JP3507266B2 - 精密洗浄方法 - Google Patents

精密洗浄方法

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JP3507266B2
JP3507266B2 JP02903497A JP2903497A JP3507266B2 JP 3507266 B2 JP3507266 B2 JP 3507266B2 JP 02903497 A JP02903497 A JP 02903497A JP 2903497 A JP2903497 A JP 2903497A JP 3507266 B2 JP3507266 B2 JP 3507266B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機塩素系溶剤を
使用しない磁気ヘッドを含む被洗浄物に関するスポット
フリーな精密洗浄方法及び装置に関する
【0002】
【従来の技術】従来、水溶性の汚れと油溶性の汚れの双
方が付着しているワークの洗浄においては、水系の洗浄
剤や有機塩素系溶剤を組み合わせて使用した後、CFC
113等の有機塩素系溶剤の蒸気洗浄で仕上げる工程が
多用されていた。
【0003】特に、磁気ヘッドの製造工程にて水性の研
削加工をWAXを仮固定剤として行った後、アッセンブ
リ前に研削加工液、研削粉、WAXを洗浄する際には、
界面活性剤入りのCFC113にて水溶性の加工油を浮
上分離しオーバフローにより洗浄系外に除いた後、CF
C113にて超音波洗浄を行い前槽の界面活性剤を希釈
しながら仮固定に使用しているWAXを分散させこれも
また浮上分離させていた。同様の洗浄リンス槽を数槽重
ねた後に、最後はCFC113の蒸気洗浄にて仕上げて
いた。
【0004】このCFC113が主に使われていた理由
としては、 1)仮固定剤であるWAXの溶解性は低いが、これを小
片に砕き浮上分離でき、液管理が容易である。 2)不燃性の溶剤のため、作業安全性が高い。 3)沸点が低く、自家蒸留による再生が簡単に行える。 4)蒸気洗浄後、ベーパー乾燥を行なうことが出来、ス
ポットフリーな仕上りが期待できる。 等からであった。
【0005】しかしながら、いずれの汚染物も浮上分離
という形態で系外に除去されて行くため、洗浄槽間の移
動の際に浮上分離した汚染物が、きれいになった被洗浄
物に再付着し易いという欠点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記汚染物
質の被洗浄物への再付着を防止でき、高品質な仕上がり
の期待できる精密洗浄方法及び洗浄装置及びこれらを用
いて製造された磁気ヘッドの提供にある。あわせて国際
的に使用の制限・禁止のスケジュールが組まれているC
FC等の有機塩素化合物を用いることない精密洗浄方法
及び洗浄装置を提供することをも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は親
水性、親油性双方の汚染物質が付着した機械加工後の被
洗浄物の洗浄方法であって、本発明者らは、上記問題点
を解決すべく鋭意研究を行なった結果、従来の洗浄方法
で用いていた浮上分離による汚染物の除去を、均一溶解
系で無限希釈して除去することで解決できることを見い
出し、本発明に至った。
【0008】また本発明の第2の発明は液体と固体が混
合する親油性の複合汚染物質が付着した機械加工後の被
洗浄物の洗浄方法であって、本発明者らは、上記問題点
を解決すべく鋭意研究を行なった結果、従来の洗浄方法
で用いていた浮上分離による汚染物の除去を、均一溶解
系で無限希釈して除去すると同時に洗浄剤と油系加工油
の組み合わせにより、蒸留再生での分離効率を高め、洗
浄剤の純度を定常化することで解決できることを見い出
し、本発明に至ったもので、前記の目的は以下の手段に
よって達成される。
【0009】 すなわち、本発明は、親水性、親油性双
方の汚染物質が付着した機械加工後の被洗浄物の洗浄方
法において、まず水溶性の洗浄剤にて親水性の汚染物質
を除去した後に、別個の油溶性の洗浄剤にて親油性の汚
染物質を除去し、非引火性のフッ素化合物を蒸気洗浄剤
として用いて蒸気洗浄・乾燥をすることを特徴とする精
密洗浄方法を提案するものであり、とりわけ、前記被洗
浄物が、メカクランプ及びワックス、ピッチからなる熱
可塑性有機物により仮固定し、加工されていること、並
びに前記熱可塑性有機物の融点及び軟化点をM p( )
すると、M p( ) 70[ ] の関係であることを特徴とす
る精密洗浄方法、あるいは、前記水溶性の洗浄剤、油溶
性の洗浄剤、蒸気洗浄剤それぞれを別個の蒸留再生装置
にて再生・再利用することを特徴とする精密洗浄方法に
関するものである。さらに、本発明は、前記親水性の汚
染物質が水溶性加工油であること、前記親油性の汚染物
質がワックス、ピッチからなる仮固定剤であること
記水溶性の洗浄剤の溶解性パラメーターをSP(W)とす
ると、SP(W)が9.0≦SP(W)の関係であること、前
記水溶性の洗浄剤がNMP、3-メチル-3-メトキシブ
タノールの群より選ばれる一種以上の化合物であるこ
と、前記油溶性の洗浄剤のSP値をSP(O)とすると、
SP(O)が SP(O)≦10.0の関係であること、前記油
溶性の洗浄剤の使用温度をT[℃]とし、前記油溶性の洗
