JP7117616B2 - 光学ガラス素子の処理方法および光学ガラス素子 - Google Patents

光学ガラス素子の処理方法および光学ガラス素子 Download PDF

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Description

本発明は、光学ガラス素子の処理方法および光学ガラス素子に関する。
ガラスレンズ等の光学素子を製造する工程においては、製造工程で使用する処理剤や異物等によりガラスの表面が汚染されることがある。そのため、光学素子を洗浄してガラス表面に付着した汚染物を除去することが必要となる。
特許文献1には、研磨後のガラスから光学素子を製造する方法であって、研磨後のガラスに対する洗浄工程で用いられる洗浄液、および、洗浄工程後のリンス工程で用いられるリンス液のうち少なくともいずれかは、研磨後のガラスの表面に存在するクラック部が拡大するのを抑制する液である光学素子の製造方法が記載されている。特許文献1に記載の方法において、洗浄液およびリンス液のうち少なくともいずれかは、リン酸塩水溶液等のリン酸塩を含有する液体である。
国際公開第2014/109204号
カメラレンズ等の光学レンズとして、より高品位化のため、色収差の改善を目的として、異常分散特性を有するフツリン酸塩ガラス等を用いることが多くなってきている。しかしながら、フツリン酸塩ガラス等の軟硝材は、洗浄等の処理工程において製品品位上問題となるレベルの傷が発生し易い。光学レンズの表面に傷が存在すると、撮像の品位が低下してしまうという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、製品品位上問題となるレベルの傷を抑制することができる光学ガラス素子の処理方法、および光学性能が良好な高品位の光学ガラス素子を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、水を実質的に含まない非水系の洗浄液およびリンス液を用いることにより、洗浄工程およびリンス工程の両方において、製品品位上問題となるレベルの傷の発生を抑制することができ、光学性能が良好な高品位の光学ガラス素子を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の第1の要旨によれば、光学ガラス素子の処理方法であって、光学ガラス素子を、炭化水素系溶剤を含有する非水系洗浄液で洗浄することと、洗浄後の光学ガラス素子を、フッ素系溶剤を含有する非水系リンス液でリンスすることとを含む、方法が提供される。
本発明の第2の要旨によれば、ガラス材料から光学ガラス素子を製造する方法であって、ガラス材料を、炭化水素系溶剤を含有する非水系洗浄液で洗浄することと、洗浄後のガラス材料を、フッ素系溶剤を含有する非水系リンス液でリンスすることとを含む、方法が提供される。
本発明の第3の要旨によれば、光学ガラス素子であって、光学ガラス素子の表面において、長さ20μm以上の傷が存在しない、光学ガラス素子が提供される。
本発明に係る方法は、上記特徴を有することにより、光学ガラス素子の洗浄等の処理工程において、光学ガラス素子表面の製品品位上不良問題となるレベルの傷を抑制することができる。また、本発明に係る光学ガラス素子は、表面に存在する傷が小さいので、良好な光学性能を実現することができ、高品位を備える。
図1は、例4の方法でリンスしたガラスレンズの表面状態を示す写真である。 図2は、例5の方法でリンスしたガラスレンズの表面状態を示す写真である。 図3は、例6の方法でリンスしたガラスレンズの表面状態を示す写真である。 図4は、例7の方法で処理したガラスレンズの表面状態を示す写真である。 図5は、例7の方法で処理したガラスレンズの表面状態を示す写真である。 図6は、例8の方法で処理したガラスレンズの表面状態を示す写真である。 図7は、例9の方法で処理したガラスレンズの表面状態を示す写真である。
以下、本発明の一の実施形態について詳述するが、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
[光学ガラス素子の処理方法]
本発明の一の実施形態に係る光学ガラス素子の処理方法は、光学ガラス素子を非水系洗浄液で洗浄することと、洗浄後の光学ガラス素子を非水系リンス液でリンスすることとを含む。本実施形態に係る光学ガラス素子の処理方法は、炭化水素系溶剤を含有する非水系洗浄液で光学ガラス素子を洗浄した後に、洗浄後の光学ガラス素子を、フッ素系溶剤を含有する非水系リンス液でリンスする。
