JP4737800B2 - 分離方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密機械部品、光学機械部品等の加工時に種々の加工油類、グリース類、ワックス類や電気電子部品のハンダ付け時に使用されるフラックス類を洗浄するのに好適な洗浄剤、およびすすぎ剤中に混入する汚れや、すすぎ剤中に混入する洗浄剤成分の分離方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
精密機械部品、光学機械部品等の加工時に種々の加工油類、例えば、切削油、プレス油、引抜き油、熱処理油、防錆油、潤滑油等、または、グリース類、ワックス類等が使用されるが、これらの汚れは最終的には除去する必要があり,溶剤による除去が一般的に行われている。
また、電子回路の接合方法としてはハンダ付けが最も一般的に行われているが、ハンダ付けすべき金属表面の酸化物の除去清浄化、再酸化防止、ハンダ濡れ性の改良の目的で、フラックスでハンダ付け面を予め処理することが通常行われている。ハンダ付けの方法としては溶液状のフラックス中に基板を浸漬する等により、フラックスを基板面に付着させた後、溶融ハンダを供給する方法や予めフラックスとハンダの粉末を混合してペースト状にしたものをハンダ付けすべき場所に供給した後加熱する方法等があるが、いずれにしても、フラックス残渣は金属の腐食や絶縁性の低下の原因となるため、ハンダ付け終了後、十分に除去する必要がある。
【0003】
これらの洗浄、除去には、不燃性で毒性が低く、優れた溶解性を示す等、多くの特徴を有することから、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(以下CFC113という)やCFC113とアルコールなどを混合した溶剤で洗浄していた。しかしながら、CFC113はオゾン層破壊等の地球環境汚染問題が指摘され、日本では1995年末にその生産が全廃された。このCFC113の代替品として、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンと1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンの混合物(以下HCFC225という)や1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(以下HCFC141bという)等のハイドロクロロフルオロカーボンが提案されているが、これらについてもオゾン層破壊能があるために日本では2020年にその使用が禁止される予定である。
【0004】
そこで、近年では塩素原子を全く含まないハイドロフルオロカーボン類(以下HFCという)やハイドロフルオロエーテル類(以下HFEという)等のオゾン層破壊能が全くなく、不燃性のフッ素系溶剤が提案されている。しかし、溶解能が低く単独では洗浄剤として使用できないので、特開平10−36894号公報には、HFCやHFEと、エステル等の有機化合物を併用した洗浄剤についての記載がある。また、この洗浄剤を使用して洗浄した後、HFCまたはHFE単体を入れた槽にて、被洗物表面に付着した汚れ成分を溶解したエステル等の有機化合物を、清浄で乾燥容易なすすぎ剤(ここではHFCまたはHFE単体)に置き換える工程、すなわちすすぎ工程を設ける洗浄方法についての記載もある。しかし、この洗浄方法では長期間連続使用すると、洗浄剤中にフラックスや油等の汚れが混入し洗浄力が劣化したり、すすぎ剤中に汚れ成分を溶解したエステル等の有機化合物が混入することより、引火点を生じる組成となり引火の危険性がある。
【0005】
そこで、これらすすぎ剤中に混入した洗浄剤成分を分離する方法が望まれていたが、この課題を解決するために、特開平10−202209号公報には、洗浄剤として炭化水素系溶剤を用い、この洗浄剤で洗浄した後、フッ素系溶剤ですすぐ工程において、フッ素系溶剤中に混入した炭化水素系溶剤を分離する装置についての記載がある。しかし、この方法では洗浄剤として、すすぎ剤であるフッ素系溶剤と相溶性のない炭化水素系溶剤を使用しなければならず、すすぎ性に問題があると共に、洗浄剤自体が引火点を有するために引火の危険性がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、洗浄剤およびすすぎ剤に混入した汚れ成分や、すすぎ剤に混入した洗浄剤成分を分離することにより、洗浄剤およびすすぎ剤を再利用し、洗浄工程におけるランニングコストを削減することを課題としたものである。
【0007】
