JPH1071373A - 洗浄方法 - Google Patents

洗浄方法

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JPH1071373A
JPH1071373A JP24858296A JP24858296A JPH1071373A JP H1071373 A JPH1071373 A JP H1071373A JP 24858296 A JP24858296 A JP 24858296A JP 24858296 A JP24858296 A JP 24858296A JP H1071373 A JPH1071373 A JP H1071373A
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rinse
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俊郎 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被洗浄物をシリコーン系洗浄剤を主成分とす
る洗浄溶剤と接触させ、次いで、ハイドロフルオロカー
ボンを主成分とするリンス洗浄浴に浸漬してリンス洗浄
することからなる洗浄方法において、被洗浄物をリンス
洗浄浴に浸漬し、引上げる時にシリコーン系洗浄剤が再
付着することを防止し、リンス洗浄効果を高める。 【解決手段】 高純度ハイドロフルオロカーボンをリン
ス洗浄浴へ供給して、リンス洗浄浴が相分離を起こさな
いように均一に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密機械工業、光
学機械工業、電子工業、プラスチック工業などにおい
て、オイル類、油脂類、グリース、フラックス、手垢な
どが付着した金属、ガラス、プラスチックなどの部品、
半製品、製品などの洗浄に有用な洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オゾン層を保護する目的で、フロン11
3、トリクロロエタンなどの塩素を含む汎用溶媒の生産
および使用が世界的に禁止されたため、その代替洗浄方
法の研究開発が盛んになされている。例えば、水や水溶
性の溶媒を水とともに用いて洗浄を行う方法や、炭化水
素あるいは規制外の塩素系やフッ素系の溶媒を用いる方
法などが開発されている。
【0003】それらのなかには、洗浄溶剤として洗浄作
用を有する炭化水素類と、リンス洗浄溶剤として低沸点
・不燃性で乾燥性の良いパーフルオロカーボン(PF
C)やハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、
ハイドロフルオロカーボン(HFC)などのフッ素化溶
媒とを用いるコ・ソルベントシステムが種々提案されて
いる。
【0004】例えば、WO 95/05448号公報に
は、炭化水素類、高級アルコール類、エーテル類および
有機シリコーン類から選ばれる有機溶剤で洗浄し、次い
でリンス洗浄溶剤としてC4〜C5の環状HFCを用い
リンス洗浄する方法が開示されている。しかしながら、
同号公報には、リンス洗浄層を均一になるよう管理する
との思想は示されておらず、また、洗浄溶剤として有機
シリコーン類から選ばれる有機溶剤を用いる具体例は全
く記載されていない。
【0005】また、工業洗浄技術ハンドブック、P19
4(1994年(株)リアライズ社発行)には、シリコ
ーン洗浄溶剤で洗浄し、次いでパーフルオロカーボン
(PFC)でリンス洗浄する方法が記載されている。し
かしながら、この方法においては、リンス洗浄浴が、P
FCリンス洗浄剤とシリコーン洗浄剤とに相分離し易
く、相分離が起ると、被洗浄物品をリンス洗浄浴から引
き上げるときにシリコーン洗浄剤が被洗浄物品に再付着
するという欠点がある。リンス洗浄浴の温度を高温度に
保持するとリンス洗浄浴の相分離を回避できるが、多く
の被洗浄物は高温でリンス洗浄するには不適当である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
事情に鑑み鋭意検討を行った結果、(1)リンス洗浄浴
に高純度ハイドロフルオロカーボンを供給して、リンス
洗浄浴内におけるシリコーン系洗浄剤濃度の上昇を抑
え、リンス洗浄浴が相分離を起さないよう均一に維持す
ることにより被洗浄物をリンス洗浄浴から引き上げる時
にシリコーン洗浄剤が再付着することを防止できるこ
と、(2)HFCとして特に環状HFCを用いることに
より、および/または(3)リンス洗浄浴中のシリコー
ン系洗浄剤の濃度を検知して同浴中のシリコーン系洗浄
剤濃度を所定範囲に制御し、および/または(4)リン
ス洗浄浴の一部を蒸留することによりHFCを回収し、
回収されたHFCをリンス洗浄浴へ循環使用することに
より、リンス洗浄浴を均一に管理しやすくなり、リンス
洗浄効率が大巾に向上することを見いだし、本発明を完
成するに至った。
【0007】従って、本発明の目的は、被洗浄物品をリ
ンス洗浄浴に浸漬し、引上げる時にシリコーン系洗浄剤