フツリン酸塩ガラス等の軟硝材の洗浄工程およびリンス工程において、研磨等で発生したわずかな傷が、製品品位上不良となるレベルの傷に成長してしまうことがある。このように、洗浄工程およびリンス工程において生じる目視できる大きさに成長した傷を「潜傷」という。光学レンズの表面に潜傷が存在すると、フレアやゴーストが発生し、撮像品位が著しく低下してしまうという問題が生じる。
従来、光学ガラス素子の処理方法として、弱アルカリ性の洗浄液で洗浄を行った後、水で洗浄し、次いでイソプロパノール(IPA)で洗浄およびリンスを行う手法が用いられていた。しかし、水性の洗浄液およびリンス液を用いた従来の処理方法では、光学ガラス素子の表面に傷が発生しやすいという問題があった。光学ガラス素子の硝材の中には、化学的耐久性が乏しい硝材が存在する。また、光学ガラス素子の表面には研磨等で発生したわずかな傷(微小クラック)が存在し得る。洗浄液またはリンス液中の水分とガラス成分との反応により、化学的耐久性が乏しい個所や微小クラックが成長し、その結果、光学ガラス素子の表面に目視できる大きさの傷(潜傷)が発生すると考えられる。特に、軟硝材は、洗浄液およびリンス液に含まれるわずかな水分によっても微小クラックが成長しやすく、研磨等で発生したわずかな傷が起点となって潜傷を生じ、洗浄工程およびリンス工程において製品品位上問題となるレベルの傷が発生してしまうことがあった。本実施形態に係る処理方法は、非水系の洗浄液およびリンス液を用いることで、光学ガラス素子の表面に存在し得る微小クラックの成長を抑制することができ、光学ガラス素子表面における製品品位上問題となるレベルの傷を大幅に低減することができる。この効果は、わずかな水分によっても製品品位上問題となるレベルの傷が発生し得る軟硝材で構成される光学ガラス素子を処理するときに特に顕著である。
(光学ガラス素子)
本実施形態に係る方法で処理することができる光学ガラス素子は、ガラス材料で構成される光学素子であれば特に限定されるものではなく、デジタルカメラに用いられる光学ガラスレンズ等、種々の光学ガラス素子の処理が可能である。光学ガラス素子の具体例として、例えば、球面レンズ、非球面レンズ、マイクロレンズ等の各種のレンズ、回折格子、回折格子付のレンズ、レンズアレイ、プリズム、平面光学素子、フィルター基板、色フィルター、青色フィルター、カバーガラス、ウィンドウ等が挙げられる。
光学ガラス素子がレンズである場合、撮像素子の画素ピッチが同じであれば、レンズの直径が小さくなるほど、レンズ表面の傷が画像の品位に及ぼす影響は大きくなる。そのため、傷による影響は、コンパクトデジタルカメラ、スマートフォン、電子顕微鏡等の小型レンズにおいて特に顕著になる傾向にある。また、光学ガラス素子と撮像素子との間の距離が小さいほど、素子表面の傷が画像の品位に及ぼす影響は大きくなる傾向にある。そのため、開口絞りよりも撮像素子に近い位置に配置されるレンズやガラスフィルター等の光学ガラス素子において、傷による影響は特に顕著になり得る。本実施形態に係る処理方法は、素子表面における傷の発生を抑制することができるので、上述したような傷の影響が顕著になり得る光学ガラス素子を処理するのに特に適している。本実施形態に係る方法によって好適に処理することが可能な光学ガラス素子の一例として、直径28mm、ヘリウムのd線(587.56nm)に対するアッベ数νが68以上、好ましくは80以上、例えば94程度、ヘリウムのd線に対する屈折率nが1.6以下、好ましくは1.5以下、例えば1.4のレンズが挙げられる。
光学ガラス素子は、軟硝材、例えば、フツリン酸塩ガラス、リン酸塩ガラスもしくはフッ化物ガラス等のPもしくはFを含むガラス、またはアルカリ金属、アルカリ土類金属もしくはハロゲンを含むガラス、またはカルコゲナイドガラス等で構成されるものであってよい。
以下、本実施形態に係る光学ガラス素子の処理方法について詳述する。
(炭化水素系溶剤を含有する非水系洗浄液による洗浄)
まず、光学ガラス素子を、炭化水素系溶剤を含有する非水系洗浄液で洗浄する。光学ガラス素子の表面には、ガラス材料を研削および/または研磨する際に用いる芯取り油や研磨油等の鉱物油を主成分とする油成分が付着していることがある。洗浄工程においては、このような油成分等の汚染物質を非水系洗浄液で除去する。なお、本実施形態に係る処理方法で除去することができる汚染物質として、上述の芯取り油および研磨油のほか、切削油等のオイル類、グリース類、ワックス類、接着剤、油脂類、手垢、浮遊異物等が挙げられる。
非水系洗浄液による洗浄の方法は特に限定されるものではなく、例えば、非水系洗浄液を入れた洗浄槽に浸漬することによって行ってよい。また、攪拌洗浄、揺動洗浄、超音波洗浄、噴流洗浄、エアーバブリング洗浄等を行ってもよい。浸漬時間、温度等の条件は特に限定されるものではないが、洗浄槽内を加熱することにより、洗浄性能が向上し得る。洗浄槽内の温度は、好ましくは20~80℃、特に好ましくは30~60℃である。