浄剤の引火点をFp(O)、前記親油性汚染物の熱軟化温
度または融点をMp(O)とすると、Mp(O)≦T≦Fp
(O)の関係であること、前記非引火性のフッ素化合物が
パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、パ
ーフルオロエーテル、パーフルオロアルキル基、アルキ
ル基より選ばれる2つのアルキル基から形成されている
エーテルの群より選ばれた1種以上の化合物であるこ
と、前記非引火性のフッ素化合物の沸点をBp(F)とす
れば、Bp(F)≦110[℃]の関係であること、前記水溶性
の洗浄剤、油溶性の洗浄剤、蒸気洗浄剤それぞれを別個
の蒸留再生装置にて再生・再利用すること、前記精密洗
浄方法が磁気ヘッドの洗浄方法であることを含む。
【0010】 また、本発明は、液体と固体が混合する
親油性の複合汚染物質が付着した機械加工後の被洗浄物
の洗浄方法において、複合汚染物質を除去するための油
溶性の洗浄剤と液体の親油性汚染物質の沸点が、洗浄剤
の沸点≦液状の親油性汚染物の沸点+20℃ の関係であ
ること、並びに親油性の汚染物質を除去した後に、非引
火性のフッ素化合物を蒸気洗浄剤として用いて蒸気洗浄
・乾燥をすることを特徴とする精密洗浄方法を提案する
ものであり、とりわけ、前記被洗浄物が、メカクランプ
及びワックス、ピッチからなる熱可塑性有機物により仮
固定し、加工されていること、並びに前記熱可塑性有機
物の融点及び軟化点をM p( ) とすると、M p( ) 70
[ ] の関係であることを特徴とする精密洗浄方法、ある
いは、前記油溶性の洗浄剤、蒸気洗浄剤それぞれを別個
の蒸留再生装置にて再生・再利用することを特徴とする
精密洗浄方法に関するものである。さらに、本発明は、
前記親油性の汚染物質が液体の油系加工油及び固体のワ
ックス、ピッチからなる仮固定剤であること、前記油溶
性の洗浄剤の使用温度をT[℃]とし、前記油溶性の洗浄
剤の引火点をFp(O)、前記親油性汚染物の熱軟化温度
または融点をMp(O)とすると、Mp(O)≦T≦Fp(O)
の関係であること前記非引火性のフッ素化合物がパー
フルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、パーフ
ルオロエーテル、パーフルオロアルキル基、アルキル基
より選ばれる2つのアルキル基から形成されているエー
テルの群より選ばれた1種以上の化合物であること、前
記非引火性のフッ素化合物の沸点をBp(F)とすれば、
Bp(F)≦110[℃]の関係であること、前記油溶性の洗浄
剤、蒸気洗浄剤それぞれを別個の蒸留再生装置にて再生
・再利用すること、前記油溶性の洗浄剤の再生液純度を
95%以上で管理し、再生液が常時洗浄槽へ循環するこ
と、前記油溶性の洗浄剤の再生液を常時連続再生し、再
生速度が全槽液容量に対して、12.5vol%/hr≦再生速
度≦25vol%/hrの関係にあること、前記精密洗浄方法
が磁気ヘッドの洗浄方法であることを含む。
【0011】 また本発明の第3の発明は、前記の洗浄
方法により洗浄を行うための洗浄装置を提案するもので
あり、詳しくは、親水性、親油性双方の汚染物質が付着
した機械加工後の被洗浄物の洗浄に用いる洗浄装置にお
いて、水溶性の洗浄剤を送入して親水性の汚染物質を除
去する水溶性洗浄剤槽と、別個の油溶性の洗浄剤を送入
して親油性の汚染物質を除去する油溶性洗浄剤槽と、非
引火性のフッ素化合物を送入して前記洗浄剤を置換する
置換槽と、同じく非引火性のフッ素化合物を送入して蒸
気洗浄・乾燥する乾燥槽と、前記水溶性の洗浄剤、油溶
性の洗浄剤、蒸気洗浄剤のそれぞれについて別個に蒸留
再生する装置と、を有することを特徴とする精密洗浄装
置;あるいは、液体と固体が混合する親油性の複合汚染
物質が付着した機械加工後の被洗浄物の洗浄に用いる洗
浄装置において、油溶性の洗浄剤を送入して親油性の汚
染物質を除去する油溶性洗浄剤槽と、非引火性のフッ素
化合物を送入して蒸気洗浄・乾燥する乾燥槽と、前記油
溶性の洗浄剤、蒸気洗浄剤のそれぞれについて別個に蒸
留再生する装置と、を有し、かつ、前記油溶性の洗浄剤
と液体の親油性汚染物質の沸点が、洗浄剤の沸点≦液状
の親油性汚染物の沸点+20℃の関係であることを特徴と
する精密洗浄装置;に関する
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】まず、本発明の第1発明である精密洗浄方
法における親水性汚染物の代表としては、水溶性の機械
加工油が挙げられる。この水溶性機械加工油は、 ・油性剤 鉱油等の潤滑油 ・界面活性剤 油性剤等の油溶性物質を水溶液系で安
定に乳・分散させる ・防錆剤 ヒドラジン等の金属キレート剤、界面
活性剤等 ・局圧剤 塩素化パラフィン、硫化パラフィン等 ・溶剤 主として水 ・他の添加剤 防腐剤、湿潤剤等 等から構成されており、通常使用時は水が95%以上の
組成比で用いられている。
【0014】また、親油性の汚染物質の代表としては機
械加工時のクランプ剤(仮固定剤)として用いるWAX
やピッチ等が挙げられる。これらのWAXやピッチはそ
の組成が、使用用途によってまちまちではあるが、融点
または軟化点は、一般的に低いものの有害な、芳香族系
溶剤や、塩素系溶剤のみにしか溶解性を示さないものが
