JP2009076904A - 液浸リソグラフィシステム用洗浄液及び液浸リソグラフィ工程 - Google Patents

液浸リソグラフィシステム用洗浄液及び液浸リソグラフィ工程 Download PDF

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Abstract

【課題】液浸リソグラフィシステム用洗浄液及び液浸リソグラフィ工程を提供する。
【解決手段】エーテル系溶剤と、アルコール系溶剤と、準水系溶剤と、を含む液浸リソグラフィシステム用洗浄液である。液浸リソグラフィシステムで、フォトレジスト膜が形成された複数のウェーハを、液浸媒体を利用する液浸リソグラフィ工程によって露光した後、所定の周期が経過したとき、露光工程中に液浸媒体が接触した領域をエーテル系溶剤と、アルコール系溶剤と、準水系溶剤とを含む洗浄液を使用して洗浄する。
【選択図】図6

Description

本発明は、半導体素子製造設備用洗浄液及びこれを利用した半導体素子製造工程に係り、特に、半導体素子または回路基板製造用液浸リソグラフィシステムを洗浄するための洗浄液及び液浸リソグラフィ工程に関する。
液浸リソグラフィでは、システム性能を向上させるために投影光学ボックス内の最終レンズとウェーハとのギャップが液体で完全に充填された状態でリソグラフィ工程が進められる。
一般に、リソグラフィ工程で開口数NA(Numeric aperture)は、次の式で定義される。
NA=nSinα
前記式中、nは、屈折率であり、Sinαは、レンズの光軸及び対物レンズに入射する光のうち最外側の光線のなす入射角である。すなわち、NA値が大きく、光源の波長が短いほど分解能は良くなる。液浸リソグラフィ工程では、液浸媒体によって、NA>1である開口数、特に、NA=1.3以上である開口数を達成することによって向上した分解能を提供できるという長所がある。特に、液浸媒体として水(H2O)を使用する場合には、n=1.44の高い屈折率を提供することによって、通常のリソグラフィ工程に比べて分解能及びDOF(Depth Of Focus)が向上しうる。
しかし、液浸リソグラフィ工程は、多くの技術的利点を提供するにも拘わらず、既存の技術では現れなかった問題、例えば、ウェーハが露光中に液浸媒体に接触した状態にあるためシステム及びウェーハが汚染物に容易に露出されるという問題がある。特に、液浸リソグラフィ工程中にウェーハ上に形成された所定の膜質から液浸媒体に浸出された特定成分、例えば、PAG(Photo Acid Generator)、塩基成分のようなフォトレジスト膜の成分、またはフォトレジスト膜を保護するトップバリヤコーティング膜の成分が、リソグラフィシステム内に堆積されてシステムの効率を落とすだけでなく、ウェーハを逆汚染させる原因として作用する。
本発明の目的は、前記問題を解決するためのものであって、液浸リソグラフィシステムに堆積された汚染物を効果的に除去することが可能な洗浄液を提供することである。
本発明の他の目的は、液浸リソグラフィ工程中にウェーハから浸出された汚染物によって後に露光対象のウェーハが逆汚染されることを防止することが可能な液浸リソグラフィ工程を提供することである。
上述した目的を達成するために、本発明による液浸リソグラフィシステム用洗浄液は、エーテル系溶剤と、アルコール系溶剤と、準水系溶剤と、を含む。
このアルコール系溶剤は、アルコキシアルコール類及びジオール類を含みうる。
本発明による液浸リソグラフィシステム用洗浄液は、塩基性水溶液をさらに含みうる。
上述した他の目的を達成するために、本発明による液浸リソグラフィ工程では、液浸リソグラフィシステムでフォトレジスト膜が形成された複数のウェーハを、液浸媒体を利用する液浸リソグラフィ工程によって露光する。所定の周期が経過すれば、液浸リソグラフィシステム内で露光工程中に液浸媒体が接触した領域を、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、及び準水系溶剤を含む洗浄液を使用して洗浄する。そして、この洗浄された液浸リソグラフィシステムでフォトレジスト膜が形成された複数の他のウェーハを、液浸媒体を利用する液浸リソグラフィ工程によって露光する。
