JP3799681B2 - 洗浄方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密機械工業、光学機械工業、電子工業、プラスチック工業などにおいて、オイル類、油脂類、グリース、フラックス、手垢などが付着した金属、ガラス、プラスチックなどの部品、半製品、製品などの洗浄に有用な洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オゾン層を保護する目的で、フロン113、トリクロロエタンなどの塩素を含む汎用溶媒の生産および使用が世界的に禁止されたため、その代替洗浄方法の研究開発が盛んになされている。例えば、水や水溶性の溶媒を水とともに用いて洗浄を行う方法や、炭化水素あるいは規制外の塩素系やフッ素系の溶媒を用いる方法などが開発されている。
【0003】
それらのなかには、洗浄溶剤として洗浄作用を有する炭化水素類と、リンス洗浄溶剤として低沸点・不燃性で乾燥性の良いパーフルオロカーボン(PFC)やハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)などのフッ素化溶媒とを用いるコ・ソルベントシステムが種々提案されている。
【0004】
例えば、WO 95/05448号公報には、炭化水素類、高級アルコール類、エーテル類および有機シリコーン類から選ばれる有機溶剤で洗浄し、次いでリンス洗浄溶剤としてC4〜C5の環状HFCを用いリンス洗浄する方法が開示されている。しかしながら、同号公報には、リンス洗浄層を均一になるよう管理するとの思想は示されておらず、また、洗浄溶剤として有機シリコーン類から選ばれる有機溶剤を用いる具体例は全く記載されていない。
【0005】
また、工業洗浄技術ハンドブック、P194(1994年(株)リアライズ社発行)には、シリコーン洗浄溶剤で洗浄し、次いでパーフルオロカーボン(PFC)でリンス洗浄する方法が記載されている。しかしながら、この方法においては、リンス洗浄浴が、PFCリンス洗浄剤とシリコーン洗浄剤とに相分離し易く、相分離が起ると、被洗浄物品をリンス洗浄浴から引き上げるときにシリコーン洗浄剤が被洗浄物品に再付着するという欠点がある。リンス洗浄浴の温度を高温度に保持するとリンス洗浄浴の相分離を回避できるが、多くの被洗浄物は高温でリンス洗浄するには不適当である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記の事情に鑑み鋭意検討を行った結果、(1)リンス洗浄浴に特定の環状ハイドロフルオロカーボンを供給して、リンス洗浄浴内におけるシリコーン系洗浄剤濃度の上昇を抑え、リンス洗浄浴が相分離を起さないよう均一に維持することにより被洗浄物をリンス洗浄浴から引き上げる時にシリコーン洗浄剤が再付着することを防止できること、さらに(2)リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤の濃度を検知して同浴中のシリコーン系洗浄剤濃度を所定範囲に制御し、および/または、リンス洗浄浴の一部を蒸留することにより上記環状ハイドロフルオロカーボンを回収し、回収される環状ハイドロフルオロカーボンをリンス洗浄浴へ循環使用することにより、リンス洗浄浴を均一に管理しやすくなり、リンス洗浄効率が大巾に向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
従って、本発明の目的は、被洗浄物品をリンス洗浄浴に浸漬し、引上げる時にシリコーン系洗浄剤が再付着することを防止し、リンス洗浄効果の高い洗浄方法を提供することにある。さらに、他の目的は、常温ないし常温に近い温度でもリンス洗浄浴を容易に均一に保持することができる洗浄方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、被洗浄物をシリコーン系洗浄剤を主成分とする洗浄溶剤と接触させ、次いでシリコーン系洗浄剤が付着した被洗浄物をハイドロフルオロカーボンを主成分とするリンス洗浄浴に浸漬してリンス洗浄することからなる洗浄方法において、ハイドロフルオロカーボンとしての1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、または、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンと1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタンとの混合物(以下、「HFCP系ハイドロフルオロカーボン」ということがある)をリンス洗浄浴へ供給して、リンス洗浄浴が相分離を起さないよう均一に保持することを特徴とする被洗浄物の洗浄方法が提供される。
