JP2756381B2 - 洗浄方法 - Google Patents

洗浄方法

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  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は部品または製品の洗浄方
法に関し、特には光学部品の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、機械部品や光学部品の加工後にお
ける洗浄はたとえば図2に示す工程により洗浄される。
【0003】以下にその洗浄工程を説明する。
【0004】a工程 被洗浄部材(不図示)の表面に付着しているピッチを非
水性溶剤により除去を行う。
【0005】被洗浄部材を順次第1の脱脂液 1から第
4の脱脂液4まで搬送機構(不図示)により浸漬し、引
き上げる。これら4つの液は、それぞれパークロロエチ
レンである。各液の温度は、常温である。
【0006】b工程 前記被洗浄部材の表面を覆った前記非水系液の、水系液
への置換を行う。すなわち、第1の置換液5と第2の置
換液6に浸漬し、引き上げる。
【0007】第1の置換液5と第2の置換液6は界面活
性剤を含んだ水溶液である。各液の温度は、常温であ
る。
【0008】c工程 仕上げ洗浄を行う。
【0009】第1の仕上げ洗浄液から第3の仕上げ洗浄
液までに浸漬し、引き上げを行う。
【0010】第1の仕上げ洗浄液7は市水(水道水)を
用いる。
【0011】第2の仕上げ洗浄液8はアニオン系または
非イオン系の界面活性剤である。
【0012】第3の仕上げ洗浄液9は洗浄液8と同一で
ある。
【0013】d工程 リンスを行う。
【0014】第1のリンス液10と第2のリンス液12
に浸漬し、引き上げを行う。
【0015】第1、第2のリンス液ともに市水である。
【0016】e工程 非水性溶剤への第1の置換液12と第2の置換液13に
浸漬し、引き上げを行う。
【0017】第1、第2の置換液はともにIPA(イソ
プロピルアルコール)である。
【0018】f工程 前記被洗浄部材に付着した前記IPAを乾燥する。
【0019】フロン液をヒーター(不図示)で加熱して
発生したフロンベーパー14の中に被洗浄部材を所定時
間滞在させ引き上げる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法におい
てはフロン系溶剤が必須となるが、近年の環境保護の要
望の高まりから、フロンを使用しない洗浄が各種の他の
分野同様、要求されてきている。フロン以外の洗浄方法
で、特に問題となる事は例えば湿式洗浄後の乾燥工程に
おいて発生する、いわゆるしみ残りである。
【0021】本発明においては、部品または製品の洗浄
方法において、フロン系溶剤を用いる事なく、しみ残り
のない洗浄を行う方法を提供する事である。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明による部品または
製品などの被洗浄部材を洗浄する方法は、加工工程を経
た前記被洗浄部材を非水系液により脱脂する第1の脱脂
工程と、前記非水系液を溶解する水系液により前記被洗
浄部材を脱脂する第2の脱脂工程と、 前記水系液によ
る仕上げ洗浄工程と、リンス工程と、乾燥工程と、を有
する洗浄方法であって、前記乾燥工程は、複数の純水槽
を設け、最後の純水槽の温度を70〜85℃の温度範囲
に設定して前記純水槽から前記被洗浄部材を引き上げる
ことにより、前記被洗浄部材の表面を乾燥させることを
特徴とする。
【0023】また、前記複数の純水槽中の純水は洗浄工
程順に温度勾配を有する事を特徴とする。
【0024】さらには、前記最後の純水槽から前記被洗
浄部品を引き上げる速度が前記被洗浄物材の表面積に反
比例するように設定されている事を特徴とする。
【0025】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0026】図2は本発明の被洗浄物の洗浄装置の一実
施例を概略的に示す説明図である。
【0027】本実施例は、被洗浄物を非水性の液体で洗
浄する4槽の脱脂槽1、2、3、4と、非水性の液体を
洗浄する2槽の洗浄槽5、6と被洗浄物を一般水により
洗浄するリンス槽7、被洗浄物を仕上げ洗浄する洗浄槽
8、9、被洗浄物を純水により洗浄するリンス槽10、
11、および被洗浄物を加温した超純水に浸すための温
純水槽12、13と、被洗浄物を乾燥させる乾燥槽とし
ての温風ゾーン14を有している。
【0028】次に、本実施例による洗浄方法を説明す
る。
【0029】まず、被洗浄物(例えば公知の研磨工程を
終了した光学ガラス)はパークロルエチレン等の有機溶
剤が充たされた脱脂槽1、2、3、4中に浸され被洗浄
物上に付着したピッチ、油分等が脱脂される。
【0030】a工程を経た被洗浄物は、界面活性剤が充
たされた洗浄槽5、6に浸されb工程を経る。
【0031】aおよびbの工程を経た被洗浄物は、一般
水が充たされている洗浄槽7中に浸されさらに界面活性
剤が充たされている洗浄槽8、9に浸されc工程の仕上
げ洗浄工程を経る。次いで、純水が充たされたd工程の
リンス槽9、10中に浸されリンス工程を経る。
【0032】aからdまでの工程を経た被洗浄物は、e
工程の温純水浸漬工程を経る。後述する超純水製造装置
により精製され、図示しないヒータにより約40℃に加
熱された超純水(抵抗率が概ね10MΩ・cm程度以
上)が充たされた超純水槽12中に浸されて温純水浸漬
工程を経る。次いで被洗浄物は、f工程の引き上げ工程
