[0053] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
[0054] 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
[0055] パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
[0056] 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、特定のパラメータに従って基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
[0057] パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
[0058] 照明システムILは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組合せなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
[0059] 支持構造MTはパターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置の設計、及び他の条件、例えばパターニングデバイスMAが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスMAを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスMAを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0060] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0061] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0062] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。投影システムのタイプは、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含むことができる。投影システムの選択又は組合せは、適宜、使用する露光放射、又は液浸液の使用又は真空の使用などの他の要因に合わせて行われる。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0063] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0064] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0065] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源SOとリソグラフィ装置とは、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源SOが水銀ランプの場合は、放射源SOがリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0066] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するアジャスタADを備えていてもよい。通常、少なくともイルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。放射源SOと同様、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一部を形成すると考えてもよいし、又は考えなくてもよい。例えば、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一体化部分であってもよく、又はリソグラフィ装置とは別の構成要素であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置は、イルミネータILをその上に搭載できるように構成することもできる。任意選択として、イルミネータILは着脱式であり、別に提供されてもよい(例えば、リソグラフィ装置の製造業者又は別の供給業者によって)。
[0067] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスMAによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過する。投影システムPSは、ビームBを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けを借りて、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めできるように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
[0068] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
[0069] ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームBに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
[0070] スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームBに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分Cの(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分Cの(スキャン方向における)高さが決まる。
[0071] 別のモードでは、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームBに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0072] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0073] ある構成では、液体供給システムは、基板及び/又は基板テーブルとすることができる下地表面の局所区域にのみ液体を提供することができる。液体は、液体閉じ込めシステムを使用して、投影システムの最終光学要素と、基板(基板は、一般に、投影システムの最終光学要素よりも表面積が大きい)などの下地表面との間に閉じ込めることができる。
[0074] 投影システムPSの最終要素と基板との間に液体を提供する構成がいわゆる局所液浸システムIHである。このシステムでは、液体が基板の局所領域にのみ提供される液体ハンドリングシステムが使用される。液体によって充填された空間は、基板の上面よりも平面視で小さく、液体で充填された領域は、基板Wがその領域の下で移動している間、投影システムPSに対して実質的に静止したままである。図2〜図5には、4つの異なるタイプの局所液体供給システムが示されている。
[0075] これを配置するために提案されている1つの方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号に開示されている。図2及び図3に示すように、液体は、少なくとも1つの入口によって基板上に、好ましくは最終要素に対する基板の移動方向に沿って供給される。液体は、投影システムの下を通過した後に少なくとも1つの出口によって除去される。すなわち、基板が要素の下で−X方向にスキャンされるにつれて、液体は要素の+X側で供給され、−X側で取り上げられる。図2は、液体が入口を介して供給され、低圧源に接続された出口によって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示す。図2では、液体は、最終要素に対する基板の移動方向に沿って供給されるが、必ずしもそうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口のさまざまな向き及び数が可能であり、一例が図3に示され、ここでは、両側に出口を有する4組の入口が最終要素の周囲に規則的パターンで提供される。液体のフローの方向は、図2及び図3に矢印で示されていることに留意されたい。
[0076] 局所液体供給システムによる液浸リソグラフィのさらなる解決法が図4に示されている。液体は、投影システムPSの両側の2つの溝状の入口によって供給され、入口から半径方向外向きに配置された複数の離散的な出口によって除去される。入口及び出口は、投影される投影ビームが通る孔が中心にある板に配置することができる。液体は、投影システムPSの一方の側の1つの溝状の入口によって供給され、投影システムPSの他方の側の複数の離散的な出口によって除去され、投影システムPSと基板Wの間に液体の薄膜のフローを引き起こす。入口と複数の出口のどの組合せを使用するかの選択は、基板Wの移動方向によって決定することができる(入口と複数の出口の他の組合せは動作しない)。液体のフローの方向は、図4に矢印で示されていることに留意されたい。
[0077] 提案されている別の構成は、液体供給システムに液体閉じ込め部材を提供する構成である。液体閉じ込め部材は、投影システムの最終要素と基板テーブルとの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在している。そのような構成を図5に示す。液浸システムは、例えば基板などの限定区域に液体を供給する液体閉じ込め構造を有する局所液体供給システムを有する。液体閉じ込め構造は、投影システムの最終要素と基板、基板テーブル、又はその両方の下地表面との間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する。(以下の説明で、基板の表面という表現は、明示的に断りのない限り、追加的に又は代替的に、基板テーブルの表面も指すことに留意されたい)。液体閉じ込め部材は、投影システムに対してXY平面で実質的に静止しているが、Z方向(光軸方向)には相対的に多少動くことができる。ある実施形態では、液体閉じ込め構造12と基板Wの表面との間には封止が形成されている。封止は、ガスシールなどの流体シール又は毛管力による封止などの非接触封止でよい。そのようなシステムが、参照によりその全体を本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。
[0078] 液体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に少なくとも部分的に液体を封じ込める。液体が基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の空間内に閉じ込められるように、基板Wへの非接触封止16を投影システムのイメージフィールドの周囲に形成することができる。液浸空間は、投影システムPSの最終要素の下に位置しそれを取り囲む液体閉じ込め構造12によって少なくとも部分的に形成される。液体は、投影システムの下の空間、及び液体入口13によって液体閉じ込め構造12内に流し込まれる。液体は、液体出口13によって除去することができる。液体閉じ込め構造12は、投影システムの最終要素から上に少し延在することができる。液体のバッファが提供されるように、液面は最終要素より上に上昇する。ある実施形態では、液体閉じ込め構造12は、上端で、投影システム又はその最終要素の形状にぴったりと一致する、例えば円形の内周を有する。底部で、内周は、イメージフィールドの形状、例えば矩形にぴったりと一致するが、これはそうでなくてもよい。
[0079] ある実施形態では、液体は、使用時に、バリア部材12の底部と基板Wの表面との間に形成されるガスシール16によって液浸空間11内に封じ込められる。封止なし(例えば、オールウェット実施形態で)のように、毛管力及びメニスカス固定による封止のように別のタイプの封止も可能である。ガスシールは、ガス、例えば、空気又は合成空気によって形成されるが、ある実施形態では、N2又はその他の不活性ガスによって形成される。ガスシール内のガスは、入口15を介して液体閉じ込め構造12と基板Wとの間のギャップに加圧下で提供される。ガスは、出口14を介して抽出される。内側に液体を閉じ込める高速のガスのフロー16が存在するように、ガス入口15上の過圧、出口14上の真空レベル及びギャップの幾何構造が配置されている。液体閉じ込め構造12と基板Wとの間の液体上のガスの力で、液体は液浸空間11内に封じ込められる。入口/出口は、空間11を取り囲む環状の溝であってもよい。環状の溝は、連続的であっても又は不連続的であってもよい。ガスのフロー16は、液体を空間11内に封じ込める効果がある。そのようなシステムは、米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。
[0080] その他の構成も可能であり、以下の説明から明らかになるように、本発明のある実施形態は、液体供給システムとして任意のタイプの局所液体供給システムを使用することができる。
[0081] 図6は、液体供給システムの一部である液体閉じ込め構造12を示す。液体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終要素の周囲(例えば、円周)を囲んで延在する。
[0082] 液体閉じ込め構造12の機能は、投影ビームが液体を通過することができるように、投影システムPSと基板Wとの間の空間11内に液体を少なくとも部分的に維持するか又は閉じ込めることである。
[0083] 空間11を画定する表面の複数の開口20は、空間11に液体を提供する。液体は、側壁28、22の開口29、20をそれぞれ通過してから空間11に流入する。
