JP2003073692A - 洗浄剤組成物およびそれを用いる洗浄方法 - Google Patents

洗浄剤組成物およびそれを用いる洗浄方法

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JP2003073692A
JP2003073692A JP2001263122A JP2001263122A JP2003073692A JP 2003073692 A JP2003073692 A JP 2003073692A JP 2001263122 A JP2001263122 A JP 2001263122A JP 2001263122 A JP2001263122 A JP 2001263122A JP 2003073692 A JP2003073692 A JP 2003073692A
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JP2001263122A
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Masahiro Amamiya
正博 雨宮
Yoshio Tanaka
善雄 田中
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント基盤、精密部品、光学部品、ガラス
基盤を用いた液晶セル、金属部品、プラスチック部品な
どの表面に存在する油脂類、機械油、切削油、ワックス
類、グリース類、ロジン系ワックス、液晶残渣、樹脂類
などの汚れの除去に優れ、また安全性に優れ、かつ環境
汚染のない洗浄剤組成物を提供する。 【解決手段】 特定の比率で水溶性溶剤、フッ素系界面
活性剤および水を含有する洗浄剤組成物を用いて洗浄す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄剤組成物およ
びそれを用いる洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント基盤、精密部品、光学部品、ガ
ラス基盤を用いた液晶セル、金属部品、プラスチック部
品などの表面に存在する有機物系の汚れの除去には、従
来、ワックスや油脂類の洗浄力、溶解力に優れ、難燃性
であるなどの理由でトリクロロトリフルオロエタン等の
フロン系溶剤またはトリクロロエチレン、テトラクロロ
エチレン等塩素系溶剤が各産業分野で広く使用されてい
た。しかしながら、フロン系及び塩素系の溶剤を使用し
ている洗浄剤は、安全性、毒性、環境汚染性等大きな問
題を有している。
【0003】前記のフロン系溶剤または塩素系溶剤の代
替品として、エタノール、イソプロピルアルコール等の
アルコール類、ケロシン、ベンゼン、キシレン等の炭化
水素類が使用されるようになった。しかしながら、アル
コール類、炭化水素類は、引火性、毒性の問題があり、
また被洗浄材の材質への影響もあるため、現在のところ
限定された用途にしか使用されていない。
【0004】前記溶剤の欠点を取り除くため、水により
希釈するという工夫がなされてきた。水によって希釈さ
れた洗浄剤については、例えば、特開平5−14849
9号公報、特開平7−133496号公報等に記載され
ている。しかしながら、これらの溶剤は、水で希釈する
ことによりその洗浄力は低下するという問題がある。ま
た、水に相溶する溶剤だけでなく、水に不溶の溶剤を界
面活性剤を添加して水に溶け込ませた洗浄剤も使用され
るようになったが、これらに関しても洗浄力は低下する
傾向が見られる。従って、前記の問題を解決し、洗浄力
を保持した洗浄剤の開発が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような背
景の下になされたものであって、本発明は、プリント基
盤、精密部品、光学部品、ガラス基盤を用いた液晶セ
ル、金属部品、プラスチック部品などの表面に存在する
油脂類、機械油、切削油、ワックス類、グリース類、ロ
ジン系ワックス、液晶残渣、樹脂類などの汚れの除去に
優れ、また安全性に優れ、かつ環境汚染のない洗浄剤組
成物を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の比率で水溶
性溶剤、フッ素系界面活性剤および水を含有する洗浄剤
組成物を用いれば、前記の課題を解決できることを見出
し本発明を完成するに至った。本発明は、以下の(1)
〜(16)に示される洗浄剤組成物およびそれを用いる
洗浄方法に関する。
