JPH09263791A - 洗浄方法 - Google Patents

洗浄方法

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JPH09263791A
JPH09263791A JP7368096A JP7368096A JPH09263791A JP H09263791 A JPH09263791 A JP H09263791A JP 7368096 A JP7368096 A JP 7368096A JP 7368096 A JP7368096 A JP 7368096A JP H09263791 A JPH09263791 A JP H09263791A
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solvent
cleaning
tank
surfactant
cleaned
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JP7368096A
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Naoyasu Hanamura
尚容 花村
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄性を向上させ、引火の危険性のない洗
浄、乾燥を行う。 【解決手段】 炭化水素系又はシリコーン系等の非水系
溶剤に界面活性剤を添加し、この添加溶剤に被洗浄物を
浸漬して揺動、超音波、噴流等の物理力を付与しながら
洗浄し、その後、非水系溶剤によってすすいで処理を終
了する。非水系溶剤が油性汚れを除去し、界面活性剤が
水系汚れを除去する。液温が低くても、洗浄でき、引火
性が小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素系溶剤、
シリコーン系溶剤等の非水系溶剤を使用して光学部品や
金属部品を洗浄する洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学硝子レンズ、光学硝子プリズム等の
材料を研削、研磨した後においては、加工後の被加工物
に付着している研削油や研磨材及び水等を洗浄する必要
がある。この洗浄方法としては、従来から、フロンや
1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン等
の塩素系有機溶剤が用いられてきた。
【0003】また、近年の環境対策から、塩素系有機溶
剤よりも環境に対する安全性の高い洗浄液として炭化水
素系溶剤やシリコーン系溶剤等の非水系洗浄液や水に界
面活性剤を数パーセント添加した水系洗浄液等が用いら
れている。例えば、特開平6−296941号公報に
は、一般式Cn 2n+2で表される炭化水素系溶剤とし
て、イソパラフィン系溶剤を用いた洗浄液で洗浄ライン
を構成し、各洗浄槽で浸漬、噴流、シャワー洗浄等によ
り洗浄することが記載されている。また、特開平6−2
93898号公報には、炭素数10〜13の飽和脂肪族
炭化水素にフェノール類を含有させ、熱に対する安定性
を向上させた洗浄組成物を用いて洗浄を行うことが記載
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フロン
や1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン
等の塩素系溶剤は非水溶性の切削油等の汚れは洗浄でき
るが、非水溶性のため、同時に水溶性切削油や水に分散
させた研磨材等の汚れは洗浄できない。また、フロン
は、成層圏のオゾン層を破壊する物質として使用が規制
されている。更に、1,1,1−トリクロロエタン、ト
リクロロエチレン等の塩素系有機溶剤は、人体に対して
毒性が高く、労働安全衛生法、有機溶剤中毒予防規則の
規制を受け、これを取り扱う作業の危険性及び煩雑さを
