JPH08239785A - 金属用洗浄剤組成物 - Google Patents

金属用洗浄剤組成物

Info

Publication number
JPH08239785A
JPH08239785A JP4220095A JP4220095A JPH08239785A JP H08239785 A JPH08239785 A JP H08239785A JP 4220095 A JP4220095 A JP 4220095A JP 4220095 A JP4220095 A JP 4220095A JP H08239785 A JPH08239785 A JP H08239785A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
detergent composition
cleaning
water
exactly
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4220095A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihisa Koo
邦寿 小尾
Manabu Tomitani
学 富谷
Satoru Hashimoto
悟 橋本
Yasuhiro Sakura
康寛 佐倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIKKO KEMIKARUZU KK
NIPPON SAAFUAKUTANTO KOGYO KK
Olympus Corp
Nikko Chemicals Co Ltd
Original Assignee
NIKKO KEMIKARUZU KK
NIPPON SAAFUAKUTANTO KOGYO KK
Nikko Chemicals Co Ltd
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIKKO KEMIKARUZU KK, NIPPON SAAFUAKUTANTO KOGYO KK, Nikko Chemicals Co Ltd, Olympus Optical Co Ltd filed Critical NIKKO KEMIKARUZU KK
Priority to JP4220095A priority Critical patent/JPH08239785A/ja
Publication of JPH08239785A publication Critical patent/JPH08239785A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Detergent Compositions (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属部品に対して可溶化力及び乳化力が向
上した洗浄を行う。 【構成】 親水性の小さなポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、親水性の大きなポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グル
コールエーテル及び/又はアルコール、水を混合した洗
浄剤を用いて、金属部品を洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属部品を洗浄する組
成物に関し、さらに詳しくは、金属製の切削品、プレス
品、穴開け品から、切削油、プレス油、および引き抜き
油などの油性汚れあるいは手脂、ほこりなどの汚れを除
去する金属部品用洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】金属部品は素材から製品になるまで、切
削、プレス、穴開けなど様々な加工過程があり、それぞ
れの加工にあった加工油を用いている。またその加工過
程に応じた様々な検査工程を経ている。洗浄は、加工後
に限らず検査工程の前、組立工程前などで行われている
が、これらの洗浄に用いる洗浄剤としては、単に汚れを
除去するばかりではなく、洗浄中あるいは洗浄後に表面
を変質させないなど素材への影響も要求される。
【0003】上述した金属部品は、従来トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、エチレンクロライド、フロン
などのハロゲン系溶剤、あるいはケロシン、ベンゼン、
キシレンなどの炭化水素系溶剤を用いて浸漬、超音波等
を作用させて行われていた。また、小物部品を多量に同
時に洗浄する場合、それぞれが散らばるようにバレル状
ヤトイを用いて行われていた。
【0004】これに対して、近年の地球環境問題あるい
は安全指向から上述した洗浄剤を用いることなく、水系
洗浄剤を用いることがなされており、金属用の水系洗浄
剤として様々な種類が提案されている。例えばメッキ工
程前などでは、カセイソーダ、アルカリ金属のケイ酸
塩、リン酸塩あるいは炭酸塩と界面活性剤からなるアル
カリ脱脂剤が広く使われており、さらに最近ではこれら
を改良した洗浄剤も開発されている。例えば特開昭60
−169583号公報ではアルカリビルダー、界面活性
剤、消泡剤、およびアルキルジメチルアミンオキサイド
からなるアルカリ脱脂液が提案されている。また、特開
平1−149981号公報ではグリコールエーテルと、
水溶性アミンあるいは界面活性剤と、水とからなる水溶
性脱脂組成物が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】トリクロロエタン、フ
ロンなどのハロゲン系溶剤は、オゾン層破壊の問題から
モントリオール議定書締結により1996年以降の使用
が出来なくなる問題点がある。また、トリクロロエチレ
ン、エチレンクロライドも発ガン性の危険性があること
が指摘され、人体安全性が低いことが問題となってい
る。さらに、トリクロロエチレンは水分共存時の安定性
が乏しく、酸を生じて被洗浄物の金属表面を腐食させる
問題点がある。
【0006】ケロシン、ベンゼンなどの炭化水素系溶剤
は、洗浄性が優れ乾燥性にも優れているが、有機則で規
制の対象となるものも多く、人体安全性に問題があるば
かりでなく、引火性があり作業上危険である。
【0007】一方、水系洗浄剤を用いて洗浄する場合、
上述した溶剤洗浄に対する洗浄力の不足を補うため、苛
性ソーダ、ケイ酸塩あるいはリン酸塩などのアルカリビ
ルダーを添加している。しかし、これらを添加した洗浄
剤は油性汚れの可溶化力あるいは乳化力が弱いため、混
入してきた油性汚れの量とともに洗浄性が低下するばか
