JP2000167304A - 炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法 - Google Patents

炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法

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JP2000167304A JP10340544A JP34054498A JP2000167304A JP 2000167304 A JP2000167304 A JP 2000167304A JP 10340544 A JP10340544 A JP 10340544A JP 34054498 A JP34054498 A JP 34054498A JP 2000167304 A JP2000167304 A JP 2000167304A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被洗浄物に付着した水を、従来のハロゲン系
溶剤の代替が可能な優れた水切り性能を有する炭化水素
系水切り剤によって水切りし、該水切り剤をリンス剤に
よりリンスし、被洗浄物にシミを発生させることなくリ
ンス剤を安定的に長期間繰り返し使用できるような炭化
水素系水切り剤のリンス剤の再生方法を提供する。 【解決手段】 (A)被洗浄物に付着した水を、カルボ
ン酸アミン塩を含有する炭化水素系水切り剤で水切りす
る工程、(B)水切りした被洗浄物から水切り剤を、炭
化水素系のリンス剤で除去する工程、及び(C)水切り
剤の除去に使用したリンス剤を蒸留し、さらにその留出
液をイオン交換樹脂で処理する工程により、炭化水素系
水切り剤のリンス剤を再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素系水切り
剤のリンス剤を再生する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、精密部品や光学部品、電子部品等
を水で洗浄した場合、洗浄後の水の除去は主に次の3つ
の方法が行われている。すなわち、熱風等による蒸発
乾燥、水溶性有機溶剤(アルコール類やケトン類等)
による水の溶解、ハロゲン系溶剤等の非水系溶剤を用
いた比重差による水の除去である。
【0003】の方法は、乾燥時間が長い、エネルギー
コストが高い、乾燥後にシミが発生する等の問題点があ
る。の方法は、溶剤自体が引火性の高い危険物である
ため火災の危険があり、また、水が連続的に溶け込むた
めに水切り剤の管理が難しいという問題点がある。
【0004】そのため、の方法が、現在最も一般的な
水の除去方法であり、水の分離状態から次の2つに分類
できる。1つは、クロロフルオロカーボンや塩素化炭化
水素等の不燃性ハロゲン系溶剤を基剤とし、低級アルコ
ール又は各種の界面活性剤等を添加した水切り剤を用い
るもので、除去した水を上方に分離する。もう1つは、
石油系溶剤を基剤とし、界面活性剤を添加した水置換剤
を用いるもので、除去した水を下方に分離する。
【0005】また、の非水系溶剤による水の除去方法
においては、被洗浄物に付着した水を水切り剤(又は水
置換剤)で水切りした後に、該水切り剤(又は水置換
剤)をリンス剤で除去することが通常行われる。
【0006】ハロゲン系溶剤の場合は、水切り剤の基剤
と同一のハロゲン系溶剤でリンスされ、リンス剤は蒸留
により再生され、再使用される。
【0007】一方、石油系溶剤の場合は、ハロゲン系溶
剤に比べて、水切り性能が劣ると同時に水置換剤と同じ
基剤でのリンスや、その再生が容易ではないため、石油
系溶剤による水切りは、金属の脱脂や酸洗等の処理工程
で水洗い後の錆止めの目的で使用される程度であり、そ
の工程で水切り後の水置換剤の除去が必要とされる場合
には、ハロゲン系溶剤がリンス剤に使用されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
地球環境問題に対する社会的意識が高まり、環境破壊性
物質の大気及び水系への排出規制の動きが出ている。例
えば、優れた水切り剤の溶剤として使用されてきた1,
1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン
(CFC−113)及び1,1,1−トリクロロエタン