【0007】(1)水溶性溶剤を1〜95質量%、フッ
素系界面活性剤を0.0001〜5質量%および全組成
を100%とするに足る量の水を含有することを特徴と
する洗浄剤組成物。 (2)水溶性溶剤がグリコールエーテルまたはN−メチ
ルピロリドンである上記(1)に記載の洗浄剤組成物。 (3)グリコールエーテルが、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテルまたはジエチレングリコールモノヘキ
シルエーテルである上記(2)に記載の洗浄剤組成物。 (4)フッ素系界面活性剤がフッ素系陰イオン性界面活
性剤であり、下記一般式(1) R1COOM (1) (式中、R1は水素原子の一部または全部がフッ素原子
で置換された、炭素数が2〜20の直鎖状または分岐鎖
状のアルキル基またはアルケニル基であり、Mは水素原
子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、アルキルアン
モニウム基またはアルカノールアンモニウム基を表
す。)で表されるカルボン酸、その塩、下記一般式
(2) R2SO3M (2) (式中、R2は水素原子の一部または全部がフッ素原子
で置換された、炭素数が2〜20の直鎖状または分岐鎖
状のアルキル基またはアルケニル基であり、Mは前記と
同様の意味を表す。)で表されるスルホン酸およびその
塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であ
る上記(1)に記載の洗浄剤組成物。 (5)フッ素系陰イオン性界面活性剤が、パーフルオロ
カプリル酸、パーフルオロカプリン酸、パーフルオロオ
クタンスルホン酸およびそれらの塩からなる群から選ば
れる少なくとも1種の化合物である上記(4)に記載の
洗浄剤組成物。
【0008】(6)液状炭化水素を0.1〜30質量%
含有する上記(1)〜(5)のいずれかに記載の洗浄剤
組成物。 (7)液状炭化水素がアルファ・オレフィン、イソパラ
フィン、n−パラフィンまたはリモネンである上記
(6)に記載の洗浄剤組成物。 (8)サクシネート型陰イオン性界面活性剤を0.01
〜30質量%含有する上記(1)〜(7)のいずれかに
記載の洗浄剤組成物。 (9)サクシネート型陰イオン性界面活性剤が下記一般
式(3)
【化2】 (式中、R3、R4はともにアルキル基で、R3とR4の合
計炭素数が10〜20の直鎖状または分岐鎖状のアルキ
ル基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモ
ニウム基、アルキルアンモニウム基またはアルカノール
アンモニウム基を表す。)で表されるアルキルスルフォ
サクシネート、またはその塩である上記(8)に記載の
洗浄剤組成物。 (10)前記サクシネート型陰イオン界面活性剤がジヘ
キシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコ
ハク酸ナトリウムまたはジラウリルスルホコハク酸アン
モニウムである上記(8)または(9)に記載の洗浄剤
組成物。
【0009】(11)非イオン系界面活性剤を0.00
01〜30質量%含有する上記(1)〜(10)のいず
れかに記載の洗浄剤組成物。 (12)非イオン系界面活性剤が下記一般式(4) R5−O−(R6−O)p−H (4) (式中、R5は炭素数が6〜20のアルキル基、R6は炭
素数が2〜4のアルキレン基、pは3〜20の整数を表
す。)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ル型、下記一般式(5) R7−C64−O−(R8−O)q−H (5) (式中、R7は炭素数が6〜20のアルキル基、R8は炭
素数が2〜4のアルキレン基、qは3〜20の整数を表
す。)で表されるポリオキシアルキレンアリールエーテ
ル型、下記一般式(6) R9−COO−(R10−O)r−H (6) (式中、R9は炭素数が9〜16のアルキル基、R10
炭素数が2〜4のアルキレン基、rは6〜16の整数を
表す。)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエス
テル型からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
である上記(11)に記載の洗浄剤組成物。 (13)非イオン系界面活性剤がポリオキシエチレンア
ルキルエーテルおよび/またはポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテルである上記(11)または(12)
