JP6806906B2 - リソグラフィ装置およびデバイス製造方法 - Google Patents

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関連出願の相互参照
本出願は、2016年12月14日に出願された欧州出願第16203967.1号および2017年3月27日に出願された欧州出願第17163003.1号の優先権を主張し、それらの全体が本明細書に援用される。
本発明は、リソグラフィ装置、およびリソグラフィ装置を使用してデバイスを製造する方法に関する。
リソグラフィ装置は、基板、多くの場合基板の目標部分に、所望のパターンを与える機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造に使用可能である。この場合、マスクまたはレチクルとも称されるパターニングデバイスが、ICの個別の層に形成されるべき回路パターンを生成するために使用されうる。このパターンが基板(例えばシリコンウェーハ)上の目標部分(例えば1つまたは複数のダイもしくはダイの一部を含む)に転写されうる。パターン転写は典型的には基板に設けられた放射感応性材料(レジスト)層への結像による。一般に一枚の基板には網状に隣接する一群の目標部分が含まれ、これらは連続的にパターン形成される。公知のリソグラフィ装置には、目標部分にパターン全体が一度に露光されるようにして各目標部分が照射を受ける、いわゆるステッパと、所与の方向(「走査」方向)に放射ビームによりパターンを走査するとともに基板をこの方向と平行または逆平行に走査するようにして各目標部分が照射を受ける、いわゆるスキャナとが含まれる。
液浸リソグラフィ装置では、液体が液体閉じ込め構造によって液浸空間に閉じ込められる。液浸空間は、パターンを結像する投影システムの最終光学素子と、パターンが転写される基板または基板を保持する基板テーブルとの間にある。液体は、流体シールによって液浸空間に閉じ込められてもよい。液体閉じ込め構造は、例えば、液浸空間における液体の流れ及び/または位置を制御することを支援するために、ガス流れを生成し又は使用してもよい。ガス流れは、液体を液浸空間に閉じ込めるためのシールを形成することを助けてもよい。
基板に与えられるパターンにおける欠陥は、歩留まりすなわち基板あたりの使用可能なデバイス数を減少させるので、望ましくない。デバイスを作るには多数のパターニング工程を要するので、1回の露光あたりの欠陥率が非常に低かったとしても、歩留まりは顕著に減少しうる。液浸リソグラフィ装置に特有の欠陥には二種類がある。
液浸空間から液体の滴または液体の薄膜(以下、滴との言及は薄膜を含むものとし、より広い表面積を覆う滴を薄膜とする)が目標部分の露光後に基板上に残されうる。滴がレジストに相当の時間接触すると、浸出によりレジストが劣化しうる。滴が蒸発すると、デブリが残され、及び/または、局所的な冷却が誘起されうる。滴によって基板上に残される欠陥を、レジストの劣化または蒸発に起因するかによらず、本書では痕跡欠陥と称する。
液浸リソグラフィ装置に特有の欠陥の二つ目の形は、液浸液に泡が形成される場合に起こる。パターニングデバイスの像を基板に投影するために使用される投影ビームの経路へと泡が移動すると、投影される像がゆがむ。泡の一つの原因は、基板上に漏れた液体が液浸空間と基板との相対移動の間に液浸空間の液体と衝突することによる。泡に起因する欠陥を本書では露光欠陥と称する。
痕跡欠陥および露光欠陥は、センサなど、基板以外の物体にも問題を引き起こしうる。
例えば、液浸リソグラフィ装置に特有の欠陥の発生を低減するシステムを提供することが望まれる。
ある態様によると、少なくとも1つの目標部分を有する物体を支持するように構成された支持テーブルと、パターン付けられたビームを前記物体に投影するように構成された投影システムと、前記支持テーブルを前記投影システムに対して移動させるように構成された位置決め部と、液体閉じ込め構造に形成された一連の開口部を通じた液体閉じ込め構造への及び/又は液体閉じ込め構造からの流体流れを用いて、液体を前記投影システムと前記物体および/または前記支持テーブルの表面との間の液浸空間に閉じ込めるように構成された液体閉じ込め構造と、前記液体閉じ込め構造の下方にない状態から前記液体閉じ込め構造の下方にある状態へと移動する前記支持テーブルの部分が前記液体閉じ込め構造の前縁の下方を通過し、前記液体閉じ込め構造の下方にある状態から前記液体閉じ込め構造の下方にない状態へと移動する前記支持テーブルの部分が前記液体閉じ込め構造の後縁の下方を通過するようにして、前記支持テーブルを前記液体閉じ込め構造に対して移動させることを各モーションが含む一連のモーションからなるルートを辿らせるべく前記支持テーブルを移動させるように前記位置決め部を制御するとともに、前記液体閉じ込め構造を制御するように構成されたコントローラであって、前記一連のモーションのうち前記液浸空間の縁が前記物体の縁を通過する少なくとも1つのモーションの間に前記液浸空間から前記液体が失われるか否かを予測し、前記液浸空間からの液体損失が予測される場合、液体損失が予測されたモーションの間に、または前記一連のモーションのうち液体損失が予測されたモーションに後続するあるモーションの間に、前記一連の開口部のうち前記液体閉じ込め構造の前縁にある開口部への又は当該開口部からの第1流体流量が前記一連の開口部のうち前記液体閉じ込め構造の後縁にある開口部への又は当該開口部からの第2流体流量と異なるように、前記流体流れを修正するように適合されたコントローラと、を備える液浸リソグラフィ装置が提供される。
ある態様によると、パターン付けられたビームを複数の目標部分を有する基板に投影すべく液浸リソグラフィ装置を使用するデバイス製造方法であって、液体閉じ込め構造における一連の開口部を通じた液体閉じ込め構造への及び/又は液体閉じ込め構造からの流体流れを用いて、液体を投影システムと支持テーブル上の物体の対向表面および/または前記支持テーブルとの間の液浸空間に閉じ込めることと、前記液体閉じ込め構造の下方にない状態から前記液体閉じ込め構造の下方にある状態へと移動する前記支持テーブルの部分が前記液体閉じ込め構造の前縁の下方を通過し、前記液体閉じ込め構造の下方にある状態から前記液体閉じ込め構造の下方にない状態へと移動する前記支持テーブルの部分が前記液体閉じ込め構造の後縁の下方を通過するようにして、前記液体閉じ込め構造に対して前記支持テーブルを移動させることを各モーションが含む一連のモーションを備えるルートに沿って前記支持テーブルを移動させることと、前記一連のモーションのうち前記液浸空間の縁が前記物体の縁を通過する少なくとも1つのモーションの間に前記液浸空間から前記液体が失われるか否かを予測することと、前記液浸空間からの液体損失が予測される場合、液体損失が予測されたモーションの間に、または前記一連のモーションのうち液体損失が予測されたモーションに後続するあるモーションの間に、前記一連の開口部のうち前記液体閉じ込め構造の前縁にある開口部への又は当該開口部からの第1流体流量が前記一連の開口部のうち前記液体閉じ込め構造の後縁にある開口部への又は当該開口部からの第2流体流量と異なるように、前記流体流れを修正することと、を備える方法が提供される。
ある態様によると、リソグラフィ装置のための流体ハンドリング構造であって、前記流体ハンドリング構造は、一連の開口部を有し、前記流体ハンドリング構造は、それを通じた流体および/または液体の提供のためにあり、前記流体ハンドリング構造は、使用時に前記開口部が基板および/または前記基板を支持するように構成された支持テーブルに向けられるように構成され、前記一連の開口部のうち第1サブセットが第1チャンバと流体連絡し、前記一連の開口部のうち第2サブセットが第2チャンバと流体連絡し、前記第1チャンバおよび第2チャンバは、前記一連の開口部が定められた第1部材と、第2部材との間に定められ、前記第1部材と前記第2部材のうち一方の第1部分は、前記一連の開口部の第1側から前記一連の開口部のうち2つの隣接する開口部の間を前記第1側とは反対の前記一連の開口部の第2側で前記第1部材と前記第2部材のうち他方にある凹部へと延在し、前記2つの隣接する開口部の一方が前記第1サブセットにあり、前記2つの隣接する開口部の他方が第2サブセットにあり、前記第1部分が前記第1チャンバを前記第2チャンバから分離する流体ハンドリング構造が提供される。
本発明のいくつかの実施の形態が付属の概略的な図面を参照して以下に説明されるがこれらは例示に過ぎない。各図面において対応する参照符号は対応する部分を指し示す。
リソグラフィ装置を概略的に示す。
リソグラフィ装置に使用される液体閉じ込め構造を概略的に示す。
ある実施の形態に係る更なる液体供給システムを概略的に示す部分側断面図である。
別の更なる液体閉じ込め構造の底面を平面図として概略的に示す。
コントローラによって行われるプログラムのフロー図である。
液浸空間の縁および基板の縁を平面図として概略的に示す。
ある実施の形態においてコントローラによって実行されるベクトル分析を示す。
液体閉じ込め構造の第1チャンバと第2チャンバとの分離の詳細についての断面図である。
構築の段階における液体閉じ込め構造の第1チャンバと第2チャンバとの分離の詳細についての断面図である。
液体閉じ込め構造の第1チャンバと第2チャンバとの分離の詳細についての断面図である。
図8におけるI−I線による断面である。
図10におけるII−II線による断面である。
液体閉じ込め構造の第1チャンバと第2チャンバとの分離の詳細についての断面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置を概略的に示す。この装置は、投影ビームB(例えば、UV放射、または、他の適する放射)を調整するように構成されている照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するよう構築され、いくつかのパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成されている第1位置決め装置PMに接続されている支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、を含む。また、この装置は、基板(例えば、レジストで被覆されたウェーハ)Wを保持するよう構築され、いくつかのパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成されている位置決め部130の制御のもと第2位置決め装置PWに接続されている支持テーブル(例えばウェーハテーブル)WTまたは「基板支持部」または「基板テーブル」を含む。さらに、この装置は、パターニングデバイスMAにより投影ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つ以上のダイを含む)目標部分Cに投影するように構成されている投影システム(例えば、屈折投影レンズ系)PSを含む。
照明システムILは、放射の方向や形状の調整、または放射の制御のために、各種の光学素子、例えば屈折光学素子、反射光学素子、磁気的光学素子、電磁気的光学素子、静電的光学素子、またはその他の形式の光学素子、若しくはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
