JP2949201B2 - 洗浄方法 - Google Patents
洗浄方法Info
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系洗浄剤に代る洗浄剤の有効利用を図った洗浄方法に関
する。
部品、半導体部品等の各種工業部品の製造工程において
は、フロン113 に代表されるフロン系溶剤や、トリクロ
ロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン、四塩化炭素等の有機溶剤が油汚れ等を除去するため
の洗浄剤として幅広く使用されている。
は、各種部品の水洗後の水切り洗浄剤としても用いられ
ている。これは、被洗浄物に付着した水分を直接乾燥し
ようとした場合に生じる、高温(373K以上)にしなけれ
ばならない(エネルギーロス大)、乾燥に時間がかかる
ことによって生産効率が低下する、高温にすることによ
って被洗浄物が変形するおそれがある(許容値以上の熱
膨脹)、冷却や熱遮蔽のスペースを必要とし洗浄装置の
設置面積が増大する等の問題を回避することができるた
めである。
した後の被洗浄物を浸漬ないしはシャワーリンスするこ
とによって、被洗浄物に付着した水分と置換(水置換)
した後、室温ないしは333K以下の温風で揮散させること
で、被洗浄物を乾燥させ得る洗浄剤のことである。
破壊に繋がり、人体や生物系に深刻な影響を与えること
が明らかとなってきたことから、オゾン破壊係数の高い
フロン12やフロン113 等は世界的な規模で段階的に使用
を削減し、将来的には全廃の方向に進んでいる。また、
トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の塩素系
有機溶剤も、土壌や地下水等の汚染を引起こす等の環境
問題にからんで、使用規制が強化させる方向に進んでい
る。
系溶剤よりオゾン破壊係数の低いフロン系物質が開発さ
れつつあり、既に工業的生産が一部で進められている
が、これらとてもオゾン層の破壊が皆無ではないことか
ら、好ましい代替洗浄剤とは目されていない。
な有機溶剤系による洗浄剤の代替品として、環境破壊や
環境汚染を引起こすことがない、界面活性剤を用いた水
系の洗浄剤が見直され始めている。しかし、単に界面活
性剤だけによる洗浄剤では浸透力が弱く、例えば部品細
部へ侵入した汚れや中粘度から高粘度のこびりついた油
汚れに対しては十分な洗浄力を発揮することができない
という問題がある。
除去に使用することが特公昭63-50463号公報に記載され
ている。これによれば、Si数が 4〜 6の環状シロキサン
を洗浄用溶剤中に有効な量含有する液状洗浄組成物を用
いて、編織物のクリーニングを行う方法が開示されてい
る。しかし、上述したシリコーン系化合物を含む液状洗
浄組成物は、編織物を洗浄対象としているため、一般的
な工業製品の洗浄はまるで考慮されていないと共に、環
状シロキサン単独あるいは環状シロキサンと有機溶剤と
の混合系であるため、水を使用する系に対する洗浄も考
慮されていない。しかも、このような系は当然ながら、
水に対する分散性が極めて悪く、界面活性物質を併用し
ても均質に混合しにくく、直ちに相分離を起こしてしま
うため、到底水系洗浄剤として使用に耐え得るものでは
ない。
ール型水性クリーニング組成物として、水溶性洗浄組成
物に分子当り 2〜 3個のケイ素原子を有する鎖状ポリジ
メチルシロキサンを配合することが記載されているが、
その配合量はあくまでも0.02〜 0.1重量% 程度と限定さ
れているため、水系の洗浄組成物の洗浄力を十分に高め
るような効果は示していない。
ことがなく、かつ十分な洗浄能力を有すると共に、洗浄
剤として十分に機能しうる程度の安定性を有した水系洗
浄剤を有効かつ効率よく使用することを可能にした洗浄
方法が強く望まれている。
浄剤としての代替品としては、イソプロピルアルコール
のような低級アルコールの使用が検討されている。しか
し、上記イソプロピルアルコールは、引火点が284.7Kと
室温より低く、通常の使用条件下では常に火災の危険が
伴うという欠点がある。さらに、イソプロピルアルコー
ルは水との相溶性が高く、初期の水切り性能は保持され
ても、連続して使用する場合には溶解した水の再付着が
起こるため、経時的な水切り性能の低下は免れない。こ
のような水を含んだイソプロピルアルコールから水を除
去して再使用するための精製には、多大な設備の投資を
必要とする。さらに、イソプロピルアルコールは人体に
対する毒性も高く、この面での使用規制が進行している
のが現状である。
化水素、高級アルコールを使用する場合は、水の除去は
幾分容易ではあるが、これら自身の揮発性が低く、例え
ば333K以下といった低温での乾燥が困難であるため、水
切り洗浄剤として使用し得るものではない。このような
問題は水分との置換、乾燥に限らず、乾燥が困難な各種
液体との置換、乾燥時においても同様に生じる問題であ
る。
ことがなく、かつ十分な洗浄能力および液置換・乾燥能
力を有すると共に、発火性のような危険性がほとんどな
い液切り洗浄剤を有効かつ効率よく使用することを可能
にした洗浄方法が強く望まれている。
ためになされたもので、フロン系のような有機溶剤系の
洗浄剤や液切り洗浄剤の代替洗浄剤を効率よくかつ有効
に利用することが可能な洗浄方法を提供することを目的
としている。
の洗浄方法は、洗浄剤が収容された洗浄槽により、被洗
