JP4049828B2 - 洗浄装置及び洗浄方法 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、再汚染を防止できる洗浄装置及び洗浄方法に関するものである。更に詳しくは、機械部品、電子部品、プリント基板等の洗浄作業に際して被洗浄物に付着した洗浄液を素早く有効に除去すると共に、被洗浄物に洗浄液や低沸点の汚れ成分を再付着させない洗浄装置及び洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、機械部品、電子部品、プリント基板等の脱脂洗浄やフラックス洗浄を行なうには、不燃性で引火の危険がないこと、適度な溶解力を持つこと等から、塩弗化アルカンや塩素系洗浄液が用いられていた。しかし近年オゾン問題により塩素を含んだ洗浄液の使用が規制されつつある。代替品の一つであるパーフルオロカーボンやハイドロフルオロカーボンは汚れ成分の溶解力が劣るため、先ず被洗浄物を溶解力に優れた石油系洗浄液、テルペン系洗浄液、シリコン系洗浄液、又はアルコール系洗浄液等で浸漬洗浄、超音波洗浄もしくはシャワー洗浄した後、物品に付着した洗浄液をパーフルオロカーボン或はハイドロフルオロカーボンもしくはそれらを主成分とするすすぎ液ですすぎ洗浄を行なうことが提唱されている。
【0003】
従来用いられている多槽式洗浄装置1は、図3に示すように、加熱槽2、冷却槽3及び蒸気供給部4を順次隣接した状態で下部に内蔵し、上部壁内周に冷却手段12を備えたものである。洗浄装置、加熱槽及び冷却槽はいずれも上部が開口し、その開口部を通じて被洗浄物の出し入れを行なえるようになっている。符号21は加熱槽2の底部に設けた加熱手段、符号41は蒸気供給部4の底部に設けた加熱手段である。この多槽式洗浄装置1の加熱槽2に洗浄液、例えば石油系洗浄液、テルペン系洗浄液、シリコン系洗浄液、又はアルコール系洗浄液などの汚れ成分に対する溶解力が優れた洗浄液を満たし、冷却槽3及び蒸気供給部4にフルオロカーボン、例えばパーフルオロカーボン又はハイドロフルオロカーボンのような低沸点で乾燥性の良好なフルオロカーボンを満たし、被洗浄物を洗浄装置1の開口した上部から導入し、加熱槽2、冷却槽3の順に浸漬し、次いで蒸気供給部4から発生するフルオロカーボン蒸気(細い矢印で示す)により容器上部空間に形成される蒸気洗浄域5中に滞留させ蒸気洗浄してから取り出す。加熱槽2に満たされた洗浄液は、洗浄力を高めるために沸騰状態にしても良い。冷却槽3に満たされたフルオロカーボンはその露点以下の温度に保たれていなければならない。被洗浄物の表面に付着していた油脂やフラックスなどの汚れ成分は加熱槽2で除去され、被洗浄物の表面に付着した石油系等の洗浄液は、冷却槽3に満たされているフルオロカーボンに溶解して除去される共に被洗浄物は冷却される。この被洗浄物は装置から取り出される際に蒸気洗浄域5を通過することになり、その際冷却された表面にフルオロカーボン蒸気が凝縮して滴下分離するので、最終的に蒸気洗浄と乾燥が行なわれることになる。なお容器上部の内周に備えられた冷却手段12は、蒸気洗浄域5を越えて外部へ流出しようとするフルオロカーボン蒸気を冷却して装置内へ還流(下向き矢印)させるためのものである。冷却手段12で冷却され液化したフルオロカーボンの一部は冷却手段12の直下に設けられた堰13などで捕集され、冷却槽3に還流される。このようにして冷却槽3は低温に維持される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この多槽式洗浄装置は、最終的には蒸気供給部4より発生するフルオロカーボンの蒸気によって物品のすすぎ洗浄及び乾燥を行なっている。