が再付着することを防止し、リンス洗浄効果の高い洗浄
方法を提供することにある。さらに、他の目的は、常温
ないし常温に近い温度でもリンス洗浄浴を容易に均一に
保持することができる洗浄方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、被洗浄物をシリコーン系洗浄剤を主成分とする洗浄
溶剤と接触させ、次いでシリコーン系洗浄剤が付着した
被洗浄物をハイドロフルオロカーボンを主成分とするリ
ンス洗浄浴に浸漬してリンス洗浄することからなる洗浄
方法において、高純度ハイドロフルオロカーボンをリン
ス洗浄浴へ供給して、リンス洗浄浴が相分離を起さない
よう均一に保持することを特徴とする被洗浄物の洗浄方
法が提供される。
【0009】好ましい態様においては、リンス洗浄浴中
のシリコーン系洗浄剤の濃度を検知する手段を設けて、
リンス洗浄浴が均一状態に保持されるようにリンス洗浄
浴中のシリコーン洗浄剤濃度を制御する方法が採られ、
また、別の好ましい態様においては、リンス洗浄浴の一
部を取り出し、蒸留によってハイドロフルオロカーボン
を回収し、回収された高純度ハイドロフルオロカーボン
をリンス洗浄浴への供給用として使用する。
【0010】
【発明の実施の形態】被洗浄物 本発明の洗浄方法は、汚染物質が付着した物品(被洗浄
物)を清浄化させるのに広く用いられる。
【0011】被洗浄物としては、格別な限定はなく、例
えば、精密機械工業、金属加工工業、光学機械工業、電
子工業、プラスチック工業などにおける金属、セラミッ
クス、ガラス、プラスチック、エラストマーなどの部
品、半製品および完製品などが被洗浄処理対象に用いら
れる。具体的には、バンパー、ギアー、ミッション部
品、ラジエーター部品などの自動車部品、プリント基
板、リードフレーム、モーター部品、コンデンサーなど
の電子・電気部品、ベアリング、ギア、時計部品、カメ
ラ部品などの精密機械部品、印刷機械、印刷ロール、圧
延製品、建設機械、大型重機部品などの大型機械部品、
食器類などの生活製品など、多種多彩の例をあげること
ができる。
【0012】汚染物質の種類としては、例えば、切削
油、焼き入れ油、圧延油、潤滑油、機械油、プレス加工
油、打ち抜き油、引き抜き油、組立油、線引き油などの
オイル類、グリース類、ワックス類、接着剤、油脂類、
成型時の離型剤、手垢、ハンダ付け後のフラックス、レ
ジスト、ソルダーペーストなどの様々なものがあげられ
る。
【0013】(1)洗浄工程 本発明の洗浄方法においては、先ず第1の工程として、
被洗浄物をシリコーン系洗浄剤を主成分とする洗浄溶剤
で洗浄する。
【0014】洗浄剤として用いられるシリコーン系洗浄
剤としては、下記一般式(1)および(2)
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】(式中、Rは同一または相異なる置換また
は非置換の1価の有機基、nは0〜3の整数、mは3〜
5の整数を示す)で表わされる直鎖および環状のポリジ
オルガノシロキサンから選ばれた少なくとも一種の低分
子量ポリオルガノシロキサンから実質的になるものが用
いられる。
【0018】式中のRとしては、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、フェ
ニル基のようなアリール基、トリフルオロメチル基、ペ
ンタフルオロエチル基のような置換アルキル基、メトキ
シ基、エトキシ基のような低級アルコキシ基、メトキシ
カルボニル基、エトキシカルボニル基、アセチル基のよ
うなカルボニル含有基、アミド基などがあげられるが、
化合物の安定性の観点からメチル基、エチル基、メトキ
シ基、エトキシ基が好ましく、メチル基が最も好まし
い。
【0019】式中のn、mの数に関しては、シリコーン
骨格を形成し、環状ポリジオルガノシロキサンにおいて
は環の安定性を得るためにはnは0以上、mは3以上で
あることが好ましく、また、洗浄剤として回収再利用す
るために実用的な範囲で蒸留が可能であることにより、
nは3以下、mは5以下であることが好ましい。
【0020】かかるシリコーン系洗浄剤としては、例え
ば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロ
キサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルシ
クロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキ
サン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどがあげら
れ、この中でも沸点や表面張力などの物性からみて、特
に、オクタメチルシクロテトラシロキサンが好ましい。
これらのシリコーン系洗浄剤には必要により、界面活性
剤や水などを添加することもできる。また、繰り返し使
用する際には蒸留回収品を用いることができ、この際に
は、後述する環状ハイドロフルオロカーボン系のリンス
液が一部混入していても問題ない。
