JPH04290586A

JPH04290586A - 被洗浄物の濯ぎ洗浄方法およびその装置

Info

Publication number: JPH04290586A
Application number: JP7576791A
Authority: JP
Inventors: Masahide Uchino; 正英内野
Original assignee: Japan Field Co Ltd
Current assignee: Japan Field Co Ltd
Priority date: 1991-03-15
Filing date: 1991-03-15
Publication date: 1992-10-15

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水溶性洗剤又は乳化界
面活性剤入り有機溶剤から成る洗浄液を用いて洗浄した
、被洗浄物の濯ぎ洗浄方法に係るものであって、シルク
スクリーン、機械部品、電子部品、プリント基板等の被
洗浄物の洗浄作業により、被洗浄物に付着した洗浄液を
、有効に除去するとともに洗浄液の確実な回収を目的と
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、シルクスクリーン、機械部品、電
子部品、プリント基板等の洗浄を行うには、不燃性で引
火の危険がないこと、洗浄力に優れていること等から、
一般的にフロンや塩素系溶剤が用いられていた。しかし
、地球環境の破壊を伴うことから使用が規制されるもの
となった。

【０００３】この、フロンや塩素系溶剤を用いた洗浄方
法に代わる洗浄方法としては、水溶性洗剤又は乳化界面
活性剤入り有機溶剤から成る洗浄液を用いて洗浄するこ
とが考慮される。これらの本洗浄液で洗浄した被洗浄物
を濯ぎ洗浄するには、水が従来使用されている。そして
、上記の本洗浄液は水に溶解し、濯ぎ水が、濯ぎ洗浄の
経過によって汚れて来るため、清浄な水を補給するとと
もに一部を排水することが行われている。

【０００４】しかしながら、この排水は本洗浄液を溶解
しているため、ＢＯＤ値、ＣＯＤ値が高くなり、排水処
理に多額の経費が必要となる欠点を有している。また、
排水から本洗浄液を回収し、処理するのに適確な方法が
なく、被洗浄物に付着している本洗浄液が、排水ととも
にそのまま廃棄される割合が多いため、本洗浄液の回収
ができない。そのため、本洗浄液の消費量が極めて多い
ものとなり、洗浄作業を不経済なものとする欠点を有し
ている。

【０００５】また、このような欠点を解決するため、本
発明者は、本洗浄液の付着した被洗浄物を、本洗浄液を
溶解させない完全フッ素化液体で濯ぎ洗浄することを考
慮した。この方法は、本洗浄液の除去効果を有するとと
もに、本洗浄液の確実な回収を行い、経済的で公害発生
のない洗浄作業を可能とする、優れた技術効果を生じる
ことが判明した。しかしながら、完全フッ素化液体が不
活性であるため、濯ぎ洗浄液を溶解することができず、
本洗浄液の除去効果が不十分となる事があり、濯ぎ洗浄
作業を長時間行ったり、濯ぎ洗浄後に更に水による洗浄
を行わねば成らない場合を生じ、必ずしも完全なもので
はなかった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のごとき
課題を解決しようとするものであって、水溶性洗剤又は
乳化界面活性剤入り有機溶剤から成る本洗浄液を用いて
本洗浄を行いながら、この本洗浄液の除去を目的とする
濯ぎ洗浄に於いて、本洗浄液の有効な除去と回収を可能
とする。また、簡易な装置による濯ぎ洗浄液の清浄化処
理を可能とし、濯ぎ洗浄液の循環使用を可能にする事を
目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上述のごとき課
題を解決するため、水溶性洗剤又は乳化界面活性剤入り
有機溶剤から成る本洗浄液を用いて被洗浄物を本洗浄し
、この本洗浄液が付着した被洗浄物を、完全フッ素化液
体５０ｗｔ％以下と、水又は及びアルコールから成る濯
ぎ原液５０ｗｔ％以下とを混合して組成した濯ぎ洗浄液
により濯ぎ洗浄するとともに、濯ぎ洗浄に使用した濯ぎ
原液の少なくとも一部を、清浄化手段を介して清浄化し
た後、完全フッ素化液体に再度混合して濯ぎ洗浄液を組
成する工程を繰り返すことを特徴として成るものである
。