浄物を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄剤中の 1成分のみ
からなるすすぎ液が収容され、前記被洗浄物の移送方向
と逆方向に前記すすぎ液が順に送られるよう連結された
複数のすすぎ洗浄槽により、前記洗浄後の被洗浄物を順
にすすぎ洗浄するすすぎ工程とを具備し、前記洗浄工程
の洗浄槽から洗浄排液を回収すると共に、前記複数のす
すぎ洗浄槽のうち最下流側のすすぎ洗浄槽からすすぎ洗
浄排液を回収し、これら回収した洗浄排液およびすすぎ
洗浄排液を蒸留して前記すすぎ液を再生した後、この再
生したすすぎ液を前記最上流側のすすぎ洗浄槽に再供給
しつつ、前記すすぎ工程を行うことを特徴としている。
ては、例えば
1価の有機基、 lは 0〜5の整数を示す)で表される直
鎖状ポリジオルガノシロキサンおよび
1価の有機基、m は 3〜7の整数を示す)で表される環
状ポリジオルガノシロキサンから選ばれた少なくとも 1
種の低分子量ポリオルガノシロキサンに、界面活性剤お
よび親水性溶剤から選ばれた少なくとも 1種を配合した
非水系洗浄剤が例示され、このような非水系洗浄剤を用
いる場合には、その 1成分である低分子量ポリオルガノ
シロキサンのみからなるすすぎ洗浄剤がすすぎ液として
用いられる。
汚れに対して強力な浸透力を発揮すると共に、それ単独
で水を含む各種液体と良好な置換性を示し、さらに高蒸
気圧、低蒸発熱、低表面張力等を有する物質である。上
記 (1)式および (2)式中の R1 は、置換または非置換の
1価の有機基であり、例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基等のアルキル基やフェニル基のような
1価の非置換炭化水素基、トリフロロメチル基のような
1価の置換炭化水素基等が例示され、また上記(1)式に
おける末端の R1 としては、さらにアミノ基、アミド
基、アクリル酸エステル基、メルカプタン基等が例示さ
れるが、系の安定性、揮発性の維持等からメチル基が最
も好ましい。
よびすすぎ洗浄排液から低分子量ポリオルガノシロキサ
ンを蒸留により再生して、これをすすぎ液として再使用
する。このように、洗浄排液およびすすぎ洗浄排液から
低分子量ポリオルガノシロキサンをすすぎ液として再生
することにより、洗浄剤およびすすぎ液を有効かつ効率
よく使用することができる。そして、上記低分子量ポリ
オルガノシロキサンおよびそれに界面活性剤や親水性溶
剤を添加した非水系洗浄剤は、強力な液切り性や汚れへ
の強力な浸透力を発揮することから、従来から使用され
ているフロン系等に匹敵する洗浄、液置換効果が得ら
れ、さらには各種基材に対して浸蝕性が極めて低いと共
に、その構成成分中に塩素や臭素のようなハロゲン元素
を基本的に含まないため、フロン系等の有機溶剤洗浄剤
のように環境破壊や環境汚染を及ぼすおそれもほとんど
ない。
ポリオルガノシロキサンとしては、液置換性、浸透性等
の点から、環状構造を有するものが好ましく、さらにオ
クタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロ
ペンタシロキサンおよびこれらの混合物が好適である。
なお、酸やアルカリ等が混入する可能性がある過酷な条
件下では、安定性の点から上記 (1)式で表される直鎖状
の低分子量ポリオルガノシロキサンを用いることが好ま
しい。
洗浄剤としては、例えば上記 (1)式で表される直鎖状ポ
リジオルガノシロキサンおよび上記 (2)式で表される環
状ポリジオルガノシロキサンから選ばれた少なくとも 1
種の低分子量ポリオルガノシロキサンと、
リオキシアルキレン基を示す)で表されるシロキシ単位
を 1分子中に少なくとも 1個有するポリオキシアルキレ
ン基含有ポリオルガノシロキサンと、界面活性剤と、水
とを含有する 4成分系の洗浄剤、あるいは上記ポリオキ
シアルキレン基含有ポリオルガノシロキサンと、界面活
性剤と、水とを含有する 3成分系の洗浄剤が例示され、
これら水系洗浄剤を用いる場合にはその 1成分である水
がすすぎ液として用いられる。
よびすすぎ洗浄排液から水を蒸留により再生して、これ
をすすぎ液として再使用する。このように、洗浄排液お
よびすすぎ洗浄排液から水をすすぎ液として再生するこ
とにより、洗浄剤およびすすぎ液を有効かつ効率よく使
用することができる。
式や (2)式で表される低分子量ポリオルガノシロキサン
による汚れと基地との界面に対する強力な浸透力と、界
面活性剤による汚れに対する洗浄力とによって、従来か
ら使用されているフロン系に匹敵する洗浄効果が得ら
れ、ポリオキシアルキレン基含有ポリオルガノシロキサ
ンを併用することによって、水系での良好な分散安定性
が得られる。なお、ポリオキシアルキレン基含有ポリオ
ルガノシロキサン、界面活性剤および水による 3成分系
としても、ポリオキシアルキレン基含有ポリオルガノシ
ロキサンの汚れに対する浸透力によって、十分な洗浄効
果が得られる。そして、水系であることから環境破壊や
環境汚染の心配もない。
リオルガノシロキサンとしては、浸透力と洗浄性の点か
ら環状構造を有するオクタメチルシクロテトラシロキサ
ン、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびこれらの
混合物や、直鎖状構造を有するオクタメチルトリシロキ
サン、デカメチルテトラシロキサン等の使用が特に好ま
しい。なお、水系洗浄剤のアルカリ性が強い領域では、
ポリシロキサンの安定性の点から、上記 (1)式で示され
