JPH04270799A - 非ハロゲン系の工業用脱脂洗浄剤及び該洗浄剤を用いてなる物品の洗浄処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、金属部品、非金属部品
、電子部品、ガラス、レンズなどの物品表面に付着して
いる油脂類を、非ハロゲン系の工業用脱脂洗浄剤を用い
て洗浄処理する方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子部品、精密機械部品などの製造にお
いてはその加工工程の至るところで付着油脂などの脱脂
洗浄が必要である。例えば、部材を切削加工する際、該
部材と切削工具との潤滑性、加工作業性、徐熱効果など
を考慮して、切削油が部材表面に塗布されるが、最終製
品の精度などに影響を及ぼしめないようにするため次工
程において、付着している油脂などを洗浄除去する必要
がある。

【０００３】従来、工業用脱脂洗浄剤としては塩素含有
炭化水素系溶剤および非ハロゲン系溶剤が使用されてい
る。塩素含有炭化水素系溶剤としては、トリクロルエタ
ン、トリクロロトリフルオロエタン等が例示されるが、
これら溶剤はそれ自体不燃性でありかつ乾燥性に優れる
という利点を有するものの、オゾン層破壊などの環境汚
染の問題から、それらの使用規制が本格化されつつあり
、代替洗浄剤の開発が急務となっている。また、非ハロ
ゲン系の工業用脱脂洗浄剤としては、イソプロピルアル
コール、エチルアルコールなどのアルコール類、キシレ
ン、トルエン、ベンゼンなどの石油系溶剤、あるいは水
系のアルカリ性洗浄剤が使用されてはいるが、アルコー
ル類は引火性が強く、石油系溶剤は引火性のほか臭気、
毒性に問題がある。またアルカリ性洗浄剤では油脂など
の汚れに対する洗浄力が不十分であり、そのためアルカ
リ性を高めた場合には洗浄効果は向上するがアルミニウ
ムや銅などの金属を腐食させたり、部材の地肌を荒らす
などの欠点がある。

【０００４】また、近時、前記の塩素含有炭化水素系溶
剤に代わる工業用脱脂洗浄剤が開発され、ある程度要求
性を満足しうるものが見い出されつつあるが、かかる代
替工業用脱脂洗浄剤の使用方法が未だ確立されていない
ため、現状では環境特性、臭気、引火性など全ての要求
性能を完全に満足しうるには至ってはいない。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、洗浄力に優
れしかも環境特性、臭気、引火性などの点でも、実質上
満足しうる非ハロゲン系の工業用脱脂洗浄剤を用いる洗
浄処理方法を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、前記塩素含有炭化水
素系溶剤に代わる新規洗浄剤である非ハロゲン系の工業
用脱脂洗浄剤と特定のすすぎ剤を併用する洗浄およびす
すぎ処理方法を適用することにより、前記課題をことご
とく解決しうることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。

【０００７】すなわち本発明は、油脂類が付着した被処
理物に、下記の組成からなる非引火性かつ非ハロゲン系
の工業用脱脂洗浄剤を洗浄槽内で接触せしめ、被処理物
より油脂類を除去し、次いですすぎ槽内において非引火
性のフルオロカーボンを被処理物に接触せしめることを
特徴とする非ハロゲン系の工業用脱脂洗浄剤を用いてな
る物品の洗浄処理方法に係る。一般式（１）：

【０００
８】

【化１】で表されるグリコールエーテル系化合物のうち
の少なくとも一種、界面活性剤および水からなる混合物
。

【０００９】前記一般式（１）で表されるグリコールエ
ーテル系化合物としては、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル
、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール
メチルエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロ
ピルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテ
ル、ジエチレングリコールメチルプロピルエーテル、ジ
エチレングリコールエチルプロピルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールエチルブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールプロピルブチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレン
グリコールジペンチルエーテル、ジエチレングリコール
メチルペンチルエーテル、ジエチレングリコールエチル
ペンチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルペン
チルエーテル、ジエチレングリコールブチルペンチルエ
ーテル；これらに対応するトリ−もしくはテトラエチレ
ングリコールエーテル類；これらに対応するジ−、トリ
−もしくはテトラプロピレングリコールエーテル類を例
示できる。これら化合物は単独でまたは２種以上を適宜
組み合せて使用できる。

【００１０】前記洗浄剤の成分のうち、界面活性剤とし
ては特に制限されず各種公知のノニオン性界面活性剤、
アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界
面活性剤を適宜選択使用でき、これらは単独でまたは２
種以上を適宜組み合せて使用できる。