【０００８】また、完全フッ素化液体５０ｗｔ％以上と
、水又は及びアルコールからなる濯ぎ原液５０ｗｔ％以
下とを混合して組成した濯ぎ洗浄液を、洗浄槽に充填し
、この洗浄槽の濯ぎ洗浄液の液面部分に、流出管の一端
を連通し、この流出管の他端を清浄化手段に接続して、
濯ぎ原液を主体とする汚染した濯ぎ洗浄液を清浄化手段
に供給し、この清浄化手段で清浄化した濯ぎ原液を主体
とする濯ぎ洗浄液が流入する流入管を、洗浄槽内に接続
して成るものである。

【０００９】また、洗浄槽の濯ぎ洗浄液の上部には、濯
ぎ洗浄液を噴射するシャワー洗浄用のノズルを位置して
も良い。

【００１０】また、清浄化手段は、濯ぎ洗浄により汚染
した濯ぎ洗浄液を、加熱蒸気化し、これを凝縮液化して
回収する蒸留再生器であっても良い。

【００１１】また、清浄化手段は、濯ぎ洗浄により汚染
した濯ぎ洗浄液を、フイルターにより濾過して回収する
フイルター再生器であっても良い。

【００１２】

【作用】本発明は上述のごとく構成したものであるから
、シルクスクリーン、機械部品、電子部品、プリント基
板等の被洗浄物の濯ぎ洗浄作業を行うには、水溶性洗剤
又は乳化界面活性剤入り有機溶剤から成る本洗浄液を用
いて、まず被洗浄物を本洗浄し、汚れを除去する。この
本洗浄は、弱アルカリ系洗剤、中性系洗剤、酸系洗剤等
の任意の水溶性洗剤を用いて行う。また他の本洗浄液は
、高級アルコール系溶剤、炭化水素系溶剤、テルペン系
溶剤、シリコン系溶剤等の有機溶剤に乳化界面活性剤を
混合して使用する。この、水溶性洗剤又は乳化界面活性
剤入り有機溶剤から成る本洗浄液を用いることにより、
非水系溶剤よりも本洗浄液のコストが安いとともに、洗
浄可能な被洗浄物の対象が広く、汎用性のある本洗浄を
可能とする。

【００１３】次に、この本洗浄液が付着した被洗浄物を
、濯ぎ洗浄液を充填した洗浄槽に挿入して濯ぎ洗浄を行
う。ここで使用する濯ぎ洗浄液は、完全フッ素化液体５
０ｗｔ％以上（好ましくは７０〜９５ｗｔ％）に、水又
はアルコール又はその双方から成る、濯ぎ原液を５０ｗ
ｔ％以下（好ましくは５〜３０ｗｔ％）となるよう混合
して組成したものである。そして、上記の本洗浄液が付
着した被洗浄物を、この濯ぎ洗浄液に浸漬して濯ぎ洗浄
を行う。

【００１４】ここで使用する完全フッ素化液体は、構造
中の炭素原子に結合し得るすべての置換基がフッ素原子
である化合物である。しかしながら、工業的生産におい
てこのような純粋物を得ることは困難で、一部の不純物
として、水素、塩素、臭素等が０．５〜５．０ｗｔ％程
度含まれるのは不可避なものであって、これらは実用上
全く問題のないものである。また完全フッ素化液体は、
不燃性、不活性、無毒、無臭で、安全性が高く、実質的
に塩素を含まないものであるから環境破壊を生じること
がない。

【００１５】このような完全フッ素化液体としては、

【
化１】の構造を有するものが例示される。

【００１６】また、濯ぎ洗浄液への浸漬洗浄においては
、超音波振動、揺動等を加えて行うものであってもよい
。しかしながら、完全フッ素化液体のみを濯ぎ洗浄液と
して用いても、完全フッ素化液体は不活性であるため、
被洗浄物に付着した濯ぎ洗浄液を溶解することができず
、本洗浄液の除去効果が必ずしも十分とは言えない。

【００１７】本発明では、濯ぎ洗浄液は、完全フッ素化
液体５０ｗｔ％以上に、水又はアルコール又はその双方
から成る濯ぎ原液を、５０ｗｔ％以下混合して組成した
ものである。そのため、本洗浄液の溶解除去効果におい
ては、完全フッ素化液体よりも遥かに優れ、水またはア
ルコールまたはその双方からなる濯ぎ原液が、水溶性洗
剤又は乳化界面活性剤入り有機溶剤から成る本洗浄液を
溶解して、被洗浄物から除去するものとなる。