支持構造MTは、パターニングデバイスMAを支持する(すなわち、パターニングデバイスの重量を支える)。支持構造は、パターニングデバイスMAの向きやリソグラフィ装置の設計、あるいはパターニングデバイスMAが真空環境下で保持されるか否か等その他の条件に応じた方式でパターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、機械的固定、真空固定、静電固定、またはパターニングデバイスを保持するその他の固定技術を用いることができる。支持構造MTは例えばフレームまたはテーブルであってよく、固定されていてもよいし必要に応じて移動可能であってもよい。支持構造MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影システムPSに対して所望の位置にあることを保証してもよい。本書では「レチクル」または「マスク」という用語を用いた場合には、より一般的な用語である「パターニングデバイス」に同義であるとみなされうる。
本書で使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板Wの目標部分Cにパターンを生成すべく放射ビームの断面にパターンを付与するために使用可能ないかなるデバイスをも指し示すよう広く解釈されるべきである。例えばパターンが位相シフトフィーチャあるいはいわゆるアシストフィーチャを含む場合のように、投影ビームBに付与されるパターンが基板Wの目標部分Cに所望されるパターンと厳密に一致していなくてもよいことに留意すべきである。一般には、投影ビームBに付与されるパターンは、目標部分に生成される集積回路などのデバイスにおける特定の機能層に対応する。
パターニングデバイスMAは透過型であっても反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスクやプログラマブルミラーアレイ、プログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィの分野で周知であり、バイナリマスクやレベンソン型位相シフトマスク、ハーフトーン型位相シフトマスク、更に各種のハイブリッド型マスクが含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例としては、小型のミラーがマトリックス状に配列され、各ミラーが入射してくる放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜可能であるというものがある。これらの傾斜ミラーにより、マトリックス状ミラーで反射された放射ビームにパターンが付与されることになる。
本書で使用される「投影システム」という用語は、使用される露光放射に関して又は液浸液や真空の利用などの他の要因に関して適切とされるいかなる投影システムをも包含するよう広く解釈されるべきであり、屈折光学系、反射光学系、反射屈折光学系、磁気的光学系、電磁気的光学系、静電的光学系、またはそれらの任意の組み合わせを含む。本書における「投影レンズ」との用語の使用はいかなる場合も、より一般的な用語である「投影システム」と同義とみなされうる。
図示されるように、本装置は、(例えば透過型マスクを用いる)透過型である。これに代えて、本装置は、(例えば、上述の形式のプログラマブルミラーアレイ、または反射型マスクを用いる)反射型であってもよい。
リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれより多くのステージまたはテーブルを有する形式のものであってもよい。それらテーブルのうち少なくとも1つが基板を保持することのできる基板支持部を有する。それらテーブルのうち少なくとも1つが基板を保持するようには構成されていない測定テーブルであってもよい。ある実施の形態においては、2以上のテーブルがそれぞれ基板支持部を有する。リソグラフィ装置は、2以上のパターニングデバイステーブルまたは「マスク支持部」を有してもよい。このような「多重ステージ」の装置においては、追加されたテーブルまたは支持部は並行して使用されるか、あるいは1以上のテーブルまたは支持部が露光のために使用されている間に1以上の他のテーブルまたは支持部で準備工程が実行されてもよい。
リソグラフィ装置は、基板Wの少なくとも一部分が比較的高い屈折率を有する液体、超純水(UPW)など例えば水で、投影システムPSと基板Wとの間の液浸空間を満たすよう覆われうる形式のものであってもよい。液浸液は、例えばパターニングデバイスMAと投影システムPSとの間などのリソグラフィ装置の他の空間に適用されてもよい。液浸技術は投影システムの開口数を増大させるために使用することができる。本書で使用される「液浸」との用語は、基板W等の構造体が液体に浸されなければならないことを意味するのではなく、液体が投影システムPSと基板Wとの間に露光中に配置されることを意味するにすぎない。パターン付けられた放射ビームの投影システムPSから基板Wまでの経路は全体が液体を通る。
図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。例えば放射源がエキシマレーザである場合には、放射源とリソグラフィ装置とは別体であってもよい。この場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を構成しているとはみなされない。放射源がリソグラフィ装置から分かれている構成においては、放射ビームは、適当な方向変更用のミラー及び/またはビームエキスパンダを例えば含むビーム搬送系BDを介して放射源SOからイルミネータILへと受け渡される。あるいは放射源が例えば水銀ランプである場合には、放射源はリソグラフィ装置に一体の部分であってもよい。放射源SOとイルミネータILとは、またビーム搬送系BDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射システムと総称されてもよい。
イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するように構成されたアジャスタADを含んでもよい。一般には、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(通常それぞれ「シグマ−アウタ(σ-outer)」、「シグマ−インナ(σ-inner)」と呼ばれる)を調整することができる。加えてイルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCO等その他の各種構成要素を含んでもよい。イルミネータはビーム断面における所望の均一性及び強度分布を得るべく放射ビームを調整するために使用されてもよい。放射源SOと同様に、イルミネータILはリソグラフィ装置の一部を構成するとみなされてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、イルミネータILは、リソグラフィ装置に一体の部分であってもよいし、リソグラフィ装置とは別体であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置はイルミネータILを搭載可能に構成されていてもよい。イルミネータILは取り外し可能とされ、(例えば、リソグラフィ装置の製造業者によって、またはその他の供給業者によって)別々に提供されてもよい。
投影ビームBは、支持構造MT(例えばマスクテーブル)に保持されるパターニングデバイスMA(例えばマスク)に入射して、パターニングデバイスMAによりパターン形成される。パターニングデバイスMAによりパターン形成された投影ビームBは、パターン付けられたビームと称されてもよい。パターニングデバイスMAを横切った投影ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSはビームを基板Wの目標部分Cに合焦する。第2位置決め装置PWと位置センサIF(例えば、干渉計、エンコーダ、静電容量センサなど)により、例えば投影ビームBの経路に異なる目標部分Cを位置決めするように、支持テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1位置決め装置PMと他の位置センサ(図1には明示せず)は、投影ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを、例えばマスクライブラリからの機械的な取り出し後または走査中に、正確に位置決めするために使用することができる。
一般にマスク支持構造MTの移動は、第1位置決め装置PMの一部を構成するロングストロークモジュール(粗い位置決め用)及びショートストロークモジュール(精細な位置決め用)により実現されうる。同様に、支持テーブルWTまたは「基板支持部」の移動は、第2位置決め装置PWの一部を構成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現されうる。
パターニングデバイスMAと基板Wとは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いてアライメントされてもよい。図においては基板アライメントマークP1、P2が専用の目標部分を占拠しているが、アライメントマークは目標部分間のスペースに配置されてもよい(これはスクライブライン・アライメントマークとして公知である)。同様に、パターニングデバイスに複数のダイが設けられる場合にはパターニングデバイスアライメントマークM1、M2がダイ間に配置されてもよい。
リソグラフィ装置は、説明される様々なアクチュエータおよびセンサのあらゆる動きおよび測定を制御するコントロールユニット120をさらに含む。また、コントロールユニット120は、リソグラフィ装置の動作に関連する所望の演算を実装するための信号処理能力およびデータ処理能力を含む。実際には、コントロールユニット120は、各々がリアルタイムのデータ取得および処理とリソグラフィ装置のサブシステムまたは構成要素の制御とを処理する多数のサブユニットからなるシステムとして実現されてもよい。例えば、一つの処理サブシステムは、第2位置決め装置PWのサーボ制御に専用とされていてもよい。別々のユニットが異なるアクチュエータまたは異なる軸を処理してもよい。他のサブユニットが位置センサIFの読み出しに専用とされていてもよい。リソグラフィ装置の全体制御は、中央処理装置によって制御されてもよい。中央処理装置は、リソグラフィ製造プロセスに関わるサブユニット、オペレータ、および他の装置と通信してもよい。
投影システムPSの最終光学素子と基板との間に液体を提供する構成は3種類に大きく分類することができる。浴槽型の構成、いわゆる局所液浸システム、及びオールウェット液浸システムである。本発明のある実施の形態は、とくに、局所液浸システムに関する。
局所液浸システムに関して提案されているある構成においては、液体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終光学素子100とステージまたはテーブルのうち投影システムPSに対向する対向表面との間の液浸空間10の境界の少なくとも一部に沿って延在する。テーブルの対向表面がこのように称されるのは、テーブルが使用中にほぼ静止しないからである。一般に、テーブルの対向表面は、基板W、支持テーブルWT(例えば基板Wを囲む基板テーブル)、またはその両方の表面である。こうした構成を図2に示す。図2に示され後述される構成は、図1に示す上述のリソグラフィ装置に適用されうる。