本発明による液浸リソグラフィ工程で、洗浄ステップは、液浸リソグラフィシステム内で露光工程中に液浸媒体が接触する領域に洗浄液を所定時間フローさせて汚染物を除去するステップを含みうる。また、汚染物除去後に当該領域に純水を所定時間フローさせて当該領域をリンスするステップを含みうる。
本発明によると、複数のウェーハを露光する間に液浸リソグラフィシステム内で液浸媒体が接触する領域に堆積される汚染物の堆積量をモニタリングするステップを、さらに含みうる。このとき、上述した所定の周期は、汚染物の堆積量によって決定される。または、所定の周期は、液浸リソグラフィシステムで露光されるウェーハの枚数によって決定される。
(発明の効果)
本発明による液浸リソグラフィシステム用洗浄液は、エーテル系溶剤と、アルコール系溶剤と、準水系溶剤と、を含むので、液浸リソグラフィ工程による露光工程を行うとき、ウェーハ上のフォトレジスト物質またはトップバリヤコーティング物質の浸出によって、液浸リソグラフィシステムに堆積された汚染物を効果的に除去しうる。
本発明による液浸リソグラフィ工程によれば、液浸リソグラフィ工程中にウェーハから浸出された汚染物によって後続の露光対象のウェーハが逆汚染されることを防止しうる。特に、本発明による洗浄液は、準水系溶剤を含有するので、洗浄工程に続くリンス工程で水系溶液を使用するとき、工程適応性において、有利である。また、本発明による洗浄液を使用することによって、ウェーハの露光工程と共に、液浸リソグラフィシステムのインライン洗浄工程が可能であり、液浸リソグラフィシステムの洗浄にかかる時間を短縮させて製品生産性を向上させうる。
以下、本発明の望ましい実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、従来の液浸リソグラフィシステムの例示的な構成を概略的に示す図面である。
図1を参照すれば、液浸リソグラフィシステムは、放射線ソースSOからビーム伝達システムBDを通じて放射線ビームBを照射する照明システムIL、パターニングのためのマスクMAを支持するマスクテーブルMT、ウェーハWを支持するウェーハテーブルWT、そしてマスクMAによって放射線ビームBに付与されたパターンをウェーハWのターゲットC上に投影する投影システムPSを備える。
液浸リソグラフィ工程中に放射線ビームBがマスクテーブルMT上に支持されているマスクMA上に入射され、マスクMAを通過した放射線ビームBは、投影システムPSを通過してウェーハW上のターゲットC上にフォーカシングされる。
投影システムPSの末端部とウェーハWとの間の空間には、浸漬フード(Immersion Hood:IH)によって液浸媒体が供給される。
図2は、従来の浸漬フードIHの概略的な構成を示す図面である。
図2を参照すれば、浸漬フードIHで、流入部INから供給された液浸媒体FLは、投影システムPSに対するウェーハWの移動方向(矢印で表す)に沿ってウェーハW上に供給される。液浸媒体FLは、投影システムPSとウェーハWとの間の空間を通過した後、流出部OUTを通じて排出される。
図3は、従来の密閉プレートCLDを備えた液浸リソグラフィシステムの一部の構成を示す図面である。
図3を参照すれば、図1及び図2に例示された液浸リソグラフィシステムでウェーハテーブルWTが投影システムPSの下の位置から遠い位置に移動するとき、密閉プレートCLDがウェーハテーブルWTの代わりに投影システムPSの下の位置に移動する。図3には、ウェーハWの露光が完了した後、ウェーハテーブルWTを元の位置に戻すために、密閉プレートCLD及びウェーハテーブルWTが同じ水平レベルで同じ水平方向に移動して、密閉プレートCLDが投影システムPSの下に位置している場合が例示されている。
図1から図3に例示された従来の液浸リソグラフィシステムで、ウェーハWの露光工程が反復されるにつれて、浸漬フードIHの全体領域及び密閉プレートCLDに汚染物が累積される。
図4A及び図4Bは、従来技術によりそれぞれ浸漬フードIH内で液浸媒体FLの排出のためにウェーハテーブルWTに設置されたSPE(Single Phase Extraction)方式の排出装置の多孔性プレート10の上面に汚染物12、14が堆積された状態を示す写真である。