【0021】洗浄方法としては、被洗浄物と上記洗浄溶
剤とを接触させればよく、通常の洗浄方法を採用でき
る。具体的には、例えば、手拭き、浸漬、スプレー、シ
ャワーなどの方法を挙げることができ、特に浸漬方法が
好適に用いられる。浸漬による処理に際しては、超音波
振動、揺動、攪拌、ブラッシングなどの物理的な手段を
併用してもよい。洗浄溶剤の温度は、被洗浄物の性状に
応じて適宜選択されればよいが、通常室温以上沸点まで
の範囲、好ましくは室温以上引火点までの範囲である。
【0022】(2)リンス洗浄工程 本発明においては、上記洗浄工程の後に、シリコーン系
洗浄剤が付着した被洗浄物をリンス洗浄溶剤と接触させ
てリンス洗浄するが、リンス洗浄溶剤の浴が均一である
ことを特徴とする。リンス洗浄浴が均一状態である時に
リンス洗浄効率が格段に改善される。
【0023】すなわち、パーフルオロカーボンや鎖状ハ
イドロフルオロカーボンをリンス洗浄溶剤として用いる
と、これらの溶剤は、特に低温においてシリコーン系洗
浄剤と非相溶性であるため、被洗浄物に随伴して持込ま
れるシリコーン系洗浄剤が、リンス洗浄浴においてリン
ス洗浄溶剤と分離し、比重の軽いシリコーン系洗浄剤が
リンス洗浄浴の表面上層に層分離される。そうすると、
浸漬した被洗浄物を引き上げる時にシリコーン系洗浄剤
が再付着するため、リンス洗浄効率が大幅に下がる原因
となる。
【0024】本発明においては、(1)リンス洗浄槽に
リンス洗浄溶剤の供給手段を設けて、リンス洗浄浴中に
高純度ハイドロフルオロカーボンを供給し、(2)リン
ス洗浄浴におけるシリコーン洗浄剤濃度の上昇を緩和さ
せ、(3)リンス洗浄浴が相分離を起さぬよう均一に維
持することにより上記の欠点を解消している。
【0025】ハイドロフルオロカーボン(HFC)とし
ては、シリコーン系洗浄剤をリンス洗浄する能力のある
高純度のものが使用される。HFCの純度はシリコーン
系洗浄剤が相分離を起さない範囲のものであれば格別限
定されることはなく、シリコーン系洗浄剤およびHFC
の種類、およびリンス洗浄温度などの条件により適宜選
択される。高純度HFCとしては、通常は、その濃度が
80重量%以上、好ましくは90重量%以上、より好ま
しくは95重量%以上、最も好ましくは99重量%以上
のものが用いられる。
【0026】リンス洗浄溶剤としては、通常は、環状H
FCおよび/または鎖状HFCが用いられる。これらの
中でも、環状HFCは、高温のみならず低温においても
シリコーン系洗浄剤に高い溶解度を示すので好適であ
る。パーフルオロカーボンはシリコーン系洗浄剤の溶解
度が小さく、室温付近ではリンス洗浄浴を均一に保持す
るのが困難である。
【0027】環状HFCの中でも、フッ素原子数が水素
原子数より多い環状ハイドロフルオロカーボンが不燃性
ないし難燃性である点で好ましい。また、水素原子数が
1〜5、好ましくは1〜3、より好ましくは2である環
状HFCは、シリコーン系洗浄剤との均一液から蒸留に
より分離し易いので有利である。さらに、炭素数が、4
〜10、好ましくは4〜6、より好ましくは5である環
状HFCは、シリコーン系洗浄剤と容易に均一な液を形
成する点、およびシリコーン系洗浄剤との均一液から蒸
留により分離する際の温度管理のし易さにおいて有利で
ある。
【0028】環状HFCの具体例としては、1,1,
2,2−テトラフルオロシクロブタン、1,2,2,
3,3−ペンタフルオロシクロブタン、1,1,2,
2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン、ヘプタフル
オロシクロブタン、1,1,2,2,3−ペンタフルオ
ロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフ
ルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4−
ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,
4,5−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,
3,3,4,5−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,
1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペ
ンタン、1,1,2,2,3,4,4,5−オクタフル
オロシクロペンタン、ノナフルオロシクロペンタン、
1,1,2,2,3,3,4,5−オクタフルオロシク
ロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,6
−デカフルオロシクロヘキサン、テトラデカフルオロデ
カリン、ヘキサデカフルオロデカリンなどが挙げられ
る。これらの中でも、1,2,2,3,3−ペンタフル
オロシクロブタン、1,1,2,2,3,4−ヘキサフ
ルオロシクロブタン、ヘプタフルオロシクロブタン、