りでなく、汚れの再付着があり、寿命が短いという問題
点がある。さらに、アルカリビルダーが添加されていな
い洗浄剤と比較して水リンスが難しいと共に、リンス水
の処理が難しいこと問題を有している。
【0008】前述の特開昭60−169583号公報
は、以前のアルカリビルダーを添加した水系洗浄剤の可
溶化力あるいは乳化力が弱いという欠点を解決してい
る。しかし、アルカリビルダーを添加しているため、水
リンスが難しく、しかもリンス水の処理が難しいという
問題を依然として有している。特開平1−149981
号公報は、水リンスの難しいことやリンス水の処理が難
しいという問題を解決しているが、添加されている界面
活性剤が少ないため、可溶化力あるいは乳化力が弱いと
いう欠点がある。特に水溶性アミンではこの欠点が顕著
となっている。
【0009】本発明は、以上のような問題点を解決し、
可溶化力および乳化力が向上し、しかも金属部品に付着
している汚れを高品質で除去することができる金属洗浄
剤組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の金属
用洗浄剤組成物は、以下に示す成分A,B,C,Dおよ
びEを含有し、AおよびBにおいてn−m≧2で、B/
(A+B)が0.3〜0.8、C/(A+B)が0.0
3〜0.1で、D/(A+B+C)が0.1〜1.0
で、(A+B+C)の含有量が0.4〜5重量%である
ことを特徴とするものであり、これにより、金属部品に
付着している汚れを高品質で除去するものである。
【0011】成分A 一般式R1 −O−(CH2 CH2
O)m H(式中、R1 は炭素数8〜18のアルキル基、
アルケニル基、アルキルフェニル基およびアルケニルフ
ェニル基を示し、mは1から5の整数を示す。)で示さ
れるポリオキシエチレンアルキルエーテル 成分B 一般式R2 −O−(CH2 CH2 O)n H(式
中、R2 は炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル
基、アルキルフェニル基およびアルケニルフェニル基を
示し、nは7〜15の整数を示す。)で示されるポリオ
キシエチレンアルキルエーテル 成分C 化2の一般式で示されるポリオキシエチレンア
ルキルアミン
【化2】 成分D 一般式R4 −O−(CH2 CH2 O)2 H(式
中、R4 は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)及び/
または一般式R5 −OH(式中、R5 は炭素数1〜4の
アルキル基を示す。)で示されるグリコールエーテルお
よび/またはアルコール 成分E 水
【0012】本発明の金属用洗浄剤組成物は、成分Aに
おいて、m=0の含有量が全成分Aの重量に対して10
重量%以下であり、かつm=Xの時に、m=X±2の範
囲にあるものの含有量が全成分Aの重量に対して50重
量%以上とするものであり、これによりさらに洗浄性が
向上する。
【0013】本発明においては、以上の組成物に対し
て、添加剤として消泡剤および防錆剤を添加するもので
あり、これにより、作業中、発泡により洗浄あるいはリ
ンス不良、槽からの流出などの問題が発生することを防
止できるとともに、鉄系およびアルミニウム系金属の腐
食を防ぐことができる。
【0014】上記構成におけるAは親水性の小さいポリ
オキシエチレンアルキルエーテルであり、Bは親水性の
大きいポリオキシエチレンアルキルエーテルであり、C
はポリオキシエチレンアルキルアミン、Dはグリコール
エーテルおよび/またはアルコール、Eは水である。
【0015】これらについて、さらに説明すると、Aお
よびBは混入してきた汚れを可溶化あるいは乳化する非
イオン性界面活性剤であり、R1 およびR2 は炭素数8
〜18の直鎖あるいは分岐のアルキル基、アルケニル
基、あるいはアルキルフェニル基およびアルケニルフェ
ニル基である。R1 およびR2 は同一のものでも異なる
ものでも良い。mおよびnは整数を示すが、この数が大
きくなればなるほど親水性が大きくなる。Aは乳化力の
強い界面活性剤で、Bは可溶化力と水溶性の強い界面活
性剤である。本発明の本質的な点は、親水性の小さいA
と大きいBとを組み合わせることである。この組み合わ
せの効果は、乳化力、可溶化力、水溶性を向上すること
で、洗浄性と水リンス性を同時に向上させるとともに、
親水性の小さいつまり親油性の汚れから親水性の大きい
汚れまでの幅広い汚れに対応できる点にある。この作用
を有効に得るため、AにおけるmとBにおけるnの差は
2以上であることが好ましい。
【0016】Cは有機アミンを含む非イオン界面活性剤
であり、吸着性が強く、その強さはp+qが小さいほど
大きくなる。このため、被洗浄物の金属表面に吸着し易
く、汚れの再付着を防ぐことができる。また親油成分の
分散性にも優れているため、乳化力が強く、これにより
汚れを多く取り込むことができ、洗浄剤の寿命を長くす
ることができる。
【0017】Dは上記A,BおよびCの3種類の界面活
性剤により可溶化あるいは乳化させた汚れを、被洗浄物
の金属表面から剥離し易くすると共に、上記3種類の界
面活性剤の浸透性を向上させるように作用する。この作
用はグリコールではR4 の炭素数が小さいほど、アルコ
ールではR5 の炭素数が小さいほど大きい。グリコール
またはアルコール単独でも良く、それぞれを混合して使
用しても良い。
【0018】Eは水であり、希釈するために添加する。
この場合、使用時に適当な濃度のA,B,C,Dおよび
Eをそれぞれ加えた後、均一に攪拌して使用しても良い
が、あらかじめ、A,B,C,DおよびEと少量の水と
で高濃度に調整した原液を用意し、使用時にこの原液を
適当な濃度に希釈しても良い。なお、ここでの「適当な
濃度」とは、使用時に以下の条件を満たす濃度のことを
示す。
【0019】すなわち、B/(A+B)が0.3〜0.
8であり、かつC/(A+B+C)が0.3〜0.1で
あり、かつD/(A+B+C)が0.1〜1.0であ
り、かつ(A+B+C)の含有量が0.4〜5重量%の
濃度を示す。
【0020】上記の濃度について説明すると、B/(A
+B)が0.3〜0.8である必要性は主に洗浄性に関
与する。つまり、この値が0.3より小さいということ
はB成分が少なくA成分が多いことであり、洗浄剤の親
水性が低く、水でのリンスが難しくなると共に、汚れの
可溶化力が低下し、洗浄性も低下する。一方、この値が
0.8より大きいということはBの濃度が多く、Aが少
ないということであり、これにより洗浄剤の汚れの乳化
力が低下し、洗浄性が低下する。
【0021】C/(A+B)が0.03〜0.1である
必要性は汚れの再付着防止性と分散性に関与する。0.