【００１８】この濯ぎ原液は、濯ぎ洗浄液の全量に対し
て５０ｗｔ％以下しか使用していないから、この少量の
濯ぎ原液を、清浄化手段により清浄化することは容易な
ものである。そして、５０ｗｔ％を超えると濯ぎ原液の
使用量が多くなり、濯ぎ原液の浄化に、多くの設備と費
用とを必要にするものとなり好ましくない。

【００１９】また、水またはアルコールまたはその双方
からなる濯ぎ原液の使用量が、少量であっても完全フッ
素化液体を、濯ぎ洗浄液の全量に対して５０ｗｔ％以上
混合しているから、浸漬洗浄も容易に行うことができる
。そして、完全フッ素化液体の使用量を、５０ｗｔ％より
も少なくすると、被洗浄物の浸漬洗浄に支障を生じるも
のとなる。

【００２０】また、濯ぎ洗浄液の清浄化手段は、濯ぎ洗
浄により汚染した濯ぎ洗浄液を加熱蒸気化し、これを凝
縮液化して回収する蒸留再生器であっても良いし、濯ぎ
洗浄により汚染した濯ぎ洗浄液を、フイルターにより濾
過して回収する、フイルター再生器であっても良い。

【００２１】この清浄化手段は、濯ぎ洗浄に使用した濯
ぎ原液の少なくとも一部を回収し、清浄化した後、完全
フッ素化液体に再度混合して濯ぎ洗浄液を組成する工程
を繰り返すものである。

【００２２】次に、上記の完全フッ素化液体に濯ぎ原液
を混合した濯ぎ洗浄液での洗浄により、被洗浄物に付着
している、水溶性洗剤又は乳化界面活性剤入り有機溶剤
から成る洗浄液は、被洗浄物から分離して濯ぎ洗浄液中
に混入する。この混入は、完全フッ素化液体が、被洗浄
物に付着した本洗浄液を溶解する事なく除去する場合と
、濯ぎ原液が、本洗浄液を溶解して除去する場合とによ
って生じる。

【００２３】しかしながら、完全フッ素化液体は、不活
性であって他の液体を溶解しないから、本洗浄液と完全
フッ素化液体とは容易に分離するし、濯ぎ原液は、使用
量が少ないから、清浄化手段により簡易に回収すること
ができ、その各々を回収することが可能となる。

【００２４】例えば、完全フッ素化液体は市販の製品で
は、２５℃に於いての比重が、約１．６〜２．０である
が、水溶性洗剤又は乳化界面活性剤入り有機溶剤から成
る洗浄液は、完全フッ素化液体よりも遥かに比重が軽い
ものである。そのため、この比重の差によって完全フッ
素化液体を沈殿させ、この完全フッ素化液体と、濯ぎ原
液と、本洗浄液とを分離することがでる。

【００２５】また、この比重の差を利用し、遠心分離法
により完全フッ素化液体と、本洗浄液と濯ぎ原液とを分
離してもよい。また本洗浄液と完全フッ素化液体と濯ぎ
原液の沸点の差を利用し、蒸留再生を行って洗浄液と濯
ぎ洗浄液とを再生してもよい。

【００２６】このように、従来の水を使用した濯ぎ洗浄
のごとく、被洗浄物に付着している洗浄液が、排水とと
もにそのまま廃棄されるような事がない。そのため、本
洗浄液、完全フッ素化液体および濯ぎ原液の確実な回収
が可能となり、これを再生して洗浄液の消費量を極めて
少なくし、洗浄作業を経済的なものにするとともに、排
水処理施設を不要とするか、極めて簡略化することが可
能となる。

【００２７】

【実施例】以下本発明を実施するための装置を、図１に
於いて説明する。（１）は洗浄槽で、完全フッ素化液体
（２）を５０ｗｔ％以上（好ましくは７０〜９５ｗｔ％
）に、水又は及びアルコールからなる濯ぎ原液（３）を
５０ｗｔ％以下（好ましくは５〜３０ｗｔ％）混合して
組成した濯ぎ洗浄液（４）を充填している。この洗浄槽
（１）の濯ぎ洗浄液（４）の液面部分に、流出管（５）
の一端を連通し、この流出管（５）の他端を清浄化手段
（６）に接続している。