[0084] 液体閉じ込め構造12の底部と基板Wとの間に封止が提供される。図6で、封止デバイスは、無接触シールを提供するように構成され、いくつかのコンポーネントから成り立っている。投影システムPSの光軸から半径方向外向きに、空間11内に延在する(オプションの)フロー制御板50が提供される。基板W又は基板テーブルWTの方を向いた液体閉じ込め構造12の底面のフロー制御板50から半径方向外向きに開口180を配置することができる。開口180は、基板Wへ向かう方向に液体を提供することができる。結像の間、これは、基板Wと基板テーブルWTとの間のギャップを液体で充填することで液浸液内の気泡の形成を防止する役に立つ。
[0085] 開口180から半径方向外向きに液体閉じ込め構造12と基板W及び/又は基板テーブルWTとの間から液体を抽出する抽出器アセンブリ70を配置することができる。抽出器アセンブリ70は、単相又は2相抽出器として稼働することができる。
[0086] 抽出器アセンブリ70から半径方向外向きに凹部80を配置することができる。凹部80は、入口82を通して大気に通じている。凹部80は、出口84を通して低圧源に通じている。凹部80から半径方向外向きにガスナイフ90を配置することができる。抽出器アセンブリ、凹部及びガスナイフの一構成が全体として本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2006/0158627号に詳細に開示されている。ある実施形態では、ガスナイフはないことに留意されたい。
[0087] 抽出器アセンブリ70は、全体として本明細書に組み込むものとする米国特許出願公開US2006−0038968号に開示するような液体除去デバイス又は抽出器又は入口を備える。ある実施形態では、液体除去デバイス70は、液体を気体から分離して単一液相の液体抽出を可能にするための多孔質材料110によって覆われた入口を備える。チャンバ120内の加圧は、多孔質材料110の孔に形成されたメニスカスによって周囲ガスが液体除去デバイス70のチャンバ120内に引き込まれないように選択される。
しかし、多孔質材料110の表面が液体と接触すると、フローを制限するメニスカスは存在せず、液体は、液体除去デバイス70のチャンバ120内に自由に流れ込むことができる。
[0088] 多孔質材料110は、例えば、5〜50μmの範囲の幅、例えば直径がdholeの小さい孔を多数有する。多孔質材料110は、液体を除去する表面、例えば、基板Wの表面から50〜300μmの範囲の高さに維持されている。ある実施形態では、多孔質材料110は少なくともわずかに親液性である。すなわち、水などの液浸液に対して90°未満、望ましくは85°未満、又は望ましくは80°未満の動的接触角を有する。
[0089] 投影システムPSと液体閉じ込め構造12との間の液浸液のレベルは、変動する場合がある。液浸液は、投影システムPSの表面上に残存することがあり、投影システムの合焦に影響を与える熱負荷を加える場合がある。液体は、液体閉じ込め構造12上へと流れ、空間11からこぼれ出る。図6には具体的に示されていないが、投影システムPS、液体閉じ込め構造12、又はその両方上に、疎液性(例えば疎水性)表面が存在する場合がある。この表面はコーティングの形とすることができる。疎液性表面は、開口周囲の液体閉じ込め構造12の頂部周辺に、及び/又は投影システムPSの最終光学要素周辺に帯域を形成することができる。疎液性表面は、投影システムPSの光軸から放射状に外側に向かっていてもよい。疎液性(例えば疎水性)表面は、空間11中の液浸液を維持するのに役立つ。
[0090] 図5及び図6の例は、液体が任意の一時点で基板Wの上面の局所領域にのみ提供される、いわゆる局所領域構成である。気体抵抗原理を利用する流体ハンドリングシステムを含む他の構成も可能である。いわゆる気体抵抗原理は、例えば、2009年5月6日出願の米国特許出願公開US2008−0212046号及び米国特許出願US12/436,626号に記載されている。そのシステムでは、抽出孔が、望ましくは、角を有する形状に配置されている。角は、ステップ及びスキャン方向に整列していてもよい。これによって、2つの出口がスキャン方向に垂直に整列していた場合と比較して、ステップ又はスキャン方向の所与の速度に対して流体ハンドリング構造の表面の2つの開口の間のメニスカスにかかる力が低減する。本発明のある実施形態は、オールウェット液浸装置で使用される流体ハンドリング構造に適用することができる。オールウェット実施形態では、例えば、投影システムの最終要素と基板との間に液体を閉じ込める閉じ込め構造から液体が漏出できるようにすることで、流体は実質的に基板テーブルの上面全体を覆うことができる。オールウェット実施形態の流体ハンドリング構造の一例は、2008年9月2日出願の米国特許出願US61/136,380号に記載されている。
[0091] 本発明のある実施形態を上記の構造を備えた液体閉じ込め構造12に関して説明する。しかし、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の液浸空間に液体を提供する任意の他のタイプの液体閉じ込め構造又は液体ハンドリングシステムを本発明のある実施形態で適用することができることは明らかであろう。局部液浸リソグラフィ装置とオールウェット構成の両方の液体閉じ込め構造又は流体ハンドリングシステムを本発明のある実施形態で適用することができる。
[0092] リソグラフィ装置では、例えば、液体閉じ込め構造及び/又は基板テーブルWTの表面などの液浸空間の表面などの表面のうちの1つ又は複数の表面の汚染物が、除去されない場合は経時的に堆積する場合がある。このような汚染物は、トップコート及び/又はレジストのフレークなどの粒子を含む場合がある。粒子は、一般に、フッ素化ポリメチルメタクリレート樹脂などの置換アクリル系重合体を含む。存在する汚染物を除去するために洗浄液を表面に供給することができる。
[0093] 本発明のある実施形態は、液浸リソグラフィ装置内の汚染物の問題を解決するのに役立つように意図されている。このような汚染物は、基板に欠陥を発生させるだけでなく、例えば、液体除去デバイス70の多孔質材料110が汚染物によってブロックされてしまう場合など、液体閉じ込め構造12の性能損失につながる場合もある。これにより、液体閉じ込め構造12と基板W及び/又は基板テーブルWTとの間の封止が破壊され、結果として、液体が空間11の外へ出るという望ましくない損失が生じる。
[0094] 2008年10月21日出願の米国特許出願公開US2009−0195761号及び米国特許出願第61/193,003号は、液浸リソグラフィ装置で使用することができる洗浄溶液及び典型的な洗浄スケジュールに関する。
[0095] 米国特許出願公開US2009−0195761号では、リソグラフィ装置を洗浄を実行するために分解する必要のない洗浄スケジュールが開示されている。米国特許出願第61/193,003号は洗浄液に関し、特に、リソグラフィ装置のコンポーネントに有害な影響を与えることのない洗浄液に関する。
[0096] 2009年5月14日出願の米国特許出願第61/178,432号に記載されているように、汚染物の堆積を洗浄及び/又は防止するために、基板の結像時に液浸液中で添加剤(例えば活性洗浄剤)を使用することができる。汚染の防止は、液浸液(一実施形態では超純水)の高透過率を維持すると同時に、またリソグラフィ装置のコンポーネントに損傷を与えることなく達成することができる。一実施形態では、液浸液に追加される添加剤は、例えば1ppm以下の希釈濃度で存在する。
[0097] 一実施形態では、液浸リソグラフィ装置自体が、第1及び第2の液体源からの液体を混合する。第1の液体源は、通常の液浸液源(例えば超純水源)などのベース液源であってよく、第2の液体源は、第1の液体源からの液体に混合される添加剤(例えばクリーナ)源である。他の液体源に他の添加剤を提供することもできる。
[0098] 基板は、一般に、底部反射防止コーティング(BARC)、レジスト、及びトップコートでコーティングされる。トップコートは、一般に、例えば液浸流体との接触を長引かせる悪影響に対して、光反応性レジストを保護する働きをする。追加的に又は代替的に、トップコートを使用して、液浸液との接触時に、塗布基板上面の所望する接触角を実現することができる。レジストは、液浸露光プロセスにおいてトップコートなしで使用することができるように開発されてきた。このようなレジストは、時には「トップコートレスレジスト」と呼ばれる。このようなトップコートレスレジストは、トップコートの使用が必要なレジストよりも接触角が大きい。このようなレジストは、トップコートとは異なる化学組成を有する。したがって、トップコートレスレジスト塗布基板から生成される汚染粒子の組成は、トップコート塗布基板のそれとは異なる。したがって、液浸システムにおいてトップコートレスレジスト塗布基板を露光する場合に生成される異なるタイプの汚染物を洗浄するために異なる洗浄液を開発することができる。本発明のある実施形態によって、BARC、レジスト(トップコートレス又はその他)、及び/又はトップコートのすべての洗浄が想定される。
[0099] このような洗浄液の1つが乳濁液である。乳濁液洗浄液は、ベース液を含むか又はベース液からなる。このベース液は、少なくとも部分的に不混和性成分(例えば活性洗浄剤液)を含む液浸液又は水と同じであってもよい。少なくとも部分的な不混和性成分は、ベース液中に溶質として存在する場合があり、ベース液中に懸濁する液滴として実質的に液体の形で存在する場合がある。
[00100] 洗浄という点で、純粋な又はほんのわずかに希釈された洗浄液を使用することは有益であるが、1つ又は複数の欠点を有する場合がある。第1に、リソグラフィ装置の1つ又は複数のコンポーネントの材料との洗浄液の化学的適合性が問題となる場合がある。さらに、高濃度の洗浄液に関する安全性の問題も存在する場合がある。洗浄が低濃度すぎると、望ましく実行するには遅すぎる。液浸リソグラフィ装置の幾つかの部品は、ペルフルオロアルコキシ(PFA)又はステンレス鋼で製造することができるため、純粋な形の洗浄流体には耐性がある。しかし、液浸リソグラフィ装置のすべての部分が洗浄液に耐性のある材料で製造されるとは限らず、それを解決するには再設計及びアップグレードが必要となる。ある特定のコンポーネントについては、機械的堅固さ及び液浸液との接触角の変更(例えば、単相抽出器の多孔質部材又は基板の縁部周囲の基板テーブルのコンポーネント)などの他の要件が、このような材料に合致しないため、実用的な解決法がない。したがって、材料の適合性及び/又は安全性の問題なしに十分な洗浄効率を達成することができるため、乳化状の液体中で活性洗浄剤を使用することが望ましい。さらに、必要な洗浄流体は、純粋な洗浄流体が使用される場合よりも少なくてよい。しかし、活性剤の濃度が高すぎる場合、乳濁液中に大きな液滴が形成される可能性があり、これによってリソグラフィ装置に損傷を引き起こす場合がある。ある実施形態では、洗浄流体が予想できるすべての場所で、PFA、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、及びステンレス鋼を使用することが望ましい。
[00101] 乳濁液である洗浄液を使用する場合、ベース液と部分的に不混和性(又は部分的に混和性)成分との割合は、洗浄液が確実に乳濁液であるような望ましい作業領域内にあるようにすることが重要である。洗浄液中に十分な量の上記成分が存在する場合、洗浄が実行できる。しかし、部分的な不混和性成分の洗浄液の割合がかなり大きい場合、例えば、疎液性コーティングなどの敏感な表面のような液浸システムの表面に損傷を生じさせることがある。
[00102] 乳濁液洗浄液は、2つの成分を含み、すなわち、ある量の部分的に不混和性(又は部分的に混和性)の成分を溶液中に含むベース液である液体と、ベース液とは別の乳濁液としてベース液中に懸濁する、少なくとも部分的に不混和性の成分の液滴と、を含む。ベース液とこの成分とが所与の割合の場合、液滴を形成する成分の量は、液体の温度、流量、及び/又は圧力、並びにベース液及び成分の混合プロセスの有効性を含むパラメータに依存するが、これらに限定されない。
[00103] 洗浄液中のベース液と別の成分との割合は、1つ又は複数のパラメータに依存する力学的平衡状態によって決定される場合がある。したがって、洗浄液の混合と供給との間で、混合後に乳濁液の条件が変化する場合がある。例えば、ベース液中の成分の液滴の平均サイズ及び/又は数密度が変化する場合、洗浄液中のベース液に溶解していない別の成分の容積による割合が変化する場合、ベース液中の溶質としての成分の濃度が変化する場合がある。乳濁液は不安定な場合があり、ベース液及び成分液の安定した相対的割合を達成するために、整定時間を必要とする場合がある。すなわち、乳濁液の粗大化を実行することができる。これは、例えば、液滴の合体、凝集、及び/又は沈殿(及び/又は密度率に応じてクリーミング)を意味する。
[00104] 液浸システムに供給される洗浄液中に存在する成分の割合がある特定のしきい値を上回る場合、液浸システムの表面は損傷を受ける場合がある。例えば、第2の成分の液滴サイズが大きくなりすぎた場合、装置の敏感な部分が損傷を受ける場合がある。これを避けるために、成分の高容積分率が使用される場合、混合時のより多くのせん断又はより多くの界面活性剤が必要となる場合がある。液体状の成分は、液浸システムの表面に存在する材料を溶解するだけの十分な化学的強度を有することができる。ベース液なしの成分の洗浄効果は、それ自体で使用される成分にとって大きすぎる場合がある。別の成分液の割合が最低しきい値を超えていること、それが低すぎないことを確認することが望ましい。洗浄液の洗浄効果が低すぎる場合、洗浄には望ましい時間よりも長くかかる場合がある。休止時間が増加する場合がある。
[00105] したがって、供給される乳濁液が損傷を発生させることなく確実に効果的に洗浄するように、ベース液及び成分が混合される際のそれらの流量を制御し、及び/又は乳濁液又は乳化洗浄流体の状態(分散相率及び/又は液滴サイズ分布)を監視する洗浄液供給システムを有することが望ましい。乳濁液洗浄液を監視する際に、センサ又はセンサシステムを使用して、乳濁液の光学的特性などの乳濁液の物理特性を感知することができる。センサは光センサとすることができる。センサは、(これらに限定されないが)温度制御デバイス、液体供給デバイス、混合制御デバイス、及び/又は圧力制御デバイスなどの洗浄液供給システム内の1つ又は複数の制御デバイスに接続することができる。