る直鎖状構造を有するものが好ましい。
る。
装置の一構成例を示す図である。図1に示す洗浄装置
は、大別して洗浄および/または水置換工程(洗浄工
程)Aと清浄化工程(すすぎ工程)Bとから構成されて
いる。
換工程Aには、沈降分離機能とオーバーフロー分離機能
とを併せ持つ第1の洗浄槽1および第2の洗浄槽2と液
切り槽3とが設けられている。上記第1の洗浄槽1およ
び第2の洗浄槽2間は、ドレン配管2aとオーバーフロ
ー管2bとにより連結されている。これら第1の洗浄槽
1および第2の洗浄槽には、必要に応じて超音波、揺
動、機械的撹拌、洗浄剤加温、ブラッシング等が併用さ
れる。なお、第1の工程において、浸漬型洗浄槽に代え
て、洗浄剤の吹付けを適用することもできる。
水切り洗浄剤として、前述した (1)式および (2)式で表
される低分子量ポリオルガノシロキサンに、界面活性剤
および親水性溶剤から選ばれた少なくとも 1種を添加し
た洗浄剤D1がそれぞれ収容されている。なお、上述し
た水切り洗浄剤とは、低分子量ポリオルガノシロキサン
によって置換が可能な代表的な液体である水を例として
命名したものであって、他の液体を置換・洗浄する際の
液切り洗浄剤としても当然用いることができるものであ
る。その対象となる液体としては、上記低分子量ポリオ
ルガノシロキサンに対して不溶性もしくは難溶性で、か
つ表面張力が低分子量ポリオルガノシロキサンより大き
いものであればよい。具体的には、水、汚れ成分を含む
水、水を分散媒として使用している各種の液体、例えば
アルコールとの混合液や各種物質が溶解しているような
液体、水系洗浄剤、非水系洗浄剤等が挙げられる。
分子量ポリオルガノシロキサンは、それ単独で水を含む
各種液体と良好な置換性を示すものであり、333K以下の
温風等で容易に揮散、乾燥させることができる。このよ
うな低分子量ポリオルガノシロキサン単独でも、液置換
性、乾燥性を十分に得ることが可能であるが、上記低分
子量ポリオルガノシロキサンに界面活性剤および親水性
溶剤から選ばれた少なくとも 1種を配合した組成物とす
ることにより、さらに優れた洗浄性や液切り性等を付与
することができる。
る界面活性剤は、特に水切り性の向上および洗浄性の向
上に寄与するものであり、好ましく用いられる界面活性
剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルス
ルホン酸塩、リン酸エステル等のアニオン系界面活性
剤、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキ
レン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテル等のノニオン系界面活性剤、イミダゾリン誘導体
等の両性界面活性剤、アルキルアミン塩、アルキル第4
級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤等が例示さ
れ、その他には単一物質で存在することは少ないが、天
然物から抽出されるテルペン系化合物や高級脂肪酸エス
テル等が挙げられる。また、上述したような各種化合物
の化学構造の一部をフッ素原子やケイ素原子で置き換え
た合成化合物を用いることも可能である。また特に、低
分子量ポリオルガノシロキサンとの組合せによる水切り
洗浄剤としての効果を考えた場合、ノニオン系の界面活
性剤の使用が好ましい。界面活性剤の組成比は、特に限
定されるものではないが、低分子量ポリオルガノシロキ
サン 100重量部に対して20重量部以下、さらに 3重量部
以下であることが好ましい。
オルガノシロキサンに対して相溶性を有するものが用い
られ、特に引火点が313K以上のものが実用上好適であ
る。この親水性溶剤も水置換性の向上に寄与するもので
ある。このような親水性溶剤としては、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールとそ
の誘導体等が例示され、低分子量ポリオルガノシロキサ
ンとの相溶性、人体への安全性等の点からジエチレング
リコールモノブチルエーテルが特に好ましい。これら化
合物は、低分子量ポリオルガノシロキサンとの共存下で
揮発性が向上するために、この配合品のみでの水置換、
乾燥も可能である。親水性溶剤の組成比は、特に限定さ
れるものではないが、低分子量ポリオルガノシロキサン
100重量部に対して 100重量部以下、さらに50重量部以
下であることが好ましい。
浄剤D1は、その比重を水より小さく、かつ油脂系の汚
れより大きく設定することができる。従って、被洗浄物
Xにより持ち込まれた水Yは、第1および第2の洗浄槽
1、2に収容された界面活性剤を含む洗浄剤D1の下方
にそれぞれ沈降分離される。また、被洗浄物Xに油脂系
の汚れZが付着している場合には、油脂系の汚れZは第
1および第2の洗浄槽1、2に収容された界面活性剤を
含む洗浄剤D1の上方にそれぞれ浮上分離される。な
お、洗浄剤D1は、上記したように油脂系汚れやフラッ
クのような固形汚れ等の一般的な汚れに対する洗浄効果
をも有するものである。
対象物)としては、金属、セラミックス、プラスチック
等からなる硬質表面を有する工業部品が挙げられ、さら
に具体的には金属部品、表面処理部品、電子部品、半導
体部品、電気部品、精密機械部品、光学部品、ガラス部
品、セラミックス部品等である。
ドレン配管2aによって間欠的に第1の洗浄槽1側に排
出される。また、第1の洗浄槽1で沈降分離された水Y