(非水系洗浄液)
非水系洗浄液中の炭化水素系溶剤の含有量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。本実施形態に係る方法で使用可能な炭化水素系溶剤は、光学ガラス素子製造工程においてガラス表面に付着し得る汚染物質を溶解して除去することができるものであれば特に限定されるものではなく、汚染物質の組成等に応じて適宜選択することができる。
非水系洗浄液のSP値は、好ましくは7.7以上8.3以下であり、より好ましくは7.8以上8.0以下である。ここで、SP値(溶解度パラメータ)は、凝集エネルギー密度の平方根で定義され、溶剤の溶解挙動を示す値である。汚染物質の種類にもよるが、SP値が上記範囲内であると、汚染物質を効率よく除去することができる。SP値が7.7以上8.3以下である炭化水素系溶剤を非水系洗浄液として用いることで、非水系洗浄液のSP値を7.7以上8.3以下にすることができる。
炭化水素系溶剤は、炭素数が5~15程度、好ましくは5~10のものであってよく、例えばパラフィン系溶剤を用いることができる。非水系洗浄液は、1種類の炭化水素系溶剤のみを含んでよく、異なる種類の複数の炭化水素系溶剤を含んでもよい。炭化水素系溶剤として、第1石油類、第2石油類、第3石油類等を用いることができる。炭化水素系溶剤の具体例としては、例えば、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、イソヘキサン、イソヘプタン、n-オクタン、イソオクタン、n-デカン、イソデカン、n-ウンデカン、n-ドデカンおよびn-トリデカン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール、n-ペンチルアルコール、イソペンチルアルコール、n-ヘキシルアルコール、イソヘキシルアルコール、2-エチルヘキシルアルコールおよびn-オクチルアルコール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタンおよびジオキサン等のエーテル類、エチレングリコールおよびプロピレングリコール等のグリコール類、ジメチルスルホキシドおよびジエチルスルホキシド等のスルホキシド類、3-メチル-3-メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルおよびジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)等のグリコールエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソプロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、酪酸イソプロピル、吉草酸メチルおよび吉草酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類、N,N-ジメチルホルムアミドおよびN,N-ジメチルアセタミド等のアミド類、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N,N’-ジメチルプロピレンウレアおよび1,1,3,3-テトラメチルウレア等のウレア類、フェノール、p-クロロフェノール、o-クレゾール、m-クレゾールおよびp-クレゾール等のフェノール類、アセトニトリルおよびベンゾニトリル等のニトリル類、ピリジンおよびN-メチルピロリドン等の複素環化合物類、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサン等の揮発性有機シリコーン類、ならびに塩化メチレン、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレンおよびパークロロエチレン等の塩素化炭化水素類が挙げられる。なかでも、炭化水素系溶剤は、脂肪族飽和炭化水素であることが好ましい。
非水系洗浄液は、炭化水素系溶剤に加えて、界面活性剤、安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤等の添加剤を含有してよい。
非水系洗浄液は実質的に水分を含まないことが好ましい。非水系洗浄液中の水の含有量が少ないほど、光学ガラス素子表面における傷の発生をより一層抑制することができる。非水系洗浄液中の水の含有量は、重量基準で50ppm以下であることが好ましい。
非水系洗浄液はアルコールを含んでよいが、アルコール含有量が少ないことが好ましい。非水系洗浄液中のアルコール含有量が少ないほど、光学ガラス素子表面における傷の発生をより一層抑制することができる。非水系洗浄液中のアルコール含有量は、20重量%以下であることが好ましい。