は、モントリオール議定書において成層圏のオゾン層を
破壊する物質として規制を受け、1995年末で全廃さ
れた。代替フロンとして開発されたハイドロクロロフル
オロカーボン(HCFC−141b、HCFC−225
等)も全廃時期が決定している。ジクロロメタン、トリ
クロロエチレン、パークロロエチレン等の他の塩素系溶
剤も、毒性問題や、大気汚染、地下水汚染等の大きな環
境問題より厳しい排出基準が設定されており、今後の使
用がますます困難になっている。
【0009】また、現在代替フロンとして注目されてい
るハイドロフルオロカーボン(HFC−43−10me
e等)は、オゾン破壊係数はゼロだが地球温暖化係数が
HCFC、塩素系溶剤と比較して高いことより、地球温
暖化という面で今後規制される可能性が高い。
【0010】本発明は、上記の課題に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、被洗浄物に付着した水を、従来
のハロゲン系溶剤の代替が可能な優れた水切り性能を有
する炭化水素系水切り剤によって水切りし、該水切り剤
をリンス剤によりリンスし、被洗浄物にシミを発生させ
ることなくリンス剤を安定的に長期間繰り返し使用でき
るような炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法を提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】かかる事情をふ
まえ、本発明者らは前述の問題点を解決すべく種々の検
討を重ねた結果、目的の炭化水素系水切り剤のリンス剤
の再生方法を見出し、本発明を完成するに至ったもので
ある。
【0012】すなわち本発明は、(A)被洗浄物に付着
した水を、カルボン酸アミン塩を含有する炭化水素系水
切り剤で水切りする工程、(B)水切りした被洗浄物か
ら水切り剤を、炭化水素系のリンス剤で除去する工程、
及び(C)水切り剤の除去に使用したリンス剤を蒸留
し、さらにその留出液をイオン交換樹脂で処理する工程
からなることを特徴とする炭化水素系水切り剤のリンス
剤の再生方法である。
【0013】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0014】本発明の炭化水素系水切り剤のリンス剤の
再生方法は、(A)被洗浄物に付着した水を、カルボン
酸アミン塩を含有する炭化水素系水切り剤で水切りする
工程、(B)水切りした被洗浄物から水切り剤を、炭化
水素系のリンス剤で除去する工程、及び(C)水切り剤
の除去に使用したリンス剤を蒸留し、さらにその留出液
をイオン交換樹脂で処理する工程から構成され、これら
のうちいずれか1つ欠けても満足すべき効果が得られな
い。これらすべての構成要件を組み合せることによっ
て、はじめて被洗浄物にシミを発生させることなくリン
ス剤を安定的に長期間繰り返し使用することが可能にな
ったものである。
【0015】本発明で使用する炭化水素系水切り剤とし
ては、炭化水素の基剤にカルボン酸アミン塩を添加した
ものが有効である。カルボン酸アミン塩としては、炭素
数6〜16の脂肪族モノカルボン酸と炭素数6〜16の
脂肪族モノアミンから成る塩、及び炭素数7〜22の脂
肪酸と炭素数7〜22のアルキルプロピレンジアミンか
ら成る塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含
むものが好ましい。
【0016】カルボン酸アミン塩を構成する炭素数6〜
16の脂肪族モノカルボン酸としては、特に限定するも
のではないが、n−カプロン酸、イソカプロン酸、2−
エチル−1−ブタン酸、2−メチル−1−ペンタン酸、
n−ヘプタン酸、n−カプリル酸、2−エチルヘキサン
酸、2−n−プロピル−1−ペンタン酸、n−ノナン
酸、n−カプリン酸、n−ウンデカン酸、n−ドデシル
酸、n−テトラデカン酸、n−ヘキサデカン酸等が挙げ
られる。炭素数6〜16の脂肪族モノアミンとしては、
n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチ
ルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルア
ミン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、n−ノニルア
ミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−
ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサ
デシルアミン等が挙げられる。
【0017】炭素数が7〜22、好ましくは8〜20の
脂肪酸としては、特に限定されるものではないが、n−
オクタン酸、n−デカン酸、n−ドデカン酸、n−テト
ラデカン酸、n−ヘキサデカン酸、n−オクタデカン
酸、オレイン酸等が挙げられる。アルキル基の炭素数が
7〜22、好ましくは10〜20、特に好ましくは14
〜18のアルキルプロピレンジアミンとしては、オクタ
デシルプロピレンジアミン、ヘキサデシルプロピレンジ
アミン、テトラデシルプロピレンジアミン等が挙げられ
る。
【0018】本発明において、炭化水素系水切り剤中の
カルボン酸アミン塩の含有量は、特に限定するものでは
なく、単独添加や2成分以上の組み合わせによって異な
るものではあるが、炭化水素100重量部に対し、通常
0.01〜5重量部であり、より好ましくは1成分以上
の含有量の合計が0.5〜5重量部であることが望まし
い。含有量が0.5重量部未満の場合は、十分な水切り
効果が期待出来ず、5重量部を越えてもあまり水切り効
果の向上は出来ない。
【0019】なお、上記水切り剤の水切り性能向上のた
めの第2成分、第3成分として、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル及び、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテルからなる群より選ばれる1種又は2種以上
を含むノニオン系界面活性剤、飽和脂肪族アルコール、
又は脂肪酸とアルカノールアミンから成る塩等を含むこ
とも有効である。
【0020】本発明において、炭化水素系水切り剤の基
剤及びリンス剤としては、飽和脂肪族炭化水素、脂環式
炭化水素及び芳香族炭化水素等の炭化水素系溶剤が好ま
しく、中でも、水切り剤の基剤及びリンス剤の沸点差が
30℃未満のものがより好ましい。
【0021】飽和脂肪族炭化水素としては、特に限定す
るものではないが、n−デカン、3,4−ジエチルヘキ
サン、2,6−ジメチルオクタン、3,3−ジメチルオ
クタン、3,5−ジメチルオクタン、4,4−ジメチル
オクタン、3−エチル−3−メチルヘプタン、2−メチ
ルノナン、3−メチルノナン、4−メチルノナン、5−
メチルノナン、n−ウンデカン、n−ドデカン、2−メ
チルウンデカン、3−メチルウンデカン、2,2,4,
6,6−ペンタメチルヘプタン等が例示される。
【0022】脂環式炭化水素としては、特に限定するも
のではないが、シクロペンタン、シクロヘキサン、4−
メチル−1−イソプロピルシクロヘキサン(p−メンタ
ン)、シクロオクタン、デカリン等が例示される。
【0023】芳香族炭化水素としては、特に限定するも
のではないが、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イ
ソプロピルベンゼン、1−ペンチルベンゼン等が例示さ
れる。
【0024】これらのうち、本発明においては、安全性
の面から引火点が40℃以上で低毒性のデカン、ウンデ
カン、ドデカン等の飽和脂肪族炭化水素が好ましい。
【0025】なお、炭化水素系水切り剤の基剤とリンス
剤の沸点差が30℃以上の場合は、使用中にリンス剤の
成分が徐々に変化し、リンス性能、リンス後の乾燥性
能、引火点等も変化するため、使用中に支障を来すこと
がある。
【0026】なお、本発明の炭化水素系水切り剤中に、
更に、酸化防止剤としてBHT、チモール、ピロカテキ
ン等、又は銅、亜鉛の腐食防止剤としてベンゾトリアゾ
ール類、ベンゾチアゾール類等を含んでも構わない。
【0027】本発明において使用される蒸留機は、特に
限定されるものではないが、リンス剤が可燃性であるた
め、通常、真空(減圧)蒸留機が使用され、その方式と
してはケトル式、プロペラ式、薄膜流下式、噴射攪拌式
等の真空(減圧)蒸留機が挙げられる。
【0028】本発明において使用されるイオン交換樹脂
は、水切り剤の基剤およびリンス剤として炭化水素を使
用するため、炭化水素系溶剤中でその交換能力を最も引
き出せる非水溶液用のイオン交換樹脂が好ましく、その
中でも陽イオン交換樹脂がより好ましい。
