JP2001181688A

JP2001181688A - 洗浄剤

Info

Publication number: JP2001181688A
Application number: JP36938299A
Authority: JP
Inventors: Fumio Suzuki; 文夫鈴木; Masafumi Yamagami; 政文山上
Original assignee: NIPPON CB CHEMICAL KK
Current assignee: NIPPON CB CHEMICAL KK
Priority date: 1999-12-27
Filing date: 1999-12-27
Publication date: 2001-07-03

Abstract

(57)【要約】【課題】光学レンズ等に付着したピッチ、ワックス、
接着剤等を充分に除去洗浄できる環境に優しい洗浄剤の
提供。【解決手段】芳香族化合物、洗浄促進剤、可溶化剤、
界面活性剤、腐食抑制剤、水のうちの少くとも芳香族化
合物と洗浄促進剤を組成分とする洗浄剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、光学レン
ズ等のガラス及びそれらを製造する設備、治具に付着し
たピッチ、ワックス、接着剤等を除去洗浄する際に使用
する洗浄剤に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】光学レンズの製造工程におけるレンズの
研削、研磨等の加工は、レンズを保持台や治具にピッ
チ、ワックス、接着剤等で固定して行っている。そし
て、加工されたレンズは、次の工程でコーティングされ
るが、この工程では、レンズに付着したピッチ、ワック
ス、接着剤等を除去洗浄してから行う必要がある。

【０００３】従来、この除去洗浄には、塩素系溶剤等の
ハロゲン化炭化水素、例えば、塩化メチレン、１．１．
１．トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラク
ロロエチレンまたはフロン等が使用された。しかし、こ
れらのものは、環境保全の面で好ましくないため、使用
されなくなっている。

【０００４】そこで、最近では、これら溶剤に代わる洗
浄剤の開発が進められ、例えば、特開平６−２５８６０
７号公報に開示されている芳香族系炭化水素、シクロパ
ラフィン、パラフィン系炭化水素、あるいは特開平７−
１５０１９２７号公報に開示されているグリコールエー
テル類、パラフィン、オレフィン系炭化水素、ノニオン
系界面活性剤を成分とする洗浄剤が使用されている。

【０００５】しかしながら、これらの洗浄剤は、なかに
は、ピッチの除去洗浄力において、塩素系溶剤と同等の
性能を示すものもあるが、一部のワックスや接着剤の除
去洗浄力において、不充分である。また、芳香族系炭化
水素等のなかには、臭気の強いものがあり、これが作業
環境を悪化させている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点を解決するためになされたもので、光学レ
ンズ等の加工物に付着するピッチ、ワックス、接着剤等
を充分に除去洗浄することができ、かつ塩素系溶剤を含
有しない環境に優しい洗浄剤を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明が提供する洗浄剤
は、芳香族化合物、洗浄促進剤、可溶化剤、界面活性
剤、腐食抑制剤、水のうちの少くとも芳香族化合物と洗
浄促進剤を組成分とするものである。

【０００８】上記芳香族化合物としては、例えば、ベン
ジンアルコール、ジベンジルエーテル、メチルベンジ
ル、アニソール、ベンジルアセテート、ベンジルホルメ
ート等のベンゼンの誘導体のうちのいずれか１種または
２種以上の化合物を使用することができる。芳香族化合
物の含有量は、５重量％〜９０重量％、好ましくは、２
０重量％〜７０重量％とするのがよい。

【０００９】洗浄促進剤としては、アミン類、アルカノ
ールアミン類、金属水酸化物、グリコールエーテル類、
芳香族系炭化水素、脂肪族系炭化水素、酸化剤、のうち
いずれか１種又は２種以上の化合物を使用することがで
きる。

【００１０】ここにいう洗浄促進剤とは、洗浄対象物に
付着した汚れ、例えば、油脂類、樹脂類、無機質の微粒
子等を溶解、はく離除去の効果を高めるための添加剤の
ことである。

【００１１】洗浄促進剤としてのアミン類は、モノメチ
ルアミン、モノエチルアミン、イソプロピルアミン、モ
ノブチルアミン、シクロヘキシルアミン等である。アル
カノールアミン類は、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノール
アミン等である。また、金属水酸化物は、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシ
ウム等である。これらの含有量は、０．５重量％〜４０
重量％、好ましくは３重量％〜２５重量％とするのがよ
い。