は、ドレン配管4により間欠的に後述する洗浄剤再生機
構Cへと排出される。また、液切り槽3に設けられたド
レン配管3aも洗浄剤再生機構Cと接続されている。ま
た、第1の洗浄槽1および第2の洗浄槽2で浮上分離さ
れた油脂系の汚れZは、順次オーバーフローし、第1の
洗浄槽1に設けられたオーバーフロー管5から系外に排
出される。第1の洗浄槽1および第2の洗浄槽2内に収
容された界面活性剤を含む洗浄剤D1は、常時フィルタ
6を介して循環されており、このフィルタ6によって洗
浄剤D1中の固体物、水粒子、未溶解物質等が除去され
る。
程)Bには、第3の洗浄槽7とシャワーリンス槽8とが
設けられている。シャワーリンス槽8の下方には、バッ
ファタンク9が設けられ、このバッファタンク9および
第3の洗浄槽7間は、洗浄剤D2がバッファタンク9か
ら第3の洗浄槽7に送られるように、オーバーフロー管
9bにより連結されており、さらにドレン配管9aによ
っても連結されている。この第3の洗浄槽7にも必要に
応じて超音波、揺動、機械的撹拌、洗浄剤加温、ブラッ
シング等が併用される。
て、第1の工程Aで使用した低分子量ポリオルガノシロ
キサンと同一のシリコーン組成物のみの洗浄剤D2が収
容されている。この洗浄剤D2は、その比重を水より小
さく、かつ油脂系の汚れより大きく設定することができ
る。従って、第1の工程Aにおける洗浄槽と同様に、水
Yは洗浄剤D2の下方に沈降分離され、また油脂系の汚
れZは洗浄剤D2の上方に浮上分離される。なお、洗浄
剤D2として、洗浄剤D1中の低分子量ポリオルガノシ
ロキサンとは構造が異なる低分子量ポリオルガノシロキ
サンを用いることもできる。
ドレン配管10によって間欠的に洗浄剤再生機構Cへと
排出される。また、第3の洗浄槽7で浮上分離された油
脂系の汚れZは、オーバーフロー管11から系外に排出
される。また、第3の洗浄槽7内に収容された洗浄剤D
2は、常時フィルタ12を介して循環されており、この
フィルタ12によって洗浄剤D2中の固体物、水粒子、
未溶解物質等が除去される。
2の工程Bへと順次送られて、洗浄および水切りが施さ
れた後、図示を省略した温風乾燥器等により乾燥処理が
施されて洗浄工程が終了する。上述した洗浄剤D1およ
びD2は、強力な水切り性(液切り性)を有することか
ら、従来から使用されているフロン系等に匹敵する洗浄
・水置換効果が得られ、また浸蝕性が極めて低く、各種
基材に対してより安定な洗浄を行うことできる。また、
その構成成分中に塩素や臭素のようなハロゲン元素を基
本的に含まないため、フロン系等の有機溶剤系水切り洗
浄剤のように環境破壊や環境汚染を及ぼすおそれがほと
んどない。
用については、以下の通りである。上述したように、第
1、第2、第3の洗浄槽1、2、7および液切り槽3に
設けられた各ドレン配管4、3a、10は、洗浄剤再生
機構Cに接続されている。各洗浄槽に収容された洗浄剤
D1またはD2は、フィルタ6、12によって常時浄化
されているが、洗浄剤の汚れがひどくなった際には、各
ドレン配管4、10から洗浄剤再生機構Cに送水ポンプ
13によって送られて分溜精製される。また、液切り槽
3に溜まった洗浄剤D1も間欠的に洗浄剤再生機構Cに
送られる。
より液体と固体との分離が行われ、固体分は廃棄され、
液体のみ蒸留器15へ送られる。この蒸留器15では洗
浄剤中の各成分、水、油脂系汚れ等の沸点の差を利用し
て分離が行われる。なお、蒸留器15にて残留した水分
等は、デカンタ16によってさらに分離される。
る洗浄剤において、洗浄剤D1は低分子量ポリオルガノ
シロキサンのみの洗浄剤D2に界面活性剤や親水性溶剤
を添加したものであるため、洗浄剤D1および洗浄剤D
2それぞれから低分子量ポリオルガノシロキサン、すな
わち洗浄剤D2を分離抽出することができ、洗浄剤D2
が再生される。また、この再生された洗浄剤D2以外の
成分、すなわち界面活性剤や水分等は廃棄される。
よりシャワーリンス槽8、第3の洗浄槽7、もしくは第
2の洗浄槽2に洗浄剤D1を供給する配合器18へと送
られる。シャワーリンス槽8では、上記再生洗浄剤D2
もしくは洗浄剤供給配管19から送られてきた新規な洗
浄剤D2によって、不純物を含まない洗浄剤D2のみで
シャワー洗浄が行われる。また、配合器18では、再生
もしくは新規の洗浄剤D2と、界面活性剤供給配管20
から送られてきた新規な界面活性剤とが混合され、新た
に洗浄剤D1が調合される。この洗浄剤D1は、必要に
応じて第2の洗浄槽2に供給される。
により、低分子量ポリオルガノシロキサンを含む水
(液)切り洗浄剤を効率よく、かつ有効に使用すること
ができると共に、低分子量ポリオルガノシロキサンを用
いた水(液)切り洗浄剤の特性を十分に発揮させること
が可能となる。
(洗浄工程)で低分子量ポリオルガノシロキサンに界面
活性剤や親水性溶剤を添加した非水系の洗浄剤D1を用
いた例について説明したが、非水系の洗浄剤D1に代え
て水系洗浄剤、すなわち前述した (1)式で表される直鎖
状ポリジオルガノシロキサンおよび (2)式で表される環
状ポリジオルガノシロキサンから選ばれた少なくとも 1
種の低分子量ポリオルガノシロキサンと、前述した (3)
式で表されるシロキシ単位を 1分子中に少なくとも 1個
有するポリオキシアルキレン基含有ポリオルガノシロキ
サンと、界面活性剤と、水とを含有する 4成分系の水系
洗浄剤D1、あるいは上記ポリオキシアルキレン基含有
ポリオルガノシロキサンと、界面活性剤と、水とを含有
