものやこれらの組合せを用いることができ、例えば有機溶剤としてアセトン、エチルエーテル、ジクロロメタン、ジクロロベンゼン、キシレン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ペンチル、シクロヘキサノール、スチレン、テトラクロロエチレン、テトラヒドロフラン、トルエン、メタノール、ブタノール、プロパノール、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソペンチルアルコールやこれらの組合せを用いることができる。
加えて、工業用洗剤あるいは洗浄用洗剤として例えばジクロロフルオロエタン、ジクロロペンタフルオロエタン、トリフルオロエタン、ジクロロペンタフルオロプロパン、ジヒドロパーフルオロブタン、シクロペンタン、フッ素化シクロペンタン、ペンタフルオロブタン、ペルフルオロヘキサン、デカフルオロペンタン、ヘプタフルオロペンタン、ヘプタフルオロシクロペンタン、オクタフルオロシクロペンタン、フルオロプロパン、ヘキサフルオロプロパン、テトラフルオロシクロブタン、ヘプタデカフルオロデカン、ヒドロパーフルオロヘプタン、ビス(トリフルオロメチル)フルオロアミン、ビス(フルオロメチル)エーテル、メタノール、イソプロパノール、t−ブタノール、ジメチルポリシロキサン、ポリシロキサン化合物、フルオロポリオキシアルキレンやこれらの組合せを用いることができる。
第1すすぎ槽4には、常温(室温)の市水が入っており、ガラスモールドが1分間漬けられる。第2すすぎ槽5には、25℃を含む所定温度範囲に制御された純水(イオン交換水)が入っており、ガラスモールドが約1分間(1分±1分)漬けられる。第1すすぎ槽4及び第2すすぎ槽5に対するガラスモールドの浸漬により、洗浄方法におけるすすぎ工程が実施される。なお、各すすぎ槽の数は、1あるいは3以上であっても良い。又、水に対し超音波等による振動を与えても良い。更に、各すすぎ槽の水の種類は適宜変更でき、又水の温度も適宜変更でき、好ましくは第2すすぎ槽4につき常温を含む10〜30℃とされる。
水切り乾燥槽群6は、ガラスモールドに付着した水分を水切り液で除去する水切り乾燥工程を実施するための複数の槽から成り、少なくとも、水引き上げ槽としての温純水引き上げ槽11と、溶剤乾燥槽13を含む。又、温純水引き上げ槽11の前にプレ水引き上げ槽としての温純水槽10を配置することがあり、溶剤乾燥槽13の前にリンス槽12を配置することがある。リンス槽12を配置した場合、リンス槽12は第1の溶剤乾燥槽の役割を担い、溶剤乾燥槽13は第2の溶剤乾燥槽の役割を担う。
温純水槽10には、40℃を含む所定温度範囲となるよう制御された純水(ないしその蒸気)が入っており、ガラスモールドが約1分間(1分±1分)漬けられる。温純水引き上げ槽11には、60℃を含む所定温度範囲となるように制御された純水が入っており、ガラスモールドが、当初浸漬され、その後引き上げられて、合計約1分間(1分±1分)に亘り乾燥される(温純水引き上げ乾燥)。ガラスモールドは、水表面通過時に表面張力の作用を受けることで水切りがなされ、更に室温より高い温度の効果で乾燥される。なお、純水ではなく市水等を入れても良い。又、水に対し超音波等による振動を与えても良い。更に、温純水槽10においても温純水引き上げを行うようにしても良い。加えて、水の温度は適宜変更でき、乾燥作用の効率的な発現や段階的な昇温の観点から、好ましくは温純水槽10につき20〜80℃とし、温純水引き上げ槽11につき30〜90℃とし、より好ましくは温純水槽10につき30〜50℃とし、温純水引き上げ槽11につき40〜65℃とする。