考慮すると洗浄剤として用いることは好ましくない。ま
た、地下水汚染等の環境問題もあり、安全性の高い洗浄
剤への転換が求められている。
【0005】これに対して、特開平6−296941号
公報や特開平6−293898号公報で提案されている
炭化水素系溶剤で構成する洗浄ラインは、安全性が高い
と共に、洗浄ラインの槽数が少なく、水を使用しないた
め排水処理施設が不要であることや溶剤自体のコストが
安い等の利点が多い。
【0006】しかし、被洗浄物に付着している油性(非
水溶性)の汚れは炭化水素系溶剤によって、ある程度は
洗浄できるが、水溶性切削油や水に分散させて用いられ
ている研磨材等の水系汚れは、炭化水素系溶剤自体が非
水溶性のため、汚れが凝集して、洗浄除去することがで
きない。同様にシリコーン系溶剤等の非水系洗浄液でも
水系の汚れは洗浄することができない。
【0007】また、水系汚れを洗浄するため、イソプロ
ピルアルコール等のアルコール系溶剤を用いることもあ
るが、アルコール系溶剤は、汚れに対する溶解力が弱か
ったり、引火点が低く安全性に劣っている。さらに、洗
浄槽数が多い場合や槽容量自体が大きい場合には、その
使用量が制限される等の問題を有している。
【0008】一方、水系の汚れを洗浄するため、水に界
面活性剤を数パーセント添加した水系洗浄液を用いる場
合もあるが、この水系洗浄液で洗浄した後には、水でリ
ンスする必要があるため、洗浄ラインの槽数が多くなっ
たり、リンスした水の排水処理が必要となり、特別な排
水設備が必要となる等の問題があり、容易に導入できな
い。また、光学硝子レンズや光学硝子プリズムでは、耐
水性の悪い硝材が多用されており、これらの硝材を水や
水系洗浄液に浸漬すると「ヤケ」や「潜傷」などの不具
合が発生する。更に、プラスチックレンズでは吸水性の
ある材料が多いため、この様な水系洗浄液による洗浄は
可能である。
【0009】本発明はこのような従来の問題点を考慮し
てなされたものであり、水や水系洗浄液を使用せず、炭
化水素系溶剤やシリコーン系溶剤の非水系洗浄剤を用い
ても被洗浄物に付着している非水溶性の汚れ以外に加え
て水溶性の切削油や水に分散させて用いられている研磨
材、微粒子等の水系汚れも洗浄できる洗浄方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1の発明は、炭化水素系又はシリコーン系等の非水系
溶剤に界面活性剤を添加し、この添加溶剤に被洗浄物を
浸漬して揺動、超音波、噴流等の物理力を付与しながら
洗浄し、その後、前記非水系溶剤によってすすぐことを
特徴とする。
【0011】これにより洗浄〜リンスまでの洗浄ライン
が非水系溶剤によって構成されるため、排水処理が不要
となり、洗浄ラインが短くなる。又、ガラスからなる光
学部品を洗浄しても、水系洗浄剤のようにヤケや潜傷を
発生することがない。又、界面活性剤を添加しているた
め、非水溶性の汚れのみならず、研磨材等の微粒子や水
溶性汚れを除去できる。更にプラスチックレンズの洗浄
も可能である。本発明に使用されている炭化水素系溶剤
やシリコーン系溶剤は人体や環境に対して安全性が高い
特性を有している。
【0012】請求項2の発明は、以上の請求項1の発明
において、前記炭化水素系溶剤として、ノルマルパラフ
ィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤又
は単環芳香族系溶剤を用いる一方、界面活性剤として、
親水性界面活性剤又は親油性界面活性剤を用い、この界
面活性剤の添加量が1〜3重量%であることを特徴とす
る。
【0013】このように選択された炭化水素系溶剤は、
他の炭化水素系溶剤よりも大きな洗浄力を有しており、
汚れを効果的に除去することができる。又、これらの炭
化水素系溶剤は入手が容易であり、安定した供給を確保
できる。この炭化水素系溶剤に添加される界面活性剤の
量は1〜3重量%である。1重量%未満では研磨材等の
微粒子や水性汚れに対する洗浄力が不足する。3重量%