【0009】
好ましい態様においては、リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤の濃度を検知する手段を設けて、リンス洗浄浴が均一状態に保持されるようにリンス洗浄浴中のシリコーン洗浄剤濃度を制御する方法が採られ、また、別の好ましい態様においては、リンス洗浄浴の一部を取り出し、蒸留によってHFCP系ハイドロフルオロカーボンを回収し、回収されたHFCP系ハイドロフルオロカーボンをリンス洗浄浴への供給用として使用する。
【0010】
【発明の実施の形態】
被洗浄物
本発明の洗浄方法は、汚染物質が付着した物品(被洗浄物)を清浄化させるのに広く用いられる。
【0011】
被洗浄物としては、格別な限定はなく、例えば、精密機械工業、金属加工工業、光学機械工業、電子工業、プラスチック工業などにおける金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、エラストマーなどの部品、半製品および完製品などが被洗浄処理対象に用いられる。具体的には、バンパー、ギアー、ミッション部品、ラジエーター部品などの自動車部品、プリント基板、リードフレーム、モーター部品、コンデンサーなどの電子・電気部品、ベアリング、ギア、時計部品、カメラ部品などの精密機械部品、印刷機械、印刷ロール、圧延製品、建設機械、大型重機部品などの大型機械部品、食器類などの生活製品など、多種多彩の例をあげることができる。
【0012】
汚染物質の種類としては、例えば、切削油、焼き入れ油、圧延油、潤滑油、機械油、プレス加工油、打ち抜き油、引き抜き油、組立油、線引き油などのオイル類、グリース類、ワックス類、接着剤、油脂類、成型時の離型剤、手垢、ハンダ付け後のフラックス、レジスト、ソルダーペーストなどの様々なものがあげられる。
【0013】
(1)洗浄工程
本発明の洗浄方法においては、先ず第1の工程として、被洗浄物をシリコーン系洗浄剤を主成分とする洗浄溶剤で洗浄する。
【0014】
洗浄剤として用いられるシリコーン系洗浄剤としては、下記一般式(1)および(2)
【0015】
【化1】
Figure 0003799681
【0016】
【化2】
Figure 0003799681
【0017】
(式中、Rは同一または相異なる置換または非置換の1価の有機基、nは0〜3の整数、mは3〜5の整数を示す)で表わされる直鎖および環状のポリジオルガノシロキサンから選ばれた少なくとも一種の低分子量ポリオルガノシロキサンから実質的になるものが用いられる。
【0018】
式中のRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、フェニル基のようなアリール基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基のような置換アルキル基、メトキシ基、エトキシ基のような低級アルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチル基のようなカルボニル含有基、アミド基などがあげられるが、化合物の安定性の観点からメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
【0019】
式中のn、mの数に関しては、シリコーン骨格を形成し、環状ポリジオルガノシロキサンにおいては環の安定性を得るためにはnは0以上、mは3以上であることが好ましく、また、洗浄剤として回収再利用するために実用的な範囲で蒸留が可能であることにより、nは3以下、mは5以下であることが好ましい。
【0020】
かかるシリコーン系洗浄剤としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどがあげられ、この中でも沸点や表面張力などの物性からみて、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。これらのシリコーン系洗浄剤には必要により、界面活性剤や水などを添加することもできる。また、繰り返し使用する際には蒸留回収品を用いることができ、この際には、後述する環状ハイドロフルオロカーボン系のリンス液が一部混入していても問題ない。
【0021】
洗浄方法としては、被洗浄物と上記洗浄溶剤とを接触させればよく、通常の洗浄方法を採用できる。具体的には、例えば、手拭き、浸漬、スプレー、シャワーなどの方法を挙げることができ、特に浸漬方法が好適に用いられる。浸漬による処理に際しては、超音波振動、揺動、攪拌、ブラッシングなどの物理的な手段を併用してもよい。洗浄溶剤の温度は、被洗浄物の性状に応じて適宜選択されればよいが、通常室温以上沸点までの範囲、好ましくは室温以上引火点までの範囲である。