【００１１】ノニオン性界面活性剤の具体例としては、
ポリオキシエチレンアルキル（Ｃ６＜）エーテル、ポリ
オキシエチレンフェノールエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェノールエーテルなどのポリエチレングリ
コールエーテル型ノニオン性界面活性剤；ポリエチレン
グリコールモノエステル、ポリエチレングリコールジエ
ステルなどのポリエチレングリコールエステル型ノニオ
ン性界面活性剤；高級脂肪族アミンのエチレンオキサイ
ド付加物；脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物；
ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなど
の多価アルコール型ノニオン性界面活性剤；脂肪酸アル
カノールアミドなど、更にはこれらに対応するポリオキ
シプロピレン系ノニオン性界面活性剤およびポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレン共重合型ノニオン性界面
活性剤をあげることができる。

【００１２】アニオン性界面活性剤の具体例としては、
高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステ
ル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩など
各種公知の硫酸エステル系アニオン性界面活性剤；アル
キルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩など
各種公知のスルホン酸塩系アニオン性界面活性剤；アル
キルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルリ
ン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
リン酸エステル塩などのリン酸エステル系アニオン性界
面活性剤を挙げることができる。

【００１３】カチオン性界面活性剤としては、アルキル
化アンモニウム塩、４級アンモニウム塩などが挙げられ
、また両性界面活性剤としては、アミノ酸型、ベタイン
型両性界面活性剤などが挙げられる。

【００１４】前記グリコールエーテル系化合物と界面活
性剤との使用割合は、特に制限はされないが、通常は３
０〜９０重量％　程度：７０〜１０重量％程度であり、
好ましくは７０〜９０重量％　：３０〜１０重量％　で
ある。 また、本発明で使用する洗浄剤としては、非引火性を保
持する必要性から必須成分として水を含有しなければな
らない。そのため水の使用割合は、特に使用するグリコ
ールエーテル系化合物の種類を考慮して非引火性の点か
ら適宜決定されるが、通常は前記グリコールエーテル系
化合物と界面活性剤の合計重量に対して５〜５０重量％
程度であり、好ましくは５〜１５重量％である。

【００１５】本発明において、すすぎ剤である非引火性
のフルオロカーボンとしては各種公知のものを制限なく
使用でき、例えば２，２，３，３−テトラフルオロ−１
−プロパノール、パーフルオロ−２−メチルペンタン、
パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロメチルシク
ロヘキサン、パーフルオロ−１，３−ジメチルシクロヘ
キサンなどのパーフルオロアルカン、２，２，３，３，
４，４，５，５−オクタフルオロ−１−ペンタノール、
１，１，１，３，３，３−ヘキサフルオロ−２−プロパ
ノール、２，２，３，３，４，４−ヘキサフルオロブタ
ノール、５−フッ化プロパノール（ペンタフルオロプロ
ピルアルコール）を例示できる。なお、これらのフルオ
ロカーボンの市販品としては、ダイキン工業株式会社製
の「ペフォールＴＭ５Ｐ」、住友スリーエム株式会社製
の「フロリナート」などを例示できる。

【００１６】前記組成からなる本発明の洗浄剤を被処理
物上の油脂類に接触させるには以下の手段を採用しうる
。例えば、本発明の洗浄剤に被処理剤である被処理物を
直接浸漬して洗浄する方法、該水溶液をスプレー装置を
使用してフラッシュする方法、機械的手段によりブラッ
シングする方法、超音波洗浄方法などの各種方法から適
宜に選択して採用することができる。

【００１７】本発明において洗浄剤を適用する際の条件
としては、洗浄剤中の有効成分の濃度、該成分の使用比
率、除去すべき油脂類の種類等により適宜選択すれば良
く、一般に除去すべき油脂類を洗浄除去するのに有効な
温度と時間で洗浄剤を被処理物に接触させる。洗浄剤の
使用時の温度は室温程度から８０℃程度であり、通常、
５０〜７０℃程度とするのが好ましい。被処理物上の油
脂類を、例えば６０℃程度の温度において浸漬法により
除去する場合、一般には油脂類が付着している被処理物
を本発明の洗浄剤中に約１〜５分程度浸漬すれば、良好
に除去することができる。