しかし上記従来構造の洗浄装置を用いて石油系などの洗浄液で洗浄した被洗浄物の最終洗浄及び乾燥を行なうと、加熱槽2から発生する石油系などの洗浄液蒸気や低沸点の汚れ成分などの蒸気(太い矢印で示す)が蒸気洗浄域5に混入し、この汚れたフルオロカーボン蒸気に被洗浄物が曝され、石油系などの洗浄液や低沸点の汚れ成分が再付着するので完全には浄化されないという欠点がある。洗浄装置外の洗浄装置を用いて、被洗浄物を石油系などの洗浄液で予備洗浄してからフルオロカーボンを満たした加熱槽に導入しても、石油系洗浄液が被洗浄物に付着して加熱槽に持ち込まれるので、石油系などの洗浄液蒸気や低沸点の汚れ成分が蒸気洗浄域に混入することは避けられなかった。そこで蒸気洗浄域5に石油系などの洗浄液蒸気や低沸点汚れ成分の蒸気が含まれず被洗浄物への再付着の恐れがない洗浄装置及び洗浄方法が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかわる洗浄装置は、上記のごとき問題点を解決するためのものである。
即ち、本発明は加熱槽及び冷却槽を下部に内蔵し、上部に冷却手段を備え、該冷却手段よりも下方の冷却槽側洗浄装置壁にパーフルオロカーボン蒸気又はハイドロフルオロカーボン蒸気を供給するためのフルオロカーボン蒸気供給部が設置されており、該加熱槽にはフルオロカーボンとは異なる液体を必須成分とする洗浄液を含有させてなる洗浄装置において、凝縮するための蒸気凝縮器を該冷却手段よりも下方の加熱槽側の洗浄装置壁に設置して、洗浄液から発生する蒸気をフルオロカーボン蒸気供給部から該蒸気凝縮器に向かうパーフルオロカーボン蒸気流又はハイドロフロオロカーボン蒸気流に同伴させて凝縮できるようにしたことを特徴とする洗浄装置である。
洗浄装置、加熱槽及び冷却槽はいずれも上部が開口し、その開口部を通じて被洗浄物の出し入れを行えるタイプのものであることは、先に説明した従来の多槽式洗浄装置と同様である。加熱槽及び冷却槽は、それぞれ複数個の槽から構成されていても良い。
【0006】
本発明の洗浄装置を図1により説明すると、加熱槽2及び冷却槽3を下部に内蔵し、上部に冷却手段12を備えた洗浄装置1において、該冷却手段12よりも下方の加熱槽側洗浄装置壁に蒸気凝縮器6、該冷却手段よりも下方の冷却槽側洗浄装置壁に蒸気供給部4が設置されている。蒸気供給部4は、図1に示すように洗浄装置1の内壁側に設けられていても良いし、後述の図2に示すように洗浄装置1の外壁側に設けられていても良い。凝縮器6には冷却手段62が設けられている。洗浄装置1上部に備えられた冷却手段12としては、被洗浄物の出し入れの邪魔にならないよう、洗浄装置1上部壁の内周を巡るように設置された冷却配管が好ましく用いられる。加熱槽2には、洗浄液となる溶剤を高温又は沸騰状態に維持するため、底部に加熱手段21を備えている。溶剤の蒸気が加熱槽2から大量に上部空間に流出しないよう、加熱槽2上部の内周に冷却手段22を備えていることが好ましい。この冷却手段22も、被洗浄物の出し入れの邪魔にならないよう、加熱槽2上部壁の内周を巡るように設置された冷却配管が好ましく用いられる。また冷却槽3中の溶剤(フルオロカーボン使用)はその露点以下の温度に保つ必要があるので、必要に応じて冷却手段を設けても良いが、通常は洗浄装置上部壁の内周に備えられた冷却手段12での凝縮液を堰13などで捕集して還流することにより冷却槽中の溶剤をその露点以下の温度に保つことができる。蒸気凝縮器6と加熱槽側洗浄装置壁との連通部分は、蒸気供給部4から供給される蒸気(フルオロカーボン蒸気)の流れが幅広く加熱槽2及び冷却槽3の表面を覆うよう、横方向のスリット状又は連続孔状に構成されていることが好ましい。