【課題を達成するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、非塩素系フッ素化合物を含有する洗浄剤では、非塩素系フッ素化合物の持つ特有の高比重、低相溶性の特性により、一定条件下で静置することで、洗浄剤に混入した汚れ成分を容易に分離できることを見出し、さらに、汚れ成分の混入した洗浄剤がいかなる状態、例えば、均一または不均一な状態であっても、静置することによって汚れ成分を洗浄剤から分離できることを見出した。ここで「均一」とは、汚れ成分が混入した非塩素系フッ素化合物を含有する洗浄剤を、振とうまたは攪拌した後、密閉状態で20℃で5分放置した時に二層分離が認められないことを意味する。
【0008】
また、非塩素系フッ素化合物を含有する洗浄剤で洗浄した後、すすぎおよび/または蒸気洗浄に使用した、洗浄剤成分と洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分が混入したすすぎ剤から、洗浄剤成分と洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分をも分離できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、発明の第一は、洗浄剤組成物(a)が、(b)非塩素系フッ素化合物と、(c)有機化合物を含有する組成物であり、この洗浄剤組成物(a)で洗浄する方法において、洗浄に使用した洗浄剤組成物(a)を静置して該洗浄剤組成物(a)に混入した汚れ成分を分離することを特徴とする分離方法である。
【0009】
発明の第二は、洗浄剤組成物(a)で洗浄した後、化合物(b)単体をすすぎ剤としてすすぐ、および/または蒸気洗浄を行う方法において、すすぎおよび/または蒸気洗浄に使用したすすぎ剤を静置して、すすぎ剤に混入した、化合物(c)および汚れ成分を分離することを特徴とする分離方法である。
発明の第三は、すすぎ剤が、組成物(d)とする化合物(b)および(e)1.013×105Paにおける沸点が20℃〜100℃の有機化合物を含有する組成物であることを特徴とする発明の第二の分離方法である。
【0010】
発明の第四は、化合物(b)と化合物(c)の比重差が25℃において0.3以上である発明の第一〜第三に記載の方法および装置である。
発明の第五は、化合物(b)が、メチルパーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロイソブチルエーテル及びその混合物である発明の第一〜第四に記載の方法および装置である。
発明の第六は、発明の第一〜第五に記載されている分離方法を実施するための分離装置であって、分離槽を用いることを特徴とする分離装置である。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、「洗浄工程」とは洗浄剤組成物(a)を使用して被洗物に付着した汚れ成分を除去する工程をいう。汚れ成分としては切削油、プレス油、引き抜き油、熱処理油等の加工油類、フラックス成分であるロジン、アミンの塩酸塩等の塩化物、ハンダ付け工程時に生成する重合ロジンやロジンの金属塩を挙げることができる。
【0012】
また、「すすぎ工程」とは「洗浄工程」の後、被洗物表面に付着した洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分を、清浄で乾燥容易な成分に置き換える工程をいう。この清浄で乾燥容易な成分を「すすぎ剤」という。本発明では、化合物(b)単体または組成物(d)をすすぎ剤として使用する。
さらに、「蒸気洗浄工程」とは、すすぎ剤を入れた蒸気発生槽液を沸騰させることにより、蒸気発生槽の上部に形成される化合物(b)単体または組成物(d)の飽和蒸気相に「洗浄工程」、または「すすぎ工程」の後、被洗物を静置させ、被洗物表面で清浄な化合物(b)単体または組成物(d)の蒸気が凝縮することにより発生する液状組成物(単体も含む)で洗浄および/またはすすぐ工程をいう。
【0013】
すすぎ剤としては化合物(b)単体または組成物(d)が挙げられる。すすぎ槽では、洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分が付着した被洗物が浸漬されることにより、すすぎ槽のすすぎ剤中に化合物(c)および汚れ成分が蓄積される。
すすぎ工程の後、蒸気洗浄工程を行う場合、洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分が混入したすすぎ剤が、すすぎ槽からオーバーフローされ蒸気発生槽に持ち込まれることにより、蒸気発生槽のすすぎ剤中に化合物(c)および汚れ成分が蓄積される。
【0014】