(フッ素系溶剤を含有する非水系リンス液によるリンス)
次に、洗浄後の光学ガラス素子を、フッ素系溶剤を含有する非水系リンス液でリンスする。洗浄後の光学ガラス素子の表面には、非水系洗浄液(炭化水素系溶剤)が残存し得、非水系洗浄液の被膜が光学ガラス素子の表面に形成される。また、洗浄後の光学ガラス素子の表面には、汚染物質がわずかに残存することもある。リンス工程において、光学ガラス素子の表面に付着した非水系洗浄液および場合により汚染物質を、非水系リンス液で除去する。非水系リンス液として揮発性の高いフッ素系溶剤を用いると、リンス後の光学ガラス素子の表面に非水系リンス液が残存せず、清浄な表面が得られる。
(非水系リンス液)
非水系リンス液中のフッ素系溶剤の含有量は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは99重量%以上である。本実施形態に係る方法で使用可能なフッ素系溶剤は、洗浄において用いた非水系洗浄液(炭化水素系溶剤)およびわずかに残存し得る汚染物質を溶解して除去することができるものであれば特に限定されるものではなく、非水系洗浄液の組成等に応じて適宜選択することができる。
非水系リンス液のKB値は、好ましくは30以上70以下であり、より好ましくは31以上37以下である。ここで、KB値(カウリブタノール値)は、油脂溶解力を示す指標であり、KB値が大きいほど、油脂を溶解する能力が高い(すなわち、より多くの油脂を溶解することができる)ことを意味する。一般的にはKB値が高い方が洗浄能力が高いとされている。しかし、本発明者らが検討を重ねた結果、非水系リンス液のKB値が高すぎると、油脂表面に被膜が形成されて固着してしまい、油脂を溶解しにくくなる傾向であることを見出した。本発明者らが上述の新たな知見に基づいて更に実験を重ねた結果、KB値が70以下であると、油脂表面における被膜形成を抑制することができ、汚染物質を効率よく除去することができることがわかった。一方、KB値が30以上であると、光学ガラス素子の表面に残存し得る非水系洗浄液および場合により汚染物質を効率よく除去することができる。KB値が30以上70以下であるフッ素系溶剤を非水系リンス液として用いることで、非水系リンス液のKB値を30以上70以下にすることができる。
本実施形態に係る処理方法においてフッ素系溶剤として使用可能な溶剤は、洗浄において使用した炭化水素系溶剤を溶解し得るものであれば特に限定されるものではなく、公知の溶剤を適宜選択してよい。フッ素系溶剤の具体例としては、例えば、パーフルオロ-n-ヘキサンおよびパーフルオロ-n-ヘプタン等のパーフルオロカーボン、ペンタフルオロブタンおよびデカフルオロペンタン(1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタン等)等の鎖状ハイドロクロロフルオロカーボン、クロロトリフルオロプロペン(シス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペンおよびトランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン等のモノクロロフルオロプロペン等)、クロロフルオロブテンおよびクロロフルオロペンテン等のハイドロクロロフルオロオレフィン、1,1,2,2-テトラフルオロシクロブタン、1,2,2,3,3-ペンタフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,4-ヘキサフルオロシクロブタン、ヘプタフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3-ペンタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4,5-ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,3,3,4,5-ヘプタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,5-オクタフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,4,4,5-オクタフルオロシクロペンタン、ノナフルオロシクロペンタン、1,1,2,2,3,3,4,5-オクタフルオロシクロヘキサン、1,1,2,2,3,3,4,4,5,6-デカフルオロシクロヘキサン、テトラデカフルオロデカリンおよびヘキサデカフルオロデカリン等の環状ハイドロクロロフルオロカーボンが挙げられる。なかでも、フッ素系溶剤は、クロロトリフルオロプロペン、ペンタフルオロブタンおよびデカフルオロペンタンからなる群から選択される1以上の溶剤であることが好ましい。