【0007】
図2は加熱槽を2個設けた洗浄装置を示し、図1により説明した加熱槽2の後に第2の加熱槽2Aを設けたものである。そして冷却槽3には超音波発振器9を備えている。前段の加熱槽2に充填する溶剤と後段の加熱槽2Aに満たす溶剤は同じものであっても良いし、異なる種類のものであってもよい。例えば、最初の加熱槽2及び次の加熱槽2Aの両方に溶解力に優れた石油系洗浄液、テルペン系洗浄液、シリコン系洗浄液、又はアルコール系洗浄液等を満たし、高温で2段階の汚れ除去を行っても良いし、或いは最初の加熱槽2で高温の溶解力に優れた石油系洗浄液、テルペン系洗浄液、シリコン系洗浄液、またはアルコール系洗浄液等による高温洗浄した後、次の加熱槽2Aで高温のフルオロカーボンを用いて前記洗浄液のすすぎ洗浄を行なっても良い。いずれの場合も、冷却槽3で低温のフルオロカーボンすすぎ洗浄と被洗浄物の冷却を行なう。また図2では蒸気供給部4を洗浄装置1の外壁側に設けた実施態様を示している。蒸気供給部4と冷却槽側洗浄装置壁との連通部分及び蒸気凝縮器6と加熱槽側洗浄装置壁との連通部分は、蒸気供給部4から供給される蒸気(フルオロカーボン蒸気)の流れが幅広く加熱槽2及び冷却槽3の表面を覆うよう、横方向の帯状又は連続孔状に構成されていることが好ましい。
【0008】
本発明の洗浄装置の加熱槽に溶剤、冷却槽及び蒸気供給部にフルオロカーボンを満たし、蒸気供給部4の加熱手段41及び洗浄装置1の冷却手段12を稼働させると、蒸気供給部4で加熱されて発生したフルオロカーボン蒸気(細い矢印で示す)は洗浄装置1内部の空間に充満して洗浄装置上部に蒸気洗浄のための蒸気洗浄域5を形成する。洗浄装置1上部の開口部から外部へ流出しようとするフルオロカーボン蒸気は冷却手段12で冷却され液化して洗浄装置1内へ還流(下向き矢印で示す)し、蒸気洗浄域5を湿り蒸気とする。冷却手段12で冷却され液化したフルオロカーボンの一部は冷却手段12の直下に設けられた堰13などで捕集され、冷却槽3に還流される。更に、本発明の特徴である加熱槽2側[即ち蒸気供給部4とは反対側]の洗浄装置壁に設けられた凝縮器6の冷却手段62を稼働させると、ここでフルオロカーボン蒸気の凝縮が活発に行なわれ、蒸気供給部4で発生したフルオロカーボン蒸気は図1及び図2に横矢印で示すようにフルオロカーボン蒸気の凝縮器6の方向への流れを生じる。この横方向へのフルオロカーボン蒸気の流れが、加熱槽2から蒸発する微量の洗浄剤成分及び汚れ成分を含む蒸気(太い矢印で示す)が蒸気洗浄域5まで拡散するのを防止する。洗浄装置1の冷却手段12と、凝縮器6との間の空間が、実質的に溶剤成分や汚れ成分を含まないフルオロカーボン蒸気のみからなる蒸気洗浄域5となる。この蒸気洗浄域の高さは、下方の横方向の流れの影響を避けるために、50cm以上とすることが好ましい。
【0009】
また本発明に関る洗浄方法は、上述の洗浄装置を使用して、蒸気供給部4からフルオロカーボン蒸気を供給して凝縮器6方向へのフルオロカーボン蒸気流を形成させると共に洗浄装置の上半部にフルオロカーボン蒸気洗浄域5を形成させた状態で、被洗浄物を洗浄装置の上部から導入して加熱槽2、冷却槽3の順に浸漬し、次いで前記蒸気洗浄域5中で蒸気洗浄してから取り出すことを特徴とする。被洗浄物の表面に付着している油脂やフラックスなどの汚れ成分は加熱槽2で除去され、被洗浄物の表面に付着した石油系などの溶剤は、冷却槽3に満たされているフルオロカーボンに溶解して除去される共に被洗浄物は冷却される。この被洗浄物は蒸気洗浄域5を通過して取り出される際にその冷却された表面にフルオロカーボン蒸気が凝縮して滴下分離するので、最終的に蒸気洗浄と乾燥が行なわれる。