1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペ
ンタン、1,1,2,2,3,4,5−ヘプタフルオロ
シクロペンタン、1,1,2,3,3,4,5−ヘプタ
フルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,
4,5−オクタフルオロシクロペンタン、1,1,2,
2,3,4,4,5−オクタフルオロシクロペンタン、
ノナフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,
3,4,4,5,6−デカフルオロシクロヘキサンなど
が好ましく、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフル
オロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4,5−ヘ
プタフルオロシクロペンタン、1,1,2,3,3,
4,5−ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,
2,3,3,4,5−オクタフルオロシクロペンタン、
1,1,2,2,3,4,4,5−オクタフルオロシク
ロペンタン、ノナフルオロシクロペンタンなどが特に好
ましい。これらの環状HFCは、それぞれ単独で、また
は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】本発明に使用するリンス洗浄溶剤として
は、1種または2種以上の上記HFC、好ましくは環状
HFCのみが用いられるか、または1種または2種以上
の上記HFC、好ましくは環状HFCとその他の有機溶
剤とが組み合せられて用いられる。その他の有機溶剤と
しては、通常のリンス洗浄溶媒として用いられているも
のを用いることができ、例えば、ヘキサン、オクタン、
イソオクタンなどの直鎖飽和炭化水素類;シクロペンタ
ン、シクロヘキサンなどの環状飽和炭化水素類;トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルアルコー
ル、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコールなどの低級アルコール類、アセトン、メ
チルエチルケトンなどのケトン類;ジメチルエーテル、
ジエチルエーテルなどのエーテル類;酢酸ビニルなどの
エステル類;1,1,1,2,2,3,4,5,5,5
−デカフルオロペンタンなどの鎖状ハイドロフルオロカ
ーボン類;およびパーフルオロ−n−ヘキサン、パーフ
ルオロ−n−ヘプタンなどのパーフルオロカーボン類な
どを挙げることができる。これらのその他の有機溶剤
は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用
いることができ、その使用量は、本発明の効果が損なわ
れない範囲で適宜選択されればよく、通常リンス洗浄溶
剤全量の40重量%以下、好ましくは20重量%以下、
より好ましくは10重量%以下である。
【0030】リンス洗浄方法としては、洗浄後の洗浄溶
剤が付着した被洗浄物を上記リンス洗浄浴に浸漬する方
法が用いられる。浸漬に際しては、超音波振動、揺動、
攪拌、ブラッシングなどの物理的な手段を併用してもよ
い。リンス洗浄浴の温度は、被洗浄物の性状に応じて適
宜選択すればよい。通常、室温以上沸点までの範囲であ
るが、本発明は特に低温での操作性に優れているので、
室温以上で洗浄剤の引火点までの範囲が好適である。
【0031】(3)ハイドロフルオロカーボンの供給 リンス洗浄槽にはリンス洗浄溶剤の供給手段を設けて、
リンス洗浄浴に高純度ハイドロフルオロカーボン(HF
C)を連続的または間欠的に供給しつつ、リンス洗浄浴
が相分離を起さないよう、リンス洗浄浴中におけるシリ
コーン系洗浄剤の濃度を一定値以下に維持して、リンス
洗浄を行う。リンス洗浄溶剤の供給手段としては、格別
な制限はなく、一般に用いられるものが使用できる。
【0032】リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤の濃
度は通常1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、
より好ましくは10〜20重量%に維持するようにハイ
ドロフルオロカーボン供給量を制御する。リンス洗浄浴
全体が均一な液に維持されれば、シリコーン系洗浄剤の
制御濃度を大きく低下せしめる必要はない。制御濃度を
過度に低く維持することは多量の高純度HFCを供給す
ることを意味し、工業的に有利でない。逆に、制御濃度
が過度に高いと、相分離を生じるおそれがあるほかHF
Cの蒸留分離が困難となる。
【0033】供給する高純度ハイドロフルオロカーボン
は、フレッシュなものでもよいが、経済的には、リンス
洗浄浴の一部を取り出し、蒸留することによりハイドロ
フルオロカーボンのみを回収し、回収されたハイドロフ
ルオロカーボンの一部を用いるのが好適である。なお、
回収されたハイドロフルオロカーボンの残部は後述する