非水系リンス液は、フッ素系溶剤に加えて、界面活性剤、安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤等の添加剤を含有してよい。
非水系リンス液は実質的に水分を含まないことが好ましい。非水系リンス液中の水の含有量が少ないほど、光学ガラス素子表面における傷の発生をより一層抑制することができる。非水系リンス液中の水の含有量は、重量基準で50ppm以下であることが好ましい。本実施形態に係る処理方法は、洗浄工程およびリンス工程の両方において非水系の溶剤、好ましくは実質的に水を含まない溶剤を用いるので、わずかな水分で傷が発生し得る軟硝材で構成される光学ガラス素子を処理する場合において特に、水に起因する傷の発生を大幅に低減することができる。
非水系リンス液はアルコールを含んでよいが、アルコール含有量が少ないことが好ましい。非水系リンス液中のアルコール含有量が少ないほど、光学ガラス素子表面における傷の発生をより一層抑制することができる。非水系リンス液中のアルコール含有量は、1重量%以下であることが好ましい。
非水系リンス液によるリンスの方法は特に限定されるものではなく、例えば、非水系リンス液を入れたリンス槽に浸漬することによって行ってよい。また、リンスは、攪拌、揺動、超音波、噴流、エアーバブリング等を用いて行ってもよい。浸漬時間、温度等の条件は特に限定されるものではないが、リンス槽内を加熱することにより、リンス性能が向上し得る。リンス槽内の温度は、好ましくは10~80℃、特に好ましくは20~60℃である。
上述したリンス工程の後、場合により、蒸気洗浄を行ってよい。蒸気洗浄は、フッ素系溶剤を主成分とする蒸気中に光学ガラス素子を曝すことにより行われる。蒸気洗浄におけるフッ素系溶剤として、リンス工程で使用可能な上述のフッ素系溶剤を用いてよい。蒸気洗浄の時間および温度等の条件は、使用するフッ素系溶剤の種類等に応じて適宜設定することができる。蒸気洗浄を行うことにより、光学ガラス素子の表面をより清浄に仕上げることができる。
本実施形態に係る処理方法において、上述したリンスまたは蒸気洗浄の後に、乾燥をさらに行ってよい。乾燥は、例えば、リンスまたは蒸気洗浄後の光学ガラス素子を大気中に移動させることにより行ってよい。
[光学ガラス素子の製造方法]
次に、本発明の一の実施形態に係る光学ガラス素子の製造方法について説明する。なお、本実施形態に係る製造方法については、上述した光学ガラス素子の処理方法と共通する事項についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、本実施形態においては逐次言及しない。本実施形態に係る光学ガラス素子の製造方法は、ガラス材料を、炭化水素系溶剤を含有する非水系洗浄液で洗浄することと、洗浄後のガラス材料を、フッ素系溶剤を含有する非水系リンス液でリンスすることとを含む。
本実施形態に係る製造方法において、非水系洗浄液のSP値は、7.8以上8.0以下であることが好ましい。非水系洗浄液に含まれる炭化水素系溶剤は、脂肪族飽和炭化水素であることが好ましい。非水系洗浄液および非水系洗浄液に含まれる炭化水素系溶剤の詳細は、上述の処理方法において説明したとおりである。
本実施形態に係る製造方法において、非水系リンス液のKB値は31以上37以下であることが好ましい。非水系リンス液に含まれるフッ素系溶剤は、モノクロロフルオロプロペンであることが好ましい。非水系リンス液および非水系リンス液に含まれるフッ素系溶剤の詳細は、上述の処理方法において説明したとおりである。
本実施形態に係る製造方法は、例えば、フツリン酸塩ガラス、リン酸塩ガラスもしくはフッ化物ガラス等のPもしくはFを含むガラス、またはアルカリ金属、アルカリ土類金属もしくはハロゲンを含むガラス、またはカルコゲナイドガラス等で構成されるガラス材料に特に好適である。ガラス材料は、軟硝材であってよい。本実施形態に係る製造方法においては、洗浄およびリンスのいずれにおいても、水を実質的に含有しない非水系の溶剤(非水系洗浄液および非水系リンス液)を用いることで、潜傷が起こりやすい軟硝材で構成されるガラス材料から光学ガラス素子を製造する際に、洗浄工程およびリンス工程の両方において製品品位上問題となるレベルの傷を抑制することができ、その結果、傷の少ない高品質の光学ガラス素子を製造することができる。