浸漬フードIHで液浸媒体FLが留まっている間にウェーハW上の膜質から液浸媒体FLに浸出された汚染物は、液浸媒体FLが多孔性プレート10の気孔を通じて排出される時に多孔性プレート10上に沈積される。
密閉プレートCLDの場合も同様に、ウェーハテーブルWTの代わりに投影システムPSの下の位置に反復的に移動しつつ、液浸媒体FLに接触する過程で汚染物が堆積される。
図5は、複数のウェーハWに対して図1から図3に例示された従来の液浸リソグラフィシステムを使用して連続的に露光工程を行った後、浸漬フードIH内の多孔性プレート10上に沈積された汚染物の成分を分析した結果を示すグラフである。
図5から確認できるように、浸漬フードIH内に堆積される汚染物の主成分は、C、O及びFである。これらは、ウェーハW上のフォトレジスト膜、またはフォトレジスト膜を保護するトップバリヤコーティング膜の成分と一致する。
そこで、本発明の一実施形態では、浸漬フードIH内でのウェーハ露光時間及び枚数によって周期的にシステム内に堆積された汚染物、特に、ウェーハW上のフォトレジスト膜またはトップバリヤコーティング膜から浸出された有機汚染物を効果的に除去できる洗浄液を提供する。また、本実施形態では、上述した洗浄液を使用して液浸リソグラフィシステムを洗浄する工程を含む液浸リソグラフィ工程を提供する。
なお、本発明による洗浄液は、エーテル系溶剤と、アルコール系溶剤と、準水系溶剤と、を含む。必要に応じて、本発明による洗浄液は、塩基性水溶液及び腐蝕防止剤のうち少なくとも一つをさらに含むようにしてもよい。
次いで、本発明による洗浄液を構成する各成分について詳細に説明する。
(1)エーテル溶剤
本発明による洗浄液で、エーテル系溶剤は、乳化力に優れており、洗浄しようとする汚染物、そのうちでも特にフォトレジスト材料及びトップバリヤコーティング材料の浸出によって堆積された有機汚染物をスウェリングさせて容易に除去させうる。
エーテル系溶剤として、例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、及びプロピレングリコールからなる群から選択される何れか一つまたはこれらのうち複数からなる組合わせを使用しうる。しかし、本発明で使用可能なエーテル溶剤は、上記に例示された物質にのみ限定されるものではない。本発明の範囲内で上記に例示された物質と類似した効果を提供できる多様な種類のエーテル系溶剤を使用しうる。
本発明による洗浄液で、エーテル溶剤の含量が過度に高ければ、芳香族固有の刺激的な悪臭によって取扱が容易でなくなり、含量が過度に低ければ、洗浄能が低下する。望ましくは、本発明による洗浄液のうち、エーテル溶剤は、洗浄液総量を基準に約5〜40重量%の量で含まれる。
(2)アルコール系溶剤
本発明による洗浄液で、アルコール系溶剤は、液浸リソグラフィシステムの洗浄工程中に前記液浸リソグラフィシステムを構成する部品のうち、特に、Ni、ステンレススチール、Alのような金属成分の部品を保護すると同時に、広範囲な種類の汚染物に対して優秀な洗浄効果を提供する。
アルコール系溶剤は、本発明による洗浄液総量を基準に約1〜50重量%の量で含まれる。
本発明による洗浄液で、アルコール系溶剤は、アルコキシアルコール類及びジオール類を含みうる。アルコール系溶剤のうち、アルコキシアルコール類は、イオン性カスを除去する効果を提供し、ジオール類は、2個の−OH基によって、液浸リソグラフィシステム内の金属表面を保護する効果を提供する。
このアルコール系溶剤のうちで、アルコキシアルコール類及びジオール類の含量は、それぞれアルコール系溶剤の総量を基準に50重量%以下の量で含まれる。例えば、このアルコール系溶剤は、アルコキシアルコール類及びジオール類のみで形成される。この場合、本発明による洗浄液内でアルコキシアルコール類及びジオール類は、それぞれ洗浄液総量を基準に約1〜25重量%の量で含まれる。
アルコール系溶剤を構成するアルコキシアルコール類は、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、及び2−(2−ブトキシエトキシ)エタノールからなる群から選択される何れか一つまたはこれらのうち複数からなる組合わせで構成される。アルコール系溶剤を構成するジオール類は、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、及びカテコールのうち何れか一つまたはこれらのうち複数からなる組合わせで構成される。しかし、これらは、本発明を制限するものではない。本発明の範囲内で上記に例示された物質と類似した効果を提供できる多様な種類のアルコール系溶剤及びジオール類を使用しうる。
