JPH09302391A - 洗浄組成物及び洗浄方法 - Google Patents

洗浄組成物及び洗浄方法

Info

Publication number
JPH09302391A
JPH09302391A JP11635696A JP11635696A JPH09302391A JP H09302391 A JPH09302391 A JP H09302391A JP 11635696 A JP11635696 A JP 11635696A JP 11635696 A JP11635696 A JP 11635696A JP H09302391 A JPH09302391 A JP H09302391A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
organic solvent
water
cleaning composition
cloud point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11635696A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Tomitani
学 富谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP11635696A priority Critical patent/JPH09302391A/ja
Publication of JPH09302391A publication Critical patent/JPH09302391A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属加工部品、ガラス加工部品、セラミック
加工部品、シリコンウエハー等を良好に洗浄する。 【解決手段】 100重量部の全体に対して、非イオン
系界面活性剤が0.2〜20重量部、水が0.1〜10
重量部、残部が非水系溶剤からなり、10〜90℃の温
度範囲内に曇点を有し、曇点以上の温度ではW/O型エ
マルジョンとなっている洗浄組成物を用い、曇点以上の
温度で被洗浄物を洗浄し、洗浄組成物の曇点以下の温度
ですすぎ液によって置換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属加工部品、ガ
ラス加工部品、セラミック加工部品、シリコンウエハー
等を工業的に洗浄する洗浄組成物及び洗浄方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】金属加工部品、ガラス加工部品、セラミ
ック加工部品、シリコンウエハー等の洗浄にはフロンが
使用されてきた。これはフロンが高い化学的安定性・難
燃性・高い洗浄性・無毒性等の特性を有しているためで
ある。しかし現在では地球規模での環境破壊が指摘され
全廃が決定し、その代替品としての他の塩素含有有機溶
剤もフロンと類似の影響があることから使用が制限され
ている。又、塩素含有有機溶剤には人体への毒性を有す
る物質もある。このようなことから、洗浄剤としては、
フロンや塩素含有有機溶剤を用いない水系、準水系、非
水系洗浄剤へと転換が進んでいる(特公昭64−314
1号公報参照)。
【0003】その中でフロン及び塩素含有有機溶剤と同
等レベルの洗浄コストを達成している非水系洗浄剤とし
て、石油系洗浄剤である炭化水素系または酸素含有炭化
水素系洗浄剤が多く用いられている。この洗浄剤はフロ
ンや塩素含有有機溶剤で用いてきた洗浄装置に対して新
たな洗浄装置の追加が必要なく、従来の洗浄装置のわず
かな改造で対応できるメリットがあることによる。又、
排水処理、乾燥仕上げなどの洗浄工程上の問題点や金属
錆、腐食の発生などの原因になる水との接触が好ましく
ない材質の洗浄用途に対応しきれない問題点を有してい
る水系、準水系の洗浄剤に比べて、これらの問題点がな
いこともメリットの一つとなっている。
【0004】ところが従来の非水系洗浄剤はかなり広範
囲の被洗浄物、汚れを洗浄できるフロンや塩素含有有機
溶剤に比べて洗浄性能の点で劣っており、これらと同等
の広範囲に適用できる洗浄力を有していない。特に非水
系洗浄剤の内でも、石油系である炭化水素系洗浄剤は主
剤が非極性な溶剤であるのに対し、汚れとしては非極性
物及び水などの極性物、または粒子汚れなどさまざまな