に記載の洗浄剤組成物。 (14)汚染の付着した精密加工部品を上記(1)〜
(13)のいずれかに記載の洗浄剤組成物に浸漬または
浸漬揺動し、精密加工部品に含まれる数〜数十μmの微
細な穴または隙間に残留する汚染物質を除去することを
特徴とする洗浄方法。 (15)上記(14)に記載の方法により洗浄された表
面を有する精密加工部品。 (16)上記(14)に記載の方法により洗浄された表
面を有する液晶パネル。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。先ず、本発明の洗浄剤組成物について説明する。
本発明の洗浄剤組成物は、水溶性溶剤を1〜95質量
%、フッ素系界面活性剤を0.0001〜5質量%およ
び全組成を100%とするに足る量の水を含有すること
を特徴とする。
【0011】水溶性溶剤は、組成物全重量に対し1〜9
5質量%の割合で配合され、1〜60質量%配合される
ことが好ましく、1〜50質量%配合されることがさら
に好ましい。1質量%未満では洗浄性が低下し、95質
量%より多く配合すると水の配合による非危険物化が困
難となる。また、配合の割合は使用条件に応じて適宜選
択することができる。
【0012】本発明の洗浄剤組成物に配合される水溶性
溶剤としてはアルコール類、グリコール類、グリコール
エーテル類、ケトン類、アルキルアミン類、N、N−ジ
メチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリド
ン等が挙げられ、グリコールエーテル類およびN−メチ
ルピロリドンが好ましい。グリコールエーテル類として
は、例えばエチレングリコールモノエチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノヘキシルエーテル、プロピレングリコール
モノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテルアセテート等を挙げることができ、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテルおよびジエチレン
グリコールモノヘキシルエーテルが好ましい。これらの
化合物はそれぞれ単独で使用してもよいが、2種類以上
を適宜に組み合わせて使用してもよい。
【0013】本発明の洗浄剤組成物に配合されるフッ素
系界面活性剤としては、フッ素系陰イオン性界面活性剤
であることが好ましく、下記一般式(1) R1COOM (1) (式中、R1及びMは前記と同様の意味を表す。)で表
されるカルボン酸、その塩、下記一般式(2) R2SO3M (2) (式中、R2及びMは前記と同様の意味を表す。)で表
されるスルホン酸及びその塩からなる群から選ばれる少
なくとも1種の化合物であることが好ましい。
【0014】さらに好ましくは、前記一般式(1)で表
されるカルボン酸のR1が、炭素数が6〜16の直鎖状
または分岐鎖状のパーフルオロアルキル基、ハイドロフ
ルオロアルキル基、パーフルオロアルケニル基、ハイド
ロフルオロアルケニル基であるカルボン酸、その塩、前
記一般式(2)で表されるスルホン酸のR2が、炭素数
が6〜12の直鎖状または分岐鎖状のパーフルオロアル
キル基、ハイドロフルオロアルキル基、パーフルオロア
ルケニル基、ハイドロフルオロアルケニル基であるスル
ホン酸及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも1
種の化合物である。
【0015】具体的には、パーフルオロヘプタン酸(C
613COOH)、パーフルオロカプリル酸(C715
OOH)、パーフルオロノナン酸(C817COO
H)、5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−
ウンデカフルオロノナン酸(C511(CH23COO
H)、パーフルオロカプリン酸(C919COOH)、
パーフルオロドデカン酸(C1123COOH)、6,
6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,1
1,12,12,12−ペンタデカフルオロ−4−ドデ
セン酸(CF3(CF26CH=CH(CH22COO
H)、パーフルオロテトラデカン酸(C1327COO
H)、12−トリフルオロメチル−12,13,13,
14,14,15,15,16,16,16−デカフル