洗浄工程の後すすぎ工程を経ずに蒸気洗浄工程を行う場合、被洗物に付着した洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分を、凝縮により発生したした液状の清浄な化合物(b)単体または組成物(d)に置き換える。置き換えられた洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分は、蒸気発生槽に集められ、槽内のすすぎ剤中に蓄積される。
本発明の分離方法として、前記の洗浄工程に使用した、汚れ成分が混入した洗浄剤組成物(a)から、汚れ成分を分離する場合は、該洗浄剤組成物(a)を静置させることが必要である。非塩素系フッ素化合物の持つ高比重、低相溶性の特性により、静置させることにより液中での対流または各成分の拡散が起こりにくくなることや、液面から洗浄剤成分の一部が選択的に蒸発することによって、混入した汚れ成分を含む洗浄剤組成物(a)が分離を生じる。この分離した上層に汚れ成分が濃縮されることにより、洗浄剤組成物(a)に混入した汚れ成分を洗浄槽外に除去することが可能になる。この現象は、高相溶性のCFC113やHCFC225等の塩素系化合物を、含有する洗浄剤には見られず、低相溶性の非塩素系フッ素化合物を含有する洗浄剤特有に起こりうる。
【0015】
ここでいう「静置」とは、原則として容器に入れた洗浄剤組成物(a)中に対流がない状態をいうが、たとえば30rpm程度の攪拌等は、ここでいう静置に属するものとする。
また、すすぎ剤に混入した、洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分を分離する方法においても、該すすぎ剤を静置した時に、液温度に関わらず液面から、洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分が混入したすすぎ剤成分の一部が選択的に蒸発し、また液中での対流または各成分の拡散が起こりにくくなることより、該すすぎ剤に相分離が生じる。この分離した上層に化合物(c)および汚れ成分が濃縮されることにより、すすぎ剤に混入した化合物(c)および汚れ成分についても、すすぎ槽および/または蒸気発生槽外に除去することが可能になる。
【0016】
分離を行う際の液温度としては、任意の温度で行って良いが、加熱した場合、汚れ成分が混入した洗浄剤組成物(a)、または洗浄剤成分と洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分が混入したすすぎ剤成分の蒸発を促進し、分離が加速されるので好ましい。加熱温度としては特に制限は設けないが、好ましくは化合物(b)として挙げた非塩素系フッ素化合物の沸点以下である。加熱方法としては、ある一定の温度で連続的に加熱したり、または断続的に加熱するなど、任意の方法で行ってよい。
【0017】
また、汚れ成分が混入した洗浄剤組成物(a)、または洗浄剤成分と洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分が混入したすすぎ剤の蒸気が拡散できる状態は、蒸発を促進し、分離が加速されるので好ましい。例えば、汚れ成分が混入した洗浄剤組成物(a)、または洗浄剤成分と洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分が混入したすすぎ剤を入れた容器上部の全面または一部が開放されているような状態や、また容器が密閉されていても容器内の空間容積が液体積に比べ2倍以上あるような状態が挙げられる。
【0018】
本発明の分離方法に使用する分離装置としては、洗浄工程、すすぎ工程、蒸気洗浄工程の各工程を実施しながら分離を行う場合は、「静置」を維持できる条件の範囲内で、ポンプによる送液など任意の方法で、洗浄、すすぎ、および蒸気発生各槽のうち少なくとも一つの槽から送液し、分離を行なった後、汚れ成分が除去された液を、所定の槽へ戻す、一基または二基以上の分離槽の設置が挙げられる。ポンプの流量は「静置」を維持できる条件の範囲内で任意の流量に設定できる。ここで分離槽は、洗浄槽から送液される洗浄剤に混入した汚れ成分を分離する分離槽と、すすぎ槽および/または蒸気発生槽から送液されるすすぎ剤に混入した洗浄剤成分と洗浄剤中に溶解/およびまたは分散した汚れ成分を分離する分離槽とに区別して別個に設置するのが好ましい。また、各槽から送液された液の分離槽への注入口は、分離槽内の液面より下部にあることが好ましい。この分離槽で静置することによって、洗浄剤中に混入した汚れ成分や、すすぎ剤中に混入した洗浄剤成分と洗浄剤中に溶解/およびまたは分散した汚れ成分を上層に分離することができる。下層の清浄な洗浄剤またはすすぎ剤を、ポンプによる送液や、分離した汚れ成分等が各槽への送液部に持ち込まれない様に仕切り板を設けたうえでオーバーフローにより送液する等の方法で分離槽から各槽へ送液することができる。分離槽においては、分離槽に送液される時に生じる分離槽中の対流の影響緩和、混入した汚れ成分等の分離の促進、各槽へ送液する送液部への分離した汚れ成分等の持ち込み防止を目的とした仕切り板を設置しても良い。この循環を行うことにより洗浄槽、すすぎ槽、蒸気発生槽各槽での清浄度が維持できる。