汚れがあり、これらの全てを洗浄することは難しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】金属加工部品、ガラス
加工部品、セラミック加工部品、シリコンウエハー等を
加工する際にはワックスやピッチに代表される樹脂がそ
の固定用として用いられているが、これらは加工後に洗
浄によって除去されていた。しかし被洗浄物表面にはこ
れらの樹脂に加えて、加工工程で生じた金属屑、研磨砥
粒、セラミック削り屑などの粒子汚れがワックスやピッ
チ及び被洗浄物表面に強固に付着しており、上述した非
水系洗浄剤は樹脂系の汚れは溶解洗浄することが可能で
あるが、非水系であるところから粒子汚れに対しては分
散も溶解もできないため、洗浄されないまま被洗浄物の
表面に残留する。
【0006】このようなことから金属屑、研磨砥粒、セ
ラミック削り屑などの粒子汚れを金属加工部品、ガラス
加工部品、シリコンウエハー等の被洗浄物表面から剥離
するため、洗浄工程中に超音波、液中噴流、洗浄剤シャ
ワー、洗浄剤ジェット噴流などの物理力を加えて洗浄力
の向上を図っているが、依然として剥離できないものが
ある。特に粒子汚れの大きさが数十μm以下の微小粒子
汚れは洗浄工程の改良では剥離しきれず、最終的に被洗
浄物の表面に残留することが多い。そのために洗浄が終
了した後に、残存している金属屑、研磨砥粒、セラミッ
ク削り屑などの粒子汚れ、特に微小径粒子汚れを人手に
よって掻き取る、拭き取るなどの工程を別途、必要とし
ている。このことは洗浄要求精度が高かったり、被洗浄
物の形状が複雑であったり、被洗浄物の材質が侵され易
い場合には非常に大きな工数を必要とし、結果として洗
浄コストが高騰する原因となっていた。
【0007】本発明は、一般的に使用されている非水系
溶剤をベースにして、ワックスやピッチに代表される樹
脂を洗浄できるとともに、金属屑、研磨砥粒、削り屑な
どの粒子汚れを現状の洗浄工程で剥離でき、更に手脂な
どの無機塩を含有する極性物や水などの極性物について
も洗浄できる洗浄組成物及び洗浄方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、全体の100重量部の全体に対
して、ポリオキシエチレン基を有する非イオン系界面活
性剤が0.2〜20重量部、水が0.1〜10重量部、
残部が非水系溶剤からなり、10〜90℃の温度範囲内
に曇点を有し、曇点以上の温度ではW/O型エマルジョ
ンとなっていることを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は請求項1記載の洗浄組成
物であって、前記非水系溶剤がノルマルパラフィン系有
機溶剤、イソパラフィン系有機溶剤、シクロパラフィン
系有機溶剤又は単環芳香族含有有機溶剤あるいはこれら
を混合したものであることを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、洗浄方法であり、請求
項1又は2に記載されるいずれかの洗浄組成物を用い、
曇点以上の温度で被洗浄物を洗浄する洗浄工程と、前記
洗浄組成物の曇点以下の温度で被洗浄物に付着した洗浄
組成物をすすぎ液によって置換する置換工程とからなる
ことを特徴とする。
【0011】請求項4の発明は、請求項3の洗浄方法で
あって、前記すすぎ液として、ノルマルパラフィン系有
機溶剤、イソパラフィン系有機溶剤、シクロパラフィン
系有機溶剤、単環芳香族含有有機溶剤、アルコール系有
機溶剤、又は請求項1又は2に記載される洗浄組成物を
用いることを特徴とする。
【0012】金属加工部品、ガラス加工部品、セラミッ
ク加工部品、シリコンウエハー等の被洗浄物表面に付着
している金属屑、研磨砥粒、セラミック削り屑などの粒
子汚れ、特に大きさが数十μm以下である微小径粒子汚
れは非水系溶剤のような液体中では静電気的吸着によっ
て非常に強固に付着している。従来の非水系溶剤のみの
洗浄工程ではこの静電気的吸着に打ち勝つ剥離力を与え
ることができない。
【0013】本発明の洗浄組成物では、水が非水系溶剤
中では微小径粒子汚れ及び被洗浄物と非水系溶剤との界
面で他の部分に比べ高濃度に存在し易いため、微小径粒
子表面を水が層状に覆う状態となる。微小径粒子物は水
によって層状に覆われることで帯電が中和されて被洗浄
物との間の静電気的吸着が弱められる。その結果、微小
径粒子汚れは被洗浄物表面から剥離され易くなり通常の
洗浄操作で洗浄が可能になる。
【0014】特に本発明の洗浄組成物は10℃〜90℃