【0022】
(2)リンス洗浄工程
本発明においては、上記洗浄工程の後に、シリコーン系洗浄剤が付着した被洗浄物をリンス洗浄溶剤と接触させてリンス洗浄するが、リンス洗浄溶剤の浴が均一であることを特徴とする。リンス洗浄浴が均一状態である時にリンス洗浄効率が格段に改善される。
【0023】
すなわち、パーフルオロカーボンや鎖状ハイドロフルオロカーボンをリンス洗浄溶剤として用いると、これらの溶剤は、特に低温においてシリコーン系洗浄剤と非相溶性であるため、被洗浄物に随伴して持込まれるシリコーン系洗浄剤が、リンス洗浄浴においてリンス洗浄溶剤と分離し、比重の軽いシリコーン系洗浄剤がリンス洗浄浴の表面上層に層分離される。そうすると、浸漬した被洗浄物を引き上げる時にシリコーン系洗浄剤が再付着するため、リンス洗浄効率が大幅に下がる原因となる。
【0024】
本発明においては、(1)リンス洗浄槽にリンス洗浄溶剤の供給手段を設けて、リンス洗浄浴中にHFCP系ハイドロフルオロカーボンを供給し、(2)リンス洗浄浴におけるシリコーン洗浄剤濃度の上昇を緩和させ、(3)リンス洗浄浴が相分離を起さぬよう均一に維持することにより上記の欠点を解消している。
【0025】
HFCP系ハイドロフルオロカーボンとしては、シリコーン系洗浄剤をリンス洗浄する能力のある高純度のものが使用される。HFCP系ハイドロフルオロカーボンの純度は、シリコーン系洗浄剤が相分離を起さない範囲のものであれば格別限定されることはなく、シリコーン系洗浄剤およびHFCP系ハイドロフルオロカーボンの種類、およびリンス洗浄温度などの条件により適宜選択される。HFCP系ハイドロフルオロカーボンとしては、通常は、その濃度が80重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、最も好ましくは99重量%以上のものが用いられる。
【0026】
HFCP系ハイドロフルオロカーボンは、高温のみならず低温においてもシリコーン系洗浄剤に高い溶解度を示すので、リンス洗浄溶剤として好適である。パーフルオロカーボンはシリコーン系洗浄剤の溶解度が小さく、室温付近ではリンス洗浄浴を均一に保持するのが困難である。
【0027】
HFCP系ハイドロフルオロカーボンは、不燃性ないし難燃性であり、また、シリコーン系洗浄剤との均一液から蒸留により分離し易いので有利である。さらに、シリコーン系洗浄剤と容易に均一な液を形成する点、およびシリコーン系洗浄剤との均一液から蒸留により分離する際の温度管理のし易さにおいて有利である。
【0028】
【0029】
本発明に使用するリンス洗浄溶剤としては、HFCP系ハイドロフルオロカーボンのみが用いられるか、またはHFCP系ハイドロフルオロカーボンとその他の有機溶剤とが組み合せられて用いられる。その他の有機溶剤としては、通常のリンス洗浄溶媒として用いられているものを用いることができ、例えば、ヘキサン、オクタン、イソオクタンなどの直鎖飽和炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状飽和炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類;酢酸ビニルなどのエステル類;1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタンなどの鎖状ハイドロフルオロカーボン類;およびパーフルオロ−n−ヘキサン、パーフルオロ−n−ヘプタンなどのパーフルオロカーボン類などを挙げることができる。これらのその他の有機溶剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ、その使用量は、本発明の効果が損なわれない範囲で適宜選択されればよく、通常リンス洗浄溶剤全量の40重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
【0030】
リンス洗浄方法としては、洗浄後の洗浄溶剤が付着した被洗浄物を上記リンス洗浄浴に浸漬する方法が用いられる。浸漬に際しては、超音波振動、揺動、攪拌、ブラッシングなどの物理的な手段を併用してもよい。リンス洗浄浴の温度は、被洗浄物の性状に応じて適宜選択すればよい。通常、室温以上沸点までの範囲であるが、本発明は特に低温での操作性に優れているので、室温以上で洗浄剤の引火点までの範囲が好適である。
【0031】
(3)ハイドロフルオロカーボンの供給