蒸気洗浄溶剤として、また、スプレーおよび/またはシ
ャワー洗浄用溶剤として使用することができる。
【0034】また、リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄
剤濃度を検知する手段を設け、該検知手段により連続的
または間欠的にシリコーン系洗浄剤濃度を検知し、リン
ス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤濃度が均一溶解範囲に
保持されるように供給手段からのハイドロフルオロカー
ボンの供給速度と排出速度を制御することが好ましい。
この際、ハイドロフルオロカーボンの供給速度のみを制
御し、その排出はリンス洗浄槽から自由にオーバーフロ
ーさせる方式を採ることもできる。シリコーン系洗浄剤
濃度の検知手段としては、一般のものを用いればよく、
例えば、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフ
ィーなどが用いられる。
【0035】(4)蒸留分離工程 本発明においては、上記(2)工程のリンス洗浄浴の一
部を取り出し、蒸留することによりハイドロフルオロカ
ーボンのみを回収し、上記(3)で述べたようにリンス
洗浄浴に供給し、または後記する(5)の蒸気洗浄用溶
剤や(6)のスプレーおよび/またはシャワー洗浄用溶
剤として使用することができる。
【0036】環状HFCは、高温のみならず室温付近の
低温においても鎖状HFCやPFCとは異なり、シリコ
ーン系洗浄剤と任意の割合で相溶する性質をもってい
る。従って、蒸留操作は、シリコーン系洗浄剤と環状H
FCとの均一溶液より、沸点の相対的に低い環状HFC
を、沸点の高いシリコーン系洗浄剤を釜に残して気化さ
せて分離する操作となる。
【0037】これらの間の沸点の差は選択する化合物ご
とに異なるが、概数で100度程度の差があり、分離は
容易である。しかしながら、より純度の良い環状HFC
を得るためには複数の段塔またはそれ相当の理論段数を
もつ充填塔を備えた精留設備を付設することが有効であ
る。また、このような精留設備は気化して移動するHF
Cにシリコーン系洗浄溶剤がミスト状に同伴することを
防止するうえでも有効である。
【0038】こうして回収された環状HFCはそのまま
熱せられた蒸気の状態で後述する(5)工程の蒸気洗浄
工程に、または凝縮したのち、必要により冷却し、
(2)工程のリンス洗浄溶液や(6)工程のスプレーお
よび/またはシャワー工程に使用することができる。
【0039】(5)蒸気洗浄工程 蒸気洗浄は、常法に従って行うことができる。蒸気洗浄
用溶剤としては、特に限定はなく、一般の蒸気洗浄で使
用される蒸気洗浄用溶剤を格別な限定もなく用いること
ができる。本発明においては、特に、(4)工程で発生
する環状ハイドロフルオロカーボンの蒸気が高純度なた
め、凝縮することなく蒸気のまま蒸気洗浄に用い、さら
に蒸気洗浄後に凝縮して、(2)工程のリンス洗浄溶剤
として循環使用することができる。
【0040】以下には、本発明で使用する洗浄装置の一
例の概略を示した図1に基づいて本発明を説明する。
【0041】油、ワックス、フラックスなどの汚染物質
の付着した被洗浄物は、第1洗浄槽1に入れたシリコー
ン系洗浄剤を主成分とする洗浄溶剤の浴に浸漬され、こ
こで被洗浄物の表面に付着した汚染物質が除去される。
第1洗浄槽1に入れられた洗浄溶剤は、洗浄力の向上の
ため必要に応じて、加熱装置9で加温したり、超音波発
振装置10により超音波をあてることができる。
【0042】次ぎに、第1洗浄槽1で充分な洗浄効果が
得られない場合は、第2洗浄槽2で洗浄することができ
る。第2洗浄槽2においても、第1洗浄槽同様に、必要
に応じて、加温9や超音波洗浄10を加えることができ
る。図1では、洗浄槽が二槽設けられた例を示したが、
槽数に格別な限定はなく、必要に応じて1槽または2槽
以上を組み合わせて用いることができる。
【0043】洗浄が終了し洗浄溶剤(シリコーン系洗浄
剤)が付着した被洗浄物は、次ぎにリンス洗浄槽3に入
れた環状HFCなどのハイドロフルオロカーボンを主成
分とするリンス洗浄溶剤の浴に浸漬される。ここでは、
リンス洗浄力向上のために、必要に応じて、超音波発振
装置10により超音波洗浄を併用したり、また、シャワ
ー洗浄や揺動洗浄などを併用することもできる。
【0044】ここで、被洗浄物表面に付着しているシリ
コーン系洗浄剤は被洗浄物表面から脱離する。脱離した
シリコーン系洗浄剤を含むリンス洗浄浴はリンス液移送
ポンプ14により蒸留塔5へ移送される。
【0045】また、本発明において、リンス洗浄浴の主
成分である環状HFCは室温以上でシリコーン系洗浄剤
と任意の割合で相溶するが、リンス洗浄槽3内に付設さ
れた加熱装置9で加温することによってリンス洗浄効果
をより向上することができる。被洗浄物が熱に不安定な
場合には環状HFCを用いて室温付近の低温でリンス洗
浄を行う。また、リンス洗浄浴中のシリコーン濃度は検
知手段21によって検知され、環状HFCのタンク4か