03より小さいとCであるポリオキシエチレンアルキル
アミンを加える効果が発現せず、0.1より大きいと汚
れの可溶化力が低下したり、リンスが難しくなり、洗浄
性が低下する。D/(A+B+C)が0.1〜1.0で
ある必要性は洗浄性に関与する。0.1より小さいと成
分Dを加える効果が発現せず、1.0より大きいと洗浄
剤の均一性および安定性が損なわれたり、汚れの可溶化
力が低下し、洗浄性も低下する。(A+B+C)の含有
量は洗浄性に関与する。これが0.4重量%より小さ
く、濃度が薄いものでは洗浄性が著しく低下するためで
あり、5重量%より濃いものでは粘度が増加して細部な
どの洗浄性が低下すると共に、水でのリンス性も低下す
るためである。
【0022】上述した成分Aにおいては、付加されたエ
チレンオキサイド(CH2 CH2 O)のモル数mの分布
および未反応アルコールの残量を規定することにより、
洗浄性を向上させることができる。一般的にポリエキシ
エチレンアルキルエーテルは該当する原料アルコールに
エチレンオキサイドを付加して生成する。この時、温
度、時間、および触媒の種類など種々の反応条件により
付加させたエチレンオキサイドのモル数はある分布をと
る。この触媒としては、特開平1−164437号公報
の酸化マグネシウム触媒、特開平6−53695号公報
の改質酸化カルシウム触媒、あるいはアルミニウム、マ
グネシウム、ケイ素などの金属イオンのアルカリでの共
沈混合結晶の焼結物などの触媒を用いることができる。
【0023】本発明では、該当する原料アルコールと金
属触媒Mg6 12(OH)16CO3・4H2 Oを仕込
み、窒素ガス置換を行った後、圧力5KgG/cm2
温度120〜125℃で連続的にエチレンオキサイドガ
スを3時間導入している。この後、約80℃まで冷却し
て常圧に戻し、20%リン酸水溶液で中和し、セライト
加圧熱ろ過を行い、目的のポリオキシエチレンアルキル
エーテルを得るものである。このポリオキシエチレンア
ルキルエーテルはm=0、すなわち未反応アルコールの
含有量が全成分Aの重量に対して10重量%以下であ
り、かつm=Xの時に、m=X±2の範囲にあるものの
含有量が全成分Aの重量に対して50重量%以上である
こと、つまりエチレンオキサイドのモル数分布が広い範
囲に分布しているのではなく、より狭い範囲に分布して
いるということが特徴である。このようにエチレンオキ
サイドのモル数の分布を規定することによって、洗浄性
が向上する理由は現在のところ不明確であるが、エチレ
ンオキサイドのモル数が狭い範囲に分布しているポリオ
キシエチレンアルキルエーテルは優れた曇点、凝固点、
流動点および粘度を与えることが一般的に知られてい
る。
【0024】また、エチレンオキサイドのモル数の大き
いポリオキシエチレンアルキルエーテルはある割合で水
と混合した場合、ゲル化することが判明している。この
ように、目的とするエチレンオキサイドのモル数以外
の、つまりモル数の小さい、より親水性のものと、モル
数の大きいより親水性の高いものとが洗浄性あるいは水
リンス性に良くない影響を及ぼしていると言える。
【0025】洗浄工程中に洗浄剤が泡立つと様々な問題
が発生する。例えば、泡により洗浄剤あるいはリンス水
が被洗浄物の細部に浸透できず、洗浄不良あるいはリン
ス不良が生じる。また泡高さが大きくなりすぎると槽か
ら溢れ出たり、液面センサーなどのセンサー類の動作不
良が起こる。このため工業用の洗浄では泡立たないこと
が要求され、本発明においても、消泡剤を添加してい
る。この消泡剤は特別なものである必要なく、市販され
ているものでも良いし、消泡作用を物質、例えば高級脂
肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、高級エー
テル、高級リン酸エステル、シリコーンオイルなどでも
良い。
【0026】被洗浄物である金属の中には腐食を受け易
いものがある。例えば鉄系金属は酸性水溶液で腐食さ
れ、アルミニウム系および銅系金属はアルカリ性水溶液
で腐食される。このため水を含むあるいは水でリンスす
る水系洗浄剤はこれらの被洗浄物への腐食性を抑える必
要がある。1つの洗浄槽で1種類の金属、例えば鉄系金
属のみしか洗浄しない場合は、洗浄剤のpHを調整する
だけで腐食を抑えることができるが、通常は数種類の金
属を混在させている。この場合はpH調整だけで腐食を
抑えることができず、防錆剤が必要となる。本発明に添
加する防錆剤は特別なものである必要なく、市販されて
いるものでも良いし、防錆作用を示す物質例えばアルキ
ルアミン、アルキルカルボン酸とその塩、ジアルキルリ
ン酸エステルのアミン塩、ポリオキシエチレンリン酸エ
ステル、両性界面活性剤などでも良い。
【0027】これらの消泡剤および防錆剤の添加量は種
類によって異なる。必要以上に添加すると洗浄性や洗浄
剤の安定性などに問題が生じるので、できるだけ最小限
にとどめることが必要である。使用時におけるこれらの
濃度は、消泡剤では0.001〜0.5重量%程度、防
錆剤では0.01〜5%程度が良好である。
【0028】
【実施例】以下、実施例と比較例により本発明を詳細に
説明する。表1および表2は本発明の各実施例の成分割
合を、表3は比較例における成分割合を示す。これらの
表において、POE(N)は、ポリオキシエチレンのN
モル付加物を示す。また、(S)は付加しているエチレ
ンオキサイドのモル数の分布が以下のように狭く規定さ
れているものを示す。すなわち、m=0の含有量が全成
分Aの重量に対して10重量%以下であり、且つm=X
のときにm=X±2の範囲にあるものの含有量が全成分
Aの重量に対して50重量%以下である。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】(実施例1) 金属用洗浄剤組成物の調製 表1の実施例1の欄に示されるA,B,C,DおよびE
の5成分を、それぞれ10:10:1:10:69の配
合比で混合し均一にした原液を、さらに50倍つまり2
%となるように水で希釈した。これにより、各成分の濃
度は表1に記載されるようにA:B:C:D:E=0.