する 3成分系の水系洗浄剤D1を用いることもできる。
ては、上記水系洗浄剤の 1成分である水が用いられ、洗
浄排液およびすすぎ洗浄排液から水が蒸留により再生さ
れる。そして、上記実施例と同様に、シャワーリンスや
新たな洗浄剤D1の調合に利用される。このように、洗
浄排液およびすすぎ洗浄排液から水を再利用することに
よって、水系洗浄剤を効率よく、かつ有効に使用するこ
とができる。
リオルガノシロキサンは前述したように汚れに対して強
力な浸透力を発揮するものの、これら単独では水に対し
て難溶性でかつ分散安定性が悪く、水中で相分離を起こ
す可能性があるため、前述した (3)式で表されるシロキ
シ単位を 1分子中に少なくとも 1個有するポリオキシア
ルキレン基含有ポリオルガノシロキサンを併用すること
によって、水に対する良好な分散安定性が得られ、上記
低分子量ポリオルガノシロキサンの汚れに対する強力な
浸透力を十分に発揮させることが可能となる。またさら
に、界面活性剤を併用することによって、洗浄性能の向
上が図れる。
ガノシロキサンは、ケイ素原子に結合したポリオキシア
ルキレン基によって水に対して親和性を示し、安定な水
系分散液もしくは水溶液を形成する成分であると共に、
汚れとそれが被着している金属等の基地との界面に浸透
して汚れを引剥がす作用も示し、さらに消泡作用も有し
ている。このようなポリオキシアルキレン基含有ポリオ
ルガノシロキサンは、ヒドロシリル基を有するポリオル
ガノシロキサンと、末端に不飽和基を有するポリオキシ
アルキレン化合物とを、白金系触媒の存在下に付加反応
させることによって得られる。
キレン基としては、
〜11のβ- ヒドロキシプロピレンオキシアルキレン基お
よびポリメチレンオキシアルキレン基からなる群から選
ばれた 2価の基を、 R4 は炭素数 2〜 4のアルキレン基
を、 R5 は水素原子および 1価の有機基から選ばれた末
端基を示し、 nは正の整数を示す)で表される 1価の基
が例示される。
ガノシロキサンの主骨格を成すシロキサンは特に限定さ
れるものではない。このシロキサンのケイ素原子に結合
する有機基は、基本的にはメチル基であるが、本発明の
効果を損わない範囲で、エチル基、プロピル基、ブチル
基、フェニル基等の 1価の炭化水素基や、トリフロロメ
チル基のような 1価の置換炭化水素基を含有していても
よい。
基 1個当りの分子量も特に限定されるものではなく、こ
れらの値が大きいものであっても界面活性剤の併用等に
よって、十分に水溶もしくは安定に水分散させることが
可能である。ただし、実用的にはポリオキシアルキレン
基 1個当りの分子量が 100〜5000程度のものが好まし
い。また、ポリオキシアルキレン鎖においては、全ポリ
オキシアルキレン中オキシエチレン部分が40モル% 以上
であることが好ましい。さらに、ポリオキシアルキレン
基の量は特に限定されないが、該ポリオルガノシロキサ
ンのケイ素原子に結合した全有機基中の 5モル% 以上で
あることが系の安定性からより好ましい。このようなポ
リオキシアルキレン基含有ポリオルガノシロキサンとし
ては、
な鎖状ポリシロキサンや、
状ポリシロキサンが例示される。
オルガノシロキサンやポリオキシアルキレン基含有ポリ
オルガノシロキサンによって引剥がされた汚れを溶解あ
るいは乳化し、かつ安定化させる成分である。このよう
な界面活性剤には、活性を発揮する化学構造により、カ
チオン系、アニオン系、ノニオン系、両性系およびこれ
らの複合系に分類されるが、上記水系洗浄剤においては
それらのいずれをも使用することが可能である。ただ
し、上記ポリオキシアルキレン基含有ポリオルガノシロ
キサンとの組合せによる効果を考えた場合、アニオン
系、ノニオン系、両性系のいずれかの界面活性剤の使用
が好ましく、特にアニオン系/ノニオン系の組合せある
いは両性系/ノニオン系の組合せによる界面活性剤を使
用することにより、これらによる洗浄性と上記した低分
子量ポリオルガノシロキサンやポリオキシアルキレン基
含有ポリオルガノシロキサンによる浸透性とに顕著な相
乗効果が得られる。
るものとしては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ルスルホン酸塩、リン酸エステル等のアニオン系界面活
性剤、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシアル
キレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキル
エーテル等のノニオン系界面活性剤、イミダゾリン誘導
体等の両性界面活性剤、アルキルアミン塩、アルキル第
4級アンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤等が例示
され、その他には単一物質で存在することは少ないが、
天然物から抽出されるテルペン系化合物や高級脂肪酸エ
ステル等が挙げられる。また、上述したような各種化合
物の化学構造の一部をフッ素原子やケイ素原子で置き換
えた合成化合物を用いることも可能である。
成比は、特に限定されるものではないが、界面活性剤を
ポリオキシアルキレン基含有ポリオルガノシロキサン 1
00重量部に対して10〜1000重量部の範囲で配合し、低分
子量ポリオルガノシロキサンを上記界面活性剤とポリオ
キシアルキレン基含有ポリオルガノシロキサンとの合計
量 100重量部に対して1000重量部以下で配合することが