[00106] 圧力制御デバイスは、洗浄液供給システム内の、例えばベース液及び/又は成分液がミキサに供給される際の圧力、乳濁液洗浄液が液浸システムに供給される際の圧力、あるいはその両方を制御することができる。温度制御デバイスを使用して、洗浄液供給システム内の混合前のベース液及び/又は成分液、さらにはミキサ内の混合洗浄液の温度を制御することができる。液体供給デバイスを使用して、ベース液及び/又は成分がミキサに供給される際の流量を制御することができる。混合制御デバイスは、ミキサに供給されるベース液及び/又は成分の、例えば量及び割合などの1つ又は複数のミキシングパラメータを制御することができる。
[00107] 図7及び図8は、本発明のある実施形態による、液浸リソグラフィ装置の洗浄液供給システム10の実施形態を概略的に示す。図7は、従来の液浸液供給部212と、クリーナ流体/混合物供給部224とが並列の実施形態を示す。図8は、従来の液浸液供給部212と、クリーナ流体/混合物供給部224とが直列の実施形態を示す。クリーナ流体/混合物供給部224は、従来の液浸液供給部212を備える既存の液浸リソグラフィ装置に後付けすることができる。
[00108] 図7は、コントローラ200の制御下にある液浸リソグラフィ装置のコンポーネントを示す。コントローラ200は、洗浄液供給システム10が液浸液と少なくとも1つの添加剤とを混合するように装置を制御する。洗浄液供給システム10は、第1の液体源210を備える。第1の液体源210は、通常、例えば超純水などの液浸液を提供する。第1の液体源自体を、例えば半導体製造工場(「fab」)内の、例えば超純水の供給部などの液浸液源に接続することができる。
[00109] 例えば液体成分などの成分のような添加剤の源である第2の液体源220も提供される。第2の液体源自体を、例えばfab内の添加剤コンテナなどの添加剤源に接続することができる。第2の液体源220からの添加剤は、単なる1つのタイプの添加剤、添加剤の希薄溶液、2つ以上のタイプの添加剤の混合物、あるいは、2つ以上のタイプの添加剤の溶液とすることができる。また、第3及び第4の液体源221、222を提供することもできる。この他の液体源221、222は、コントローラ200の制御下で選択的に液浸液中に混合可能な、他の添加剤を備えることができる。この他の液体源221、222中の添加剤は、上記液体のいずれかとすることができる。この他の液体源からの液体は、ベース液中の乳濁液を形成するための成分として使用することができる。
[00110] ある実施形態では、第2又は他の源のうちの少なくとも1つが、界面活性剤、洗浄剤、石鹸、酸、アルカリ、溶媒(非極性有機溶媒又は極性有機溶媒など)、安定剤、リソグラフィ装置に好適な任意の他のクリーナ、又はこれらの任意の組み合わせなどの添加剤を含むことができる。望ましい添加剤は、石鹸などの界面活性剤である。他の所望する添加剤は溶媒である。界面活性剤及び溶媒の組み合わせが特に望ましい。クリーナは、例えばアルキルオキシポリエチレンオキシエタノールなどのジエチレングリコールモノブチルエーテル及び/又はエトキシ化C12−14第2級アルコールを含むことができる。ある実施形態では、クリーナは、東京応化工業株式会社製のTLDR−A001又はTLDR−A001〜C4などの水、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及びエトキシ化C12−14第2級アルコールの混合物とすることができる。
[00111] ある実施形態では、クリーナは、水と、グリコールエーテル、エステル、アルコール、又はケトンを含む基から選択された1つ又は複数の溶媒と、界面活性剤とを含むことができる。ある実施形態では、水は不純物がなく、例えば水は超純水とすることができる。溶媒は、除去する汚染物と適度に適合するように選択しなければならない。これは、例えばハンセン理論(例えば、Charles M.Hansen氏の「Hansen Solubility Parameters」、第2版、CRC press、ISBN 0−8493−7248を参照のこと)を使用して決定することができる。通常、溶媒は、ハンセン理論を使用して決定された少なくとも50%の適合を有する(すなわち、ハンセン溶解度球の中心近くに位置する)。使用される溶媒は、一般に、水中で完全に混合可能でもある。ある実施形態では、溶媒は、水中での溶解度が10wt%より大きいものとすることができる。ある実施形態では、溶媒は、引火点が38℃より上、例えば70℃より上又は93℃より上とすることができる。
[00112] 洗浄流体中で使用するためのグリコールエーテルは、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、プロピレングリコールエチルエーテル(PGEE)、プロピレングリコールノルマルプロピルエーテル(PGPE)、ジプロピレングリコールノルマルプロピルエーテル(DPGPE)、プロピレングリコールノルマルブチルエーテル(PGBE)、ジプロピレングリコールノルマルブチルエーテル(DPGBE)、トリプロピレングリコールノルマルブチルエーテル(TPGBE)、又はプロピレングリコールターシャリーブチルエーテル(PGTBE)などのプロピレングリコールエーテル、あるいは、ジエチレングリコールメチルエーテル(DEGME)、ジエチレングリコールエチルエーテル(DEGEE)、ジエチレングリコールプロピルエーテル(DEGPE)、エチレングリコールブチルエーテル(EGBE)、又はジエチレングリコールブチルエーテル(DEGBE)などのエチレングリコールエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、又はジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(DPGMEA)などのプロピレングリコールエーテルアセテート、あるいは、エチレングリコールブチルエーテルアセテート(EGBEA)、又はジエチレングリコールブチルエーテルアセテート(DEGEA)などのエチレングリコールエーテルアセテートを含むことができる。ある実施形態では、グリコールエーテルは、DEGBE、DEGPE、PGME、及びDPGMEから選択することができる。ある実施形態では、グリコールエーテルはDEGBEである。
[00113] 洗浄流体中で使用するためのエステルは、エステル官能基を有する化合物を含むことができる。好適な化合物には、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、ガンマブチロラクトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、又は酢酸ガンマブチロールが含まれる。ある実施形態では、エステルは二塩基酸エステルである。ある実施形態では、エステルは乳酸エチル又はブチロラクテートである。ある実施形態では、エステルは環状エステルである。
[00114] 洗浄流体中で使用するためのケトンは、シクロヘキサノン又はジアセトンアルコールを含むことができる。
[00115] 洗浄流体中で使用するためのアルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール(イソプロパノールなど)、t−ブチルアルコール、4−メチル2−ペンタノール、又はシクロヘキサノールを含むことができる。
[00116] ある実施形態では、溶媒は、1つ又は複数のグリコールエーテル又はエステルから選択される。一実施形態では、溶媒は、1つ又は複数のグリコールエーテルから選択される。
[00117] ある実施形態では、溶媒は、DEGBE又は乳酸エチルから選択される。ある実施形態では、溶媒はDEGBEである。
[00118] ある実施形態では、界面活性剤は1つ又は複数の非イオン性、陽イオン性、又は陰イオン性の界面活性剤から選択される。ある実施形態では、界面活性剤は非イオン性界面活性剤から選択される。ある実施形態では、界面活性剤は、分子量が1000から3000の酸化エチレン/酸化プロピレンブロック共重合体である非イオン性界面活性剤を含む。好適なこのような界面活性剤は、BASF社からの1級水酸基が末端をなすPluronic(登録商標)L61二官能性ブロック共重合体界面活性剤である。ある実施形態では、界面活性剤は、Air Products社からのEnvirogem(登録商標)AD01などの消泡湿潤剤を含む。
[00119] ある実施形態では、添加剤はpH調整薬をさらに含むことができる。pH調整が存在する場合、これを使用して、確実に洗浄流体のpHが7から10、例えば8から10又は9から10であるようにするのに役立つ。好適なpH調整薬は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又はリン酸緩衝液などの無機塩基を含むことができる。溶液のpHを上げることで、汚染物質と表面との間の粘着力を低下させることができるため、結果としてより効率良く洗浄することができる。しかし一般に、pHを10よりも高くすることは、リソグラフィ装置の各部、例えば投影システムの光学要素などの損傷につながる場合があるため、避けるべきである。
[00120] ある実施形態では、添加剤は窒素含有化合物を含まないものとすることができる。ある実施形態では、洗浄流体はアンモニア及びアミンを含まないものとすることができる。これらの化合物は揮発性アルカリであり、フォトレジストの処理に悪影響を及ぼす場合がある。
[00121] 溶媒は一般に、主に化学溶解によって汚染物を除去するものと考えられる。
[00122] 一実施形態では、添加剤は、TLDR−A001又はTLDR−A001−C4である。
[00123] 一実施形態では、添加剤は石鹸と溶媒の混合物である。一実施形態では、添加剤は界面活性剤を含む。
[00124] 一実施形態では、添加剤はグリコールエーテル、エステル、アルコール、及び/又はケトンを含む。
[00125] 一実施形態では、添加剤はトップコートクリーナを含む。
[00126] 添加剤が界面活性剤である場合、これによって粒子が濡れ面(多孔質部材110など)に粘着する機会が低減する。したがって、粒子を抽出システム内へと洗い流すことができる。
[00127] 上記洗浄液のうちの1つ又は複数は、他の液体、すなわち液浸液などのベース液、例えば水の中に十分な濃度で存在する場合、乳濁液を形成する場合があることに留意されたい。このようなベース液中で、洗浄液は洗浄成分とみなすことができる。
[00128] 乳濁液を形成するための成分として好適な洗浄液を選択するには、ベース液として使用される液体中での溶解度の知識が必要である。このような情報は、ベース液が水などの周知の溶媒である場合、CRC Handbook of Chemistry and Physics(ISBN:0−8493−0479−2)などの周知の化学文書を参考にすることで得られる。この文書は、1は不溶性、2はわずかに溶性、3は溶性、4は非常に溶性、5は混和性、6は分解という溶解度の相対スケールに関する情報を与える。乳濁液中の成分として使用するのに好適な洗浄液はカテゴリ2又は3のものであるが、カテゴリ2の方が好ましい。カテゴリ1、4、又は5の洗浄液は望ましくない場合がある。このような情報は、それぞれ特定の市販洗浄液の製品安全データシート(MSDS)から入手できる。
[00129] 第1の液体源210からの液体は、供給を調節する液浸液供給部212に提供される。液浸液は、液浸液供給部212から導管を通してクリーナ供給部224へと供給される。ここで調整器225が、第1の液体源210から調節ユニット242への液浸液の流れを調整する。ある実施形態では、調節ユニット242は、液浸液を調節するための1つ又は複数のフィルタ、熱交換器などを備える。ある実施形態では、1つ又は複数の流体源から供給される流体をフィルタリングするためのフィルタが存在する。このフィルタは、液体をフィルタリングするためのフィルタとすることができる。ある実施形態では、例えば液体源などの各流体源が、流体が混合される前にフィルタを通して流体(例えば液体)を供給する。この場合、供給される流体中に存在する可能性のある粒子は、流体が混合されて洗浄液を形成する前に除去される。洗浄液は、少なくとも実質的に粒子を含まないものとすることができる。
[00130] 調整器225は、液浸液を注入点223へと提供する。点223で、第2の液体源220及び/又は他の液体源221、222からの成分液などの流体が第1の液体源210からの液浸液に加えられる。液体源210、220、221、222のうちの1つ又は複数の液体流路内で、注入点223の前に液浸液フィルタを配置することができる。
[00131] ある実施形態では、注入点223への液浸液のフローを調整するために、フロー調整器226が採用される。液体成分などの液体源220、221、222のうちの少なくとも1つからの添加剤は、混合物を形成するために液浸液中で希釈される。その後、混合物は、導管228に沿ってミキサ300に渡される。図9は、ミキサの一実施形態を示す。ある実施形態では、ミキサを使用して、液浸液中での非常に低濃度の添加物を達成することができる。ある実施形態では、ミキサは受動ミキサである。
[00132] 調節ユニット242からの液浸液は、ミキサ300に渡される。2つの液体が、コントローラ200の制御下でミキサ300で混合される。注入点223及び/又はミキサ300のある実施形態について、図9を参照しながら以下で説明する。
[00133] 導管310は、ミキサ300から液体閉じ込め構造12へと通じる。このようにして、成分液などの第2の液体源220及び/又は他の液体源221、222からの添加剤が追加された液浸液は、液体閉じ込め構造12に提供される。
[00134] 一実施形態では、添加剤を含む液体は、基板テーブルWT上の基板Wに面する液体閉じ込め構造12の下面に画定された開口180にのみ提供される。他の実施形態では、添加剤が追加された液浸液を、投影ビームPBが投影される際に通過する液浸空間11内への開口20に提供することもできる。このために、フローを調整するための弁248を提供することができる。