多い。
【0015】これら相反する2系統の汚れに対して、本
発明の精密洗浄方法及び洗浄装置では、先ず第一に水溶
性の汚染物を除去し、第二に油溶性の汚染物を除去し、
最後に蒸気洗浄して乾燥を行なう。第一ステップと第二
ステップが逆の場合、水溶性の洗浄剤から蒸気乾燥に進
むことになり、蒸気洗浄液は引火性が高く危険なアルコ
ール等を使用しなければならず、また蒸気洗浄剤中の水
分管理等を確実に行なわないと乾燥滲みを生じてしま
う。
【0016】また、本発明で用いる水溶性の洗浄剤は、
その溶解性パラメーター(SP(W))が9.0以上で
あればどのような洗浄剤でも用いることができるが、第
二ステップで用いる洗浄剤との相溶性を考慮すれば、S
P(W)が9以上15未満の洗浄剤がより好ましく用い
られる。SP(W)が9未満の洗浄剤では第二ステップ
で用いる洗浄剤との置換性は上がるものの、肝心の親水
性の汚染物の洗浄能力が落ちてしまう。
【0017】さらに引火性、毒性等を考慮すれば、以下
のような溶剤が最も好ましく用いられる。 溶解性パラメーター ・NMP(N-methyl-pyrrolidone) 11.3 ・3-methl-3-methoxy-buthanol 9.3
【0018】また本発明で用いる油溶性の洗浄剤は、そ
の溶解性パラメーター(SP(O))が10以下のもの
であれば、どのような洗浄剤でも用いることができる
が、第一ステップ及び、第三ステップで用いる洗浄剤と
の相溶性を考慮すれば、SP(O)が7.3以上9.0
未満の洗浄剤がより好ましく用いられる。SP(O)が
7.3未満の洗浄剤では第三ステップで用いる蒸気洗浄
剤との相溶性は上昇するが、親油性の汚染物の洗浄能力
が極端に低下してしまう。また、SP(O)が9.0以
上の領域では、第三ステップで用いる蒸気洗浄剤との相
溶性が徐々に低下してきてしまう。
【0019】油溶性の洗浄剤の具体例としては、 ・パラフィン系洗浄剤 沸点[℃] 引火点[℃] 溶解性パラ メーター アイソゾール400 210-255 83 7.6 ダフニーアルファクリーナーH 213-262 87 7.5 アクトレル1178 204-230 79 (7.8) NSクリーン220 208-211 86 7.9 キョウワゾールC−1200H 197-201.5 72 (7.4) HC−370 196 70 (7.8) ・ナフテン系洗浄剤 ナフテゾールM 210-235 86 8.0 ダフニークリーナーNH 206-230 84 8.0 等を挙げることができる。
【0020】また、この第二ステップの親油性の汚染物
は、常温では固体状態であるため、除去しにくい。さら
に、第三ステップで用いる非引火性のフッ素化合物と他
の物質との相溶性は、本発明者らが特開平6−2204
90等にて開示しているようにかなり低い。このため、
第二ステップで用いる本発明の油溶性の洗浄剤は加温し
て用いるのが好ましい。さらに好ましくは、洗浄剤温度
が、親油性の汚染物質の熱軟化点または融点以上でか
つ、洗浄剤の引火点以下であることが好ましい。洗浄剤
温度が、親油性の汚染物質の熱軟化点または融点未満で
は、親油性の汚染物質の除去が完全には行なえない。一
方、洗浄剤温度が洗浄剤の引火点以上では、引火の危険
性が高く装置面での安全性への配慮が必要となる。
【0021】本発明の第三ステップで蒸気洗浄剤として
用いる非引火性フッ素化合物は、 パーフルオロカーボン(以下PFCと略記) ハイドロフルオロカーボン(以下HFCと略記) パーフルオロエーテル(以下PFEと略記) パーフルオロアルキル基、ハイドロフルオロアルキル
基、アルキル基より選ばれる2つのアルキル基から形成
されているエーテルの群より選ばれた一種以上の化合物
であることが好適に用いられる。
【0022】さらには、被洗浄物への熱影響を考慮すれ
ば、沸点が110℃以下であるものが好ましい。これ以
上の温度にさらされた場合、加工面の面精度の悪化およ
び、熱に弱いプラスチック材料の変形等が生じてしま
う。具体的には、 パーフルオロペンタン類 PF5050(住友スリ
ーエム製)、FC−87(住友スリーエム製) パーフルオロヘキサン類 PF5060(住友スリ
ーエム製)、FX3250(住友スリーエム製)、FC
−72(住友スリーエム製)、KPF−61(関東電化
製) パーフルオロヘプタン類 PF5070(住友スリ
ーエム製)、FC−84(住友スリーエム製)、KPF
−71(関東電化製) パーフルオロオクタン類 PF5080(住友スリ
ーエム製)、FX3300(住友スリーエム製)、FC
−75(住友スリーエム製)、KPF−81(関東電化
製) パーフルオロモルホリン類 PF5052(住友スリ
ーエム製) デカフルオロペンタン類 バートレルXF(三井デ
ュポンフロロケミカル製) 等が挙げられる。
【0023】次に本発明の第2発明である精密洗浄方法
は液体と固体が混合する親油性の複合汚染物質が付着し
た機械加工後の被洗浄物を洗浄するものであって、洗浄
剤と油系加工油の重複する組成をなくすことで、洗浄剤
の蒸留再生液中に混入率を低減でき、純度の高い再生洗
浄液による洗浄を可能としたもので、本発明における親
油性の汚染物質の代表としては機械加工時の研削油ある
いは切削油等の加工油やクランプ剤(仮固定剤)として
用いるWAXやピッチ等が挙げられる。これらのWAX