2:0.2:0.02:0.2:99.38となってい
る金属用洗浄剤組成物を作成した。なお、この濃度で5
成分を混合しても、同一の金属用洗浄剤組成物とするこ
とができるものである。
【0033】洗浄性の試験方法 ステンレスSUS304製で#30メッシュの網(70
mm×70mm)に切削油、商品名「ユシロンカットU
H−75(ユシロ化学(社)製)をディッピング法で
1.00gて塗布した。25℃に保ったこの洗浄剤組成
物で1分間超音波洗浄(40KHz 100W)した。
次に市水で1分間超音波(40KHz 100W)でリ
ンスした。最後に105℃で10分間で強制乾燥させ
た。この後、網上に残っている切削油の重量を測定し、
以下の式から洗浄度を求めた。 洗浄度(%) =(1.00g−洗浄後に残った切削油の重量
(g))×100/1.00
【0034】洗浄度の結果は表4の実施例1に示される
ように、96.2%であり、優れた洗浄性を示している
ことがわかる。このため、金属部品に付着している汚れ
を高品質に除去することができる。
【0035】
【表4】
【0036】以下の実施例2〜4は実施例1に用いた物
質およびB/(A+B)、C/(A+B)およびD/
(A+B+C)の比率が全く同一で、(A+B+C)の
含有量のみが高濃度である実施例である。
【0037】(実施例2)実施例1で混合した原液を2
0倍つまり5%となるように水で希釈した。(A+B+
C)の含有量は1.05となり、各成分の濃度は表1記
載のように、A:B:C:D:E=0.5:0.5:
0.05:0.5:98:45であり、これにより金属
用洗浄剤組成物とした。この洗浄剤組成物を用いて洗浄
性の試験を実施例1と全く同様に実施した。
【0038】(実施例3)実施例1で混合した原液を1
0倍つまり10%となるように水で希釈した。(A+B
+C)の含有量は2.1となり、各成分の濃度は表1記
載のようにA:B:C:D:E=1.0:1.0:0.
1:1.0:96.90であり、これにより金属用洗浄
剤組成物とした。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の実
験を実施例1と全く同様に実施した。
【0039】(実施例4)実施例1で混合した原液を5
倍つまり20%となるように水で希釈した。(A+B+
C)の含有量は4.2となり、結局各成分の濃度は表1
記載のようにA:B:C:D:E=2.0:2.0:
0.2:2.0:93.80となり、これにより金属用
洗浄剤組成物とした。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性
の実験を実施例1と全く同様に実施した。
【0040】以上の実施例2〜4での洗浄性の試験結果
を表4に示す。いずれも95%以上の洗浄度となり、実
施例1との結果と合わせると(A+B+C)の含有量が
0.4〜5では、本発明の洗浄剤組成物は優れた洗浄性
を有し、金属部品に付着している汚れを高品質に除去す
ることがわかる。
【0041】実施例5および6は実施例2で用いた物
質、C/(A+B)の比率と、D/(A+B+C)の比
率、および(A+B+C)の含有量が全く同一で、B/
(A+B)の比率が異なる実施例である
【0042】(実施例5)実施例2と全く同一の物質を
用いてB/(A+B)の比率を0.8にしたものであ
る。A,B,C,DおよびEの5成分を、それぞれ4:
16:1:10:69の比で混合し均一にした原液を、
さらに20倍つまり5%となるように水で希釈した。各
成分の濃度は表1に記載されるようなA:B:C:D:
E=0.2:0.8:0.05:0.5:98.45と
なり、これにより金属用洗浄剤組成物を作成した。とこ
ろで、この濃度で5成分を混合してもまったく同一の金
属用洗浄剤組成物となる。この洗浄剤組成物を用いて洗
浄性の試験を実施例1と全く同様に実施した。
【0043】(実施例6)実施例2と全く同一の物質を
用いてB/(A+B)の比率を0.3にしたものであ
る。A,B,C,DおよびEの5成分を、それぞれ1
4:6:1:10:69の比で混合し均一にした原液
を、さらに20倍つまり5%となるように水で希釈し
た。各成分の濃度は表1に記載されるようなA:B:
C:D:E=0.7:0.3:0.05:0.5:9
8.45となり、これにより金属用洗浄剤組成物を作成
した。なお、この濃度で5成分を混合してもまったく同
一の金属用洗浄剤組成物となる。この洗浄剤組成物を用
いて洗浄性の試験を実施例1と全く同様に実施した。
【0044】以上の実施例5および6での洗浄性の試験
結果を表4に示す。いずれも95%以上の洗浄度とな
り、実施例2との結果と合わせるとB/(A+B)の比
率が0.3〜0.8では、本発明の洗浄剤組成物は優れ
た洗浄性を持ち、金属部品に付着している汚れを高品質
に除去することがわかる。
【0045】実施例7〜9では実施例2に対して、B/
(A+B)、C/(A+B)およびD/(A+B+C)
の比率および(A+B+C)の含有量が全く同一で、成
分Aのみを変化させた実施例である。
【0046】(実施例7)成分Aとして、実施例2とは
異なるPOE(2)オレイルエーテルを用いた。各成分
の比率は実施例2と同一である。A,B,C,Dおよび
Eの5成分を、それぞれ10:10:1:10:69の
比で混合し均一にした原液を、さらに20倍つまり5%
となるように水で希釈した。各成分の濃度は表1に記載
されるように、A:B:C:D:E=0.5:0.5:
0.05:0.5:98.45となり、これにより金属
用洗浄剤組成物を作成した。
【0047】(実施例8)成分Aとして、実施例7とは
異なるPOE(4)ステアリルエーテルを用いた。原液
および洗浄剤組成物の作成方法は実施例7と全く同一に
行った。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験を実施
例1と全く同様に実施した。
【0048】(実施例9)成分Aとして、実施例7と異
なるPOE(5)ノニルフェニルエーテルを用いた。原
液および洗浄剤組成物の作成方法は実施例7と全く同一
に行った。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験を実
施例1と全く同様に実施した。
【0049】以上の実施例7〜9の洗浄性の試験結果を
表4に示す。いずれも95%以上の洗浄度となり、実施
例2との結果と合わせるとA成分を変化させても本発明
の洗浄剤組成物は優れた洗浄性を持ち、金属部品に付着
している汚れを高品質に除去することがわかる。
【0050】実施例10〜13では実施例2に対して、
B/A+B、C/A+B、およびD/(A+B+C)の
比率および(A+B+C)の含有量が全く同一で成分B
のみを変化させた実施例である。
【0051】(実施例10)B成分として、実施例2と
は異なるPOE(7)分岐ラウリルエーテルを用いた。
各成分の比率は実施例2と同一である。A,B,C,D
およびEの5成分を、それぞれ10:10:1:10:
69の比で混合し均一にした原液を、さらに20倍つま
り5%となるように水で希釈した。各成分の濃度は表1
に記載されようなA:B:C:D:E=0.5:0.