リンス洗浄槽にはリンス洗浄溶剤の供給手段を設けて、リンス洗浄浴にHFCP系ハイドロフルオロカーボンを連続的または間欠的に供給しつつ、リンス洗浄浴が相分離を起さないよう、リンス洗浄浴中におけるシリコーン系洗浄剤の濃度を一定値以下に維持して、リンス洗浄を行う。リンス洗浄溶剤の供給手段としては、格別な制限はなく、一般に用いられるものが使用できる。
【0032】
リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤の濃度は通常1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜20重量%に維持するようにHFCP系ハイドロフルオロカーボン供給量を制御する。リンス洗浄浴全体が均一な液に維持されれば、シリコーン系洗浄剤の制御濃度を大きく低下せしめる必要はない。制御濃度を過度に低く維持することは多量のHFCP系ハイドロフルオロカーボンを供給することを意味し、工業的に有利でない。逆に、制御濃度が過度に高いと、相分離を生じるおそれがあるほかHFCP系ハイドロフルオロカーボンの蒸留分離が困難となる。
【0033】
供給するHFCP系ハイドロフルオロカーボンは、フレッシュなものでもよいが、経済的には、リンス洗浄浴の一部を取り出し、蒸留することによりHFCP系ハイドロフルオロカーボンのみを回収し、回収されたHFCP系ハイドロフルオロカーボンの一部を用いるのが好適である。なお、回収されたHFCP系ハイドロフルオロカーボンの残部は後述する蒸気洗浄溶剤として、また、スプレーおよび/またはシャワー洗浄用溶剤として使用することができる。
【0034】
また、リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤濃度を検知する手段を設け、該検知手段により連続的または間欠的にシリコーン系洗浄剤濃度を検知し、リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤濃度が均一溶解範囲に保持されるように供給手段からのHFCP系ハイドロフルオロカーボンの供給速度と排出速度を制御することが好ましい。この際、HFCP系ハイドロフルオロカーボンの供給速度のみを制御し、その排出はリンス洗浄槽から自由にオーバーフローさせる方式を採ることもできる。シリコーン系洗浄剤濃度の検知手段としては、一般のものを用いればよく、例えば、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィーなどが用いられる。
【0035】
(4)蒸留分離工程
本発明においては、上記(2)工程のリンス洗浄浴の一部を取り出し、蒸留することによりHFCP系ハイドロフルオロカーボンのみを回収し、上記(3)で述べたようにリンス洗浄浴に供給し、または後記する(5)の蒸気洗浄用溶剤や(6)のスプレーおよび/またはシャワー洗浄用溶剤として使用することができる。
【0036】
HFCP系ハイドロフルオロカーボンは、高温のみならず室温付近の低温においても鎖状HFCやPFCとは異なり、シリコーン系洗浄剤と任意の割合で相溶する性質をもっている。従って、蒸留操作は、シリコーン系洗浄剤とHFCP系ハイドロフルオロカーボンとの均一溶液より、沸点の相対的に低いHFCP系ハイドロフルオロカーボンを、沸点の高いシリコーン系洗浄剤を釜に残して気化させて分離する操作となる。
【0037】
これらの間の沸点の差は選択する化合物ごとに異なるが、概数で100度程度の差があり、分離は容易である。しかしながら、より純度の良いHFCP系ハイドロフルオロカーボンを得るためには複数の段塔またはそれ相当の理論段数をもつ充填塔を備えた精留設備を付設することが有効である。また、このような精留設備は気化して移動するHFCP系ハイドロフルオロカーボンにシリコーン系洗浄溶剤がミスト状に同伴することを防止するうえでも有効である。
【0038】
こうして回収されたHFCP系ハイドロフルオロカーボンはそのまま熱せられた蒸気の状態で後述する(5)工程の蒸気洗浄工程に、または凝縮したのち、必要により冷却し、(2)工程のリンス洗浄溶液や(6)工程のスプレーおよび/またはシャワー工程に使用することができる。
【0039】
(5)蒸気洗浄工程蒸気洗浄は、常法に従って行うことができる。蒸気洗浄用溶剤としては、特に限定はなく、一般の蒸気洗浄で使用される蒸気洗浄用溶剤を格別な限定もなく用いることができる。本発明においては、特に、(4)工程で発生するHFCP系ハイドロフルオロカーボンの蒸気が高純度なため、凝縮することなく蒸気のまま蒸気洗浄に用い、さらに蒸気洗浄後に凝縮して、(2)工程のリンス洗浄溶剤として循環使用することができる。
