JP4193254B2 - 炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法 - Google Patents

炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素系水切り剤のリンス剤を再生する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、精密部品や光学部品、電子部品等を水で洗浄した場合、洗浄後の水の除去は主に次の3つの方法が行われている。すなわち、▲1▼熱風等による蒸発乾燥、▲2▼水溶性有機溶剤(アルコール類やケトン類等)による水の溶解、▲3▼ハロゲン系溶剤等の非水系溶剤を用いた比重差による水の除去である。
【0003】
▲1▼の方法は、乾燥時間が長い、エネルギーコストが高い、乾燥後にシミが発生する等の問題点がある。▲2▼の方法は、溶剤自体が引火性の高い危険物であるため火災の危険があり、また、水が連続的に溶け込むために水切り剤の管理が難しいという問題点がある。
【0004】
そのため、▲3▼の方法が、現在最も一般的な水の除去方法であり、水の分離状態から次の2つに分類できる。1つは、クロロフルオロカーボンや塩素化炭化水素等の不燃性ハロゲン系溶剤を基剤とし、低級アルコール又は各種の界面活性剤等を添加した水切り剤を用いるもので、除去した水を上方に分離する。もう1つは、石油系溶剤を基剤とし、界面活性剤を添加した水置換剤を用いるもので、除去した水を下方に分離する。
【0005】
また、▲3▼の非水系溶剤による水の除去方法においては、被洗浄物に付着した水を水切り剤(又は水置換剤)で水切りした後に、該水切り剤(又は水置換剤)をリンス剤で除去することが通常行われる。
【0006】
ハロゲン系溶剤の場合は、水切り剤の基剤と同一のハロゲン系溶剤でリンスされ、リンス剤は蒸留により再生され、再使用される。
【0007】
一方、石油系溶剤の場合は、ハロゲン系溶剤に比べて、水切り性能が劣ると同時に水置換剤と同じ基剤でのリンスや、その再生が容易ではないため、石油系溶剤による水切りは、金属の脱脂や酸洗等の処理工程で水洗い後の錆止めの目的で使用される程度であり、その工程で水切り後の水置換剤の除去が必要とされる場合には、ハロゲン系溶剤がリンス剤に使用されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、地球環境問題に対する社会的意識が高まり、環境破壊性物質の大気及び水系への排出規制の動きが出ている。例えば、優れた水切り剤の溶剤として使用されてきた1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン(CFC−113)及び1,1,1−トリクロロエタンは、モントリオール議定書において成層圏のオゾン層を破壊する物質として規制を受け、1995年末で全廃された。代替フロンとして開発されたハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC−141b、HCFC−225等)も全廃時期が決定している。ジクロロメタン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等の他の塩素系溶剤も、毒性問題や、大気汚染、地下水汚染等の大きな環境問題より厳しい排出基準が設定されており、今後の使用がますます困難になっている。
【0009】
また、現在代替フロンとして注目されているハイドロフルオロカーボン(HFC−43−10mee等)は、オゾン破壊係数はゼロだが地球温暖化係数がHCFC、塩素系溶剤と比較して高いことより、地球温暖化という面で今後規制される可能性が高い。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被洗浄物に付着した水を、従来のハロゲン系溶剤の代替が可能な優れた水切り性能を有する炭化水素系水切り剤によって水切りし、該水切り剤をリンス剤によりリンスし、被洗浄物にシミを発生させることなくリンス剤を安定的に長期間繰り返し使用できるような炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】
かかる事情をふまえ、本発明者らは前述の問題点を解決すべく種々の検討を重ねた結果、目的の炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法を見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