温純水槽10に対するガラスモールドの浸漬あるいは水引き上げにより、洗浄方法におけるプレ水引き上げ工程が実施される。又、温純水引き上げ槽11へのガラスモールドの投入により、洗浄方法における水引き上げ工程が実施される。
リンス槽12には、20℃を含む所定温度範囲となるように制御された、水分を共に蒸発可能に取り込む乾燥用薬剤ないしその蒸気が入っており、ガラスモールドが約1分間(1分±1分)漬けられ、あるいは(引き上げられつつ)蒸気に当てられる(ベーパー乾燥)。溶剤乾燥槽13には、40℃を含む所定温度範囲となるよう制御された乾燥用薬剤が入っており、ガラスモールドが約1分間(1分±1分)漬けられ、あるいはベーパー乾燥される。乾燥用薬剤は、炭化水素系溶剤(住友スリーエム株式会社製フロリナート)かフッ素系溶剤(HFC365,例えば日本ソルベイ株式会社製ソルカン)を単独又は混合したものである。又、乾燥用薬剤に対し超音波等による振動を与えても良い。更に、乾燥用薬剤の温度は適宜変更でき、十分な乾燥作用の発揮や効率的な運用ないし安全性の観点から、好ましくはリンス槽12につき常温を含む0〜40℃とし、溶剤乾燥槽13につき常温を含む20〜60℃とする。
リンス槽12を設けず溶剤乾燥槽13を設けた場合、洗浄方法における溶剤乾燥工程は1つとなり、リンス槽12及び溶剤乾燥槽13を設けた場合、洗浄方法における溶剤乾燥工程は2つとなる。
なお、乾燥用薬剤は、炭化水素系溶剤あるいはフッ素系溶剤の何れか一方のみを用いて良いし、IPAやフロン系溶剤、ジクロロメタン系溶剤あるいはこれらの組合せを用いることができる。又、乾燥用薬剤は、他の公知のものやこれらの組合せを用いて良く、例えば炭化水素系溶剤としてグリコールエーテルエステルを採用することができ、フッ素系溶剤としてジフルオロメトキシ−2,2,2−トリフルオロメタン、1,4−ジヒドロパーフルオロブタンとメタノールの混合物、ペルフルオロヘキサンとメタノールの混合物等を採用することができる。
次に、本発明の実施例、及び比較例を示す。但し、実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
≪構成≫
本発明の実施例として、水切り乾燥槽群6の前半に温純水槽10及び温純水引き上げ槽11を配置し、後半に溶剤乾燥槽13を配置したもの〔実施例1,図1(b)〕あるいはリンス槽12及び溶剤乾燥槽13を配置したもの〔実施例2,図1(c)〕と、水切り乾燥槽群6の前半に温純水引き上げ槽11を配置し、後半に溶剤乾燥槽13を配置したもの〔実施例3,図1(d)〕あるいはリンス槽12及び溶剤乾燥槽13を配置したもの〔実施例4,図1(e)〕を作成し、比較例として、水切り乾燥槽群6の構成を様々に変更した比較例1〜12を作成した。これらの構成等を[表1]に示す。
Figure 0005649335
比較例1では、水切り乾燥槽群6の前半を温純水槽10及び温純水引き上げ槽11とし、後半を水切り槽、リンス槽12及び溶剤乾燥槽13とした。ここで、水切り槽は、溶剤乾燥槽13等と同様の炭化水素系溶剤かフッ素系溶剤を単独又は混合した0〜40℃の薬剤が入ったものであり、ガラスモールドが約1分間(1分±1分)漬けられる。比較例2では、水切り乾燥槽群6の前半を温純水引き上げ槽11とし、後半を前記水切り槽、リンス槽12及び溶剤乾燥槽13とした。
比較例3〜5では、水切り乾燥槽群6につき、温純水槽10や温純水引き上げ槽11を省き、第2すすぎ槽5の後にIPA槽を配置している。IPA槽には、濃度50〜100重量%で10〜30℃に制御されたIPAが入っており、ガラスモールドが約3分間(3分±1分)漬けられる。そして、比較例3では、水切り乾燥槽群6を、前記IPA槽、リンス槽12及び溶剤乾燥槽13とし、比較例4では、水切り乾燥槽群6を、前記IPA槽、前記水切り槽、リンス槽12及び溶剤乾燥槽13とし、比較例5では、水切り乾燥槽群6を、前記IPA槽及び温純水乾燥槽とした。温純水乾燥槽には、50〜90℃に制御された純水ないしその蒸気が入っており、ガラスモールドが、約5分間(5分±1分)に亘り浸漬され又引き上げられる。