この洗浄メカニズムは従来装置と同様であるが、加熱槽2から発生する石油系などの溶剤蒸気や汚れ成分などの蒸気(太い矢印で示す)は、蒸気供給部4で発生し加熱槽2側の洗浄装置壁に配置された蒸気凝縮器6に向かう横方向のフルオロカーボン蒸気の流れ(図1及び図2に横矢印で示す)に遮られ、その流れと合流して凝縮器6で凝縮されるので、加熱槽2から蒸発する洗浄剤成分及び低沸点汚れ成分を含む蒸気が蒸気洗浄域5まで拡散するのを防止する。従って蒸気洗浄域5のフルオロカーボン蒸気は高純度に保たれ、被洗浄物へ洗浄剤成分や汚れ成分が再付着する恐れがない。
【0010】
本発明においては蒸気洗浄域5により最終的なすすぎ洗浄を行うものであるから、蒸気洗浄域5をできるだけ高純度に保つことが重量で、そのためには蒸気供給部4中のフルオロカーボンをできるだけ高純度に保つ必要があり、その点を考慮して装置内のフルオロカーボンの循環経路を設定するのが良い。一例として図1に示すように、洗浄装置1上部壁の内周に備えられた冷却手段12により凝縮した純度の高いフルオロカーボンを冷却槽3に供給(ライン91)し、冷却槽3のオーバーフロー液(ライン92)及び凝縮器6の凝縮液(ライン95)をフルオロカーボン分離器7で高純度化して蒸気供給部に供給(ライン94)する経路が考えられる。
【0011】
加熱槽2には被洗浄物に付着していた汚れ成分が蓄積するので、加熱槽2内の液の一部を抜き出し、分離器8で汚れ成分を分離して加熱槽2に循環するのが良い。
【0012】
油脂、フラックスなどの汚れ成分が付着した被洗浄物は、そのまま加熱槽に導入しても良いし、或いは本装置外の洗浄装置で予備洗浄してから加熱槽に導入しても良い。加熱槽に当初石油系洗浄液、テルペン系洗浄液、シリコン系洗浄液、又はアルコール系洗浄液のみを満たしても、加熱槽の上部空間にはフルオロカーボンの湿り蒸気が充満しているので、時間の経過とともに、フルオロカーボンの湿り蒸気が凝縮して加熱槽中に混入し、加熱槽内部の液は石油系洗浄液、テルペン系洗浄液、シリコン系洗浄液、又はアルコール系洗浄液とフルオロカーボン(パーフルオロカーボン又はハイドロフルオロカーボン)との混合物になる。また前記の如く被洗浄物を本装置外の洗浄装置で予備洗浄してから加熱槽に導入した場合には、溶剤が被洗浄物に付着して加熱槽に持ち込まれるので、仮に加熱槽に当初フルオロカーボンのみを満たしてあったとしても、時間の経過と共に、加熱槽内部の液は石油系洗浄液、テルペン系洗浄液、シリコン系洗浄液、又はアルコール系洗浄液とフルオロカーボン(パーフルオロカーボン又はハイドロフルオロカーボン)との混合物になる。必要に応じて適宜分離操作を行う。被洗浄物を本装置外の洗浄装置で予備洗浄してからフルオロカーボンを満たした加熱槽に導入する場合は、加熱槽での石油系洗浄液、テルペン系洗浄液の溶解性を増加させるために、ジイソブチル二塩基酸エステル(DBE−IB)やその他の液体を含んだフロオロカーボンであっても良い。
【0013】
加熱槽における溶剤としては、揮発性有機化合物溶剤又は水が挙げられ、揮発性有機化合物溶剤としては脂肪族化合物、炭素環式化合物又は複素環式化合物の少なくとも一種、或いはこれらとフルオロカーボンとの混合物が挙げられる。例えば石油系溶剤、テルペン系溶剤、シリコン系溶剤、又はアルコール系溶剤などの中から、被洗浄物に付着している油脂、フラックスなどの汚れ成分に対する溶解力が優れているものを選択すれば良いが、凝縮器6で凝縮される溶剤成分を含んだフルオロカーボンから溶剤成分とフルオロカーボン成分を分離して循環使用することを考慮すれば、沸点差などによりフルオロカーボンと容易に分離できるものが好ましい。
【0014】