すなわち本発明は、(A)被洗浄物に付着した水を、カルボン酸アミン塩を含有する炭化水素系水切り剤で水切りする工程、(B)水切りした被洗浄物から水切り剤を、炭化水素系のリンス剤で除去する工程、及び(C)水切り剤の除去に使用したリンス剤を蒸留し、さらにその留出液をイオン交換樹脂で処理する工程からなることを特徴とする炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法である。
【0013】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0014】
本発明の炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法は、(A)被洗浄物に付着した水を、カルボン酸アミン塩を含有する炭化水素系水切り剤で水切りする工程、(B)水切りした被洗浄物から水切り剤を、炭化水素系のリンス剤で除去する工程、及び(C)水切り剤の除去に使用したリンス剤を蒸留し、さらにその留出液をイオン交換樹脂で処理する工程から構成され、これらのうちいずれか1つ欠けても満足すべき効果が得られない。これらすべての構成要件を組み合せることによって、はじめて被洗浄物にシミを発生させることなくリンス剤を安定的に長期間繰り返し使用することが可能になったものである。
【0015】
本発明で使用する炭化水素系水切り剤としては、炭化水素の基剤にカルボン酸アミン塩を添加したものが有効である。カルボン酸アミン塩としては、炭素数6〜16の脂肪族モノカルボン酸と炭素数6〜16の脂肪族モノアミンから成る塩、及び炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアルキルプロピレンジアミンから成る塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含むものが好ましい。
【0016】
カルボン酸アミン塩を構成する炭素数6〜16の脂肪族モノカルボン酸としては、特に限定するものではないが、n−カプロン酸、イソカプロン酸、2−エチル−1−ブタン酸、2−メチル−1−ペンタン酸、n−ヘプタン酸、n−カプリル酸、2−エチルヘキサン酸、2−n−プロピル−1−ペンタン酸、n−ノナン酸、n−カプリン酸、n−ウンデカン酸、n−ドデシル酸、n−テトラデカン酸、n−ヘキサデカン酸等が挙げられる。炭素数6〜16の脂肪族モノアミンとしては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、2−アミノオクタン、2−エチルヘキシルアミン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン等が挙げられる。
【0017】
炭素数が7〜22、好ましくは8〜20の脂肪酸としては、特に限定されるものではないが、n−オクタン酸、n−デカン酸、n−ドデカン酸、n−テトラデカン酸、n−ヘキサデカン酸、n−オクタデカン酸、オレイン酸等が挙げられる。アルキル基の炭素数が7〜22、好ましくは10〜20、特に好ましくは14〜18のアルキルプロピレンジアミンとしては、オクタデシルプロピレンジアミン、ヘキサデシルプロピレンジアミン、テトラデシルプロピレンジアミン等が挙げられる。
【0018】
本発明において、炭化水素系水切り剤中のカルボン酸アミン塩の含有量は、特に限定するものではなく、単独添加や2成分以上の組み合わせによって異なるものではあるが、炭化水素100重量部に対し、通常0.01〜5重量部であり、より好ましくは1成分以上の含有量の合計が0.5〜5重量部であることが望ましい。含有量が0.5重量部未満の場合は、十分な水切り効果が期待出来ず、5重量部を越えてもあまり水切り効果の向上は出来ない。
【0019】
なお、上記水切り剤の水切り性能向上のための第2成分、第3成分として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及び、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含むノニオン系界面活性剤、飽和脂肪族アルコール、又は脂肪酸とアルカノールアミンから成る塩等を含むことも有効である。
【0020】
本発明において、炭化水素系水切り剤の基剤及びリンス剤としては、飽和脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素等の炭化水素系溶剤が好ましく、中でも、水切り剤の基剤及びリンス剤の沸点差が30℃未満のものがより好ましい。
【0021】
飽和脂肪族炭化水素としては、特に限定するものではないが、n−デカン、3,4−ジエチルヘキサン、2,6−ジメチルオクタン、3,3−ジメチルオクタン、3,5−ジメチルオクタン、4,4−ジメチルオクタン、3−エチル−3−メチルヘプタン、2−メチルノナン、3−メチルノナン、4−メチルノナン、5−メチルノナン、n−ウンデカン、n−ドデカン、2−メチルウンデカン、3−メチルウンデカン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン等が例示される。