【００１２】洗浄促進剤としてのグリコールエーテル類
は、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングルコール
モノイソプロビルエーテル、エツレングリコールモノブ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレ
ングリコールモノ２−エチルヘキシルエーテル、エチレ
ングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコール
モノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジ
ルエーテル等のエチレングリコール系エーテルや、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノプピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等
のプロピレングリコール系エーテルや、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジ
エチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレング
リコールジメチルエーテル等のジアルキルグリコールエ
ールである。これらの含有量は、０重量％〜５０重量
％、好ましくは５重量％〜４０重量％とするのがよい。

【００１３】洗浄促進剤としての芳香族系炭化水素は、
ベンゼン環にアルキル基が結合した芳香族系炭化水素
で、炭素数８〜３２、好ましくは１０〜３０のものであ
る。脂肪族系炭化水素は、炭素数８〜２２、好ましは１
０〜１６のパラフィン系、オレフィン系、シクロパラフ
ィン系炭化水素である。これらの含有量は、０重量％〜
４０重量％、好ましくは５重量％〜３０重量％とするの
がよい。

【００１４】洗浄促進剤としての酸化剤は、過酸化水素
以外では有機酸の過酸化物、過塩素酸塩、過硼素酸塩、
過炭酸塩や次亜鉛素酸塩、亜鉛素酸塩等である。これら
の含有量は、０重量％〜２０重量％、好ましくは、１重
量％〜１０重量％とするのがよい。

【００１５】また、上記可溶化剤としては、例えば、グ
リコール類、トルエンスルホン酸塩やキシレンスルホン
酸塩等の芳香族硫酸化合物、エタノール等の低級アルコ
ール類のうちの１種または２種以上を組み合わせたもの
を使用することができる。その含有量は、０重量％〜２
０重量％、好ましくは、０．５重量％〜１０重量％とす
るのがよい。

【００１６】可溶化剤としてのグリコール類は、エチレ
ングリコール、プロピレンプリコール、ヘキシレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル等である。

【００１７】上記界面活性剤としては、例えば、アニオ
ン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界
面活性剤、または両性界面活性剤を使用することができ
る。アリオン系界面活性剤としては、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリ
オキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、リン酸エステ
ル系、アルファ−オレフィンスルホン酸温、高級アルコ
ールエトキシ硫酸エステルやジアルキルジスルホサクソ
ネート等が挙げられる。カチオン系界面活性剤として
は、ラウリルジメチルボンジルアンモニウムクロライド
等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリ
オキシエチレンノニフェノールエーテル、ポリオキシエ
チレンオレイルエーテル等が挙げられる。両性界面活性
剤としては、２−アルキルイミダゾリンの誘導体、ヤシ
脂肪酸アミノポロピルベダイン等が挙げられる。このほ
かに、フッ素系界面活性剤も非常に有効である。上記界
面活性剤のうちでは、アニオン系界面活性剤とノニオン
系界面活性剤が好ましい。界面活性剤の含有量は、０重
量％〜３０重量％、好ましくは０．１重量％〜１５重量
％とするのがよい。

【００１８】上記腐食抑制剤としては、例えば、トリア
ゾール類、高級アミン類、チアゾール類等の窒素、硫黄
化合物、リン酸塩、亜硝酸塩等の無機物のうちのいずれ
か１種類または２種類以上組み合わせたものを使用する
ことができる。その含有量は０重量％〜１０重量％、好
ましくは、１重量％〜５重量％とするのがよい。

【００１９】本発明の洗浄剤には、水を含有させること
で、非引火性を付与することができる。この場合、水の
添加量は１０重量％〜４０重量％の範囲で含有させるの
が好ましい。本発明の洗浄除去剤は、そのままの濃度で
使用することができるが、水で希釈して使用することも
できる。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例によって説明する。