フロオロカーボンとしては、オゾン問題により塩素を含んだフロンの使用が規制されているので、パーフルオロカーボン又はハイドロフルオロカーボンが用いられる。これらは主鎖が炭素であるものに限られるものではなく、一部エーテル結合のように酸素を含むものや、窒素や珪素を含むものを用いることもできる。またそれらは鎖状のものでも、環状のものでも良い。パーフルオロカーボンとしては、ドデカフルオロペンタン、テトラデカフルオロヘキサン、ヘキサデカフルオロヘプタン、オクタデカフルオロオクタンや1,2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロシクロブタン等が例示される。ハイドロフルオロカーボンとしては、デカフルオロペンタンやオクタフルオロブタン等が例示される。特に好ましくはHFC43−10mee(1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフロオロペンタン)、HFC338pcc(1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン)が挙げられる。
【0015】
【実施例1】
図2に示した洗浄装置における加熱槽2に、溶剤(米国デュポン社製:“アクサレル”9100:脂肪族炭化水素系洗浄剤:沸点221〜295℃)を10%含有させたフルオロカーボン (米国デュポン社製“バートレル”XF:HFC43-10mee :沸点54℃)を入れ、また第2段の加熱槽2A、冷却槽3および蒸気供給部4にフルオロカーボン (HFC43-10mee)を入れ、加熱槽2のヒーター21、第2段の加熱槽2Aのヒーター21Aおよび蒸気供給部4のヒーター41を加熱して加熱槽2、第2段の加熱槽2A及び蒸気供給部4の液を沸騰させた。また洗浄装置1上部の内周に備えられた冷却管12、加熱槽2の冷却管22、及び凝縮器6の冷却管62に冷水を通した。5時間運転後、蒸気洗浄域5におけるアクサレル9100の濃度をガスクロマトグラフィーにて分析した。結果を表1に示す。
【0016】
【比較例1】
実施例1で使用した装置のフルオロカーボン蒸気の凝縮器6の入口を閉鎖した以外は、実施例1と同様にして5時間運転後、蒸気洗浄域5におけるアクサレル9100の濃度をガスクロマトグラフィーにて分析した。結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例2】
長さ60mm、幅10mm、厚さ1mmの鉄製テストピースを研磨しアクサレル9100に浸漬後、実施例1の状態にある洗浄装置で以下の条件で洗浄した。
加熱槽2への浸漬 1分
第2の加熱槽2Aへ振動しながら浸漬 1分
冷却槽3への浸漬 1分
蒸気洗浄域5でのすすぎ洗浄 1分
洗浄後のテストピースの洗浄度を目視にて評価した。結果を表2に示す。
【0019】
【比較例2】
比較例1で使用した状態の洗浄装置を使用した以外は実施例1と同様にして鉄製テストピースの洗浄を行なった。結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】
フルオロカーボン蒸気により被洗浄物品の最終洗浄及び乾燥を行なう多槽式洗浄装置において、前段の洗浄工程で発生する溶剤蒸気や低沸点汚れ成分の蒸気が蒸気洗浄域に拡散し滞留するのを抑制できるため、被洗浄物品への溶剤や汚れ成分の再付着を防止することが可能となり、特に石油系などの有機溶剤で洗浄した後のすすぎ洗浄がより効果的に行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄装置の基本的構成を示す図である。
【図2】本発明の洗浄装置の異なる実施態様を示す図である。