【００１８】こうして油脂類を除去された被処理物は、
次いですすぎ剤である前記のフルオロカーボンと接触さ
せることにより、残留している可能性のある洗浄剤成分
であるグリコールエーテル系化合物や界面活性剤を完全
除去するとともに、被処理物より水分を除去することに
より引き続く乾燥工程を省略できる。すすぎ剤を使用す
る際の条件としては、被処理物を直接すすぎ剤に浸漬す
る方法、すすぎ剤をスプレー装置を用いてフラッシュす
る方法、超音波を照射する方法、すすぎ剤の蒸気を用い
る方法等のうち少なくとも一つの方法を採用することに
より有効にすすぎ処理を行うことができる。すすぎ剤を
使用する際の温度としては室温程度から８０℃程度であ
り、通常浸漬、あるいはスプレー等の方法を使用するの
であれば室温から５０℃程度とするのが好ましい。例え
ば４０℃程度の温度において浸漬法によりすすぎ処理を
行うのであれば、一般には被処理物を３０秒〜３分程度
浸漬すれば、良好にすすぎ処理を行うことができる。す
すぎ処理に際しては単一のすすぎ槽を使用する場合のほ
か、複数のすすぎ槽を使用することも出来、処理コスト
、処理時間、すすぎ液寿命などを勘案して適宜仕様を決
定すれば足りる。なお、水使用が可能なものについては
、すすぎ剤を使用する前に水洗を行い、次いですすぎ剤
により水切りを行うことにより、一層効果的に洗浄を行
うことも可能である。

【００１９】

【発明の効果】非引火性でしかも非ハロゲン系である洗
浄剤を用いて洗浄され、ついで非引火性フルオロカーボ
ンによりすすぎ処理を施された被処理物の清浄度は非常
に高いことはもちろん、オゾン層破壊の問題、毒性、引
火性の問題も解消されるなど種々の効果が奏せられる。

【００２０】

【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。

【００２１】参考例１ ジエチレングリコールジメチルエーテル７０重量部とポ
リエチレングリコールアルキルエーテル型ノニオン性界
面活性剤（第一工業製薬株式会社製、商品名「ノイゲン
ＥＴ−１３５」）２０重量部および純水１０重量部を混
合して洗浄剤Ａを調製した。

【００２２】参考例２〜７ 参考例１において、洗浄剤の組成を表１に示すように変
化させた他は同様にして評価を行った。

【００２３】

【００２４】実施例１ 銅板（０．８×２５×１００ｍｍ、ＪＩＳ　　Ｈ３１０
０（Ｃ１１００Ｐ）の全面に切削油（コスモ石油株式会
社製、商品名「コスモカットＡ２０１」）を塗布し、供
試ピースを調製した。このピースを室温下に上記洗浄剤
Ａに３分間浸漬洗浄し、次いで室温下で５−フッ化プロ
パノール（以下、５ＦＰと略す；ダイキン工業株式会社
製、商品名「ペフォールＴＭ５Ｐ」）に約１分間浸漬し
て、すすぎ処理を１回行なった。更にこれを室温で放置
乾燥後、切削油の除去の度合を以下の判定基準に基づき
目視判定した。結果は表２に示す。 ◎　　良好に除去できる ○　　ほぼ良好 △　　若干残存する ×　　かなり残存する

【００２５】実施例２〜９ 実施例１において、洗浄剤の種類、洗浄温度、すすぎ温
度のいずれか少なくとも１種を表２の如く変化させた他
は同様にして評価を行った。結果は表２に示す。

【００２６】実施例１０〜１６ 実施例１において洗浄剤種類、洗浄温度、すすぎ回数（
２回）のいずれか少なくとも１種を表２の如く変化させ
た他は同様にして評価を行った。結果は表２に示す。

【００２７】比較例１ 実施例１において、洗浄を１，１，２−トリクロロ−１
，２，２−トリフルオロエタン（フロン−１１３）によ
り行った場合の比較評価を行った。結果は表２に示す。

【００２８】

【表２】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　油脂類が付着した被処理物に、下記の
   組成からなる非引火性かつ非ハロゲン系の工業用脱脂洗
   浄剤を洗浄槽内で接触せしめ、被処理物より油脂類を除
   去し、次いですすぎ槽内において非引火性のフルオロカ
   ーボンを被処理物に接触せしめることを特徴とする非ハ
   ロゲン系の工業用脱脂洗浄剤を用いてなる物品の洗浄処
   理方法。一般式（１）： 【化１】 で表されるグリコールエーテル系化合物のうちの少なく
   とも一種、界面活性剤および水からなる混合物。