【0019】
また、洗浄工程、すすぎ工程、蒸気発生工程の各工程を実施しない時間を確保できるのであれば、分離槽はもちろん、洗浄槽、すすぎ槽、蒸気発生槽いずれの槽においても、静置することにより分離は可能である。各槽で静置して分離する際、液温度としては分離を促進させるための、加熱を行うヒーター等の加熱装置を設置しても良い。また各槽において、界面を検出するフロートおよび電動バルブを設置することにより、分離した汚れ成分、または洗浄剤成分と洗浄剤中に溶解/およびまたは分散した汚れ成分を、自動的に系外に排出することもできる。
【0020】
本発明の分離方法を実施する装置としては、具体的な分離装置の事例として、図1に示した洗浄及び分離装置を挙げることができる。
以下に本発明の洗浄及び分離装置を添付図面によって具体的に説明するが、本発明に係る洗浄および分離装置の態様はこの例に限定されるものではない。
図1に示す洗浄および分離装置は、主な構造として洗浄剤組成物を入れる洗浄槽1、すすぎ剤を入れるすすぎ槽2及び蒸気発生槽3、すすぎ剤の蒸気に満たされる蒸気ゾーン4、蒸発したすすぎ剤を冷却管9によって凝縮し、凝縮した液と冷却管に付着した水とを静置分離するための水分離器5、蒸気発生槽に混入した化合物(c)および汚れ成分を分離する分離槽19からなる。
【0021】
まず、添付図面により洗浄装置について説明する。実際の洗浄においては被洗物を専用の治具やカゴ等に入れて、洗浄装置内を洗浄槽1、浸漬すすぎ槽2、蒸気ゾーン4の順に通過させながら洗浄を完了させる。
洗浄槽1では、洗浄剤組成物(a)をヒーター7で加熱昇温し、一定温度にコントロールしながら被洗物に付着した汚れ成分を超音波振動子8により発生させたキャビテーションで洗浄除去する。この時、物理的な力としては超音波以外に揺動や洗浄剤の液中噴流等のこれまでの洗浄機に採用されているいかなる方法を使用しても良い。本洗浄装置においては洗浄槽1からすすぎ槽2に移動する時、洗浄剤成分が被洗物表面に付着していることにより、被洗物表面での乾燥による汚れ成分の固着を防止しつつ、すすぎ槽2へ移動することが可能となる。
【0022】
すすぎ槽2では、被洗物に付着している洗浄剤成分および、洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分をすすぎ剤ですすぐ。すすぎ剤は、すすぎ槽2からオーバーフロー配管11、16、12を通って蒸気発生槽3に入り、蒸気発生槽3のヒーター6で加熱沸騰され、蒸気となって矢印13のように蒸気ゾーンを満たした後、冷却管9で凝縮された後、配管14から水分離器5に集まり水と分離された上で、配管15を通ってすすぎ槽2に戻る。
【0023】
このすすぎ剤を洗浄装置内で液体や気体に状態変化させながら循環させ、且つ、すすぎ槽2から蒸気発生槽3に液をオーバーフローさせることにより、蒸気ゾーン4における蒸気洗浄のみならず、すすぎ槽2に持ち込まれた、洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分を連続的に蒸気発生槽3に蓄積し、すすぎ槽2の清浄度を維持することが可能となる。
蒸気発生槽3で発生した蒸気に満たされた蒸気ゾーン4で行う蒸気洗浄は、被洗物表面で凝縮する液中に汚れ成分が全く含まれないので、洗浄工程最後の仕上げ洗浄として有効である。さらに、洗浄効果を高めるためには、すすぎ槽2の冷却管10ですすぎ剤の温度を低温に保ち、浸漬する被洗物温度を低く抑制することによって、蒸気温度との温度差を広げ凝縮量を増やすことが効果的である。
【0024】
本発明の洗浄装置では、洗浄剤組成物(a)と、すすぎ剤の2種類の液を使用するために独立した浸漬槽構造となっているが、各槽上部の空間を蒸気ゾーンとして共通に使用することにより、洗浄剤からの(b)非塩素系フッ素化合物の蒸発ロスを抑制し、結果として洗浄剤の組成変動を減少し、長期連続使用することが可能となる。