に曇点を有している。曇点とは界面活性剤が有するオキ
シエチレン基と水との水素結合が、温度上昇に伴う水分
子の運動の活発化により切れ、それまで界面活性剤の作
用で可溶化していた水分子が分離して白濁状態になる点
を示す。本発明の洗浄組成物は曇点以下の温度において
はW/O型可溶化状態で、曇点以上の温度においてはW
/O型のエマルジョン状態になる。特に曇点以上の状態
においては、非水系溶剤中の水が微小液滴となってい
る。この状態は非水系溶剤中で水が液滴となっていない
溶解状態や曇点以下での可溶状態に比べて、小さいなが
らも液滴という状態で水の影響を強く得ることができ
る。なおW/O型はWater in Oilの略であ
り、水粒子が非水系溶剤中に分散しているものである。
【0015】界面活性剤は洗浄組成物全体の100重量
部に対し、0.2〜20重量部である。0.2重量部以
下では曇点以下の温度でも水を均一にW/O型可溶化系
で保持することができず、このため洗浄組成物が不均一
となる。20重量部以上では界面活性剤が水と比べて高
粘度の材料であるため、洗浄組成物が高粘度化し、洗浄
時に被洗浄物表面に付着して持ち出される洗浄剤が多量
になったり、細かい隙間の洗浄性が低下するなどの問題
が発生するため好ましくない。
【0016】本発明に用いられる界面活性剤としては、
非水系溶剤に水を保持する作用が優れている点で非イオ
ン系界面活性剤が良好であり、特にポリオキシエチレン
基含有界面活性剤が曇点作用を有するところから良好で
ある。
【0017】本発明では洗浄組成物全体の100重量部
に対し、水は0.1〜10重量部である。0.1重量部
以下では水が少なく微小径粒子表面を層状に覆うことが
困難となり、このため粒子洗浄性が低く、水の添加の効
果を得ることができない。10重量部以上では微小径粒
子の洗浄性は良好であるが、水が多すぎて洗浄後に被洗
浄物表面に水が多量に残留し、乾燥後にシミとなる。使
用する水は精密洗浄を行う場合、不純物成分の少ない蒸
留水もしくはイオン交換水が望ましい。粗洗浄の場合は
水道水でもよい。
【0018】本発明の洗浄組成物は水、界面活性剤以外
は非水系溶剤となっている。非水系溶剤としてはノルマ
ルパラフィン系有機溶剤、イソパラフィン系有機溶剤、
シクロパラフィン系有機溶剤、単環芳香族含有有機溶剤
あるいはこれらを任意に混合したものを使用できる。こ
れらの非水系溶剤はいずれも石油の構成成分でもあり、
また洗浄対象汚れとして与えられるピッチや油性汚れな
ども石油を原料としているため、汚れとの相性が良く、
溶解性が非常に高い利点がある。
【0019】またワックスやピッチに代表される樹脂を
洗浄するためには、洗浄温度が軟化点に近づくほど洗浄
の効果が得られ、特にそれらの軟化点以上で洗浄するこ
とが好ましく、本発明の洗浄組成物を曇点以上に加温す
ることは洗浄温度を軟化点以上に設定するためにも有効
で、ワックスやピッチに代表される樹脂の洗浄性も向上
するため、微小径粒子とワックスやピッチに代表される
樹脂との両方を同時に洗浄できる。
【0020】本発明の洗浄組成物を用いた洗浄方法とし
て、まず洗浄組成物を用いて曇点以上の温度に加温して
洗浄を行う。この条件で洗浄することによって、洗浄組
成物はW/O型のエマルジョン状態となって上述したよ
うに、微小径粒子の洗浄性が向上し、更に非水系溶剤効
果によりワックスやピッチに代表される樹脂も同時に洗
浄することができる。その際の温度は曇点より高ければ
上述した作用が得られるが、好ましくは曇点より10℃
以上高い温度での洗浄の方が水の液滴化が良好なため微
小径粒子の洗浄効果が大きい。又、水の作用を得るため
には水の沸点である100℃以下で洗浄する必要があ
る。
【0021】洗浄の際には物理力として超音波や液中噴
流を用いることが良好で、これにより浸漬だけの場合よ
りも効果的である。更に、洗浄中に洗浄組成物中の微小
径粒子をフィルターろ過することによって、常に清浄な
洗浄剤で洗浄することもできる。
【0022】以上の洗浄工程の後、すすぎ工程を行う。
すすぎ工程では曇点以下の温度ですすぎを行う。曇点以
上で洗浄を行い、これにより洗浄組成物が付着した被洗
浄物上では非水系溶剤と水成分とがW/O型エマルジョ
ンとなって、水成分が液滴状に分離した状態になってい
る。これをそのままの曇点以上の温度ですすぐと水成分
が被洗浄物表面に吸着するため清浄なすすぎ工程ができ
ない。
【0023】これに対して、曇点以下の温度ですすぐこ