ら循環ポンプ11または12によりフレッシュな環状H
FCが供給されることにより、リンス洗浄槽3内のリン
ス洗浄浴が相分離を起さぬよう均一状態に維持される。
それにより、シリコーン洗浄剤が過度に濃縮されること
なく均一液によるリンスが維持できるため、シリコーン
系洗浄剤が上層に分離形成されることがなく、被洗浄物
を取り出すときに、上層のシリコーン系洗浄剤が再付着
するという従来方法の最大の欠点を解決できる。使用後
の均一なリンス洗浄溶剤は、上記のようにポンプ14に
より蒸留塔5に移送される。
【0046】蒸留塔5では、沸点差により釜残のシリコ
ーン系洗浄剤成分7とハイドロフルオロカーボン蒸気6
に分離する。ハイドロフルオロカーボンが環状化合物で
ある場合は、環状ハイドロフルオロカーボンとシリコー
ン系洗浄剤との相溶性がよいため、シリコーン系洗浄剤
の濃度が高くなると蒸気中のシリコーン系洗浄剤の量が
増大する。そのため、蒸留塔5を段数をもった精留塔と
することにより、回収されるハイドロフルオロカーボン
蒸気の純度を高め、さらに釜残のシリコーン系洗浄剤へ
のハイドロフルオロカーボンの混入を大幅に低減するこ
とができる。釜残のシリコーン系洗浄剤成分7は蒸留塔
15にて蒸留され、回収されたシリコーン系洗浄剤はシ
リコーン系洗浄剤による洗浄槽へ循環される。
【0047】蒸留回収されたハイドロフルオロカーボン
蒸気6はそのまま配管16を通って蒸気洗浄用の蒸気8
として、または配管17を通って凝縮器19を経て一た
んタンク4に貯留され、次いで循環ポンプ11や12に
よりリンス洗浄槽3に循環される。
【0048】蒸気洗浄は、高度な洗浄度が要求された
り、ハイドロフルオロカーボンの消耗量を低減する場合
に用いられる。この場合、蒸留塔5より回収された環状
ハイドロフルオロカーボン蒸気が配管16を通って洗浄
槽3の上部に移送され、蒸気ゾーン8を形成する。ま
た、リンス洗浄槽3から引き上げられた被洗浄物は、ハ
イドロフルオロカーボンの蒸気ゾーン8中で、蒸気洗浄
される。蒸気洗浄に使用されたハイドロフルオロカーボ
ンは、凝縮されてリンス洗浄浴へ流入し、リンス洗浄に
使用される。
【0049】(6)シャワーおよび/またはスプレー洗
浄工程 被洗浄物が耐熱性に乏しい場合などは(5)の蒸気洗浄
に代えて室温にてシャワーおよび/またはスプレー洗浄
が行われる。シャワーおよび/またはスプレー洗浄は、
HFCを貯留槽4より循環ポンプ12にて配管18を通
って送液し、冷却管13を装備したリンス洗浄槽3の上
部にて、シャワーノズルまたはスプレーノズル20から
被洗浄物に撒布することによって行うことが望ましい。
洗浄液は、上方からのみならず被洗浄物の四方からまん
べんなく吹付けることが望ましい。この洗浄工程は、被
洗浄物が熱に強い場合にも適用でき、この場合は、蒸気
洗浄と組合せて行うこともできる。この工程でシャワー
および/またはスプレー洗浄に用いられたHFC液はリ
ンス洗浄浴に流入してリンス洗浄に再利用される。
【0050】図1は、本発明の洗浄方法の実施に用いる
装置一例を示したもので、個々の洗浄方法、リンス洗浄
方法、蒸留分離方法、蒸気洗浄方法、シャワーおよび/
またはスプレー洗浄方法などの詳細は特に上記の態様に
限定されるものではない。本発明においては、他の一般
的方法を用いることができる。また洗浄やリンスの回数
も必要に応じて、増減することができる。
【0051】
【実施例】本発明を実施例により具体的に説明する。た
だし、本発明は実施例によって範囲を規定されるもので
はない。
【0052】実施例1〜4 図1に示すように、加熱装置9および超音波発振装置1
0を装備した二槽式の洗浄機(洗浄槽1、洗浄槽2)
に、オクタメチルシクロテトラシロキサン(洗浄を繰返
した後では環状ハイドロフルオロカーボンを含んだ蒸留
塔15からの留出液を循環使用した)を仕込んで、洗浄
浴とし、また、加熱装置9および超音波発振装置10を
装備したリンス洗浄槽3に、1,1,2,2,3,3,
4,5−オクタフルオロシクロペンタン(OFCPA)
90重量%と1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフル
オロシクロペンタン(HFCPA)10重量%との均一
混合溶液80重量部とオクタメチルシクロテトラシロキ
サン20重量部を仕込んでリンス洗浄浴とし、さらに、
リンス洗浄槽3内のリンス洗浄浴の一部は蒸留塔5に移
送し、加熱してOFCPAとHFCPAの混合物を気化
させ、冷却管13を装備したリンス洗浄槽3の上部に蒸
気ゾーン8を発生させた。
【0053】ポンプ14によるリンス洗浄浴の吐出量
は、繰返して洗浄を行なう際に、単位時間当りに洗浄槽
2から持ち込まれるシリコーン(重量は被洗浄物毎に別
途測定)の重量の5倍の吐出量とし、蒸留塔5から排出
される蒸気量6はポンプ14の吐出量の80%を上限と
し、蒸気中にシリコーンが検出されない範囲で最大とし
た。
【0054】蒸留塔5の釜液は一定量貯留した毎にシリ
コーン回収蒸留塔15に送液する方法を採った。被洗浄
物は、1,1,1−トリクロロエタンに表1記載の汚染