図2は、液体閉じ込め構造12を概略的に示す。液体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終光学素子100と支持テーブルWTまたは基板Wとの間の液浸空間10の境界の少なくとも一部に沿って延在する。ある実施の形態においては、液体閉じ込め構造12と基板W/支持テーブルWTの表面との間にシールが形成される。シールはガスシール16(ガスシールを持つこうしたシステムは欧州特許出願公開第1,420,298号に開示されている)のような非接触シールまたは液体シールであってもよい。
液体閉じ込め構造12は、液浸流体たとえば液体を液浸空間10に供給し閉じ込めるように構成されている。液浸流体は、液体開口部のうち一つ、例えば開口部13aを通じて液浸空間10へともたらされる。液浸流体は、液体開口部のうち一つ、例えば開口部13bを通じて除去されてもよい。液浸流体は、少なくとも2つの液体開口部、例えば開口部13aおよび開口部13bを通じて液浸空間10へともたらされてもよい。どの液体開口部が液浸流体を供給するために使用されるか、および任意的に、どれが液浸液を除去するために使用されるかは、支持テーブルWTの移動方向に依存しうる。
液浸流体は、使用中に液体閉じ込め構造12の底部とテーブルの対向表面(すなわち基板Wの表面及び/または支持テーブルWTの表面)との間に形成されるガスシール16によって液浸空間10に収容されてもよい。ガスシール16における気体は、圧力の作用で気体入口15を介して液体閉じ込め構造12と基板W及び/または支持テーブルWTとの隙間に提供される。気体は出口14に付属した流路を介して抜き取られる。気体入口15での過剰圧力、出口14での真空レベル、及び当該隙間の幾何形状は、液浸流体を閉じ込める内側への高速の気体流れが存在するように構成される。液体閉じ込め構造12と基板W及び/または支持テーブルWTとの間の液浸流体に作用する気体の力が液浸空間10に液浸流体を収容する。メニスカス320が液浸流体の境界に形成される。こうしたシステムは、米国特許出願公開第2004−0207824号に開示される。他の液体閉じ込め構造12が本発明の実施の形態に使用されてもよい。
図3は、ある実施の形態に係る更なる液体供給システムまたは流体ハンドリングシステムを示す部分側断面図である。図3に示され後述される構成は、図1に示される上述のリソグラフィ装置に適用されうる。液体供給システムには、投影システムPSの最終光学素子と支持テーブルWTまたは基板Wとの間の液浸空間10の境界の少なくとも一部に沿って延在する液体閉じ込め構造12が設けられている(以下の説明においては、そうではないと明示していない限り、基板Wの表面との言及は、それに加えてまたはそれに代えて支持テーブルWTの表面にも言及するものと留意されたい)。
液体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終光学素子と基板W及び/または支持テーブルWTとの間の液浸空間10において液浸流体を少なくとも部分的に収容する。液浸空間10は少なくとも一部が、投影システムPSの最終光学素子の下方に配置され当該最終光学素子を囲む液体閉じ込め構造12により形成される。ある実施の形態においては、液体閉じ込め構造12は、本体部材53と多孔質部材83とを備える。多孔質部材83は、プレート形状であり、複数の穴84(すなわち開口部または細孔)を有する。ある実施の形態においては、多孔質部材83は、多数の小穴84がメッシュ状に形成されたメッシュプレートである。こうしたシステムは、米国特許出願公開第2010/0045949号に開示される。
本体部材53は、液浸空間10への液浸流体の供給を可能とする1つ又は複数の供給ポート72と、液浸空間10からの液浸流体の回収を可能とする回収ポート73と、を備える。1つ又は複数の供給ポート72は、通路74を介して液体供給装置75に接続されている。液体供給装置75は、1つ又は複数の供給ポート72への液浸流体の供給を可能とする。液体供給装置75から送出される液浸流体は、1つ又は複数の供給ポート72へと、対応する通路74を通じて供給される。1つ又は複数の供給ポート72は、光路の近傍において光路に面する本体部材53の所定位置に配置されている。回収ポート73は、液浸空間10から液浸流体を回収することを可能とする。回収ポート73は、通路79を介して液体回収装置80に接続されている。液体回収装置80は、真空システムを備え、回収ポート73を介して吸引することによって液浸流体を回収することを可能とする。液体回収装置80は、回収ポート73を介し通路79を通じて回収された液浸流体を回収する。多孔質部材83は、回収ポート73に配置されている。
ある実施の形態においては、液浸流体をもつ液浸空間10を、投影システムPS及び液体閉じ込め構造12を一方側とし基板Wを他方側としてそれらの間に形成するために、液浸流体が1つ又は複数の供給ポート72から液浸空間10に供給され、液体閉じ込め構造12内の回収チャンバ81における圧力が、多孔質部材83の穴84(すなわち回収ポート73)を介して液浸流体を回収するよう負圧に調整されている。1つ又は複数の供給ポート72を用いた液体供給動作と多孔質部材83を用いた液体回収動作を実行することによって、液浸空間10が投影システムPSと液体閉じ込め構造12と基板Wとの間に形成される。
図4は、液体閉じ込め構造12を含む液浸システムのメニスカス制御フィーチャを平面図として概略的に示し、これは気体抵抗の原理を使用する出口を有してもよく、本発明のある実施の形態に関連しうる。メニスカス制御フィーチャの特徴が図示されており、これは図2において入口15と出口14によって提供されるガスシール16により図示されるメニスカス制御フィーチャと例えば置き換えられてもよい。図4のメニスカス制御フィーチャは、抽出器、例えば二相抽出器の形式をとる。メニスカス制御フィーチャは、液体閉じ込め構造12に形成されている一連の開口部、例えば複数の離散的な開口部50を備える。各開口部50は、円形として示されているが、そうである必要はない。実際、この形状は必須ではなく、1つ又は複数の開口部50は、円形、楕円、直線(例えば正方形または矩形)、三角形などから選択される1つ又は複数であってもよく、1つ又は複数の開口部は細長くてもよい。
開口部50の径方向内側にはメニスカス制御フィーチャが無くてもよい。メニスカス320は、開口部50への気体流れによって誘起される抵抗力で開口部50間に固定される。気体抵抗速度は、約15m/sより大きく、好ましくは約20m/sより大きければ、十分である。基板Wからの液浸流体の蒸発量が低減され、それにより液浸流体の跳ね及び熱膨張/収縮作用の両方が低減されうる。
流体ハンドリング構造の底部は様々な幾何形状が可能である。例えば、米国特許出願公開第2004−0207824号または米国特許出願公開第2010−0313974号に開示される任意の構造が本発明のある実施の形態において使用可能でありうる。本発明のある実施の形態は、平面において任意の形状を有し、または任意の形状に配列された出口などの構成要素を有する液体閉じ込め構造12に適用されてもよい。限定ではない列挙として、こうした形状には、円などの楕円、矩形(例えば正方形)などの直線形状、菱形などの平行四辺形、または、図4に示されるように、例えば4又はそれより多数の頂点をもつ星形など4以上の角部を有する角付きの形状が含まれうる。液浸空間10のメニスカス320は、角付きの形状を有する。角付きの形状は、例えば、角部が丸みを帯びた概ね菱形の形状であってもよい。各辺がいくらか凹状であってもよい。角部が走査方向(Y)および非走査方向(X)を指し、それにより角付き形状の主軸が実質的に直交しそれぞれが走査方向および非走査方向と実質的に平行となっている。支持テーブルWTの主な動きは走査方向および非走査方向にある。液浸空間10と対向表面との間の界面に相当するウェットエリアは、「フットプリント」と称されることがある。説明されるある実施の形態においては、液体閉じ込め構造12が動作中に、角付き形状をもつフットプリントを有する。他の実施の形態においては、フットプリントは角部を持たず、例えば実質的に楕円または円形であってもよく、フットプリントは任意の形状であってもよい。
公知のリソグラフィ装置は、ガスナイフを備える液体閉じ込め構造12を備えうる。ガスナイフは、液浸空間10に液浸流体の閉じ込めを助けるために使用されうる。したがって、ガスナイフは、液浸流体が液浸空間10から漏れること(これは後に欠陥につながるかもしれない)を防ぐのに有用でありうる。強力なガスナイフを設けることは、(鋭い縁(例えば基板の縁)、または親水表面など別の固定フィーチャを通過することによって、液体に力が印加される)薄膜の引張を防ぐのに有用である。なぜなら、強力なガスナイフは、液体閉じ込め構造12の後方に引き摺られる液浸流体の量を低減または防止するとともに、薄膜を速く破壊し、液体閉じ込め構造12の後方に残される液浸流体の量を低減しうるからである。しかしながら、ガスナイフが強力である場合、ガスナイフの前進側での欠陥は悪化しうる。なぜなら、ガスナイフが基板Wの表面上の液浸流体の滴と衝突するとき、強力なガスナイフは液浸流体の滴がガスナイフの内側に通過することを許容しないからである。これが意味するのは、液浸流体の滴が液体閉じ込め構造12の前進側によってブルドーザーのように前方に押し出されるということである。薄膜の引張とブルドーザー効果はともに誤差を増加する欠陥の原因となり、歩留まりを低減させうるので、これらの問題両方に同時に対処することが有益である。
本発明においては液体閉じ込め構造12を備える液浸リソグラフィ装置が提供される。液体閉じ込め構造12は、上述のように、例えば図4に関連しうる。液体閉じ込め構造12は、液浸流体をある領域に閉じ込めるように構成され、ガスナイフシステムを備える。ガスナイフシステムは、ガスナイフを使用時に発生させるように構成されていてもよい。ガスナイフは、空間10(さもなければ、領域と称される)の径方向外側にあってもよく、液浸流体を閉じ込めるのに寄与しうる。ガスナイフシステムは、液体閉じ込め構造12に形成された一連の開口部を備え、例えば、ガスナイフシステムは、出口60を各々が有する複数の通路を備える。ガスナイフは、使用時に出口60を出るガスによって形成されてもよい。出口60は、平面視においてある形状の少なくとも1つの辺を形成する。出口60は、平面視においてある形状の少なくとも1つ、多数、またはすべての辺を形成してもよい。例えば、出口60は、図4に示されるように4つの頂点をもつ星形の各辺を形成してもよい。形状は、複数の辺を有してもよく、例えば、任意の適切な数(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれより多数)の辺が設けられてもよい。上述のように、出口60は、任意の形状の辺を形成してもよく、これはとくに限定されない。図4は、4つの頂点をもつ星形のうち2つの頂点が走査方向110と一列となる場合を示すが、そうでなくてもよい。ガスナイフによって形成される形状は、任意の選択された向きで走査方向110と整列されてもよい。
少なくとも1つの更なる一連の更なる開口部が液体閉じ込め構造12に形成されてもよく、すなわち、少なくとも1つの更なる開口部300が図4に示されるように設けられてもよい。少なくとも1つの更なる開口部300は、これを通じたガスの通過(液体閉じ込め構造12から出る)のためにある。少なくとも1つの更なる開口部300は、メニスカス制御フィーチャ(図4において離散的な開口部50により示される)とガスナイフの出口60との間に配置されてもよい。この文脈において「の間に」との語は、メニスカス制御フィーチャの径方向外側で出口60の径方向内側を意味する。