オロヘキサデカン酸(CF3(CF23CF(CF3
(CH210COOH)、パーフルオロオクタンスルホ
ン酸(C817SO3H)、等とこれらのアンモニウム
塩、テトラメチルアンモニウム塩等を例示することがで
きる。さらに好ましくは、パーフルオロカプリル酸、パ
ーフルオロカプリン酸、パーフルオロオクタンスルホン
酸及びそれらの塩である。また、これらの化合物は単独
で用いてもよいし、2種類以上を任意の割合で組み合わ
せて用いることもできる。
【0016】また、本発明の洗浄剤組成物は次のような
化合物をフッ素系界面活性剤として用いてもよい。具体
的には、例えば、C817SO2N(C25)(C2
4O)14H、[C817SO2NHC36+(CH33
-、[C715CONHC36N(CH33+-、3
H、4H、4H−パーフルオロシクロブタン、1H、2
H、3H、4H−パーフルオロブタン、2H、2H、4
H−パーフルオロペンタン、1H、2H−パーフルオロ
ヘキサン、メチルパーフルオロブチルエーテル、メチル
パーフルオロシクロヘキシルエーテル、エチルパーフル
オロイソブチルエーテル等の化合物が挙げられる。
【0017】本発明の洗浄剤組成物において、このフッ
素系界面活性剤は必須成分であり、洗浄剤全体の0.0
001〜5質量%含有し、好ましくは0.0001〜1
質量%、さらに好ましくは0.0001〜0.5質量%
の範囲で含有するのがよい。含有量が5質量%を越える
と泡立ちや濯ぎの問題が生じることがあるので好ましく
なく、逆に0.0001質量%より少ないと洗浄力を向
上させる作用が十分に発揮されないことがある。
【0018】本発明の洗浄剤組成物は0.1〜30質量
%の範囲で液状炭化水素を含んでいてもよい。液状炭化
水素としては、オレフィン系炭化水素、パラフィン系炭
化水素、芳香族系炭化水素、テルペン類等が挙げられ、
好ましくはα−オレフィン、イソパラフィン、n−パラ
フィン、及びリモネンである。これらの化合物はそれぞ
れ単独で使用してもよいが、2種類以上を適宜に組み合
わせて使用してもよい。
【0019】また、本発明の洗浄剤組成物は、サクシネ
ート型陰イオン界面活性剤を含んでいてもよい。本発明
の洗浄剤組成物に配合されるサクシネート型陰イオン界
面活性剤としては、一般式(3)
【化3】 (式中、R3、R4およびMは前記と同様の意味を表
す。)で表されるアルキルスルフォサクシネート、また
はその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合
物である。具体的には、ジオクチルスルホコハク酸ナト
リウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム等を例と
して挙げることができる。
【0020】このサクシネート型陰イオン界面活性剤
は、洗浄剤全体の0.01〜30質量%、好ましくは
0.01〜20質量%の範囲で加えることができる。3
0質量%を越えて使用すると泡立ちや濯ぎの問題が生じ
ることがあり好ましくない。逆に、0.01質量%より
少ないと液を安定に維持する作用が十分に発揮されない
ことがある。
【0021】サクシネート型アニオン性界面活性剤は、
組成物の曇り点を上昇させる性能を有しているので、水
を主体とした組成で加温して洗浄を行なう際には添加し
て使用することができる。溶剤を主体とした組成で使用
する場合には、必ずしも添加する必要はない。
【0022】また、本発明の洗浄剤組成物は非イオン性
の界面活性剤を加えて使用することができる。非イオン
性界面活性剤としては、下記一般式(4) R5−O−(R6−O)p−H (4) (式中、R5、R6及びpは前記と同様の意味を表す。)
で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル型、
下記一般式(5) R7−C64−O−(R8−O)q−H (5) (式中、R7、R8及びqは前記と同様の意味を表す。)
で表されるポリオキシアルキレンアリールエーテル型、
及び下記一般式(6) R9−COO−(R10−O)r−H (6) (式中、R9、R10及びrは前記と同様の意味を表
す。)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエステ
ル型からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が
好適に使用される。
【0023】上記非イオン性界面活性剤のアルキレン基