やピッチはその組成が、使用用途によってまちまちでは
あるが、融点または軟化点は、一般的に低いものの有害
な、芳香族系溶剤や、塩素系溶剤のみにしか溶解性を示
さないものが多い。
【0024】これらの汚れに対して、本発明の精密洗浄
方法及び洗浄装置では、先ず第一に油溶性の汚染物を油
系炭化水素溶剤で除去し、最後に蒸気洗浄にて乾燥を行
なう。
【0025】また本発明で用いる油溶性汚染物に対する
溶解性の高い洗浄剤は、従来の液状加工油と組成が重複
していた。液状加工油としては、日本石油製のスピンド
ル油、マシン油、灯油の混合物であり、これらは、一般
の液状加工油の分子組成分布が幅広い混合物である。そ
の一方で、これらを溶解出来る洗浄剤として現在メーカ
ーから推奨されている溶剤としては、代表的な物として
以下に示すように、蒸留再生や液管理等のし易さから、
沸点及び引火点を指標に組成分布を限定した脂肪族系溶
剤や、ナフテン系溶剤芳香族溶剤等の炭化水素系溶剤で
あるため、加工油の組成分布と比較して狭く、その一部
分となってしまうことは、既存の事実となっている。
【0026】 加工油 沸点[℃] 引火点[℃] スピンドル油 -400 146 メタルワーク 199-349 82 灯油 149-275 43.5 洗浄剤 ・パラフィン系洗浄剤 沸点[℃] 引火点[℃] アイソゾール400 210-255 83 (日本石油化学製) ダフニーアルファクリーナーH 213-262 87 (出光興産製) アクトレル1178 204-230 79 (エクソン化学製) NSクリーン220 208-211 86 (日鉱石油化学製) キョウワゾールC−1200H 197-201.5 72 (共和醗酵製) HC−370 196 70 (東ソー製) ・ナフテン系洗浄剤 ナフテゾールM 210-235 86 (日本石油化学製) ダフニークリーナーNH 206-230 84 (出光興産製)
【0027】上記のような洗浄剤で従来の油系加工油を
洗浄する場合、洗浄剤が加工油成分の一部分であるた
め、新液のみでの洗浄では問題ないが、蒸留再生によ
り、洗浄液のリサイクルで使用する場合は、加工油が洗
浄液へ混入していき、洗浄の際、加工油を含む洗浄液で
の洗浄となるため、加工油の再付着をさけることは出来
ない。
【0028】そこで、本発明で用いる油溶性の洗浄剤に
対し、蒸留再生で加工油との分離度を高める条件が、油
溶性の洗浄剤と加工油の沸点差で管理できることを突き
止めた。
【0029】上記のような、洗浄剤に対し、油系加工油
の沸点が20℃以上であれば、減圧蒸留による分留で洗
浄剤と油系加工油の分離が可能である。
【0030】そこで、上記条件を満たす油系加工油は、
以下に示すような高沸点を有するもので、 ・不水溶性加工油 沸点[℃] 引火点[℃] SF−100(ノリタケカット製) 250< 132 A−354 (シ゛ュラロン製) 280-304 144 等を挙げることができる。
【0031】また、WAX,ピッチ等の親油性の汚染物
は、常温では固体状態であるため、除去しにくい。さら
に、第二ステップで用いる非引火性のフッ素化合物と他
の物質との相溶性は、本発明者らが特開平6−2204
90等にて開示しているようにかなり低い。このため、
本発明の油溶性の洗浄剤は加温して用いるのが好まし
い。さらに好ましくは、洗浄剤温度が、親油性の固体汚
染物質の熱軟化点または融点以上でかつ、洗浄剤の引火
点以下であることが好ましい。洗浄剤温度が、親油性の
固体汚染物質の熱軟化点または融点未満では、親油性の
汚染物質の除去が完全には行なえない。一方、親油性の
汚染物質は、軟化点、融点以上で液体状となり、洗浄剤
と液体−液体で接触するため除去がしやすくなるが、固
体状よりも熱伝導性がよくなるため、被洗浄物への熱、
温度の影響は大きくなる。そのため、例えば、磁気ヘッ
ドのような温度、熱により品質を損なう被洗浄物では、
親油性の固体汚染物質の熱軟化点または融点が70℃未
満であることが望ましい。一方、洗浄剤温度が洗浄剤の
引火点以上では、引火の危険性が高く装置面での安全性
への配慮が必要となる。
【0032】本発明の第二ステップで蒸気洗浄剤として
用いる非引火性のフッ素化合物は、前記第1発明と同様
に、 パーフルオロカーボン(以下PFCと略記) ハイドロフルオロカーボン(以下HFCと略記) パーフルオロエーテル(以下PFEと略記) パーフルオロアルキル基、ハイドロフルオロアルキル
基、アルキル基より選ばれる2つのアルキル基から形成
されているエーテルの群より選ばれた一種以上の化合物
が好適に用いられる。
【0033】さらには、被洗浄物への熱影響を考慮すれ
ば、沸点が110℃以下であるものが好ましい。これ以
上の温度にさらされた場合、加工面の面精度の悪化およ
び、熱に弱いプラスチック材料の変形等が生じてしま
う。具体的には、 パーフルオロペンタン類 PF5050、FC−8
7 パーフルオロヘキサン類 PF5060、FX32
50、FC−72、KPF−61 パーフルオロヘプタン類 PF5070、FC−8
4、KPF−71 パーフルオロオクタン類 PF5080、FX33
00、FC−75、KPF−81 パーフルオロモルホリン類 PF5052 デカフルオロペンタン類 バートレルXF 等が挙げられる。
【0034】上記に記載のように、親油性汚染物を溶解