を越える場合は。界面活性剤自体が被洗浄物の表面に残
存して、シミの原因となる。
【0014】請求項3の発明は、洗浄を行う少なくとも
最終槽に対して、引火点が70℃以上の非水系溶剤を4
0〜60℃に加温して用いると共に、被洗浄物を10m
m/sec以下の速度で前記最終槽から引き上げること
を特徴とする。
【0015】この場合においても、非水系溶剤によって
洗浄ラインが構成されるため、排水処理が不要となり、
ガラス等の光学部品を洗浄しても、ヤケ、潜傷が生じな
いメリットがある。又、引火点が70℃以上の非水系溶
剤を用いるため、引火点が高く、難燃性であり、取扱い
上の安全性が向上する。なお、引火点が70℃未満で
は、加温した場合の引火性が高くなって危険となる。
【0016】この方法においては、非水系溶剤を40〜
60℃に加温して用いると共に、被洗浄物の引き上げ速
度を10mm/sec以下としている。非水系溶剤の加
温温度が40℃未満の場合には、乾燥を促進することが
できず、シミが発生する。加温温度が60℃を越える場
合には、上述した引火点との関係で引火性が高くなる。
引き上げ速度が上述に値よりも越える場合、乾燥を促進
できず、シミが発生する。
【0017】請求項4の発明はこの請求項3の発明にお
いて、30KHz以下の周波数の超音波を付与しながら
4〜10mm/secの速度で揺動させるものである。
【0018】このような物理力を付与することで、高い
洗浄効果を得ることができる。この場合、超音波の周波
数はピッチ等の重度の汚れの付着力との兼ね合いで決定
されるものであり、上述した周波数ではこの汚れを短時
間で除去できる。なお、揺動の速度が4mm/sec未
満では、被洗浄物から剥離した汚れが被洗浄物に再度、
付着して好ましくなく、10mm/secを超える超音
波の洗浄効果が減衰して好ましくない。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1はこの実施の形態に適用される洗
浄ラインであり、光学レンズ、プリズム等の光学部品を
洗浄するためのものである。同図において、1は投入コ
ンベアであり、被洗浄物を洗浄槽に供給する。洗浄槽は
第1槽〜第5槽の5槽構成となっている。
【0020】第1槽2及び第2槽3には洗浄液として炭
化水素系溶剤に界面活性剤が添加された洗浄液が充填さ
れている。炭化水素系溶剤としては、イソパラフィン系
溶剤である商品名「ダフニーアルファクリーナーH(出
光興産株式会社製)」または、ナフテン系溶剤である商
品名「ナフテゾールM(日本石油化学株式会社製)」が
充填されている。この非水系溶剤に対し、親水性界面活
性剤と親油性界面活性剤が、それぞれ0.1〜1.5重
量%添加されている。この洗浄液は常温となっている。
【0021】第3槽4には、第1槽及び第2槽に充填さ
れた同一の炭化水素系溶剤のみが充填されている。この
槽においても液温は常温である。これらの槽2、3、4
の底部には、28KHz、600Wの出力の超音波発振
器が設置されている。
【0022】第4槽5及び第5槽6の洗浄槽は第3槽4
の洗浄液のすすぎと乾燥性を向上させるものである。こ
れらの槽5、6には、シリコーン系溶剤として、乾燥が
良好な商品名「洗浄剤EE−3110(オリンパス光学
工業株式会社製)」、またはイソパラフィン系溶剤とし
て、商品名「ダフニーアルファクリーナーL(出光興産
株式会社製)」が充填されている。これらの液温は常温
である。
【0023】第5槽6には温風乾燥機7が連結されてい
る。この温風乾燥機7の温度は、70〜80℃に設定さ
れている。8は処理が終了した被洗浄物を洗浄ラインか
ら搬出する搬出コンベアである。
【0024】この実施の形態では、被洗浄物として、水
と、酸化セリウムからなる研磨材と、研磨性を向上させ
るために研磨材を均一に分散させる界面活性剤とが付着
した硝材BAL41(小原光学硝子製造所(社)製)か
らなる光学硝子プリズムを用いた。この被洗浄物はプリ
ズム研磨用のラップ盤を用いて、上記研磨材を掛け流し