5:0.05:0.5:98.45となり、これにより
金属用洗浄剤組成物を作成した。この洗浄剤組成物を用
いて洗浄性の試験を実施例1と全く同様に実施した。
【0052】(実施例11)成分Bとして、実施例10
とは異なるPOE(12)セチルエーテルを用いた。原
液および洗浄剤組成物の作成方法は実施例10と全く同
一に行った。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験を
実施例1と全く同様に実施した。
【0053】(実施例12)成分Bとして、実施例10
とは異なるPOE(15)オレイルエーテルを用いた。
原液および洗浄剤組成物の作成方法は実施例10と全く
同一に行った。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験
を実施例1と全く同様に実施した。
【0054】(実施例13)成分Bとして、実施例10
とは異なるPOE(15)ノニルフェニルエーテルを用
いた。原液および洗浄剤組成物の作成方法は実施例10
と全く同一に行った。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性
の試験を実施例1と全く同様に実施した。以上の実施例
10〜13の洗浄性の試験結果を表3に示す。いずれも
95%以上の洗浄度となり、実施例2との結果と合わせ
ると成分Bを変化させても本発明の洗浄剤組成物は優れ
た洗浄性を持ち、金属部品に付着している汚れを高品質
に除去することができることがわかる。
【0055】実施例14および15は実施例10に対し
て、用いた物質およびB/(A+B)の比率が全く同一
で、C/(A+B)およびD/(A+B+C)の比率が
異なる実施例である。
【0056】(実施例14)実施例10と全く同一の物
質を用いて、成分Cの添加量を変化させた例で、C/
(A+B)=0.03およびD/(A+B+C)=約
0.49である。A,B,C,DおよびEの5成分を、
それぞれ10:10:0.6:10:69.4の比で混
合し均一にした原液を、さらに20倍つまり5%となる
ように水で希釈した。各成分の濃度は表1に記載される
ようなA:B:C:D:E=0.5:0.5:0.0
3:0.5:98.47となり、これにより金属用洗浄
剤組成物を作成した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性
の試験を実施例1と同様に実施した。
【0057】(実施例15)実施例10と全く同一の物
質を用いて、成分Cの添加量を変化させた例で、C/
(A+B)=0.1およびD/(A+B+C)=約0.
45である。A,B,C,DおよびEの5成分を、それ
ぞれ10:10:2:10:68の比で混合し均一にし
た原液を、さらに20倍つまり5%となるように水で希
釈した。各成分の濃度は表1に記載されるように、A:
B:C:D:E=0.5:0.5:0.1:0.5:9
8.40となり、これにより金属用洗浄剤組成物を作成
した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験を実施例
1と同様に実施した。
【0058】以上の実施例14および15の洗浄性の試
験結果を表4に示す。いずれも95%以上の洗浄度とな
り、実施例10との結果と合わせると成分Cの添加量を
変化させたC/(A+B)が0.03〜0.1では、本
発明の洗浄剤組成物は優れた洗浄性を有し、金属部品に
付着している汚れを高品質に除去できている。
【0059】実施例16および17は実施例10に対し
て、B/(A+B)、C/(A+B)およびD/(A+
B+C)の比率および(A+B+C)の含有量が全く同
一で成分Cのみを変化させた実施例である。
【0060】成分Cとして、実施例10とは異なるPO
E(3)オレイルアミンを用いた。各成分の比率は実施
例10と同一である。A,B,C,DおよびEの5成分
を、それぞれ10:10:1:10:69の比で混合し
均一にした原液を、さらに20倍つまり5%となるよう
に水で希釈した。結局各成分の濃度は表2に記載される
ように、A:B:C:D:E=0.5:0.5:0.0
5:0.5:98.45となり、これにより金属用洗浄
剤組成物を作成した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性
の試験を実施例1と全く同様に実施した。
【0061】(実施例17)成分Cとして、実施例10
とは異なるPOE(2)ステアリルアミンを用いた。原
液および洗浄剤組成物の作成方法は実施例10と全く同
一に行った。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験を
実施例1と全く同様に実施した。
【0062】以上の実施例16および17の洗浄性の試
験結果を表4に示す。いずれも95%以上の洗浄度とな
り、実施例10との結果と合わせるとC成分を変化させ
ても本発明の洗浄剤組成物は優れた洗浄性を有し、金属
部品に付着している汚れを高品質に除去することがわか
る。
【0063】実施例18および19は実施例10に対し
て、用いた物質及びB/(A+B)とC/(A+B)の
比率が全く同一で、D/(A+B+C)の比率が異なる
実施例である。
【0064】(実施例18)実施例10とは全く同一の
物質を用いてD/(A+B+C)の比率を約0.95に
したものである。A,B,C,DおよびEの5成分を、
それぞれ10:10:1:20:59の比で混合し均一
にした原液を、さらに20倍つまり5%となるように水
で希釈した。結局各成分の濃度は表2に記載されるよう
に、A:B:C:D:E=0.5:0.5:0.05:
1.0:97.45となり、これにより金属用洗浄剤組
成物を作成した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試
験を実施例1と全く同様に実施した。
【0065】(実施例19)実施例10と全く同一の物
質を用いてD/(A+B+C)の比率を約0.29にし
たものである。A,B,C,DおよびEの5成分を、そ
れぞれ10:10:1:6:73の比で混合し均一にし
た原液を、さらに20倍つまり5%となるように水で希
釈した。結局各成分の濃度は表2に記載されるように、
A:B:C:D:E=0.5:0.5:0.05:0.