(3)準水系溶剤
本発明による洗浄液で、準水系溶剤は、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds:VOC)の一種であるエーテル溶剤固有の刺激性な悪臭を緩和させ、アルコール系溶剤の有する揮発性を減らす役割を行う。また、準水系溶剤は、高い汚染負荷でも洗浄能を維持しうる。本発明による洗浄液で準水系溶剤を含有することによって、本発明による洗浄液を使用した洗浄工程に続く後続のリンス工程で水系溶液を使用するとき、工程適応性において、有利になる。また、準水系溶剤は、水系洗浄剤の洗浄力を補完して、有機汚染物及びイオン性汚染物を除去するのに効率を良くする。
本発明による洗浄液で、準水系溶剤は、極性有機溶剤を含みうる。例えば、準水系溶剤は、グリコールエーテル、N−メチルピロリドン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、d−リモネン、及びテルペンからなる群から選択される何れか一つまたはこれらのうち複数からなる組合わせで構成される。
本発明による洗浄液で、準水系溶剤は、洗浄液総量を基準に20〜80重量%の量で含まれる。
(4)アルカリ溶液
本発明による洗浄液は、必要に応じて塩基性水溶液をさらに含みうる。
本発明による洗浄液で、塩基性水溶液は、当該塩基性水溶液の総量を基準に2重量%以下のアルカリ溶液を含む純水からなる。本発明による洗浄液にアルカリ溶液を含む塩基性水溶液が含まれる場合、アルカリ溶液を含んでいない純水を添加する場合に比べて、ポリマーからなる汚染物をさらに効果的に除去しうる。
本発明による洗浄液で、塩基性水溶液は、洗浄液総量を基準に30〜70重量%の量で含まれる。
このアルカリ溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、及び水酸化アルキルアンモニウムからなる群から選択される何れか一つまたはこれらのうち複数からなる組合わせを含んで構成されうる。特に、アルカリ溶液として、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Tetra Methyl Ammonium Hydroxide:TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラへキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリブチルアンモニウムヒドロキシドを使用しうる。
(5)腐蝕防止剤
本発明による洗浄液は、必要に応じて腐蝕防止剤をさらに含みうる。
例えば、液浸リソグラフィシステムの内部にNi、ステンレススチールのような金属で構成される部品が存在する場合、これらが洗浄液によって腐蝕される可能性を最小化するために、本発明による洗浄液に腐蝕防止剤を含んでもよい。
本発明による洗浄液に含まれる腐蝕防止剤の例を挙げれば、リン酸塩、ケイ酸塩、亜硝酸塩、アミン塩、ホウ酸塩、有機酸塩がある。
この腐蝕防止剤は、洗浄液総量を基準に1重量%以下の量で含まれる。
(6)洗浄液の粘度
本発明による洗浄液は、洗浄効果、洗浄にかかる時間、洗浄後に連続的に行われるリンス工程時の工程効率を考慮して、適切な粘度を有するように製造する必要がある。
本発明による洗浄液は、フロー方式の洗浄が可能であるように約0.5〜1.5mPa・sの範囲内で選択される値の粘度を有することが望ましい。
図6は、本発明の望ましい実施例による液浸リソグラフィ工程を説明するためのフローチャートである。
図6を参照すれば、まず、工程62で、液浸リソグラフィシステムでフォトレジスト膜の形成された複数のウェーハを、液浸媒体を利用する液浸リソグラフィ工程によって露光する。
工程64で、所定の周期が経過すれば、工程62での露光工程を中断し、液浸リソグラフィシステム内で露光工程中に液浸媒体が接触される領域を、上述の本発明による洗浄液を使用して洗浄する。