とで水成分も均一にW/O型可溶化して、液滴状に分離
した水も完全にすすぐことができる。その際の温度は曇
点より低ければ上述した作用が得られるが、好ましくは
曇点より5℃以上低い温度で洗浄を行うことが望まし
い。更にすすいだ後、被洗浄物表面を乾燥させることに
より、清浄な被洗浄物を得ることができる。乾燥には温
風乾燥、減圧乾燥などの方法に加え、エアーナイフを使
用した強制液切りも用いることができる。
【0024】本発明で使用するすすぎ液としては、水親
和性の低いノルマルパラフィン系有機溶剤、イソパラフ
ィン系有機溶剤、シクロパラフィン系有機溶剤、単環芳
香族含有有機溶剤、水親和性の高いアルコール系有機溶
剤を選択できる。この内、アルコール系有機溶剤は本発
明の洗浄組成物の曇点以下の温度で界面活性剤や非水系
溶剤及び水のいずれをも溶解し易いところからすすぎ液
として有用であり、またそれ以外の有機溶剤は洗浄組成
物の主成分である非水系溶剤と同じ炭化水素であるた
め、相溶性が良くすすぎ剤として有効である。
【0025】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1はこの実施の形態の洗浄方法をブ
ロック化したものである。図2はこの実施の形態の被洗
浄物として使用した光学プリズムの斜視図である。この
光学プリズム各面の研磨間での研磨面の洗浄に対して、
以下に示す洗浄組成物を用いて洗浄し、その評価を行っ
た。研磨されたのは面aであり、ピッチが付着している
のは面b及び面cであった。この洗浄では研磨面に付着
した研磨砥粒とプリズム加工時に治具に貼り付けるピッ
チが洗浄対象汚れとなる。ピッチとしては商品名「ピッ
チK3(九重電気(株)製)」を用いた。洗浄条件を以
下に示す。 洗浄組成物 非水系溶剤:クリンソルG (日本石油化学株式会社製、単芳香族含有有機溶剤) 97.0重量部 水 :純水 0.5重量部 界面活性剤:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル (オキシエチレンの平均モル数(EO):5モル) 2.5重量部
【0026】この形態の洗浄組成物は曇点が33℃で、
曇点以下ではW/O型可溶化状態で外観上均一である。
上述した洗浄条件で洗浄工程の温度を60℃にしたた
め、洗浄組成物はW/O型エマルジョン状態で乳白色を
呈していた。
【0027】洗浄条件 すすぎ液 :ナフテゾールL(日本石油化学株式
会社製、シクロパラフィン系有機溶剤) 洗浄槽容積 :25リットル 超音波装置 :25KHz、600W 洗浄タクトタイム :5min 洗浄工程温度 :60℃ すすぎ工程温度 :20℃ 研磨砥粒 :酸化セリウム、平均粒径2μm
【0028】図3はこの形態で使用した洗浄槽であり、
槽7の底面に超音波発振子6が設けられている。又、槽
7の上部にはオーバーフロー部8が設けられ、このオー
バーフロー部8にポンプ1、精密濾過フィルター2が連
結され、精密濾過フィルター2が槽7の底部に連結され
ている。4はかかる管路に設けた冷却チラーである。な
お、槽7には温度センサー5が取り付けられると共に、
加熱を行うパネルヒーター3が側面に取り付けられてい
る。この形態では、洗浄槽7内に持ち込まれた研磨砥粒
などを除去するため、洗浄組成物はポンプ1により常に
メッシュ1μmの精密ろ過フィルター2によって清浄化
されている。
【0029】洗浄性の評価は、双眼実体顕微鏡(100
倍拡大)で観察し、プリズムの研磨面にプリズム研磨時
の研磨砥粒及びピッチが残っていないものを良品として
判定した。
【0030】比較例1として非水系溶剤単体であるクリ
ンソルGを、また比較例2として、この形態の洗浄組成
物を使用し、液温を15℃に冷却して洗浄した。以下に
洗浄の結果を示す。 実施の形態1 比較例1 比較例2 良品数 64 13 29 洗浄数 64 64 64
【0031】比較例1の非水系溶剤のみを使用した洗浄
ラインでは、研磨砥粒残りにより洗浄不良品が発生する
が、この形態では研磨砥粒を完全に洗浄することができ
た。比較例2で不良の内容はピッチ残りが全数の35
で、その中で研磨砥粒残りが見られたものが18であっ
た。この結果により曇点以上の温度でのピッチ汚れ及び
粒子汚れに対する洗浄効果が確認された。この形態の洗
浄で使用したプリズムはSK5を素材としたものであっ
たが、洗浄によるヤケや潜傷等の研磨面の侵食は全く見
られなかった。
【0032】(実施の形態2)アルミニウムのバフ研磨