3:98.65となり、これにより金属用洗浄剤組成物
を作成した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験を
実施例1と全く同様に実施した。
【0066】以上の実施例18および19の洗浄性の試
験結果を表4に示す。いずれも95%以上の洗浄度とな
り、実施例10との結果と合わせるとC成分の添加量を
0.3〜1.0%に変化させても、本発明の洗浄剤組成
物は優れた洗浄性を有し、金属部品に付着している汚れ
を高品質に除去することがわかる。
【0067】実施例20および21は実施例10と較べ
て、B/(A+B)、C/(A+B)およびD/(A+
B+C)の比率および(A+B+C)の含有量が全く同
一で成分Dのみを変化させた実施例である。
【0068】(実施例20)成分Dとして、実施例10
とは異なるジエチルグリコールモノブチルエーテルとブ
チルアルコールの混合物を用いた。各成分の比率は実施
例10と同一である。A,B,C,DおよびEの5成分
を、それぞれ10:10:1:10:69の比で混合し
均一にした原液を、さらに20倍つまり5%となるよう
に水で希釈した。各成分の濃度は表2に記載されるよう
に、A:B:C:D:E=0.5:0.5:0.05:
0.5:98.45となり、これにより金属用洗浄剤組
成物を作成した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試
験を実施例1と全く同様に実施した。
【0069】(実施例21)成分Dとして、実施例10
とは異なるジエチレングリコールモノブチルエーテルト
メチルアルコールの混合物を用いた。各成分の比率は実
施例10と同一である。A,B,C,DおよびEの5成
分を、それぞれ10:10:1:10:69の比で混合
し均一にした原液を、さらに20倍つまり5%となるよ
うに水で希釈した。各成分の濃度は表2に記載されるよ
うに、A:B:C:D:E=0.5:0.5:0.0
5:0.5:98.45となり、これにより金属用洗浄
剤組成物を作成した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性
の試験を実施例1と全く同様に実施した。
【0070】以上の実施例20および21の洗浄性の試
験結果を表4に示す。いずれも95%以上の洗浄度とな
り、実施例10との結果と合わせると成分Dのグリコー
ルエーテルおよび/あるいはアルコールを変化させて
も、本発明の洗浄剤組成物は優れた洗浄性を有し、金属
部品に付着している汚れを高品質に除去することがわか
る。
【0071】実施例22および23は請求項2に対応
し、それぞれ実施例2と実施例7に対して、成分A以外
の成分およびB/(A+B)、C/(A+B)、D/
(A+B+C)の比率および(A+B+C)の含有量が
全く同一で、成分Aに付加しているエチレンオキサイド
のモル分布範囲が狭く規定されている点が異なる実施例
である。
【0072】(実施例22)実施例2と成分A以外は全
く同一の物質を用い、B/(A+B)、C/(A+B)
およびD/(A+B+C)の比率および(A+B+C)
の含有量が全く同一であり、さらに成分Aについては物
質は同一であるが、付加しているエチレンオキサイドの
モル数の分布が、m=0の含有量が成分Aの重量に対し
て10重量%以下であり、かつm=Xの時に、m=X±
2の範囲にあるものの含有量が全成分Aの重量に対して
50重量%以上であるように狭く規定されているものを
用いた。A,B,C,DおよびEの5成分を、それぞれ
10:10:1:10:69の比で混合し均一にした原
液を、さらに20倍つまり5%となるように水で希釈し
た。各成分の濃度は表2に記載されるような、A:B:
C:D:E=0.5:0.5:0.05:0.5:9
8.45となり、これにより金属用洗浄剤組成物を作成
した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験を実施例
1と全く同様に実施した。さらに、本実施例では洗浄性
の試験以外に金属材料への影響および消泡性を調べた。
【0073】(実施例23)実施例7と成分A以外は全
く同一の物質を用い、B/A+B、C/A+B、および
D/(A+B+C)の比率および(A+B+C)の含有
量が全く同一であり、さらに成分Aについては物質は同
一であるが,実施例22と同様に付加しているエチレン
オキサイドのモル数の分布を狭く規定されているものを
用いた。A,B,C,DおよびEの5成分を、それぞれ
10:10:1:10:69の比で混合し均一にした原
液を、さらに20倍つまり5%となるように水で希釈し
た。各成分の濃度は表2に記載されるような、A:B:
C:D:E=0.5:0.5:0.05:0.5:9
8.45となり、これにより金属用洗浄剤組成物を作成
した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験を実施例
1と全く同様に実施した。さらに、本実施例では洗浄性
の試験以外に金属材料への影響および消泡性を調べた。
【0074】以上の実施例22および23の洗浄性の試
験結果を表4に示す。いずれも99%以上の洗浄度とな
り、実施例2および実施例7との結果と比較すると、成
分Aの付加しているエチレンオキサイドのモル数の分布
を狭く規定されているものを用いた方がより優れてい
て、金属部品に付着している汚れを高品質に除去するこ
とがわかる。
【0075】実施例24および25は請求項3に対応
し、それぞれ実施例22と実施例23とに対してアミン
系防錆剤とシリコーン系消泡剤とを追加した例である。
【0076】(実施例24)実施例22で作成した金属
用洗浄剤組成物に対して、防錆剤として商品名「ニッサ
ンメタレックスCA−2057(日本油脂(社)製)を
0.1%と、消泡剤として、商品名「アンチフォームF
S−81(ダウコーンイング(社)製」を0.01%添
加した金属用洗浄剤組成物を作成した。この洗浄剤組成
物を用いて洗浄性の試験を実施例1と全く同様に実施し
た。さらに、本実施例では洗浄性の試験以外に、金属材
料への影響および消泡性を調べた。