により無限希釈することで、被洗浄物を洗浄していく方
法では、洗浄剤の液の純度が大きく影響してくる。つま
り、加工油や、WAXが、蒸留再生後洗浄液中に高濃度
で残留していると、一度溶解洗浄した被洗浄物に、高濃
度の汚染物を付着することになる。再付着による被洗浄
物の汚染度は、再生液純度が95%以上であれば、品質
規格以上(洗浄後の汚染物量が、25μg/ヶ以下)に
仕上げることが可能である。一方、液純度が95%未満
となると、再生液中の汚染物の再付着により、品質規格
を満たすことが出来なくなる。
【0035】さらに、再生液の濃度管理および、廃液量
の削減のため、再生速度が全槽液容量に対して以下の関
係にあることが望ましい。 12.5vol%/hr≦再生速度≦25vol%/h
r 12.5vol%/hr未満であると、洗浄槽に供給す
る再生液量が少なくなり、洗浄液の汚染度をカバーでき
ず、再生液の汚染濃度の変動が大きくなり、濃度管理が
困難となる。また、25vol%/hrを越えると、廃
液量が多くなり、廃液処理の問題が生じてくる。
【0036】以下に本発明の実施例を挙げて詳細に説明
をするが本発明はこれらの実施例によって制限されるも
のではない。
【0037】
【実施例】
実施例1 1000mlのガラス製トールビーカー6個を用意し、
このうちの2個に水溶性の洗浄剤としてキシダ化学製N
MPを各800ml、3個に油溶性の洗浄剤として出光
興産製ダフニクリーナーNHを各800ml、1個に住
友スリーエム製PF5060を800ml入れた。計6
個の各トールビーカーを本多電子製超音波洗浄機W−1
13型に配し、洗浄槽及び置換槽とした。またこれとは
別に2000mlのSUS製トールビーカーの上部に三
重に巻いた蛇管を配したもののなかに住友スリーエム製
PF5060を300ml入れ、乾燥槽とした。また、
各超音波洗浄機には恒温循環槽を取り付け、水溶性洗浄
剤槽は50℃、油溶性洗浄剤槽は70℃及び50℃、置
換槽は30℃の温水を循環し洗浄温度を一定に保った。
蒸気乾燥を行なう乾燥槽は表面温度約120℃のホット
プレート上に乗せ、蛇管には恒温水槽から10℃の水を
循環させ常時ベーパーラインが蛇管の再下部にかかる状
態をつくった。洗浄時間は各槽共に3分間で行ない、超
音波槽は28KHz、100Wの超音波を与えた。さら
に、微小なパーティクル除去のために各洗浄液は、洗浄
時間内ではアドバンテック東洋製の各カートリッジフィ
ルター(MCP−1−D10S,MCP−10−D10
S)とフィルターハウジングMC−1−S型を用いて3
00ml/min.の速度でろ過した。フィルターへの
洗浄液の送液には、Cole−Parmer社製のチュ
ービングポンプMasterflex7524−00型
を用いた(図1参照)。被洗浄物は、キヤノン電子製カ
ーステレオ用4chオートリバースタイプの磁気ヘッド
加工片を用いた。被洗浄物は、クレノートン製の水溶性
研削加工油TC−55の80倍希釈液が40−50mg
/ヶ、及び仮固定用WAX Eprohon C−64
(融点=64℃)が10−30mg/ヶ程度付着してい
る状態で、10個が治具に付いているものを用いた(図
2参照)。
【0038】実施例2 油溶性の洗浄剤として日本石油化学製ナフテゾールM、
水溶性の洗浄剤としてクラレ製ソルフィット100、置
換、蒸気乾燥剤として住友スリーエム製PF5060を
用いる以外は、実施例1と同様の方法にて洗浄を行なっ
た。
【0039】実施例3 油溶性洗浄剤として日鉱石油化学製NSクリーン22
0、水溶性の洗浄剤としてクラレ製ソルフィット10
0、置換、蒸気乾燥剤として三井デュポンフロロケミカ
ル製バートレルXFを用いる以外は実施例1と同様の方
法で洗浄を行なった。
【0040】実施例4 油溶性の洗浄剤として日本石油化学製ナフテゾールM、
水溶性の洗浄剤としてBASF製NMP、置換、蒸気乾
燥剤として住友スリーエム製PF5052を用いる以外
は、実施例1と同様の方法にて洗浄を行なった。ただ
し、蒸気乾燥槽用のホットプレート温度は110℃とし
た。
【0041】実施例5 油溶性の洗浄剤としてエクソン化学製アクトレル117
8L、水溶性の洗浄剤としてクラレ製ソルフィット10
0、置換、蒸気乾燥剤として住友スリーエム製PF50
80を用いる以外は、実施例1と同様の方法にて洗浄を
行なった。ただし、蒸気乾燥槽用のホットプレート温度
は165℃とした。
【0042】実施例6 図3に示したような、オーバーフロー型洗浄装置を製作
し(各槽の容量 約40l)、水溶性の洗浄剤としてク
ラレ製ソルフィット100、油溶性の洗浄剤として日本
石油化学製ナフテゾールM、置換・蒸気乾燥剤として住
友スリーエム製PF5060を用いた。各槽すべてに超
音波振動子を取り付け28KHz、40KHz複合発振
で600Wとした。洗浄時間はすべて3分間とした。減
圧蒸留再生機1は、ソルフィット中の水を分離し、減圧
蒸留再生機2はソルフィット中のWAX等高沸点物質を
分離する。減圧蒸留再生機3は、ナフテゾール中に持ち
込まれたソルフィットを分離し、減圧蒸留再生機4はW
AXを分離する。各減圧蒸留再生機はおよそ35l/h
rに運転した。また、再生したソルフィット、ナフテゾ
ールの各溶剤は10μmのフィルターでろ過した後、各
々第2槽、第5槽に戻した。
【0043】被洗浄物は、実施例1と同じもの一回当た