【0029】また、蒸留後の該リンス剤をその非水溶液
用のイオン交換樹脂により処理するとき、その処理方法
としては、特に限定されるものではないが、バッチ処理
もしくは、連続処理等が挙げられる。
【0030】イオン交換樹脂によるバッチ処理とは、蒸
留機によって蒸留される該リンス剤を、洗浄槽や貯液槽
等に入れ、この中に一定量のイオン交換樹脂を浸漬し、
該リンス剤とイオン交換樹脂を任意の時間接触処理した
後、再使用する方法である。また、その際のバッチ処理
は、静置または攪拌等の操作により行なわれる。
【0031】バッチ処理に使用されるイオン交換樹脂の
量としては、特に限定されるものではないが、処理容器
に貯液される該リンス剤の総液量に対し、0.1重量部
以上が好ましく、より好ましくは1重量部以上が望まし
い。
【0032】また、バッチ処理の時間としては、特に限
定されるものではないが、静置処理の場合は1日以上、
攪拌処理の場合は2時間以上行われることが望まれる。
【0033】一方、イオン交換樹脂による連続処理と
は、蒸留機によって再生される該リンス剤をイオン交換
樹脂の充填塔に循環させ再使用する方法である。
【0034】連続処理に使用されるイオン交換樹脂量と
しては、蒸留機の再生能力(L/Hr)を、連続処理に
おいて最も樹脂の能力を効率よく引き出すことが出来る
空間速度(Hr-1)で除したものから見出される。連続
処理における空間速度としては、通常、5〜20Hr-1
で使用されることが望ましい。なお、空間速度とは、蒸
留により再生されるリンス剤がイオン交換樹脂の充填塔
を通過するときに接触する時間の逆数を示す。
【0035】また、イオン交換樹脂の充填塔容積は、特
に限定されるものではないが、イオン交換樹脂は処理時
間の経過に伴って徐々に膨潤するため、連続処理に使用
されるイオン交換樹脂量に対し、10容量部以上、より
好ましくは20容量部以上のデッドスペースを設けたも
のが望ましい。
【0036】連続処理の処理容量および時間としては、
特に限定されるものではないが、使用される蒸留機の再
生能力に比例する。
【0037】なお、使用される充填塔の材質としては、
耐有機溶剤製のものが好ましい。
【0038】本発明に関する適用分野は、特に限定され
るものではないが、電気、電子、自動車、または光学等
の加工部品の水洗浄後における水切りや、水溶性加工油
等の水系汚れの水切りに使用される。被洗浄物の材質と
しては、水切り剤やリンス剤に影響を受けないものであ
れば有効であり、金属、非鉄金属、ガラス、セラミック
ス、樹脂等が挙げられる。
【0039】以下、上記で述べた本発明の再生方法を適
用した水切りシステムの応用例を図1に示し詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、図1において、実線の矢印はリンス剤の流れ、破線
の矢印は被洗浄物の流れを表す。
【0040】同図に示す水切りシステムは、水切り工程
(A)、リンス工程(B)、リンス工程(B)に付随す
る再生工程(C)、及び乾燥工程(D)から主として構
成される。
【0041】第1の工程となる水切り工程(A)では、
水が付着した被洗浄物を炭化水素系水切り剤Eが入って
いる水切り槽1に浸漬させ、水を除去する。除去された
水は、該水切り剤よりも比重が重いため水切り槽底部に
速やかに沈降する。
【0042】次に、水が除去された被洗浄物は、第2の
工程となるリンス工程(B)において、炭化水素系リン
ス剤Eが入ったリンス槽2,3に浸漬されることによ
り、付着した該水切り剤がリンスされる。なお、リンス
工程(B)での槽数は特に限定されるものではない。
【0043】リンス工程(B)で該水切り剤が除去され
た被洗浄物は、最終的に乾燥工程(D)で該リンス剤E
1が除去され仕上げられる。なお、乾燥工程では使用さ
れる乾燥機は特に限定されるものではなく、温風乾燥
機、吸引乾燥機、真空乾燥(減圧乾燥)機等が挙げられ
る。また、リンスと乾燥を兼ねた減圧下におけるリンス
剤による蒸気乾燥方式も可能である。
【0044】リンス工程(B)において該水切り剤Eの
除去によって汚染された該リンス剤E1は再生工程
(C)において再生が行われる。その工程としては、リ
ンス槽2から汚染された該リンス剤E1が送液ポンプ4
により真空蒸留機5へ送液され、その該リンス液E1に
応じた条件で真空蒸留される。
【0045】次に、蒸留された該リンス剤E1はイオン