【0040】
以下には、本発明で使用する洗浄装置の一例の概略を示した図1に基づいて本発明を説明する。
【0041】
油、ワックス、フラックスなどの汚染物質の付着した被洗浄物は、第1洗浄槽1に入れたシリコーン系洗浄剤を主成分とする洗浄溶剤の浴に浸漬され、ここで被洗浄物の表面に付着した汚染物質が除去される。第1洗浄槽1に入れられた洗浄溶剤は、洗浄力の向上のため必要に応じて、加熱装置9で加温したり、超音波発振装置10により超音波をあてることができる。
【0042】
次ぎに、第1洗浄槽1で充分な洗浄効果が得られない場合は、第2洗浄槽2で洗浄することができる。第2洗浄槽2においても、第1洗浄槽同様に、必要に応じて、加温9や超音波洗浄10を加えることができる。図1では、洗浄槽が二槽設けられた例を示したが、槽数に格別な限定はなく、必要に応じて1槽または2槽以上を組み合わせて用いることができる。
【0043】
洗浄が終了し洗浄溶剤(シリコーン系洗浄剤)が付着した被洗浄物は、次ぎにリンス洗浄槽3に入れたHFCP系ハイドロフルオロカーボンを主成分とするリンス洗浄溶剤の浴に浸漬される。ここでは、リンス洗浄力向上のために、必要に応じて、超音波発振装置10により超音波洗浄を併用したり、また、シャワー洗浄や揺動洗浄などを併用することもできる。
【0044】
ここで、被洗浄物表面に付着しているシリコーン系洗浄剤は被洗浄物表面から脱離する。脱離したシリコーン系洗浄剤を含むリンス洗浄浴はリンス液移送ポンプ14により蒸留塔5へ移送される。
【0045】
また、本発明において、リンス洗浄浴の主成分であるHFCP系ハイドロフルオロカーボンは室温以上でシリコーン系洗浄剤と任意の割合で相溶するが、リンス洗浄槽3内に付設された加熱装置9で加温することによってリンス洗浄効果をより向上することができる。被洗浄物が熱に不安定な場合にはHFCP系ハイドロフルオロカーボンを用いて室温付近の低温でリンス洗浄を行う。また、リンス洗浄浴中のシリコーン濃度は検知手段21によって検知され、HFCP系ハイドロフルオロカーボンのタンク4から循環ポンプ11または12によりフレッシュなHFCP系ハイドロフルオロカーボンが供給されることにより、リンス洗浄槽3内のリンス洗浄浴が相分離を起さぬよう均一状態に維持される。それにより、シリコーン洗浄剤が過度に濃縮されることなく均一液によるリンスが維持できるため、シリコーン系洗浄剤が上層に分離形成されることがなく、被洗浄物を取り出すときに、上層のシリコーン系洗浄剤が再付着するという従来方法の最大の欠点を解決できる。使用後の均一なリンス洗浄溶剤は、上記のようにポンプ14により蒸留塔5に移送される。
【0046】
蒸留塔5では、沸点差により釜残のシリコーン系洗浄剤成分7とHFCP系ハイドロフルオロカーボン蒸気6に分離する。HFCP系ハイドロフルオロカーボンとシリコーン系洗浄剤との相溶性がよいため、シリコーン系洗浄剤の濃度が高くなると蒸気中のシリコーン系洗浄剤の量が増大する。そのため、蒸留塔5を段数をもった精留塔とすることにより、回収されるHFCP系ハイドロフルオロカーボン蒸気の純度を高め、さらに釜残のシリコーン系洗浄剤へのHFCP系ハイドロフルオロカーボンの混入を大幅に低減することができる。釜残のシリコーン系洗浄剤成分7は蒸留塔15にて蒸留され、回収されたシリコーン系洗浄剤はシリコーン系洗浄剤による洗浄槽へ循環される。
【0047】
蒸留回収されたHFCP系ハイドロフルオロカーボン蒸気6はそのまま配管16を通って蒸気洗浄用の蒸気8として、または配管17を通って凝縮器19を経て一たんタンク4に貯留され、次いで循環ポンプ11や12によりリンス洗浄槽3に循環される。
【0048】
蒸気洗浄は、高度な洗浄度が要求されたり、HFCP系ハイドロフルオロカーボンの消耗量を低減する場合に用いられる。この場合、蒸留塔5より回収されたHFCP系ハイドロフルオロカーボン蒸気が配管16を通って洗浄槽3の上部に移送され、蒸気ゾーン8を形成する。また、リンス洗浄槽3から引き上げられた被洗浄物は、HFCP系ハイドロフルオロカーボンの蒸気ゾーン8中で、蒸気洗浄される。蒸気洗浄に使用されたHFCP系ハイドロフルオロカーボンは、凝縮されてリンス洗浄浴へ流入し、リンス洗浄に使用される。
【0049】
(6)シャワーおよび/またはスプレー洗浄工程