工程64の洗浄工程を行うために、例えば、液浸リソグラフィシステム内で露光工程中に液浸媒体が接触された領域に洗浄液を所定時間フローさせて汚染物を除去する工程と、当該領域に純水を所定時間フローさせて当該領域をリンスする工程と、を含みうる。この汚染物除去工程及びリンス工程は、それぞれ常温で約5分〜1時間行われる。
前記工程64で、所定の周期を決定するために、工程62または工程66で複数のウェーハを露光する間に、液浸リソグラフィシステム内で液浸媒体が接触される領域に堆積される汚染物の堆積量をモニタリングしうる。このとき、当該所定の周期は、汚染物の堆積量によって決定される。または、この所定の周期は、液浸リソグラフィシステムで露光されるウェーハの枚数によって決定されることもある。
工程66で、工程64の洗浄が完了した液浸リソグラフィシステムで、フォトレジスト膜の形成された複数の他のウェーハを、液浸媒体を利用する液浸リソグラフィ工程によって露光する。
(一実施形態における実施例1−3)
本発明による洗浄液の洗浄効率を評価するために、表1に示したような多様な組成の洗浄液を製造した。
表1で、比較例1から7の場合は、表示された各成分の総量が100重量%(wt%)となるように洗浄液を製造した。実施例1、2及び3の場合は、アルコール系溶剤を除外した他の成分の総量が100重量%となるように混合物を構成した後、得られた混合物の総量に対して、当該アルコール系溶剤をそれぞれ表1に表示された量で当該混合物に追加したものである。
(評価例1)
表1に示した組成を有する各洗浄液の洗浄効率を評価するために、テスト用ウェーハを製作した。このテスト用ウェーハは、それぞれSi基板上に約2000Åの反射防止膜(ARC)、約1500Åのフォトレジスト膜(PR)、及び約500Åのトップバリヤコーティング膜(TC)を順次に形成して製作した。
表1に示した組成を有する各洗浄液をこのテスト用ウェーハ上に約30分間フローさせた後、当該テスト用ウェーハから除去された膜質を確認する方法で表1の各洗浄液の洗浄効率を評価した。
Si基板上にそれぞれ形成されたARC、PR及びTCは、異なる独特の色相を呈する。したがって、テスト用ウェーハをそれぞれの洗浄液で処理した後、処理されたテスト用ウェーハの上面に露出される色相の変化を観察することによって、テスト用ウェーハ上で除去された膜質の種類を判別しうる。例えば、テスト用ウェーハの最上面にTCが露出された場合には、赤褐色が、TCが除去されてPRが露出された場合には、黄緑が、そして、TC及びPRが除去されてARCが露出された場合には、黄色が現れる。
表2には、テスト用ウェーハを表1の各洗浄液で処理した後の結果が示されている。
表2で、実施例1及び比較例7の場合には、TC及びPRが完全に除去されてテスト用ウェーハの上面にARCが露出された結果が得られた。実施例3及び比較例4の場合には、TCは、完全に除去された一方、PRは、一部のみが除去されて、テスト用ウェーハの上面でARCの黄色とPRの緑色との中間色相の薄緑色を表した。
(評価例2)
表1に示した組成を有する各洗浄液による金属または金属酸化膜の腐蝕の有無を評価するために、Ni膜、Al23膜膜及びステンレススチール膜(SUS)の表面を各洗浄液で処理した後、腐蝕の有無を観察した。各洗浄液による処理条件は、評価例1と同一にした。
表3には、Ni膜、Al23膜及びSUSの表面を表1の各洗浄液で処理した後の結果が示されている。
表3で、腐蝕が現れた場合は“○”、腐蝕が現れていない場合は“×”で表した。
表3に示したように、本発明による洗浄液の実施例1、実施例2及び実施例3の場合、Ni膜、Al23膜及びSUSのうちいかなるものも腐蝕しないことを確認した。
(評価例3)
図1から図3に例示された液浸リソグラフィシステムを利用して複数のウェーハに対して液浸リソグラフィ工程による露光工程を行った後、密閉プレート(CLD)上に堆積された汚染物を、表1の洗浄液のうち実施例1及び実施例2による洗浄液を使用してそれぞれ洗浄処理した場合の結果が図7に示されている。各洗浄液による処理条件は、評価例1と同一にした。
図7には、対照例として、本発明による洗浄液の代わりに純水(DI)のみを使用した点を除き本発明と同じ条件で構成した洗浄液にて、汚染物を洗浄処理した場合の結果が、併せて示されている。