本実施形態に係る光学ガラス素子の製造方法は、上述した洗浄およびリンスに加えて、光学ガラス素子の製造において通常含まれる工程、例えば、研削工程、研磨工程、芯取工程、成膜工程、成形工程等を更に含んでよい。例えば、研磨工程にてプリフォームされたものを、成形工程にてモールド形成してもよい。これにより、プリフォームによって発生し得る傷を減少させることができる。また、本実施形態に係る製造方法において、上述した洗浄およびリンスは1回ずつ行ってよく、あるいは、洗浄および/またはリンスを複数回行ってもよい。洗浄および/またはリンスを複数回行う場合、各洗浄および/リンスの間に、別の工程(研削工程等)を含んでもよい。
[光学ガラス素子]
次に、本発明の一の実施形態に係る光学ガラス素子について説明する。本実施形態に係る光学ガラス素子は、上述した光学ガラス素子の製造方法により製造することができる。本実施形態に係る光学ガラス素子は、光学ガラス素子の表面において、長さ20μm以上の傷が存在しない。なお、本明細書において、傷の「長さ」とは、その傷における最大寸法を意味する。
レンズ等の光学ガラス素子の表面に存在する傷のサイズが大きいほど、フレアやゴーストが発生しやすくなる。レンズの表面には通常、低反射膜などのコーティングが施されている。レンズの表面に傷等の欠陥が存在する場合、レンズ表面にコーティングを施すと、欠陥のサイズよりも大きいサイズのコーティング欠陥が発生する。このコーティング欠陥のサイズが0.03mmの2乗以上であると、レンズ表面の傷がゴースト内に映り込んで画像品位を著しく低下させるため、製品品位上問題となる。ここで、0.03mmの2乗のコーティング欠陥は、直径がおよそ200μmである。コーティング前のレンズ表面に存在する欠陥のサイズは、その欠陥に起因して発生するコーティング欠陥のサイズの10%程度である。そのため、直径約200μmのコーティング欠陥は、直径約20μmの欠陥(コーティング前のレンズ表面に存在する傷)に相当する。したがって、レンズ表面に存在する傷の最大寸法(すなわち、傷の長さ)が20μm以上であると、画像品位が大きく低下してしまう。これに対し、本実施形態に係る光学ガラス素子の表面においては、長さ20μm以上の傷が存在しないので、上述したようなゴースト内の傷の写り込みが発生せず、優れた画像品位を実現することができる。
光学ガラス素子の表面において、好ましくは、長さ7μm以上の傷が存在せず、より好ましくは、長さ1μm以上の傷が存在しない。長さ7μm以上の傷が存在しない場合、光学ガラス素子の光学性能がより一層向上し得、長さ1μm以上の傷が存在しない場合、光学ガラス素子の光学性能は更に向上し得る。
本実施形態に係る光学ガラス素子は、その表面において、長さ20μm以上の傷が存在せず、比較的大きい傷に加えて、5μm~1μm程度の微小な傷が少ないという特徴を有する。このため、本実施形態に係る光学ガラス素子は、例えば傷の部分で起こり得る光反射およびこの光反射により生じるゴーストの発生を抑制することができる。したがって、本実施形態に係る光学ガラス素子をレンズ鏡筒に使用した場合、高品位の撮像を実現することができる。
本実施形態に係る光学ガラス素子表面において、長さ5μm~1μm程度の微小な傷の数は問題にしない。このような長さ5μm~1μm程度の非常に微細な傷は、洗浄および/またはリンスの際に超音波を用いることで生じると考えられ、通常は点状の傷として光学ガラス素子の表面に現れ得る。なお、本明細書においては、この非常に微細な点状の傷を「打点」ともよぶ。このような打点は非常に微細であるため、光学ガラス素子の光学的特性には悪影響を及ぼさない。
以下に説明する例1~3において、種々の非水系洗浄液を用いて光学ガラス素子の洗浄を行った。光学ガラス素子として、芯取後の直径が22mm、ヘリウムのd線(587.56nm)に対するアッベ数が約94、ヘリウムのd線に対する屈折率が約1.4のフツリン酸塩ガラスを用いた。
[例1]
非水系洗浄液として、表1に示すSP値が7.6の炭化水素系溶剤を用いて、汚染物質である研磨油が表面に付着した光学ガラス素子を洗浄した。洗浄は、炭化水素系溶剤を入れた洗浄槽に、加温下で数分間光学ガラス素子を浸漬することにより行った。洗浄後の光学ガラス素子を乾燥させた後、光学ガラス素子の表面を目視で観察し、傷の有無および残存する研磨油の有無を確認した。結果を表1に示す。
[例2]
非水系洗浄液として、表1に示すSP値が7.9の炭化水素系溶剤を用いた以外は例1と同様の手順で洗浄を行った。結果を表1に示す。
[例3]
非水系洗浄液として、表1に示すSP値が8.4の炭化水素系溶剤を用いた以外は例1と同様の手順で洗浄を行った。結果を表1に示す。
Figure 0007117616000001