前述のように、基板Wは液体閉じ込め構造12に対して移動されてもよく、液浸流体は液体閉じ込め構造12の後方で、例えば走査方向110に沿って液体閉じ込め構造12の後退側で引き摺られうる。液浸流体のメニスカス320が基板Wの表面で破れると、流体薄膜が基板W上に残される。薄膜は液体閉じ込め構造12の後辺/後退側の全長に渡って後退する。後退する薄膜は基板W上で滴へと三角形パターンで分裂する。後辺は、基板Wの相対移動に依存して液体閉じ込め構造12のどの辺であってもよい。後辺は基板Wと液体閉じ込め構造12との相対移動の方向が変われば変わりうる。これら液浸流体の滴は、上述のようにウォーターマーク欠陥につながりうる。しかし、液体閉じ込め構造12の後辺の長さに沿ってドライスポットを設けることは、液浸流体薄膜の後退から生じるウォーターマーク欠陥の低減に役立ちうる。
述べたように、少なくとも1つの更なる開口部300は、メニスカス制御フィーチャとガスナイフとの間にガスを提供するために使用されうる。更なる開口部300は、ガスを提供するために使用される離散的な開口部であってもよい。例えば、少なくとも1つの追加のガス出口300によって提供されるガスは、COガスであってもよい。ガスは、液体閉じ込め構造12の後辺の長さに沿って局所的なドライスポットを生成するために提供されてもよい。追加のガス出口300を出るガスのよどみ点圧力は、使用時にガスナイフを形成する出口60を出るガスのよどみ点圧力とおおよそ同じであるか、またはそれより大きくてもよい。
ドライスポットを生成または促進することによって、薄膜は、液体閉じ込め構造12の後辺の長さに沿って、より小さく、分離した薄膜へと分裂しうる。より小さい分離した薄膜は、液体閉じ込め構造12の後辺の全長にわたって後退するのではなく、液体閉じ込め構造12の後辺に沿っていくつかの位置から後退する。いくつかの小部分として後退することにより、滴は基板Wの表面に小さな後退三角形パターンを形成しうる。そのため、基板Wの表面に残される液浸流体の全量及び/又は滴の数は、減少されうる。換言すれば、小さな三角形パターンをとる液浸流体の全量は、そうでなければ液体閉じ込め構造12の後辺の全長に沿って後退する薄膜から形成されたであろう大きな三角形パターンの滴よりも少なくなる。よって、少なくとも1つの更なる開口部300は、基板Wに残される液浸流体を低減すべくメニスカス制御フィーチャとガスナイフとの間にドライスポットを促進するよう設けられてもよい。
この作用を生成するのに1つの更なる開口部300のみを使用することは、可能でありうる。たとえば、1つの更なる開口部300を液体閉じ込め構造12の後辺に沿って配置するということは、液浸流体が1つではなく2つの分離した薄膜部分として後退することを意味しうる。更なる開口部300は、好ましくは、液体閉じ込め構造12の後辺の長さを等しい部分へと分けるように配置されてもよい。たとえば、更なる開口部300は、液体閉じ込め構造12の後辺に沿っておよそ中央位置に設けられてもよい。あるいは、複数の更なる開口部300が設けられてもよい。たとえば、1つの開口部300が、液体閉じ込め構造12の多数の辺に、又は各辺に設けられてもよい。1、2、3、4、5、6、7、8、9、10等、又は最大で50、又はより多くの更なる開口部300が、少なくとも1つの、多数の、又はすべての辺に設けられてもよい。液体閉じ込め構造12の異なる辺には異なる数の追加の更なる開口部300があってもよく、又は、少なくとも2つの辺が互いに同じ数の更なる開口部300を有してもよい。更なる開口部300の数はとくに限定されず、任意の適切な数が使用されうる。更なる開口部300の数が多ければ、基板Wに残される液浸流体の量は少なくなりうるとともに、残存する液浸流体が基板Wに残される領域は基板Wの外縁に向かって位置しうることになる。
ピッチは、1つの更なる開口部300の中心から隣の更なる開口部300の中心までの距離として定められうる。これは、液体閉じ込め構造12の単一の辺に沿って定められてもよい。このピッチは、隣接する出口60間のピッチのおよそ5倍から100倍大きくてもよい。ピッチは、約1mmより大きく、または約1mmに等しくてもよい。最大ピッチは、更なる開口部300を1つだけ設けた液体閉じ込め構造12の辺の長さによって定められてもよい。言い換えれば、更なる開口部300が一辺に沿って1つだけ設けられる場合、最大ピッチは、この一辺の長さより大きくならない。一例として、更なる開口部300が辺の中央に設けられる場合、ピッチは、この辺の長さの半分となる。また、薄膜を引っ張る時間の長さは、後辺に沿って設けられる更なる開口部300の数が増えるにつれて減少する。薄膜引っ張り時間とは、ガスナイフが外側へと水滴を基板W上に失う時間でありうる。これが終わるのは、流体がガスナイフとメニスカス制御フィーチャとの間に後退し始めるときである。ピッチは、予想または測定される基板Wの表面での液浸流体滴の形成に依存して、選択されてもよい。
リソグラフィ装置の所有コストを低減または最小化するために、スループットと歩留まりを最大化することが望まれる。スループットとは、基板を露光する速さである。歩留まりとは、液浸リソグラフィツールにおいて露光により基板に形成されたデバイスのうち正しく機能する比率である。多数の露光工程がデバイスを生成するのに必要でありうるので、一回の露光での欠陥率が低かったとしても、歩留まりの減少は顕著となりうる。
痕跡欠陥と露光欠陥の発生頻度はともに、支持テーブルWTと液体閉じ込め構造12との間の相対移動の速さが増すにつれて、増加する傾向にある。走査露光中における相対移動の速さは、走査速度と称される。スループットを増加させるために、走査速度の増加が望まれる。走査速度の増加は、欠陥を増加させることにつながりうる。なぜなら、液浸空間10に液浸液を効果的に閉じ込めることがより難しくなるからである。速度が増加すれば、液体閉じ込め構造と対向表面との間のメニスカスにおける不安定性のリスクが高まる。痕跡欠陥と露光欠陥は、露光される基板の面積にわたってランダムまたは一様に分布する傾向をもつのではなく、特定の場所に高確率に発生する。痕跡欠陥と露光欠陥の分布は、露光レシピに従って、とりわけ、目標部分の露光順序(すなわち、支持テーブルWTが辿る一連のモーションからなるルート)に従って、変化しうる。加えて、痕跡欠陥は、液体閉じ込め構造12が露光後(例えば、支持テーブルWTの交換が起こるとき、または、センサの移動が行われるとき)に(部分的に)基板Wの上を移動するとき生成されうる。欠陥の発生を低減するために、基板Wのいくつかの目標部分を露光するときに走査速度が低減されてもよい。しかし、走査速度の低減は、スループットを低減するので、望ましくない。
リソグラフィ装置においては通例、投影システムPSと液体閉じ込め構造12が静止している間に支持テーブルWTが移動することに留意すべきである。しかしながら、支持テーブルWTが静止し投影システムPSと液体閉じ込め構造12が動くかのようにして、支持テーブルWTのモーションを記述することが便利であることが多い。本発明のある実施の形態は、支持テーブルWT、及び/または、投影システムPS/液体閉じ込め構造12のどちらが移動しても適用される。
一連の目標部分を露光するために、典型的には、一連のモーションからなるルートが予め計算される。ルートは、基板Wの表面を横断する連続した列において連続したフィールドに沿って、支持テーブルWTの表面の上で蛇行するモーションにもとづいてもよい。これには、露光されるべき各目標部分についての支持テーブルWTの走査モーションと、支持テーブルWTを次の走査モーションのために整列させる、走査モーション間における移動モーションとが含まれる。露光中には、支持テーブルWTは、非走査方向と実質的に垂直である走査方向(例えば+Y方向)、または、逆走査方向(例えば−Y方向)に移動する。あるシーケンスにおける露光は、走査方向と逆走査方向に交互に行われる。このようにして、露光モーションと移動モーションによりルートが形成される。また、ルートは、露光のシーケンスの前、最中、または、その後に測定を行うモーション、支持テーブルWTの交換のためのモーションを含みうる。あるルートの最中に、基板Wは一部または全体が液体閉じ込め構造12の下方から移動されて液浸流体が基板Wと重ならなくなることもありうる。これが起こるのは、とくに、縁部の目標部分、すなわち基板Wの縁に隣接し又は重なるフィールドを露光するときである。
以下の説明では、基板Wの縁の上を移動する液浸空間10に言及するが、本発明は、液浸空間10が支持テーブルWT上の他の物体、例えば、センサ縁などセンサの上を通過する場合にも等しく適用可能である。本発明は、図4の液体閉じ込め構造12を参照して説明されるが、図2および図3のものを含む他の液体閉じ込め構造12にも本発明は役立ちうるものと理解される。本発明は、液浸流体がフットプリントにどのように閉じ込められているかにかかわらず、任意の形式の液体閉じ込め構造12に適用可能である。例えば、本発明は、液浸流体の閉じ込めを支援する液体閉じ込め構造12から出るガス流れが無い液体閉じ込め構造12に適用可能であり、また、液体及び/またはガスを抽出する(例えば多孔部材を通じて抽出する)開口部の二次元アレイをもつ液体閉じ込め構造12にも適用可能である。
一連のモーションの各モーションは、支持テーブルWTを液体閉じ込め構造12に対して移動させることを含む。各モーションの間に、液体閉じ込め構造12の下方にない状態から液体閉じ込め構造12の下方にある状態へと移動する支持テーブルWTの部分が、液体閉じ込め構造12の前縁の下方を通過する。液体閉じ込め構造12の下方にある状態から液体閉じ込め構造12の下方にない状態へと移動する支持テーブルWTの部分が、液体閉じ込め構造12の後縁の下方を通過する。走査モーションの間において、前縁とは、接近してくる支持テーブルWTに面する液体閉じ込め構造12の縁である。図4を参照すると、支持テーブルWTが紙面で下方に移動する場合、液体閉じ込め構造12の(図示される)上縁が前縁であり、(図示される)下縁が後縁である。走査方向110が変われば、前縁と後縁は変わる。前縁と後縁は、走査モーションと比べてステップモーションでは液体閉じ込め構造12の縁の異なる部分に形成される。よって、前縁、後縁との以下での言及は、モーションそれぞれの前縁、後縁を指し示す。
図4の液体閉じ込め構造12を参照すると、一般に、出口60を通じた流体流量の増加により、液浸流体は前縁で液体閉じ込め構造12の前方に押し出されることになる(いわゆるブルドーザー効果)。後縁では、出口60からの流量の増加により、例えば薄膜の引っ張りによる後縁での液浸流体の損失は少なくなる。更なる開口部300からのガス流量が後縁で大きければ、離散的な開口部50の後方で支持テーブルWTに残される液浸流体の薄膜を分裂させる効果があり、これは液体閉じ込め構造12による液体閉じ込めを改善する。出口60を通じた流量が前縁で減少すると、支持テーブルWT上で液体閉じ込め構造12の経路にある液浸流体は、ブルドーザー効果で押し出されずに出口60の下方を通過し、メニスカス320と衝突して液浸流体と再び合体するか、及び/または、開口部50により抽出される。