好ましい。
が弱くなり、また多すぎると浸透性が弱くなる。また、
低分子量ポリオルガノシロキサンの配合量が多すぎると
系に分散しずらくなり、また水系洗浄剤としての安定性
が低下する。上記界面活性剤のより好ましい配合比とし
ては、ポリオキシアルキレン基含有ポリオルガノシロキ
サン 100重量部に対し30〜 700重量部であり、さらに好
ましくは50〜 300重量部の範囲である。低分子量ポリオ
ルガノシロキサンのより好ましい配合比は、10重量部〜
1000重量部の範囲である。また、上記 4成分系の水系洗
浄剤における水の配合量は、特に限定されるものではな
いが、洗浄剤の安定性の点からは全組成物中で40重量%
以上とすることが好ましく、さらに好ましくは70〜99.5
重量% の範囲である。
キシ単位を 1分子中に少なくとも 1個有するポリオキシ
アルキレン基含有ポリオルガノシロキサンは、それ自体
も前述したように汚れとそれが被着している金属等の基
地との界面に浸透し、汚れを引剥がす作用を有するた
め、上記ポリオキシアルキレン基含有ポリオルガノシロ
キサン、界面活性剤および水の 3成分系でも水系洗浄剤
としての効果を発揮する。なお、この際の配合比は上述
した 4成分系の水系洗浄剤に準じるものとする。上記 3
成分系または 4成分系の水系洗浄剤は、日本工業標準規
格JIS の繊維織物の試験方法で規定する浸透性評価キャ
ンバス法で測定して得られる室温での数値が15以下、10
以下、 5以下となるように、その配合比を設計すること
が好ましい。また、これら水系洗浄剤の洗浄性能は液自
体のpH値に依存するため、アルカリ域に調整することが
好ましい。さらに好ましいpH値は 8〜14の範囲である。
水系洗浄剤は、上記ポリオキシアルキレン基含有ポリオ
ルガノシロキサン、界面活性剤および水、さらに必要に
応じて上記 (1)式や (2)式で表される低分子量ポリオル
ガノシロキサンを混合、撹拌することにより容易に得ら
れる。混合にあたっては、公知の分散装置を用いること
により、容易に水系洗浄剤を得ることができる。
用される汚れ物質の性質、量、付着状態、洗浄条件等に
応じて、通常の水溶性洗浄剤に添加されるpH調整剤、吸
着剤、固形粒状物、合成ビルダ、防錆剤、帯電防止剤等
を洗浄の助剤や洗浄後の付加価値向上剤等として配合し
てもよいし、使用用途によっては重要な位置付けを示
す。
(洗浄対象物)としては、金属、セラミックス、プラス
チック等からなる硬質表面を有する工業部品等が挙げら
れ、さらに具体的には金属部品、表面処理部品、電子部
品、半導体部品、電気部品、精密機械部品、光学部品、
ガラス部品、セラミックス部品等である。また、汎用的
な洗浄プロセスの具体例としては、上述したような各種
部品を対象に、超音波、機械的撹拌、吹付け等による洗
浄の後、水洗(純水やイオン交換水が望ましい)、熱風
乾燥等による水切り仕上げを行うことが一般的である。
なお、劣化した水系洗浄剤の処理は、例えば汚れ物質を
フィルタ等で分離した後、一般的な排水処理技術を適用
することによって、容易に無公害化することが可能であ
る。
ば、前述した (1)式や (2)式で表される低分子量ポリオ
ルガノシロキサンによる汚れと基地との界面に対する強
力な浸透力と、界面活性剤よる汚れに対する洗浄力とに
よって、従来から使用されているフロン系に匹敵する洗
浄効果が得られ、ポリオキシアルキレン基含有ポリオル
ガノシロキサンを併用することによって、水系での良好
な分散安定性が得られる。また、ポリオキシアルキレン
基含有ポリオルガノシロキサン、界面活性剤および水に
よる 3成分系としても、ポリオキシアルキレン基含有ポ
リオルガノシロキサンの汚れに対する浸透力によって、
十分な洗浄効果が得られる。そして、水系であることか
ら環境破壊や環境汚染の心配もない。
の洗浄性能や液置換性能等を具体的に評価した結果につ
いて説明する。
る。
して、下記 (5)式および (6)式でそれぞれ表される 2種
類を用意した。
シリコーン(A1)と、上記 (6)式で表されるポリオキシア
ルキレン変性シリコーン(A2)と、界面活性剤としてラウ
リン酸ナトリウム(B1)およびポリオキシエチレンオクチ
ルフェニルエ―テル(B2)(ポリオキシエチレン:20モ
ル)と、水とを重量比で5:5:4:4:82となるように、それ
ぞれの成分を所定量秤量した後、ホモミキサーに投入し
て撹拌混合し、水系洗浄剤P1を得た。
ンと、界面活性剤として(B1)のラウリン酸ナトリウムお
よび(B2)のポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ルと、水とを表1に示す組成比となるように所定量秤量
し、実施例1と同様にして水系洗浄剤P2を得た。
ン、界面活性剤として前述した(B1)、(B2)、および(B3)
としてスルホコハク酸ジオクチルナトリウム、さらに低
分子ポリオルガノシロキサンとしてオクタメチルシクロ
テトラシロキサン(D1)およびオクタメチルトリシロキサ
ン(D2)と、水とをそれぞれ選択して用いて、表1に示す
組成比の水系洗浄剤P3〜P5を実施例1と同様にしてそれ
ぞれ作製した。
使用しない以外は、上記各実施例と同様にして、表1に
その組成比を示す 3種類の水系洗浄剤を作製した。
各水系洗浄剤の諸特性を下記に示す方法に従ってそれぞ
れ評価した。その結果を併せて表1に示す。
が高く、細部への洗浄に有利であることを示す。
て試験片を作製する。この試験片の焼付けられた油脂の