しながら1時間ラップ研磨したものである。
【0025】図2はこのプリズムの形状を示す。このプ
リズム10は30mm×30mmの直角形をなし、22
mmの厚さとなっており、3面が研磨されているが、両
側面11、12が砂目状になっている。このため、一部
乾燥した研磨材が両側面の砂目に強固に付着している。
【0026】この実施の形態では、第1槽2、第2槽
3、第3槽4の炭化水素系溶剤として、ダフニーアルフ
ァクリーナーH(出光興産株式会社製)を、第4槽5、
第5槽6の溶剤として、EE−3110(オリンパス光
学工業株式会社製)を使用した。第1槽2、第2槽3の
添加剤としては、親水性界面活性剤としてポリオキシア
ルキレン系ノニオン水溶性界面活性剤BT−9(日光ケ
ミカルズ株式会社製)と、親油性界面活性剤としてリン
酸エーテル系アニオン油溶性界面活性剤DDP−2(日
光ケミカルズ株式会社製)を使用した。この添加剤の添
加量はそれぞれ0.15重量%で合計1.0重量%であ
る。
【0027】第1槽〜第5槽の洗浄液の液温は常温と
し、各槽とも90秒で処理を行った。第1槽2及び第2
槽3では、超音波発振器9を作動して洗浄し、全槽を9
mm/secで揺動しながら各洗浄槽の洗浄時間を1分
に設定した。温風乾燥機7は80℃に設定し、乾燥時間
は3分とした。
【0028】添加剤として親水性界面活性剤と親油性界
面活性剤を添加した場合と、従来のように入れない場合
との洗浄性を比較するため、同一条件で洗浄、乾燥して
比較した。結果を表1に示す。
【0029】表1から明らかなように、添加剤がない場
合は、研磨材等の微粒子がプリズムの全面に付着したま
ま除去できていない。また、その他の油溶性汚れや水溶
性汚れも洗浄できていないため、全数にシミが発生し
た。しかし、添加剤を入れた場合は、研磨材などの微粒
子が効率よく洗浄できている。また、油溶性汚れや水溶
性汚れも洗浄でき、シミがなくなり、洗浄品質が向上し
た。さらに水を使用しないため、耐水性が小さな硝材で
もヤケや潜傷の発生がなかった。
【0030】
【表1】
【0031】(実施の形態2)図1の洗浄ラインを用
い、図2のプリズムを洗浄した。第1槽2〜第3槽4の
炭化水素形溶剤としては、イソパラフィン系溶剤である
商品名「ダフニーアルファクリーナーH(出光興産株式
会社製)」を、第4槽5及び第5槽6の溶剤としては、
シリコーン系洗浄剤である商品名「EE−3110(オ
リンパス光学工業株式会社製)」を用いた。添加剤は、
親水性界面活性剤としてポリオキシアルコレン系ノニオ
ン水溶性界面活性剤BT−9(日光ケミカルズ株式会社
製)と、親油性界面活性剤としてリン酸エーテル系アニ
オン油溶性界面活性剤DDP−2(日光ケミカルズ株式
会社製)を用いた。添加量は、それぞれ0.5重量%で
合計1.0%である。液温は常温とし、洗浄時間は、各
槽30秒、60秒及び90秒に設定した。温風乾燥機7
は80℃、3分に設定した。
【0032】表2に洗浄時間を変えて洗浄した結果を示
す。評価は目視で研磨材の残留やシミの発生を確認し
た。比較として、添加剤を添加しないで洗浄し、比較し
た。添加剤を入れない場合の洗浄時間は90秒、120
秒に設定した。表2の結果から、親水性界面活性剤を添
加した場合は、洗浄時間90秒で完全に洗浄でき、研磨
材等の微粒子の残留がなくなった。また、その他の油溶
性汚れや水溶性汚れも洗浄され、汚れの残留により発生
するシミもなくなった。
【0033】しかし、添加剤がない場合は、研磨材等の
微粒子がプリズムの全面に付着したまま除去できていな
かった。また、その他の油溶性汚れや水溶性汚れも洗浄
できていないため、90秒では全数にシミが発生した。
したがって、添加剤を入れることによって効率良く研磨
材等の微粒子が洗浄できると共に、油溶性汚れや水溶性
汚れも短時間(90秒)で洗浄できることが判明した。
更に水を使用しないため、耐水性の悪い硝材を長時間浸
漬、洗浄してもヤケや潜傷等の不具合の発生がなかっ
た。
【0034】
【表2】
【0035】(実施の形態3)添加剤を添加する図1の