は、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−が好まし
く、特に好ましくは−CH2CH2−である。具体的に
は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型では、ポ
リオキシエチレンデカニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンウンデカニルエーテル、ポリオキシエチレンドデカニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンテトラデカニルエーテ
ル等を挙げることができる。ポリオキシアルキレンアリ
ールエーテル型においては、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエー
テル等を挙げることができ、また、ポリオキシアルキレ
ンアルキルエステル型においては、ポリオキシエチレン
オレイン酸エステル等を挙げることができる。しかし、
非イオン性界面活性剤はこれらに限定されるものではな
い。
【0024】この非イオン性界面活性剤は、洗浄剤全体
の0.0001〜30質量%、好ましくは0.001〜
10質量%、さらに好ましくは0.01〜5質量%の範
囲で加えることができる。5質量%を越えて使用すると
泡立ちや濯ぎの問題が生じることがあり好ましくない。
逆に、0.0001質量%より少ないと液を安定に維持
する作用が十分に発揮されないことがある。非イオン性
界面活性剤は、洗浄剤組成物のリンス性を高める性能を
有しているので、溶剤を主体とした組成で洗浄を行なう
際には添加して使用することができる。
【0025】本発明の洗浄剤組成物中には、さらに低分
子量含窒素化合物を含有することができる。具体例とし
ては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン等のアルカノールアミン類、モルホ
リン等のモルホリン類、ビベラジン、トリエチルアミン
等のアミン類、テトラメチルアンモニウムハイドロオキ
サイド等の第4級アンモニウム塩である。その他の任意
成分として、クエン酸塩、リン酸塩、珪酸塩、エチレン
ジアミン四酢酸塩等のビルダー、液安定性を保持するた
めのエチレングリコール、プロピレングリコール等のグ
リコール類、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン
酸塩等のハイドロトロープ剤、さらに目的に応じてベン
ゾトリアゾール等の防錆剤、安息香酸塩等の防腐剤を配
合することができる。
【0026】本発明の洗浄剤を構成する成分は、水溶性
溶剤、フッ素系界面活性剤および水が基本成分である。
水の含有量は50質量%以上であることが好ましく、使
用条件に応じて、この基本成分に液状炭化水素、サクシ
ネート型陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤
等を組み合わせて使用することで、精密加工部品に付着
した汚染物質の洗浄除去を効率的に行うことができる。
本発明の洗浄剤組成物は、プリント基盤、精密部品、光
学部品、ガラス基盤を用いた液晶セル、金属部品、プラ
スチック部品などの表面に付着した有機物系の汚染の除
去に使用できる。
【0027】次に本発明の洗浄剤組成物を使用した上記
精密加工部品の洗浄方法について説明する。有機物系の
汚れの付着した精密加工部品を前記洗浄剤組成物の中に
浸漬し、静置しておくだけでよいが、揺動、超音波等を
適宜併用することによって、より効率的に汚染の除去が
可能となる。
【0028】
【実施例】以下に実施例および比較例を用いて本発明を
より詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0029】(実施例1)接触角の測定 表1に示す組成の洗浄剤組成物のガラス基板(液晶パネ
ルの材料)に対する接触角を測定し、その結果を表1に
示した。表1中の数値で0゜はほとんど0゜に近いとい
うことを意味する。
【0030】(比較例1、2)水(比較例1)およびト
リクロロエチレン(比較例2)の接触角を実施例1と同
様にして測定し、その結果を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1に示した組成を有する本発明の洗
浄剤組成物は、66.9%の水を含有し、ガラスに対す
る濡れ性は、純粋な水(比較例1)よりもかなり優れて
おり、また従来から洗浄剤として使用されてきたトリク