物質を25重量%溶解し、さらにトレーサーとしてズダ
ン染料を0.1重量%添加したものに表1記載の物品を
浸漬して汚染物質を付着させて調製した。付着量は1,
1,1−トリクロロエタンがほぼ揮発したところで浸漬
前後の重量差から求めた。
【0055】一方、蒸留塔5から排出される回収ハイド
ロフルオロカーボン蒸気6は、配管17へバルブ操作に
より切り換え、凝縮器19により凝縮し、タンク4へ移
送し、貯留した。タンク4の貯留HFC液は、必要によ
りポンプ12を用いノズル20によるシャワーおよび/
またはスプレー洗浄に供した。次いで、手動にて被洗浄
物を洗浄槽1、洗浄槽2、リンス洗浄槽3、蒸気洗浄
(蒸気ゾーン8へ引き上げる)の順に下記の操作を繰返
し、被洗浄物の洗浄試験を行なった。
【0056】(1)洗浄槽1:50℃に維持し、被洗浄
物を浸漬し3分間超音波をかけた。 (2)洗浄槽2:50℃に維持し、被洗浄物を浸漬し1
分間超音波をかけた。 (3)リンス洗浄槽3:50℃に維持し、被洗浄物を浸
漬し1分間超音波をかけた。 (4)蒸気洗浄槽:被洗浄物を蒸気ゾーン8に2分間入
れた。 これらの一連の操作を8分の間隔をおき、20回洗浄を
繰返した。
【0057】洗浄試験後の被洗浄物の評価は、下記方法
に従って行い、それらの20回目の結果を表1に示し
た。 (1)汚染物質の残存量 洗浄した被洗浄物を、精製した1,1,1−トリクロロ
エタンの一定量で処理し、残留している汚染物質と染料
を抽出し、550nmの波長でズダンの赤色を吸光測定
し、検量線から残存量を求めた。残存量を前記測定した
付着量で割って残存率(%)として表示した。
【0058】(2)目視評価 洗浄した被洗浄物を目視観察し、下記基準で評価した。 ○:全くしみが見られなかった。 △:わずかにしみが見られた。 ×:ハッキリとしたしみが見られた。
【0059】(3)リンス浴液の状態 リンス洗浄浴が均一な液状か、または上層にシリコーン
洗浄剤層が生じている(二層分離)を目視観察した。
【0060】
【表1】
【0061】実施例5〜7 上記の蒸気洗浄を行うかわりに、室温でのシャワー洗浄
(シャワーノズル19よりハイドロフルオロカーボンを
シャワーする)による室温での洗浄試験を行った。
【0062】(1)洗浄槽1:30℃とし、被洗浄物を
浸漬し3分間超音波をかけた。 (2)洗浄槽2:30℃とし、被洗浄物を浸漬し1分間
超音波をかけた。 (3)リンス洗浄槽3:50℃とし、被洗浄物を浸漬し
1分間超音波をかけた。 (4)シャワー洗浄:被洗浄物を引き上げシャワーノズ
ル19より30秒間ハイドロフルオロカーボンのシャワ
ーをかけた。 これらの一連の操作を8分の間隔で、20回繰返し、か
つ評価については実施例1〜4と同様に行った。結果を
表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】比較例1 リンス洗浄剤をパーフルオロカーボンであるパーフルオ
ロヘキサン(PFHX;沸点56℃)に代えた他は実施
例5と同様にして洗浄試験を行い、その結果を表3に示
した。
【0065】
【表3】
【0066】表1および表2にみられるとおり、本発明
例(実施例1〜7)は汚染物質の残存量評価および目視
評価のいずれについても良好な結果を示している。表1
に示されるように、蒸気洗浄を仕上げ工程に組み入れる
方法によれば、従来のシリコーン系溶剤とパーフルオロ
カーボンの組合せと比較して、同等より高い効果が確認
できる。さらに、表2に示されるように、室温〜30℃
付近において本発明の環状ハイドロフルオロカーボンと
シリコーン系溶剤とが任意の割合で相溶することによ
り、低温においても良好な洗浄性が証明された。
【0067】従って、ノギスなどのような目盛り精度の
信頼性を重視するもの、メスフラスコなどのような容積
精度の重要なもの、ガラス光学レンズのような光特性上
微妙な膨張収縮を避けるべきものなどを洗浄する際に、
蒸気洗浄のような高温にすることなく、室温付近の洗浄
によって良好な洗浄効果が得られることがわかる。これ
とは対照的に、リンス洗浄溶剤として、パーフルオロカ
ーボンを用いた場合(比較例1)には、低温領域で二層
分離するため、リンス効果が充分でないことがわかる。
【0068】また、上記の結果より、本発明例では繰り
返し洗浄を行なっても充分に高いリンスおよび仕上げ
(蒸気洗浄やスプレー/シャワー洗浄など)洗浄効果を
維持していることがわかる。
【0069】
【発明の効果】本発明に従えば、特に、汚れた物品をシ
リコーン系洗浄剤で洗浄し、次にリンス洗浄浴に浸漬
し、引上げる時にシリコーン系洗浄剤が再付着すること
が防止され、高いリンス洗浄効果が達成される。
【0070】また、シリコーン系洗浄剤による洗浄と、
リンスおよび蒸気洗浄、乾燥用として環状ハイドロフル
オロカーボンなどのハイドロフルオロカーボンを用い
る、いわゆるコ・ソルベントシステムが有利に採用され
る。特に、被洗浄物が高温を嫌う場合には蒸気洗浄のか
わりにシャワーおよび/またはスプレー洗浄を採用し、
浸漬洗浄槽とともに室温〜30℃付近で洗浄操作を行な