【0022】
脂環式炭化水素としては、特に限定するものではないが、シクロペンタン、シクロヘキサン、4−メチル−1−イソプロピルシクロヘキサン(p−メンタン)、シクロオクタン、デカリン等が例示される。
【0023】
芳香族炭化水素としては、特に限定するものではないが、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1−ペンチルベンゼン等が例示される。
【0024】
これらのうち、本発明においては、安全性の面から引火点が40℃以上で低毒性のデカン、ウンデカン、ドデカン等の飽和脂肪族炭化水素が好ましい。
【0025】
なお、炭化水素系水切り剤の基剤とリンス剤の沸点差が30℃以上の場合は、使用中にリンス剤の成分が徐々に変化し、リンス性能、リンス後の乾燥性能、引火点等も変化するため、使用中に支障を来すことがある。
【0026】
なお、本発明の炭化水素系水切り剤中に、更に、酸化防止剤としてBHT、チモール、ピロカテキン等、又は銅、亜鉛の腐食防止剤としてベンゾトリアゾール類、ベンゾチアゾール類等を含んでも構わない。
【0027】
本発明において使用される蒸留機は、特に限定されるものではないが、リンス剤が可燃性であるため、通常、真空(減圧)蒸留機が使用され、その方式としてはケトル式、プロペラ式、薄膜流下式、噴射攪拌式等の真空(減圧)蒸留機が挙げられる。
【0028】
本発明において使用されるイオン交換樹脂は、水切り剤の基剤およびリンス剤として炭化水素を使用するため、炭化水素系溶剤中でその交換能力を最も引き出せる非水溶液用のイオン交換樹脂が好ましく、その中でも陽イオン交換樹脂がより好ましい。
【0029】
また、蒸留後の該リンス剤をその非水溶液用のイオン交換樹脂により処理するとき、その処理方法としては、特に限定されるものではないが、バッチ処理もしくは、連続処理等が挙げられる。
【0030】
イオン交換樹脂によるバッチ処理とは、蒸留機によって蒸留される該リンス剤を、洗浄槽や貯液槽等に入れ、この中に一定量のイオン交換樹脂を浸漬し、該リンス剤とイオン交換樹脂を任意の時間接触処理した後、再使用する方法である。また、その際のバッチ処理は、静置または攪拌等の操作により行なわれる。
【0031】
バッチ処理に使用されるイオン交換樹脂の量としては、特に限定されるものではないが、処理容器に貯液される該リンス剤の総液量に対し、0.1重量部以上が好ましく、より好ましくは1重量部以上が望ましい。
【0032】
また、バッチ処理の時間としては、特に限定されるものではないが、静置処理の場合は1日以上、攪拌処理の場合は2時間以上行われることが望まれる。
【0033】
一方、イオン交換樹脂による連続処理とは、蒸留機によって再生される該リンス剤をイオン交換樹脂の充填塔に循環させ再使用する方法である。
【0034】
連続処理に使用されるイオン交換樹脂量としては、蒸留機の再生能力(L/Hr)を、連続処理において最も樹脂の能力を効率よく引き出すことが出来る空間速度(Hr-1)で除したものから見出される。連続処理における空間速度としては、通常、5〜20Hr-1で使用されることが望ましい。なお、空間速度とは、蒸留により再生されるリンス剤がイオン交換樹脂の充填塔を通過するときに接触する時間の逆数を示す。
【0035】
また、イオン交換樹脂の充填塔容積は、特に限定されるものではないが、イオン交換樹脂は処理時間の経過に伴って徐々に膨潤するため、連続処理に使用されるイオン交換樹脂量に対し、10容量部以上、より好ましくは20容量部以上のデッドスペースを設けたものが望ましい。
【0036】
連続処理の処理容量および時間としては、特に限定されるものではないが、使用される蒸留機の再生能力に比例する。
【0037】
なお、使用される充填塔の材質としては、耐有機溶剤製のものが好ましい。
【0038】
本発明に関する適用分野は、特に限定されるものではないが、電気、電子、自動車、または光学等の加工部品の水洗浄後における水切りや、水溶性加工油等の水系汚れの水切りに使用される。被洗浄物の材質としては、水切り剤やリンス剤に影響を受けないものであれば有効であり、金属、非鉄金属、ガラス、セラミックス、樹脂等が挙げられる。
【0039】
以下、上記で述べた本発明の再生方法を適用した水切りシステムの応用例を図1に示し詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、図1において、実線の矢印はリンス剤の流れ、破線の矢印は被洗浄物の流れを表す。
【0040】