洗浄(超音波洗浄)に要した時間を測定する。数値が小
さい程洗浄力が強いことを示す。
し、323Kで 6時間加温後298Kに徐冷し、外観を観察し
た。
成分系および 4成分系の水系洗浄剤は、いずれも洗浄力
および浸透力共に優れ、従来、フロン系等の溶剤系洗浄
剤を用いていた用途に十分に使用しうることが分る。ま
た、安定性にも優れていることから実用性も高い。これ
に対して比較例による水系洗浄剤は、いずれも洗浄力お
よび浸透力共に満足のいくものではなかった。
液晶材料をデバイスに封入することが行われる。この
際、排気性能が大きな拡散真空ポンプで排気処理を行う
が、拡散オイルが徐々にミストとして真空系に入るた
め、時々ポンプを洗浄してオイルを除去するメインテナ
ンスが必要である。
タン洗浄剤に代えて、前述した水系洗浄剤を適用した具
体例である。すなわち、拡散オイルとしてシリコーン油
F-4(信越化学(株)製)が付着しているステンレスSUS
304ならびにそれにNiメッキを施した材質からなるポン
プ部品を被洗浄物とした。使用した水系洗浄剤の配合は
以下に示す通りである。
ている中に、下記の (7)式で表されるポリオキシアルキ
レン基含有ポリオルガノシロキサン 6重量% を徐々に添
加し、無色透明な均質溶液とした。
B-4001(旭電化(株)製) 8重量% と、硫酸エステルプ
ルロニック構造のアニオン型TWA-2023(一方社油脂
(株)製) 6重量% とを混合したものを上記水/シロキ
サン溶液に加えた。このようにして得た水系洗浄剤を任
意の割合でイオン交換水で稀釈して、上記シリコーン油
F-4 の洗浄を試みた結果、10倍量の水稀釈では常温、 1
分間撹拌浸漬、30倍稀釈では313K、 1分間揺動浸漬、も
しくは293K、 1分間超音波洗浄、50倍稀釈では323K、 1
分間超音波洗浄で、それぞれ十分に洗浄除去することが
できた。
のうちポリオキシアルキレン基含有ポリオルガノシロキ
サンを含まない、上記界面活性剤のみの組成系を用いて
同様に洗浄を行ったところ、超音波を併用しても10倍量
稀釈では、常温で10分間以上浸漬してもシリコーン油は
十分に洗浄しきれずに残ってしまった。また、この濃度
で同一条件では、338K以上で 5分間以上を要した。
有ポリオルガノシロキサンを含む水系洗浄剤の抜群の洗
浄効果が示された。
キサンおよび低分子量ポリオルガノシロキサンは、市販
の水溶性洗浄剤の洗浄効果を飛躍的に高めることにも寄
与する。
いられている、界面活性剤を含む低発泡性、防錆性洗浄
剤ケミクリーンMS-109水溶液(三洋化成工業(株)製)
65重量% に、実施例1で使用した上記 (5)式で示したポ
リオキシアルキレン変性シリコーン(A1) 3重量% およ
びヘキサメチルシクロトリシロキサン 5重量% 、イオン
交換水17重量% を混合し、新規な洗浄剤を調整した。
記に示す方法によって洗浄性を評価した。その結果を表
2に示す。なお、比較例としてケミクリーンMS-109市販
洗浄剤の20倍水稀釈したものについても併記した。
漬塗布後風乾し、各洗浄液(20倍希釈液)に撹拌下(40
0rpm)15秒〜 1分間浸漬する。次に、水に浸漬後風乾
し、粘着テープにて汚染物質を転写して白紙に貼り、色
度計にて反射率を測定して洗浄率を求める。
(エマルジョン系)にカーボンブラック2%を加えて行
う。洗浄率は上記と同様にして算出する。
(イーピージャパン(株)製)、エマルジョン型脱脂洗
浄剤バンライズD-20(常盤化学工業(株)製)、強力特
殊洗浄液ヒカリエース(昭光通商(株))についても行
った結果、ポリオキシアルキレン基含有ポリオルガノシ
ロキサンならびに低分子量ポリオルガノシロキサンの併
用により格段の洗浄性が得られた。
線)に使用するフラックスの洗浄にも顕著な効果を示
す。フラックスはロジン系と水溶系に大別されるが、特
にロジン系の洗浄が難しいとされているので、その具体
的な例について示す。
処理工程として、WW系ロジンエステルを付けた後、 5
03〜523Kのハンダ浴を通して配線を完了した。これを下
記の水系洗浄剤を用いて、308K、45秒間シャワーリンス
することにより、完全にフラックスが除去されることを
確認した。
で示されるポリオキシアルキレン基含有ポリオルガノシ
ロキサン 2重量% 、両性界面活性剤センカノールFM(日
本染化(株)製) 3重量% およびナトリウム・N-ココイ
ルメチルタウリン系ノニオン界面活性剤ニッコールCMT-
30(日本サーファクタント(株)製) 5重量% を、イオ
ン交換水で 100重量% にしたものである。
用いたところ、MIL-F-14256C規格(米国)をクリアする
加速時効テスト、表面絶縁抵抗テスト、イオン残渣テス
ト等を満足する結果が得られた。
価結果について述べる。
トリシロキサン(E1)、オクタメチルシクロテトラシロキ
サン(E2)およびデカメチルシクロペンタシロキサン(E3)
を用意し、また界面活性剤として、ポリオキシエチレン
オレイルエーテル(F1)(P.O.E=6mol)およびポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル(F2)(P.O.E=10mol)
を、親水性溶剤としてジエチレングリコールモノブチル
エーテル(G1)を用意した。
表3に示す組成比に従ってそれぞれ水切り洗浄剤を調整
した。
ン、イソプロピルアルコールおよびエタノールを用意
し、表3にその組成比を示す 5種類の水切り洗浄剤を調
整した。