被洗浄物が耐熱性に乏しい場合などは(5)の蒸気洗浄に代えて室温にてシャワーおよび/またはスプレー洗浄が行われる。シャワーおよび/またはスプレー洗浄は、HFCP系ハイドロフルオロカーボンを貯留槽4より循環ポンプ12にて配管18を通って送液し、冷却管13を装備したリンス洗浄槽3の上部にて、シャワーノズルまたはスプレーノズル20から被洗浄物に撒布することによって行うことが望ましい。洗浄液は、上方からのみならず被洗浄物の四方からまんべんなく吹付けることが望ましい。この洗浄工程は、被洗浄物が熱に強い場合にも適用でき、この場合は、蒸気洗浄と組合せて行うこともできる。この工程でシャワーおよび/またはスプレー洗浄に用いられたHFCP系ハイドロフルオロカーボン液はリンス洗浄浴に流入してリンス洗浄に再利用される。
【0050】
図1は、本発明の洗浄方法の実施に用いる装置一例を示したもので、個々の洗浄方法、リンス洗浄方法、蒸留分離方法、蒸気洗浄方法、シャワーおよび/またはスプレー洗浄方法などの詳細は特に上記の態様に限定されるものではない。本発明においては、他の一般的方法を用いることができる。また洗浄やリンスの回数も必要に応じて、増減することができる。
【0051】
【実施例】
本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明は実施例によって範囲を規定されるものではない。
【0052】
実施例1〜4
図1に示すように、加熱装置9および超音波発振装置10を装備した二槽式の洗浄機(洗浄槽1、洗浄槽2)に、オクタメチルシクロテトラシロキサン(洗浄を繰返した後ではHFCP系ハイドロフルオロカーボンを含んだ蒸留塔15からの留出液を循環使用した)を仕込んで、洗浄浴とし、また、加熱装置9および超音波発振装置10を装備したリンス洗浄槽3に、1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタン(OFCPA)90重量%と1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン(HFCPA)10重量%との均一混合溶液80重量部とオクタメチルシクロテトラシロキサン20重量部を仕込んでリンス洗浄浴とし、さらに、リンス洗浄槽3内のリンス洗浄浴の一部は蒸留塔5に移送し、加熱してOFCPAとHFCPAの混合物を気化させ、冷却管13を装備したリンス洗浄槽3の上部に蒸気ゾーン8を発生させた。
【0053】
ポンプ14によるリンス洗浄浴の吐出量は、繰返して洗浄を行なう際に、単位時間当りに洗浄槽2から持ち込まれるシリコーン(重量は被洗浄物毎に別途測定)の重量の5倍の吐出量とし、蒸留塔5から排出される蒸気量6はポンプ14の吐出量の80%を上限とし、蒸気中にシリコーンが検出されない範囲で最大とした。
【0054】
蒸留塔5の釜液は一定量貯留した毎にシリコーン回収蒸留塔15に送液する方法を採った。被洗浄物は、1,1,1−トリクロロエタンに表1記載の汚染物質を25重量%溶解し、さらにトレーサーとしてズダン染料を0.1重量%添加したものに表1記載の物品を浸漬して汚染物質を付着させて調製した。付着量は1,1,1−トリクロロエタンがほぼ揮発したところで浸漬前後の重量差から求めた。
【0055】
一方、蒸留塔5から排出される回収HFCP系ハイドロフルオロカーボン蒸気6は、配管17へバルブ操作により切り換え、凝縮器19により凝縮し、タンク4へ移送し、貯留した。タンク4の貯留HFC液は、必要によりポンプ12を用いノズル20によるシャワーおよび/またはスプレー洗浄に供した。次いで、手動にて被洗浄物を洗浄槽1、洗浄槽2、リンス洗浄槽3、蒸気洗浄(蒸気ゾーン8へ引き上げる)の順に下記の操作を繰返し、被洗浄物の洗浄試験を行なった。
【0056】
(1)洗浄槽1:50℃に維持し、被洗浄物を浸漬し3分間超音波をかけた。
(2)洗浄槽2:50℃に維持し、被洗浄物を浸漬し1分間超音波をかけた。
(3)リンス洗浄槽3:50℃に維持し、被洗浄物を浸漬し1分間超音波をかけた。
(4)蒸気洗浄槽:被洗浄物を蒸気ゾーン8に2分間入れた。
これらの一連の操作を8分の間隔をおき、20回洗浄を繰返した。
【0057】
洗浄試験後の被洗浄物の評価は、下記方法に従って行い、それらの20回目の結果を表1に示した。
(1)汚染物質の残存量洗浄した被洗浄物を、精製した1,1,1−トリクロロエタンの一定量で処理し、残留している汚染物質と染料を抽出し、550nmの波長でズダンの赤色を吸光測定し、検量線から残存量を求めた。残存量を前記測定した付着量で割って残存率(%)として表示した。
【0058】
(2)目視評価洗浄した被洗浄物を目視観察し、下記基準で評価した。
○:全くしみが見られなかった。
△:わずかにしみが見られた。
×:ハッキリとしたしみが見られた。
【0059】
(3)リンス浴液の状態リンス洗浄浴が均一な液状か、または上層にシリコーン洗浄剤層が生じている(二層分離)を目視観察した。
【0060】
【表1】
Figure 0003799681
【0061】