【0077】(実施例25)実施例23で作成した金属
用洗浄剤組成物に対して、防錆剤として商品名「ニッサ
ンメタレックスCA−2057(日本油脂(社)製)」
を0.1%、消泡剤として商品名「アンチフォームFS
−81(ダウコーンイング(社)製」を0.01%添加
した金属用洗浄剤組成物を作成した。この洗浄剤組成物
を用いて洗浄性の試験を実施例1と全く同様に実施し
た。さらに、本実施例では洗浄性の試験以外に、金属材
料への影響および消泡性を調べた。
【0078】以上の実施例24および25の洗浄性の試
験結果を表4に示す。いずれも99%以上の洗浄度とな
り、実施例2および実施例7との結果と比較すると、成
分Aの付加しているエチレンオキサイドのモル数の分布
を狭く規定されているものを用いた方がより優れてい
て、金属部品に付着している汚れを高品質に除去するこ
とがわかる。
【0079】表5は金属材料への腐食性の試験結果を、
表6は消泡性の試験結果をそれぞれ示す。表5の試験は
清浄な被洗浄物を各欄の25°Cの洗浄液に24時間浸
漬したのち、外観の変化状況を観察したものであり、
「○」は変化がないものを、「×」は腐食されたものを
示す。表6の試験は各欄の洗浄液200mlを10秒間
エアーストーンを用いてバブリングした後、液面からの
泡の高さを一定時間毎に測定したものである。表5に示
すように、実施例24および25は鉄系金属、真鍮およ
び洋白に対しても影響を及ぼさないことがわかる。さら
に表6に示すように、実施例24および25は実施例1
9および20と比較して非常に消泡性が優れていること
がわかる。
【0080】
【表5】
【0081】
【表6】
【0082】(比較例1)実施例1で混合した原液を1
00倍つまり1%となるように水で希釈した。(A+B
+C)の含有量は0.11となり、各成分の濃度は表3
記載のように、A:B:C:D:E=0.1:0.1:
0.01:0.1:99.69の金属用洗浄剤組成物を
作成した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験を実
施例1と全く同様に実施した。表4に示したように、洗
浄度は77.9%となり、実施例1と比較して洗浄性が
著しく低下していることがわかる。この濃度では薄すぎ
て十分に界面活性剤の効果が発揮されないためである。
被洗浄物に付着している汚れが非常に少ない場合、ある
いは前槽でほとんどの汚れが除去されている場合には適
応できるが、本洗浄では比較例の濃度は好ましくない。
【0083】(比較例2)実施例1で混合した原液を4
倍つまり25%となるように水で希釈した。(A+B+
C)の含有量は5.25となり、各成分の濃度は表3記
載のように、A:B:C:D:E=2.5:2.5:
0.25:2.5:92.25となり、これにより金属
用洗浄剤組成物を作成した。この洗浄剤組成物を用いて
洗浄性の試験を実施例1と全く同様に実施した。表4に
示したように、洗浄度は79.5%となり、実施例1と
比較して洗浄性が著しく低下していることがわかる。こ
の濃度では濃すぎて界面活性剤のリンスが難しく、乳化
した油をうまく剥離しない不具合が起こるためである。
被洗浄物に付着している汚れが非常に多く、さらにリン
スを十分に行う場合には適応できるが、通常の洗浄では
本比較例の濃度は好ましくない。
【0084】(比較例3)実施例2から成分Aのみを除
いたものの比較例である。A,B,C,DおよびE成分
の比率は0:10:1:10:79で混合し均一にした
原液を、さらに20倍つまり5%となるように水で希釈
した。各成分の濃度は表3に記載のように、A:B:
C:D:E=0:0.5:0.05:0.5:98.9
5となり、これにより金属用洗浄剤組成物を作成した。
この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験を実施例1と全
く同様に実施した。表4に示したように洗浄度は68.
2%となり、実施例2と比較して洗浄性が著しく低下し
ていることがわかる。本比較例より成分Aが必須成分で
あることがわかる。
【0085】(比較例4)実施例2からB成分のみを除
いたものの比較例である。A,B,C,DおよびE成分
の比率は10:0:10:79で混合し均一にした原液
を、さらに20倍つまり5%となるように水で希釈し
た。各成分の濃度は表3に記載のように、A:B:C:
D:E=0:0.5:0.05:0.5:98.95と
なり、これにより金属用洗浄剤組成物を作成した。この
洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験を実施例1と全く同
様に実施した。表4に示したように洗浄度は71.1%
となり、実施例2と比較して洗浄性が著しく低下してい
ることがわかる。本比較例よりB成分が必須成分である
ことがわかる。
【0086】(比較例5)実施例2と較べてC成分の添
加量が0.02%と少なく、C/(A+B)=0.02
の比率となっているものの比較例である。A,B,C,
DおよびE成分の比率は10:0.4:10:69.6
で混合し均一にした原液を、さらに20倍つまり5%と
なるように水で希釈した。各成分の濃度は表3に記載の
ように、A:B:C:D:E=0.5:0:0.02:
0.5:98.48となり、これにより金属用洗浄剤組
成物を作成した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試
験を実施例1と全く同様に実施した。表4に示したよう
に洗浄度は58.3%となり、実施例2と比較して洗浄
性が著しく低下していることがわかる。本比較例よりC
成分の添加量はC/(A+B)が0.03以上であるこ
とがわかる。
【0087】(比較例6)実施例2と較べてC成分の添
加量が0.15%と多く、C/(A+B)=0.15の
比率となっているものの比較例である。A,B,C,D
およびE成分の比率は10:10:3:10:67で混
合し均一にした原液を、さらに20倍つまり5%となる
ように水で希釈した。各成分の濃度は表3に記載のよう
に、A:B:C:D:E=0.5:0:0.15:0.