交換樹脂6で処理が行なわれ、再生された該リンス剤E
1’が得られバッファータンク7へ供給される。その
後、供給された該リンス剤E1’は循環配管系8よりリ
ンス槽3へ、更にリンス槽2へ供給されることで、リン
ス剤を安定的に長期間繰り返し使用することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明の炭化水素系水切り剤のリンス剤
の再生方法により、被洗浄物にシミを発生させることな
くリンス剤を安定的に長期間繰り返し使用でき、環境問
題を持つ従来のハロゲン系溶剤の水切り剤から炭化水素
系の水切り剤への代替が可能となった。
【0047】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0048】実施例1:リンス剤のバッチ再生試験 <リンス剤汚染液の調整>1000mlナスフラスコに
水切り剤50mlとリンス剤450mlを入れ、500
mlのリンス剤の汚染液を調整した。なお、このリンス
剤の水切り剤による汚染濃度は、被洗浄物の水切り及び
リンスを継続した場合にシミが発生することを事前に確
認したものである。試験に供した水切り剤及びリンス剤
の組成は、表1に示す組成番号〜の4種類について
行った。
【0049】
【表1】
【0050】<試験方法>調整した4種類の汚染液を、
個々にロータリーエバポレーター(東京理化学(株)
製)で真空蒸留(130℃/60torr)を行い仕込
み液の98%を留出させた。次に、個々の留出液490
mlに対しイオン交換樹脂(アンバーリスト15E、オ
ルガノ(株)製)3.7gを加えて室温で24時間攪拌
処理を行った。
【0051】<評価方法>個々のリンス剤汚染液の再生
試験の評価方法は、被洗浄物におけるシミの発生有無で
確認した。具体的には、再生試験で得られた再生リンス
剤に、表面をよく研磨したアルミニウムの試験片(20
×50×1mm)を室温で浸漬させる。5分後に試験片
を取り出し真空乾燥機(80℃/1torr)で乾燥を
行い、試験片表面のシミの発生状態を確認した。
【0052】シミの発生有無に対する判断としては、以
下の通りである。
【0053】シミが発生しなかった場合:再生リンス剤
として使用可能、つまり再生方法として有効であると判
断する。
【0054】シミが発生した場合 :再生リンス剤
として使用不可能、つまり再生方法として無効であると
判断する。
【0055】試験結果の評価については、表2に次の評
価基準で示した。
【0056】 <評価基準>再生方法としての有効性判断 ○:有効(シミの発生なし) ×:無効(シミの発生あり)
【0057】
【表2】
【0058】比較例1 実施例1と同様の方法で調整したリンス剤汚染液を用い
て、無処理で評価を行った。評価方法は実施例1に準じ
た。評価結果を表2にあわせて示す。
【0059】比較例2 実施例1と同様の方法で調整したリンス剤汚染液を、ロ
ータリーエバポレーター(東京理化学(株)製)で真空
蒸留(130℃/60torr)を行い仕込み液の98
%を留出させた後に、評価を行った。評価方法は、実施
例1に準じた。評価結果を表2にあわせて示す。
【0060】比較例3 実施例1と同様の方法で調整したリンス剤汚染液500
mlに、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E、オル
ガノ(株)製)3.7gを加えて室温で24時間攪拌処
理を行った。評価方法は、実施例1に準じた。評価結果
を表2にあわせて示す。
【0061】比較例4、比較例5 実施例1と同様の方法で調整した汚染液を、ロータリー
エバポレーター(東京理化学(株)製)で真空蒸留(1
30℃/60torr)を行い仕込み液の98%を留出
させた。次に、留出液490mlに対し吸着剤3.7g
を加えて室温で24時間攪拌処理を行った。
【0062】本試験では以下の2種類の吸着剤について
検討を行った ・活性炭:粉末活性炭、日本カーボン(株)製 ・ゼオラム:XタイプF−9(9−14メッシュ)、東
ソー(株)製 試験後、得られた再生リンス液について実施例1と同様
の評価を行った。評価結果を表2にあわせて示す。
【0063】実施例2:リンス剤の連続再生試験 <リンス剤汚染液の調整>200L鋼製ドラムに水切り
剤20Lとリンス剤180Lを入れ、200Lのリンス
剤の汚染液を12本調整した。なお、このリンス剤の水
切り剤による汚染濃度は、被洗浄物の水切り及びリンス