加工品の研磨面の洗浄を行い、その評価を行った。この
洗浄では研磨面に付着したパフ研磨砥粒とネジ部に残存
しているアルミニウムの切り屑及びパフ研磨砥粒が洗浄
対象汚れとなる。ネジ部は直径(φ)3mm、深さ6m
mのとまり穴である。洗浄組成物の構成を以下に示す。 非水系溶剤 :炭素数12のイソパラフィン系有機溶剤 (プロピレンガスを重合合成したものを蒸留分離した溶剤) 91.0重量部 水 :純水 2.0重量部 界面活性剤 :ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル (EOが7モル) 7.0重量部
【0033】以上の成分を調合することで、曇点が60
℃で、常温ではW/O型可溶化状態で外観上均一な洗浄
組成物が得られた。この洗浄組成物を用いて以下の洗浄
方法で洗浄を行った。
【0034】洗浄方法は槽容量25リットルの超音波洗
浄機を4台設置し、内2台に洗浄組成物を投入して、1
台を洗浄工程用と、他の1台を置換工程用とし、更に残
りの2台に乾燥力が高いすすぎ液としてキョーワゾール
C900(協和発酵工業株式会社製、イソパラフィン系
有機溶剤)を投入して追加の置換工程用とした。更にエ
アーナイフによる液切り槽と80℃恒温のオーブンを設
置して洗浄ラインとした。各超音波洗浄機には40KH
z、300Wの超音波振動子が取り付けられている。こ
の洗浄ラインを用いて、アルミニウムのバフ研磨加工品
を洗浄した。洗浄タクトタイムは3minで行った。洗
浄温度は1槽目が曇点以上の70℃±5℃、2槽目以降
が曇点以下の20℃±5℃に設定した。
【0035】洗浄の評価は双眼実体顕微鏡(100倍拡
大)で観察し、アルミニウムの研磨面にアルミニウム研
磨時の研磨砥粒及びネジ部に研磨砥粒や切り屑が残って
いないものを良品として判定した。
【0036】比較例3として非水系溶剤であるキョーワ
ゾールC1200(協和発酵工業株式会社製、イソパラ
フィン系有機溶剤)を用いた。この非水系溶剤はこの形
態では洗浄組成物中の非水系溶剤としても用いており、
これを比較例とすることで、この形態の洗浄組成物の界
面活性剤、水、非水系溶剤を添加した効果を確認でき
る。結果を以下に示す。
【0037】比較例3の非水系溶剤のみを使用した洗浄
ラインでは洗浄不良品が発生するが、この形態では切り
屑や研磨砥粒を完全に洗浄することができた。更にこの
形態の洗浄組成物は水を含有しているにもかかわらず、
被洗浄物であるアルミニウム表面を侵食した傾向は全く
見られなかった。また、この形態で洗浄された被洗浄物
に対して呼気試験を行って評価したところ、いずれの研
磨面もシミやムラは全くなかった。
【0038】比較例4としてこの形態と同一成分でその
組成比が異なる洗浄組成物を調合した。 非水系溶剤 :炭素数12のイソパラフィン系有機溶剤 65重量部 水 :純水 8重量部 界面活性剤 :ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル (EOが7モル) 27重量部
【0039】比較例4の洗浄組成物は、界面活性剤が2
7重量部と多く、その粘度が160cpであり、この形
態の洗浄組成物の粘度5cpと比べて大きく、ネジ部の
止まり穴に浸透することがなく、洗浄数100個中、良
品数が12だけで、止まり穴部分の洗浄性が悪かった。
【0040】このような形態の洗浄では、洗浄に使用し
た洗浄組成物を置換工程のすすぎ液として用い、更に被
洗浄物の乾燥性を高めるため、揮発性の高い非水系溶剤
で再置換を行ったことにより、3分の短時間で乾燥がで
き、且つシミやムラのない均一な表面を得ることができ
た。
【0041】(実施の形態3)ガラス表面のヤケ落とし
用研磨剤として、親油性加工油である商品名「ユシロン
CG(ユシロ化学(社)製)」に平均粒径0.5μmの
酸化ジルコニウム系の研磨砥粒を溶いた研磨剤が付着し
たガラスレンズを洗浄した。洗浄条件を以下に示す。 洗浄組成物 非水系溶剤:ノルマルドデカン (試薬 ノルマルパラフィン系有機溶剤) 99.0重量部 水 :イオン交換水 0.1重量部 界面活性剤:ポリオキシエチレン1級アルキルエーテル (EOは7モル、アルキル基炭素数12〜15) 0.2重量部 洗浄条件 すすぎ液 :ノルマルデカン(試薬 ノルマルパ
ラフィン系有機溶剤) 洗浄槽容積 :3リットル 超音波装置 :40KHz、600W 洗浄工程温度 :93℃ すすぎ工程温度 :40℃ 洗浄タクトタイム:5min