表1に示すように、例1~3のいずれにおいても、傷の発生は観察されなかった。また、SP値が7.7以上8.3以下の炭化水素系溶剤を非水系洗浄液として用いた例2においては、研磨油の残存は観察されず、炭化水素系溶剤からなる透明な膜が光学ガラス素子の表面で観察された。これに対して、SP値が7.7未満の炭化水素系溶剤を非水系洗浄液として用いた例1およびSP値が8.3より大きい炭化水素系溶剤を非水系洗浄液として用いた例3においては、研磨油がわずかに残存し、炭化水素系溶剤および研磨油からなる白濁した膜が光学ガラス素子の表面で観察された。
次に、以下に説明する例4~6において、種々の非水系リンス液を用いて光学ガラス素子のリンスを行った。光学ガラス素子として、汚染物質である研磨油が表面に付着したフツリン酸塩ガラスを用いた。
[例4]
非水系リンス液としてKB値が27.5のフッ素系溶剤を用いて、汚染物質である研磨油が表面に付着した光学ガラス素子をリンスした。リンスは、フッ素系溶剤を入れたリンス槽に光学ガラス素子を数分間浸漬することにより行った。リンス後の光学ガラス素子を乾燥させた後、光学ガラス素子の表面を目視で観察し、傷の有無および残存する研磨油の有無を確認した。結果を表2および図1に示す。
[例5]
非水系リンス液としてKB値が34のフッ素系溶剤を用いた以外は例4と同様の手順でリンスを行った。結果を表2および図2に示す。
[例6]
非水系リンス液としてKB値が100のフッ素系溶剤を用いた以外は例4と同様の手順でリンスを行った。結果を表2および図3に示す。
例5で用いたフッ素系溶剤について、以下に示す手順で炭化水素系溶剤の溶解性を確認した。フッ素系溶剤中に炭化水素系溶剤を滴下し、数分間静置した。その後、フッ素系溶剤と炭化水素系溶剤とが分離しているか否かを目視で確認した。フッ素系溶剤と炭化水素系溶剤とが相分離せずに単一の相となっていた場合、炭化水素系溶剤はフッ素系溶剤に溶解したと判定し、表2において「○」で示した。なお、例4および6で用いたフッ素系溶剤については、研磨油の溶解性が例5と比較して低かったため、炭化水素系溶剤の溶解性の評価は行わなかった。
Figure 0007117616000002
表2および図1~3に示すように、例4~6のいずれにおいても、傷の発生は観察されなかった。一方、例4~6のいずれにおいても、光学ガラス素子の表面において研磨油が残存し、白濁しているのが目視にて確認された。例4~6のうち、KB値が30以上70以下のフッ素系溶剤を用いた例5において白濁が最も少なく、従って、研磨油の残存量が最も少なかった。このことから、例5のフッ素系溶剤は、洗浄後にわずかに残存し得る研磨油を除去する能力が最も高いことがわかった。
炭化水素の溶解性は、KB値が30以上70以下のフッ素系溶剤を用いた例5において最も高い値となった。このことから、例5のフッ素系溶剤は、洗浄後に光学ガラス素子の表面に残存し得る炭化水素系溶剤を除去する能力が最も高いことがわかった。
[例7]
例1~6で用いた光学ガラス素子と同様のガラス素子について、炭化水素系溶剤を用いて洗浄を行い、次いで、フッ素系溶剤を用いてリンスを行った。炭化水素系溶剤としてHC-FX50を使用し、フッ素系溶剤として1233Zを使用した。洗浄は、炭化水素系溶剤を入れた洗浄槽に、加温下で数分間光学ガラス素子を浸漬し、超音波洗浄することにより行った。リンスは、フッ素系溶剤を入れたリンス槽に光学ガラス素子を数分間浸漬し、超音波洗浄することにより行った。リンス後の光学ガラス素子を乾燥させた後、光学ガラス素子の表面を目視で観察し、傷の有無および残存する研磨油の有無を確認した。結果を表3ならびに図4および図5に示す。なお、図5は、光学ガラス素子の表面を1000倍の倍率に拡大して観察したものである。
[例8(比較例)]
例1~6で用いた光学ガラス素子と同様のガラス素子について、弱アルカリ洗浄液を用いて洗浄を行い、次いで、水を用いて洗浄を行った後、イソプロパノール(IPA)を用いてリンスを行った。弱アルカリ洗浄液による洗浄は、弱アルカリ洗浄液を入れた洗浄槽に光学ガラス素子を浸漬し、超音波洗浄することにより行った。水による洗浄は、水を入れた洗浄槽に光学ガラス素子を浸漬することにより行った。リンスは、IPAを入れたリンス槽に光学ガラス素子を浸漬し、超音波洗浄することにより行った。リンス後の光学ガラス素子を乾燥させた後、光学ガラス素子の表面を目視で観察し、傷の有無および残存する研磨油の有無を確認した。結果を表3ならびに図6に示す。
[例9(比較例)]
例8と同様の手順で光学ガラス素子の処理を行った。処理後の光学ガラス素子の表面を目視で観察し、傷の有無および残存する研磨油の有無を確認した。結果を表3ならびに図7に示す。なお、図7は、光学ガラス素子の表面を1000倍の倍率に拡大して観察したものである。
Figure 0007117616000003