図7から確認できるように、本発明の実施例1及び実施例2の洗浄液を使用して密閉プレート(CLD)を洗浄処理した場合、堆積した状態の汚染物はほとんど除去された。
以上、本発明を望ましい実施例を例として詳細に説明したが、本発明は、上記の実施例に限定されず、本発明の技術的思想及び範囲内で当業者によって多様な変形及び変更が可能である。
(産業上の利用可能性)
本発明は、半導体素子製造関連の技術分野に適用可能である。
従来の液浸リソグラフィシステムの構成の一例を概略的に示す図面である。 従来の液浸リソグラフィシステムに用いられる浸漬フードの概略的な構成を示す図面である。 密閉プレートを備えた従来の液浸リソグラフィシステムの一部の構成を示す図面である。 従来の液浸リソグラフィシステムの浸漬フード内に設置された多孔性プレートの上面に汚染物が堆積された状態を示す写真である。 従来の液浸リソグラフィシステムの浸漬フード内に設置された多孔性プレートの上面に汚染物が堆積された状態を示す写真である。 従来の液浸リソグラフィシステムで露光工程が行われた後、浸漬フード内の多孔性プレート上に沈積された汚染物の成分を分析した結果を示すグラフである。 本発明の望ましい一実施形態による液浸リソグラフィ工程を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態における実施例1および2による液浸リソグラフィシステム用洗浄液を使用して液浸リソグラフィシステムを洗浄した結果を、対照例の場合と比較して示す図である。
符号の説明
10:多孔性プレート、12、14:汚染物、SO:放射線ソース、BD:ビーム伝達システム、B:放射線ビーム、IL:照明システム、MA:マスク、MT:マスクテーブル、W:ウェーハ、WT:ウェーハテーブル、C:ターゲット、PS:投影システム、IH:浸漬フード(Immersion Hood)、IN:流入部、FL:液浸媒体、OUT:流出部、CLD:密閉プレート

Claims (20)

  1. エーテル系溶剤と、
    アルコール系溶剤と、
    準水系溶剤と、を含むことを特徴とする液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  2. 前記エーテル系溶剤は、ジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、及びプロピレングリコールからなる群から選択される何れか一つまたはこれらの組合わせからなることを特徴とする請求項1に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  3. 前記エーテル溶剤は、前記洗浄液総量を基準に5〜40重量%の量で含まれることを特徴とする請求項1に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  4. 前記アルコール系溶剤は、前記洗浄液総量を基準に1〜50重量%の量で含まれることを特徴とする請求項1に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  5. 前記アルコール系溶剤は、アルコキシアルコール類及びジオール類を含むことを特徴とする請求項1に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  6. 前記アルコキシアルコール類は、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、及び2−(2−ブトキシエトキシ)エタノールからなる群から選択される何れか一つまたはこれらの組合わせからなることを特徴とする請求項5に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  7. 前記ジオール類は、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、及びカテコールからなる群から選択される何れか一つまたはこれらの組合わせからなることを特徴とする請求項5に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  8. 