第1槽2及び第2槽3の炭化水素系溶剤としてナフテン
系溶剤、イソパラフィン系溶剤、単環芳香族溶剤を用い
て洗浄性を確認した。ナフテン系溶剤として商品名「ナ
フテゾールM(日本石油化学株式会社製)」、イソパラ
フィン系溶剤として商品名「ダフニーアルファクリーナ
ーH(出光興産株式会社製)」、単環芳香族溶剤として
商品名「クリーンゾルG(日本石油株式会社製)」を用
いた。
【0036】各炭化水素系溶剤による洗浄性を確認する
ため、被洗浄物として、水と研磨材が付着した図2に示
す光学硝子プリズムを図1の洗浄ラインを用いて洗浄し
た。第4槽5、第5槽6の溶剤としては、シリコーン系
洗浄剤である商品名「EE−3110(オリンパス光学
工業株式会社製)」を用いた。添加剤は、親水性界面活
性剤としてポリオキシアルキレン系ノニオン水溶性界面
活性剤BT−9(日光ケミカルズ株式会社製)と、親油
性界面活性剤としてリン酸エーテル系アニオン油溶性界
面活性剤DDP−2(日光ケミカルズ株式会社製)を用
いた。添加量は、それぞれ0.5重量%で合計1.0%
である。液温は常温とし、洗浄時間は各槽90秒に設定
した。乾燥機は80℃、3分に設定した。添加剤の添加
量は、各炭化水素系溶剤全て同量添加し、同一条件で洗
浄、乾燥して比較した。評価は、目視で研磨材の残留や
シミの発生を確認した。
【0037】表3の結果から、第1〜第3槽の炭化水素
系溶剤は、ナフテン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、単
環芳香族溶剤のどれを用いても添加剤の効果により、研
磨材等の微粒子が完全に洗浄された。シリコーン系溶剤
でも同様であり、添加剤により研磨材の洗浄性が向上し
た。また、物理力として超音波を用いているが、浸漬の
みや噴流を用いても同様の結果であった。
【0038】しかし、その他の油溶性汚れや水溶性汚れ
は、炭化水素系溶剤の溶解力に若干影響されるため、油
溶性汚れや水溶性汚れの残留によるものと思われるシミ
の発生率に差があった。
【0039】
【表3】
【0040】(実施の形態4)図3は実施の形態4の洗
浄ラインを示す。第1槽22、第2槽23、第3槽24
及び温風乾燥機25が順に連設されており、第1槽22
に対して搬入コンベア21が被洗浄物を搬入し、処理が
終了した被洗浄物を温風乾燥機25から搬出コンベア2
6に搬出する。第1槽22〜第3槽24はいずれも洗浄
槽であり、非水系溶剤が充填されていると共に、底面に
は28KHz、600Wの出力の超音波発振器27が取
り付けられている。28は第1槽22及び第3槽24を
連結する蒸留再生装置である。同図において、実線は被
洗浄物の移動順を、破線は洗浄液の流れを示している。
表4は洗浄に使用する非水系溶剤の商品名毎の特性を示
している。
【0041】
【表4】
【0042】被洗浄物としては硝材BAL41からなる
直径(φ)24mmの光学硝子レンズを使用した。この
光学レンズにはストレートアスファルト系ピッチである
商品名「K3」(九重電気(株)製)が付着している。
【0043】この実施の形態では、最終槽である第3槽
24を液温を常温(25℃)、40℃、50℃、60℃
に設定し、被洗浄物の引き上げ速度を5mm/secに
して乾燥性を確認した。なお、第1槽22及び第2槽2
3の液温は40℃に設定し、温風乾燥槽25は60℃に
設定した。洗浄時間は各槽とも60秒とした。洗浄液と
しての非水系溶剤はエステル系溶剤である商品名「EE
−4120」を使用した。乾燥時間を10分、15分と
したときのレンズの乾燥状態を確認した結果を表5に示
す。同表において、○はシミがないか、あっても極薄い
シミの場合を、△は薄いシミで工程上、問題がないもの
を、×は濃いシミのものを示す。
【0044】
【表5】
【0045】表5に示すように、最終の第3槽24の液
温が40℃以下の場合、温風乾燥機25で15分間乾燥
しても、未乾燥のレンズが発生した。なお、乾燥を15
分以上行うことは実用的ではないものである。最終の第