次に、洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散した汚れ成分が混入したすすぎ剤の分離装置について、図1で説明する。洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散した汚れ成分が混入した、蒸気発生槽中のすすぎ剤を、ポンプ17により配管18を通って、分離槽19に送液する。ここで、分離槽19は、静置されることが必要である。また、図1では、洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分が混入したすすぎ剤成分の蒸発を促進し、分離を加速するために、分離槽19の上面を開放し、さらにヒーター20により加熱している。
【0025】
図1では、上部が開放されている仕切り板21を設けることにより、ポンプ17を利用した送液時に生じる対流の影響を緩和し、また分離槽19内に送液された、洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散した汚れ成分が混入したすすぎ剤が、分離槽19内液の上部を通過することより、混入した洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散した汚れ成分の分離が促進される。また、図1は、配管18を通った、洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散した汚れ成分を混入したすすぎ剤の注入口側から、仕切り板21より離れた側に、下部を開放した仕切り板22を設置している。この仕切り板22により隔てられた、送液配管25側に、清浄なすすぎ剤が持ち込まれ、矢印23の様にオーバーフローされ、送液配管25を通り蒸気発生槽3に戻る。この循環により、蒸気発生槽3内のすすぎ剤の清浄度が維持できる。
【0026】
図1では、界面を検出するフロート24を設けることにより、分離槽上部に分離した化合物(C)および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散した汚れ成分は、一定量蓄積されると、系外に廃棄される。
図1では洗浄を実施しつつ、蒸気発生槽に混入した、洗浄剤成分および洗浄剤中に溶解/およびまたは分散している汚れ成分を分離する連続運転が可能である。
【0027】
次に各化合物について説明する。
上述の(b)非塩素系フッ素化合物とは、炭化水素類やエーテル類の水素原子の一部がフッ素原子のみで置換され、塩素原子を含まないフッ素化合物であり、例えば、下記一般式(1)で特定される環状HFC、(2)で特定される鎖状HFC、又は(3)で特定されるHFEの、塩素原子を含まない、炭素原子、水素原子、酸素原子、フッ素原子からなる化合物、及びこれらの中から選ばれる2種以上の化合物の組み合わせ等を挙げられる。
【0028】
CnH2n-mFm (1)
(式中、4≦n≦6、5≦m≦2n−1の整数を示す)
CxH2x+2-yFy (2)
(式中、4≦x≦6、6≦y≦2x+1の整数を示す)
CsF2s+1OR (3)
(式中、4≦s≦6、Rは炭素数1〜3のアルキル基)
環状HFCの具体例としては3H,4H,4H−パーフルオロシクロブタン、4H,5H,5H−パーフルオロシクロペンタン、5H,6H,6H−ノナフルオロシクロヘキサン等を挙げることができる。
【0029】
鎖状のHFCの具体例としては1H,2H,3H,4H−パーフルオロブタン、1H,2H−パーフルオロブタン、1H,3H−パーフルオロブタン、2H,3H−パーフルオロブタン、4H,4H−パーフルオロブタン、1H,1H,3H−パーフルオロブタン、1H,1H,4H−パーフルオロブタン、1H,2H,3H−パーフルオロブタン、1H,2H−パーフルオロペンタン、1H,4H−パーフルオロペンタン、2H,3H−パーフルオロペンタン、2H,4H−パーフルオロペンタン、2H,5H−パーフルオロペンタン、1H,2H,3H−パーフルオロペンタン、1H,3H,5H−パーフルオロペンタン、1H,5H,5H−パーフルオロペンタン、2H,2H,4H−パーフルオロペンタン、1H,2H,4H,5H−パーフルオロペンタン、1H,4H,5H,5H,5H−パーフルオロペンタン、1H,2H−パーフルオロヘキサン、2H,3H−パーフルオロヘキサン、2H,4H−パーフルオロヘキサン、2H,5H−パーフルオロヘキサン、3H,4H−パーフルオロヘキサン等を挙げることができる。
【0030】
HFEの具体例としてはメチルパーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロペンチルエーテル、メチルパーフルオロシクロヘキシルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、エチルパーフルオロペンチルエーテル等を挙げることができる。
【0031】