5:98.35となり、これにより金属用洗浄剤組成物
を作成した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試験を
実施例1と全く同様に実施した。この洗浄剤組成物を用
いて洗浄性の試験を実施例1と全く同様に実施した。表
4に示したように洗浄度は60.2%となり、実施例2
と比較して洗浄性が著しく低下していることがわかる。
本比較例よりC成分の添加量はC/(A+B)が0.1
以上であることがわかる。
【0088】(比較例7)実施例2からD成分の添加量
が0.01%と少なく、D/(A+B+C)=約0.0
9の比率となっているものの比較例である。A,B,
C,DおよびE成分の比率は10:10:1:77で混
合し均一にした原液を、さらに20倍つまり5%となる
ように水で希釈した。各成分の濃度は表3に記載のよう
に、A:B:C:D:E=0.5:0.5:0.05:
0.1:98.95となり、これにより金属用洗浄剤組
成物を作成した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試
験を実施例1と全く同様に実施した。表4に示したよう
に洗浄度は67.2%となり、実施例2と比較して洗浄
性が著しく低下していることがわかる。本比較例よりD
成分の添加量はD/(A+B+C)が0.1以上必要で
あることがわかる。
【0089】(比較例8)実施例2からD成分の添加量
が1.2%と少なく、D/(A+B+C)=約1.4の
比率となっているものの比較例である。A,B,C,D
およびE成分の比率は10:10:1:24:55で混
合し均一にした原液を、さらに20倍つまり5%となる
ように水で希釈した。各成分の濃度は表3に記載のよう
に、A:B:C:D:E=0.5:0.5:0.05:
1.2:97.75となり、これにより金属用洗浄剤組
成物を作成した。この洗浄剤組成物を用いて洗浄性の試
験を実施例1と全く同様に実施した。表4に示したよう
に洗浄度は80.3%となり、実施例2と比較して洗浄
性が低下していることがわかる。本比較例よりD成分の
添加量はD/(A+B+C)が1.0以下であることが
わかる。
【0090】本発明においては、実施例の全てに該当す
ることであるが、使用した材料は何れもオゾン層破壊の
危険性がなく、人体に関しても有機則等に関わる材料が
なく、非常に安全である。更に本実施例に使用している
材料は生分解性がよく、特にポリオキシエチレンアルキ
ルエーテルは振とうフラスコ法による生分解試験で24
時間の分解性が90%以上の値を示している。そのため
環境に対しても安全であることがわかる。
【0091】
【発明の効果】本発明の洗浄組成物はアルカリビルダー
を混入していないため、アルカリビルダーによる水リン
スの難しい、およびリンス水の処理が難しいという問題
を起こすことがなく、優れた可溶化力あるいは乳化力に
よって、金属部品に付着している汚れを高品質に除去す
ることができる。
【0092】また、金属への腐食性が低いため、多くの
種類の金属材料を同時に洗浄することができると共に、
泡による種々の問題を起こすことがない洗浄が可能とな
る。
【0093】さらに、このような効果に加えて、本発明
の洗浄剤組成物を用いることにより、オゾン層破壊の恐
れもなく、人体に安全に洗浄を行うことができると共
に、生分解性が高いので、環境を汚染しない効果もあ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富谷 学 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 橋本 悟 東京都板橋区蓮根3丁目24番3号 日本サ ーファクタント工業株式会社内 (72)発明者 佐倉 康寛 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目4番8号 日光ケミカルズ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分A,B,C,DおよびEを含有し、
    AおよびBにおいてn−m≧2で、B/(A+B)が
    0.3〜0.8、C/(A+B)が0.03〜0.1
    で、D/(A+B+C)が0.1〜1.0で、A+B+
    Cの含有量が0.4〜5重量%であることを特徴とする
    金属用洗浄剤組成物。 成分A 一般式R1 −O−(CH2 CH2 O)m H(式
    中、R1 は炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル
    基、アルキルフェニル基およびアルケニルフェニル基を
    示し、mは1から5の整数を示す。)で示されるポリオ
    キシエチレンアルキルエーテル 成分B 一般式R2 −O−(CH2 CH2 O)n H(式
    中、R2 は炭素数8〜18のアルキル基、アルケニル
    基、アルキルフェニル基およびアルケニルフェニル基を
    示し、nは7〜15の整数を示す。)で示されるポリオ
    キシエチレンアルキルエーテル 成分C 化1に示す一般式で示されるポリオキシエチレ
    ンアルキルアミン 【化1】 成分D 一般式R4 −O−(CH2 CH2 O)2 H(式
    中、R4 は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)及び/
    または一般式R5 −OH(式中、R5 は炭素数1〜4の
    アルキル基を示す。)で示されるグリコールエーテルお
    よび/またはアルコール 成分E 水
  2. 【請求項2】 前記成分Aは、成分Aの全重量に対して
    m=0の含有量が10重量%以下であり、かつm=Xの
    時に、m=X±2の範囲にあるものの含有量が成分Aの
    全重量に対して50重量%以上であることを特徴とする
    請求項1記載の金属用洗浄剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2記載の洗浄剤に消泡
    剤および防錆剤が添加されていることを特徴とする金属
    用洗浄剤組成物。
JP4220095A 1995-03-01 1995-03-01 金属用洗浄剤組成物 Withdrawn JPH08239785A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4220095A JPH08239785A (ja) 1995-03-01 1995-03-01 金属用洗浄剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4220095A JPH08239785A (ja) 1995-03-01 1995-03-01 金属用洗浄剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08239785A true JPH08239785A (ja) 1996-09-17

Family

ID=12629377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4220095A Withdrawn JPH08239785A (ja) 1995-03-01 1995-03-01 金属用洗浄剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08239785A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10204492A (ja) * 1997-01-20 1998-08-04 Toyota Motor Corp 水溶性洗浄剤
JP2008239942A (ja) * 2006-05-24 2008-10-09 Sanyo Chem Ind Ltd アルカリ洗浄剤用消泡剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10204492A (ja) * 1997-01-20 1998-08-04 Toyota Motor Corp 水溶性洗浄剤
JP2008239942A (ja) * 2006-05-24 2008-10-09 Sanyo Chem Ind Ltd アルカリ洗浄剤用消泡剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111705323A (zh) 一种不锈钢环保清洗剂及清洗不锈钢零件的方法
JP4025953B2 (ja) 洗浄剤組成物
FI82946B (fi) Demulgerande reningsmedel med ytfukthaollande effekt.
JP2009084390A (ja) 金属洗浄剤組成物及び金属洗浄剤
CN110629234B (zh) 一种有色金属清洗剂及清洗有色金属零件的方法
JP2002508794A (ja) 低発泡性清浄剤
JP2009084621A (ja) 金属洗浄剤組成物及び金属洗浄剤
JPH08239785A (ja) 金属用洗浄剤組成物
JP2949425B2 (ja) 洗浄剤組成物
JPH0873893A (ja) 洗浄剤組成物
JPH0680995A (ja) 低残渣洗浄剤
JP3089089B2 (ja) 洗浄剤組成物
JP4603289B2 (ja) 硬質表面用洗浄剤組成物
JP2949201B2 (ja) 洗浄方法
US5464484A (en) Oil splitting aluminum cleaner and method
EP3144373B1 (en) Neutral aqueous cleaning composition
JPH08311492A (ja) 水系洗浄剤組成物
JP2908904B2 (ja) 消泡剤およびアルカリ洗浄剤組成物
JP3590897B2 (ja) 金属洗浄用組成物、及びそれを水で希釈してなる金属用洗浄剤
JP3294907B2 (ja) 金属洗浄方法
JPH0680993A (ja) 中性洗浄剤
JPH0959696A (ja) 切削液及びワークの切断方法
KR100891971B1 (ko) 고농축 알칼리 세정제 조성물
JP2001316693A (ja) 液状アルカリ性洗浄剤組成物
JPH11140483A (ja) アルカリ洗浄剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020507