上記の原理を基礎として、本発明者らは、走査(またはステップ)速度を必ずしも低速にすることを要せずに、液浸流体が液浸空間10から漏れる可能性を低減し、及び/または、液浸流体が液浸空間10から漏れたことの結果を緩和する手法を見出した。あるモーションの間に液体閉じ込め構造12の後縁での出口60及び/または更なる開口部300からのガス流量を増加させれば、液浸流体を漏らすことなく、高移動速度が可能となる。前縁では支持テーブルWT上の液浸流体を2つの方法のうち1つにより対処することが可能である。1つは、出口60(および任意的に、更なる開口部300。ただし重要性は低い。)からの流量を低減することである。この場合、支持テーブルWT上の液浸流体は、出口60の下方を通過して、液浸空間10の液浸流体と再び合体し、及び/または、離散的な開口部50によって抽出される。支持テーブルWT上に残される液浸流体の量が少なければ、これは液浸流体を拭き取る良い方法でありうる(それにより、痕跡欠陥を避けられる)。もう1つは、出口60(および任意的に、更なる開口部300。ただし重要性は低い。)からの流量を増加することである。こうして、支持テーブルWT上の液浸流体はいずれも液体閉じ込め構造12の経路からブルドーザー効果で押し出されうる。それにより、大量の液浸流体が出口60の下方を通過して開口部50間に延びるメニスカス320に衝突することが避けられる。こうして、液浸空間10に気泡が含まれるリスクを低減し、露光欠陥の可能性を低減することができる。この手法は、ブルドーザー効果で押し出される液浸流体が、許容できる場所(例えば、支持テーブルWTにおける、基板Wを包囲する抽出開口部)に移動すると判断できる場合にのみ適切でありうる。
図4は、上述の見解をどのように利用しうるかについて1つの方法を示す。出口60および更なる開口部300を通じた流体流量は、支持テーブルWTの移動方向に従って制御されることができる。これは個別の出口60/更なる開口部300で行うことが可能でありうるが、図4の実施の形態においては、一連の出口60をなす出口60および一連の更なる開口部300をなす更なる開口部300がそれぞれ、出口60および更なる開口部300の2つのグループに分けられている。上部の出口60および更なる開口部300はすべて、単一のチャンバ400に接続されている。チャンバ400に入り対応する出口60および更なる開口部300から出る流体の流体流量は、第1流量制御弁410によって制御される。図示のように、支持テーブルWTが紙面で下方に移動するとき、ともにチャンバ400に接続された紙面上部の出口60および更なる開口部300は、液体閉じ込め構造12の前縁を形成する。前縁における出口60および更なる開口部300を通じたガス流量を切り替えることができる。流量を増加させ、支持テーブルWT上で液体閉じ込め構造12の経路に残存する液浸流体をブルドーザー効果により遠ざけることができる。あるいは、流量を減少させ、液体閉じ込め構造12の経路における液体を、液浸空間10の液浸流体に再び吸収し、または離散的な開口部50により抽出することができる。逆に、支持テーブルWTが液体閉じ込め構造12の下方で紙面を上方に移動するとき、ともにチャンバ400に接続された出口60および更なる開口部300は、今度は液体閉じ込め構造12の後縁を形成する。この場合、流量制御弁410は、チャンバ400に入り出口60および更なる開口部300から出る流体流量を増加する。こうして、液浸流体の漏れが起こりにくくなる。図示されるように、液体閉じ込め構造12の(図4に示す)下部の残りの出口60および更なる開口部300は、第2流量制御弁411によって流体流量が制御される第2チャンバ401に接続されている。チャンバ400、401がどのように実装されるかについてのいくつかの実施の形態は、図8から図13を参照して後述される。
図4の実施の形態においては、前縁および後縁(走査モーション)での出口60および更なる開口部300からのガスの速度は、出口60および更なる開口部300が共通のチャンバ400、401に接続されているので、実質的に等しいものと理解される。
図4の実施の形態は、走査方向110の移動について液体閉じ込め構造12の前縁および後縁からの流体流量を制御するために最適化されているが、これは必須ではなく、例えば、4つのチャンバ(1つずつ液体閉じ込め構造12の4つの縁部それぞれに沿って)が設けられてもよい。こうして、すべての出口60および更なる開口部300が、走査移動の間における前縁および後縁だけでなく、(図4に示される左右の)ステップ移動の間にも前縁および後縁として、制御された流体流量を有しうる。
共通チャンバ400、401は、液体閉じ込め構造12の平面視においてどのような形状で設けられてもよい。加えて、任意の数のチャンバ400、401が関連する流量制御弁410、411を有して設けられてもよい。同様の原理がメニスカス固定フィーチャを定める一連の開口部を形成する離散的な開口部50に適用されてもよい。更なる実施の形態においては、出口60と更なる開口部300に、別個の共通チャンバが設けられてもよい。ある実施の形態においては、出口60、更なる開口部300、離散的な開口部50の任意の組み合わせとともに共通チャンバが設けられてもよい。
同様の原理は、図2および図3のものを含む他の液体閉じ込め構造にも適用されうる。
上述の性質を利用する1つの方法は、出口60(及び/または更なる開口部300)からのガス流量を、液体閉じ込め構造12の下方での支持テーブルWTの進行方向に従って変化させることであろう。しかし、これはガス流量を頻繁に(方向が変わるたびに)変えることを必要としうる。
上述のように、流体流量を変化させる頻度が支持テーブルWTおよび液体閉じ込め構造12に生じる方向の変化の頻度と同程度であるのは、流量制御弁410、411の寿命の懸念から、望ましくない。そこで、本発明者らは、方向の変化のたびに流体流量を切り替えることを要せずに、上述した可能性を利用する本発明を考案した。加えて、本発明は、異なる流量変化を実装することを可能にする。これは、前縁で出口60からの流量を増加する等、後述のように、前縁で出口からの流量を常に減少することに代えて、ある状況では有利となりうる。
本発明は、一連の開口部のうち1つの開口部に出入りする流体流量をたいていは予め定められた一定流量とすることを可能にする。液体が失われることが予測され、及び/または、以前に失われた液体と液体閉じ込め構造12の相互作用があるときに限り、流量が変化される。すなわち、流量を絶えず切り替える必要はない。よって、流量の切替に関与する弁の寿命は長くなる。
本発明においては、コントロールユニット120が、一連のモーションのうち液浸空間10の縁が基板Wの縁を通過する少なくとも1つのモーションの間に液浸空間10から液体が失われるか否かを予測する。これは液体損失がもっとも起こりやすいモーションである。液浸空間10からの液体損失が予測される場合、液体損失が予測されたモーションの間に(液体損失の量を無くし、または低減するために)、または一連のモーションのうち液体損失が予測されたモーションに後続するあるモーションの間に(損失液体の影響を緩和するために)、少なくとも1つの開口部からの流体流量が変化させられる。コントロールユニット120は、これを、一連の開口部のうち液体閉じ込め構造12の前縁にある開口部への又は当該開口部からの第1流体流量が一連の開口部のうち液体閉じ込め構造12の後縁にある開口部への又は当該開口部からの第2流体流量と異なるように修正することによって、行う。
(メニスカス制御フィーチャを形成する)離散的な開口部50は、一連の開口部のうちの開口部であると理解されうる。出口60は、(ガスナイフを形成する)一連の開口部のうちの開口部であると理解されうる。更なる開口部300は、(薄膜分裂フィーチャとしての)一連の開口部のうちの開口部であると理解されうる。
液体の損失を予測することのできる方法が後述される。
あるルートを実行する間に、支持テーブルWT上の基板Wの縁がメニスカス320により定まる液浸空間10の縁の下方を移動するとき、液浸空間10からの液浸流体の損失がもっとも起こりやすい。取り残される液体は、痕跡欠陥または露光欠陥をもたらしうる。例えば、液体が基板W上で一つの位置に取り残される場合、これは浸出欠陥をもたらしうる。追加的に、または代替的に、液体が一つの位置に過剰に長く取り残される場合、残存する液体は蒸発してその位置に有害な冷却負荷をもたらす。追加的に、または代替的に、当該ルートのなかで後続するあるモーションが、以前のモーションにより取り残された漏出液体とメニスカス320との衝突をもたらす場合には、これは、液浸空間10における泡形成をもたらしうる。こうした泡形成は露光欠陥をもたらしうる。
液浸空間10の縁が基板Wの縁を通過するときのモーションの速さを低減することにより、液浸空間10から液体が失われる可能性は低減される。しかし、こうしたシステムは、スループットを最適化しないかもしれない。なぜなら、縁を通過するモーションのうち液体損失にはつながらないものについても、不必要に低減された速さで行われるからである。エンドユーザは異なる要求を有しうる。あるエンドユーザは欠陥率の低下と引き換えにスループットの低下を好むかもしれないし、他の顧客は欠陥が増えてもスループットを大きくすることを要求するかもしれない。
本発明者らは、それより大きければ液浸空間10からの液体損失が起こり、それより小さければ液浸空間10からの液体損失が起こらなくなる、実験的に測定可能な基板Wの縁に対する液浸空間10の縁の相対速度があることを解明した。この実験的に測定されるパラメータは、使用される液体閉じ込め構造12の形式および液体閉じ込め構造12を動作させるパラメータ(例えば、流体流れの速さ、流体の体積流量、液体閉じ込め構造12の底面と基板Wとの距離)だけでなく、縁の真円度など基板Wの形状、基板Wの縁の面取り、局所的な温度変動、基板W上のフォトレジストの縁が処理される方法(いわゆるエッジビード除去の方策)、使用されるフォトレジストの種類、基板Wの上面での液浸流体の静的後退接触角など種々の変数に依存し、またこれらに限定されない。
図5は、上述の知見を使用してコントロールユニット120が支持テーブルWTの位置決め部130をどのように制御するかを示すフロー図である。図5のフロー図は、プロセスがたどるステップを1つずつ提案するが、これは必須ではなく、このように記述されるのは理解を助けるためである。ある実施の形態においては、ループ2000〜4000におけるすべてのステップが、同時に、例えば行列操作を用いて、計算される。この実施の形態は、計算を速く行うことができるので、好ましいかもしれない。この実施の形態は、プロセスがルートの実行中に行われる場合にもっとも適しているかもしれない。
所望されるルートの詳細が、ステップ1000でコントロールユニット120に送信される。ルートに関する情報は、あるモーションが開始されるときの物体に対する液浸空間10の場所、あるモーションが終了されるときの物体に対する液浸空間10の場所、そのモーションの開始の場所と終了の場所との間の移動の速さおよび方向に関する情報を含む。コントロールユニット120は、ルートのなかで液浸空間10の縁が物体の縁を通過するモーションについてステップ2000に進む。コントロールユニット120は、ステップ2000において、物体の縁に対する液浸空間10の縁の速さを決定する。ステップ3000において、コントロールユニット120は、そのモーションで液体損失が起こる可能性があるか否かを予測する。コントロールユニット120は、これを、ステップ2000において決定された速さを予め定められたパラメータと比較することによって、行う。ステップ2000において決定された速さが予め定められたパラメータよりも大きい場合には、液体損失の予測がなされる。
ある実施の形態においては、予め定められたパラメータは、速さを示す。予め定められたパラメータは、液浸空間10からの液体損失が起こると実験的に決定された速さであってもよい。