本発明で使用する洗浄剤は、これら(b)非塩素系フッ素化合物の中から選ばれる1種又は2種以上の化合物を組み合わせて用いることができるが、好ましくは、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類等の高極性溶剤に対する溶解性が高く地球温暖化係数の低い環状HFCまたはHFEを挙げることができる。より好ましくは、4H,5H,5H−パーフルオロシクロペンタン、メチルパーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、またはこれらの混合物を挙げることができる。さらに好ましくはメチルパーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロイソブチルエーテルまたはこれらの混合物(商品名:HFE7100、住友スリーエム(株)製)、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテルまたはこれらの混合物(商品名:HFE7200、住友スリーエム(株)製)を挙げることができる。さらにいっそう好ましくはメチルパーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロイソブチルエーテルまたはこれらの混合物(商品名:HFE7100、住友スリーエム(株)製)が挙げることができる。
【0032】
本発明で使用する洗浄剤においては、広範な種類の汚れに対する洗浄力の向上を目的に(c)有機化合物を含有する必要がある。本発明で使用する洗浄剤組成物(a)は、上記化合物(b)、(c)を含有する組成物である。洗浄剤組成物(a)は、化合物(b)と化合物(c)を含有する均一溶液を、一成分とすることが好ましい。また、洗浄剤組成物(a)は、洗浄機等の設備を防爆構造にする必要のない、引火点のない組成物であることが好ましい。ここでいう、「引火点のない」とは、JIS K 2265等の一般的な引火点評価試験により、洗浄剤に引火点なしと認められることを意味する。
【0033】
(c)有機化合物としては、例えばグリコールエーテル類、グリコールエーテルアセテート類、ヒドロキシカルボン酸エステル類等が挙げられる。またこれら有機化合物を一種または二種以上併用することができる。
ここでいうグリコールエーテル類とは、2個の水酸基が2個の相異なる炭素原子に結合している脂肪族あるいは脂環式化合物において、該2個の水酸基の水素がいずれかまたはいずれも炭化水素残基またはエーテル結合を含む炭化水素残基に置換されている化合物である。例えば、下記一般式(4)で特定されるグリコールエーテル類を挙げることができる。
【0034】
【化1】
【0035】
(式中R1は炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、またはシクロアルキル基、R2、R3、R4は水素またはメチル基 、R5は水素または炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、またはシクロアルキル基、aは0〜1の整数を表す。bは1〜4の整数を表す。)
【0036】
グリコールエーテル類の具体例としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−i−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−i−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール等を挙げることができる。
【0037】
本発明の洗浄剤に使用するグリコールエーテルアセテート類とは、グリコールエーテルモノアルキルエーテル類をアセテート化した化合物である。ここでいう、グリコールエーテルモノアルキルエーテル類とは2個の水酸基が2個の相異なる炭素原子に結合している脂肪族あるいは脂環式化合物において、その2個の水酸基のうちいずれか1個の水酸基の水素が炭化水素残基またはエーテル結合を含む炭化水素残基に置換されている化合物である。例えば、下記一般式(5)で特定されるグリコールエーテルアセテート類を挙げることができる。
【0038】
【化2】
【0039】
(式中R6は炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基、またはシクロアルキル基、R7、R8、R9は水素またはメチル基、cは0〜1の整数、dは1〜4の整数を表す。)
【0040】
グリコールエーテルアセテート類の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコール等に対応するモノアルキルエーテルのアセテート、3−メトキシ−1−ブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート等を挙げることができる。