【００２８】この清浄化手段（６）は、洗浄槽（１）と
は別体にて隣接し、蒸留再生器によって構成している。そして、濯ぎ洗浄により汚染した濯ぎ洗浄液（４）を、
ヒーター（７）にて加熱蒸気化し、この蒸気を冷却コイ
ル（８）を設置して設けた冷却凝縮部（１０）で凝縮液
化して回収するように構成している。そして、濯ぎ原液
（３）を主体とする、汚染した濯ぎ洗浄液（４）を清浄
化手段（６）で清浄化し、この清浄化した濯ぎ原液（３
）を主体とする濯ぎ洗浄液（４）を、流入管（１１）に
より洗浄槽（１）に還流する。

【００２９】この流入管（１１）は、清浄化手段（６）
の冷却凝縮部（１０）と洗浄槽（１）とを直接連通して
もよいが、第１図に示すごとく、清浄化手段（６）に接
続した流入管（１１）をプールタンク（１２）を介して
洗浄槽（１）に接続している。このプールタンク（１２
）は、洗浄槽（１）、清浄化手段（６）とは別体に形成
し、前記の濯ぎ洗浄液（４）を充填し、完全フッ素化液
体（２）よりも比重の軽い濯ぎ原液（３）と接続するよ
う流入管（１１）の一端をプールタンク（１２）に接続
している。また、この流入管（１１）は、バルブ（１３
）を介して排水管（１４）にも接続している。また濯ぎ
洗浄液（４）の液面には、濯ぎ原液（３）の供給管（１
５）を接続している。

【００３０】また、プールタンク（１２）の濯ぎ原液（
３）部分と完全フッ素化液体（２）部分とには、スプレ
ーポンプ（１６）をバルブ（１７）（１８）を介して接
続する。そして、このスプレーポンプ（１６）に接続し
たスプレー管（２０）の先端を、濯ぎ洗浄液（４）を噴
射するシャワー洗浄用のノズル（２１）とし、このノズ
ル（２１）を、洗浄槽（１）の濯ぎ洗浄液（４）の上部
に位置している。

【００３１】上述のごとく構成したものに於いて、被洗
浄物（２２）の濯ぎ洗浄作業を行うには、本洗浄液が付
着した被洗浄物（２２）を、濯ぎ洗浄液（４）を充填し
た洗浄槽（１）に挿入して濯ぎ洗浄を行う。この濯ぎ洗
浄は、まず濯ぎ洗浄液（４）に浸漬して濯ぎ洗浄を行う
。この濯ぎ洗浄液（４）への浸漬洗浄においては、超音
波振動、揺動等を加えて行うものであってもよい。

【００３２】そして、濯ぎ洗浄液（４）は、完全フッ素
化液体７０〜９５ｗｔ％に、水又はアルコールまたはそ
の双方から成る濯ぎ原液（３）を５〜３０ｗｔ％混合し
て組成したものであるから、本洗浄液の溶解除去効果に
おいては、完全フッ素化液体（２）よりも遥かに優れた
ものとなる。

【００３３】そして、被洗浄物（２２）から分離した本
洗浄液は、完全フッ素化液体（２）との比重差により液
面方向に移動する。そして、濯ぎ洗浄液（４）の液面部
分に一端を連通した流出管（５）により、本洗浄液、濯
ぎ原液（３）、少量の完全フッ素化液体（２）とともに
清浄化手段（６）に導入される。この清浄化手段（６）
へは、濯ぎ洗浄に使用した濯ぎ原液（３）の少なくとも
一部を回収し、清浄化した後、完全フッ素化液体（２）
に再度混合して濯ぎ洗浄液（４）を組成する工程を繰り
返すものである。