【0042】本実施の形態の洗浄組成物は曇点が90℃
で、曇点以下ではW/O型可溶化状態で外観上均一であ
る。洗浄工程においては、工程温度を93℃にしたた
め、W/O型エマルジョン状態で乳白色を呈した。乾燥
工程は出力1000Wのドライヤーを用い、3分間の温
風吹きつけで行った。
【0043】洗浄乾燥後に目視で評価を行ったところ、
30枚のガラスレンズには加工油に起因する油性汚れや
ジルコニウム系の研磨砥粒の残りは見られず、30枚全
数合格であった。しかし、洗浄工程温度を曇点以下の6
0℃にして洗浄したところ、油性汚れは洗浄できた反
面、30枚中8枚のレンズ表面に微粒子の残留が見ら
れ、これにより曇点以上の温度で洗浄する効果が確認さ
れた。このような実施の形態では、油性加工油と研磨材
の両方を同時に洗浄できることが確認された。
【0044】(実施の形態4)研磨後のシリコンウエハ
ーを切断してチップにする際に付着する切り粉、及び固
定する際のワックスの洗浄をおこなった。ワックスとし
ては商品名「スロットワックスF(九重電気(株)
製)」を使用した。以下に洗浄組成物の構成を示す。 洗浄組成物 非水系溶剤 :p−メンタン(試薬 シクロパラフィン系有機溶剤) 99.7重量部 水 :イオン交換水 0.1重量部 界面活性剤 :ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル (EOが4.2モル) 0.2重量部
【0045】この形態の洗浄組成物は曇点が37℃で、
曇点以下ではW/O型可溶化状態で外観上均一である。
洗浄工程では温度を55℃としたため、洗浄組成物はW
/O型エマルジョン状態となる。洗浄条件を以下に示
す。 洗浄条件 すすぎ液 :キョーワゾールC900(協和発酵
工業株式会社製 イソパラフィン系有機溶剤) 洗浄槽容積 :10リットル 超音波装置 :100KHz、600W 洗浄工程温度 :55℃ すすぎ工程温度 :25℃ 洗浄タクトタイム:10min
【0046】洗浄性の評価は双眼実体顕微鏡(20倍拡
大)で観察し、ウエハーの研磨面に切粉及びワックスが
残っていないものを良品として判定した。洗浄個数は5
00個であり、その全てが良品として得られた。
【0047】(実施の形態5)スライドガラス上に研磨
材を0.05g付着させ、その上に商品名「リセスワッ
クスRW−99No5(九重電気(株)製)」を0.2
g付着させて洗浄サンプルとしたものを洗浄した。研磨
材としてはガラス研磨用の商品名「モランダム(昭和電
工(株)社製)」を用いた。洗浄に使用した洗浄槽を図
3に示す。 洗浄組成物 非水系溶剤 :クリンソルG (日本石油化学株式会社製 単環芳香族含有有機溶剤) 93.0重量部 水 :イオン交換水 1.5重量部 界面活性剤 :ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル (EOが4.2モル) 5.5重量部
【0048】この形態の洗浄組成物は曇点が30℃で、
曇点以下ではW/O型可溶化状態で外観上均一である。
洗浄工程では温度を50℃にしたため、W/O型エマル
ジョン状態となる。以下にすすぎの条件を示す。 すすぎ液 :イソプロピルアルコール(試薬1級) すすぎ槽 :図3
【0049】一度に100枚のスライドガラスがはいる
洗浄治具に洗浄サンプルのスライドガラスを入れる。こ
の洗浄治具ごと洗浄槽内に導入して洗浄する。洗浄時間
は10分間である。
【0050】洗浄槽の容量は20リットルで、オーバー
フローにより循環しており、洗浄槽の下部から供給され
ている。精密ろ過フィルター2は1μmメッシュであ
り、ガラス表面から除去された研磨材を取り除いてい
る。洗浄槽の側部のセラミック製のパネルヒーター3に
よって槽7を随時加温できる。洗浄槽に戻る途中の配管
には巻きつけた冷却チラー4は一定温度での恒温状態を
保つものである。
【0051】洗浄槽内の温度は温度センサー5によって
逐次測定され表示される。洗浄は超音波発振子6及びポ
ンプ1による液循環を物理力としており、超音波は40
KHz、600Wの出力である。この洗浄槽が連続して
4槽設置されており、前側の2槽は洗浄組成物が投入さ
れ、温度が50℃に設定されている。後側の2槽はすす
ぎ液が投入され、温度が25℃に設定されている。更に
60℃の温風乾燥が設置されており、これによりすすぎ
液を乾燥する。一連の工程のタクトタイムは10分に設
定した。
【0052】評価は倍率20倍の双眼実体顕微鏡を用い