実施例5〜7
上記の蒸気洗浄を行うかわりに、室温でのシャワー洗浄(シャワーノズル19よりHFCP系ハイドロフルオロカーボンをシャワーする)による室温での洗浄試験を行った。
【0062】
(1)洗浄槽1:30℃とし、被洗浄物を浸漬し3分間超音波をかけた。
(2)洗浄槽2:30℃とし、被洗浄物を浸漬し1分間超音波をかけた。
(3)リンス洗浄槽3:50℃とし、被洗浄物を浸漬し1分間超音波をかけた。
(4)シャワー洗浄:被洗浄物を引き上げシャワーノズル19より30秒間HFCP系ハイドロフルオロカーボンのシャワーをかけた。
これらの一連の操作を8分の間隔で、20回繰返し、かつ評価については実施例1〜4と同様に行った。結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
Figure 0003799681
【0064】
比較例1
リンス洗浄剤をパーフルオロカーボンであるパーフルオロヘキサン(PFHX;沸点56℃)に代えた他は実施例5と同様にして洗浄試験を行い、その結果を表3に示した。
【0065】
【表3】
Figure 0003799681
【0066】
表1および表2にみられるとおり、本発明例(実施例1〜7)は汚染物質の残存量評価および目視評価のいずれについても良好な結果を示している。表1に示されるように、蒸気洗浄を仕上げ工程に組み入れる方法によれば、従来のシリコーン系溶剤とパーフルオロカーボンの組合せと比較して、同等より高い効果が確認できる。さらに、表2に示されるように、室温〜30℃付近において本発明のHFCP系ハイドロフルオロカーボンとシリコーン系溶剤とが任意の割合で相溶することにより、低温においても良好な洗浄性が証明された。
【0067】
従って、ノギスなどのような目盛り精度の信頼性を重視するもの、メスフラスコなどのような容積精度の重要なもの、ガラス光学レンズのような光特性上微妙な膨張収縮を避けるべきものなどを洗浄する際に、蒸気洗浄のような高温にすることなく、室温付近の洗浄によって良好な洗浄効果が得られることがわかる。これとは対照的に、リンス洗浄溶剤として、パーフルオロカーボンを用いた場合(比較例1)には、低温領域で二層分離するため、リンス効果が充分でないことがわかる。
【0068】
また、上記の結果より、本発明例では繰り返し洗浄を行なっても充分に高いリンスおよび仕上げ(蒸気洗浄やスプレー/シャワー洗浄など)洗浄効果を維持していることがわかる。
【0069】
【発明の効果】
本発明に従えば、特に、汚れた物品をシリコーン系洗浄剤で洗浄し、次にリンス洗浄浴に浸漬し、引上げる時にシリコーン系洗浄剤が再付着することが防止され、高いリンス洗浄効果が達成される。
【0070】
また、シリコーン系洗浄剤による洗浄と、リンスおよび蒸気洗浄、乾燥用としてHFCP系ハイドロフルオロカーボンを用いる、いわゆるコ・ソルベントシステムが有利に採用される。特に、被洗浄物が高温を嫌う場合には蒸気洗浄のかわりにシャワーおよび/またはスプレー洗浄を採用し、浸漬洗浄槽とともに室温〜30℃付近で洗浄操作を行なう方法が有利に採用される。
【0071】
本発明においては、さらに蒸留設備を設け、HFCP系ハイドロフルオロカーボンの回収を行うとともに、その蒸気を沸点温度を保ったまま蒸気洗浄に用いたり、凝縮・冷却して室温付近でのシャワーやスプレー洗浄に用いたり、再びリンス洗浄槽に導入することによって完全なリサイクルシステムを構築できる。これにより安価でランニングコストも低い洗浄を達成することができる。
【0072】
(発明の好ましい実施態様)
本発明の洗浄方法、すなわち、被洗浄物をシリコーン系洗浄剤を主成分とする洗浄溶剤と接触させ、次いでシリコーン系洗浄剤が付着した被洗浄物をハイドロフルオロカーボンを主成分とするリンス洗浄浴に浸漬してリンス洗浄することからなる洗浄方法において、ハイドロフルオロカーボンとしての1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、または、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンと1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタンとの混合物をリンス洗浄浴へ供給して、リンス洗浄浴が相分離を起さないよう均一に保持することを特徴とする被洗浄物の洗浄方法の好ましい実施態様をまとめると以下のとおりである。
【0073】
1.シリコーン系洗浄剤が下記一般式(1)および(2)
【0074】
【化3】
Figure 0003799681
【0075】
【化4】
Figure 0003799681