【図3】従来の洗浄装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 洗浄装置
12 洗浄装置上部の冷却手段
13 堰
2 加熱槽
21 加熱槽の加熱手段
22 加熱槽上部の冷却手段
2A 第2の加熱槽
21A 第2の加熱槽の加熱手段
4 蒸気供給部
41 蒸気供給部の加熱手段
5 蒸気洗浄域
6 凝縮器
62 凝縮器の冷却手段
7 フルオロカーボンの分離器
8 溶剤の分離器
9 超音波発振器
91 フルオロカーボンの循環経路
92 フルオロカーボンの循環経路
93 フルオロカーボンの循環経路
94 フルオロカーボンの循環経路
95 フルオロカーボンの循環経路
Claims (11)
- 加熱槽及び冷却槽を下部に内蔵し、上部に冷却手段を備え、該冷却手段よりも下方の冷却槽側洗浄装置壁にパーフルオロカーボン蒸気又はハイドロフルオロカーボン蒸気を供給するためのフルオロカーボン蒸気供給部が設置されており、該加熱槽にはフルオロカーボンとは異なる液体を必須成分とする洗浄液を含有させてなる洗浄装置において、蒸気凝縮器を該冷却手段よりも下方の加熱槽側の洗浄装置壁に設置して、洗浄液から発生する蒸気をフルオロカーボン蒸気供給部から該蒸気凝縮器に向かうパーフルオロカーボン蒸気流又はハイドロフロオロカーボン蒸気流に同伴させて凝縮できるようにしたことを特徴とする洗浄装置。
- 加熱槽が複数個の槽から構成されている請求項1に記載の洗浄装置。
- 冷却槽が複数個の槽から構成されている請求項1又は請求項2に記載の洗浄装置。
- 加熱槽及び冷却槽を下部に内蔵し、上部に冷却手段を備え、該冷却手段よりも下方の冷却槽側洗浄装置壁にフルオロカーボン蒸気供給部が設置されていると共に、蒸気凝縮器が、該冷却手段よりも下方の加熱槽側の洗浄装置壁に設置して、洗浄液から発生する蒸気をフルオロカーボン蒸気供給部から該蒸気凝縮器に向かうパーフルオロカーボン蒸気流又はハイドロフロオロカーボン蒸気流に同伴させて凝縮できるようにした洗浄装置を用い、該加熱槽にフルオロカーボンとは異なる液体を必須成分とする洗浄液を存在させ、該蒸気供給部からパーフルオロカーボン蒸気又はハイドロフルオロカーボン蒸気を供給して該蒸気凝縮器方向へのパーフルオロカーボン蒸気又はハイドロフルオロカーボン蒸気流を形成させると共に洗浄装置の上半部にパーフルオロカーボン蒸気又はハイドロフルオロカーボン蒸気洗浄域を形成させ、被洗浄物を洗浄装置の上部から導入して該加熱槽、該冷却槽の順に浸漬し、次いで該蒸気洗浄域中で蒸気洗浄してから取り出すことを特徴とする洗浄方法。
- ハイドロフルオロカーボンが、デカフルオロペンタン又はオクタフルオロブタンである請求項4に記載の洗浄方法。
- ハイドロフルオロカーボンが、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタンである請求項4に記載の洗浄方法。
- ハイドロフルオロカーボンが、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5−デカフルオロペンタンである請求項4に記載の洗浄方法。
- 洗浄剤が少なくとも揮発性有機化合物溶剤又は水を含有する請求項4に記載の洗浄方法。
- 揮発性有機化合物溶剤が脂肪族化合物、炭素環式化合物又は複素環式化合物である請求項8に記載の洗浄方法。
- 洗浄剤が脂肪族化合物、炭素環式化合物又は複素環式化合物の少なくとも一種とフルオロカーボンとの混合物である請求項4に記載の洗浄方法。
- 冷却槽にフルオロカーボンが存在する請求項4に記載の洗浄方法。
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