3槽24の液温が60℃以上の場合、乾燥性が向上する
が、液温が非水系溶剤の引火点に近づくため、安全性の
観点から好ましくない。又、乾燥温度を60℃以上とす
ると、僅かに残留した汚れが被洗浄物に焼き付き、次工
程で精密洗浄する際の除去ができない。このため極力、
低温で乾燥させる必要がある。第3槽24からの引き上
げ速度を15mm/sec以上んした場合、同槽24の
液温を50℃以上にしても未乾燥のレンズが発生した。
【0046】以上の表5の結果から、最終槽24の液温
を40℃〜60℃とし、被洗浄物の引き上げ速度を10
mm/sec以下とすることにより、200℃〜230
℃等の沸点が高い洗浄液でも短時間で乾燥でき、被洗浄
物に乾燥シミも生じない。これにより洗浄後において
は、低沸点の溶剤を使用して乾燥を行う必要がなくな
り、工程を簡略化できる。なお、第3槽24を除く第1
槽22及び第2槽23においては、被洗浄物を比較的、
早く引き上げるものである。
【0047】このようにこの実施の形態では、EE−4
120のような沸点が高い洗浄液を使用できるため、引
火の危険性が少なく、安全性が向上した洗浄が可能であ
る。さらに、この実施の形態ではナフテン系溶剤である
商品名「ナフテゾールM」(日本石油化学(株)製)、
ナフテン系溶剤とイソパラフィン系溶剤の混合溶剤であ
る商品名「アクトレル1178L」(エクソン化学
(株)製)、芳香族系溶剤である商品名「クリーンソル
G」(日本石油(株)製)を使用しても、上述と同様な
結果となった。
【0048】(実施の形態5)この実施の形態では、被
洗浄物として、直径35mm、厚さ3mmの鏡面加工さ
れた真鍮板を使用し、図3に示す洗浄ラインを用いて洗
浄した。真鍮板には切削油である商品名「ダフニ−カッ
トHS−32」(出光興産(株)製)が付着している。
【0049】最終槽である第3槽24を液温を常温(2
5℃)、40℃、50℃、60℃に設定し、被洗浄物の
引き上げ速度を5mm/secにして乾燥性を確認し
た。なお、第1槽22及び第2槽23の液温は40℃に
設定し、温風乾燥槽25は60℃に設定した。洗浄時間
は各槽とも60秒とした。洗浄液としての非水系溶剤は
エステル系溶剤である商品名「EE−4120」を使用
した。乾燥時間を10分、15分としたときのレンズの
乾燥状態を確認した結果を表6に示す。同表は洗浄籠1
個に対し真鍮板10個を投入し、未乾燥の数と発生した
シミの度合いを評価したものである。同表において、○
はシミがないか、あっても極薄いシミの場合を、△は薄
いシミで工程上、問題がないものを、×は濃いシミのも
のを示す。
【0050】
【表6】
【0051】表6に示すように、最終槽24の敷き上げ
速度が15mm/sec以上では、温風乾燥機25で5
0℃以上、15分間乾燥させても弐乾燥の真鍮板が発生
している。一方、乾燥性はレンズ等のガラス部材に比べ
て良好であり、ガラス部材よりも低温又は引き上げ速度
が大きくても、シミを発生させることなく、乾燥するこ
とができ、これにより洗浄条件が幅が広がっている。
【0052】この実施の形態ではナフテン系溶剤である
商品名「ナフテゾールM」(日本石油化学(株)製)、
ナフテン系溶剤とイソパラフィン系溶剤の混合溶剤であ
る商品名「アクトレル1178L」(エクソン化学
(株)製)、芳香族系溶剤である商品名「クリーンソル
G」(日本石油(株)製)を使用しても、上述と同様な
結果となった。
【0053】(実施の形態6)超音波周波数による被洗
浄物の洗浄性を確認するため、25KHzと40KHz
の周波数で洗浄を行った。洗浄ラインは図3に示すもの
を使用した。同図における各槽の洗浄時間を60秒と
し、被洗浄物として実施の形態4と同様のレンズを用
い、ピッチが残留しているレンズ数を確認した。各槽の
液温は50℃、揺動速度を10mm/sec、引き上げ
速度を10mm/secに設定して行った。
【0054】表7は洗浄籠1個に20個のレンズを投入
して洗浄し、ピッチが残留している未洗浄のレンズ数を