【0076】
(式中、Rは同一または相異なる置換または非置換の1価の有機基、nは0〜3の整数、mは3〜5の整数を示す)で表わされる直鎖および環状のポリジオルガノシロキサンから選ばれた少なくとも一種の低分子量ポリオルガノシロキサンから実質的になるものが用いられる。
【0077】
2.リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤の濃度が1〜40重量%、より好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは10〜20重量%となるようにHFCP系ハイドロフルオロカーボンの供給量を制御する。
【0078】
.リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤の濃度を検知する手段を設けて、リンス洗浄浴が均一状態に保持されるようにリンス洗浄浴中のシリコーン洗浄剤濃度を制御する。
.リンス洗浄浴の一部を取り出し、蒸留によってHFCP系ハイドロフルオロカーボンを回収し、回収されたHFCP系ハイドロフルオロカーボンをリンス洗浄浴への供給用として使用する。
【0079】
.リンス洗浄された被洗浄物は、さらに、前項5の回収されたHFCP系ハイドロフルオロカーボンの蒸気で蒸気洗浄されるか、および/または、前項5の回収されたHFCP系ハイドロフルオロカーボンでシャワーおよび/またはスプレー洗浄される。
【図面の簡単な説明】
図1】 本発明の洗浄方法で使用する洗浄装置の一例の概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第1洗浄槽
2 第2洗浄槽
3 リンス洗浄槽
4 回収HFCP系ハイドロフルオロカーボンタンク
5 蒸気塔(HFCP系ハイドロフルオロカーボン回収用)
6 回収HFCP系ハイドロフルオロカーボン蒸気
7 回収前シリコーン液
8 蒸気ゾーン
9 加熱装置
10 超音波発振装置
11 ポンプ
12 ポンプ
13 冷却管
14 ポンプ
15 蒸留塔(シリコーン回収用)
16 蒸気洗浄用HFCP系ハイドロフルオロカーボン蒸気用配管
17 凝縮HFCP系ハイドロフルオロカーボン液用配管
18 シャワー(またはスプレー)用HFCP系ハイドロフルオロカーボン液
19 凝縮器
20 シャワーノズル(またはスプレーノズル)
21 シリコーン濃度検知手段

Claims (3)

  1. 被洗浄物をシリコーン系洗浄剤を主成分とする洗浄溶剤と接触させ、次いでシリコーン系洗浄剤が付着した被洗浄物をハイドロフルオロカーボンを主成分とするリンス洗浄浴に浸漬してリンス洗浄することからなる洗浄方法において、ハイドロフルオロカーボンとしての1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、または、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンと1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタンとの混合物をリンス洗浄浴へ供給して、リンス洗浄浴が相分離を起さないよう均一に保持することを特徴とする被洗浄物の洗浄方法。
  2. リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤の濃度を検知する手段を設けて、リンス洗浄浴が均一状態に保持されるようにリンス洗浄浴中のシリコーン洗浄剤濃度を制御する請求項1記載の洗浄方法。
  3. リンス洗浄浴の一部を取り出し、蒸留によって1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、または、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンと1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタンとの混合物を回収し、回収される1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン、または、回収される1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタンと1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタンとの混合物をリンス洗浄浴への供給用として使用する請求項1または2に記載の洗浄方法。
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