う方法が有利に採用される。
【0071】本発明においては、さらに蒸留設備を設
け、ハイドロフルオロカーボンの回収を行うとともに、
その蒸気を沸点温度を保ったまま蒸気洗浄に用いたり、
凝縮・冷却して室温付近でのシャワーやスプレー洗浄に
用いたり、再びリンス洗浄槽に導入することによって完
全なリサイクルシステムを構築できる。これにより安価
でランニングコストも低い洗浄を達成することができ
る。
【0072】(発明の好ましい実施態様)本発明の洗浄
方法、すなわち、被洗浄物をシリコーン系洗浄剤を主成
分とする洗浄溶剤と接触させ、次いでシリコーン系洗浄
剤が付着した被洗浄物をハイドロフルオロカーボンを主
成分とするリンス洗浄浴に浸漬してリンス洗浄すること
からなる洗浄方法において、高純度ハイドロフルオロカ
ーボンをリンス洗浄浴へ供給して、リンス洗浄浴が相分
離を起さないよう均一に保持することを特徴とする被洗
浄物の洗浄方法の好ましい実施態様をまとめると以下の
とおりである。
【0073】1.シリコーン系洗浄剤が下記一般式
(1)および(2)
【0074】
【化3】
【0075】
【化4】
【0076】(式中、Rは同一または相異なる置換また
は非置換の1価の有機基、nは0〜3の整数、mは3〜
5の整数を示す)で表わされる直鎖および環状のポリジ
オルガノシロキサンから選ばれた少なくとも一種の低分
子量ポリオルガノシロキサンから実質的になるものが用
いられる。
【0077】2.ハイドロフルオロカーボンが環状ハイ
ドロフルオロカーボン、より好ましくはフッ素原子数が
水素原子数より多く、炭素原子数が4〜10の環状ハイ
ドロフルオロカーボンである。 3.リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤の濃度が1〜
40重量%、より好ましくは5〜30重量%、さらに好
ましくは10〜20重量%となるように高純度ハイドロ
フルオロカーボンの供給量を制御する。
【0078】4.リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤
の濃度を検知する手段を設けて、リンス洗浄浴が均一状
態に保持されるようにリンス洗浄浴中のシリコーン洗浄
剤濃度を制御する。 5.リンス洗浄浴の一部を取り出し、蒸留によってハイ
ドロフルオロカーボンを回収し、回収された高純度ハイ
ドロフルオロカーボンをリンス洗浄浴への供給用として
使用する。
【0079】6.リンス洗浄された被洗浄物は、さら
に、前項5の回収されたハイドロフルオロカーボンの蒸
気で蒸気洗浄されるか、および/または、前項5の回収
されたハイドロフルオロカーボンでシャワーおよび/ま
たはスプレー洗浄される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄方法で使用する洗浄装置の一例の
概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1 第1洗浄槽 2 第2洗浄槽 3 リンス洗浄槽 4 回収ハイドロフルオロカーボンタンク 5 蒸気塔(ハイドロフルオロカーボン回収用) 6 回収ハイドロフルオロカーボン蒸気 7 回収前シリコーン液 8 蒸気ゾーン 9 加熱装置 10 超音波発振装置 11 ポンプ 12 ポンプ 13 冷却管 14 ポンプ 15 蒸留塔(シリコーン回収用) 16 蒸気洗浄用ハイドロフルオロカーボン蒸気用配管 17 凝縮ハイドロフルオロカーボン液用配管 18 シャワー(またはスプレー)用ハイドロフルオロ
カーボン液 19 凝縮器 20 シャワーノズル(またはスプレーノズル) 21 シリコーン濃度検知手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被洗浄物をシリコーン系洗浄剤を主成分
    とする洗浄溶剤と接触させ、次いでシリコーン系洗浄剤
    が付着した被洗浄物をハイドロフルオロカーボンを主成
    分とするリンス洗浄浴に浸漬してリンス洗浄することか
    らなる洗浄方法において、高純度ハイドロフルオロカー
    ボンをリンス洗浄浴へ供給して、リンス洗浄浴が相分離
    を起さないよう均一に保持することを特徴とする被洗浄
    物の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 リンス洗浄浴中のシリコーン系洗浄剤の
    濃度を検知する手段を設けて、リンス洗浄浴が均一状態
    に保持されるようにリンス洗浄浴中のシリコーン洗浄剤
    濃度を制御する請求項1記載の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 リンス洗浄浴の一部を取り出し、蒸留に
    よってハイドロフルオロカーボンを回収し、回収された
    高純度ハイドロフルオロカーボンをリンス洗浄浴への供
    給用として使用する請求項1または2に記載の洗浄方
    法。
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