ステップ3000において液体損失が予測されたそれらのモーションに関して、ステップ4000においては、液体損失が予測された少なくとも1つのモーションの間における、当該ルートについての1つ又は複数のパラメータを修正することができる。修正は、当該モーションの間における損失液体の量を低減し、または、液体損失を実質的に防止することを目指す。
ステップ4000の後、コントロールユニット120は、ループ2500を介してステップ2000に戻ってもよい。ある実施の形態においては、コントロールユニット120は、ステップ2000、3000(および任意的に、4000)を、コントロールユニット120が修正したばかりのモーションについて繰り返してもよく、または、繰り返さなくてもよい。繰り返しは、予測された液体損失をさらに防止または低減することが適切であるか否かを確認するために行われてもよい。これは、ステップ4000においてなされた修正が液浸空間10からの液体損失の所望される低減を実現するのに有効であるか否かを見る確認であると理解することができる。
予め定められたパラメータは、実験的に決定されてもよい。例えば、予め定められたパラメータは、液浸空間10の縁が物体の縁を通過するとき液体が液体閉じ込め構造12から漏出すると判明している物体の縁に垂直な方向における液浸空間10の縁の速さであってもよい。予め定められたパラメータは、試験用物体の縁を液浸空間10の縁の下方で、試験用物体の縁に垂直な方向において複数の異なる液浸空間10の縁の速さで移動させることによって、決定されてもよい。そして、予め定められたパラメータは、液浸空間10から液体が実質的に失われない速さと液浸空間10から液体が失われる速さとの間の値に設定されてもよい。ある代替の実施の形態においては、予め定められたパラメータは、液浸空間10において液体閉じ込め構造12の表面と基板Wの表面との間に延びる液浸流体のメニスカスが試験用物体の縁で不安定となる最小の速さであってもよい。
ある実施の形態においては、予め定められたパラメータは、実験的に決定されなくてもよい。例えば、オペレータが任意の予め定められたパラメータを選択してもよい。そして、オペレータは、実現されるスループットと欠陥率にもとづいて、予め定められたパラメータを増加または減少させるのかを決定してもよい。予め定められたパラメータの増加は、スループットを高めるが、欠陥率も高めうる。予め定められたパラメータの大きさを小さくすることは、ルートのなかで一連のモーションのうちより多くのモーションが低減された速さを有する結果をもたらし、これはスループットを小さくするが、欠陥率も小さくしうる。
ある特定のモーションにおいて、物体の縁に対する液浸空間10の縁の予測された速さが予め定められたパラメータより大きい場合には、液浸空間10からの液体損失が予測される結果となる。制御プログラムは、液体損失が予測された当該モーションの間に、または、一連のモーションのうち液体損失が予測された当該モーションに後続するあるモーションの間における、ルートの1つ又は複数のパラメータを修正してもよい。
本発明においては、修正される1つ又は複数のパラメータは、流体流れであり、それにより、一連の開口部のうち液体閉じ込め構造12の前縁にある開口部への又は当該開口部からの第1流体流量が一連の開口部のうち液体閉じ込め構造12の後縁にある開口部への又は当該開口部からの第2流体流量と異ならせる。後述のように、液体が失われると予測されたモーションの間において(この場合、液体損失の可能性が除去または低減される)、または、一連のモーションのうち液体損失が予測されたモーションに後続するあるモーションの間において(この場合、損失液体の影響を緩和するステップが行われる)、第1流体流量が通常の予め定められた一定の流量から増加されるか又は減少されるか、及び/または、第2流体流量が通常の予め定められた一定の流量から増加されるか又は減少されるかは、いくつかの因子に依存する。
ある実施の形態においては、コントロールユニット120は、液浸空間10からの液体損失が予測される場合、液体閉じ込め構造12の後縁にある一連の開口部への又は当該開口部からの第2流体流量を増加させることによって流体流れを修正するように適合されている。これは、例えば、後縁で、ガスナイフを形成する一連の開口部(すなわち、出口60)、及び/または、更なる開口部300によって形成される一連の開口部のいずれかでありうる。いずれかの方法によって、液体閉じ込め構造12の液体閉じ込め能力は、増加され、すなわち、予測された液体損失は起こりにくくなる。第1流量と第2流量を異ならせる流体流量のこの増加は、液体損失が予測されたモーションの間に行われる。
上述の実施の形態においては、液体損失が予測されたモーションの間に流体流れを変化させることによって、予測された液体損失が低減または除去されるよう試みられているところ、液体閉じ込め構造12の前縁にある一連の開口部への又は当該開口部からの第1流体流量は、好ましくは、修正されず(すなわち、予め定められた一定の流量に維持され)、液体閉じ込め構造12の後縁にある一連の開口部への又は当該開口部からの第2流体流量が、予め定められた一定の流量を超えて増加される。
後縁での離散的な開口部50への流体流量を変化させることも可能である。離散的な開口部50への流体流量の増加は、後縁での閉じ込め能力を改善するのに有効である。
他の実施の形態においては、(液体損失が予測されたモーションの間に第1及び/または第2の流体流量が修正された場合であっても)液体損失が予測される場合、一連のモーションのうち液体損失が予測されたモーションに後続するあるモーションの間に、第1流体流量と第2流体流量が異なるように修正されてもよい。この実施の形態において流体流れにどのような修正を施すかを定める方法は、後述される。
ある実施の形態においては、コントロールユニット120はさらに、計算後のステップ3000を、ステップ3000において液体損失が予測された場合にステップ4000へと続行するか否かを決定する前に、行う。例えば、コントロールユニット120は、漏れた液体の位置、漏れた液体の量、及び/または、漏れた液体が1つの場所に滞在する時間が、液浸流体損失の結果として生じる欠陥の低リスクにつながることを判断してもよい。欠陥のリスクが低いと判定される場合には、液体損失のリスクは受容されてもよく、コントロールユニット120は、ステップ4000においてルートの1つ又は複数のパラメータを修正することなく、ステップ2000へと戻る。したがって、予測された液体損失を防止または低減することが適切であるか否かを判定するステップが、ステップ3000の後でステップ4000へと進む前に実行されてもよい。予測された液体損失を防止することが適切でないと判定される場合には、コントロールユニット120は、ステップ4000に進むことなくループ2500を行う。予測された液体損失を低減することが適切であると判定される場合には、コントロールユニット120は、ステップ4000に進む。
ある実施の形態においては、コントロールユニット120は、ルートの後続するモーションの間における、基板W上の液体損失からの何らかの液体の動きを予想する。例えば、モーション全体を通じて、または、液体閉じ込め構造12が方向を変えるまで、液体の漏れが(ある最小量を超えて)起こることを予測することができる。また、漏れた液体と液体閉じ込め構造12との相互作用を予測することもできる。基板W上に取り残された液体は、液体閉じ込め構造12がその液体を通過するときに液浸空間10へと吸収されてもよい。一方、漏れた液体は、例えば液体閉じ込め構造12の径方向外側ガスナイフ構成要素(出口60)によって、液体閉じ込め構造12の前方へ押されてもよい(ブルドーザー効果)。液体は、その経路を液体閉じ込め構造12の外側周囲にとり、液体閉じ込め構造12の後方で基板W上に滴の痕跡として残されうる。また、滴の痕跡は、初期漏れによっても残される(痕跡滴と称される)。例えば、吸収される液体とブルドーザー効果で押される液体の両方のタイプの液体が後に痕跡滴となりうることは、シミュレーションで説明される。液体の動きは、後続のモーションの間における液体と液体閉じ込め構造12との相互作用の結果でありうる。例えば、基板W上に残存する液体が液浸空間10の経路にあるか否かが1つ又は複数の後続するモーションについて判定される。そして、コントロールユニット120は、液体損失の液体が基板W上の特定の1つの場所に滞在する時間を決定してもよい。液体損失の液体が基板W上の1つの場所に滞在する時間が、予め定められた浸出限界または予め定められた蒸発限界よりも長い場合には、液体損失が防止または低減されるべきであると判定されてもよい。予め定められた浸出限界は、浸出欠陥が予期されるよりも長い時間として理解されうる。予め定められた蒸発限界は、蒸発による痕跡欠陥または局所冷却欠陥(例えば、粒子状物質または局所冷却)が予期されるよりも長い時間として理解されうる。予め定められた浸出限界および予め定められた蒸発限界は、どの程度の時間後に浸出欠陥が起こるか、または蒸発欠陥が起こるときを決定する実験を行うことによって、実験的に決定されてもよい。代替的に、または追加的に、それらのパラメータは、実験にもとづいて選択されてもよい。
ある実施の形態においては、コントロールユニット120は、少なくとも1つのモーションの間に予期される液体損失の量の見積を作成してもよい。ある実施の形態においては、液体損失の量の見積は、法線方向2004、2006(図6参照)の違いにもとづいて作成されてもよい。例えば、法線方向2004、2006間の角度がより小さければ、これは液体損失がより大きいことを示しうる。
よって、コントロールユニット120は、少なくとも1つのモーションに後続するあるモーションでの液浸空間10の経路における、少なくとも1つのモーションで失われた液体の存在を予想することができる。したがって、有利には、コントロールユニット120は、失われた液体が液浸空間10の経路に存在すると予想された後続のモーションの間に、流体流れを修正するように適合されていてもよい。こうして、液体閉じ込め構造12の前縁でガスナイフを形成する出口60からの流体流れと液浸空間10の経路における液体との上述した相互作用を利用することができる。
例えば、液体閉じ込め構造12の前縁での出口60からの流体流量は、後続のモーションの間、液浸空間10の経路における失われた液体の量が予め定められた最大量より小さいと判定される場合に、減少されてもよい。したがって、支持テーブルWT上に残存する液体損失の量が小さい場合には、出口60からの流量を低減することができ、それにより、液体が液浸空間10の液浸流体へと再吸収され、または離散的な開口部50を通じて抽出されるように、出口60によって形成されるガスナイフの下方を損失液体に通過させることができる(ブルドーザー効果により経路から外すのではなく)。液体の量が小さく、ガスナイフを通過させることが可能な場合、液浸空間10の液浸流体に大きな泡が取り込まれて結像欠陥をもたらすリスクは小さい。なぜなら、たいてい、気泡は小さく、基板Wへの照射が通過する領域に到達する前に完全に溶解するからである。
反対に、コントロールユニット120によって、後続のモーションの間、液浸空間10の経路における失われた液体の量が予め定められた最小量より大きいと判定される場合に、前縁でのガスナイフの出口60からの流体流量は、増加されてもよい。こうして、液体閉じ込め構造12の経路における液体は、ブルドーザー効果により経路から外れ、それにより、離散的な開口部50間に延びるメニスカス320に衝突することが防止され、また、基板Wへの照射が通過する領域に入る前に溶解しないという高リスクをもつ大きな気泡が液浸流体に捕捉されることが防止される。