示す。超音波の周波数が40KHzの高周波数側では、
未洗浄のレンズが発生しているが、25KHzの低周波
数側では短時間でピッチ等の重度の汚れを除去できてい
る。このような低周波数を使用することにより、低い温
度の洗浄液を使用した洗浄ができ、引火の危険性が少な
くなる。
【0055】
【表7】
【0056】(実施の形態7)揺動速度による洗浄性を
確認するため揺動速度を5、10、15mm/secに
変化させた、被洗浄物としては実施の形態4と同様のレ
ンズを用い、図3に示す洗浄ラインを使用して洗浄し
た。各槽の液温は50℃、引き上げ速度は10mm/s
ecとし、超音波25KHzの超音波を用いた。表8は
洗浄籠1個にレンズを20個投入して、洗浄した場合の
未洗浄のレンズ数を示す。同表に示すように、揺動速度
を10mm/sec以上とした場合、洗浄性が低下し
た。これは揺動速度が大きくなることにより、超音波に
よる洗浄効果が低減したためである。かかる揺動速度を
種々、変えて洗浄した結果、4〜10mm/secの範
囲の揺動速度で、良好な洗浄が可能となっている。
【0057】
【表8】
【0058】
【発明の効果】請求項1の発明は、界面活性剤を添加し
た非水系溶剤により洗浄するため、排水処理が不要とな
り、洗浄ラインが短くなる。しかも、人体や環境に対し
ての安全性が高いものとなる。又、界面活性剤を添加し
ているため、研磨材等の微粒子や水性汚れも除去でき
る。
【0059】請求項2の発明は、洗浄力の大きな炭化水
素系溶剤を使用するため、洗浄性を向上させることがで
きる。
【0060】請求項3の発明は、請求項1の発明と同様
な効果を有すると共に、乾燥を促進できるため、洗浄の
シミを防止することができる。
【0061】請求項4の発明は、超音波の作用を有効に
活用でき、洗浄性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】洗浄ラインの一例の構成図である。
【図2】被洗浄物の斜視図である。
【図3】別の洗浄ラインの構成図である。
【符号の説明】
2 第1槽 3 第2槽 4 第3槽 5 第4槽 6 第5槽 7 温風乾燥機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11D 7/24 C11D 7/24 7/50 7/50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素系又はシリコーン系等の非水系
    溶剤に界面活性剤を添加し、この添加溶剤に被洗浄物を
    浸漬して揺動、超音波、噴流等の物理力を付与しながら
    洗浄し、その後、前記非水系溶剤によってすすぐことを
    特徴とする洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記炭化水素系溶剤として、ノルマルパ
    ラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶
    剤又は単環芳香族系溶剤を用いる一方、前記界面活性剤
    として、親水性界面活性剤又は親油性界面活性剤を用
    い、この界面活性剤の添加量が1〜3重量%であること
    を特徴とする請求項1記載の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 洗浄を行う少なくとも最終槽に対して、
    引火点が70℃以上の非水系溶剤を40〜60℃に加温
    して用いると共に、被洗浄物を10mm/sec以下の
    速度で前記最終槽から引き上げることを特徴とする洗浄
    方法。
  4. 【請求項4】 30KHz以下の周波数の超音波を付与
    しながら、4〜10mm/secの速度で被洗浄物を揺
    動させて洗浄することを特徴とする請求項3記載の洗浄
    方法。
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