[00135] ある実施形態では、点線で示された他の導管213を提供することができる。他の導管213は、第2の液体源220又は他の液体源221、222からの液体と混合されていない液浸液を液体閉じ込め構造12に供給する。調整器246を使用して、このような供給部を制御することができる。添加剤を含む液体と並行した液浸液のこの供給は、(液浸液供給部)開口20から排出するためのものとすることができる。これにより、投影ビームPBが通過する液体内にいかなる添加剤も含まないため、有利な場合がある。したがって、投影ビームPBの伝送が添加剤によって低減されることがまったくない。追加的に又は代替的に、最終光学要素などの液浸システムの表面への堆積リスクも軽減される場合がある。この堆積は、洗浄液、炭素質とすることができる洗浄液の洗浄動作の生成物、又はその両方から導出される場合がある。この実施形態では、添加剤を有する液体は、特に汚染物の影響を受けやすい可能性のある液浸システムの部材である多孔質部材110と接触する可能性が大きい液体となる。一実施形態では、液体閉じ込め構造12は、2つのタイプの液体排出開口20及び180が、確実に実質的に依然として別々であるようにするのに役立つように構成される。
[00136] 図8は、以下で説明する点を除き、図7の実施形態と同じ実施形態を示す。図8の実施形態では、液浸液供給部212及びクリーナ供給部224は直列である。例えば成分液などの第2及び/又は他の液体源220、221、222からの添加剤は、クリーナ供給部224内のミキサ300によって、液浸液などのベース液と混合される。1つの導管310は、クリーナ供給部224を出て、液体コンディショナ242に至る。
[00137] 他のすべての実施形態と同様に、(例えば貯蔵容器内で)事前に混合された乳濁液を供給することができる。その場合、乳濁液は、例えば、ミキサ300への洗浄液供給システム10のコンポーネントを使用して、及び貯蔵容器へのミキサ300下流の乳濁液を回収して、オフサイト又はオフラインで準備することができる。次に乳濁液は、液体閉じ込め構造12に提供されるミキサ300の直上流又は下流のコンポーネントを備えるシステムに提供することができる。
[00138] 図7の実施形態の導管213と同様のオプション導管245が提供できる。この導管245は、任意選択で、コンディショナ242と同様の液体コンディショナを有することができる。調整器246を使用して導管213を通して液体閉じ込め構造への供給を制御することができる。
[00139] 図9は、注入点223又はミキサ300の一実施形態を示す。ある実施形態では、乳濁液洗浄液を形成するために、例えば液浸液などのベース液に追加される、例えば成分などの添加剤の容積の割合は、1:5から1:30の比率の範囲内にあり、ここで容積の大きい方がベース液である。ある実施形態では、この割合の範囲は、例えばベース液中の添加剤(例えば有機溶媒)の混和性に依存して、1:10から1:20、例えば1:10から1:15である。液浸液のフローラインへの添加剤の流量を単に低く維持しながら計量供給することは困難な場合がある。装置によって使用される液体が大量であるため、添加剤と事前に混合された洗浄液の1つの流体源を供給することは実用的でない場合がある。洗浄液は、例えば貯蔵中など長期間残存した場合、不安定な場合がある。
[00140] 図9では、第1の液体源210、すなわち超純水などの例えば液浸液などのベース液と流体連通しているライン400が提供される。第1の液体源210からの液体は、第1、第2、第3、及び第4のリザーバ410、420、430、440に計量供給することができる。液体成分などの第2の液体源220(及び/又は他の液体源221、222)からの液体は、導管450を通して第1のリザーバに計量供給することができる。導管450を通してリザーバ410に送られる第2又は他の液体源220、221、222からの液体量に比べて、第1の液体源210からリザーバ410へ大量の液体を計量供給することにより、第1の液体源210からの液体中の第2又は他の液体源220、221、222からの液体の濃度を低くすることが、リザーバ410内で達成することができる。
[00141] 第1のリザーバ410が満杯になると、第1のリザーバ410からの液体は、導管451を通して第2のリザーバ420へ計量供給することができる。第1の液体源からの液体も、導管400を通して第2のリザーバ420へ計量供給することができる。第1の液体源210からの液体の量が、第1のリザーバ410からの液体の量よりも確実にはるかに多いようにすることによって、第2のリザーバ420内の添加剤の濃度を第1のリザーバ410内の添加剤の濃度よりもはるかに低くすることができる。
[00142] 第3のリザーバ430及び第4のリザーバ440についても、第2のリザーバ420から第3のリザーバ430へ、及び第3のリザーバ430から第4のリザーバ440へ計量供給することによって、同様のプロセスを繰り返すことができる。次に、第4のリザーバ440からの液体の濃度は非常に低いが正確に決定され、導管310を通してミキサ223、300から液体閉じ込め構造12へと提供することができる。
[00143] このシステムは、第1のリザーバ410を最初に満たすことによって動作し、このリザーバは補充が必要となるまで長期間液体を貯蔵しておく。第2のリザーバ420は第1のリザーバ410よりも早く補充されることになり、同様に第3、第4の順となる。この方法では、任意の数のリザーバを使用することができる。所望の数は、少なくとも2つである。第2又はその他の液体源220、221、222からの液体は、すでに希釈された形であってよい。
[00144] 連続した動作を確実に行うのに役立つように、例えば最終リザーバなどの他のリザーバを提供することができる(図9では第4のリザーバ441)。他のリザーバ441には、第1の液体供給部210からの導管400を通したベース液、及び第3のリザーバ430からの液体を供給することができる一方で、第4のリザーバ440からの液体は、液体閉じ込め構造12へ供給される。第4のリザーバ440が空の場合、液体閉じ込め構造12への液体の供給は、他のリザーバ441から中断なく続行できる。この期間中に、第4のリザーバ440は再度補充され、他のリザーバを使い切った際に使用できるよう準備される。
[00145] 図9のミキサは、単なる1種類のミキサに過ぎない。他のタイプの好適なミキサが図11から図15に示されている。図11から図15に示すミキサは、それぞれ受動混合デバイスである。各ミキサ300は、一方152は液体の入口用、他方154は液体の出口用という2つの端部を有する。図11から図15に示す実施形態では、液体は互いに導入されている。ミキサの目的は、混合された液体が、安定した乳濁液が形成されるように、確実に十分に混合されるようにすることである。混合には、液滴サイズが確実にあるしきい値を超えないようにすることも必要な場合がある。ミキサは、混合された液体が確実に十分に攪拌されるようにする。受動構成では、これは、混合液が蛇行通路を通過することによって達成することができる。図9に従った構成では、洗浄液に所望する安定した乳濁液を提供するために、混合された液体を攪拌することができる。
[00146] 図10は、洗浄液供給システム10の他の実施形態を示す。図10の実施形態は、乳濁液を供給するように具体的に設計されている。図10の実施形態では、ベース液及び少なくとも部分的に不混和性成分が、まとめて容器500内に提供される。ベース液及び少なくとも部分的に不混和性成分は、リソグラフィ装置の現場へ容器500を送達する際に、容器500内に提供してもよい。あるいは、ベース液及び少なくとも部分的に不混和性成分を現場でまとめて混合し、容器500に入れることもできる。ある実施形態では、ベース液及び少なくとも部分的に不混和性成分を、それぞれ別の容器から流量制御弁を通して、また任意選択でフィルタを通して、例えば図7及び図8の実施形態に示されたものと同様の方法で提供することができる。
[00147] 容器500内の2相混合物は、ポンプ510と流体連通している。ポンプ510は、1つ又は複数の液体源以外の洗浄液供給システム10のすべてのコンポーネント(例えば、容器500又は別の容器、1つ又は複数の流量制御弁、及び1つ又は複数のフィルタ)の上流にある。すなわち、ミキサ300、温度センサ520、フィルタ530、圧力センサ535、検出器350、弁540、ケミカルドレイン545、マルチ弁550、バイパスアセンブリ513、及び高周波励振機560は、すべてポンプ510下流にある。
[00148] ポンプ510を使用して、液体供給デバイス10内のミキサ300及びフィルタ530、並びにポンプ510下流にある他の部分によって引き起こされる圧力損失を克服する。したがってポンプ510は、洗浄液供給システム10から液体を引き出すのではなく、洗浄液供給システム10へと乳濁液を押し入れる。
[00149] ある実施形態では、容器500がガスで加圧され、それによって洗浄液供給システム10へと乳濁液が押し入れられる。その場合、ポンプ510は必要ない場合がある。
[00150] ベース液、少なくとも部分的に不混和性成分、又は混合された乳濁液の流量は、液体フローコントローラ、又はコントローラ200の制御下にある他のタイプのフロー制御デバイスによって決定される。圧力1〜5バールで1〜5リットル/分の流量が典型的である。
[00151] ポンプ510の下流にはミキサ300がある。望ましくは、ミキサ300は、乳濁液の1つ又は複数の所望する特性を生成するように最適化される。混合デバイスのタイプは、乳濁液中の少なくとも部分的に不混和性成分の所望の液滴サイズによって決定することができる。特に、ミキサ300は乳濁液の液滴サイズを制御するように最適化できる。図11から図15は、ミキサ300のいくつかの実施形態を示す。ミキサ300は、乳濁液を攪拌するように設計される。乳濁液は貯蔵容器500内で沈殿する傾向があるため、分離が生じる。ミキサ300は、液滴サイズの均質な分布を生成すること、及びある特定の例えば所定の範囲内に入るような液滴サイズを創出することが意図される。一実施形態では、ミキサ300は、入ってくる乳濁液の液滴を分解するために、流体内に大きなせん断応力を生じさせる。ある実施形態では、ミキサ300は受動ミキサである。
[00152] 温度センサ520は、ミキサ300の下流に提供される。温度センサ520からの信号はコントローラ200に渡される。温度センサ520によって測定された乳濁液の温度がある特定のレベルよりも、例えば所定のレベルよりも高くなった場合、ミキサ300によって提供される混合動作を低減させることができる。これが、乳濁液の温度が高くなりすぎるのを防ぐのに役立つ。コントローラ200は、(例えばポンプ510を通過する流量を低減することによって)ミキサ300の混合動作を低減させ、それによって乳濁液の温度を低下させる。温度センサ520によって測定された乳濁液の温度が高すぎる場合、液体閉じ込め構造12に乳濁液が到達するのを防ぐことができる。例えば、以下で説明する弁540によって、乳濁液のフローをドレイン545へと切り替えることができる。一実施形態では、コントローラ200は、フィードバック式に温度センサ520からの信号に基づいてミキサ300及び/又は流量を制御することができる。
[00153] 粒子フィルタ530は、温度センサ520下流に提供される。粒子フィルタ530は、大きすぎる少なくとも部分的に不混和性成分のいかなる液滴をもフィルタリングする。すなわち、フィルタ530は、ある特定のサイズよりも大きい、例えば所定のサイズよりも大きい、少なくとも部分的に不混和性成分のいかなる液滴もフィルタで取り除くように設計される。例えば、フィルタ530を使用して、少なくとも部分的に不混和性成分の液滴をフィルタリングすることができ、そうでなければ、洗浄液供給システム10、あるいは、洗浄流体が通過する液体閉じ込め構造12内に形成された導管又は開口の下流にある1つ又は複数の液浸液粒子フィルタで目詰まりする。液浸液フィルタは、通常、30μmまでのサイズの粒子をフィルタリングするが、図6に示す多孔質部材110内の抽出器70内の細孔の細孔サイズは、ほぼ10〜20μmの場合がある。したがって、一実施形態では、フィルタ530が、直径5μmより大きな少なくとも部分的に不混和性成分の液滴をフィルタで取り除くように構成される。
[00154] すべての実施形態で、所望の液滴サイズの範囲は0.5〜5μm、例えば5μm未満であるか、又は直径が0.5〜2.0μmの範囲内である。ある実施形態では、2μmの液滴サイズが使用される。さらに、液滴サイズが大きすぎる場合、乳濁液が液体閉じ込め構造12に到達する前、又は液体閉じ込め構造12の洗浄中に相分離が発生する場合がある。一実施形態では、最大液滴サイズは10μmである。
[00155] 上述のいわゆる気体抵抗原理の流体ハンドリングシステムで使用される開口は、直径が20μm程度とすることができ、20から100μmの範囲内とすることができる。したがって、20μm及びそれより大きい液滴サイズは、それらの開口と同じサイズであるため、このような大きな液滴サイズはそのタイプの流体ハンドリングシステムには望ましくない。開口がさらに大きい場合であっても、開口のほとんどを閉塞することなく、及びおそらくはこれを封止することなく液滴が通過するために、液滴の直径を、例えば望ましくは最大の開口直径の半分よりも小さくすることができる。
[00156] ある実施形態では、液浸リソグラフィ装置は、乳化洗浄液源及びフィルタを備える液体供給デバイスを備える。フィルタは、ある特定の直径より直径の大きい乳化洗浄流体の第2の液体の流体液滴をフィルタリングするように構成される。ある実施形態では、液浸リソグラフィ装置は、フィルタにかかる圧力の低下を測定するための圧力センサをさらに備える。ある実施形態では、液浸リソグラフィ装置は、圧力センサがある特定のレベルを超える圧力損失を測定した場合、信号を生成するように構成されたコントローラをさらに備える。圧力センサは、以下で説明する図15の篩全体にわたって同じように使用することができる。