【0041】
また、本発明の洗浄剤に使用するヒドロキシカルボン酸エステル類とは水酸基を有するエステル化合物であり、例えば、乳酸エステル、リンゴ酸エステル、酒石酸エステル、クエン酸エステル、グリコールモノエステル、グリセリンモノエステル、グリセリンジエステル、リシノール酸エステルおよびヒマシ油等を挙げることができる。特に好ましいヒドロキシカルボン酸エステル類としては下記一般式(6)で特定される乳酸エステル類を挙げることができる。
【0042】
【化3】
【0043】
(式中、R10は炭素数1〜6のアルキル基、アルケニル基又はシクロアルキル基を示す。)
【0044】
乳酸エステル類の具体例としては乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルおよび乳酸ペンチル等を挙げることができる。
ここで(c)有機化合物の蒸気圧は特に制限はないが、好ましくは洗浄剤組成物(a)が引火点を有さない範囲であり、より好ましくは20℃における蒸気圧が、1.013×103Pa未満であり、さらに好ましくは6.66×102Pa以下であり、さらにいっそう好ましくは1.013×102Pa以下である。
【0045】
また、化合物(c)が化合物(b)との比重差が大きい時に、化合物(c)よりも概して比重が重く、かつ揮発性のある化合物(b)が上層に拡散しづらくなることより、分離が加速される。化合物(b)と化合物(c)の比重差が25℃において、0.3以上ある時に良好な分離性が実現できる。より良好な分離性を実現するには、化合物(b)と化合物(c)の比重差が25℃において、0.5以上であることが好ましい。
【0046】
また、すすぎ剤のすすぎ性向上を目的に、化合物(b)単体の代わりに、組成物(d)とする化合物(b)と化合物(e)1.013×105Paにおける沸点が20℃〜100℃の有機化合物を含有する組成物をすすぎ剤として用いても良い。また、組成物(d)は、洗浄機等の設備を防爆構造にする必要のない、引火点のない組成物であることが好ましい。
ここで化合物(e)は、化合物(b)および(c)とは異なる化合物である。
【0047】
化合物(e)としては、例えば、以下に示す溶剤の種類ごとに例示することができる。
炭化水素類としては、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、2−メチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,4−ジメチルペンタン、イソオクタン等が挙げられる。
【0048】
アルコール類としてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等を挙げることができる。
ケトン類としてはアセトン,メチルエチルケトンを挙げることができる。
エステル類としてはギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等を挙げることができる。
【0049】
化合物(e)は、1.013×105Paにおける沸点が20℃〜100℃の有機化合物から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせることができる。
化合物(e)は、1.013×105Paにおける沸点が20℃〜100℃であり、かつ、使用中の組成変動を少なくするために併用する(b)非塩素系フッ素化合物の沸点の±40℃の範囲に入ることが好ましく、さらに好ましくは±30℃である。
【0050】
また、化合物(e)は、併用する(b)非塩素系フッ素化合物と共沸組成物あるいはそれに近似する組成の共沸様組成物であることが好ましい。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。なお、各洗浄方法による性能を以下のようにして測定、評価した。
(1)分離性評価試験
以下に述べる手法により、蒸気発生槽液の分離性評価試験を行った。
ガラスエポキシ製プリント基板(70×48cm)をフラックスに片面浸漬し風乾した後、250℃でハンダ付けして作成したものを試験片とした。この試験片5枚をカゴにいれ、図1の装置および、所定の組成の洗浄剤、すすぎ剤を用いて、超音波洗浄→すすぎ→蒸気洗浄の工程で洗浄を行った。各槽の容量は、洗浄槽が8.0L、すすぎ槽が9.5L、蒸気発生槽が6.5Lである。温度は洗浄槽を40℃、すすぎ槽温度を常温に設定し、各工程3分で洗浄を行った。これを1サイクルとし、計125サイクル(試験片125 × 5枚)洗浄を行った。
【0052】