前記アルコール系溶剤内で前記アルコキシアルコール類及びジオール類の含量は、それぞれ前記アルコール系溶剤の総量を基準に、50重量%以下の量で含まれることを特徴とする請求項5に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  9. 前記準水系溶剤は、グリコールエーテル、N−メチルピロリドン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、d−リモネン、及びテルペンからなる群から選択される何れか一つまたはこれらの組合わせからなることを特徴とする請求項1に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  10. 前記準水系溶剤は、前記洗浄液総量を基準に20〜80重量%の量で含まれることを特徴とする請求項1に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  11. 塩基性水溶液をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  12. 前記塩基性水溶液は、前記塩基性水溶液総量を基準に2重量%以下のアルカリ溶液を含む純水からなることを特徴とする請求項11に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  13. 前記塩基性水溶液は、前記洗浄液総量を基準に30〜70重量%の量で含まれることを特徴とする請求項11に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  14. 前記アルカリ溶液は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、及び水酸化アルキルアンモニウムからなる群から選択される何れか一つまたはこれらの組合わせからなることを特徴とする請求項12に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  15. 前記洗浄液総量を基準に1重量%以下の腐蝕防止剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  16. 前記腐蝕防止剤は、リン酸塩、ケイ酸塩、亜硝酸塩、アミン塩、ホウ酸塩、及び有機酸塩からなる群から選択される何れか一つまたはこれらの組合わせからなることを特徴とする請求項15に記載の液浸リソグラフィシステム用洗浄液。
  17. 液浸リソグラフィシステムでフォトレジスト膜が形成された複数のウェーハを、液浸媒体を利用する液浸リソグラフィ工程によって露光するステップと、
    所定の周期が経過すれば、前記液浸リソグラフィシステム内で露光工程中に前記液浸媒体が接触した領域を、エーテル系溶剤、アルコール系溶剤、及び準水系溶剤を含む洗浄液を使用して洗浄するステップと、
    前記洗浄された液浸リソグラフィシステムでフォトレジスト膜が形成された複数の他のウェーハを、液浸媒体を利用する液浸リソグラフィ工程によって露光するステップと、を含むことを特徴とする液浸リソグラフィ工程。
  18. 前記洗浄ステップは、
    前記液浸リソグラフィシステム内で露光工程中に前記液浸媒体が接触する領域に前記洗浄液を所定時間フローさせて汚染物を除去するステップと、
    前記領域に純水を所定時間フローさせて前記領域をリンスするステップと、を含むことを特徴とする請求項17に記載の液浸リソグラフィ工程。
  19. 前記複数のウェーハを露光する間に、前記液浸リソグラフィシステム内で前記液浸媒体が接触する領域に堆積する汚染物の堆積量をモニタリングするステップをさらに含み、
    前記所定の周期は、前記汚染物の堆積量によって決定されることを特徴とする請求項17に記載の液浸リソグラフィ工程。
  20. 前記所定の周期は、前記液浸リソグラフィシステムで露光されるウェーハの枚数によって決定されることを特徴とする請求項17に記載の液浸リソグラフィ工程。
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