り200個(10ヘッド* 20治具)用いた。
【0044】この実験を4時間続けて行なった。
【0045】比較例1 1000mlのガラス製トールビーカー4個を用意し、
三井デュポンフロロケミカル製フレオンTFを各800
ml入れた。フレオンTFの入った計4個のトールビー
カーを本多電子製超音波洗浄機W−113型に配し、洗
浄槽とした。またこれとは別に2000mlのSUS製
トールビーカーの上部に三重に巻いた蛇管を配したもの
を2個用意し、一方には三井デュポンフロロケミカル製
フレオンT−MDを800mlを入れ第一洗浄槽とし、
もう一方には三井デュポンフロロケミカル製フレオンT
Fを300ml入れ、蒸気乾燥槽とした。また、各洗浄
槽には恒温循環槽を取り付け、フレオンT−MD槽は4
8℃(煮沸状態)、フレオンTF槽は45℃及び30℃
の温水を循環し洗浄温度を一定に保った。蒸気乾燥槽は
表面温度約110℃のホットプレート上に乗せ、蛇管に
は恒温水槽から10℃の水を循環させ常時ベーパーライ
ンが蛇管の再下部にかかる状態をつくった。さらに、微
小なパーティクル除去のために各洗浄液は、洗浄時間内
ではアドバンテック東洋製の各カートリッジフィルター
(MCP−1−D10S,MCP−10−D10S)と
フィルターハウジングMC−1−S型を用いて300m
l/min.の速度でろ過した。フィルターへの洗浄液
の送液には、Cole−Parmer社製のチュービン
グポンプMasterflex7524−00型を用い
た(図4参照)。被洗浄物は、キヤノン電子製カーステ
レオ用4chオートリバースタイプの磁気ヘッド加工片
を用いた。被洗浄物は、水溶性の研削加工油TC−55
クレノートン製が20−50mg/ヶ、及び仮固定用W
AX Eprohon C−64が10−30mg/ヶ
程度付着している状態で、10個が治具に付いているも
のを用いた(図2参照)。
【0046】比較例2 三井デュポンフロロケミカル製フレオンT−MD中に含
まれているCFC113(1,1,2−トリクロロ1,
2,2−トリフルオロエタン)をロータリーエバポレー
ターを用いて留去し、褐色の液体を得た。この液体を旭
硝子製AK225に対して1wt%添加し、比較例1に
おけるフレオンT−MDの代わりに用いた。また、フレ
オンTFの代わりには旭硝子製AK225を用いた。他
は比較例1と全く同様に洗浄を行なった。
【0047】比較例3 実施例1と全く同様の準備を行ない、洗浄の順序のみを
以下(図5)のように変更した。
【0048】比較例4 比較例2で得られたフレオンT−MDよりの褐色液体
を、日本石油製クリーンソルGに対して1wt%添加し
た。これを実施例1における水溶性洗浄剤の代わりに用
い、同じく日本石油製クリーンソルG単品を油溶性洗浄
剤の代わりに用いた。その他は、実施例1と全く同様に
洗浄を行なった。
【0049】比較例5 実施例1における乾燥槽の代わりに、ヤマト科学製真空
乾燥機DP−43型にて0.67[KPa](=5[t
orr])、120℃にて5分間の乾燥を行なった。こ
れ以外は、実施例1と全く同様に洗浄を行なった。
【0050】比較的6 図6に示したようなオーバーフロー型の洗浄機に図示し
たような洗浄剤を満たした(槽容量 約40l)。1、
2槽目は、加熱のみで洗浄を行ない、3、4、5槽目は
28KHz、40KHz複合発振で600Wの超音波洗
浄を行なう、さらに最終の6槽目は、ベーパー洗浄を行
なった。各槽の洗浄時間は4分とした。自家再生後のフ
レオンは、水分離機で水を分離した後、10μmのフィ
ルターでろ過した後に第5槽目に戻した。被洗浄物は、
実施例1と同じもの一回当たり200個(10ヘッド*
20治具)用いた。この実験を4時間続けて行なった。
【0051】実施例7 図7に示したような、オーバーフロー型洗浄装置を製作
し(各槽の容量 約40l)、油溶性の洗浄剤として日
鉱化学製NSクリーン220、置換・蒸気乾燥剤として
住友スリーエム製PF5060を用いた。各槽すべてに
超音波振動子を取り付け28KHz、40KHz複合発
振で600Wとした。また、各超音波洗浄機は、油溶性
洗浄槽を65℃及び50℃に洗浄温度を一定に保った。
蒸気乾燥を行なう乾燥槽は、槽下部の蒸気乾燥用加熱ヒ
ーターを120℃に設定し、槽上部に三重に巻いた蛇管
を配し、蛇管には恒温水槽から10℃の水を循環させ常
時ベーパーラインが蛇管の再下部にかかる状態をつくっ
た。洗浄時間はすべて4分間とした。被洗浄物は、キヤ
ノン電子製産業用カードリーダーの磁気ヘッド加工片を
用いた。被洗浄物は、油溶性の加工油ノリタケカット製
SF100が40−50mg/ヶ、及び仮固定用WAX
BONTEX0100(軟化点=64℃)が10−3
0mg/ヶ程度付着している状態で、洗浄は、一回当た
り磁気ヘッド200個(=研削加工治具20ヶ=ヘッド
10ヶ/1治具*20)を用いた(図8参照)。減圧蒸
留再生機1は、油溶性洗浄剤中の油溶性加工油及び、W
AX等高沸点物質を分離する。各減圧蒸留再生機は、2
0vol%/hrにて運転し、再生液純度を98%で管
理した。また、再生した油溶性洗浄剤は10μmのフィ
ルターでろ過した後、第4槽に戻した。この実験を4時
間続けて行なった。投入したヘッドは、総計で9600
ヶ(5分間隔にて投入)(図7参照)。