【００３４】また、濯ぎ洗浄液（４）に浸漬して洗浄し
た被洗浄物（２２）は、適宜の移送機構により濯ぎ洗浄
液（４）から上昇させる。そして、スプレーポンプ（１
６）で加圧した濯ぎ洗浄液（４）を、被洗浄物（２２）
にノズル（２１）から加圧噴射するか、シャワー状に吹
き付ける事により、シャワー洗浄を行う。この濯ぎ洗浄
液（４）の噴射により被洗浄物（２２）に付着した本洗
浄液は、その殆どが、濯ぎ洗浄液（４）を組成する完全
フッ素化液体（２）の物理的圧力、表面張力による一体
化、濯ぎ原液（３）による溶解力等によって除去される
。

【００３５】また、上記の実施例では、洗浄槽（１）と
清浄化手段（６）とを分離独立して別体に形成したが、
異なる実施例では、図２に示すごとく、洗浄槽（１）と
清浄化手段（６）とを一体に形成しても良い。この実施
例では、洗浄槽（１）と清浄化手段（６）の上部を、移
送空間（２３）で連通することにより、清浄化手段（６
）で生じる蒸気を蒸気洗浄に用いることができる。

【００３６】また上記実施例では、濯ぎ洗浄液（４）の
清浄化手段（６）を、濯ぎ洗浄により汚染した濯ぎ洗浄
液（４）を加熱蒸気化し、これを凝縮液化して回収する
蒸留再生器で構成した。しかし、他の異なる実施例では
、濯ぎ洗浄により汚染した濯ぎ洗浄液（４）を、フイル
ターにより濾過して回収するフイルター再生器により、
清浄化手段（６）を構成しても良い。

【００３７】次に、水溶性洗剤又は乳化界面活性剤入り
有機溶剤から成る洗浄液のみで洗浄した被洗浄物と、水
溶性洗剤又は乳化界面活性剤入り有機溶剤から成る洗浄
液で洗浄した被洗浄物を、更に、完全フッ素化液体と濯
ぎ原液からなる濯ぎ洗浄液で洗浄した、濯ぎ済み被洗浄
物との、残留ＣＯＤ値およびＢＯＤ値を比較した。

【００３８】被洗浄物は、１２５×１２５ｍｍの実装ガ
ラスエポキシプリント基板を用いた。この被洗浄物を、
弱アルカリ性エマルジョンタイプの水溶性洗剤の本洗浄
液に浸漬して洗浄した。

【００３９】次に本洗浄液の液面の上部で１０秒間、本
洗浄液の自然落下による液切りを行った。

【００４０】この後、本発明実施例では、完全フッ素化
液体９０ｗｔ％と水１０ｗｔ％から成る濯ぎ洗浄液５リ
ットルに、上記の被洗浄物を１０秒間浸漬し、５回揺動
して濯ぎ作業を行い、液面上で１０秒間液切りを行った
。尚この５回の揺動は、完全フッ素化液体の上面に比重
差から２相となっている水が、完全フッ素化液体中に混
合し、被洗浄物と接触し得る程度に行った。

【００４１】ここまでの工程を、１０個の被洗浄物にそ
れぞれ行い、５リットルの同一の純水中に１０秒間それ
ぞれ浸漬して５回揺動した後、液面上で１０秒間液切り
を行った。この洗浄を行った純水を分析したものが、下
記の分析値である。

【００４２】また比較例は、本洗浄液による洗浄後、被
洗浄物の液切りを行うまでは、本発明実施例と全く同一
の条件で行った。そして濯ぎ洗浄液による濯ぎ洗浄を行
わずに、純水による洗浄を本発明実施例と同一条件で行
った。

【００４３】分析項目／試料　　本発明実施例　　　比　較　例ＣＯ
ＤＭｎ　　　　　　　２．４ｐｐｍ　　　　　　　　　
１１７ｐｐｍＢＯＤ　　　　　　　　　２．６ｐｐｍ　
　　　　　　　　　１３ｐｐｍ上記のごとく、本発明実
施例で濯ぎ洗浄したものは、従来公知方法で洗浄した比
較例に比し、ＣＯＤ値が約４９分の１、ＢＯＤ値が約５
分の１となり、本発明の洗浄方法を用いた洗浄において
、被洗浄物に付着した、水溶性洗剤又は乳化界面活性剤
入り有機溶剤から成る洗浄液の、除去効果の著しい事が
実証された。