[00157] フィルタ530は、液浸液が水の場合の液浸液用のフィルタとは異なる。一実施形態では、フィルタ530は提供されないが、例えば図11の実施形態のように、それら2つの液体が別の相である場合(すなわち、それらが容器500の上流で1つにまとめられる前)、ベース液(水など)及び少なくとも部分的に不混和性成分のフィルタリングは実行される。このような実施形態では、能動ミキサは混合時により多くの粒子を生成する可能性が高く、それらの粒子は液体閉じ込め構造12に提供される前にフィルタ530を通過しなくてもよいため、ミキサ300は受動ミキサであることが望ましい。一実施形態では、数バール(例えば1〜5)の圧力を液体に加え、液体にフィルタ530を通過させることができる。
[00158] フィルタ530の目詰まり(又は少なくとも部分的な閉塞)は監視されなければならない。このため、フィルタ530にかかる圧力の低下を測定するための圧力センサ535が提供される。圧力センサ535からの信号はコントローラ200に送られる。これによってコントローラは、フィルタ530が目詰まりしたことを判定し、その旨の信号を生成することができる。一実施形態では、コントローラ200は、例えばフィルタ530の交換が必要であることをユーザに示すことができる。
[00159] フィルタ530の下流には検出器350がある。検出器350はコントローラ200に信号を送信し、それらをまとめて乳濁液診断ユニットを形成する。検出器350は、乳濁液の1つ又は複数の特性、特に1つ又は複数の品質パラメータを検出する。例えば検出器350は、例えばスキャトロメトリ法によって、液滴サイズ及び/又は液滴サイズ分布を測定する。例えば、液滴サイズが許容不可である場合、弁540は乳濁液をドレイン545へと誘導するように調整することができる。追加的に又は代替的に、コントローラ200は、これが可能であり、追加的に又は代替的に、ポンプ510及び/又はミキサ300のパラメータを制御することができるような実施形態では、ベース液と少なくとも部分的に不混和性成分との割合を変更することができる。
[00160] 検出器350の下流には弁540がある。弁540は、コントローラ200の制御下にある。弁540を使用して、乳濁液のフローをドレイン545へと誘導し、ここで廃棄、リサイクル、又は後で使用するために(例えば、リソグラフィ装置とは離れて混合が実施される場合)事前に混合する場合の貯蔵、の中から選択した少なくとも1つのために回収することができる。測定された乳濁液の特性が許容不可の場合、弁540が作動する。例えば、組成、温度、液滴サイズ、又は液滴サイズ分布のうちの1つ又は複数が、ある特定のパラメータの範囲を外れる、例えば所定のパラメータの範囲を外れた場合、乳濁液をドレイン545へと誘導するようにダイバータバルブ540を切り替えることができる。コントローラ200は、例えば、ベース液と少なくとも部分的に不混和性成分との割合がある特定の範囲内にない、例えば所定の領域内にない場合、弁を作動させ、乳濁液をドレイン545へと誘導することができる。ある実施形態では、乳濁液は有害物質でないため、いかなる追加の安全測定も実施することなく、乳濁液をドレイン545へと誘導して差し支えない。
[00161] 任意選択で、ダイバータバルブ540の下流、及び以下で説明するバイパスアセンブリ513の上流にマルチ弁550が提供される。マルチ弁550は、ダイバータバルブ540を通して到達する乳濁液、又は提供することができる1つ又は複数の代替洗浄流体221、220の間で切り替えることができる。洗浄流体221、220は、図7及び図8の実施形態で説明されるように、水などの液浸液と混合するか、又は水などで割ってもよい(又はすでに混合されていてもよい)。マルチ弁550の特徴は、相互に排他的なことである。すなわち、代替洗浄流体220、221のうちの1つから、又は弁540からのフローのみを通過させる。マルチ弁550が様々な源220、221、540からの流体を混合することは不可能である。
[00162] 液浸装置のユーザが特定用途向けの洗浄流体を使用したい場合があるため、マルチ弁550が提供される。したがってユーザは、乳濁液での洗浄は望まないが、異なるタイプの流体での洗浄を希望する場合があり、マルチ弁550がこれを可能にする。ある実施形態では、追加の洗浄流体220、221を、実際には、図7又は図8の実施形態で示されるような洗浄液供給システムを通してマルチ弁550に提供することができる。
[00163] マルチ弁550の下流にはバイパスアセンブリ513がある。バイパスアセンブリ513は、液浸液を液体閉じ込め構造12に提供するように構成された正規の液体供給システムのコンポーネントを、乳濁液が確実に迂回するようにするものであり、そうでなければこのコンポーネントは乳濁液によって損傷を受ける場合がある。例えば、1つ又は複数の液浸液フィルタ及び/又は熱交換器は、乳濁液によって損傷を受ける場合がある。あるいは、洗浄後にこのようなコンポーネントから乳濁液を洗い流すのに長い時間がかかる場合があるため、最初からバイパスアセンブリ513を使用してこれを迂回することが望ましい。バイパスアセンブリ513は、図7及び図8の実施形態のバイパスアセンブリ213と同様である。
[00164] バイパスアセンブリ513の下流、及び液体閉じ込め構造12の直上流に、任意選択で、高周波励振機560が提供される。高周波励振機560は、少なくとも部分的に不混和性成分の液滴サイズをさらに縮小させる。励振周波数は、少なくとも部分的に不混和性成分の液滴を共振/振動させ、それらをより小さな液滴に分解するために、それらの液滴の表面張力に合致させることができる。例えば、高周波励振機560の配管は、1つ又は複数の圧電アクチュエータによって励振することができる。一実施形態では、高周波励振機560は省略されている。
[00165] 高周波励振機560の下流で、液体閉じ込め構造12に乳濁液が提供され、図7及び図8の実施形態に関して上述したものと同じ方法で、液体閉じ込め構造12を洗浄する。
[00166] さらに、液体閉じ込め構造12の抽出器70からの抽出率を低減することができる。このようにして、メニスカスが多孔質部材110と液体閉じ込め構造12下の表面(基板Wなど)との間に延在する位置が、投影システムPSの光軸に対して放射状に外側に移動する。これは、洗浄時にメニスカスを形成する洗浄流体が、使用時に液浸液と接触する多孔質部材110のすべての部分と接触することを意味する。すなわち、洗浄中にメニスカスは、通常の結像動作中よりもさらに放射状に外側に位置する。同様の効果を、いわゆる気体抵抗原理の流体ハンドリングシステム上で使用してもよい。液体及びガスを抽出する開口が曝される圧力を低減することができる。液体閉じ込め構造12に供給される液体の量(すなわち流量)を変更して、液体閉じ込め構造と、例えば基板W、ダミー基板、及び/又は基板テーブルWTの対向面との間のメニスカスの位置を変更することができる。液体閉じ込め構造12に供給される液体の流量を変更して、液体閉じ込め構造12と対向面との間の距離を変更することができる。
[00167] 洗浄時には、液滴の合体が望ましくない場合がある。液滴が大きくなりすぎるか又は洗浄流体が単相の洗浄流体になる場合、テフロン(登録商標)及びテフロン関連物質(PFA、PTFE、ETFE、FEP、ポリプロピレン(PP)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、Kalrez 4079パーフルオロエラストマー、及びKalrez 6375UPパーフルオロエラストマーなど)並びにステンレス鋼を除くすべての材料が有害な場合がある。
[00168] 一実施形態では、洗浄後、投影ビームをオンして基板の露光を続行する前に、システム内の液体濃度を十分に低くするために、液浸液を使用して洗浄剤が洗い流される。液浸液によって15分間すすぐことで、洗浄流体の濃度を10ppb以下にすることができる。2時間すすぐと、濃度は1ppb未満になる場合がある。
[00169] すすぎはいくつかの方法で加速させることができる。ほとんどの材料では、洗浄流体は、乳濁液内にあるよりも表面に付着している時の方が(表面張力効果により)安定している。液浸液でない第3の液体又は液浸液と洗浄流体との乳濁液を用いてすすぎが行われた場合、すすぎがスピードアップすることができる。例えば、液浸液と洗浄乳濁液との間の特性を有する流体が有用な場合がある。このような例が、H2O2、又は水、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及び一般に、東京応化工業株式会社製のTLDR−A001又はTLDR−A001−C4などのTLDRと呼ばれるエトキシ化C12−14第2級アルコールの混合物である。
[00170] ある実施形態では、洗浄乳濁液と接触する装置の1つ又は複数の表面は、コーティングを有するか、又は表面エネルギーを高くする(例えば約50、60、又は70mJ/m2)ための材料からなる。例えば、多くのコンポーネントにクオーツコーティングを加えることができる。ある実施形態では、液体閉じ込め構造はSiO2又はTiO2でコーティングされるか、あるいは表面処理ステンレス鋼(例えばAISI 304)が使用される。表面処理は、酸化物プラズマ又はエッチング槽処理とすることができる。その後、スチールの表面上に酸化物(例えば酸化クロム)が形成される。
[00171] 液体循環のない乳濁液の流体通路内の容積(流体通路の「デッドスペース」とも呼ばれる)を低減又は最小化することで、水洗時間を低減することができる。デッドスペースは、例えば角及びデッドエンドであってよい。デッドスペースを有するフィーチャは避けることが望ましい場合がある。
[00172] 図11は、洗浄液供給システムの実施形態を概略的に示す。この実施形態は、以下で説明する部分を除き、図7、図8、及び図10の実施形態と同じである。図11の実施形態からの任意のフィーチャを図7から図10の実施形態からのフィーチャと任意に組み合わせることができる。
[00173] 図11の実施形態では、第1及び第2の液体源1210、1220が別々に供給される。第1の液体源1210は、通常動作時に使用される液浸液(例えば純水)源とすることができる。第2の液体源1220は、液浸液中で乳化される洗浄流体とすることができる。
[00174] 各液体源1210、1220は、それぞれの液体のフローを調節するための関連する調整器1225、1226を有する。各源1210、1220からの液体は、それぞれの調整器1225、1226の下流にあるそれぞれのフィルタ1530、1531を通って流れる。フィルタ1530、1531は、それぞれの液体のみをフィルタリングする。フィルタ1530は第1の液体源1210からの液体のみをフィルタリングし、フィルタ1531は第2の液体源1220からの液体のみをフィルタリングする。これは、フィルタ1530、1531が、それぞれの液体をフィルタリングするように最適化できることを意味する。別々の液体源1210、1220を提供することは、コンテナ内に乳濁液が沈殿しにくいことを意味する。
[00175] フィルタ1530、1531の下流には混合デバイス1300がある。混合デバイス1300は、本明細書で説明するいずれの混合デバイスであってもよい。混合デバイス1300の下流には検出器1350がある。検出器1350はコントローラ200に信号を送信し、それらがまとまって乳濁液診断ユニットを形成する。検出器1350は、例えば図10の実施形態のように、乳濁液の1つ又は複数の特性、特に、組成、液滴サイズ、及び/又は液滴分布などの乳濁液の品質を示す1つ又は複数のパラメータを検出することができる。
[00176] 検出器1350の下流には、弁1540及びケミカルドレイン1545がある。弁1540及びドレイン1545は、図10の実施形態の弁540及びドレイン545と同じように動作することができる。
[00177] 相互接続ホースは、弁1540を主要リソグラフィ装置に接続する。弁1540及び弁1540の上流にあるコンポーネントは、主要リソグラフィ装置とは別であってよい洗浄乳濁液生成器の一部とすることができる。ある実施形態では、相互接続ホースがリソグラフィ装置と接続されていない間に乳濁液を生成することができる。生成された乳濁液はプレミックスとして貯蔵することができる。
[00178] 相互接続ホースは、乳濁液を弁1610、1630に誘導する。通常の動作では、弁1610は開いたままであり、液浸液はその弁1610を通して流れ、弁1610の下流にあるフィルタ1620を通して流体ハンドリング構造12内へと流れこむ。洗浄時には、弁1610が閉じられるため、液体はフィルタ1620を通って流れない。その代わりに、洗浄乳濁液が、弁1630が配置されたバイパス通路を通って流れるように、弁1630が開かれる。液体は弁1630を通過した後、液体ハンドリング構造12へと流れる。
[00179] 乳濁液(例えば混合された液浸液及び洗浄液)は、液浸システム内、例えば液体閉じ込め構造12の表面の開口を通って流れる。液体は、液体閉じ込め構造12の下部に対向する表面上へと流れることができる。対向面は、例えば内部に基板を支持できる凹部である基板テーブルWTの表面とすることができる。縁部の凹部が基板テーブルWTの表面に開口を形成することができる。基板を支持する場合、開口は基板の縁部を囲み、そこへ圧力が加えられる場合がある。凹部の縁部周囲の基板テーブルに乳濁液を供給することができる。乳濁液は液体回収システム1800によって回収し、適宜、ドレイン1810に戻すか又はリサイクルすることができる。回収システムは、液体閉じ込め構造の表面又は基板テーブルなどの対向面を提供するコンポーネントの表面に形成された乳濁液の進入のための開口を有することができる。
[00180] バイパス弁1630を提供することで、洗浄が終了した後、及びリソグラフィ装置の通常の動作が再開できる前のシステムを洗い流す/すすぐためのダウンタイムが低減する。
[00181] 図12から図17は、ミキサ300のいくつかの実施形態を示す。これらはいくつかの異なるカテゴリに入る。ミキサ300の1つのタイプは、例えば図15に示すような篩であってよい。篩は、適正な液滴サイズを生成するようにある特定の細孔サイズで設計することができる。
[00182] ミキサ300は乱流混合に基づいて混合することができる。混合デバイスは、ある特定の範囲内、例えば所定の範囲内のレイノルズ数を有することができる。レイノルズ数の所定の範囲は、経験的に決定することができる。所与のタイプのミキサ300及び所与の流体について、ある特定のせん断率(レイノルズ数で表してもよい)を超える液滴が形成される。レイノルズ数が増加するに連れて液滴のサイズは小さくなる。乱流ミキサ300は、図12から図15及び図17に示されている。