この後、蒸気発生槽液を採取し、ガスクロマトグラフィーにて化合物(c)およびフラックスの残留を測定した。
以下の基準の基づいて、分離性を評価した。
○:化合物(c)含有量5wt%以下およびフラックス残留量1wt%以下
×:化合物(c)含有量5wt%以上またはフラックス残留量1wt%以上
【0053】
【実施例】
洗浄剤組成物(a)として(b)メチルパーフルオロブチルエーテルとメチルパーフルオロイソブチルエーテルの混合物(商品名、HFE7100、住友スリーエム(株)製)50wt%(c)ジプロピレングリコールジメチルエーテル20wt%および3−メチル−3−メトキシブタノール30wt%を含有させた物を作成した。またすすぎ剤としてはHFE7100を使用した。これらの組成物を用い、図1のポンプ17を稼働させ、分離槽に蒸気発生槽液を送液しながら分離性評価試験を行った。また、ヒーター20を使用し分離槽は50℃に設定した。この結果下表に示す通り、蒸気発生槽液は化合物(c)および汚れ成分が少なく清浄であることが確認された。
【0054】
【比較例】
洗浄剤組成物、すすぎ剤は実施例と同じ物を使用した。これらの組成物を用い、図1のポンプ17は稼働させず分離槽を使用しないで分離性評価試験を行った。この結果下表に示す通り、蒸気発生槽液は化合物(c)および汚れ成分の混入が確認された。
【0055】
【表1】
【0056】
【発明の効果】
本発明は、洗浄剤およびすすぎ剤に混入した汚れ成分や、すすぎ剤に混入した洗浄剤成分を分離することにより、洗浄剤およびすすぎ剤を再利用し、洗浄工程におけるランニングコストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分離方法を実施するための装置の一例である。
【符号の説明】
1 洗浄槽
2 すすぎ槽
3 蒸気発生槽
4 蒸気ゾーン
5 水分離器
6 ヒーター
7 ヒーター
8 超音波振動子
9 冷却管
10冷却管
11オーバーフロー配管
12オーバーフロー配管
13蒸気の流れ
14凝縮用液配管
15水分離後の凝縮液用配管
16オーバーフロー液用配管
17ポンプ
18蒸気発生槽液送液用配管
19分離槽
20ヒーター
21仕切り板
22仕切り板
23すすぎ剤の液の流れ
24フロート
25清浄すすぎ剤送液用配管
Claims (7)
- 洗浄剤組成物(a)が、(b)メチルパーフルオロブチルエーテル、メチルパーフルオロイソブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテルのいずれか一種以上と、(c)下記一般式(4)で示される化合物とを含有し、
上記洗浄剤組成物(a)で被洗物を洗浄した後、上記(b)を含有するすすぎ剤で、すすぐ、及び/又は、蒸気洗浄を行う洗浄方法において、
(c)及び汚れ成分が混入したすすぎ剤を分離槽へ送液し、静置して、(c)及び汚れ成分を比重差によりすすぎ剤から分離し、(c)及び汚れ成分が除去されたすすぎ剤を、蒸気発生槽又はすすぎ槽に戻すことを特徴とする洗浄方法。 - 前記分離槽において、静置後上層に分離された(c)及び汚れ成分を、除去することを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
- 前記分離槽において、加熱することを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄方法。
- 洗浄槽、すすぎ槽、蒸気発生槽、蒸気ゾーンを有し、被洗物を、洗浄槽、すすぎ槽、蒸気発生槽で発生した蒸気で満たされた蒸気ゾーンの順に通過させて洗浄を行う洗浄装置において、
さらに分離槽を有し、分離槽が注入口を有し、該注入口が、ポンプを経由して、蒸気発生槽液送液用配管で蒸気発生槽に接続されるとともに、分離槽と蒸気発生槽とが清浄すすぎ剤送液用配管で接続され、該清浄すすぎ剤送液用配管が、分離槽においてオーバーフローした清浄なすすぎ剤を蒸気発生槽へ送液するように設置され、
さらに、上記分離槽において、送液による対流を緩和するように、注入口側に設置された仕切り板を有していることを特徴とする請求項1の洗浄方法で使用する洗浄装置。 - 前記分離槽は、その上面が開放されていることを特徴とする請求項4に記載の洗浄装置。
- 前記分離槽が加熱装置を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の洗浄装置。
- 前記分離槽が界面を検出するフロート及び電動バルブを有することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の洗浄装置。
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