ロロエチレン(比較例2)と比較しても同等レベルであ
ることが分かった。
【0033】(実施例2、3)洗浄試験 2枚のガラス板(50mm×50mm×1mm)の間に
スペーサーを設け、接着し、10μmの空隙をもつセル
を作製した。この中に液晶を注入し、試験用セルとし
た。この試験用セルを室温で10分間、表1および表2
に示す組成の洗浄剤組成物中で超音波洗浄し、純水で6
分間リンス洗浄を行なった。洗浄後のセルのガラス板上
およびセルエッジ部の液晶の残着を偏光板および偏光顕
微鏡を用いて観察し、各洗浄剤組成物の液晶洗浄性を評
価した。その結果を表2に示した。
【0034】洗浄性評価基準は、以下に示すとおりであ
る。 ◎:液晶の残着がなく、洗浄性が非常に良好。 ○:液晶の残着がほとんどなく、洗浄性が良好。 △:液晶のわずかに残着し、洗浄性がやや悪い。 ×:液晶が残着し、洗浄性が悪い。 また、以下評価基準に従いリンス性の目視評価を行っ
た。 ○:セル表面上に洗浄剤成分の残留がなく、水濡れす
る。 △:セル表面上に洗浄剤成分の残留が一部確認され、一
部水はじきをする。 ×:セル表面上に洗浄剤成分のかなりの残留が確認さ
れ、全体的に水はじきする。
【0035】(比較例3、4)実施例3および4と同様
にして表2に示す組成の洗浄剤組成物を用いて洗浄し
た、洗浄後のセルのガラス板上およびセルエッジ部の液
晶の残着を偏光板および偏光顕微鏡を用いて観察し、各
洗浄剤組成物の液晶洗浄性を評価した。その結果を表2
に示した。
【0036】
【表2】 表2に示した試験結果から、本発明による洗浄剤組成物
は液晶が付着した構造物に関し優れた洗浄効果があり、
またリンス性も良好であることが示された。
【0037】
【発明の効果】本発明の洗浄剤組成物を用いれば、比較
的単時間でプリント基盤、精密部品、光学部品、ガラス
基盤を用いた液晶セル、金属部品、プラスチック部品な
どの表面に存在する有機物系の汚染を速やかに除去する
ことができる。特に本発明の洗浄剤組成物は液晶パネル
製造工程においてパネルに付着した液晶材の除去効果が
高く、洗浄処理後の表面状態も極めて良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 1/70 C11D 1/70 1/72 1/72 1/74 1/74 3/18 3/18 3/20 3/20 3/28 3/28 17/08 17/08 C23G 5/02 C23G 5/02 (72)発明者 田中 善雄 福島県河沼郡河東町大字東長原字長谷地 111 昭和電工株式会社東長原生産・技術 統括部内 Fターム(参考) 3B201 AA46 BB92 BB93 BB94 BB95 CC01 4H003 AA02 AB03 AB14 AB22 AC08 AC11 AC12 BA12 ED03 ED29 ED31 4K053 PA13 PA17 QA04 RA31 RA36 RA40 RA41 RA46 RA47 RA52 RA55 RA65 RA66 SA06 SA18

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性溶剤を1〜95質量%、フッ素系
    界面活性剤を0.0001〜5質量%および全組成を1
    00%とするに足る量の水を含有することを特徴とする
    洗浄剤組成物。
  2. 【請求項2】 水溶性溶剤がグリコールエーテルまたは
    N−メチルピロリドンである請求項1に記載の洗浄剤組
    成物。
  3. 【請求項3】 グリコールエーテルが、ジエチレングリ
    コールモノブチルエーテルまたはジエチレングリコール
    モノヘキシルエーテルである請求項2に記載の洗浄剤組
    成物。
  4. 【請求項4】 フッ素系界面活性剤がフッ素系陰イオン
    性界面活性剤であり、下記一般式(1) R1COOM (1) (式中、R1は水素原子の一部または全部がフッ素原子
    で置換された、炭素数が2〜20の直鎖状または分岐鎖
    状のアルキル基またはアルケニル基であり、Mは水素原
    子、アルカリ金属原子、アンモニウム基、アルキルアン
    モニウム基またはアルカノールアンモニウム基を表
    す。)で表されるカルボン酸、その塩、下記一般式
    (2) R2SO3M (2) (式中、R2は水素原子の一部または全部がフッ素原子
    で置換された、炭素数が2〜20の直鎖状または分岐鎖
    状のアルキル基またはアルケニル基であり、Mは前記と