【発明の効果】本発明は上述のごとく、水溶性洗剤又は
乳化界面活性剤入り有機溶剤から成る洗浄液を用いて、
被洗浄物の本洗浄を行いながら、この本洗浄液の除去を
目的とする濯ぎ洗浄に於いて、本洗浄液の有効な除去と
、本洗浄液の確実な回収を行い、経済的で公害発生のな
い洗浄作業を可能とする。また、本洗浄液を溶解する濯
ぎ原液の使用量を、濯ぎ洗浄液の全量に対して５〜３０
ｗｔ％しか使用していないから、この少量の濯ぎ原液を
清浄化手段により清浄化することが容易なものとなる。また、濯ぎ原液の使用量が、少量であっても完全フッ素
化液体を、濯ぎ洗浄液の全量に対して７０〜９５ｗｔ％
混合しているから、被洗浄物の浸漬洗浄も容易に行うこ
とができ、スプレー洗浄、蒸気洗浄等と併用することに
より、多様な濯ぎ洗浄作業を効率良く行うことができる
。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の断面図。

【図２】第２実施例の断面図。

【符号の説明】

１　　　　　　洗浄槽２　　　　　　完全フッ素化液体３　　　　　　濯ぎ原液４　　　　　　濯ぎ洗浄液５　　　　　　流出管６　　　　　　清浄化手段１１　　　　流入管２１　　　　ノズル２２　　　　被洗浄物

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】水溶性洗剤又は乳化界面活性剤入り有機溶
剤から成る本洗浄液を用いて被洗浄物を本洗浄し、この
本洗浄液が付着した被洗浄物を、完全フッ素化液体５０
ｗｔ％以上と、水又は及びアルコールから成る濯ぎ原液
５０ｗｔ％以下とを混合して組成した濯ぎ洗浄液により
濯ぎ洗浄するとともに、濯ぎ洗浄に使用した濯ぎ原液の
少なくとも一部を、清浄化手段を介して清浄化した後、
完全フッ素化液体に再度混合して濯ぎ洗浄液を組成する
工程を繰り返すことを特徴とする被洗浄物の濯ぎ洗浄方
法。
【請求項２】完全フッ素化液体５０ｗｔ％以上と、水又
は及びアルコールからなる濯ぎ原液５０ｗｔ％以下とを
混合して組成した濯ぎ洗浄液を、洗浄槽に充填し、この
洗浄槽の濯ぎ洗浄液の液面部分に、流出管の一端を連通
し、この流出管の他端を清浄化手段に接続して、濯ぎ原
液を主体とする汚染した濯ぎ洗浄液を清浄化手段に供給
し、この清浄化手段で清浄化した濯ぎ原液を主体とする
濯ぎ洗浄液が流入する流入管を、洗浄槽内に接続したこ
とを特徴とする被洗浄物の濯ぎ洗浄装置。
【請求項３】洗浄槽の濯ぎ洗浄液の上部には、濯ぎ洗浄
液を噴射するシャワー洗浄用のノズルを位置したことを
特徴とする請求項１記載の被洗浄物の濯ぎ洗浄方法。
【請求項４】洗浄槽の濯ぎ洗浄液の上部には、濯ぎ洗浄
液を噴射するシャワー洗浄用のノズルを位置したことを
特徴とする請求項２記載の被洗浄物の濯ぎ洗浄装置。
【請求項５】清浄化手段は、濯ぎ洗浄により汚染した濯
ぎ洗浄液を、加熱蒸気化し、これを凝縮液化して回収す
る蒸留再生器であることを特徴とする請求項１記載の被
洗浄物の濯ぎ洗浄方法。
【請求項６】清浄化手段は、濯ぎ洗浄により汚染した濯
ぎ洗浄液を、加熱蒸気化し、これを凝縮液化して回収す
る蒸留再生器であることを特徴とする請求項２記載の被
洗浄物の濯ぎ洗浄装置。
【請求項７】清浄化手段は、濯ぎ洗浄により汚染した濯
ぎ洗浄液を、フイルターにより濾過して回収するフイル
ター再生器であることを特徴とする請求項１記載の被洗
浄物の濯ぎ洗浄方法。
【請求項８】清浄化手段は、濯ぎ洗浄により汚染した濯
ぎ洗浄液を、フイルターにより濾過して回収するフイル
ター再生器であることを特徴とする請求項２記載の被洗
浄物の濯ぎ洗浄装置。