コントロールユニット120が前縁での出口60からの流体流量を増加させうる別のシナリオは、このようにしてブルドーザー効果で押される損失液体が、液体の存在を許容できる位置に押し出される結果になると予想される場合である。例えば、損失液体の存在を許容できるかもしれない位置は、基板Wの表面から外れた位置であってもよい。例えば、液体は、基板Wを囲んで支持テーブルWTに設けられた、液浸流体を抽出することのできる排出口へと移動されてもよい。
どのような修正を流体流れに行うかを決定する方法を以下に述べる。
本発明者は、液浸空間10からの液体損失が起こる相対速度が液浸空間10の縁と基板Wの縁との相対位置関係にも依存することを見出した。ある実施の形態においては、コントロールユニット120は、少なくとも1つのモーションの間における基板Wの縁に垂直な方向において液浸空間10の縁の速さを決定する。この速さは、当該モーションの間に液浸空間10から液体が漏れる可能性があるか否かについて、より正確な判定を与える。
少なくとも1つのモーションの間における基板Wの縁に垂直な方向において液浸空間10の縁の速さを決定するために、コントロールユニット120は、平面視による液浸空間10のとりうる形状に関する幾何学的情報を備える。加えて、コントロールユニット120は、基板Wの縁の形状に関するデータを備える。ある実施の形態においては、ステップ2000において、液浸空間10の縁は、複数の離散的な液浸空間縁部として処理される。基板Wの縁は、同様に、すなわち、複数の離散的な物体縁部として、処理されてもよい。
コントロールユニット120は、離散的な液浸空間縁部が通過する離散的な物体縁部の縁に垂直な方向において離散的な液浸空間縁部の速さを決定する。決定された速さは、離散的な液浸空間縁部速度と称されてもよい。ある特定のモーションについて計算された離散的な液浸空間縁部速度の各々は、予め定められたパラメータとステップ3000において比較される。ある実施の形態においては、ある所与のモーションについていずれかの離散的な液浸空間縁部速度が、予め定められたパラメータより大きい場合には、コントロールユニット120は、ステップ4000へと移る。比較ステップ3000が、予測された離散的な液浸空間縁部速度が予め定められたパラメータより大きくないことを示す場合には、コントロールユニット120は、ループ2500を介してステップ2000に戻り、ルートの一連のモーションのうち次のモーションについて離散的な液浸空間縁部速度を予測する。代替の実施の形態においては、所定数以上の離散的な液浸空間縁部速度が予め定められたパラメータを超える場合に限り、コントロールユニット120は、ステップ4000に進む。
ステップ4000においてルートの1つ又は複数のパラメータを修正した後、コントロールユニット120は、ループ2500を介してステップ2000に戻り、ルートの一連のモーションのうち次のモーションについて離散的な液浸空間縁部速度を予測する。
液浸空間の縁を複数の離散的な液浸空間縁部として離散化することは、コントロールユニット120にとって液浸空間10の縁が基板Wの縁を通過するか否かを判定するにも便利である。例えば、液浸空間縁部のうち1つの一端または両端がルートのモーションの間に物体縁部を通過する場合に、コントロールユニット120は、液浸空間10の縁が基板Wの縁を通過すると判定する。ある実施の形態においては、液浸空間10の縁が基板Wの縁を通過する場合に限り、基板Wの縁に対する液浸空間10の縁の速さが予測される。
ある実施の形態においては、図6に例示されるように、液体閉じ込め構造12は、底面(すなわち、基板Wの表面に対向する表面)に複数の抽出開口部50を備える。開口部50は、液浸空間10の外側からガスを抽出し、及び/または、液浸空間10の内側から液浸流体を抽出するためにある。液浸流体のメニスカス320は、隣接する開口部50間に延びている。液浸空間10の縁を複数の離散的な液浸空間縁部へと、離散的な液浸空間縁部を1つ又は複数の連続した開口部50間(例えば隣接する開口部50間)に延在するように割り当てることによって、離散化することが、便利である。
図6に示されるように、ある実施の形態においては、コントロールユニット120は、離散的な液浸空間縁部の法線方向を計算する。液体閉じ込め構造12の移動方向は、矢印2002により示されている。図に示されている液浸空間縁部について、法線方向2004を計算することができる。同様にして、物体縁部の法線方向2006(物体縁部への接線2005に直交)を計算することができる。
メニスカス320には、液体閉じ込め構造12に対する基板Wのモーション2002により、その法線2004の方向に力が作用する。そして、基板Wに対してメニスカス320に作用する局所速度は、基板Wに対する液体閉じ込め構造12の速度をメニスカス320の法線方向2004に分解することによって計算される。そして、物体縁部に対する法線2006の方向における局所速度の成分が計算される。この成分は、接触線速度と称され、予め定められたパラメータと比較される。それにより、物体の縁に対する液浸空間10の縁の速さが計算される。この速さを計算するためにベクトル分析が使用されてもよい。よって、少なくとも1つのモーションによる2つの法線方向2004、2006の相対速度が計算され、その大きさが予め定められたパラメータと比較される。2つの法線方向2004、2006、少なくとも1つのモーション2002は、図7に示されている。結果として得られるベクトル2010は、離散的な物体縁部に対する法線の方向における、離散的な液浸空間縁部に対する法線の相対速度を示しており、これが計算される。ある実施の形態においては、相対速度の大きさが、ステップ3000において予め定められたパラメータと比較される速さとなる。
コントロールユニット120は、ルートを実施しているときに(例えば、予測し、比較し、修正する)上述のプロセスを実行してもよい。すなわち、コントロールユニット120は、液体閉じ込め構造12が既にルートを辿っているときにステップ2000〜4000を実行してもよい。代替の実施の形態においては、コントロールユニット120は、ルートについてのステップ2000〜4000を、オフラインで、修正したルートを液浸装置で実行する前に、実行してもよい。
ある実施の形態においては、ルートを計算または実行する命令は、上述の方法を記述する機械読み取り可能な命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、または、そうしたコンピュータプログラムを保存したデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形式をとりうる。コンピュータプログラムは、既存のリソグラフィ装置へのアップグレードとして適用されてもよい。
図4の流体ハンドリング構造における2つ(またはそれより多く)のチャンバ400、401の実用的な実装を、図8から図13を参照して以下に述べる。図8から図10、図13は、ZX面にとる断面であり、図11および図12は、YZ面にとる断面である。以下の説明はチャンバ400、401と流体連絡している出口60に言及するが、本発明は、流体ハンドリング構造12における更なる開口部300、及び/または開口部50など他の任意の一連の開口部を分割するために適用されてもよい。
一連の開口部60のうち第1サブセットを第1チャンバ400と流体連絡させ、一連の開口部60のうち第2サブセットが第2チャンバ401を流体連絡させることの難しさは、一連の開口部のうち開口部60が非常に近接している点にある。その結果、2つのチャンバ400、401を分離する壁が極端に薄くならなければならない。薄い壁は、良好なシールを提供し、それにより第1チャンバ400と第2チャンバ401との間の漏れを防止することを保証しない。第1チャンバ400と第2チャンバ401との間の漏れが過剰に大きければ、一連の開口部60のうち第1サブセットからの流れと一連の開口部60のうち第2サブセットからの流れの個別的な切替は、実現され得ない。
概して、第1チャンバ400と第2チャンバ401は、別々の第2部材600と第1部材700によって定められ、これらは合わさって、両者の間に第1チャンバ400と第2チャンバ401を定める。別々の第2部材600と第1部材700の結合部では漏れの可能性がある。
ある実施の形態が図8に示される。図8の実施の形態においては、開口部60は、第1部材700に形成されている。図8のI−I線での断面が図11に示される。理解されるように、第1部材700は、第2チャンバ401の底部および側部を形成する。第2部材600は、第2チャンバ401の残りの側部と上部を定める。
第1チャンバ400を第2チャンバ401から仕切るために、図8に明りょうに示されているが、部分650は、第2部材600の一部であり、一連の開口部60の一方側から、一連の開口部のうち2つの隣接する開口部60の間を一連の開口部の他方側へと延在している。部分650は、第2部材600と単調である。
部分650の底部と、第1チャンバ400および第2チャンバ401の底部を定める第1部材700の上面との間に、シールが形成される必要がある。加えて、部分650の前面655と、第1チャンバ400および第2チャンバ401の側部を定める第1部材700の側壁との間に、シールが形成されなければならない。
部分650の底面と第1部材700との間のシールは、適当なシールを形成することができる。なぜなら、第1部材700と第2部材600との締め付けを堅く実現することができるからである。
ところが、部分650の前面655と、第1チャンバ400および第2チャンバ401を定める第1部材700の側部との間のシールは、より問題がある。そのため、凹部710が、第1部材700において、部分650が第2チャンバ401から突出している第1側とは反対の、一連の開口部の第2側に形成されている。部分650は、凹部710へと延在している。こうして、そうではない場合に比べて長いシールが、部分650の前面655と凹部710の表面755との間に形成される。より長いシール長さが存在するので、第1チャンバ400における圧力と第2チャンバ401における圧力との間にある程度の分離を提供するのに有効である。加えて、部分650の厚さは、一定ではない。すなわち、部分650は、2つの隣接する開口部60の間にある第1部分において、凹部にある部分650の第2部分に比べて、細くなっている。これは、シールの長さをさらに長くし、それにより第1チャンバ400と第2チャンバ401との間のシール性を改善するのに有効である。
少なくとも2つの部分650が、第1チャンバ400と第2チャンバ401を分離するために各端部に設けられてもよい。加えて、(図示とは反対に)部分650が第1部分700に設けられ、凹部710が第2部分600に設けられることも可能でありうる。しかし、製造の容易性からいえば、部分650が一連の開口部を定めない部材に設けられる場合に、製造がより容易となる。
図9、図10、図12は、図8に示される実施の形態のシール能力を改善する更なる改良を示す。部分650の前面655と第1部材700との間のシールを改善するために、ある実施の形態においては、キャビティが、部分650の前面655と凹部710を定める表面755との間のギャップの一部分を含むように(例えば、ドリル加工、レーザ加工、または放電加工(EDM)により)形成される。キャビティ750は、図9および図12に示されている。よって、キャビティ750の表面は、一部が部分650により定められ、一部が第1部材700により定められている(これらはキャビティの側面を定める)。