表3および図4に示すように、例7の光学ガラス素子の表面において、傷の発生は観察されず、研磨油の白濁も観察されなかった。また、図5からわかるように、例7の光学ガラス素子の表面においては、1000倍の倍率に拡大して観察した場合においても、傷の存在は確認されなかった。このことから、例7の処理方法によれば、肉眼視可能なレベルの傷だけでなく、微小な傷の発生も抑制することができたことがわかる。なお、図5に示されるように、例7の光学ガラス素子の表面には5μm~1μm程度の打点が観察された。これは、非水系洗浄液を用いた洗浄の際に超音波を用いたことによるものであると考えられる。ただし、洗浄効果を向上させる手法として、液流による洗浄やバブル洗浄などがあり、超音波洗浄に代えてこれらの方法を用いた場合、打点の発生は抑制される。また、超音波の出力を弱めることで打点の発生は抑制される。一方、表3および図6に示すように、例8の光学ガラス素子の表面においては、研磨油の白濁は観察されなかったが、多数の傷が観察された。このことから、例8の処理方法によれば、肉眼視可能なレベルの傷が発生してしまうことがわかった。例9の光学ガラス素子の表面においては、研磨油の白濁は観察されず、また、肉眼視可能な大きさの傷は観察されなかった。しかし、図7に示すように、例9の光学ガラス素子の表面を1000倍の倍率に拡大して観察したところ、長さが5~70μm程度の微小な傷が発生したことがわかった。なお、図7に示すように、例9の光学ガラス素子の表面においては、例7で観察されたような打点は僅かにのみ観察され、表面に凹凸が存在した。これは、素子の表面が水で侵食されたことにより、打点としては観察されず、表面の凹凸として観察されたことによると考えられる。
本発明に係る処理方法および製造方法は、光学ガラス素子表面の傷を抑制することができるので、高品質が求められる軟硝材ガラスレンズ等の光学ガラス素子を処理するのに好適に利用することができる。また、本発明に係る光学ガラス素子は、表面に存在する傷が小さいので、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォン、プロジェクター、電子顕微鏡などのレンズおよび光学フィルターに利用することができる。

Claims (10)

  1. 光学ガラスレンズの処理方法であって、
    前記光学ガラスレンズを、炭化水素系溶剤を含有する非水系洗浄液で洗浄することと、
    洗浄後の前記光学ガラスレンズを、フッ素系溶剤を含有する非水系リンス液でリンスすることと
    を含む、方法であって、
    記非水系リンス液のKB値が30以上70以下であり、
    前記フッ素系溶剤が1種または複数種のハイドロクロロフルオロオレフィンである、
    方法。
  2. 前記非水系洗浄液のSP値が7.7以上8.3以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記炭化水素系溶剤が、1種または複数種のパラフィン系溶剤である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記光学ガラスレンズが軟硝材で構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. ガラス材料から光学ガラスレンズを製造する方法であって、
    ガラス材料を、炭化水素系溶剤を含有する非水系洗浄液で洗浄することと、
    洗浄後の前記ガラス材料を、フッ素系溶剤を含有する非水系リンス液でリンスすることと
    を含む、方法であって、
    記非水系リンス液のKB値が30以上70以下であり、
    前記フッ素系溶剤が1種または複数種のハイドロクロロフルオロオレフィンである、
    方法。
  6. 前記非水系洗浄液のSP値が7.7以上8.3以下である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記炭化水素系溶剤が、1種または複数種のパラフィン系溶剤である、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記ガラス材料が軟硝材で構成される、請求項5~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 軟硝材で構成される光学ガラスレンズであって、該光学ガラスレンズの表面において、長さ20μm以上の傷が存在しない、光学ガラスレンズ。
  10. 前記光学ガラスレンズの表面において、長さ7μm以上の傷が存在しない、請求項9に記載の光学ガラスレンズ。
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