比較例6では、水切り乾燥槽群6につき、第2すすぎ槽5の後にIPA乾燥槽を配置しており、更に前記水切り槽とリンス槽12を配置している。IPA乾燥槽には、濃度50〜100重量%で70〜100℃に制御されたIPAの液体ないし蒸気が入っており、ガラスモールドを、約1分間(1分±1分)引き上げて、IPAによりベーパー乾燥させる。
比較例7では、水切り乾燥槽群6につき、第2すすぎ槽5の後に前記温純水乾燥槽を配置しており、更に前記水切り槽とリンス槽12を配置している。比較例8は、水切り乾燥槽群6を、リンス槽12と溶剤乾燥槽13のみとしたものである。比較例9は、水切り乾燥槽群6を、前記水切り槽、リンス槽12及び溶剤乾燥槽13のみとしたものである。
比較例10は、水切り乾燥槽群6を、前記IPA槽及び溶剤乾燥槽13のみとしたものである。比較例11は、水切り乾燥槽群6を、前記IPA槽及び前記IPA乾燥槽のみとしたものである。比較例12は、水切り乾燥槽群6を、温純水槽10、温純水引き上げ槽11及び前記温純水乾燥槽で構成したものである。
≪乾燥判定手法≫
実施例1〜4及び比較例1〜12で洗浄したガラスモールドにつき、「JIS T 7336:2010 ISO 8980−5:2005」で規格された検査と同等の手法により、目視で乾燥状況を判定した。なお、この規格は、眼鏡レンズの耐きず性確認に関するものであるが、検査対象をガラスモールドに置き換えて適用した。又、本乾燥判定は、この規格の内、特に「5.1.5 検査用照明」「5.2.1 試験場所」「5.2.2 レンズサンプル」を参照したものであり、検査用照明の項で示される反射試験法ないし側方照明試験法により照らしたガラスモールドにおいて、残存水分(視認可能な擦り水滴)の有無を目視で隈無く確認するものである。
≪乾燥判定結果≫
実施例1〜4,比較例1〜12で洗浄したガラスモールドに係る乾燥判定結果を[表1]右側の「乾燥判定」欄に示す。ここで、残存水分がガラスモールド及び洗浄治具の双方に認められないと判断した場合に「◎」を付し、ガラスモールドに残存水分は認められないが洗浄治具の一部に残存水分が認められた場合に「○」を付し、ガラスモールドに残存水分が認められた場合に「×」を付す。
比較例5〜8,10,11で洗浄したガラスモールドは、乾燥が不十分であった。又、実施例2〜4,比較例1〜4,9で洗浄したガラスモールドは、洗浄治具の一部に残存水分が認められたが、ガラスモールド自体に残存水分は認められなかった。これに対し、実施例1,比較例12で洗浄したガラスモールドは、極めて良好な乾燥状態となった。
≪洗浄費用≫
実施例1〜4,比較例1〜12における洗浄費用について、[表1]右側の「洗浄費用」欄に示す。通常の規模のガラスモールドの洗浄を想定した場合の薬剤の月間コストが30万円未満である場合に「◎」を付し、当該月間コストが30万円以上50万円未満である場合に「○」を付し、当該月間コストが50万円以上70万円未満である場合に「△」を付し、当該月間コストが70万円以上である場合に「×」を付す。
薬剤に関して比較例1〜4,9は高コストであり、実施例2,4,比較例6〜8,10は比較的に高コストであり、実施例1,3及び比較例5,11は低コストであり、比較例12は更に低コストである。
≪離型性能≫
実施例1〜4,比較例1〜12で洗浄したガラスモールドに係る離型性の判定結果を[表1]右側の「作業性判定」欄に示す。ここで、ガラスモールドと成型品の分離作業が容易である場合に「○」を付し、分離作業が一部又は全部できず、分離作業が困難である場合に「×」を付す。