同図に示す水切りシステムは、水切り工程(A)、リンス工程(B)、リンス工程(B)に付随する再生工程(C)、及び乾燥工程(D)から主として構成される。
【0041】
第1の工程となる水切り工程(A)では、水が付着した被洗浄物を炭化水素系水切り剤Eが入っている水切り槽1に浸漬させ、水を除去する。除去された水は、該水切り剤よりも比重が重いため水切り槽底部に速やかに沈降する。
【0042】
次に、水が除去された被洗浄物は、第2の工程となるリンス工程(B)において、炭化水素系リンス剤Eが入ったリンス槽2,3に浸漬されることにより、付着した該水切り剤がリンスされる。なお、リンス工程(B)での槽数は特に限定されるものではない。
【0043】
リンス工程(B)で該水切り剤が除去された被洗浄物は、最終的に乾燥工程(D)で該リンス剤E1が除去され仕上げられる。なお、乾燥工程では使用される乾燥機は特に限定されるものではなく、温風乾燥機、吸引乾燥機、真空乾燥(減圧乾燥)機等が挙げられる。また、リンスと乾燥を兼ねた減圧下におけるリンス剤による蒸気乾燥方式も可能である。
【0044】
リンス工程(B)において該水切り剤Eの除去によって汚染された該リンス剤E1は再生工程(C)において再生が行われる。その工程としては、リンス槽2から汚染された該リンス剤E1が送液ポンプ4により真空蒸留機5へ送液され、その該リンス液E1に応じた条件で真空蒸留される。
【0045】
次に、蒸留された該リンス剤E1はイオン交換樹脂6で処理が行なわれ、再生された該リンス剤E1’が得られバッファータンク7へ供給される。その後、供給された該リンス剤E1’は循環配管系8よりリンス槽3へ、更にリンス槽2へ供給されることで、リンス剤を安定的に長期間繰り返し使用することができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法により、被洗浄物にシミを発生させることなくリンス剤を安定的に長期間繰り返し使用でき、環境問題を持つ従来のハロゲン系溶剤の水切り剤から炭化水素系の水切り剤への代替が可能となった。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
実施例1:リンス剤のバッチ再生試験
<リンス剤汚染液の調整>
1000mlナスフラスコに水切り剤50mlとリンス剤450mlを入れ、500mlのリンス剤の汚染液を調整した。なお、このリンス剤の水切り剤による汚染濃度は、被洗浄物の水切り及びリンスを継続した場合にシミが発生することを事前に確認したものである。試験に供した水切り剤及びリンス剤の組成は、表1に示す組成番号▲1▼〜▲4▼の4種類について行った。
【0049】
【表1】
Figure 0004193254
【0050】
<試験方法>
調整した4種類の汚染液を、個々にロータリーエバポレーター(東京理化学(株)製)で真空蒸留(130℃/60torr)を行い仕込み液の98%を留出させた。次に、個々の留出液490mlに対しイオン交換樹脂(アンバーリスト15E、オルガノ(株)製)3.7gを加えて室温で24時間攪拌処理を行った。
【0051】
<評価方法>
個々のリンス剤汚染液の再生試験の評価方法は、被洗浄物におけるシミの発生有無で確認した。具体的には、再生試験で得られた再生リンス剤に、表面をよく研磨したアルミニウムの試験片(20×50×1mm)を室温で浸漬させる。5分後に試験片を取り出し真空乾燥機(80℃/1torr)で乾燥を行い、試験片表面のシミの発生状態を確認した。
【0052】
シミの発生有無に対する判断としては、以下の通りである。
【0053】
シミが発生しなかった場合:再生リンス剤として使用可能、つまり再生方法として有効であると判断する。
【0054】
シミが発生した場合 :再生リンス剤として使用不可能、つまり再生方法として無効であると判断する。
【0055】
試験結果の評価については、表2に次の評価基準で示した。
【0056】
<評価基準>再生方法としての有効性判断
○:有効(シミの発生なし) ×:無効(シミの発生あり)
【0057】
【表2】
Figure 0004193254
【0058】
比較例1
実施例1と同様の方法で調整したリンス剤汚染液を用いて、無処理で評価を行った。評価方法は実施例1に準じた。評価結果を表2にあわせて示す。
【0059】
比較例2
実施例1と同様の方法で調整したリンス剤汚染液を、ロータリーエバポレーター(東京理化学(株)製)で真空蒸留(130℃/60torr)を行い仕込み液の98%を留出させた後に、評価を行った。評価方法は、実施例1に準じた。評価結果を表2にあわせて示す。
【0060】
比較例3