【0052】実施例8 油溶性の加工油としてジュラロン製A354、油溶性洗
浄剤としてエクソン化学製アクトレル1178L、置
換、蒸気乾燥剤として三井デュポンフロロケミカル製バ
ートレルXFを用いる以外は実施例7と同様の方法で洗
浄を行なった。
【0053】実施例9 洗浄剤として出光興産製ダフニークリーナーNH、置
換、蒸気乾燥剤として住友スリーエム製PF5052を
用いる以外は、実施例7と同様の方法で洗浄を行なっ
た。ただし、蒸気乾燥槽用のヒーター温度は110℃と
した。
【0054】実施例10 油溶性の洗浄剤として協和発酵製キョウワゾールC−1
200H、置換、蒸気乾燥剤として住友スリーエム製P
F5080を用いる以外は、実施例7と同様の方法にて
洗浄を行なった。ただし、蒸気乾燥槽用のヒーター温度
は165℃とした。
【0055】実施例11 減圧蒸留再生機を再生速度=15vol%/hrにて運
転する以外は、実施例7と同様の方法にて洗浄を行なっ
た。
【0056】実施例12 減圧蒸留再生機を再生液純度を96%とする以外は、実
施例7と同様の方法にて洗浄を行なった。
【0057】比較例7 図9に示したようなオーバーフロー型の洗浄機に図示し
たような洗浄剤を満たした(槽容量 約40l)。1、
2槽目は、加熱のみで洗浄を行ない、3、4、5槽目は
28KHz、40KHz複合発振で600Wの超音波洗
浄を行なう、さらに最終の6槽目は、ベーパー洗浄を行
なった。各槽の洗浄時間は4分とした。自家再生後のフ
レオンは、10μmのフィルターでろ過した後に第5槽
目に戻した。被洗浄物は、実施例7と同じもの一回当た
り200個(10ヘッド* 20治具)用いた。被汚染物
は、油溶性加工油(コスモ製灯油、日本石油化学製スピ
ンドル油、日本化学製メタルワークED)及び仮固定用
WAX BONTEX0100が10−30mg/ヶ程
度付着している状態で、洗浄は一回当たり、磁気ヘッド
200個(=研削加工治具20ヶ=ヘッド10ヶ/1治
具*20)を用いた(図8参照)。この実験を4時間続
けて行なった。投入したヘッドは、総計で9600ヶ
(5分間隔にて投入)。
【0058】比較例8 実施例7における油溶性を加工油の代わりに、コスモ製
灯油、日本石油化学製スピンドル油、日本化学製メタル
ワークEDとし、これ以外は、実施例7と全く同様に洗
浄を行なった。
【0059】比較例9 実施例7における油溶性を洗浄剤の代わりに、出光興産
製ダフニーアルファークリーナーHとし、これ以外は、
実施例7と同様に洗浄を行なった。
【0060】比較例10 三井デュポンフロロケミカル製フレオンTFの代わりに
は旭硝子製AK225を用いた。他は比較例7と全く同
様に洗浄を行なった。
【0061】比較例11 実施例7における乾燥槽の代わりに、ヤマト科学製真空
乾燥機DP−43型にて0.67[KPa](=5[t
orr])、120℃にて5分間の乾燥を行なった。こ
れ以外は、実施例7と全く同様に洗浄を行なった。
【0062】比較例12 実施例7における減圧蒸留再生機の運転条件を、10v
ol%/hrとして運転したこと以外は実施例7と全く
同様に洗浄を行なった。
【0063】比較例13 実施例7における減圧蒸留再生液純度を92%で管理す
ること以外は実施例7と全く同様に洗浄を行なった。
【0064】(評価)各実施例、比較例にて洗浄を行な
ったサンプルの評価は以下のように行なった。評価結果
は表1及び表2に示す。
【0065】・残留WAX量 実施例1〜6、比較例1〜6は以下のように残留WAX
量を評価した。洗浄の終わった各サンプルを10mlの
トルエン中に入れ、28KHz、100Wにて10分間
超音波抽出した。この液を、ガスクロマトグラフ(HP
製 GC5890II)にて定量分析し、残留WAX量を
求めた。これを10回行なった平均を表2に示した。 GC分析条件 column DB−1 0.53φ* 15m 180℃→280℃ inject 250℃、split 1/100 detect 250℃、FID
【0066】実施例7〜12、比較例7〜13は以下の
ように残留ワックス量を評価した。 残留WAX量 洗浄の終わった各サンプルを10mlのヘキサン中に入
れ、28KHz、100Wにて30分間超音波抽出し
た。この液を、ガスクロマトグラフ(HP製 GC58
90II)にて定量分析し、残留WAX量を求めた。これ
を10回行なった平均を表2に示した。 GC分析条件 column HP−1 0.25φ* 30m 180℃→300℃ inject 250℃、split 1/50 detect 290℃、FID
【0067】・残留水分量 洗浄の終わった各サンプルを、京都電子製カールフィッ
シャー電量式滴定装置MKC−210中に投入し、残留
水分量を求めた(n=10)。
【0068】・残留加工油量 洗浄の終わった各サンプルを10mlのヘキサン中に入
れ、28KHz、100Wにて30分間超音波抽出し
た。この液を、ガスクロマトグラフ(HP製 GC58
90II)にて定量分析し、残留WAX量を求めた。これ
を10回行なった平均を表1に示した。 GC分析条件 column DB−1 0.25φ* 30m 60→300℃ inject 250℃、split 1/50 detect 290℃、FID
【0069】・研削面検査 洗浄の終わった各サンプルを、X10の実態顕微鏡にて