[00183] ミキサ300は、せん断フローに基づくものとすることが可能であり、このような実施形態が図16に示されている。
[00184] 他の実施形態では、ミキサ300は超音波ミキサを備えることができる。超音波変換器は、乳濁液が流れる位置の隣に配置される。高周波励振機に関して上記で説明したように、ある特定の周波数で気泡が振動し、それによってさらに小さな液滴に分解される。超音波ミキサの周波数は、ある特定のサイズの液滴が確実に分解されるように、ある特定の範囲内、例えば所定の範囲内に入るように選択される。
[00185] 他のタイプのミキサ300には、不混和性流体がノズルによってベース流体のフローへ注入される機械式ミキサが含まれる。注入は所望の液滴サイズを達成するために少量である。ノズルは、例えばインクジェットプリンタで使用されるような圧電ノズルとすることができる。同様に、スパージャも使用することができる。同様に、押出機が、押し出された不混和液のストリームから液滴を作り出すデスタビライザを含む押出機を使用してもよい。例えば、押し出されたフロー内で篩を移動するか、又は押し出されたフローを例えば超音波によって攪拌することができる。
[00186] 一実施形態では、ミキサ300で達成される液滴サイズは、ミキサ300と液体閉じ込め構造12との間の流体通路内での液滴の合体に対処するための所望のサイズよりも小さい。その結果、高周波励振機560がもはや必要でなくなる場合がある。
[00187] 例えば、図12は、入口152及び出口154を備える混合容器150を示す。混合容器150の壁からいくつかのバッフル156が突き出している。バッフル156は、混合容器150の対面する壁158から交互に突き出している。それぞれのバッフルは、バッフル156から突き出すサブバッフル162を有することができる。混合容器150を通る場合、混合液は蛇行通路を流れる。液体の流速が十分に速い場合、液体が蛇行通路に沿って流れる際に液体に加わる力によって、コンポーネントの液体及びベース液が乳化される。
[00188] 図13及び図14のミキサ300は、それぞれが図12のミキサと同じフィーチャを有する。図13のバッフル156は、壁158に対して角度があるのではなく、壁158に対して垂直である。図13及び図14のバッフル156は簡単な構成であり、サブバッフル162を有さない。
[00189] 図15に示すミキサ300では、バッフルは複数のアパーチャ166を備えたプレート164に置き換えられる。隣接するプレート164間のアパーチャ166は整列していない。混合液用の流路は、実際には複数の相互接続された蛇行通路内にあり、この流路は(直列であるのとは対照的に)並行である。ある実施形態では、アパーチャ166があまりに小さく、したがってプレートは実際にはフィルタであってもよい。アパーチャのサイズは、ベース液中の成分液によって形成される乳濁液液滴のサイズに依存する。平均液滴サイズは、選択された乳濁液(したがって成分液及びベース液)に依存する。ある実施形態では、アパーチャのサイズは1マイクロメートルから1ミリメートルの範囲から選択することができ、好ましくは5から500マイクロメートルの範囲から選択することができる。
[00190] 液滴を分解するために、毛管数はある特定の粘度比率に対する臨界毛管数を超えているものとする。所与のベース及び所与の成分について、せん断率などの必要な条件を確立するために「Grace curve」を参考にすることができる。せん断での液滴の分解の場合、通常、液滴サイズとアパーチャサイズとの比率は、フロー条件及び液体の粘度に応じて、2〜10倍である。アパーチャを横切る際の圧力損失と形成される液滴サイズとの間には、理論上の相関関係がある。約5バールの一実施形態では、2から10バールの間、望ましくは3から8バールの間の圧力損失により、好適な液滴サイズが生じる。
[00191] 混合容器150、したがって液体フローのための蛇行通路は、3次元で流れることができ、例えば図16に示されるようにらせん構造とすることができる。らせん通路の曲率半径は、混合液に作用する(せん断)力によって蛇行流路を通過する際に混合され、成分液及びベース液を乳化させるように、十分に大きいものであってもよい。
[00192] ある実施形態では、受動ミキサ300は、本明細書で説明されるフィーチャのうちの1つ又は複数のいずれかを含む蛇行液体流路を備えることができる。
[00193] ある実施形態では、用途は、ベース中の成分の溶解性が温度によって変化することで構成される。成分及びベースの混合が高温で実行される場合、ベース中に成分の溶液が作成される場合がある。このような溶液はフィルタリング可能である。その高温溶液を冷却すると、乳濁液が形成される。液滴サイズは冷却速度に依存する。この実施形態は、任意の他の実施形態と組み合わせて使用するか、又はミキサ300の代わりに使用することができる。この実施形態を組み込んだ装置は、任意選択でヒータの下流及び冷却器の上流にフィルタを備えるヒータ及び冷却器を備える。
[00194] ある実施形態では、ミキサは能動ミキサとすることができる。しかし、能動ミキサは移動コンポーネントを有する。移動コンポーネントは、ミキサ内の他のコンポーネントに対して移動するため、結果として互いに移動し合う表面が存在する。相対的に移動する表面が相手に接触した場合、粒子が生成される場合がある。このような粒子は不良の原因となる場合がある。したがって、能動ミキサよりも、実質的に静的なコンポーネントを有する受動ミキサが使用されることが望ましい。望ましくは、粒子生成のリスクが低減する。
[00195] 図17は、ミキサ300の他の実施形態である。図17のミキサ300は能動ミキサである。図17の実施形態では、互いにこすれあう2つのコンポーネントによって生じた粒子が乳化液と共に液体閉じ込め構造12に提供されることを避けるために、測定が実行される。
[00196] 図17の実施形態のミキサ300は、ミリングミキサである。2つの液体が粗動ミキサ2010内で混合され、粗乳濁液を作成する。粗動ミキサ2010は回転体を使用して、別々に提供されたベース及び成分を攪拌することができる。次に、粗乳濁液は微動ミキサ2020へと送られる。ここで粗乳濁液は、2つの回転体2030、2040の間を通過する。両方の回転体2030、2040が回転しているか、又は1つはハウジング2022に対して固定されていてもよい。移動回転体はそれぞれのシャフト2035、2045によって支持される。粒子は、シャフト2035、2045とシャフトが格納されているハウジング2022との間で生成される場合がある。このような粒子のいずれかが流体ハンドリング構造12へと供給されるのを避けるために、ドライブシャフト2035、2045がそれぞれのシャフト2035、2045周囲のそれぞれの支持管2036、2046に接触し、これらに対して移動する区域を通して、流体で洗い流す。その後、流体は流体ハンドリング構造への通路から、例えばドレインへと誘導される。このようにして、生成された粒子は、管2036、2046を通過する乳濁液で洗い流される。
[00197] 図17の実施形態では、乳濁液の温度も注意深く制御される。温度センサ2520が、ヒータ2050の上流に配置された冷却器2000に信号を送る。冷却器2000は、ベース及び成分が混合される前又は後のいずれかに、粗動ミキサ2010の上流に配置することができる。ヒータ2050は、微動ミキサ2020の下流及び温度センサ2520の上流に配置される。粗動ミキサ2010及び微動ミキサ2020内での混合時に、乳濁液の温度が上昇する。冷却器2000は、ヒータ2050の上流で乳濁液の温度が所望の値より低いように、乳濁液を十分に冷却する。次に、ヒータ2050は、乳濁液をターゲット値まで加熱する。この実施形態は、1つのミキサでも動作し、任意の他の実施形態に追加することもできる。
[00198] 一実施形態では、ミキサ300は、1つの回転体が他の回転体に対して動く、高せん断ミキサを備える。好適なミキサは、米国ノースカロライナ州ウィルミントンのIKA社からTurraxの商標で市販されている。
[00199] ミキサ300の他の実施形態が図18に示されている。第1の液体源2210からのベースは、ポンプ2400によってチャンバ2500へと送られる。ベースは、薄膜2550によってチャンバ2500の中央部に閉じ込められる。第2の源2220からの液体(すなわち成分)は、薄膜2550の放射状に外側のチャンバ2500の放射状外側部分に導入される。成分は圧力下で導入されるため、それによって成分は薄膜2550を通過し、薄膜2550内のベースに乳濁液を形成する。乳濁液はチャンバ2500を出る。ベース内でより多くの成分が分散する場合、リサイクル通路2600を使用して、チャンバ2500の下流にある乳濁液が(必要であれば適切な弁を使用して)再度チャンバ2500を通ってリサイクルされるため、薄膜2550を通してより多くの成分を導入することができる。
[00200] 図8及び図10には、添加剤、例えば成分液の濃度を制御する方法の実施形態が示される。これは、所望の位置にある乳濁液中の成分液の割合を検出するために、検出器(又はセンサ)350、351を提供することによって達成することができる。洗浄液供給システム内のミキサは液浸システムへの供給を続けながら、センサを使用して供給路内の間の任意の位置の乳濁液の状態を監視することができる。検出器350の可能な位置は、ミキサ300と液体コンディショナ242との間(又は、図10の実施形態の場合は、フィルタ530の直下流)、液体コンディショナ242内、液体コンディショナと液体閉じ込め構造12などの液体閉じ込め構造との間、液体コンディショナの直下流、又は液体閉じ込め構造12の直上流とすることができる。
[00201] これらのいずれの場合でも、検出器350、351のうちの少なくとも1つからの信号の結果がコントローラ200に送信される。この信号に応答して、コントローラ200は、ミキサ300の入口152の直前又は入口152で流路に導入されるベース液、成分液、又はその両方の量を調整する。例えば、乳濁液が洗浄液供給システム10を出て行く場合、又は乳濁液が液浸システムに供給される場合、供給路内では1つのセンサで十分な場合がある。ある実施形態では、センサは閉じ込め構造12内に配置される。
[00202] 洗浄液供給システム内に配置されたセンサは、ミキサ内での混合の効果を検出することができる。例えば制御ユニットを介して混合制御デバイスに接続されたこのようなセンサには、乳濁液が確実に所望の作業領域内にあるようにするためのフィードバックを十分迅速に提供することができる。
[00203] 液浸システム、例えば液体閉じ込め構造12の内部又は近くに配置されたセンサは、使用される直前の乳濁液の状態を検出する。乳濁液が所望の作業領域外にある場合、洗浄液供給システム10内の適切な制御デバイスに向けて信号を誘導することができる。制御デバイスは、1つ又は複数のパラメータが確実に変更されるように洗浄液供給システムを制御することができるため、液浸システムに供給される乳濁液はその作業領域内に戻る。しかし、センサが供給路内の下流の遠方に配置された場合、フィードバック時間は長くなる、おそらくは長すぎる場合がある。
[00204] 洗浄液供給システム10の近く又は内部にセンサがあることが望ましいと思われるかもしれない。しかし、乳濁液の状態は、乳濁液が供給路に沿って移動する間に変化する場合がある。したがって、洗浄液供給システムの内部又は近くにセンサがあることが望ましい。しかし、このようなセンサは、液浸システムに供給される際の乳濁液の状態を検出することはできない。乳濁液が液浸システムに供給される際の乳濁液の状態を検出するためには、液浸システムの近くにセンサがあることが望ましい。
[00205] ある実施形態では、図19に示されるように、2つのセンサのうち一方を他方の上流に配置することができる。センサのうち1つは、洗浄液供給システム10の内部又は近くに配置することができ、センサのうち1つは液浸システムの内部又は近くに配置することができる。
[00206] 図19は、洗浄液供給システム10と、液体閉じ込め構造12を含む液浸システムとの相互接続を概略的に示す。液浸システムと洗浄液供給システムとの相互接続は、2つのセンサ350、351を備えた流路であるが、存在するセンサは1つのみでもよい。センサ350の位置は、ミキサ300の下流の任意の地点であることに留意されたい。したがって、(例えば、図7及び図8に関して説明したような)コンディショナ242、又は図10の検出器350の下流に示されたものを含む他のコンポーネントをセンサ350の下流に配置することができるが、図19には示されていない。図に示されてはいないが、液浸システムへの洗浄流路と並列に流れる液浸液用の第2の流路213、245も存在してよい。
[00207] ある実施形態では、センサ350、351の両方が存在する。このようなシステムを使用する場合、2つのセンサからの信号を比較することができる。信号を比較することで、乳濁液の安定性を判定することができる。乳濁液の安定性の測定では、確実に乳濁液が安定するように洗浄液制御システムを制御することができ、そのため、それぞれのセンサからの信号がある特定の時点で実質的に一致するか、又は例えば流路の終わり及び始まりで各センサ350、351を通過する液体の量が同じであるか、あるいはその両方である。
[00208] センサ350、351は、乳濁液の状態を示す乳濁液の物理特性を検出することができる。物理特性は、成分の容積の割合とすることができる。これを検出するために、センサは、ベース液内の液体成分の液滴の流量を検出するフローセンサとすることができる。センサによって使用することができる好適な感知技術には、(これらに限定されないが)例えば超音波周波数を使用する音波フローメータ(例えば超音波センサ)、動的放射(例えば光)散乱、及び/又は光伝送感知が含まれる。フローメータは、ドップラー効果を適用することもできる。