て、ワックス汚れ洗浄残り等によるシミと研磨材残りに
よる粒子のシミの有無で行い、いずれの汚れも全くない
ものを合格とした。上述した条件でスライドガラスを5
00枚洗浄したところ、500枚の全てが合格レベルの
洗浄品質であった。また、洗浄前にスライドガラスに故
意に付着させた手脂も、洗浄後は全く確認することがで
きなかった。
【0053】比較例5としてイソプロピルアルコールに
よる置換工程を行わず、洗浄工程から直接乾燥させたと
ころ、洗浄組成物によるシミ残りが500枚の全てにみ
られ、良好な洗浄品質を置換工程が必須であることが確
認された。
【0054】
【発明の効果】本発明は一般的に使用されている非水系
溶剤をベースにして、ワックスやピッチに代表される樹
脂及び親油性加工油を洗浄できるとともに、金属屑、研
磨砥粒、削り屑などの粒子汚れを現状の洗浄工程で剥離
でき、更に手脂などの無機塩を含有する極性汚れや水系
汚れについても同時に洗浄することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法をブロック化したフローチャート
である。
【図2】洗浄に使用した光学プリズムの斜視図である。
【図3】洗浄槽の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C11D 10/02 1:72 3:42)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100重量部の全体に対して、ポリオキ
    シエチレン基を有する非イオン系界面活性剤が0.2〜
    20重量部、水が0.1〜10重量部、残部が非水系溶
    剤からなり、10〜90℃の温度範囲内に曇点を有し、
    曇点以上の温度ではW/O型エマルジョンとなっている
    ことを特徴とする洗浄組成物。
  2. 【請求項2】 前記非水系溶剤はノルマルパラフィン系
    有機溶剤、イソパラフィン系有機溶剤、シクロパラフィ
    ン系有機溶剤又は単環芳香族含有有機溶剤あるいはこれ
    らを混合したものであることを特徴とする請求項1記載
    の洗浄組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載されるいずれかの
    洗浄組成物を用い、曇点以上の温度で被洗浄物を洗浄す
    る洗浄工程と、前記洗浄組成物の曇点以下の温度で被洗
    浄物に付着した洗浄組成物をすすぎ液によって置換する
    置換工程とからなることを特徴とする洗浄方法。
  4. 【請求項4】 前記すすぎ液として、ノルマルパラフィ
    ン系有機溶剤、イソパラフィン系有機溶剤、シクロパラ
    フィン系有機溶剤、単環芳香族含有有機溶剤、アルコー
    ル系有機溶剤、又は請求項1又は2に記載される洗浄組
    成物を用いることを特徴とする請求項3記載の洗浄方
    法。
JP11635696A 1996-05-10 1996-05-10 洗浄組成物及び洗浄方法 Withdrawn JPH09302391A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11635696A JPH09302391A (ja) 1996-05-10 1996-05-10 洗浄組成物及び洗浄方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11635696A JPH09302391A (ja) 1996-05-10 1996-05-10 洗浄組成物及び洗浄方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09302391A true JPH09302391A (ja) 1997-11-25

Family

ID=14684940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11635696A Withdrawn JPH09302391A (ja) 1996-05-10 1996-05-10 洗浄組成物及び洗浄方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09302391A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000050555A1 (de) * 1999-02-26 2000-08-31 Dr. O.K. Wack Chemie Gmbh Verfahren und reinigungsflüssigkeit zum flüssigreinigen von gegenständen