を継続した場合にシミが発生することを事前に確認した
ものである。試験に供した水切り剤及びリンス剤の組成
は表1に示す組成番号〜の4種類について行なっ
た。
【0064】<試験方法>調整した4種類の汚染液(2
00L,各12本)を、個々に蒸留能力100L/Hr
の真空蒸留機(東静電気(株)製)で蒸留(130℃/
60torr)を行ない、さらに100L/Hrで随時
留出される蒸留液を、イオン交換樹脂5.5kgを入れ
た鋼製カラム(φ200×380mm)へ空間速度10
Hr-1の速度で通過させ24Hr連続再生処理を行なっ
た。試験に供した再生装置の概略図を図2に示す。
【0065】<評価方法及び評価基準>評価方法及び評
価基準については、実施例1と同様な方法で行ない、評
価結果を表2にあわせて示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の再生方法を適用した水切りシステムの
概略構成図である。
【図2】本発明の実施例2にかかる再生装置の概略構成
図である。
【符号の説明】 1:水切り槽 2,3:リンス槽 4:送液ポンプ 5:真空蒸留機 6:イオン交換樹脂 7:再生リンス槽 8:循環配管系 9:乾燥機 10:汚染液槽 A:水切り工程 B:リンス工程 C:再生工程 D:乾燥工程 E:炭化水素系水切り剤 E1:炭化水素系リンス剤 E1’:再生リンス剤 F:リンス剤の汚染液 F1:再生リンス剤

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)被洗浄物に付着した水を、カルボ
    ン酸アミン塩を含有する炭化水素系水切り剤で水切りす
    る工程、(B)水切りした被洗浄物から水切り剤を、炭
    化水素系のリンス剤で除去する工程、及び(C)水切り
    剤の除去に使用したリンス剤を蒸留し、さらにその留出
    液をイオン交換樹脂で処理する工程からなることを特徴
    とする炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法。
  2. 【請求項2】 炭化水素系水切り剤が、カルボン酸アミ
    ン塩として、炭素数6〜16の脂肪族モノカルボン酸と
    炭素数6〜16の脂肪族モノアミンから成る塩、及び炭
    素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアルキルプロ
    ピレンジアミンから成る塩からなる群より選ばれる1種
    又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 炭化水素系水切り剤が、基剤として、飽
    和脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素
    からなる群より選ばれる1種又は2種以上の炭化水素系
    溶剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】 炭化水素系水切り剤のリンス剤が、飽和
    脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素か
    らなる群より選ばれる1種又は2種以上の炭化水素系溶
    剤を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    いずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 炭化水素系水切り剤の基剤とリンス剤と
    の沸点差が、30℃未満であることを特徴とする請求項
    1乃至請求項4のいずれかに記載の炭化水素系水切り剤
    のリンス剤の再生方法。
  6. 【請求項6】 イオン交換樹脂が陽イオン交換樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに
    記載の方法。
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JP2015113480A (ja) * 2013-12-10 2015-06-22 アクトファイブ株式会社 洗浄方法及び洗浄装置
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