    同様の意味を表す。)で表されるスルホン酸およびその
    塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であ
    る請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  5. 【請求項5】 フッ素系陰イオン性界面活性剤が、パー
    フルオロカプリル酸、パーフルオロカプリン酸、パーフ
    ルオロオクタンスルホン酸およびそれらの塩からなる群
    から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項4に
    記載の洗浄剤組成物。
  6. 【請求項6】 液状炭化水素を0.1〜30質量%含有
    する請求項1〜5のいずれかに記載の洗浄剤組成物。
  7. 【請求項7】 液状炭化水素がアルファ・オレフィン、
    イソパラフィン、n−パラフィンまたはリモネンである
    請求項6に記載の洗浄剤組成物。
  8. 【請求項8】 サクシネート型陰イオン性界面活性剤を
    0.01〜30質量%含有する請求項1〜7のいずれか
    に記載の洗浄剤組成物。
  9. 【請求項9】 サクシネート型陰イオン性界面活性剤が
    下記一般式(3) 【化1】 (式中、R3、R4はともにアルキル基で、R3とR4の合
    計炭素数が10〜20の直鎖状または分岐鎖状のアルキ
    ル基を表す。Mは水素原子、アルカリ金属原子、アンモ
    ニウム基、アルキルアンモニウム基またはアルカノール
    アンモニウム基を表す。)で表されるアルキルスルフォ
    サクシネート、またはその塩である請求項8に記載の洗
    浄剤組成物。
  10. 【請求項10】 前記サクシネート型陰イオン界面活性
    剤がジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチル
    スルホコハク酸ナトリウムまたはジラウリルスルホコハ
    ク酸アンモニウムである請求項8または9に記載の洗浄
    剤組成物。
  11. 【請求項11】 非イオン系界面活性剤を0.0001
    〜30質量%含有する請求項1〜10のいずれかに記載
    の洗浄剤組成物。
  12. 【請求項12】 非イオン系界面活性剤が下記一般式
    (4) R5−O−(R6−O)p−H (4) (式中、R5は炭素数が6〜20のアルキル基、R6は炭
    素数が2〜4のアルキレン基、pは3〜20の整数を表
    す。)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエーテ
    ル型、下記一般式(5) R7−C64−O−(R8−O)q−H (5) (式中、R7は炭素数が6〜20のアルキル基、R8は炭
    素数が2〜4のアルキレン基、qは3〜20の整数を表
    す。)で表されるポリオキシアルキレンアリールエーテ
    ル型、下記一般式(6) R9−COO−(R10−O)r−H (6) (式中、R9は炭素数が9〜16のアルキル基、R10
    炭素数が2〜4のアルキレン基、rは6〜16の整数を
    表す。)で表されるポリオキシアルキレンアルキルエス
    テル型からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
    である請求項11に記載の洗浄剤組成物。
  13. 【請求項13】 非イオン系界面活性剤がポリオキシエ
    チレンアルキルエーテルおよび/またはポリオキシエチ
    レンノニルフェニルエーテルである請求項11または1
    2に記載の洗浄剤組成物。
  14. 【請求項14】 汚染の付着した精密加工部品を請求項
    1〜13のいずれかに記載の洗浄剤組成物に浸漬または
    浸漬揺動し、精密加工部品に含まれる数〜数十μmの微
    細な穴または隙間に残留する汚染物質を除去することを
    特徴とする洗浄方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の方法により洗浄さ
    れた表面を有する精密加工部品。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の方法により洗浄さ
    れた表面を有する液晶パネル。
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