実施例1〜4,比較例1〜4,6〜11は、洗浄後のガラスモールドで成型した場合の離型性が良好であるが、比較例5,12は、離型性が良好でない。
≪検討≫
ガラスモールドに水分が残存すると、プラスチックレンズの成形に支障を来すおそれがあるため、比較例5〜8,10,11は採用できない。又、リンス槽12及び溶剤乾燥槽13に加え水切り槽を設けて合計3槽で溶剤乾燥を行う比較例1,2,4,9では、洗浄費用が嵩む。
又、IPAを用いて乾燥状態が良好となっている比較例3,4,10,11は、IPA乾燥槽のみを用いるものではなく、必ずガラスモールドを浸漬させるIPA槽を用いており、取扱の難しいIPAを大量に使用しなければならず、洗浄費用としては直接現れない管理コストが多くかかる。
更に、純水を用いる槽のみで乾燥する比較例12では、良好な乾燥状態となっていて費用でも有利となっているが、微細な水分ですら残存させない要求があることを考慮すると、純水の引き上げ乾燥で乾燥工程を終了する比較例12は採用できない。又、比較例12は、純水の引き上げ乾燥で乾燥工程を終了し薬剤の適用が無いため、離型性が良好ではなく、型の洗浄においてはなおさら採用することができない。
これらに対し、実施例1では、最後の溶剤乾燥槽13で乾燥用薬剤を用いるため、若干洗浄費用が多くなるが、温純水槽10及び温純水引き上げ槽11では純水を用いるためコストや運用面で有利であり、又乾燥用溶剤としてIPA以外の炭化水素系溶剤ないしフッ素系溶剤を選択できて、十分な乾燥性能を有しながら管理が容易となる。又、特に型洗浄の場合において、離型性能が良好である。なお、乾燥用溶剤としてIPAを選択したとしても、最後のベーパー乾燥のみに使用するだけになるので、前記のIPA槽やIPA乾燥槽による乾燥に比べ、IPA使用量を低減し、やはり乾燥性能を十分のものとしながら管理コストを低減することができる。
又、実施例2では、実施例1に対し、溶剤乾燥槽13の前にリンス槽12を追加したものとなっているため、実施例1よりコストが上昇するものの、更に水切り槽を加えるもの(比較例1,2,4,9)と異なり許容範囲であり、又管理が容易ながら十分な乾燥を施すことができ、型洗浄の場合の離型性も良好にできる。
更に、実施例3では、水切り乾燥槽群6を温純水引き上げ槽11と溶剤乾燥槽13で構成するため、洗浄費用や管理の面で有利であるし、乾燥も十分に行えており、温純水乾燥槽における純水引き上げ乾燥で終了せず溶剤乾燥槽における溶剤ベーパー乾燥で終了するため、微細な水も嫌うプラスチックレンズのガラスモールド(その他液晶のガラス基板や電子部品等)の乾燥に安心して用いることができ、型洗浄の場合には良好な離型性を確保することができる。
加えて、実施例4では、実施例3に対し、溶剤乾燥槽13の前にリンス槽12を追加したものとなっているため、実施例3よりコストが上昇するものの、更に水切り槽を加えるものと異なり許容範囲であり、又簡易な管理で十分な乾燥を施すことができ、型洗浄の場合に離型性に配慮することができる。
≪考察≫
上述の通り、温純水引き上げ槽11(及び温純水槽10)と溶剤乾燥槽13(及びリンス槽12)を組み合わせることで、管理が容易で乾燥性能が高い洗浄を現実に提供することができており、産業上利用可能であって、発明の開示としては上記で十分と考えるが、便宜のため更にその仕組みにつき考察する。