[00209] ある実施形態では、測定された流体の音響特性を調整するために、超音波フローメータなどのセンサが較正される。このためセンサは、基準流体、望ましくはセンサによって感知される乳濁液を含み、メモリがゼロに合わせられる。したがってセンサは、所望の洗浄乳濁液を使用して較正される。較正されると、ベース液(例えば超純水などの水)及び成分液の既知のフロー速度の合計と比較した、測定されたフローにおける偏差が、乳濁液が所望の特性を有するか否かの指標である。
[00210] ある実施形態では、図20に示されるように、音波フローセンサを流路上に配置することができる。センサは2つのセンサユニット168を備える。各センサユニット168は流路の側面上に、ただしフロー方向170に互いにずらして配置される。ある実施形態では、センサユニット168は流路の異なる側面上に配置される。一方のセンサユニットを流路内で他方よりもさらに下流に配置することができる。センサユニット168のうちの少なくとも1つは音波変換器であり、センサユニット168の少なくとも1つは、音波変換器と同じ周波数領域で動作する音波受信器である。ある実施形態では、センサユニット168のうちの少なくとも1つは、音波信号の放出及び受信の両方が可能なトランシーバである。
[00211] 放射センサユニット168は、通路に沿って、及びおそらくは受信センサユニット168方向に流路全体にわたって移動する信号172を放出する。信号172が洗浄液を通って移動する場合、多数の液滴174の形の成分液、及び内部に液滴174が懸濁しているベース液176を通って進む。液滴の形の成分液及びベース液の物理特性が異なるため、音波信号の速度に影響を与える。流路を通って流れる純粋なベース液176と比較して、周波数の変化(すなわち、信号上のドップラー効果の影響)を(望ましくは、例えば温度、圧力、及び流量などの同じ条件下で)測定することにより、洗浄液中の成分液及びベース液の割合を決定することができる。
[00212] 音波信号は、液滴の数密度及び/又は液滴の平均サイズに関する追加情報を含むことができる。信号を受信センサからプロセッサに誘導することにより、検出された音波信号内にこの情報を符号化することができる。追加情報は、洗浄液の安定性に関する他の情報も提供することができる。安定性は、洗浄液中の液滴のサイズ及び/又は数密度、並びに成分液である洗浄液の割合に関するものとすることができる。
[00213] ある実施形態では、光センサを使用することができる。好適な光センサについては、参照によりその全文を本明細書に組み込むものとする、Susen Oliczewski氏及びRolf Daniels氏の「A Novel Fiber−Optic Photometer for In Situ Stability Assessment of Concentrated Oil−in−Water Emulsions」、AAPS PharmSciTech 2007;8(3)Article 70、2007年8月31日に記載されている。ここに記載された技術は、水(又は水溶液)及び油などの極性液体及び非極性液体の希薄乳濁液の不安定性の変化を判定するのに適している。この技術により、透明及び不透明な分散の時間分解透過率を測定することができる。乳濁液などの分散系の光学密度は、その安定性の指標とすることができる。センサ構成には、乳濁液フローによる放射線透過を測定するための光ファイバ光度計が含まれる。例えば液体成分の液滴からの吸収及び散乱により、透過される放射線強度は低減する。パルスレーザ光又は単一波長で放射する他の放射線源などの放射線は、液体フローにより誘導され、検出器によって受信されるが、放射線強度は、検出器でのしきい値レベルを超えるように設定される。これは基準値としての働きをする。検出される放射線強度はサンプルの光学密度に比例するため、液滴サイズ分布に関連する。したがって、2つの異なる光センサを比較すること、又は検出された信号をしきい値と比較することによって、乳濁液の安定性などの特性(例えば測定される特性の経時的変化)を観察することができる。経時的な放射線の透過及び/又は散乱を検出する信号を監視することによって、乳濁液の安定性の変動を監視することができる。
[00214] ある実施形態では、光センサはエミッタ及び検出器を備える。光センサ350、351は、洗浄流体供給システム10の内部又は近く、液体閉じ込め構造12の内部又は近く、あるいはその両方に配置することができる。
[00215] 光センサのある実施形態を図21に示すように配置することができる。光センサはエミッタ180及び検出器182、183、184を有する。検出器は透過検出器又は散乱検出器とすることができる。散乱検出器は回析検出器として動作することができる。散乱検出器はレーザスキャトロメータとして動作することができる。散乱検出器を使用して液滴サイズを決定することができる。両方の相の屈折率を知ることで、フラウンホーファ及びミー理論を使用して液滴サイズ分布を決定することができる。エミッタは、光ファイバによって、レーザ、又は発光ダイオードなどの放射線源(図示せず)に接続することができる。エミッタ180は、乳濁液174、176のフロー170を介して光信号を放射する。透過検出器182は、乳濁液を通して透過された光信号を検出するように配置することができる。透過検出器182は、エミッタ180からのフローの反対側に、ある知られた距離で配置することができるため、乳濁液を通して真っすぐ誘導された放射線186を検出するように構成される。散乱の場合、散乱検出器183、184はエミッタ180のちょうど反対側ではなく、例えばエミッタ182に対して互い違いに配置することができる。エミッタ180に隣接して配置してもよい。散乱検出器は、矢印189、190に示されるような液滴174によって散乱された放射線を検出する。
[00216] サンプルを通過できる光を測定する混濁度プローブは市販されている。測定値は減衰の度合いに基づき、洗浄液の割合を測定するために使用することができる。
[00217] ある実施形態では、光センサ350、351、1350が、広帯域赤外線(又はUV)を使用して吸収をチェックすることができる。液滴サイズ分布は、異なる波長での異なる吸収から計算することができる。代替的に又は追加的に、センサ350、351、1350は、超音波検出器及び/又は電流センサであってもよい。電流センサは、液滴サイズは測定できないが、ベース中に溶解している成分の量に関する情報を与えることができる。
[00218] 一実施形態では、乳濁液内の液体成分が高すぎることが検出された場合、液体閉じ込め構造への乳濁液の供給を停止するための安全機能が提供される。このため、検出器350、351を、乳濁液が液浸システムに供給される前の液体流路内に提供することができる。
[00219] 本明細書に記載された洗浄流体供給部は、リソグラフィ装置に取り付けられる、接続される、又はその一部であるが、ある実施形態では、洗浄流体供給システムは別のデバイスである。リソグラフィ装置の液浸システムに液体を直接供給するのではなく、乳濁液を、事前に混合された乳濁液を貯蔵するための貯蔵コンテナに誘導することができる。乳濁液が十分な安定性を有する場合、供給する直前に混合する必要なしに、事前に混合された乳濁液を、液浸システムを洗浄するためのリソグラフィ装置に供給することができる。このような構成は、安定性などの乳濁液の品質を示す少なくとも1つのパラメータを検出するための(本明細書に記載されるような)センサを有することができる。
[00220] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[00221] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[00222] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折及び反射光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指す。
[00223] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に記憶したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。さらに機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
[00224] 上述したコントローラは、信号を受信、処理及び送信するのに適切な任意の構成を有することができる。例えば、各コントローラは、上述した方法の機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行するために、1つ又は複数のプロセッサを含んでよい。コントローラは、このようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はこのような媒体を収容するハードウェアを含んでよい。
[00225] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置に、特に液浸液が浴槽の形態で提供されるか、基板の局所的な表面領域のみに提供されるか、基板及び/又は基板テーブル上に閉じ込められないかにかかわらず、上述したタイプに適用することができるが、それに限定されない。閉じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、したがって実質的に基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れる。このように閉じ込められていない液浸システムでは、液体供給システムが液浸液を閉じ込めることができない、又はある割合の液浸液閉じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の閉じ込めを完成しない。
[00226] 本明細書で想定するような液体供給システムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、これは、液体を投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に提供する機構又は構造の組み合わせでよい。これは、1つ又は複数の構造、1つ又は複数の液体入口、1つ又は複数の気体入口、1つ又は複数の気体出口、及び/又は液体を空間に提供する1つ又は複数の液体出口の組合せを備えてよい。ある実施形態では、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの一部でよいか、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆ってよいか、空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでよい。液体供給システムは任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素をさらに含むことができる。
[00227] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
[00228](特徴1) 投影システムと、
前記投影システム、液体閉じ込め構造、及び基板及び/又は基板テーブルによって画定された液浸空間に液浸液を閉じ込めるように少なくとも部分的に構成された液体閉じ込め構造と、
乳化洗浄流体を形成するために、第1の液体源からの液体と第2の液体源からの活性洗浄剤液とを混合するように構成されたミキサ、及び前記ミキサから前記液体閉じ込め構造へ乳化洗浄流体を提供するように構成された導管であって、前記乳化洗浄流体が少なくとも第1の液体成分及び第2の液体成分を含む導管を備える液体供給デバイスと、
前記乳化洗浄流体の特性を感知するように構成されたセンサシステムと、
前記乳化洗浄流体の特性を制御するために前記第1の液体源及び/又は前記第2の液体源から前記ミキサへの液体の供給を制御するように構成されたコントローラと、
を備える液浸リソグラフィ装置。
[00229](特徴2) 前記センサシステムは、前記乳化洗浄流体の特性の経時的変化を感知するように構成される、特徴1に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00230](特徴3) 前記センサシステムは、少なくとも2つのセンサを備え、一方が他方の上流に配置され、前記センサは、前記コントローラに向けて信号を送信するために前記コントローラに接続され、前記コントローラは、前記センサからの前記信号を処理するように構成される、特徴1又は特徴2に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00231](特徴4) 前記センサシステムは、前記第2の液体成分のフローに対する、前記乳化洗浄流体中の前記第1の液体成分の流量を感知するように構成される、前記特徴のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00232](特徴5) 前記センサシステムは、前記乳化洗浄流体中の前記第2の液体成分に対する前記第1の液体成分の割合を検出するように構成される、前記特徴のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00233](特徴6) 前記センサシステムは、前記乳化洗浄流体の流路を通して超音波信号を送信及び受信するように構成される、特徴4又は特徴5に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00234](特徴7) 前記コントローラは、前記液体供給デバイスの動作条件を制御するようにさらに構成される、前記特徴のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00235](特徴8) 前記第1の液体源の液体は、超純水を含む、前記特徴のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00236](特徴9) 前記第2の液体源の液体は、トップコートレスレジストを除去するための洗浄液などのクリーナ、望ましくはレジストクリーナを備える、前記特徴のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00237](特徴10) 