実施例1と同様の方法で調整したリンス剤汚染液500mlに、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E、オルガノ(株)製)3.7gを加えて室温で24時間攪拌処理を行った。評価方法は、実施例1に準じた。評価結果を表2にあわせて示す。
【0061】
比較例4、比較例5
実施例1と同様の方法で調整した汚染液を、ロータリーエバポレーター(東京理化学(株)製)で真空蒸留(130℃/60torr)を行い仕込み液の98%を留出させた。次に、留出液490mlに対し吸着剤3.7gを加えて室温で24時間攪拌処理を行った。
【0062】
本試験では以下の2種類の吸着剤について検討を行った
・活性炭:粉末活性炭、日本カーボン(株)製
・ゼオラム:XタイプF−9(9−14メッシュ)、東ソー(株)製
試験後、得られた再生リンス液について実施例1と同様の評価を行った。評価結果を表2にあわせて示す。
【0063】
実施例2:リンス剤の連続再生試験
<リンス剤汚染液の調整>
200L鋼製ドラムに水切り剤20Lとリンス剤180Lを入れ、200Lのリンス剤の汚染液を12本調整した。なお、このリンス剤の水切り剤による汚染濃度は、被洗浄物の水切り及びリンスを継続した場合にシミが発生することを事前に確認したものである。試験に供した水切り剤及びリンス剤の組成は表1に示す組成番号▲1▼〜▲4▼の4種類について行なった。
【0064】
<試験方法>
調整した4種類の汚染液(200L,各12本)を、個々に蒸留能力100L/Hrの真空蒸留機(東静電気(株)製)で蒸留(130℃/60torr)を行ない、さらに100L/Hrで随時留出される蒸留液を、イオン交換樹脂5.5kgを入れた鋼製カラム(φ200×380mm)へ空間速度10Hr-1の速度で通過させ24Hr連続再生処理を行なった。試験に供した再生装置の概略図を図2に示す。
【0065】
<評価方法及び評価基準>
評価方法及び評価基準については、実施例1と同様な方法で行ない、評価結果を表2にあわせて示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の再生方法を適用した水切りシステムの概略構成図である。
【図2】本発明の実施例2にかかる再生装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1:水切り槽
2,3:リンス槽
4:送液ポンプ
5:真空蒸留機
6:イオン交換樹脂
7:再生リンス槽
8:循環配管系
9:乾燥機
10:汚染液槽
A:水切り工程
B:リンス工程
C:再生工程
D:乾燥工程
E:炭化水素系水切り剤
E1:炭化水素系リンス剤
E1’:再生リンス剤
F:リンス剤の汚染液
F1:再生リンス剤

Claims (6)

  1. (A)被洗浄物に付着した水を、カルボン酸アミン塩を含有する炭化水素系水切り剤で水切りする工程、(B)水切りした被洗浄物から水切り剤を、炭化水素系のリンス剤で除去する工程、及び(C)水切り剤の除去に使用したリンス剤を蒸留し、さらにその留出液をイオン交換樹脂で処理する工程からなることを特徴とする炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法。
  2. 炭化水素系水切り剤が、カルボン酸アミン塩として、炭素数6〜16の脂肪族モノカルボン酸と炭素数6〜16の脂肪族モノアミンから成る塩、及び炭素数7〜22の脂肪酸と炭素数7〜22のアルキルプロピレンジアミンから成る塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 炭化水素系水切り剤が、基剤として、飽和脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選ばれる1種又は2種以上の炭化水素系溶剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 炭化水素系水切り剤のリンス剤が、飽和脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素及び芳香族炭化水素からなる群より選ばれる1種又は2種以上の炭化水素系溶剤を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の方法。
  5. 炭化水素系水切り剤の基剤とリンス剤との沸点差が、30℃未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の炭化水素系水切り剤のリンス剤の再生方法。
  6. イオン交換樹脂が陽イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の方法。
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