【００２１】（実施例１〜１０）表１〜表２に示す実施
例１〜１０の組成の洗浄剤を調製し、各洗浄剤を使用し
てピッチが付着したレンズの洗浄を超音波洗浄機で行っ
た。

【００２２】すなわち、ピッチが付着したレンズを、各
洗浄剤に個別に浸漬し、６０℃で５分間、超音波洗浄し
た。洗浄したレンズは、充分に水洗いし、イオン交換水
ですすぎ、温風で乾燥した。

【００２３】乾燥したレンズの性能評価を行ったとこ
ろ、表１〜表２に示す結果を得た。評価は、下記の基準
で行った。評価Ａ〜Ｅのうち、評価Ａ，Ｂが合格であ
る。

【００２４】Ａ：完全に除去洗浄できた。

【００２５】Ｂ：わずかに残るが殆ど除去洗浄できた。

【００２６】Ｃ：約５０％ほど除去洗浄できた。

【００２７】Ｄ：わずかに除去洗浄できた。

【００２８】Ｅ：全ぐ除去洗浄できなかった。

【００２９】また、実施例及び比較例の洗浄剤の性状に
関する評価を臭気と有害性と危険性について行った。評
価は、下記の基準で行った。

【００３０】（１）臭気の評価基準強：強い臭気がある。

【００３１】中：中程度の臭気がある。

【００３２】弱：臭気は弱い。

【００３３】（２）有害性の評価基準該当：有機溶剤中毒予防規則または毒劇物取締法に該
当する。

【００３４】非該当：有機溶剤中毒予防規則または毒劇
物取締法に該当しない。

【００３５】（３）危険性の評価基準該当：消防法危険物第４類に該当する。

【００３６】非該当：消防法危険物第４類に該当しな
い。

【００３７】

【表１】

【００３８】

【表２】

【００３９】比較のために、現在使用されている塩化メ
チレン等について、実施例１〜１０と同様の洗浄試験と
性能評価及び性状評価を行った。表３はその試験に供し
た洗浄とその評価結果を示す。

【００４０】

【表３】

【００４１】表１〜表２から明らかなように、実施例１
〜１０の洗浄剤は、いずれも洗浄力に優れ、臭気、有害
性、危険性が少ないことが判った。

【００４２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
芳香族化合物と洗浄促進剤を主成分とし、塩素系溶剤を
含有しない組成としたから、光学レンズ等の化合物に付
着するピッチ、ワックス、接着剤等を充分に除去洗浄す
ることができるとともに、環境に優しい洗浄剤を得るこ
とができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号ＦＩテーマコート゛(参考）Ｃ１１Ｄ 3/34 Ｃ１１Ｄ 3/34 3/43 3/43 7/06 7/06 7/24 7/24 7/26 7/26 7/32 7/32 7/34 7/34

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】芳香族化合物、洗浄促進剤、可溶化剤、
界面活性剤、腐食抑制剤、水のうちの少くとも芳香族化
合物と洗浄促進剤を組成分とする洗浄剤。
【請求項２】前記芳香族化合物が、ベンジンアルコー
ル、ジベンジルエーテル、メチルベンジル、アニソー
ル、ベンジルアセテート、ベンジルホルメート等のベン
ゼンの誘導体のうちのいずれか１種または２種以上の化
合物であり、前記洗浄促進剤が、モノエチルアミンに代
表されるアミン類、モノエタノールアミに代表されるア
ルカノールアミン類、水酸化ナトリウム等の金属水酸化
物、グリコールエーテル類、芳香族系炭化水素、脂肪族
系炭化水素、過酸化水素を代表とする酸化剤、のうちの
いずれか１種または２種以上の化合物である請求項１記
載の洗浄剤。
【請求項３】前記可溶化剤が、グリコール類、トルエ
ンスルホン酸塩やキシレンスルホン酸塩等の芳香族硫酸
化合物、エタノール等の低級アルコール類のうちのいず
れか１種または２種以上の化合物であり、前記界面活性
剤が、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、
ノニオン系界面活性剤、または両性界面活性剤であり、
前記腐蝕抑制剤が、トリアゾール類、高級アミン類、チ
アゾール類等の窒素、硫黄化合物、リン酸塩、亜硝酸塩
等の無機物のうちのいずれか１種または２種以上の化合
物である請求項１または２記載の洗浄剤。