洗浄工程におけるすすぎ工程後の水切り工程に際し、室温より高温とした純水を用いて引き上げ乾燥を施すと、表面張力により被洗浄物表面の水を引き戻して水切り作用が発現すると共に、比較的に高い温度の槽内で引き上げられて被洗浄物が加温され、乾燥作用が発現する(温純水引き上げ槽11)。ここで、純水による引き上げ乾燥の前に、比較的に低温とした(室温よりは高温とした)純水に漬け、あるいは引き上げ乾燥を施すと、被洗浄物に同様の作用が及ぶと共に、被洗浄物に段階的に予熱を与えて次工程の引き上げ乾燥の作用も促進させることになる。そして、最終段階で乾燥用溶剤を適用することで、微細な水分も溶剤に取り込まれつつ蒸発し、被洗浄物に水分が残存しないこととなるし、特に型洗浄の場合には良好な離型性能を確保することができる(溶剤乾燥槽13,リンス槽12)。
1 洗浄装置
6 水切り乾燥槽群
10 温純水槽(プレ水引き上げ槽)
11 温純水引き上げ槽(水引き上げ槽)
12 リンス槽(第1の溶剤乾燥槽)
13 溶剤乾燥槽(第2の溶剤乾燥槽)

Claims (6)

  1. 型である被洗浄物を薬剤により洗浄する薬剤洗浄工程と、
    前記被洗浄物に付着した前記薬剤を水によりすすぐすすぎ工程と、
    前記被洗浄物から水を除去する水切り乾燥工程
    を含んでおり、
    前記水切り乾燥工程は、
    前記被洗浄物を水に浸漬した後で引き上げる水引き上げ工程と、
    水を取り込む乾燥用溶剤に前記被洗浄物を浸漬せず前記被洗浄物に前記乾燥用溶剤の蒸気を当てる1つ又は2つの溶剤乾燥工程
    を含み、
    前記溶剤乾燥工程は、
    20〜60℃の乾燥用溶剤の上に前記被洗浄物を位置させるものであり、
    あるいは、0〜40℃の乾燥用溶剤の上に前記被洗浄物を位置させた後、20〜60℃の乾燥用溶剤の上に前記被洗浄物を位置させるものである
    ことを特徴とする洗浄方法。
  2. 前記水引き上げ工程は、30〜90℃の温純水を用いるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
  3. 前記水切り乾燥工程は、前記水引き上げ工程の前に、室温以上で前記水引き上げ工程における水の温度未満である水に前記被洗浄物を浸漬した後で引き上げるプレ水引き上げ工程を含む
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の洗浄方法。
  4. 型である被洗浄物を薬剤により洗浄する薬剤洗浄槽、又は当該洗浄槽が複数集まった薬剤洗浄槽群と、
    前記被洗浄物に付着した前記薬剤を水によりすすぐすすぎ槽、又は当該すすぎ槽が複数集まったすすぎ槽群と、
    前記被洗浄物から水を除去する水切り乾燥槽が複数集まった水切り乾燥槽群
    を含んでおり、
    前記水切り乾燥槽群は、
    前記被洗浄物を水に浸漬した後で引き上げるための水引き上げ槽と、
    水を取り込む乾燥用溶剤に前記水引き上げ槽からの前記被洗浄物を浸漬せず前記水引き上げ槽からの前記被洗浄物に前記乾燥用溶剤の蒸気を当てる1つ又は2つの溶剤乾燥槽
    を含み、
    前記溶剤乾燥槽は、
    20〜60℃の乾燥用溶剤の上に前記被洗浄物を位置させる1つの溶剤乾燥槽、
    あるいは、0〜40℃の乾燥用溶剤の上に前記被洗浄物を位置させる第1の溶剤乾燥槽、及び20〜60℃の乾燥用溶剤の上に前記被洗浄物を位置させる第2の溶剤乾燥槽の2つの溶剤乾燥槽から成る
    ことを特徴とする洗浄装置。
  5. 前記水引き上げ槽において、30〜90℃の温純水を用いる
    ことを特徴とする請求項4に記載の洗浄装置。
  6. 前記水切り乾燥槽群は、前記水引き上げ槽の前に、室温以上で前記水引き上げ工程における水の温度未満である水に前記被洗浄物を浸漬した後で引き上げるためのプレ水引き上げ槽を含む
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の洗浄装置。
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