US6277203B1 (en) 1998-09-29 2001-08-21 Lam Research Corporation Method and apparatus for cleaning low K dielectric and metal wafer surfaces
JP2006070259A (ja) * 2004-08-04 2006-03-16 Tokuyama Corp 洗浄剤組成物
JP2013140826A (ja) * 2011-12-28 2013-07-18 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd 剥離方法、および剥離液

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6277203B1 (en) 1998-09-29 2001-08-21 Lam Research Corporation Method and apparatus for cleaning low K dielectric and metal wafer surfaces
WO2000050555A1 (de) * 1999-02-26 2000-08-31 Dr. O.K. Wack Chemie Gmbh Verfahren und reinigungsflüssigkeit zum flüssigreinigen von gegenständen
JP2006070259A (ja) * 2004-08-04 2006-03-16 Tokuyama Corp 洗浄剤組成物
JP2013140826A (ja) * 2011-12-28 2013-07-18 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd 剥離方法、および剥離液

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2763270B2 (ja) 洗浄方法、洗浄装置、洗浄組成物および蒸気乾燥組成物
US5741367A (en) Method for drying parts using a polyorganosiloxane
JPH09157698A (ja) 洗浄組成物及び洗浄方法
JPH09302391A (ja) 洗浄組成物及び洗浄方法
JP3560269B2 (ja) 非引火性工業用洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄方法
KR100196953B1 (ko) 부품의 세정방법
JP3556793B2 (ja) 非引火性工業用洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄方法
JPH09151399A (ja) 洗浄剤組成物
JP2949201B2 (ja) 洗浄方法
JPH09227898A (ja) 洗浄性能向上剤及び洗浄方法
JPH0617093A (ja) 洗浄用乳濁液組成物
JPH09125093A (ja) 洗浄組成物
JP2656450B2 (ja) 乾燥方法
JPH09263791A (ja) 洗浄方法
JPH06336600A (ja) 洗浄組成物および洗浄方法
JP2651453B2 (ja) 洗浄組成物
JP3454533B2 (ja) 洗浄方法
JPH09125099A (ja) 洗浄組成物
JP2963406B2 (ja) 非水系洗浄組成物
JP3670715B2 (ja) 精密洗浄方法
JP2002256285A (ja) 光学部品用洗浄液組成物
JP2004143409A (ja) 光学部品用洗浄液組成物
Awad Aqueous Displacement of Water-Immiscible Cleaning Solvents: Cleaning Enhancement Using Ultrasonics
JPH09188897A (ja) 洗浄方法
JPH09151393A (ja) 洗浄剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030805