を経る。引き上げ槽13には、図示しないヒータにより
約70℃〜85℃に加熱された事以外は超純水槽12中
に充たされている超純水と同等の水質の超純水が充たさ
れている。被洗浄物は、引き上げ槽13中より3〜10
mm/sec.の引き上げ速度で引き上げ槽13より引
き上げられる。引き上げられた被洗浄物は、図示しない
ヒータにより約60℃に加熱され、図示しないHEPA
フィルター(集塵フィルター)により浄化された温風に
よる乾燥工程gを経る。この温風による乾燥工程は乾燥
時間を短縮するがなくても良い。
【0033】引き上げ槽13中よりの引き上げ速度と被
洗浄物の表面積の間に表1に示すような結果が得られ
た。
【0034】以上の工程により、ガラスレンズを洗浄し
た場合の洗浄度を測定した。
【0035】用いたレンズの材質はBK7、SF6、L
ak8であり、研磨工程上りである測定方法は、焦光灯
下で目視により行った。
【0036】
【表1】
【0037】(比較例)超純水槽12中の超純水の温度
が常温であること以外は、実施例と同様の比較例1で
は、被洗浄物はいずれの場合にも洗浄しみが発生した。
【0038】(比較例2)超純水槽12中の超純水と引
き上げ槽13中の超純水がいずれも一般水であること以
外は、実施例と同様の比較例2では、被洗浄物はいずれ
の場合にも洗浄しみが発生した。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、部品また
は製品の乾燥工程に複数の純水槽を設け、最後の純水槽
の温度を70〜85℃の温度範囲に設定して前記純水槽
から前記被洗浄部材を引き上げることにより、前記被洗
浄部材の表面を乾燥させることにより、しみ残りのない
洗浄が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による洗浄方法を模式的に示す説明図で
ある。
【図2】従来例による洗浄方法を模式的に示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ピッチ除去有機溶剤 2 ピッチ除去有機溶剤 3 ピッチ除去有機溶剤 4 ピッチ除去有機溶剤 5 界面活性剤 6 界面活性剤 7 リンス用市水 8 仕上げ界面活性剤 9 仕上げ界面活性剤 10 リンス用市水 11 リンス用市水 12 温純水 13 温純水引き上げ 14 温風ゾーン 201 ピッチ除去有機溶剤 202 ピッチ除去有機溶剤 203 ピッチ除去有機溶剤 204 ピッチ除去有機溶剤 205 界面活性剤 206 界面活性剤 2077 リンス用市水 208 仕上げ界面活性剤 209 仕上げ界面活性剤 210 リンス用市水 211 リンス用市水 212 IPA 213 IPA 214 フロンベーパー
フロントページの続き (72)発明者 西口 敏司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−207875(JP,A) 特開 平4−179228(JP,A) 特開 平1−210092(JP,A) 特開 平1−130771(JP,A) 特開 昭54−47365(JP,A) 特開 昭53−34366(JP,A) 特開 昭52−100756(JP,A) 特開 昭50−62133(JP,A) 実開 昭47−11970(JP,U) 特公 昭63−48597(JP,B2) 特公 昭63−45475(JP,B2) 特公 昭62−41080(JP,B2) 特公 平4−66626(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23G 1/00 - 5/06 H01L 21/304,21/341 B08B 1/00 - 11/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部品または製品などの被洗浄部材を洗浄
    する方法において、 加工工程を経た前記被洗浄部材を非水系液により脱脂す
    る第1の脱脂工程と、前記非水系液を溶解する水系溶剤
    により前記被洗浄部材を脱脂する第2の脱脂工程と、 前記水系液による仕上げ洗浄工程と、 リンス工程と、 乾燥工程と、を有する洗浄方法であって、前記乾燥工程
    は、複数の純水槽からなり、最後の純水槽の温度を70
    〜85℃の温度範囲に設定して前記最後の純水槽から前
    記被洗浄部材を引き上げることにより、前記被洗浄部材
    の表面を乾燥させることを特徴とする洗浄方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において前記複数の純水槽中の
    純水は洗浄工程順に温度勾配を有する事を特徴とする洗
    浄方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において前記最後の純水槽から
    前記被洗浄部材を引き上げる速度が前記被洗浄物材の表
    面積に反比例するように設定されている事を特徴とする
    洗浄方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において被洗浄部材の表面積が
    20〜5000mm2の場合引き上げ速度3〜8mm/
    sec.に設定されている事を特徴とする洗浄方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4において前記被洗浄物材が
    ガラス材である事を特徴とする洗浄方法。
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