の各水切り洗浄剤の諸特性を下記に示す方法に従ってそ
れぞれ評価した。その結果を併せて表3に示す。
ート、Niメッキ鋼板)を水洗した後、各水切り洗浄剤中
に浸漬した。実施例13〜15の水切り洗浄剤について
は、さらにそれぞれ使用した低分子量ポリオルガノシロ
キサンですすぎを行った。その後、323Kでオーブン乾燥
を行った。そして、乾燥後のウォーターマーク(水垢に
よるしみ)を目視および走査型電子顕微鏡により観察
し、以下の基準に従って評価した。
に至らなかった場合。
た場合。
なかった場合。
のウォーターマークが観察されなかった場合。
った後の外観を上記と同様に評価した。
し、 5分毎に指触にて乾燥しているかどうかを試み、そ
の時間を 5分単位で記録した。
リオルガノシロキサンを用いた水切り洗浄剤は、いずれ
も水切り性に優れ、従来、フロン系等の有機溶剤系洗浄
剤を用いていた用途に十分に使用しうることが分る。
プロピルアルコールを用いた水切り洗浄剤は、金属膜や
プラスチックに対する発錆性や浸蝕性を有していた。こ
れに対して、実施例による水切り洗浄剤はいずれも金属
膜やプラスチックに対して安定で、しかも表面粗度の大
きいセラミックスに対しても十分な水切り性を有し、金
属部品、メッキ部品、電子部品、半導体部品、プラスチ
ック部品、セラミックス部品等に対して十分な信頼性を
もって使用し得ることが分る。なお、イソプロピルアル
コールは水が相溶してしまい、これにより基材への水の
再付着が発生した。さらに、界面活性剤や親水性溶剤を
配合することによって、さらに水切り性が向上し、工業
用用途に有効であることが分る。
によれば、例えば環境問題を抱えるフロン系等の有機溶
剤系洗浄剤の代替洗浄剤やすすぎ液を有効かつ効率よく
使用することができると共に、それらの特性を十分に発
揮させることが可能となる。
成例を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 洗浄剤が収容された洗浄槽により、被洗
浄物を洗浄する洗浄工程と、 前記洗浄剤中の 1成分のみからなるすすぎ液が収容さ
れ、前記被洗浄物の移送方向と逆方向に前記すすぎ液が
順に送られるよう連結された複数のすすぎ洗浄槽によ
り、前記洗浄後の被洗浄物を順にすすぎ洗浄するすすぎ
工程とを具備し、 前記洗浄工程の洗浄槽から洗浄排液を回収すると共に、
前記複数のすすぎ洗浄槽のうち最下流側のすすぎ洗浄槽
からすすぎ洗浄排液を回収し、これら回収した洗浄排液
およびすすぎ洗浄排液を蒸留して前記すすぎ液を再生し
た後、この再生したすすぎ液を最上流側の前記すすぎ洗
浄槽に再供給しつつ、前記すすぎ工程を行うことを特徴
とする洗浄方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の洗浄方法において、 前記洗浄剤として、 【化1】 (式中、 R1 は同一または相異なる置換または非置換の
1価の有機基を、 lは 0〜 5の整数を示す)で表される
直鎖状ポリジオルガノシロキサンおよび 【化2】 (式中、 R1 は同一または相異なる置換または非置換の
1価の有機基を、m は 3〜 7の整数を示す)で表される
環状ポリジオルガノシロキサンから選ばれた少なくとも
1種の低分子量ポリオルガノシロキサンに、界面活性剤
および親水性溶剤から選ばれた少なくとも 1種を配合し
た洗浄剤を用いると共に、前記すすぎ液として前記低分
子量ポリオルガノシロキサン単独のすすぎ洗浄剤を用
い、前記低分子量ポリオルガノシロキサンを前記蒸留に
より再生することを特徴とする洗浄方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の洗浄方法において、前記
洗浄剤として、 【化3】 (式中、 R1 は同一または相異なる置換または非置換の
1価の有機基、 lは 0〜5の整数を示す)で表される直
鎖状ポリジオルガノシロキサンおよび 【化4】 (式中、 R1 は同一または相異なる置換または非置換の
1価の有機基、m は 3〜7の整数を示す)で表される環
状ポリジオルガノシロキサンから選ばれた少なくとも 1
種の低分子量ポリオルガノシロキサンと、 【化5】 (式中、 R2 はアルキル基またはフェニル基を、 Aはポ
リオキシアルキレン基を示す)で表されるシロキシ単位
を 1分子中に少なくとも 1個有するポリオキシアルキレ
ン基含有ポリオルガノシロキサンと、界面活性剤と、水
とを含有する洗浄剤を用いると共に、前記すすぎ液とし
て水を用い、前記水を前記蒸留により再生することを特
徴とする洗浄方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の洗浄方法において、 前記洗浄剤として、 【化6】 (式中、 R2 はアルキル基またはフェニル基を、 Aはポ
リオキシアルキレン基を示す)で表されるシロキシ単位
を 1分子中に少なくとも 1個有するポリオキシアルキレ
ン基含有ポリオルガノシロキサンと、界面活性剤と、水
とを含有する洗浄剤を用いると共に、前記すすぎ液とし
て水を用い、前記水を前記蒸留により再生することを特
徴とする洗浄方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の洗浄方法において、 前記蒸留の前処理として、前記洗浄排液およびすすぎ洗
浄排液を濾過することを特徴とする洗浄方法。
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