前記ミキサは、1つの液体源から他の液体源の液中に液を計量供給するための弁を備える、前記特徴のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00238](特徴11) 前記ミキサは、前記第1の液体源及び前記第2の液体源と流体連通している第1のリザーバをさらに備える、前記特徴のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00239](特徴12) 前記ミキサは、前記第1のリザーバ及び前記第1の液体源と流体連通している他のリザーバを備える、特徴11に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00240](特徴13) 前記コントローラは、前記リザーバへの液体を計量供給するために弁を制御するように構成される、特徴11又は特徴12に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00241](特徴14) 前記コントローラは、前記液体閉じ込め構造に提供される乳化洗浄流体中の前記第2の液体源からの液体の濃度を測定するように、及び前記センサシステムから提供された信号を使用して、フィードバック式に前記測定値に基づいて混合を制御するように構成される、前記特徴のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00242](特徴15) 前記導管は、前記基板及び/又は基板テーブルに面する前記液体閉じ込め構造の表面内の開口に乳化洗浄流体を提供するように構成される、前記特徴のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00243](特徴16) 基板をさらに備え、前記基板はレジストの表面コーティングを有する、前記特徴のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00244](特徴17) 前記レジストは、トップコートレスレジストである、特徴16に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00245](特徴18) 前記基板は、前記レジスト上のトップコート及び/又は前記レジスト下の底部反射防止コーティングを有する、特徴16に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00246](特徴19) 乳化洗浄流体を液浸リソグラフィ装置へ供給するように構成された流体供給装置であって、前記乳化洗浄流体を形成するために、添加流体供給部からの添加流体と液浸液供給部からの液浸液とを混合するように構成されたミキサと、前記乳化洗浄流体の物理特性を感知するように構成されたセンサシステムと、前記センサ及び前記ミキサに接続されたコントローラであって、
前記添加流体供給部から前記ミキサへの前記添加流体の供給、及び
前記乳化洗浄流体の物理特性
を制御するように構成されたコントローラと、
を備える流体供給装置。
[00247](特徴20) 前記コントローラは、前記乳化洗浄流体の供給と並行した前記液浸液供給部から液浸液の供給を制御するように構成される、特徴19に記載の流体供給装置。
[00248](特徴21) 乳化洗浄流体を液浸リソグラフィ装置に供給するように構成された流体供給装置であって、前記乳化洗浄流体を提供するために洗浄成分及びベース液を混合するように構成されたミキサと、前記乳化洗浄流体中の前記洗浄成分の割合の濃度を感知するように構成されたセンサと、前記センサ及び前記ミキサに接続されたコントローラであって、前記ミキサへの洗浄成分の供給及び前記乳化洗浄流体中の前記洗浄成分の濃度を制御するように構成されたコントローラとを備える流体供給装置。
[00249](特徴22) 乳化洗浄流体を形成するために第1の液体と活性洗浄剤液とを混合するように構成されたミキサを備える液体供給デバイスを備え、前記ミキサは、活性洗浄剤液の液滴サイズをある特定の範囲内で維持するように構成された受動ミキサである液浸リソグラフィ装置。
[00250](特徴23) 前記ミキサは、容器の側壁から容器内に突き出した複数のバッフルを備える混合容器を備える、特徴22に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00251](特徴24)前記複数のバッフルのうちの少なくとも1つは、関連するバッフルから突き出した関連するサブバッフルを含む、特徴23に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00252](特徴25) 前記ミキサは、蛇行通路を流れていくように液体を押し流すように構成される、特徴22から24のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00253](特徴26) 前記ミキサは、所望の液滴サイズの乳濁液を形成するように、前記第1の液体及び前記活性洗浄剤液を通過させるフィルタを備える、特徴22から25のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00254](特徴27) 前記ミキサは、せん断力によって所望の液滴サイズが達成されるように、らせん通路内に液体を押し流すように構成される、特徴22から26のいずれか1項に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00255](特徴28) 投影システム、液体閉じ込め構造、及び基板及び/又は基板テーブルによって画定された液浸空間に液浸液を閉じ込めるように少なくとも部分的に構成された液体閉じ込め構造と、
前記液体閉じ込め構造に乳化洗浄流体を供給するように構成された液体供給デバイスであって、前記液体閉じ込め構造の上流に高周波励振機を備える液体供給デバイスと、
を備える液浸リソグラフィ装置。
[00256](特徴29) 前記高周波励振機の周波数は、活性洗浄剤液の液滴を分解するために、前記乳化洗浄流体中の活性洗浄剤液の液滴を振動させるように構成される、特徴28に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00257](特徴30) 投影システム、液体閉じ込め構造、及び基板及び/又は基板テーブルの間に画定された液浸空間に液浸液を閉じ込めるように少なくとも部分的に構成された液体閉じ込め構造と、
液体閉じ込め構造に洗浄剤を供給するように構成された液体供給デバイスと、
前記液体供給デバイスを制御するように、及び洗浄時に前記液体閉じ込め構造の動作状況を調整し、したがって結像動作に比べて洗浄時に空間のサイズが投影システムの光軸に対して半径方向に増加するように構成されたコントローラと、
を備える液浸リソグラフィ装置。
[00258](特徴31) 前記コントローラは、結像動作時に使用される圧力下での抽出に比べて、洗浄時の前記液体閉じ込め構造の抽出器の圧力下での抽出を低減するように構成される、特徴30に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00259](特徴32) 洗浄するコンポーネントに乳化洗浄流体を供給するように構成された液体供給デバイスであって、第1及び第2の液体が、前記第1及び第2の液体を混合して前記乳化洗浄流体を形成するように構成されたミキサを通り、洗浄するコンポーネントへと押し流されるように構成される液体供給デバイスを備える液浸リソグラフィ装置。
[00260](特徴33) 前記液体供給デバイスは、前記第1及び第2の液体を前記ミキサを通して押し流すために前記ミキサの上流にポンプを備える、特徴32に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00261](特徴34) 前記第1及び第2の液体は、加圧容器内に提供され、前記容器内の圧力は、前記第1及び第2の液体を前記ミキサを通して前記液体閉じ込め構造へと押し流すのに効果的である、特徴32又は特徴33に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00262](特徴35) 液体閉じ込め構造に提供するための乳濁液を形成するために液浸液と洗浄流体とを混合するための機械式ミキサを備える液体供給デバイスを備え、液浸液及び/又は洗浄流体及び/又は乳濁液は、相対的に移動する前記ミキサの2表面が接触している区域を越えてフラッシュされ、前記液体閉じ込め構造への経路から迂回される液浸リソグラフィ装置。
[00263](特徴36) 乳化洗浄流体を形成するために液浸液と洗浄流体とを混合するための機械式ミキサと、液浸液及び/又は洗浄流体及び/又は乳化洗浄流体を冷却するための前記ミキサ上流の冷却器と、乳化洗浄流体をある特定の温度まで加熱するための前記ミキサの下流のヒータとを備える液体供給デバイスを備える液浸リソグラフィ装置。
[00264](特徴37) 前記ヒータの下流に前記乳化洗浄流体の温度を測定するための温度センサをさらに備える、特徴36に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00265](特徴38) 前記センサによって感知された温度が確実にある特定の温度であるようにするために、前記冷却器の冷却及び前記ヒータの加熱を制御するためのコントローラをさらに備える、特徴36又は特徴37に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00266](特徴39) 投影システム、液体閉じ込め構造、及び基板及び/又は基板テーブルの間に画定された液浸空間に液浸液を閉じ込めるように少なくとも部分的に構成された液体閉じ込め構造を備える液浸リソグラフィ装置であって、洗浄時に洗浄液と接触する液体閉じ込め構造の表面は、50mJ/m2を超える表面エネルギーを有する液浸リソグラフィ装置。
[00267](特徴40) 液浸液の乳濁液及び洗浄流体を、洗浄する表面全体にわたって渡すステップと、前記洗浄流体とは異なる、また前記液浸液とは異なるすすぎ流体を使用して、洗浄する前記表面をすすぐステップと、前記液浸液を前記洗浄表面上に再導入するステップとを含む液浸リソグラフィ装置の洗浄方法。
[00268](特徴41) 前記すすぎ流体は、TLDR又はH2O2である、特徴40に記載の方法。
[00269](特徴42) 活性洗浄剤液が薄膜を通して第1の液体中に導入される乳化洗浄流体を形成するために第1の液体と活性洗浄剤液とを混合するように構成されたミキサを備える液体供給デバイスを備える液浸リソグラフィ装置。
[00270](特徴43) 第1の液体中の活性洗浄剤を溶解するために活性洗浄剤と混合された第1の液体を加熱するためのヒータと、乳化洗浄流体を形成するために溶解された活性洗浄剤と共に前記第1の液体を冷却するための冷却器とを備えた液体供給デバイスを備える液浸リソグラフィ装置。
[00271](特徴44) 前記乳化洗浄流体中の液滴サイズがある特定の領域内にあることを決定するために、前記冷却器の冷却速度を制御するためのコントローラをさらに備える、特徴43に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00272](特徴45) 前記液体供給デバイスは、前記活性洗浄剤が溶解される前記第1の液体をフィルタリングするためのフィルタを前記冷却器の上流及び前記ヒータの下流にさらに備える、特徴43又は特徴44に記載の液浸リソグラフィ装置。
[00273](特徴46) 投影システムと、
前記投影システム、液体閉じ込め構造、及び基板及び/又は基板テーブルによって画定された液浸空間に液浸液を閉じ込めるように少なくとも部分的に構成された液体閉じ込め構造と、
乳化洗浄流体を乳化洗浄流体源から前記液浸空間へ提供するように構成された導管を備える液体供給デバイスであって、前記乳化洗浄流体が少なくとも第1の液体成分及び第2の液体成分を含む液体供給デバイスと、
前記乳化洗浄流体の特性を感知するように構成されたセンサシステムと、
前記液浸空間への乳化洗浄流体の供給を制御するように構成されたコントローラと、を備える液浸リソグラフィ装置。
[00274](特徴47) 乳化洗浄流体を形成するために第1の液体源からの液体と第2の液体源からの活性洗浄剤液とを混合するように構成されたミキサと、
前記ミキサから乳化洗浄流体を提供するように構成された導管であって、前記乳化洗浄流体が少なくとも第1の液体成分及び第2の液体成分を含む導管と、
前記乳化洗浄流体の特性を感知するように構成されたセンサシステムと、
前記乳化洗浄流体の特性を制御するために前記第1の液体源及び/又は前記第2の液体源から前記ミキサへの液体の供給を制御するように構成されたコントローラと、
を備える液体供給デバイス。
[00275](特徴48) 前記導管は、前記乳化洗浄流体を液浸空間又は貯蔵コンテナに供給するように配置される、特徴47に記載の液体供給デバイス。
[00276] さらに、本発明を特定の実施形態及び例に関して開示してきたが、本発明は、具体的に開示された実施形態を超えて本発明の他の代替実施形態及び/又は使用に適用することができ、本発明の自明の変形形態及び等価物が可能であることは当業者には明らかであろう。さらに、本発明のいくつかの変形形態を図示し詳述してきたが、本開示に基づく本発明の範囲内である他の変形形態は当業者には明らかであろう。例えば、実施形態の具体的な特徴と態様のさまざまな組合せ又は下位の組合せが可能であり、本発明の範囲内であると考えられる。従って、開示された実施形態のさまざまな特徴及び態様を互いに組み合わせ、又は代用して開示された本発明のさまざまな形態を形成することができることを理解されたい。従って、本明細書に開示された本発明の範囲は、上記の開示された具体的な実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲を正しく解釈することによってのみ決定されなければならない。
[00277] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。