観察し、研削面に異物、染み、WAX等が観測されるも
のはすべてNGとした(n=10)。
【0070】・最終製品良品率 洗浄の終った各サンプル(n=500)を、アッセンブ
リし最終の磁気ヘッド状態まで組上げ電機特性(インピ
ーダンス、再生周波数特性等)、環境試験等を行なっ
た。良品率は、次式によって求めた。 最終製品良品率=電特、環境試験合格品数/洗浄に投入
した数×100
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明の精密洗
浄は、異物付着の少ない高品質な洗浄仕上がりが得られ
ると共に、有機塩素系溶剤を用いない環境にやさしい製
造工程を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の洗浄装置の模式図である。
【図2】図2(a)は磁気ヘッド加工片を取付けた治具
の斜視図であり、図2(b)は磁気ヘッド加工片の斜視
図である。
【図3】実施例6のオーバーフロー型洗浄装置の模式図
である。
【図4】比較例1の洗浄装置の模式図である。
【図5】比較例3の洗浄装置の模式図である。
【図6】比較例6のオーバーフロー型洗浄機の模式図で
ある。
【図7】実施例7のオーバーフロー型洗浄装置の模式図
である。
【図8】図8(a)は磁気ヘッド加工片の斜視図、図8
(b)は図8(a)の側面図、図8(c)は磁気ヘッド
加工片を取付けた研削加工用治具の斜視図である。
【図9】比較例7のオーバーフロー型洗浄機の模式図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−245451(JP,A) 特開 平6−336598(JP,A) 特開 平8−239784(JP,A) 国際公開96/012571(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B08B 3/08 G11B 5/127

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性、親油性双方の汚染物質が付着し
    た機械加工後の被洗浄物の洗浄方法において、まず水溶
    性の洗浄剤にて親水性の汚染物質を除去した後に、別個
    の油溶性の洗浄剤にて親油性の汚染物質を除去し、非引
    火性のフッ素化合物を蒸気洗浄剤として用いて蒸気洗浄
    ・乾燥をすること、前記被洗浄物が、メカクランプ及び
    ワックス、ピッチからなる熱可塑性有機物により仮固定
    し、加工されていること、並びに前記熱可塑性有機物の
    融点及び軟化点をM p( ) とすると、M p( ) 70[ ]
    関係であることを特徴とする精密洗浄方法。
  2. 【請求項2】 親水性、親油性双方の汚染物質が付着し
    た機械加工後の被洗浄物の洗浄方法において、まず水溶
    性の洗浄剤にて親水性の汚染物質を除去した後に、別個
    の油溶性の洗浄剤にて親油性の汚染物質を除去し、非引
    火性のフッ素化合物を蒸気洗浄剤として用いて蒸気洗浄
    ・乾燥をすること、並びに前記水溶性の洗浄剤、油溶性
    の洗浄剤、蒸気洗浄剤それぞれを別個の蒸留再生装置に
    て再生・再利用することを特徴とする精密洗浄方法。
  3. 【請求項3】 液体と固体が混合する親油性の複合汚染
    物質が付着した機械加工後の被洗浄物の洗浄方法におい
    て、前記被洗浄物が、メカクランプ及びワックス、ピッ
    チからなる熱可塑性有機物により仮固定し、加工されて
    いること、前記熱可塑性有機物の融点及び軟化点をMp
    ( ) とすると、Mp ( ) 70[ ] の関係であること、
    合汚染物質を除去するための油溶性の洗浄剤と液体の親
    油性汚染物質の沸点が、洗浄剤の沸点≦液状の親油性汚
    染物の沸点+20℃の関係であること、並びに親油性の汚
    染物質を除去した後に、非引火性のフッ素化合物を蒸気
    洗浄剤として用いて蒸気洗浄・乾燥をすることを特徴と
    する精密洗浄方法。
  4. 【請求項4】 液体と固体が混合する親油性の複合汚染
    物質が付着した機械加工後の被洗浄物の洗浄方法におい
    て、複合汚染物質を除去するための油溶性の洗浄剤と液
    体の親油性汚染物質の沸点が、洗浄剤の沸点≦液状の親
    油性汚染物の沸点+20℃の関係であること、親油性の汚
    染物質を除去した後に、非引火性のフッ素化合物を蒸気
    洗浄剤として用いて蒸気洗浄・乾燥をすること、並びに
    前記油溶性の洗浄剤、蒸気洗浄剤それぞれを別個の蒸留
    再生装置にて再生・再利用することを特徴とする精密洗
    浄方法。
  5. 【請求項5】 前記非引火性のフッ素化合物がパーフル
    オロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオ
    ロエーテル、パーフルオロアルキル基、アルキル基より
    選ばれる2つのアルキル基から形成されているエーテル
    の群より選ばれた1種以上の化合物である請求項1〜4
    のいずれかに記載の精密洗浄方法。
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