図10に示されるように、第3部材がキャビティ750に位置し、それにより、第1チャンバ400と第2チャンバ401との間にシールが形成されてもよい。キャビティ750は、第1部材700へと第1チャンバ400および第2チャンバ401の高さより下まで延びている。第1部材700と第2部材600は、キャビティ750を形成する前にボルトまたは溶接により結合されうるので、第3部材800とともに厳しい公差をもつようにキャビティ750を形成することは、第1部材700と第2部材600を形成するよりも、より容易である。したがって、図10および図12の実施の形態においては、第3部材800と第1部材700との間に、および、第3部材800と部分650との間に、より良好なシールを実現することができる。
図13は、シール性能に関して図8に示される実施の形態についての改良であり、シール性能ではなく製造可能性に関して図10、図12の実施の形態に対する改良である他の実施の形態を示す。図13の実施の形態においては、部分650の前面655は、複数の角または複数の表面方向変化をもつ蛇行性の経路を有するように形状が定められている。凹部710の表面755は、前面655と凹部755の表面とが共にラビリンスシールを形成するように前面655に対し相補的表面を有する。ラビリンスシールは、図8の実施の形態において形成されるシールよりも長い長さを有するので、第1チャンバ400と第2チャンバ401との間の流体密性を改善する。
本明細書ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に具体的に言及しているかもしれないが、本書に説明されたリソグラフィ装置は、集積光学システム、磁区メモリ用案内パターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造など他の用途を有しうるものと理解されたい。当業者であればこれらの他の適用に際して、本書における「ウェーハ」あるいは「ダイ」という用語がそれぞれ「基板」あるいは「目標部分」という、より一般的な用語と同義であるとみなされると理解することができるであろう。本書に言及される基板は、露光前または露光後において例えばトラック(典型的にはレジスト層を基板に塗布し、露光後のレジストを現像する装置)、メトロロジツール、及び/またはインスペクションツールにより処理されてもよい。適用可能であれば、本書の開示はこれらのまたは他の基板処理装置にも適用されうる。また、基板は例えば多層ICを製造するために複数回処理されてもよく、その場合には本書における基板という用語は処理済みの多数の層を既に含む基板をも意味する。
本書において「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外(UV)放射(例えば約365nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長を有する)を含むあらゆる種類の電磁放射を包含する。
「レンズ」という用語は、文脈が許す場合、屈折光学部品、反射光学部品、磁気的光学部品、電磁気的光学部品、静電的光学部品を含む各種の光学部品のうちいずれか1つ、又はこれらの組み合わせを指し示してもよい。
いくつかの具体的な実施形態が上述されたが、説明したもの以外の態様で本発明の実施形態が実施されてもよいものと理解される。上述の説明は例示であり、限定を意図しない。よって、後述の特許請求の範囲から逸脱することなく既述の本発明に変更を加えることができるということは、関連技術の当業者には明らかなことである。

Claims (13)

  1. 少なくとも1つの目標部分を有する物体を支持するように構成された支持テーブルと、
    パターン付けられたビームを前記物体に投影するように構成された投影システムと、
    前記支持テーブルを前記投影システムに対して移動させるように構成された位置決め部と、
    液体閉じ込め構造に形成された一連の開口部を通じた液体閉じ込め構造への及び/又は液体閉じ込め構造からの流体流れを用いて、液体を前記投影システムと前記物体および/または前記支持テーブルの表面との間の液浸空間に閉じ込めるように構成された液体閉じ込め構造と、
    前記液体閉じ込め構造の下方にない状態から前記液体閉じ込め構造の下方にある状態へと移動する前記支持テーブルの部分が前記液体閉じ込め構造の前縁の下方を通過し、前記液体閉じ込め構造の下方にある状態から前記液体閉じ込め構造の下方にない状態へと移動する前記支持テーブルの部分が前記液体閉じ込め構造の後縁の下方を通過するようにして、前記支持テーブルを前記液体閉じ込め構造に対して移動させることを各モーションが含む一連のモーションからなるルートを辿らせるべく前記支持テーブルを移動させるように前記位置決め部を制御するとともに、前記液体閉じ込め構造を制御するように構成されたコントローラであって、
    前記一連のモーションのうち前記液浸空間の縁が前記物体の縁を通過する少なくとも1つのモーションの間に前記液浸空間から前記液体が失われるか否かを予測し、
    前記液浸空間からの液体損失が予測される場合、液体損失が予測されたモーションの間に、または前記一連のモーションのうち液体損失が予測されたモーションに後続するあるモーションの間に、前記一連の開口部のうち前記液体閉じ込め構造の前縁にある開口部への又は当該開口部からの第1流体流量が前記一連の開口部のうち前記液体閉じ込め構造の後縁にある開口部への又は当該開口部からの第2流体流量と異なるように、前記流体流れを修正するように適合されたコントローラと、を備える液浸リソグラフィ装置。
  2. 前記コントローラは、前記液浸空間からの液体損失が予測される場合、液体損失が予測されたモーションの間に、前記一連の開口部のうち前記後縁にある前記開口部からの前記第2流体流量を増加させることによって、前記流体流れを修正するように適合されている請求項1に記載の液浸リソグラフィ装置。
  3. 前記一連の開口部は、前記液浸空間の周りにガスナイフを形成するためにあり、および/または、前記液体閉じ込め構造は、前記投影システムの光軸に対して前記一連の開口部よりも径方向内側にある更なる一連の更なる開口部をさらに備え、前記コントローラは、前記更なる一連の更なる開口部のうち前記前縁にある更なる開口部への又は当該更なる開口部からの第3流体流量が前記更なる一連の更なる開口部のうち前記後縁にある更なる開口部への又は当該更なる開口部からの第4流体流量と異なるように、前記流体流れを修正するように適合されている請求項1又は2に記載の液浸リソグラフィ装置。
  4. 前記コントローラは、前記液浸空間からの液体損失が予測される場合、液体損失が予測されたモーションの間に、前記更なる一連の更なる開口部のうち前記後縁にある前記更なる開口部からの第4流体流量を増加させることによって、前記流体流れを修正するように適合されている請求項3に記載の液浸リソグラフィ装置。
  5. 前記第2流体流量におけるガスの速度が前記第4流体流量におけるガスの速度に実質的に等しい請求項4に記載の液浸リソグラフィ装置。
  6. 前記コントローラは、前記少なくとも1つのモーションに後続のモーションでの前記液浸空間の経路における、前記少なくとも1つのモーションで失われた液体の存在を予想するように構成されている請求項1から5のいずれかに記載の液浸リソグラフィ装置。
  7. 前記コントローラは、失われた液体が前記液浸空間の経路に存在すると予想された後続のモーションの間に、前記流体流れを修正するように適合されている請求項6に記載の液浸リソグラフィ装置。
  8. 前記コントローラは、前記後続のモーションの間における前記液浸空間の経路での前記失われた液体の量が予め定められた最大量より小さいと判定される場合、前記一連の開口部のうち前記前縁にある開口部からの流体流量を減少させることによって前記流れを修正するように適合され、または前記コントローラは、前記後続のモーションの間における前記液浸空間の経路での前記失われた液体の量が予め定められた最小量より大きいと前記コントローラによって判定される場合、前記一連の開口部のうち前記前縁にある開口部からの流体流量を増加させることによって前記流体流れを修正するように適合され、および/または、前記コントローラは、前記後続のモーションの間において増加されたならばガス流れが前記液浸空間の経路での前記失われた液体を予め定められた位置へと押し進めるのに有効であると前記コントローラによって予想される場合、前記一連の開口部のうち前記前縁にある開口部からの流体流量を増加させることによって前記流体流れを修正するように適合されている請求項7に記載の液浸リソグラフィ装置。
  9. 前記予め定められた位置は、前記物体から外れている請求項8に記載の液浸リソグラフィ装置。
  10. 前記物体は、基板またはセンサである請求項1から9のいずれかに記載の液浸リソグラフィ装置。
  11. 液体が失われるか否かを予測するために、前記コントローラは、
    前記ルートの前記一連のモーションのうち少なくとも1つのモーションの間に前記液浸空間の縁が前記物体の縁を通過するときの前記物体の縁に対する前記液浸空間の縁の速さを予測し、
    前記速さを予め定められたパラメータと比較し、前記速さが前記予め定められたパラメータより大きい場合、前記少なくとも1つのモーションの間に前記液浸空間からの液体損失を予測するように適合されている請求項1から10のいずれかに記載の液浸リソグラフィ装置。
  12. 前記コントローラは、前記速さを予測することが、前記少なくとも1つのモーションの間における前記物体の縁に垂直な方向における前記液浸空間の縁の速度の大きさを決定することを含むように構成されている請求項11に記載の液浸リソグラフィ装置。
  13. パターン付けられたビームを複数の目標部分を有する基板に投影すべく液浸リソグラフィ装置を使用するデバイス製造方法であって、
    液体閉じ込め構造における一連の開口部を通じた液体閉じ込め構造への及び/又は液体閉じ込め構造からの流体流れを用いて、液体を投影システムと支持テーブル上の物体の対向表面および/または前記支持テーブルとの間の液浸空間に閉じ込めることと、
    前記液体閉じ込め構造の下方にない状態から前記液体閉じ込め構造の下方にある状態へと移動する前記支持テーブルの部分が前記液体閉じ込め構造の前縁の下方を通過し、前記液体閉じ込め構造の下方にある状態から前記液体閉じ込め構造の下方にない状態へと移動する前記支持テーブルの部分が前記液体閉じ込め構造の後縁の下方を通過するようにして、前記支持テーブルを前記液体閉じ込め構造に対して移動させることを各モーションが含む一連のモーションを備えるルートに沿って前記支持テーブルを移動させることと、
    前記一連のモーションのうち前記液浸空間の縁が前記物体の縁を通過する少なくとも1つのモーションの間に前記液浸空間から前記液体が失われるか否かを予測することと、
    前記液浸空間からの液体損失が予測される場合、液体損失が予測されたモーションの間に、または前記一連のモーションのうち液体損失が予測されたモーションに後続するあるモーションの間に、前記一連の開口部のうち前記液体閉じ込め構造の前縁にある開口部への又は当該開口部からの第1流体流量が前記一連の開口部のうち前記液体閉じ込め構造の後縁にある開口部への又は当該開口部からの第2流体流量と異なるように、前記流体流れを修正することと、を備える方法。
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